(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157939
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20241031BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241031BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241031BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20241031BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B30/00
G03B15/00 V
G03B17/02
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072619
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 善博
(72)【発明者】
【氏名】山守 俊哉
【テーマコード(参考)】
2H044
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
5C122DA14
5C122EA01
5C122GE01
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE19
(57)【要約】
【課題】装置内部に配置されている基板に異物が付着することを抑制する撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置20は、レンズ250と、ホルダ256と、撮像素子254と、を有するカメラモジュール25と、撮像素子254からの信号を取得する基板55と、ケース35と、ケース35とともにレンズ250、ホルダ256、撮像素子254および基板55を収容しているカバー45と、を備え、ケース35は、ホルダ256が挿入されている開口部350を有し、開口部350は、ホルダ256および基板55の間に位置している第1壁部361と、ホルダ256に対して第1壁部361とは反対側に位置している第2壁部362と、第1壁部361から一方向に延びているとともに、ケース35およびカバー45によって形成されている空間におけるホルダ256および基板55の間に位置している庇363と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
レンズ(250)と、前記レンズを収容するホルダ(256)と、前記レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(254)と、を有するカメラモジュール(25)と、
前記撮像素子からの信号を取得する基板(55)と、
ケース(35)と、
前記ケースとともに前記レンズ、前記ホルダ、前記撮像素子および前記基板を収容しているカバー(45)と、
を備え、
前記ケースは、前記ホルダが挿入されている開口部(350)を有し、
前記開口部は、
前記ホルダおよび前記基板の間に位置している第1壁部(361)と、
前記ホルダに対して前記第1壁部とは反対側に位置している第2壁部(362)と、
前記第1壁部から一方向に延びているとともに、前記ケースおよび前記カバーによって形成されている空間における前記ホルダおよび前記基板の間に位置している庇(363)と、
を含む撮像装置。
【請求項2】
前記庇は、前記第1壁部と一体とされている請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記一方向は、前記レンズの光軸(OL)の方向とされている請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記庇は、前記レンズの光軸(OL)に対して傾斜していることにより、
前記光軸と直交する方向における前記庇の前記一方向側の先端(3630)から前記ホルダまでの距離(L1)が、前記光軸と直交する方向における前記庇と前記第1壁部との境界部(370)から前記ホルダまでの距離(L2)よりも小さくなっている請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2壁部は、
前記ホルダと前記レンズの光軸(OL)と交差する方向に対向している対向面(367)と、
前記対向面と交差して接続されているとともに前記ケースの外部を向いている壁部外面(369)と、
を含み、
前記庇の前記一方向側の先端(3630)は、前記壁部外面よりも前記一方向側に位置している請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記庇の前記一方向側の先端(3630)は、前記基板の前記一方向側の端(550)よりも前記一方向側に位置している請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記基板は、第1基板であって、
前記カメラモジュールは、前記撮像素子を実装している第2基板(252)を有し、
前記撮像装置は、前記第1基板および前記第2基板と接続されている接続部(50)を備え、
前記ホルダは、前記レンズの光軸(OL)の方向および前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向と直交する方向である他方向におけるホルダ端(268)を含み、
前記接続部と前記第2基板との接続部位は、前記庇よりも前記一方向側に位置しており、
前記接続部は、前記他方向における接続部端(500)を含み、
前記接続部端は、前記ホルダ端よりも前記他方向内側に位置しており、
前記開口部は、前記庇から前記ホルダに向かう方向に突出している凸部(365)を含み、
前記凸部は、前記他方向において前記ホルダ端および前記接続部端の間に位置している請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記基板は、第1基板であって、
前記カメラモジュールは、前記撮像素子を実装している第2基板(252)を有し、
前記撮像装置は、前記第1基板および前記第2基板と接続されている接続部(50)を備え、
前記接続部と前記第2基板との接続部位は、前記庇よりも前記一方向側に位置しており、
前記庇は、前記レンズの光軸(OL)の方向および前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向と直交する方向である他方向に対して傾斜している請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2壁部は、前記第1壁部よりも前記一方向側に位置している請求項1または2に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、筐体の上面にレンズが露出する車載カメラが撮像装置として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された車載カメラでは、筐体とレンズとを組み付けるため、筐体およびレンズの間に隙間が形成される。この隙間から筐体内部に水滴等の異物が侵入する。また、車載カメラでは、筐体内部には、電子部品を実装するプリント基板が配置される。このため、筐体内部に侵入した異物がプリント基板に付着すると、プリント基板内で、例えば、ショート等の異常が発生する。
【0005】
本開示は、装置内部に配置されている基板に異物が付着することを抑制する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、撮像装置であって、レンズ(250)と、レンズを収容するホルダ(256)と、レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(254)と、を有するカメラモジュール(25)と、撮像素子からの信号を取得する基板(55)と、ケース(35)と、ケースとともにレンズ、ホルダ、撮像素子および基板を収容しているカバー(45)と、を備え、ケースは、ホルダが挿入されている開口部(350)を有し、開口部は、ホルダおよび基板の間に位置している第1壁部(361)と、ホルダに対して第1壁部とは反対側に位置している第2壁部(362)と、第1壁部から一方向に延びているとともに、ケースおよびカバーによって形成されている空間におけるホルダおよび基板の間に位置している庇(363)と、を含む撮像装置である。
【0007】
これにより、ホルダおよび開口部の間の隙間から侵入する異物は、基板に到達する前に庇へ付着する。このため、撮像装置の内部に配置されている基板に異物が付着することが抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の撮像装置では、装置内部に配置されている基板に異物が付着することが抑制される。具体的には、撮像装置は、例えば、車両に用いられる。まず、この車両について説明する。
【0012】
図1に示すように、車両10は、ウィンドシールド12および撮像装置20を備えている。ウィンドシールド12は、車両10の運転者の前方の視界を確保する。
【0013】
撮像装置20は、例えば、単眼カメラであって、車両10の前方を撮像する。なお、撮像装置20は、単眼カメラであることに限定されないで、複眼カメラであってもよい。また、撮像装置20は、車両10の前方を撮像することに限定されないで、車両10の左方、右方および後方等、車両10の周辺を撮像してもよい。
【0014】
具体的には、撮像装置20は、
図1~
図5に示すように、カメラモジュール25、フード30、ケース35、第1固定部材41、第2固定部材42、カバー45および基板間接続部50を備えている。さらに、撮像装置20は、第1ピン51、第2ピン52、処理基板55、第1コネクタ筐体61および第2コネクタ筐体62を備えている。
【0015】
カメラモジュール25は、レンズ250、撮像基板252、撮像素子254およびホルダ256を有する。
【0016】
レンズ250は、車両10の前方を撮像するため、車両前方側からの光を集める。また、レンズ250の光軸OLは、車両前後方向に延びている。
【0017】
撮像基板252は、プリント基板である。撮像素子254は、CMOSイメージセンサ等の半導体イメージセンサ素子である。さらに、撮像素子254は、撮像基板252のうちレンズ250と車両前後方向に対向する面に実装されている。したがって、撮像素子254は、レンズ250を通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する。
【0018】
ホルダ256は、レンズホルダ258、接続ホルダ260およびホルダ端268を有する。レンズホルダ258は、樹脂等で形成されている。また、レンズホルダ258は、レンズホルダ筒部262およびレンズホルダ鍔部264を含む。
【0019】
レンズホルダ筒部262は、例えば、円筒形状に形成されている。これにより、レンズホルダ筒部262は、レンズ250を収容している。レンズホルダ鍔部264は、レンズホルダ筒部262から光軸OLと交差する方向、例えば、直交する方向に延びている。
【0020】
接続ホルダ260は、アルミニウム等の比較的軽量かつ高強度かつ高熱伝導率の金属で形成されている。さらに、接続ホルダ260は、接続ホルダ筒部266、第1鍔部271および第2鍔部272を含む。
【0021】
接続ホルダ筒部266は、
図2に示すように、例えば、外周が四角で内周が円形の筒状に形成されている。また、
図1に示すように、接続ホルダ筒部266のうち車両前方側の端部は、接着剤やねじ止め等により、レンズホルダ鍔部264と車両前後方向に接続されている。さらに、接続ホルダ筒部266のうち車両後方側の端部は、接着剤やねじ止め等により、撮像基板252と車両前後方向に接続されている。また、レンズ250を通る光が接続ホルダ筒部266内を通過することにより、レンズ250を通過した光が撮像素子254に導かれる。
【0022】
第1鍔部271は、
図2に示すように、接続ホルダ筒部266のうち後述の第1コネクタ筐体61側の部位から、車両右方向に延びている。さらに、第1鍔部271は、
図2および
図4に示すように、第1鍔部穴281を含む。第1鍔部穴281は、車両前後方向に延びている。
【0023】
第2鍔部272は、
図2に示すように、接続ホルダ筒部266のうち第1鍔部271とは反対側の部位から、第1鍔部271が延びている方向とは反対方向、ここでは、車両左方向に延びている。また、第2鍔部272は、
図2および
図5に示すように、第2鍔部穴282を含む。第2鍔部穴282は、車両前後方向に延びている。
【0024】
ホルダ端268は、他方向におけるホルダ256の端である。他方向は、光軸OLの方向および第1壁部361から第2壁部362に向かう方向と直交する方向である。ここでは、
図1に示すように、光軸OLの方向は、車両前後方向である。また、第1壁部361から第2壁部362に向かう方向は、車両後上方向である。したがって、ここでは、
図2に示すように、他方向は、車両前後方向および車両後上方向と直交する方向であることから、車両左右方向である。また、車両右方向に延びている第1鍔部271および車両左方向に延びている第2鍔部272がホルダ256に形成されていることから、ホルダ端268は、ここでは、第1鍔部271および第2鍔部272の端に対応する。
【0025】
フード30は、
図1に示すように、レンズホルダ258のうち車両前下側に配置されている。また、フード30は、例えば、黒色の反射防止材やプラスチック等で板状に形成されている。これにより、フード30は、撮像装置20の車両下方または車両10の内部からの光がレンズ250に入射することを抑制する。
【0026】
ケース35は、
図1~
図5に示すように、アルミニウム等の比較的軽量かつ高強度かつ高熱伝導率の金属で形成されている。さらに、ケース35は、開口部350、第1ケース穴351および第2ケース穴352を有する。
【0027】
開口部350の空間には、
図1に示すように、レンズホルダ筒部262の一部が挿入されている。また、開口部350は、第1壁部361、第2壁部362、庇363および凸部365を有する。
【0028】
第1壁部361は、ホルダ256および後述の処理基板55の間に位置している。第2壁部362は、ホルダ256に対して第1壁部361とは反対側に位置している。さらに、第2壁部362は、第1壁部361よりも車両後方側に位置している。このため、開口部350は、車両前後方向および車両上下方向に開口している。また、第2壁部362は、対向面367および壁部外面369を含む。
【0029】
対向面367は、レンズホルダ筒部262と車両上下方向に対向している。
【0030】
壁部外面369は、対向面367と交差して接続されているとともに、ケース35の外部を向いている。例えば、壁部外面369は、対向面367と直交しているとともに、車両前方を向いている。
【0031】
庇363は、第1壁部361から一方向に延びている。例えば、庇363は、レンズ250の光軸OLの方向および車両後方向に延びている。また、庇363は、ケース35および後述のカバー45によって形成されている空間におけるホルダ256および後述の処理基板55の間に位置している。さらに、庇363は、第1壁部361と一体とされている。なお、庇363は、第1壁部361と一体とされているところ、これに限定されない。庇363は、第1壁部361と別体とされていてもよい。
【0032】
また、庇363の一方向側の先端3630は、壁部外面369よりも車両後方側に位置している。さらに、
図2および
図3に示すように、庇363のうち後述の基板間接続部50と一方向に重なる部分は、車両左右方向に対して傾斜している。なお、ここでは、庇363のうち後述の基板間接続部50と一方向に重なる部分が、車両上方向に突出していることにより車両左右方向に対して傾斜しているが、車両下方向に突出していることによって車両左右方向に対して傾斜してもよい。
【0033】
凸部365は、庇363からホルダ256に向かう方向、ここでは、車両上方向に突出している。
【0034】
第1ケース穴351は、
図4に示すように、車両前後方向に延びているとともに、第1鍔部穴281と対応する位置に形成されている。したがって、第1ケース穴351は、第1鍔部穴281と連通している。
【0035】
第2ケース穴352は、
図5に示すように、車両前後方向に延びているとともに、第2鍔部穴282と対応する位置に形成されている。よって、第2ケース穴352は、第2鍔部穴282と連通している。
【0036】
第1固定部材41は、ねじ等であって、
図4に示すように、第1鍔部穴281および第1ケース穴351に挿入されている。第2固定部材42は、ねじ等であって、
図5に示すように、第2鍔部穴282および第2ケース穴352に挿入されている。これらにより、ケース35とレンズホルダ258とが固定されている。このため、ケース35とカメラモジュール25とが固定されている。なお、ここでは、ケース35とカメラモジュール25とが、ねじ等の第1固定部材41および第2固定部材42が用いられて固定されているところ、これに限定されない。ケース35とカメラモジュール25との固定は、接着剤や凹凸篏合等が用いられてもよい。
【0037】
カバー45は、
図1~
図5に示すように、アルミニウム等の比較的軽量かつ高強度かつ高熱伝導率の金属で形成されている。さらに、カバー45は、ケース35とともに空間を形成している。これにより、カバー45は、ケース35とともにカメラモジュール25を収容している。また、カバー45は、ねじ止め等により、ケース35および撮像基板252と固定されている。
【0038】
基板間接続部50は、例えば、FPC等であって、
図1および
図2に示すように、ケース35とカバー45とによって形成された空間に収容されている。さらに、基板間接続部50は、撮像基板252と接続されているとともに、後述の処理基板55と接続されている。また、基板間接続部50と撮像基板252との接続部位は、庇363よりも車両後方側に位置している。なお、FPCは、Flexible Printed Circuitsの略である。
【0039】
また、基板間接続部50は、接続部端500を含む。接続部端500は、車両左右方向における基板間接続部50の端である。さらに、接続部端500は、ホルダ端268よりも車両左右方向内側に位置している。また、車両左右方向において、接続部端500およびホルダ端268の間に、凸部365が位置している。
【0040】
第1ピン51および第2ピン52は、図示しない電源、図示しないディスプレイ、図示しない外部サーバと通信するインタフェース、図示しない運転支援装置、図示しない運転者状態検出装置等と接続されている。また、第1ピン51および第2ピン52は、はんだ付け等により、後述の処理基板55と接続されている。
【0041】
処理基板55は、プリント基板であって、ケース35とカバー45とによって形成された空間に収容されている。さらに、処理基板55は、
図1に示すように、基板端550を含む。基板端550は、処理基板55のうち車両後方側の端である。また、基板端550は、庇363の先端3630よりも車両前方側に位置している、すなわち、庇363の先端3630は、基板端550よりも車両後方側に位置している。さらに、処理基板55は、図示しないマイコン、ROM、RAM等を実装している。また、処理基板55のマイコンは、図示しない電源からの電力により、駆動する。さらに、処理基板55のマイコンは、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、撮像基板252および基板間接続部50を介して、撮像素子254からの撮像画像に信号を取得する。
【0042】
また、処理基板55のマイコンは、例えば、この取得した撮像画像を図示しないディスプレイに表示させる。さらに、処理基板55のマイコンは、この取得した撮像画像に対して画像認識等の画像処理を行う。また、処理基板55のマイコンは、撮像画像とともに画像処理結果に応じた信号を、第1ピン51および第2ピン52のどちらかを介して、図示しない外部サーバと通信するインタフェースおよび図示しない運転支援装置に出力する。
【0043】
このとき、図示しないインタフェースは、撮像画像とともに画像処理結果に応じた信号を取得し、取得した信号を外部サーバに出力する。外部サーバでは、撮像画像とともに画像処理結果に応じたデータが蓄積される。
【0044】
さらに、図示しない運転支援装置は、撮像画像とともに画像処理結果に応じた信号を取得し、取得した画像処理結果に基づいて、例えば、車両10における警報出力制御や走行制御等の走行支援を実行する。なお、警報出力制御は、車両10が車線を逸脱しそうな場合に警報の出力を実行する制御である。走行制御は、車両10が車線内を走行するように車両10の操舵制御やブレーキ制御を実行する制御である。
【0045】
また、処理基板55のマイコンは、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、図示しない運転者状態検出装置からの運転者の状態を取得する。さらに、処理基板55のマイコンは、運転者の状態に基づいて、上記取得した撮像画像に対して画像認識等の画像処理を行う。例えば、運転者が気絶している等の運転できない状態であるとき、処理基板55のマイコンは、上記取得した撮像画像から、車両10が安全に停止可能な場所を検出する。さらに、処理基板55のマイコンは、この検出結果に応じた信号を、第1ピン51および第2ピン52のどちらかを介して、図示しない運転支援装置に出力する。このとき、図示しない運転者支援装置は、この検出結果に応じた信号を取得し、例えば、車両10が安全に停止可能な場所に、車両10を停止させる。
【0046】
第1コネクタ筐体61は、
図2に示すように、樹脂等で有底筒状に形成されている。これにより、第1コネクタ筐体61は、第1ピン51を収容している。また、第1コネクタ筐体61は、処理基板55と固定されている。さらに、第1コネクタ筐体61は、カメラモジュール25と車両左右方向に並んでいる。
【0047】
第2コネクタ筐体62は、樹脂等で有底筒状に形成されている。これにより、第2コネクタ筐体62は、第2ピン52を収容している。また、第2コネクタ筐体62は、処理基板55と固定されている。さらに、カメラモジュール25、第1コネクタ筐体61および第2コネクタ筐体62は、車両左右方向に並んでおり、第1コネクタ筐体61が、車両左右方向において、カメラモジュール25および第2コネクタ筐体62の間に配置されている。
【0048】
以上のように、本実施形態の撮像装置20が用いられる車両10は、構成されている。次に、本実施形態の撮像装置20では、装置内部に配置されている処理基板55に異物が付着することが抑制されることについて説明する。
【0049】
本実施形態の撮像装置20では、
図1に示すように、ケース35は、開口部350を有する。開口部350には、ホルダ256が挿入されている。さらに、開口部350は、庇363を含む。庇363は、第1壁部361から一方向、ここでは、光軸OLの方向および車両後方向に延びている。また、庇363は、ケース35およびカバー45によって形成されている空間におけるホルダ256および処理基板55の間に位置している。
【0050】
これにより、ホルダ256および開口部350の間の隙間から侵入する異物は、処理基板55に到達する前に庇363へ付着する。このため、撮像装置20の内部に配置されている処理基板55に異物が付着することが抑制される。
【0051】
また、第1実施形態の撮像装置20では、以下に記載する効果も奏する。
【0052】
[1-1]
図1に示すように、庇363は、第1壁部361と一体とされている。これにより、庇363が第1壁部361と別体とされる場合と比較して、庇363および第1壁部361の間に隙間が生じにくくなる。このため、庇363および第1壁部361の間の隙間から処理基板55に異物が付着することが抑制される。また、庇363が第1壁部361と別体とされる場合と比較して、庇363を第1壁部361に後付けする必要がないため、庇363の形成がしやすくなる。
【0053】
[1-2]
図1に示すように、庇363の先端3630は、壁部外面369よりも一方向側、ここでは、車両後方側に位置している。
【0054】
これにより、ホルダ256および開口部350の間の隙間から侵入する異物は、処理基板55に到達する前に庇363へ付着しやすくなる。このため、処理基板55に異物が付着することが抑制される。
【0055】
[1-3]
図1に示すように、庇363の先端3630は、基板端550よりも一方向側、ここでは、車両後方側に位置している。
【0056】
これにより、ホルダ256および開口部350の間の隙間から侵入する異物は、処理基板55に到達する前に庇363へ付着しやすくなる。このため、処理基板55に異物が付着することが抑制される。
【0057】
[1-4]
図1に示すように、カメラモジュール25は、撮像素子254を実装している撮像基板252を有する。また、ホルダ256は、他方向におけるホルダ端268を含む。さらに、撮像装置20は、処理基板55および撮像基板252と接続されている基板間接続部50を備える。また、基板間接続部50は、他方向における接続部端500を含む。さらに、接続部端500は、ホルダ端268よりも他方向内側に位置している。また、
図2および
図3に示すように、開口部350は、凸部365を含む。凸部365は、庇363からホルダ256に向かう方向、ここでは、車両上方向に突出している。さらに、凸部365は、他方向において、ホルダ端268および接続部端500の間に位置している。なお、処理基板55は、第1基板に相当する。また、撮像基板252は、第2基板に相当する。さらに、他方向は、上記したように、ここでは、車両左右方向である。
【0058】
これにより、ホルダ端268を伝って侵入する異物が基板間接続部50に移動することが妨げられる。このため、ホルダ端268を伝って侵入する異物が基板間接続部50に付着することが抑制される。
【0059】
[1-5]
図1に示すように、基板間接続部50と撮像基板252との接続部位は、庇363よりも一方向側、ここでは、車両後方側に位置している。また、
図2および
図3に示すように、庇363は、他方向に対して傾斜している。
【0060】
これにより、庇363に付着した異物は、他方向に移動しやすくなる。このため、ホルダ256および開口部350の間の隙間から侵入する異物は、基板間接続部50に付着しにくくなる。
【0061】
[1-6]ここで、ウィンドシールド12のような傾斜物とレンズ250とが離れると、離れた分、傾斜物を通過した光が撮像装置20の外部等で反射されやすく、反射した光がレンズ250を通過しやすい。これにより、傾斜物を通過した光の反射を抑制するために、フード30の大きさを大きくする必要がある。
【0062】
これに対して、本実施形態の撮像装置20では、
図1に示すように、第2壁部362は、第1壁部361よりも一方向側、ここでは、車両後方側に位置している。
【0063】
これにより、傾斜物と第2壁部362とが干渉することが抑制される。このため、レンズ250を傾斜物に近づけることができる。したがって、傾斜物とレンズ250とが比較的離れている場合と比較して、傾斜物を通過した光が撮像装置20の外部等で反射されることが抑制される。よって、フード30の大きさを小さくすることができ、フード30の大型化が抑制される。これにより、撮像装置20の大型化が抑制される。
【0064】
(第2実施形態)
第2実施形態では、庇363の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0065】
庇363は、
図6に示すように、第1壁部361から光軸OLの方向に延びていることに代えて、光軸OLに対して傾斜している。これにより、第1距離L1が、第2距離L2よりも小さくなっている。なお、第1距離L1は、光軸OLと直交する方向における庇363の先端3630からホルダ256までの最短距離である。また、第2距離L2は、光軸OLと直交する方向における庇363と第1壁部361との境界部370からホルダ256までの最短距離である。
【0066】
以上のように、第2実施形態の撮像装置20は、構成されている。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0067】
[2]庇363は、光軸OLに対して傾斜していることにより、第1距離L1は、第2距離L2よりも小さくなっている。
【0068】
これにより、庇363に付着した異物が庇363の先端3630から境界部370に向かって移動しやすくなる。このため、庇363に付着した異物が境界部370に溜まりやすくなる。したがって、ホルダ256および開口部350の間の隙間から侵入する異物は、処理基板55に到達しにくくなる。よって、処理基板55に異物が付着することが抑制される。
【0069】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0070】
本開示に記載の制御部等およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部等およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部等およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0071】
上記各実施形態では、撮像装置20は、車両10に用いられる。これに対して、撮像装置20は、車両10に用いられることに限定されないで、例えば、設備等に用いられてもよい。
【0072】
上記各実施形態では、図示しない運転支援装置は、処理基板55のマイコンによる画像処理結果に基づいて、例えば、車両10における警報出力制御や走行制御等の走行支援を実行する。これに対して、図示しない運転支援装置は、処理基板55のマイコンによる画像処理結果に加えて、車両10に搭載されるLidarによる情報に基づいて、例えば、車両10における警報出力制御や走行制御等の走行支援を実行してもよい。なお、Lidarは、Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Rangingの略である。
【0073】
上記各実施形態では、車両右方向に延びている第1鍔部271および車両左方向に延びている第2鍔部272がホルダ256に形成されていることから、ホルダ端268は、ここでは、第1鍔部271および第2鍔部272の端に対応する。これに対して、ホルダ端268は、第1鍔部271および第2鍔部272がない部分では、接続ホルダ筒部266の端に対応する。このとき、
図7に示すように、車両左右方向において、接続ホルダ筒部266の端に対応するホルダ端268および接続部端500の間に、凸部365が位置している。
【0074】
上記各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【0075】
(本開示の観点)
[観点1]
撮像装置であって、
レンズ(250)と、前記レンズを収容するホルダ(256)と、前記レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(254)と、を有するカメラモジュール(25)と、
前記撮像素子からの信号を取得する基板(55)と、
ケース(35)と、
前記ケースとともに前記レンズ、前記ホルダ、前記撮像素子および前記基板を収容しているカバー(45)と、
を備え、
前記ケースは、前記ホルダが挿入されている開口部(350)を有し、
前記開口部は、
前記ホルダおよび前記基板の間に位置している第1壁部(361)と、
前記ホルダに対して前記第1壁部とは反対側に位置している第2壁部(362)と、
前記第1壁部から一方向に延びているとともに、前記ケースおよび前記カバーによって形成されている空間における前記ホルダおよび前記基板の間に位置している庇(363)と、
を含む撮像装置。
[観点2]
前記庇は、前記第1壁部と一体とされている観点1に記載の撮像装置。
[観点3]
前記一方向は、前記レンズの光軸(OL)の方向とされている観点1または2に記載の撮像装置。
[観点4]
前記庇は、前記レンズの光軸(OL)に対して傾斜していることにより、
前記光軸と直交する方向における前記庇の前記一方向側の先端(3630)から前記ホルダまでの距離(L1)が、前記光軸と直交する方向における前記庇と前記第1壁部との境界部(370)から前記ホルダまでの距離(L2)よりも小さくなっている観点1または2に記載の撮像装置。
[観点5]
前記第2壁部は、
前記ホルダと前記レンズの光軸(OL)と交差する方向に対向している対向面(367)と、
前記対向面と交差して接続されているとともに前記ケースの外部を向いている壁部外面(369)と、
を含み、
前記庇の前記一方向側の先端(3630)は、前記壁部外面よりも前記一方向側に位置している観点1ないし4のいずれか1つに記載の撮像装置。
[観点6]
前記庇の前記一方向側の先端(3630)は、前記基板の前記一方向側の端(550)よりも前記一方向側に位置している観点1ないし5のいずれか1つに記載の撮像装置。
[観点7]
前記基板は、第1基板であって、
前記カメラモジュールは、前記撮像素子を実装している第2基板(252)を有し、
前記撮像装置は、前記第1基板および前記第2基板と接続されている接続部(50)を備え、
前記ホルダは、前記レンズの光軸(OL)の方向および前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向と直交する方向である他方向におけるホルダ端(268)を含み、
前記接続部と前記第2基板との接続部位は、前記庇よりも前記一方向側に位置しており、
前記接続部は、前記他方向における接続部端(500)を含み、
前記接続部端は、前記ホルダ端よりも前記他方向内側に位置しており、
前記開口部は、前記庇から前記ホルダに向かう方向に突出している凸部(365)を含み、
前記凸部は、前記他方向において前記ホルダ端および前記接続部端の間に位置している観点1ないし6のいずれか1つに記載の撮像装置。
[観点8]
前記基板は、第1基板であって、
前記カメラモジュールは、前記撮像素子を実装している第2基板(252)を有し、
前記撮像装置は、前記第1基板および前記第2基板と接続されている接続部(50)を備え、
前記接続部と前記第2基板との接続部位は、前記庇よりも前記一方向側に位置しており、
前記庇は、前記レンズの光軸(OL)の方向および前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向と直交する方向である他方向に対して傾斜している観点1ないし6のいずれか1つに記載の撮像装置。
[観点9]
前記第2壁部は、前記第1壁部よりも前記一方向側に位置している観点1ないし8のいずれか1つに記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0076】
20 撮像装置
25 カメラモジュール
250 レンズ
256 ホルダ
350 開口部
361 第1壁部
362 第2壁部
363 庇
365 凸部
55 処理基板