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特開2024-157943反射部材、柱、電柱、反射部材の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157943
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】反射部材、柱、電柱、反射部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20241031BHJP
   H01Q 15/16 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072625
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】片山 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 勝志
(72)【発明者】
【氏名】森 弘就
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA07
5J020CA01
5J020CA02
5J020CA05
(57)【要約】
【課題】反射特性の劣化を抑制しつつ、非平面に形状を適合させることが可能な反射部材が提供すること。
【解決手段】それぞれがメタサーフェス110を有している複数の平面構造100を含み、少なくとも2つの平面構造100は並んでおり、少なくとも2つの平面構造100は、異なる方向を向いている、又は、異なる方向を向くことが可能であり、少なくとも2つの平面構造100は、それぞれ以下の条件1で測定される変位量が60mm以下である、反射部材。
(条件1)
前記平面構造から、100mm×30mmの試験片を得る。短手方向の一辺である第1辺から10mmの位置を支持しつつ、前記第1辺と対向する第2辺を自由端とした状態において、前記第2辺から10mmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.5Nのときの、前記第2辺の変位量を測定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがメタサーフェスを有している複数の平面構造を含み、
少なくとも2つの前記平面構造は並んでおり、
前記少なくとも2つの前記平面構造は、異なる方向を向いている、又は、異なる方向を向くことが可能であり、
前記少なくとも2つの前記平面構造は、それぞれ以下の条件1で測定される変位量が60mm以下である、反射部材。
(条件1)
前記平面構造から、100mm×30mmの試験片を得る。短手方向の一辺である第1辺から10mmの位置を支持しつつ、前記第1辺と対向する第2辺を自由端とした状態において、前記第2辺から10mmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.5Nのときの、前記第2辺の変位量を測定する。
【請求項2】
それぞれがメタサーフェスを有している3つ以上の平面構造を含み、
少なくとも2つの前記平面構造は並んでおり、
前記少なくとも2つの前記平面構造は、異なる方向を向いている、又は、異なる方向を向くことが可能であり、
前記少なくとも2つの平面構造が有する前記メタサーフェスは、それぞれ複数のセルを含んでおり、当該メタサーフェスにおける少なくとも2つの前記セルを含む領域は平面になっている、反射部材。
【請求項3】
それぞれがメタサーフェスを有している3つ以上の平面構造を含み、
少なくとも2つの前記平面構造は並んでおり、
特定の前記平面構造に対して、その他の前記平面構造は、それぞれ異なる角度に固定される、反射部材。
【請求項4】
前記少なくとも2つの平面構造が並んでいる方向を第1方向としたときに、
当該少なくとも2つの平面構造のそれぞれにおいて、
前記平面構造に対して直角に電波を入射させた場合の当該平面構造が有する前記メタサーフェスによる反射波の強度分布の最大ピークを特定ピークとして、
前記第1方向のベクトルを前記平面構造に投影させた方向に直角かつ前記平面構造の中心を含む平面を、前記平面構造に直角かつ前記平面構造の中心を通る線で2つの領域に分けたときに、
前記少なくとも2つの前記平面構造の前記特定ピークは、同一の領域に存在している、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項5】
前記第1方向は、前記少なくとも2つの平面構造の、それぞれの中心を結んだ方向である、
請求項4に記載の反射部材。
【請求項6】
可撓性を有する基材をさらに含み、
前記基材に前記平面構造が固定されている、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項7】
前記基材は、以下の条件2で測定される変位量が2cm以上である、請求項6に記載の反射部材。
(条件2)
前記基材から10cm×10cmの試験片を得る。前記試験片を、1辺から0.5cmの位置で支持しつつ、前記1辺に対向する辺を自由端とした状態において、前記1辺に対向する辺から0.5cmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.05Nのときの、前記1辺に対向する辺の変位量を測定する。
【請求項8】
少なくとも1つの前記平面構造の前記メタサーフェスの構造は、他の前記平面構造の前記メタサーフェスの構造とは異なる、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項9】
少なくとも2つの前記平面構造は、前記第1方向に直角な第2方向に並んでいる、
請求項4に記載の反射部材。
【請求項10】
前記メタサーフェスは、それぞれ同一の構造を有する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項11】
前記少なくとも2つの平面構造のそれぞれにおいて、当該少なくとも2つの平面構造が並んでいる方向を第1方向としたときに、
前記少なくとも2つの平面構造は、それぞれの平面構造に直角な単位ベクトルの前記第1方向に平行な成分が徐々に変化するように固定されている、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項12】
複数の前記平面構造は、一体となっている、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項13】
柱に取り付けられている、
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材。
【請求項14】
柱の本体と、
前記本体に取り付けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材と、
を備える、柱。
【請求項15】
請求項1乃至3のいずれかに記載の反射部材を有する、電柱。
【請求項16】
構造物を準備する準備工程と、
前記構造物に、レーザを所定のパターンで照射し、前記構造物のうち前記レーザを照射した領域に金属を析出させることにより、メタサーフェスとなる金属パターンを作成する作成工程と、を含む、
反射部材の製造方法。
【請求項17】
前記構造物は、3つ以上の平面を含み、
前記作成工程において、前記平面にレーザを照射して金属パターンを作成する、
請求項16に記載の反射部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射部材、柱、電柱、および反射部材の製造方法に関する。
【0002】
例えば第5世代移動通信システムで使われる高い周波数帯の電波は、超高速・大容量な通信サービスを提供できる。しかし高い周波数帯の電波は直進性が高いため、カバレッジホール(電波が届きにくい場所)が発生しやすいことが知られている。そのため、メタサーフェス板を用いて基地局から放射された電波を反射させることによって、カバレッジホールを減らすことが検討されている。
【0003】
特許文献1には、柱の周りの曲線などの非平面にその形状を適合させることができる、曲げ可能なリフレクトアレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2022-535795
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のリフレクトアレイには、非平面に形状を適合させる際の反射特性の劣化に関して改善の余地があった。本発明の目的の一例は、反射特性の劣化を抑制しつつ、曲面等の非平面に形状を適合させることが可能な反射部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下に示す反射部材、柱、電柱、および反射部材の製造方法が提供される。
【0007】
[1]
それぞれがメタサーフェスを有している複数の平面構造を含み、
少なくとも2つの前記平面構造は並んでおり、
前記少なくとも2つの前記平面構造は、異なる方向を向いている、又は、異なる方向を向くことが可能であり、
前記少なくとも2つの前記平面構造は、それぞれ以下の条件1で測定される変位量が60mm以下である、反射部材。
(条件1)
前記平面構造から、100mm×30mmの試験片を得る。短手方向の一辺である第1辺から10mmの位置を支持しつつ、前記第1辺と対向する第2辺を自由端とした状態において、前記第2辺から10mmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.5Nのときの、前記第2辺の変位量を測定する。
[2]
それぞれがメタサーフェスを有している3つ以上の平面構造を含み、
少なくとも2つの前記平面構造は並んでおり、
前記少なくとも2つの前記平面構造は、異なる方向を向いている、又は、異なる方向を向くことが可能であり、
前記少なくとも2つの平面構造が有する前記メタサーフェスは、それぞれ複数のセルを含んでおり、当該メタサーフェスにおける少なくとも2つの前記セルを含む領域は平面になっている、反射部材。
[3]
それぞれがメタサーフェスを有している3つ以上の平面構造を含み、
少なくとも2つの前記平面構造は並んでおり、
特定の前記平面構造に対して、その他の前記平面構造は、それぞれ異なる角度に固定される、反射部材。
[4]
前記少なくとも2つの平面構造が並んでいる方向を第1方向としたときに、
当該少なくとも2つの平面構造のそれぞれにおいて、
前記平面構造に対して直角に電波を入射させた場合の当該平面構造が有する前記メタサーフェスによる反射波の強度分布の最大ピークを特定ピークとして、
前記第1方向のベクトルを前記平面構造に投影させた方向に直角かつ前記平面構造の中心を含む平面を、前記平面構造に直角かつ前記平面構造の中心を通る線で2つの領域に分けたときに、
前記少なくとも2つの前記平面構造の前記特定ピークは、同一の領域に存在している、
[1]乃至[3]のいずれかに記載の反射部材。
[5]
前記第1方向は、前記少なくとも2つの平面構造の、それぞれの中心を結んだ方向である、
[4]に記載の反射部材。
[6]
可撓性を有する基材をさらに含み、
前記基材に前記平面構造が固定されている、
[1]乃至[5]のいずれかに記載の反射部材。
[7]
前記基材は、以下の条件2で測定される変位量が2cm以上である、[6]に記載の反射部材。
(条件2)
前記基材から10cm×10cmの試験片を得る。前記試験片を、1辺から0.5cmの位置で支持しつつ、前記1辺に対向する辺を自由端とした状態において、前記1辺に対向する辺から0.5cmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.05Nのときの、前記1辺に対向する辺の変位量を測定する。
[8]
少なくとも1つの前記平面構造の前記メタサーフェスの構造は、他の前記平面構造の前記メタサーフェスの構造とは異なる、
[1]乃至[7]のいずれかに記載の反射部材。
[9]
少なくとも2つの前記平面構造は、前記第1方向に直角な第2方向に並んでいる、
[4]に記載の反射部材。
[10]
前記メタサーフェスは、それぞれ同一の構造を有する、
[1]乃至[9]のいずれかに記載の反射部材。
[11]
前記少なくとも2つの平面構造のそれぞれにおいて、当該少なくとも2つの平面構造が並んでいる方向を第1方向としたときに、
前記少なくとも2つの平面構造は、それぞれの平面構造に直角な単位ベクトルの前記第1方向に平行な成分が徐々に変化するように固定されている、
[1]乃至[10]のいずれかに記載の反射部材。
[12]
複数の前記平面構造は、一体となっている、
[1]乃至[11]のいずれかに記載の反射部材。
[13]
柱に取り付けられている、
[1]乃至[12]のいずれかに記載の反射部材。
[14]
柱の本体と、
前記本体に取り付けられている、[1]乃至[13]のいずれかに記載の反射部材と、
を備える、柱。
[15]
[1]乃至[13]のいずれかに記載の反射部材を有する、電柱。
[16]
構造物を準備する準備工程と、
前記構造物に、レーザを所定のパターンで照射し、前記構造物のうち前記レーザを照射した領域に金属を析出させることにより、メタサーフェスとなる金属パターンを作成する作成工程と、を含む、
反射部材の製造方法。
[17]
前記構造物は、3つ以上の平面を含み、
前記作成工程において、前記平面にレーザを照射して金属パターンを作成する、
[16]に記載の反射部材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、反射特性の劣化を抑制しつつ、非平面に形状を適合させることが可能な反射部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0010】
図1】第1実施形態に係る反射部材10の一例を示す図である。
図2図1における平面構造100を示す図である。
図3図2におけるA-A´断面の複数の例を示す図である。
図4図1に示した反射部材をy方向から見た図である。
図5】平面構造の数毎の反射部材の一例を示す図である。
図6】z方向から見たメタサーフェス部の構造の一例を示す図である。
図7図6に示したスーパーセルの拡大図である。
図8図7におけるA-A´断面の複数の例を示す図である。
図9図7におけるA-A´断面の複数の変形例を示す図である。
図10】特定ピークを説明するための図である。
図11】反射波の電力強度密度をx方向から見た図である。
図12】反射波の電力強度密度をy方向から見た図である。
図13】各極座標の位置の電力強度密度を示す図である。
図14】反射部材の使用形態を説明するための図である。
図15】第1実施形態に係る反射部材の変形例を示す第1図である。
図16図15に示した反射部材をx方向から見た図である。
図17】第1実施形態に係る反射部材の変形例を示す第2図である。
図18】第2実施形態に係る反射部材の一例をz方向から見た図である。
図19図18におけるC-C´断面の複数の例を示す図である。
図20】第2実施形態に係る反射部材の第2例を直角方向から見た図である。
図21】第2実施形態の反射部材の使用形態を説明するための図である。
図22】平面構造の製造方法の第1例を示す図である。
図23】平面構造の製造方法の第2例を示す図である。
図24】第1実施形態に係る反射部材の製造方法の一例を示す図である。
図25】第2実施形態に係る反射部材の製造方法の一例示す図である。
図26】第1実施形態に係る反射部材の製造方法の変形例を示す図である。
図27】条件1について説明するための図である。
図28】第1方向について説明するための第1図である。
図29】第1方向について説明するための第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
【0012】
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1%~5%」とは「1%以上5%以下」を意味する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る反射部材10の一例を示す図である。図1に示すように、反射部材10は、複数の平面構造100a,100b,100c・・・を有する。そして、それぞれの平面構造100は、反射波の角度を制御するためのメタサーフェス部110を有する。また、平面構造100は、メタサーフェス部110を支持するためのベース部120をさらに有してもよい。
【0014】
図1に示すように、複数の平面構造100のうち、少なくとも2つの平面構造100は、異なる方向を向いている、又は、異なる方向を向くことが可能である。そのため、本実施形態に係る反射部材10は、非平面に形状を適合させて設置しやすい。なお、図1に示す例では、複数の平面構造100の向きは、異なる方向を向いて固定されている。複数の平面構造100が異なる方向を向くことが可能な例については、他の実施形態において説明する。
【0015】
図2は、図1における平面構造100を示す図である。図2においては、平面構造100は、横の長さがS1であり、縦の長さがS2の板状である。S1は、3mm以上1m以下であることが好ましく、15mm以上0.5m以下であることがより好ましい。また、S2は、9mm以上3m以下であることが好ましく、45mm以上1.5m以下であることがより好ましい。
【0016】
ただし、平面構造100は、図2に示した形状に限定されるものではなく、多角形、円形または楕円形等の平面を有する形状であればよい。また、図1において、各平面構造100は同じ形状であるが、各平面構造100は互いに異なる形状であってもよい。また、少なくとも一つの平面構造100が有するメタサーフェス部110の構造は、他の平面構造100が有するメタサーフェス部110の構造と同一でもよいし、異なるものでもよい。
【0017】
また、図2に示した平面構造100は、以下の条件1で測定される変位量が60mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらにより好ましい。図27に、条件1の測定法の概要を示す。これにより、平面構造100が変形することを抑制し、後述するメタサーフェス部110のセルの構造が変化してその特性が変化することを抑制できる。
(条件1)
前記平面構造から、100mm×30mmの試験片を得る。短手方向の一辺である第1辺から10mmの位置を支持しつつ、前記第1辺と対向する第2辺を自由端とした状態において、前記第2辺から10mmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.5Nのときの、前記第2辺の変位量を測定する。
【0018】
また、本実施形態に係る反射部材10は、複数の平面構造100が一体形成されることで、一体化していることが好ましい。これにより、後述するメタサーフェス部110のセルの構造が変化してその特性が変化することを抑制できる。
【0019】
図3は、図2におけるA-A´断面の複数の例を示す図である。図3(a)は、平面構造100が、メタサーフェス部110のみで形成されている場合の断面図である。図3(b)は、平面構造100がメタサーフェス部110と、ベース部120が重なって形成されている場合の断面図である。図3(c)は、ベース部120に、メタサーフェス部110が埋め込まれている場合の断面図である。
【0020】
なお、ベース部120は、例えば、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の少なくとも一方を含む材料から構成される。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、およびポリウレタン樹脂等から選択される、1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)、ポリプロピレン樹脂(PP)及び他の成分を共重合した共重合体樹脂等から選択される、1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。
【0021】
また、ベース部120は、上述した樹脂材料により構成される場合、ガラスクロスなどの繊維基材や、フィラーをさらに含んでいてもよい。これにより、ベース部120の機械的強度を向上させることができる。
【0022】
または、ベース部120は、鉄、アルミニウムまたは銅などの金属により構成されていてもよい。
【0023】
本実施形態に係る反射部材10において、少なくとも2つの平面構造100は、第1方向へ並んでいる。なお、第1方向とは、例えば、並んでいる平面構造100の中心を結んだ方向である。または、並んでいる平面構造100の少なくとも一部が互いに重なって見える方向を意味する。
【0024】
または、図28に示す、反射部材10を中央の平面構造100bに直角な方向(z方向)から見た場合の平面視において、各平面構造100の中心を結んだ方向を第1方向としてもよい。
【0025】
または、平面構造100が矩形であり、隣り合う平面構造100が短辺同士または長辺同士を対向させて並んでいる場合、隣りの平面構造100と接している辺140に直角な辺の方向すなわち図28における左右方向を、第1方向としてもよい。この場合、図29に示すように、矩形の平面構造100が接しながら高さをずらして並んでいる場合においても、x方向を第1方向とする。
【0026】
なお、第1方向は上記の方向に限定されない。例えば、上記の方向から30°以内の方向を第1方向としてもよい。
【0027】
図4は、図1に示した反射部材10を、y方向から見た図である。図4に示すように、それぞれの平面構造100は、第1方向(x方向)に対する角度が徐々に変化するように並んでいることが好ましい。言い換えると、平面構造100に直角な単位ベクトルの第1方向に平行な成分が徐々に変化するように並んでいることが好ましい。また、それぞれの平面構造100は、第1方向に対する角度が同じ方向に徐々に変化するように並んでいることがより好ましい。また、それぞれの平面構造100は、第1方向に対する角度が等角度で変化するように並んでいることがより好ましい。より具体的には、5°~30°の範囲の等角度で変化するように並んでいることがより好ましい。図4においてはθ1=θ2=10°である。
【0028】
なお、図1における反射部材10は3つの平面構造100を有するが、反射部材10は、5つ以上の平面構造100を含むことがより好ましく、7つ以上の平面構造100を含むことがさらにより好ましく、9つ以上の平面構造100を含むことが特により好ましい。
【0029】
図5に、平面構造100の数が、3つ、5つ、7つ、および9つの場合の、反射部材10の一例を、y方向から見た図を示す。なお、いずれの反射部材10においても、隣り合う平面構造100は、第1方向に対する角度が等角度(10°)ずつ変化している。
【0030】
[メタサーフェス部110の概要]
図6は、直角方向(z方向)から見たメタサーフェス部110の構造の一例を示す図である。図6に示すように、メタサーフェス部110は、スーパーセル2a,2b,2c・・・が周期的に並んで形成されている。図6において、メタサーフェス部110は、x方向に9個のスーパーセル2が並び、y方向に3つのスーパーセル2が並ぶことで、27個のスーパーセル2を有している。スーパーセル2の数は特に限定されないが、スーパーセル2の長手方向(y方向)には、スーパーセル2が3個以上並んでいることが好ましく、4個以上並んでいることがより好ましく、5個以上並んでいることがさらにより好ましく、6個以上並んでいることが特により好ましい。
【0031】
図7は、図6に示したスーパーセル2の拡大図である。そして、図8は、図7におけるB-B´断面の複数の例を示す図である。そして、図9は、図7におけるB-B´断面の複数の変形例を示す図である。図7に示すように、スーパーセル2は複数の単位セル1a,1b,1cを含む。そして、3つの単位セル1は、周期pで並んでいる。3つの単位セル1は、それぞれ長さl、幅wのクロスストリップ形状の電極111を含む。そして、図7に示すように、スーパーセル2に含まれる単位セル1は、y方向に進むにつれて、電極111の長さlが小さくなっている。なお、図7に示すスーパーセル2は、3つの単位セル1を含むが、単位セル1の数は3に限定されない。
【0032】
図8(a)は、基本的なスーパーセル2の断面図である。誘電体基板112の電極111と反対側の面には、地板113が備えられている。図8(b)は、ベース部120を有する場合のスーパーセル2の断面図である。ベース部120は、地板113と接して、スーパーセル2を支持している。なお、ベース部120の厚さTは、例えば、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。図8(c)は、電極111が誘電体基板112に埋め込まれている場合の断面図である。図示するように、電極111は、誘電体基板112に埋め込まれて、表面のみ露出していてもよい。
【0033】
図9(a)は、電極111が誘電体基板112に埋め込まれ、電極111全体が誘電基板112に覆われている場合の断面図である。この場合、電極111を外部から保護することができる。図9(b)は、電極111が、保護層130に覆われている場合の断面図である。この場合にも、電極111を外部から保護することができる。さらに、保護層130の色彩を調整することで、反射部材10に意匠性を持たせることができる。
【0034】
また、メタサーフェス部110は、少なくとも2つの単一セル1を含む領域が平面になっていることが好ましい。また、3つ以上の単一セル1を含む領域が平面になっていることがより好ましい。また、6つ以上の単一セル1を含む領域が平面になっていることがさらにより好ましい。本図に示す例において、メタサーフェス部110の全体が平面になっている。
【0035】
以上が、メタサーフェス部110の概要であるが、本実施形態におけるメタサーフェス部110は上記のものに限定されない。例えば、電極111はクロスストリップ以外の形状であってもよい。電極111は、例えば、複数に分離している形状であってもよい。
【0036】
また、本実施形態に係るメタサーフェス部110は、各単位セル1の電極111の大きさにより、各単位セル1の反射位相を変えるのではなく、各単位セル1に印加する電圧を調整することで、各単位セル1の反射位相を変えるものでもよい。
【0037】
次に、メタサーフェス部110の各構成の詳細について説明する。
【0038】
電極111は、例えば、銀、金、アルミニウムおよび銅の少なくとも一つを含む。また、電極の厚さT1は、例えば、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0039】
また、単位セル1の間隔pは、メタサーフェス部110の反射特性によって、適宜設定されるが、例えば、2mm以上10mm以下である。
【0040】
誘電体基板112は、例えば、熱硬化性樹脂、シクロオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、および液晶ポリマーの少なくとも一つを含む材料から構成される。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、およびポリウレタン樹脂等から選択される、1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。
【0041】
また、誘電体基板112は、ガラスクロスなどの繊維基材や、フィラーをさらに含んでいてもよい。これにより、誘電体基板112の機械的強度を向上させつつ、誘電率を調整することができる。
【0042】
また、誘電体基板112の誘電率は、メタサーフェス部110の反射特性によって、適宜設定されるが、例えば、2以上10以下であることが好ましい。
【0043】
また、誘電体基板112の厚さT2は、メタサーフェス部110の反射特性によって、適宜設定されるが、例えば、0.2mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0044】
地板113は、例えば、銀、金、アルミニウムおよび銅の少なくとも一つを含む。地板113の厚さT3は、例えば、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0045】
図10図1に示した反射部材10の、各平面構造100に直角に平面波を入射させたときの反射波の特定ピークを示す。なお、特定ピークとは、各平面構造100に対して直角(5a、5b、5cの方向)に電波を入射させた場合の平面構造100が有するメタサーフェス部110による反射波の強度分布の最大ピークである。
【0046】
本実施形態に係る反射部材10は、少なくとも2つの平面構造100が、第1方向(x方向)のベクトルを平面構造100に投影させた方向(6a、6b、6cの方向)に直角かつ平面構造100の中心を含む平面(7a、7b、7cの平面)を、平面構造100に直角かつ平面構造100の中心を通る線(5a、5b、5c)で2つの領域に分けたときに、特定ピーク(8a、8b、8c)が、同一の領域に存在することが好ましい。図10に示す例では、3つの平面構造100すべての特定ピークが下側(-y方向側)の領域に存在している。
【0047】
また、本実施形態に係る反射部材10は、平面構造100に直角な方向(図1におけるZ方向)からの平面視において、並んでいる平面構造100のメタサーフェス部110が指向性を有する方向が、第1方向に対して直角な方向(図10におけるy方向または-y方向)から45°以内であることが好ましく、30°以内であることがより好ましく、15°以内であることがさらにより好ましく、5°以内であることが最もより好ましい。なお、平面構造100に直角な方向からの平面視において指向性を有する方向とは、例えば、特定ピークの方向を平面構造100に投影させた方向、またはスーパーセル2の長手方向である。図10に示す例では、平面構造100に直角な方向からの平面視において指向性を有する方向は、-y方向であり、第1の方向に直角となっている。
【0048】
次に、本実施形態に係る反射部材100の反射特性について説明する。
【0049】
上述した反射部材10について、以下の構成条件1および測定条件1でシミュレーション測定を行った。なお、平面構造100が3つ、5つ、7つ、および9つの場合(図5参照)の反射部材10それぞれについてシミュレーション測定を行った。なお、全ての平面構造100は、図3(a)に示すように、ベース部120を含まないものとし、スーパーセル2は、図6図8(a)に示した形状とした。また、比較のため、単一の平面構造100に対してのシミュレーション結果も測定した。
<構成条件1>
S1:45mm
S2:45mm
P:5mm
l:大きいものから順に、3.1mm、2.8mm、2.5mm
w:0.5mm
T1:10μm
T2:0.7mm
T3:10μm
誘電体基板110の誘電率:3.5
<測定条件1>
得られた反射板に対して、平面構造100に直角な方向(z方向)から、電力強度密度が一律の平面波を入射し各方向の反射波を測定する。
【0050】
図11-13に、測定された反射波の電力強度密度のシミュレーション結果を示す。なお、図11-13における点Oは、中央の平面構造100の中心である。図11は、反射波の電力強度密度をx方向から見た図である。図11に示すように、反射波は、メタサーフェス部110が指向性を有するy方向に大きく広がっている。また、いずれのシミュレーション結果においても、特定ピークが下側(-y方向側)に存在している。ただし、特定ピークの位置はこれに限定されず、適宜設計することができる。
【0051】
図12は、反射波の電力強度密度をy方向から見た図である。図12に示すように、本実施形態に係る反射部材10においては、反射波は、メタサーフェス部110が指向性を有さないx方向に対しても、単一の平面構造100の結果と比較して大きく広がっている。
【0052】
図13は、反射部材10の中央の平面構造100の中心から、各極座標の位置の電力強度密度を示す図である。なお、極座標は、動径Rと偏角θ、φによってなるものである。図13に示すように、本実施形態に係る反射部材10は、反射波の電力強度密度のムラが少ない。
【0053】
図11-13に示した反射特性を有する、本実施形態に係る反射部材10によれば、広い範囲に十分な強度の電波を反射させることができる。また、反射部材10は、平面構造100の数を増やすことで、さらに広い範囲に電波を反射させることができる。
【0054】
次に、本実施形態に係る反射部材10の使用形態について、簡単に説明する。本実施形態に係る反射部材10は、図4,5に示したように、弓なり状の形状を有することができる。この場合、図14に示すように、柱20(例えば電柱)などの曲面に形状を適合させて取り付けることができる。
【0055】
また、図13に示したように、本実施形態に係る反射部材10は、広い範囲に電波を反射させることができるため、例えば、柱の下の広い範囲のユーザに対して、十分な強度の電波を届けることができる。
【0056】
[変形例]
図15に示すように、本実施形態に係る反射部材10は、第2方向にさらに平面構造100dが並んでいてもよい。なお、第2方向は、第1方向と同様に、並んでいる平面構造100によって定まる。図15において、第2方向はy方向である。第2方向は、平面構造100に直角な方向(z方向)から見た平面視において、第1方向に対して直角であることが最も好ましいが、直角から30°以内であればよく、直角から15°以内であれば好ましい。このようにすることで、さらに広い範囲に反射波を届けることができる。また、図15には記載されていないが、平面構造110a、または平面構造110cに対して、第2方向に平面構造100が並んでいてもよい。
【0057】
図16は、図15に示した反射部材10をx方向から見た図である。なお、図16におおいて、平面構造100a、100cは省略している。
【0058】
また、平面構造100の数を更に増やしてもよい。例えば、図17に示すように、90面として、隣り合う平面構造100が、第1方向に対する角度が1°ずつ変化するようにしてもよい。このようにすることで、さらに広い範囲に反射波を届けることができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る反射部材10について説明する。本実施形態に係る反射部材10は、以下に記載する点を除いて、第1実施形態と同様である。
【0060】
図18は、第2実施形態に係る反射部材10の一例を直角方向(z方向)から見た図である。また、図19は、図18におけるC-C´断面の複数の例を示す図である。本実施形態に係る反射部材10は、第1方向(x方向)に並んでいる複数の板状の平面構造100と、可撓性を有する基材200を有する。また、図19(a)に示すように、平面構造100は、基材200の一面上に配置されていてもよい。この場合、基材200が曲がった際に、平面構造100が受ける負荷が小さくなり、メタサーフェス部110のパターンの変化を抑制しやすい。または、図19(b)に示すように、平面構造100は、基材200に埋め込まれて、表面のみが露出していてもよい。この場合、反射部材10全体を薄くできる。または、または、図19(c)に示すように、平面構造100は、基材200に埋め込まれて、基材200に覆われていてもよい。この場合、平面構造100を外部から保護することができる。
【0061】
本実施形態に係る反射部材10は、板状の平面構造100の間の基材200を起点として第1方向に曲げることで、平面構造100が異なる方向を向くことが可能である。そのため、第1実施形態の反射部材10と同様に、非平面の形状に取り付けやすい。
【0062】
図20は、本実施形態に係る反射部材10の第2例を直角方向(z方向)から見た図である。図20に示すように、平面構造100が、第1方向に垂直な第2方向(図20におけるy方向)にさらに並んでいてもよい。このようにすることで、反射部材10は、第2方向にも曲げられるようになる。
【0063】
図21は、本実施形態に係る反射部材10を、図14に示したように柱20に取り付けたときに、y方向から見た図である。本実施形態に係る反射部材20は、柱に巻き付けるようにして取り付けるため、第1実施形態に係る反射部材10よりも、柱20を覆う角度θ3を大きくすることができる。
【0064】
次に、本実施形態に係る反射部材10の各構成について説明する。
【0065】
図18,19に戻る。平面構造100は、第1実施形態と同様に、反射波を制御するメタサーフェス部110を有する。また、メタサーフェス部110を支持するベース部120を有してもよい。反射部材10を曲げやすくする観点から、平面構造100間の距離T4は、例えば、2mm以上10mm以下であることが好ましい。または、T4は、平面構造100の幅T5の0.002倍~0.5倍であることが好ましい。また、平面構造100の厚さT6は、0.2mm~10mmであることが好ましい。
【0066】
また、第2実施形態における平面構造100は、基材200からの負荷を受けるため、上述した条件1で測定される変位量がより小さいことが好ましい。具体的には、60mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく、20mm以下であることがさらにより好ましい。これにより、反射部材10を曲げた際に、平面構造100が変形することを抑制し、メタサーフェス部110のセルパターンが変化することを抑制できる。
【0067】
平面構造100は、例えば、熱硬化性樹脂を含む材料から構成される。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、およびポリウレタン樹脂等から選択される、1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。
【0068】
[基材200]
基材200の厚さT7は、0.2mm~10mmであることが好ましく、より好ましくは、0.1mm~5mmである。
【0069】
また、基材200は、以下の条件2で測定される変位量が2cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましく、4cm以上であることがさらにより好ましい。
(条件2)
前記基材から10cm×10cmの試験片を得る。前記試験片を、1辺から0.5cmの位置で支持しつつ、前記1辺に対向する辺を自由端とした状態において、前記1辺に対向する辺から0.5cmの位置に負荷を加えてたわませることで応力を得る。前記応力が0.05Nのときの、前記1辺に対向する辺の変位量を測定する。
【0070】
基材200は、例えば、エラストマーのような伸縮性を有する材料から構成される。エラストマーとしては、例えば、アクリルニトリルブタジエンゴム、イソプレン、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等から選択される、1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。または、基材200は、ポリエステル樹脂から構成される。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、およびポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)等から選択される1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。
【0071】
また、基材200は、平面構造100それぞれを一体化しつつ、それらを異なる方向を向くようにできるものであればよい。言い換えると、基材200は、柱などの曲面に取り付ける際に、容易に曲げることができるモノであれば限定されない。基材200は、例えば、アルミニウムまたは銅などから構成される金属プレートであってもよいし、無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、および芳香族ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等の繊維基材であってもよいし、蝶番のような可動部を有する構造物であってもよい。
【0072】
[平面構造100の製造方法]
図22に、平面構造100の製造方法の第1例を示す。まず、樹脂層310の両面に金属層320が積層されて構成されている積層基板300を準備する(S11)。
【0073】
次に、一方の金属層320にエッチング処理を施し、電極111a、111b、111c・・・を形成する(S12)。これにより、平面構造100が得られる。
【0074】
次に、図23に、平面構造100の製造方法の第2例を示す。まず、射出成形等により、樹脂基板400を準備する(S21)。
【0075】
次に、樹脂基板400に、LDS(Laser Direct Structuring)法により、パターンを形成する(S22)。
【0076】
そして、形成したパターンに金属を析出させることで、電極111を形成する(S23)。
【0077】
その後、樹脂基板400の電極111と反対側の面に地板113を例えば、スパッタ法や、銅板を圧縮接合することにより形成する(S24)。この方法によっても平面構造100が得られる。また、この場合、電極111は、誘電体基板112に埋め込まれて形成される。
【0078】
[反射部材10の製造方法]
図24に、第1実施形態に係る反射部材10の製造方法を示す。まず、複数の上述した平面構造100a、100b、100c・・・を準備する(S31)。
【0079】
次に、金属プレート500に、各平面構造100を配置する(S32)。
【0080】
その後、金属プレート500を折り曲げ加工し、各平面構造100が異なる向きになるように固定する(S33)。このようにして、第1実施形態に係る反射部材10が得られる。
【0081】
次に、図25に、第2実施形態に係る反射部材10の製造方法を示す。まず、複数の上述した平面構造100a、100b、100c・・・を準備する(S41)。
【0082】
次に、基材200に、各平面構造100を配置する(S42)。このようにして、第2実施形態に係る反射部材10が得られる。
【0083】
次に、図26に、第1実施形態に係る反射部材10の製造方法の変形例を示す。まず、射出成形などにより、複数の平面610a、610b、610c・・・を有する構造体600を準備する(S51)。
【0084】
次に、各平面610に、LDS(Laser Direct Structuring)法により、パターンを形成する(S52)。
【0085】
その後、パターンに金属を析出させることで各平面610に、メタサーフェス部110a、110b、110cを形成する(S53)。この方法によっても、第1実施形態に係る反射部材10が得られる。
【0086】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0087】
1 単位セル
2 スーパーセル
10 反射部材
20 柱
100 平面構造
110 メタサーフェス部
111 電極
112 誘電体基板
113 地板
120 ベース部
200 基材
300 積層基板
310 樹脂層
320 金属層
400 樹脂基板
500 金属プレート
600 構造体
610 平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図29