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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157951
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241031BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H05K3/46 S
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K1/03 610T
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072650
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 雅
(72)【発明者】
【氏名】籠橋 進
(72)【発明者】
【氏名】酒井 純
(72)【発明者】
【氏名】吉川 恭平
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA15
5E316AA35
5E316AA43
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC12
5E316CC13
5E316CC14
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF07
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH07
5E316HH11
5E316JJ02
(57)【要約】
【課題】接続信頼性の良好な配線基板の提供。
【解決手段】実施形態の配線基板は、第1絶縁層11、第1導体層12、第1ビア開口11aを充填する第1ビア導体13を含む第1ビルドアップ部と、第2絶縁層及び第2導体層を含む第2ビルドアップ部と、を含んでいる。第1導体層12に含まれる配線の配線幅及び配線間距離は、第2導体層に含まれる配線の配線幅及び配線間距離よりも小さく、第1導体層12及び第1ビア導体13は第1層12a及び第2層12bを備え、第1層12は、1絶縁層11の表面、並びに、第1ビア開口11aの内壁面及び底面に接する下層12aaと、下層12aaを被覆する上層12abと、を有しており、下層12aaは、銅とアルミニウムと特定元素とを含有する合金により形成されるスパッタ膜であり、上層12abは、銅により形成されるスパッタ膜である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有し、
交互に積層された第1絶縁層及び第1導体層、並びに、前記第1絶縁層を貫通する第1ビア開口及び前記第1ビア開口を充填する第1ビア導体を含む第1ビルドアップ部と、
交互に積層された第2絶縁層及び第2導体層を含む第2ビルドアップ部と、
を含む配線基板であって、
前記第1ビルドアップ部は、前記第2ビルドアップ部の上に積層されていて前記第2ビルドアップ部よりも前記第1面側に位置しており、
前記第1導体層に含まれる配線の配線幅の最小値は、前記第2導体層に含まれる配線の配線幅の最小値よりも小さく、
前記第1導体層に含まれる配線の配線間距離の最小値は、前記第2導体層に含まれる配線の配線間距離の最小値よりも小さく、
前記第1導体層及び前記第1ビア導体は、前記第1絶縁層の表面、並びに、前記第1ビア開口の内壁面及び底面を被覆する第1層と、前記第1層上の第2層とを備え、
前記第1層は、前記1絶縁層の表面、並びに、前記第1ビア開口の内壁面及び底面に接する下層と、前記下層を被覆する上層と、を有しており、
前記下層は、銅とアルミニウムと特定元素とを含有する合金により形成されるスパッタ膜であって、前記特定元素はニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つであり、
前記上層は、銅により形成されるスパッタ膜である。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板であって、前記特定元素はケイ素である。
【請求項3】
請求項2記載の配線基板であって、前記合金中のケイ素の含有量は0.5at%以上10.0at%以下である。
【請求項4】
請求項1記載の配線基板であって、前記合金中のアルミニウムの含有量は1.0at%以上15.0at%以下である。
【請求項5】
請求項1記載の配線基板であって、前記合金はさらに炭素を含む。
【請求項6】
請求項5記載の配線基板であって、前記合金中の炭素の含有量は50ppm以下である。
【請求項7】
請求項1記載の配線基板であって、前記合金はさらに酸素を含む。
【請求項8】
請求項7記載の配線基板であって、前記合金中の酸素の含有量は100ppm以下である。
【請求項9】
請求項1記載の配線基板であって、前記下層の銅の含有率は90at%以上である。
【請求項10】
請求項1記載の配線基板であって、前記上層の銅の含有率は99.9at%以上である。
【請求項11】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1絶縁層は絶縁性樹脂及び無機粒子を含み、前記第1ビア開口の内壁面は、前記絶縁性樹脂の表面と前記無機粒子の平坦部とが略面一に構成される面である。
【請求項12】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1導体層に含まれる配線の配線幅の最小値は3μm以下であり、前記第1導体層に含まれる配線の配線間距離の最小値は3μm以下である。
【請求項13】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1導体層に含まれる配線のアスペクト比は2.0以上、且つ、4.0以下である。
【請求項14】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1導体層の前記第2面側の表面は研磨面である。
【請求項15】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2ビルドアップ部の前記第2面側に、第3絶縁層及び第3導体層を含む第3ビルドアップ部を有する。
【請求項16】
請求項15記載の配線基板であって、前記第3絶縁層は芯材を含んでいる。
【請求項17】
請求項16記載の配線基板であって、前記芯材はガラス繊維を含んでいる。
【請求項18】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1ビア導体が、前記第2面から前記第1面に向かって縮径している形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、導体層と、導体層を覆う樹脂絶縁層と、樹脂絶縁層上に形成される導体回路と、樹脂絶縁層を貫通して導体回路と導体層を接続するバイアホールと、を含むプリント配線板が開示されている。導体回路及びバイアホールは、樹脂絶縁層に接する合金層及び無電解銅めっき膜を含む層と、無電解銅めっき膜上に形成される電解銅めっき膜からなる層とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-124602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のプリント配線板では、合金層と無電解銅めっき膜層との密着力が比較的低い場合があると考えられる。バイアホール及び導体回路の接続信頼性が望ましくない場合があると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有し、交互に積層された第1絶縁層及び第1導体層、並びに、前記第1絶縁層を貫通する第1ビア開口及び前記第1ビア開口を充填する第1ビア導体を含む第1ビルドアップ部と、交互に積層された第2絶縁層及び第2導体層を含む第2ビルドアップ部と、を含んでいる。前記第1ビルドアップ部は、前記第2ビルドアップ部の上に積層されていて前記第2ビルドアップ部よりも前記第1面側に位置しており、前記第1導体層に含まれる配線の配線幅の最小値は、前記第2導体層に含まれる配線の配線幅の最小値よりも小さく、前記第1導体層に含まれる配線の配線間距離の最小値は、前記第2導体層に含まれる配線の配線間距離の最小値よりも小さく、前記第1導体層及び前記第1ビア導体は、前記第1絶縁層の表面、並びに、前記第1ビア開口の内壁面及び底面を被覆する第1層と、前記第1層上の第2層とを備え、前記第1層は、前記1絶縁層の表面、並びに、前記第1ビア開口の内壁面及び底面に接する下層と、前記下層を被覆する上層と、を有しており、前記下層は、銅とアルミニウムと特定元素とを含有する合金により形成されるスパッタ膜であって、前記特定元素はニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つであり、前記上層は、銅により形成されるスパッタ膜である。
【0006】
本発明の実施形態によれば、上層及び下層がスパッタ膜である。上層及び下層が比較的強く密着し、第1ビア導体及び第1導体層の接続信頼性が比較的良好な配線基板が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す断面図。
図2】本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す図1の部分拡大図。
図3A】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3B】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3C】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3D】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3E】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3F】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3G】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3H】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3I】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3J】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3K】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3L】本発明の一実施形態である配線基板の製造方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。図1は、一実施形態の配線基板の一例である配線基板1を示す断面図である。なお、配線基板1は本実施形態の配線基板の一例に過ぎない。本実施形態の配線基板の積層構造、並びに、導体層及び絶縁層それぞれの数は、図1の配線基板1の積層構造、並びに配線基板1に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数に限定されない。また、参照される図面においては、各構成要素の正確な比率を示すことは意図されておらず、本発明の特徴が理解され易いように描かれている。
【0009】
実施形態の配線基板1は、交互に積層された導体層及び絶縁層によってそれぞれ構成される第1ビルドアップ部10及び第2ビルドアップ部20を含む積層構造を有している。第1ビルドアップ部10は、その厚さ方向(積層方向)に直交する2つの表面として、一方の面10F、及び、一方の面10Fと反対側の他方の面10Bを有している。第2ビルドアップ部20は、その厚さ方向(積層方向)に直交する2つの表面として、一方の面20F、及び、一方の面20Fと反対側の他方の面20Bを有している。配線基板1は、その厚さ方向と直交する2つの表面(第1面1F及び第1面1Fと反対側の第2面1B)を有している。本実施形態の配線基板1は、好ましくはコア層を含まないコアレス配線基板である。
【0010】
図1に示される例では、配線基板1は、第2ビルドアップ部20の第1ビルドアップ部10側と反対側に、絶縁層及び導体層から構成される第3ビルドアップ部30をさらに含んでいる。第3ビルドアップ部30は、その厚さ方向(積層方向)に直交する2つの表面として、一方の面30F、及び、一方の面30Fと反対側の他方の面30Bを有している。図示される例においては、第1ビルドアップ部10の一方の面10Fが第1面1Fを構成し、第3ビルドアップ部30の他方の面30Bが第2面1Bを構成している。なお、配線基板1が第3ビルドアップ部30を有していない場合、第2面1Bは、第2ビルドアップ部20の他方の面20Bにより構成され得る。
【0011】
第1ビルドアップ部10は比較的微細な配線を含んでおり、比較的密度の高い回路配線を有し得る。図1の例では、第1ビルドアップ部10は、交互に積層される絶縁層11(第1絶縁層11)と導体層12(第1導体層12)とを有している。一層の第1絶縁層11を挟んで対向する導体層12同士はビア導体13(第1ビア導体13)によって接続されている。
【0012】
図示されるように、ビア導体13は、第1ビルドアップ部10の他方の面10Bから一方の面10Fに向かって縮径するテーパー形状に形成されている。なお、ここで、便宜上、「縮径」という文言が用いられているが、ビア導体13の形状は、必ずしも円形に限定されない。「縮径」は、単に、ビア導体13の径(水平断面における外周上の最長の2点間の距離)が小さくなることを意味している。なお、ビア導体13のビア径(ビア導体13における、他方の面10B側の導体層12との接触面における径)は、約10μm程度であり。
【0013】
第1ビルドアップ部10の一方の面10Fは、第1導体層12の表面及び第1導体層12のパターンから露出する第1絶縁層11の表面によって構成されている。第1導体層12は、所定の導体パターンを有するようにパターニングされている。図示の例では、一方の面10Fを構成する第1導体層12は複数の導体パッド12pを有するパターンに形成されている。なお、図示されるように、第1ビルドアップ部10における他方の面10Bを構成し、第2ビルドアップ部20に接する導体層12は、第1ビルドアップ部10における他の導体層12と異なる厚さを有する場合がある。
【0014】
導体パッド12pは配線基板1の最外面(第1面1F)を構成し、配線基板1における外部の電子部品が接続され得る部品搭載面を構成している。配線基板1の部品搭載面は、複数の部品搭載領域を有し得る。例えば、図1の例に示されるように、電子部品E1、E2が搭載されるべき領域に対応して、2つの部品搭載領域(EA1、EA2)が形成され得る。図示される例の配線基板1への外部の電子部品の搭載において、露出している導体パッド12pは、例えば、はんだなどの導電性の接合材(図示せず)を外部の電子部品の接続パッドとの間に介して、外部の電子部品と電気的及び機械的に接続され得る。この際、導体パッド12pの表面に、予め、例えばニッケル層及び錫層を含むめっき層(図示せず)などが形成されていてもよい。複数の部品搭載領域が形成される場合、第1ビルドアップ部10内の導体層12において、隣り合う部品搭載領域内に位置している導体パッド12p同士が電気的に接続され得るような導体パターンが形成されていてもよい。配線基板1の使用において搭載される複数の電子部品同士が第1ビルドアップ部10を介して短い経路で電気的に接続され得る。これにより、配線基板1の使用において搭載され得る複数の電子部品を介する回路設計の自由度が向上する場合がある。
【0015】
配線基板1に搭載され得る電子部品E1、E2としては、例えば、半導体集積回路装置やトランジスタなどの能動部品のような電子部品が例示される。具体的には例えば、論理回路を組み込んだロジックチップなどの集積回路、又は、MPU(Micro Processor Unit)などの処理装置や、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリ素子などであり得る。
【0016】
第1ビルドアップ部10の第1絶縁層11は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの絶縁性樹脂を用いて形成され得る。第1絶縁層11は、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリエステル樹脂(PE)、変性ポリイミド樹脂(MPI)のうちのいずれかを含んでもよい。
【0017】
第1導体層12、及び、第1ビア導体13を構成する導体としては、銅やニッケルなどが例示され、好ましくは、銅が用いられる。図1に示される例では、第1導体層12及び第1ビア導体13は単層で示されているが、第1導体層12及びビア導体13は、多層構造で構成され得る。例えば、詳しくは図2を参照して後述されるように、第1導体層12及び第1ビア導体13は、金属膜層(スパッタ膜層)、及びめっき膜層(好ましくは電解めっき膜層)を含む多層構造を有し得る。
【0018】
第1導体層12は、比較的配線幅及び配線間距離(隣接する配線間の最短距離)の小さい高密度配線である微細配線FWを有し得る。微細配線FWは配線基板1を構成する配線において最も小さいパターン幅及びパターン間距離を有し得る。図示される例では、第1ビルドアップ部10に含まれる複数の第1導体層12のうち、4層の導体層12が高密度配線である微細配線FWを備えている。しかしながら、第1ビルドアップ部10が有する微細配線FWを備える第1導体層12の数は限定されない。
【0019】
第1ビルドアップ部10に含まれる微細配線FWは、後述される第2ビルドアップ部20内の導体層22(第2導体層22)に含まれる配線の配線幅及び配線間距離よりも、小さい配線幅及び配線間距離を有する。具体的には、例えば、微細配線FWの配線幅の最小値は3μm以下であり、隣り合う配線同士の配線間距離の最小値は3μm以下であり得る。第1ビルドアップ部10が微細配線FWを有することで、第1ビルドアップ部10内の配線によって搬送され得る電気信号に対応した、より適切な特性を有する配線が提供される場合がある。また、第1ビルドアップ部10内における配線の密度が向上し、配線設計の自由度が向上する場合があると考えられる。なお、同様の観点から、微細配線FWのアスペクト比は、例えば、2.0以上、且つ、4.0以下である。
【0020】
第1ビルドアップ部10における微細配線FWを含む第1導体層12の厚さは、例えば、7μm以下の値を有し得る。第1ビルドアップ部10における第1絶縁層11の厚さは、例えば7.5~10μm程度であり、この場合、第1絶縁層11は、好ましくは、ガラス繊維やアラミド繊維などからなる芯材(補強材)を含まない。
【0021】
図1に示されるように、第1ビルドアップ部10は第2ビルドアップ部20の一方の面20F側に接している。すなわち、第1ビルドアップ部10の絶縁層11及び導体層12の表面で構成される第1ビルドアップ部10の他方の面10Bは、第2ビルドアップ部20の一方の面20Fと対向している。第2ビルドアップ部20は、第1ビルドアップ部10と同様に、交互に積層される絶縁層21(第2絶縁層21)と導体層22(第2導体層22)とを有している。第2絶縁層21には、第2絶縁層21を貫通するビア導体23が形成されている。各導体層22は、所定の導体パターンを有するようにパターニングされている。図1に示されているように、第2ビルドアップ部20はコア層を含まない。
【0022】
図1に示されるように、配線基板1において、第2ビルドアップ部20の他方の面20B側には、さらに第3ビルドアップ部30が積層されていてもよい。第2ビルドアップ部20の第2導体層22の表面及び第2導体層22のパターンから露出する第2絶縁層21の表面で構成される他方の面20Bは、第3ビルドアップ部30の一方の面30Fと対向している。第3ビルドアップ部30は、絶縁層211(第3絶縁層211)及び導体層212(第3導体層212)を含む。絶縁層211には、絶縁層211を貫通して、導体層212と第2ビルドアップ部20の他方の面20Bを構成する導体層22とを接続するビア導体33が形成されている。
【0023】
図1の例では、第3ビルドアップ部30は、さらに、絶縁層211及び導体層212の表面を被覆するソルダーレジスト層31を備えている。ソルダーレジスト層31は、例えば、感光性のポリイミド樹脂やエポキシ樹脂を用いて形成されている。ソルダーレジスト層31には開口31aが形成され、開口31aからは導体層212が有する導体パッド32pが露出している。
【0024】
第2ビルドアップ部20を構成する絶縁層21は、絶縁層11と同様に絶縁性樹脂を用いて形成され得る。各絶縁層11、21は、各ビルドアップ部内でそれぞれが同じ絶縁性樹脂を含んでいてもよく、互いに異なる絶縁性樹脂を含んでいてもよい。各絶縁層21は、ガラス繊維やアラミド繊維からなる芯材(補強材)を含んでいてもよい。図示の例では、第3ビルドアップ部30の絶縁層211は、ガラス繊維からなる芯材21bを含んでいる。各絶縁層11、21、211はさらに、シリカ(SiO2)、アルミナ、又はムライトなどの微粒子からなる無機フィラー(無機粒子)を含み得る。
【0025】
第2ビルドアップ部20の導体層22及び第3ビルドアップ部30の導体層212並びに各ビア導体23、33は、導体層12及びビア導体13と同様に、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成され得る。図1に示されるように、第2ビルドアップ部20に含まれる各ビア導体23及び第3ビルドアップ部30に含まれる各ビア導体33は、いずれも、第1ビルドアップ部10のビア導体13と同様に、配線基板1の第2面1B側から第1面1F側に向かって縮径するテーパー形状に形成されている。
【0026】
第2ビルドアップ部20の第2導体層22及び第3ビルドアップ部30の第3導体層212に含まれる配線の配線幅及び配線間距離は、第1ビルドアップ部10の第1導体層12に含まれる配線の配線幅及び配線間距離よりも大きい。第2導体層22の厚さは、第1導体層12の厚さと比較して厚く形成されており、例えば、10μm以上程度である。第2ビルドアップ部20の第2導体層22は、第1ビルドアップ部10の微細配線FWと同程度の微細な配線パターンを含まない。例えば、第2導体層22に含まれる配線の配線幅は、その最小値が4μm程度であり、配線間の間隔の最小値は6μm程度である。なお、第2導体層22に含まれる配線のアスペクト比は、導体層12の微細配線FWのアスペクト比とほぼ同等である場合があり、例えば、2.0以上、且つ、4.0以下程度である。なお、ビア導体23のビア径(ビア導体23における、他方の面20B側の導体層22との接触面における径)は、約50μm程度である。
【0027】
図示されている配線基板1では、例えば、第3ビルドアップ部30の絶縁層211及び導体層212は共に、第2ビルドアップ部20内の絶縁層21及び導体層22と比較して厚く形成されている。例えば、絶縁層211の厚さは、100μm以上、且つ、200μm以下程度である。また、導体層212の厚さは、20μm程度である。なお、絶縁層211に形成されているビア導体33のビア径(ビア導体33における、他方の面30B側の導体層212との接触面における径)は、約100μm程度である。
【0028】
第1導体層12及び第1ビア導体13と同様に、導体層22、212及びビア導体23、33は、多層構造で構成されてよく、例えば、金属膜層(好ましくはスパッタ膜層又は無電解めっき膜層)とめっき膜層(好ましくは電解めっき膜層)を含む多層構造を有し得る。第2ビルドアップ部20及び第3ビルドアップ部30は、第1ビルドアップ部10の微細配線FWのような微細な配線パターンを含んでいない。このような場合、導体層22及びビア導体23並びに導体層212及びビア導体33を構成している多層構造のうちの金属膜層は、無電解めっき膜によって形成される無電解めっき膜層、特には無電解銅めっき膜層であり得、めっき膜層は、電解めっき膜によって形成される電解めっき膜層、特には電解銅めっき膜層であり得る。
【0029】
なお、配線基板1における、配線基板1の部品搭載面と反対側の第2面1Bは、外部の配線基板(例えば任意の電気機器のマザーボード)などの外部要素に配線基板1自体が実装される場合に、外部要素に接続される接続面であり得る。導体パッド32pは、任意の基板、電気部品、又は機構部品などと接続され得る。
【0030】
続いて、図1において、一点鎖線で囲われる領域IIの拡大図である図2を参照して、第1ビルドアップ部10における第1導体層12及び第1導体層12と一体的に形成される第1ビア導体13について詳述される。なお、図2においては、図1Aに対して上下方向(配線基板1の厚さ方向)が反転して描かれており、一方の面10Fが紙面の下側に位置し、他方の面10Bは紙面の上側に位置している。なお、以降、図2を参照しての配線基板1の説明においては、一方の面10F側は「下」又は「下側」と称され、他方の面10B側は「上」又は「上側」と称される。
【0031】
図2に示されるように、第1絶縁層11には、第1絶縁層11を貫通するビア開口11aが形成されている。第1絶縁層11を挟んで対向する第1導体層12同士を接続する第1ビア導体13は、ビア開口11aを導電体で埋めることによって形成されている。具体的には、図示されるように、第1導体層12を構成する、スパッタリングによって形成される金属膜層である第1層12a、及び、電解めっき膜層であり得る第2層12bがビア開口11aを充填して第1ビア導体13を構成している。第1導体層12と第1ビア導体13は一体的に形成されている。なお、第1絶縁層11に形成されるビア開口11aは、第1ビア開口11aとも称される。
【0032】
ビア開口11aは、第1絶縁層11の第1ビア導体13が形成される位置に、例えば、絶縁層11の上側の表面からレーザー光を照射することにより形成され得る。形成されるビア開口11aの径は、レーザー光の照射側で大きく、レーザー光の照射側と反対側(奥側)では小さくなり得る。したがって、ビア開口11aは、上側の径が大きく、下側の径が小さくなるように形成され得る。図2に示されるように、ビア開口11aの内壁面は、絶縁層11の上側から下側にかけて傾斜している。なお、例えば、ビア開口11aは、例えば、ビア導体13のアスペクト比(ビア導体13が接続する下側の導体層12の上面から上側の導体層の下面までの高さ/下側の導体層12の上面におけるビア導体13の直径)が、約0.5以上、約1.0以下となるように形成され得る。
【0033】
配線基板の製造方法の説明において後述されるように、第1絶縁層11にレーザー光の照射によってビア開口11aが穿孔された後、ビア開口11aの内壁はデスミア処理される。デスミア処理はドライプロセスによって実施され得る。第1絶縁層11が無機粒子を含む場合、このデスミア処理に因って、ビア開口11aの内壁から露出する無機粒子は、内壁面に沿った平坦部を有するように形成され得る。すなわち、ビア開口11aの内壁面の全体が、ビア開口11aの底面(導体層12の上面)に対して所定の角度を有する面として、比較的平滑に形成され得る。換言すれば、第1ビア開口11aの内壁面は、絶縁性樹脂の表面と無機粒子の平坦部とが略面一に構成される面であり得る。第1絶縁層11が無機フィラー(無機粒子)を含んでいる場合でも、ビア開口11aの内壁面は比較的粗度が小さく平滑に形成され得る。ビア開口11aの内壁面が比較的平滑に形成されていることにより、第1ビア導体13のビア開口11aの内壁面と接する面も比較的平滑に形成され得る。従って、第1ビア導体13を介して伝送される信号の伝送損失が比較的小さく抑制される場合がある。
【0034】
第1層12aは、第1絶縁層11の上面の一部、並びに、ビア開口11aの内壁面及び底面の全域を被覆している。第1層12aは、電解めっきによって第2層12bが形成される場合の給電層として機能し得る。第1層12aは下層12aa及び上層12abを含む二層構造を有している。下層12aaは、銅を含む合金をターゲットとして使用するスパッタリングによって形成される銅合金のスパッタ膜層である。上層12abは、銅をターゲットとして使用するスパッタリングによって形成される銅のスパッタ膜層である。
【0035】
具体的には、下層12aaは銅とアルミニウムと特定元素とを含む合金により形成されるスパッタ膜層であり、上層12abは銅により形成されるスパッタ膜層である。ここで「特定元素」とは、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちのいずれかを意味している。ビア開口11aの内壁面及び第1絶縁層11の上面を被覆する第1層12aが、下層12aa及び上層12abを含む構造を有していることによって、ビア開口11aの内壁面及び第1絶縁層11の上面と第1層12aとの密着性が向上し得る。特に、下層12aaが上述のように銅合金のスパッタ膜層である場合には、ビア開口11aの内壁面及び第1絶縁層11の上面と下層12aaとは比較的良好な密着性を有し得る。
【0036】
さらに具体的には、下層12aaを構成しているスパッタ膜層における銅の含有率は、90at%よりも大きい。また、下層12aaを構成しているスパッタ膜層における銅の含有率は、99at%未満であり得る。また、下層12aaを構成しているスパッタ膜層におけるアルミニウムの含有量は、例えば、1.0at%以上15.0at%以下である。例えば、下層12aaは、銅とアルミニウムとケイ素とを含む合金により形成されるスパッタ膜層であり得る。この場合、合金中のケイ素の含有量は0.5at%以上10.0at%以下であり得る。また、例えば、下層12aaは、銅、アルミニウム、特定元素に加えて、さらに炭素を含む場合があり、この場合、炭素の含有量は50ppm以下であり得る。また、例えば、下層12aaは、銅、アルミニウム、特定元素に加えて、さらに酸素を含む場合があり、この場合、酸素の含有量は100ppm以下であり得る。上層12abを構成しているスパッタ膜層における銅の含有率は、99.9at%よりも大きい。上層12abを構成しているスパッタ膜層における銅の含有率は、99.95at%以上であることが好ましい。
【0037】
第1層12aにおいては、下層12aa及び上層12abが真空中で形成されるスパッタ膜層として構成されている。この構成により、下層12aa及び上層12abは比較的良好な密着性を有し得る。具体的には、下層12aa及び上層12abが真空中で形成されるスパッタ膜であることにより、下層12aa及び上層12abにおいて酸化膜が形成され難い。従って、例えば、酸素含有雰囲気中で形成される無電解めっき膜である場合と比較して、下層12aaと上層12abとの密着が良好に実現され得る。接続信頼性の高い第1導体層12及び第1ビア導体13を有する配線基板が提供され得る。
【0038】
なお、第1導体層12の上面は、比較的粗度が小さく平坦度が高い研磨面である場合がある。導体層12の表面が比較的粗度が小さい研磨面であることにより、第1ビルドアップ部10内での良好な高周波伝送特性が得られることがある。
【0039】
続いて、図3A図3Lを参照して、図1に示される配線基板1が製造される場合を例に、実施形態の配線基板の製造方法が説明される。なお、以下に説明される製造方法において形成される各構成要素は、特に異なる記載が無い限り、図1の配線基板1の説明において対応する構成要素の材料として例示された材料を用いて形成され得る。以降、配線基板1の製造方法の説明においては、支持基板GSに近い側は「下」又は「下側」と称され、支持基板GSから遠い側は「上」又は「上側」と称される。したがって、配線基板1を構成する各要素における支持基板GS側を向く面は「下面」と称され、支持基板GSと反対側と向く面は「上面」とも称される。配線基板1は、支持基板GS上に第1ビルドアップ部10を製造し、第1ビルドアップ部10上に第2ビルドアップ部20、及び第2ビルドアップ部20上に第3ビルドアップ部30を製造することによって形成され得る(図1参照)。
【0040】
先ず、図3Aに示されるように、例えばガラス基板である、表面の平坦性が良好な支持基板GSが用意される。支持基板GSの両側の表面には、金属膜層121が、例えば光照射により着脱が可能なアゾベンゼン系高分子接着剤を含む接着層ALを介して形成される。金属膜層121は、例えば、無電解めっき又はスパッタリングなどによって形成される金属膜(好ましくは銅膜)層である。金属膜層121は比較的薄い金属箔により構成されてもよい。
【0041】
次いで、図3Bに示されるように、支持基板GS上に、接着層ALを介して、金属膜層121とめっき膜層122とを含む複数の導体パッド12pを有する導体層12が形成される。導体層12の形成においては、例えばめっきレジストが金属膜層121上に形成され、めっきレジストに導体パッド12pのパターンの形成領域に応じた開口が例えばフォトリソグラフィ技術により形成される。次いで、金属膜層121をシード層とする電解めっきにより開口内にめっき膜層122が形成される。めっき膜層122の形成後、めっきレジストが除去され、めっきレジストの除去により露出する金属膜層121はエッチングされて、図3Bに示される状態が形成される。
【0042】
次いで、図3Cに示されるように、導体層12を覆う絶縁層11が積層される。絶縁層11としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの絶縁性樹脂が用いられ得る。フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリエステル樹脂(PE)、変性ポリイミド樹脂(MPI)が用いられてもよい。フィルム状に成形されたこれらの樹脂を、導体層12上に熱圧着することにより絶縁層11が形成され得る。絶縁層11上には絶縁層11の上面を完全に覆う保護膜PFが形成される。保護膜PFは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムである。保護膜PFと絶縁層11の上面との間には、離型剤が介在し得る。
【0043】
次いで、絶縁層11におけるビア導体13(図1参照)の形成位置に、例えば炭酸ガスレーザー光やエキシマレーザー光等の照射によってビア開口11aが形成される。保護膜PF及び絶縁層11を貫くビア開口11aが形成される。ビア開口11aは絶縁層11の上面から底面(導体層12の上面)に向けて縮径する形状に形成され得る。レーザー光によるビア開口11aの形成後にビア開口11aの内面(底面及び内壁面)はデスミア処理され得る。デスミア処理は好ましくは、プラズマガス(例えば、四フッ化メタンを含む)を用いたドライデスミア処理により実施され得る。デスミア処理もまた、絶縁層11の表面に保護膜PFが形成された状態で、絶縁層11の表面を保護しながら行われ得る。ビア開口11a内のデスミア処理の後に、絶縁層11の上面から保護膜PFは除去される。
【0044】
第1絶縁層11が無機フィラーを含む場合、このデスミア処理に因って、ビア開口11aの内壁から露出するフィラー粒子は、内壁面に沿った平坦部を有するように形成される。すなわち、ビア開口11aの内壁面の全体が、ビア開口11aの底面(導体層12の上面)に対して所定の角度を有する面として、比較的平滑に形成され得る。第1絶縁層11が無機フィラーを含んでいる場合でも、ビア開口11aの内壁面は比較的粗度が小さく平滑に形成され得る。
【0045】
なお、図3C図3Lでは、支持基板GSの一方の表面上に形成される積層体が示されており、反対側の表面に形成され得る積層体の図示は省略されている。しかしながら、反対側の表面にも、同様の態様や数の積層体や、又は一方の表面上とは異なる態様及び数の導体層及び絶縁層が形成されてもよく、そのような導体層及び絶縁層が形成されなくてもよい。
【0046】
次いで、図3Cにおいて一点鎖線で囲われる領域Dに対応する図3Dに示されるように、ビア開口11aの内壁面上及び絶縁層11の上面上に導体層12(図3F参照)を構成する第1層12aがスパッタリングによって形成される。具体的には、先ず、下層12aaがスパッタリングにより、絶縁層11の上面上及び、ビア開口11aの内壁面上、及び、ビア開口11aの底面を構成する導体層12の上面上に形成される。下層12aaは、銅とアルミニウムと特定元素(ニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウム)のいずれかと、を含む合金をターゲットとして使用するスパッタリングによって形成される。続いて、下層12aaを被覆するように、上層12abがスパッタリングにより形成される。上層12abは、銅をターゲットとして使用するスパッタリングによって形成される。スパッタリングは真空中で実施される。
【0047】
次いで、図3Eに示されるように、金属膜(第1層)12a上に、形成されるべき導体パターンに応じた開口R11を有するめっきレジストR1が設けられる。なお、図3E図3Iにおいては、図3Dで示された2層構造の第1層12aは、見易さのために単層で示される。
【0048】
続いて、第1層12aを給電層とした電解めっきにより、電解めっき膜層である第2層12bがめっきレジストR1の開口R11の開口内に形成される。次いで、めっきレジストR1が除去された後、第1層12aのうちの第2層12bに覆われていない部分がエッチングなどで除去される。その結果、図3Fに示されるように、微細配線FWを有する、第1層12a及び第2層12bからなる導体層12が形成される。また、ビア開口11aの内部が電解めっき膜である第2層12bで完全に充填されることにより、ビア導体13が形成される。
【0049】
続いて、図3Gに示されるように、上述の絶縁層11、導体層12及びビア導体13の形成方法と同様の方法で、導体層12及び絶縁層11の上に、所望の層数の絶縁層11及び導体層12、並びに、各絶縁層を貫通するビア導体13が、形成される。
【0050】
次いで、図3Hに示されるように、導体層12の上側に、第1ビルドアップ部10(図1参照)の絶縁層11のうちの最外層の絶縁層11が形成される。その後、ビア導体13(図1参照)の形成場所に対応する位置の絶縁層11に、レーザー加工によってビア導体13形成用のビア開口11aが形成される。
【0051】
続いて、図3Iに示されるように、他方の面10Bを構成する導体層12が、ビア開口11aを充填するビア導体13と同時に、セミアディティブ法などの任意の導体パターンの形成方法を用いて形成される。支持基板GS上での第1ビルドアップ部10の形成が完了する。
【0052】
続いて、図3Jに示されるように、第1ビルドアップ部10の他方の面10Bを構成する導体層12及び絶縁層11の上に、第2ビルドアップ部20が形成される。フィルム状の樹脂の熱圧着により絶縁層21が形成され得る。セミアディティブ法などの任意の導体パターンの形成方法により導体層22が形成され得る。所望の層数の絶縁層21及び導体層22、並びに、各絶縁層21を貫通するビア導体23が形成される。なお、図3J図3Lにおいては、各導体層は、図1と同様に単層で示される。
【0053】
図3Kに示されるように、第2ビルドアップ部20の他方の面20Bを構成する絶縁層21及び導体層22の上に、第3ビルドアップ部30が形成される。絶縁層211、導体層212及び絶縁層211を貫通するビア導体33が、絶縁層21、導体層22及びビア導体23の形成方法と同様の方法で、形成される。絶縁層211を形成する絶縁性樹脂としては、ガラス繊維で構成される補強材(芯材)に含侵されたエポキシ樹脂やBT樹脂などの絶縁性樹脂を含むプリプレグが用いられ得る。次いで、ソルダーレジスト層31が、絶縁層211及び導体層212の表面上への感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂層の形成によって形成される。そして、フォトリソグラフィ技術により、導体パッド32pを画定する開口31aがそれぞれ形成される。
【0054】
次いで、図3Lに示されるように、支持基板GSが取り外される。導体パッド12pの下面及び絶縁層11の下面が露出する。支持基板GSの取り外しにおいては、接着層ALに例えばレーザー光が照射され軟化された後、支持基板GSが導体パッド12p及び絶縁層11から剥離される。なお、導体パッド12p及び絶縁層11の表面上に残留し得る接着層ALは洗浄により除去され得る。図1に示される配線基板1が完成する。
【0055】
実施形態の配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。実施形態の配線基板に含まれる各ビルドアップ部は、上述のように、任意の数の絶縁層及び導体層を有し得る。また、実施形態の配線基板の製造方法は、図3A図3Lを参照して説明された方法に限定されず、その条件や順序などは任意に変更され得る。特定の工程が省略されてもよく、別の工程が追加されてもよい。例えば、支持基板GSの取り外し後に露出する導体パッド12pの表面上に、ニッケル層及び錫層を含むめっき層などが形成されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 配線基板
10 第1ビルドアップ部
20 第2ビルドアップ部
30 第3ビルドアップ部
11 絶縁層(第1絶縁層)
21 絶縁層(第2絶縁層)
211 絶縁層(第3絶縁層)
12 導体層(第1導体層)
22 導体層(第2導体層)
212 導体層(第3導体層)
13 ビア導体(第1ビア導体)
23 ビア導体
33 ビア導体
12a 第1層
12b 第2層
12aa 下層
12ab 上層
12p 導体パッド
32p 導体パッド
FW 微細配線
E1、E2 電子部品
EA1、EA2 部品搭載領域
10F、20F、30F 一方の面
10B、20B、30B 他方の面
1F 第1面
1B 第2面
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L