(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157968
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両用充電装置及び車両用充電スタンド
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241031BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20241031BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20241031BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
H02J7/00 301C
H02J1/00 306L
H02J1/00 304E
B60L53/67
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072673
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】五来 一樹
(72)【発明者】
【氏名】宮田 博昭
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅弘
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G165AA08
5G165BB09
5G165BB11
5G165DA01
5G165DA02
5G165DA06
5G165DA07
5G165EA06
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5G165GA04
5G165GA09
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5G165MA01
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5G503AA01
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5G503BB02
5G503GB01
5G503GB03
5G503GD04
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125BE02
5H125DD02
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】充電器と充電スタンドとの間の電力ケーブルを有効に活用できる車両用充電装置及び車両用充電スタンドを提供する。
【解決手段】車両用充電装置は、電力を充電スタンドとの間の電力ラインを介して充電スタンドに供給する充電器と、複数のコネクタ付き充電ケーブル及び複数のコネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの電力の出力を制御するためのスイッチと、スイッチを導通状態及び遮断状態の何れかに制御する制御装置と、を含む充電スタンドと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された電力を変換して出力する充電器と、
複数のコネクタ付き充電ケーブルと、前記充電器に接続された電力ライン及び前記複数のコネクタ付き充電ケーブルに接続され、前記電力ラインを介して、前記充電器から出力された前記電力が入力される回路であって、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの前記電力の出力を制御するためのスイッチを含む前記回路と、前記スイッチを導通状態及び遮断状態の何れかに制御する制御装置と、を含む充電スタンドと、
を備え、
前記制御装置は、
前記充電スタンドの充電対象となる車両用の駐車スペースに駐車された1又は複数の車両を充電する場合において、前記スイッチを制御することにより、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルの何れか一つから出力される前記電力により、前記車両の充電を実行する、
ように構成された、
車両用充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用充電装置において、
前記充電スタンドは、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルの何れか一つから前記充電器の出力と同じ出力を出力し、前記充電器の出力と同じ出力で前記車両を充電する、
車両用充電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用充電装置において、
前記回路は、前記電力ラインに接続され、前記電力ラインから前記電力が入力される1つの経路と、
前記1つの経路から分岐され、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれと一対一で接続される複数の分岐経路と、
を含み、
複数の分岐経路のそれぞれには、前記スイッチが設けられ、
前記制御装置は、
前記スイッチを前記導通状態及び前記遮断状態の何れかに制御することにより、前記複数の分岐経路のそれぞれを電流が流れる状態及び電流が流れない状態の何れかに制御することによって、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの前記電力の出力を制御する
ように構成された、
車両用充電装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用充電装置において、
前記制御装置は、
前記充電スタンドの前記駐車スペースに駐車された複数の車両を充電する場合において、各車両の充電を時分割で行うように、前記スイッチを制御するように構成された、
車両用充電装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用充電装置において、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルは、引き出し方向が複数の方向となるように、前記充電スタンドに設けられている、
車両用充電装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車両用充電装置において、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルは、引き出し方向が2つ又は4つの方向となるように、前記充電スタンドに設けられている、
車両用充電装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用充電装置において、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルとして、4つの前記コネクタ付き充電ケーブルが、引き出し方向が2つの方向となるように、前記充電スタンドに設けられ、
前記充電スタンドの側面から引き出し方向が第1方向の2つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第2方向の2つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出される、
車両用充電装置。
【請求項8】
請求項6に記載の車両用充電装置において、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルとして、4つの前記コネクタ付き充電ケーブルが、引き出し方向が4つの方向となるように、前記充電スタンドに設けられ、
前記充電スタンドの側面から引き出し方向が第1方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第2方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第3方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第4方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出される、
車両用充電装置。
【請求項9】
入力された電力を変換して出力する充電器から電力ラインを介して電力の供給を受ける車両用充電スタンドであって、
複数のコネクタ付き充電ケーブルと、
前記充電器に接続された電力ライン及び複数の前記コネクタ付き充電ケーブルに接続され、前記電力ラインを介して、前記充電器から出力された前記電力が入力される回路であって、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの前記電力の出力を制御するためのスイッチを含む前記回路と、
前記スイッチを導通状態及び遮断状態の何れかに制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
充電対象となる車両用の駐車スペースに駐車された1又は複数の車両を充電する場合において、前記スイッチを制御することにより、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルの何れか一つから出力される前記電力により、前記車両の充電を実行する、
ように構成された、
車両用充電スタンド。
【請求項10】
請求項9に記載の車両用充電スタンドにおいて、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルの何れか一つから前記充電器の出力と同じ出力を出力し、前記充電器の出力と同じ出力で前記車両を充電する、
車両用充電スタンド。
【請求項11】
請求項9に記載の車両用充電スタンドにおいて、
前記回路は、前記電力ラインに接続され、前記電力ラインから前記電力が入力される1つの経路と、
前記1つの経路から分岐され、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれと一対一で接続される複数の分岐経路と、
を含み、
複数の分岐経路のそれぞれには、前記スイッチが設けられ、
前記制御装置は、
前記スイッチを前記導通状態及び前記遮断状態の何れかに制御することにより、前記複数の分岐経路のそれぞれを電流が流れる状態及び電流が流れない状態の何れかに制御することによって、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの前記電力の出力を制御する
ように構成された、
車両用充電スタンド。
【請求項12】
請求項9に記載の車両用充電スタンドにおいて、
前記制御装置は、
前記駐車スペースに駐車された複数の車両を充電する場合において、各車両の充電を時分割で行うように、前記スイッチを制御するように構成された、
車両用充電スタンド。
【請求項13】
請求項9に記載の車両用充電スタンドにおいて、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルは、引き出し方向が2つ又は4つの方向となるように設けられている、
車両用充電スタンド。
【請求項14】
請求項13に記載の車両用充電スタンドにおいて、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルとして、4つの前記コネクタ付き充電ケーブルが、引き出し方向が2つの方向となるように設けられ、
側面から引き出し方向が第1方向の2つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第2方向の2つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出される、
車両用充電スタンド。
【請求項15】
請求項13に記載の車両用充電スタンドにおいて、
複数の前記コネクタ付き充電ケーブルは、4つの前記コネクタ付き充電ケーブルが、引き出し方向が4つの方向となるように設けられ、
側面から引き出し方向が第1方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第2方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第3方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出され、引き出し方向が第4方向の1つの前記コネクタ付き充電ケーブルが引き出される、
車両用充電スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用充電装置及び車両用充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV(Electric Vehicle))の普及に伴い、電気自動車用の充電装置(以下、「EV充電装置」と呼称される。)の設置が進められている。EV充電装置の一例は、充電器、及び、コネクタ付き充電ケーブルを備えた充電スタンドにより構成される。充電器は、EVを充電するための所要の直流電圧または直流電流を生成及び調整する、電力変換器である。コネクタ付き充電ケーブルは、充放電のための電力回路、及び、EVとの間で必要な情報を授受するための通信回路を、EVに接続するものである。充電スタンドは、コネクタ付き充電ケーブルを収納し、必要に応じて、EVとの間で必要な情報を授受するための通信回路の端末、操作者に情報を提供する表示器及び表示ランプ類を具備する。
【0003】
特許文献1は、従来のEV充電装置の一例として、1つの装置で複数のEVを同時に充電することができる充電装置(以下、「従来充電装置」と呼称される。)を開示する。従来充電装置は、充電コンバータ装置と、複数の利用者操作ユニットと、を備える。各利用者操作ユニットには、1つのコネクタ付き充電ケーブルが設けられている。充電コンバータ装置と複数の利用者操作ユニットのそれぞれとの間には、これらを接続するための電力ケーブルが設けられている。1つの利用者操作ユニットは1台のEVが充電可能である。従来充電装置には、利用者操作ユニットが同時に充電可能なEVの台数と同じ数設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来充電装置では、充電コンバータ装置(「充電器」とも呼称される。)と複数の利用者操作ユニット(「充電スタンド」とも呼称される。)との間を接続する電力ケーブルが、充電スタンドの数と同じ数必要となる。従って、従来充電装置では、EVの充電に必要な時間に対して、EVの駐車時間が長いと、電力ケーブルの遊休時間は長くなり、電力ケーブルを有効に活用できない。
【0006】
例えば、充電スタンドの電力供給対象である複数のEVが駐車スペースに8時間駐車された場合において、各EVが8時間のうちの2時間で充電を完了する場合、各電力ケーブルは、8時間のうち2時間だけ電流が流れる状態になり、残りの6時間電流が流れない遊休状態となるので、電力ケーブルを有効に活用できない。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、充電器と充電スタンドとの間の電力ケーブルを有効に活用できる車両用充電装置及び車両用充電スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の車両用充電装置は、入力された電力を変換して出力する充電器と、複数のコネクタ付き充電ケーブルと、前記充電器に接続された電力ライン及び前記複数のコネクタ付き充電ケーブルに接続され、前記電力ラインを介して、前記充電器から出力された前記電力が入力される回路であって、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの前記電力の出力を制御するためのスイッチを含む前記回路と、前記スイッチを導通状態及び遮断状態の何れかに制御する制御装置と、を含む充電スタンドと、を備え、前記制御装置は、前記充電スタンドの充電対象となる車両用の駐車スペースに駐車された1又は複数の車両を充電する場合において、前記スイッチを制御することにより、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルの何れか一つから出力される前記電力により、前記車両の充電を実行する、ように構成される。
【0009】
本発明の車両用充電スタンドは、入力された電力を変換して出力する充電器から電力ラインを介して電力の供給を受ける車両用充電スタンドであって、複数のコネクタ付き充電ケーブルと、前記充電器に接続された電力ライン及び複数の前記コネクタ付き充電ケーブルに接続され、前記電力ラインを介して、前記充電器から出力された前記電力が入力される回路であって、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルのそれぞれからの前記電力の出力を制御するためのスイッチを含む前記回路と、前記スイッチを導通状態及び遮断状態の何れかに制御する制御装置と、を含み、前記制御装置は、充電対象となる車両用の駐車スペースに駐車された1又は複数の車両を充電する場合において、前記スイッチを制御することにより、複数の前記コネクタ付き充電ケーブルの何れか一つから出力される前記電力により、前記車両の充電を実行する、ように構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、充電器と充電スタンドとの間の電力ケーブルを有効に活用できる車両用充電装置及び車両用充電スタンドを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る車両用充電装置の構成例を説明するための図である。
【
図2】
図2は参考例1の車両用充電装置を説明するための図である。
【
図3】
図3は参考例2の車両用充電装置を説明するための図である。
【
図4】
図4は参考例3の車両用充電装置を説明するための図である。
【
図5】
図5はユースケースの一例の車両用充電装置の作動を説明するための図である。
【
図6】
図6はユースケースの一例の車両用充電装置の作動を説明するための図である。
【
図7】
図7は車両用充電装置の第1変形例を説明するための図である。
【
図8】
図8は車両用充電装置の第2変形例を説明するための図である。
【
図9】
図9は車両用充電装置の第3変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一又は対応する部分には同一の符号を付す場合がある。以下の説明において、「電気自動車が備えるバッテリ(二次電池)の充電(充電を行う)」は、便宜上、「電気自動車の充電」、「電気自動車の充電を行う」などと表現される場合がある。
【0013】
<<実施形態>>
図1は本発明の実施形態に係る車両用充電装置の構成例を説明するための概略構成図である。
図1に示すように、車両用充電装置は、電気自動車などのバッテリを備える車両を充電するための装置であり、充電器100と、1又は複数(本例では3つ)の充電スタンド200と、を含む。充電スタンド200は、「車両用充電スタンド」とも呼称される場合がある。
【0014】
充電器100は、交流電源300から入力された交流電力を直流電力に変換して、充電スタンド200の数と同数(本例では3つ)の出力から直流電力を、電力ケーブル101a乃至101cのそれぞれを介して3つの充電スタンド200のそれぞれに供給する。なお、以降の説明において、電力ケーブル101a乃至101cは、これらを特に区別する必要がない場合、「電力ケーブル101」と呼称される。電力ケーブル101は、「電力ライン」とも呼称される場合がある。
【0015】
充電器100は、ACDCコンバータ110と、1又は複数(本例では3つ)のDCDCコンバータ120a乃至120cと、第1制御装置130と、を含む。ACDCコンバータ110は、入力側が交流電源300に接続され、出力側が3つのDCDCコンバータ120a乃至120cのそれぞれの入力側と接続されている。なお、以降の説明において、DCDCコンバータ120a乃至120cは、これらを区別する必要がない場合、「DCDCコンバータ120」と呼称される。
【0016】
ACDCコンバータ110は、交流電源300から入力される交流電力を直流電力に変換して出力する。DCDCコンバータ120は、ACDCコンバータ110から入力される直流電力の電圧を充電に適した電圧に変えて出力する。
【0017】
充電スタンド200は、複数(本例では4つ)の駐車スペース(第1駐車スペースSP1乃至第4駐車スペースSP4)に停車された電気自動車400に電力を供給することができる。
【0018】
充電スタンド200は、第2制御装置210と、スイッチ群220を含む電力回路と、複数(本例では4つ)の第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dと、第1EV情報通信端末240a乃至第4EV情報通信端末240dと、操作表示パネル250とを含む。
【0019】
充電スタンド200の電力回路は、電力ケーブル101に接続される経路の分岐点である分岐接続点P0と、分岐接続点P0で2つに分岐された経路の一方である第1分岐電力ラインLn1と、分岐された経路の他方である第2分岐電力ラインLn2と、を含む。第1分岐電力ラインLn1は、第1接続点P1と、第2接続点P2とを含み、第2分岐電力ラインLn2は、第3接続点P3と、第4接続点P4とを含む。
【0020】
電力回路は、第1接続点P1と第1コネクタ付き充電ケーブル230aとの間の第1電力ライン201と、第2接続点P2と第2コネクタ付き充電ケーブル230bとの間の第2電力ライン202と、第3接続点P3と第3コネクタ付き充電ケーブル230cとの間の第3電力ライン203と、第4接続点P4と第4コネクタ付き充電ケーブル230dとの間の第4電力ライン204とを含む。
【0021】
スイッチ群220は、第1電力ライン201に設けられた第1スイッチS11と、第2電力ライン202に設けられた第2スイッチS12と、第3電力ライン203に設けられた第3スイッチS13と、第4電力ライン204に設けられた第4スイッチS14とを含む。
【0022】
第2制御装置210は、第1制御装置130からの指令を受けて、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14のそれぞれを、導通状態(ON状態)及び遮断状態(OFF状態)の何れかの状態に設定する。
【0023】
第1スイッチS11乃至第4スイッチS14のそれぞれは、第2制御装置210からの指令に応じて、導通状態と遮断状態との間で切り替わる。
【0024】
第1スイッチS11が導通状態である場合、第1電力ライン201が、電流が流れる導通状態となり、第1スイッチS11が遮断状態である場合、第1電力ライン201が、電流が流れない非導通状態になる。
【0025】
第2スイッチS12が導通状態である場合、第2電力ライン202が、電流が流れる導通状態となり、第2スイッチS12が遮断状態である場合、第2電力ライン202が、電流が流れない非導通状態になる。
【0026】
第3スイッチS13が導通状態である場合、第3電力ライン203が、電流が流れる導通状態となり、第3スイッチS13が遮断状態である場合、第3電力ライン203が、非導通状態になる。
【0027】
第4スイッチS14が導通状態である場合、第4電力ライン204が、電流が流れる導通状態となり、第4スイッチS14が遮断状態である場合、第4電力ライン204が、非導通状態になる。
【0028】
第1コネクタ付き充電ケーブル230aは、第1コネクタ231aと、第1ケーブル232aと、を含む。第2コネクタ付き充電ケーブル230bは、第2コネクタ231bと、第2ケーブル232bと、を含む。第3コネクタ付き充電ケーブル230cは、第3コネクタ231cと、第3ケーブル232cと、を含む。第4コネクタ付き充電ケーブル230dは、第4コネクタ231dと、第4ケーブル232dと、を含む。
【0029】
なお、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dは、これらを特に区別する必要がない場合、「コネクタ付き充電ケーブル230」と呼称される。第1コネクタ231a乃至第4コネクタ231dは、これらを特に区別する必要がない場合、「コネクタ231」と呼称される。第1ケーブル232a乃至第4ケーブル232dは、これらを特に区別する必要がない場合、「ケーブル232」と呼称される。
【0030】
コネクタ付き充電ケーブル230は、コネクタ231と、一端にコネクタ231が電気的に接続され、他端がスイッチ群220を含む電力回路に電気的に接続されるケーブル232と、を含む。
【0031】
操作表示パネル250は、タッチパネルで構成され、第2制御装置210に対する入力装置及び画像を表示する表示装置として機能する。操作表示パネル250は、GUI画面として、ユーザが必要な情報の入力や操作を行うための入力画面、充電スタンド200の運転状態を示す画面などの各種画面を表示する。
【0032】
第1EV情報通信端末240aは、第1駐車スペースSP1に駐車した電気自動車400と通信を行う通信端末である。第2EV情報通信端末240bは、第2駐車スペースSP2に駐車した電気自動車400と通信を行う通信端末である。第3EV情報通信端末240cは、第3駐車スペースSP3に駐車した電気自動車400と通信を行う通信端末である。第4EV情報通信端末240dは、第4駐車スペースSP4に駐車した電気自動車400と通信を行う通信端末である。
【0033】
なお、第1EV情報通信端末240a乃至第4EV情報通信端末240dは、これらを特に区別する必要がない場合、「EV情報通信端末240」と呼称される。
【0034】
充電器100の第1制御装置130は、第2制御装置210との間で情報を送受信できるように接続されている。第1制御装置130は、EV情報通信端末240との間で情報を送受信できるように接続されている。第1制御装置130は、充電スタンド200(第2制御装置210及びEV情報通信端末240)と間で電気自動車400の充電制御に必要な情報のやり取りを行う。第1制御装置130は、ACDCコンバータ110及びDCDCコンバータ120を制御することにより、充電器100から出力する電力を制御する。
【0035】
なお、第1制御装置130は、CPU等のプロセッサ、メモリ等の記憶装置(記憶媒体)及びインタフェースを含むコンピュータにより構成することができる。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み込んで実行することにより、第1制御装置130の各種機能を実現する。なお、第1制御装置130は、その一部又は全部をハードウェアにより構成することもできる。例えば、第1制御装置130は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて、第1制御装置130の各種機能の少なくとも一部を実現するようにしてもよい。第2制御装置210も第1制御装置130と同様である。電気自動車400は、主にモータを駆動する電力が蓄電されるバッテリ(二次電池)、バッテリの充放電制御、走行制御等の各種制御を行う各種ECU(Electronic Control Unit)、通信装置などを備える。
【0036】
第1制御装置130は、充電スタンド200のEV情報通信端末240から転送される電気自動車400が備えるバッテリ(二次電池)に関する情報などの各種情報に基づいて、第2制御装置210に指令を送り、充電スタンド200の第2制御装置210を介して、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14の状態を切り替える。これにより、第1制御装置130は、何れか一つのコネクタ付き充電ケーブル230を選択し、選択したコネクタ付き充電ケーブル230によって、電気自動車400に対して充電を行う。
【0037】
なお、充電スタンド200は、例えば、上面及び下面と1又は複数の側面とを有する形状(本例において、少なくとも4つの側面を有する形状(例えば、略直方体形状、「曲面である上面と、平面である下面と、互いに対向する2つの側面を2組とを有する形状」など)を有する。図示は省略するが充電スタンド200は、内部にコネクタ付き充電ケーブル230のケーブル232の一部が収容される収容部(例えば、巻き取り及び巻き出し自在な状態で収容される収容部)を備え、充電スタンド200の側面には、ケーブル232を通して収容部から外部に引き出すための引き出し口が4つ形成されている。各引き出し口から各コネクタ付き充電ケーブル230のケーブル232が引き出される。
【0038】
(本発明の概要)
本発明の理解を容易にするため、実施形態に係る車両用充電装置と、参考例の車両用充電装置との比較について説明する。
図2は参考例1の車両用充電装置を説明するための図である。参考例1の車両用充電装置は、充電器1100が充電スタンド1200毎に、充電スタンド1200と同じ数設けられている。参考例1の車両用充電装置は、充電対象の電気自動車400が停車する駐車スペースSPの数と同数の充電器1100により構成される。従って、
図2に示すように充電対象の電気自動車400が駐車スペースSPの全てに電気自動車400が停車している場合、駐車スペースSPに駐車している電気自動車400の台数と同数の充電器1100のそれぞれにより、複数の電気自動車400のそれぞれを充電する。
【0039】
図3は参考例2の車両用充電装置を説明するための図である。参考例2の車両用充電装置は、充電器2100の電気自動車400に対する出力数及び充電スタンド2200に接続可能な電気自動車400の台数は参考例1と同じであり、充電器2100の電力変換装置の一部を共通部として、1つの充電器2100から複数の電力の出力先(充電スタンド2200)に電力を出力できるように構成されている。これにより、参考例2の車両用充電装置は、参考例1に比べて、車両用充電装置全体として、部品数低減及び小型化等を図ることができる。なお、参考例2の車両用充電装置の場合、各電気自動車400の駐車スペースSPと、充電器2100(参考例1の車両1台用の充電器1100の複数台分の大きさとなる充電器2100)の設置スペースとの関係から、充電スタンド2200のみが電気自動車400の近くに設置される。
【0040】
参考例1及び参考例2の車両用充電装置のように、充電スタンド2200のコネクタ付き充電ケーブル230の数と同じ数だけ、充電器の出力(変換器)の数が必要となるような構成では、電気自動車400の充電に要する時間に対して、電気自動車400の駐車時間が長いと、設備を有効に活用することができないので(即ち、充電器や電力ケーブルの遊休時間が長くなるので)不経済である。
【0041】
例えば、4つの駐車スペースSPに4台の電気自動車400が8時間駐車された場合において、それぞれの電気自動車400が、8時間のうちの2時間で充電が完了する場合、充電器は、8時間のうち2時間だけ稼働して、残りの6時間は遊休状態となり、電力ケーブルも同様の状態になるので、不経済である。
【0042】
図4は参考例3の車両用充電装置を説明するための図である。参考例3の車両用充電装置は、充電器3100の出力の数が、充電スタンド3200の数と同じであり、充電器3100の出力のそれぞれと、4つの充電スタンド3200のそれぞれとの間が、電力ケーブル3001で接続されている構成を有する。
【0043】
充電器3100の複数の出力と各充電スタンド3200との間には、スイッチ群3500が設けられている。スイッチ群3500のスイッチを切り替えることにより、充電器3100からどの充電スタンド3200に電力を出力するかを切り替える(制御する)ことができる。
【0044】
参考例3の車両用充電装置では、充電器3100の複数の出力と充電スタンド3200との間の電力ケーブル3001が、充電スタンド3200(充電スタンド3200が備えるコネクタ付き充電ケーブル)の数だけ必要となってしまう。この場合、電気自動車400の充電に要する時間に対して、電気自動車400の駐車時間が長いと、電力ケーブル3001の遊休時間は長くなり、電力ケーブル3001を有効に活用することができない(不経済である。)。例えば、電気自動車400が8時間駐車された場合において、8時間のうちの2時間で充電が完了する場合、各電力ケーブル3001は、8時間のうち2時間だけ通流して、残りの6時間は遊休状態となるので、電力ケーブル3001を有効に活用することができない(不経済となってしまう。)。
【0045】
参考例1乃至参考例3の構成の場合、充電器3100と各充電スタンド3200との間には、電力ケーブル3001が、実施形態に係る車両用充電装置に比べて、より多く必要となる。参考例1乃至参考例3の構成の場合、いずれの構成でも、電気自動車400の充電に要する時間に対して、電気自動車400の駐車時間が長いと、電力ケーブルの遊休時間は長くなり、電力ケーブルを有効に活用することができない(不経済である。)。例えば、電気自動車400が8時間駐車されて、そのうちの2時間で充電が完了する場合、各ケーブルは、8時間のうち2時間だけ通流して、残りの6時間は遊休状態となってしまう。
【0046】
これに対して、
図1に示す実施形態に係る車両用充電装置は、1つの充電スタンド200に対して複数のコネクタ付き充電ケーブル230を具備した充電スタンド200を使用するので、充電器100と各充電スタンド200との間の電力ケーブル101の本数を、減少させることが可能となる。また、実施形態に係る車両用充電装置は、充電スタンド200での出力の切り換えによって選択的に電力の出力を行うことで、電力ケーブル101の遊休時間を減らして、設備を有効に活用することができる。例えば、電気自動車400が8時間駐車されて、電気自動車400の1台あたりの充電が2時間で完了する場合、充電スタンド200での出力の切り換えによって、2時間ずつ4台を充電することで、電力ケーブル101は8時間にわたって通流することになる。従って、実施形態に係る車両用充電装置は、電力ケーブル101を有効に活用できる。
【0047】
(充電の基本動作)
電気自動車400の充電の基本動作の一例について説明する。コネクタ付き充電ケーブル230のコネクタ231が、電気自動車400が備えるプラグに接続されることにより、電気自動車400と充電スタンド200とが電気的に接続され、電気自動車400と充電器100とが充電スタンド200を介して電気的に接続される。
【0048】
EV情報通信端末240は、電気自動車400と通信を行い、電気自動車400と充電器100との互換性を確認し、電気自動車400が充電の準備完了状態に移行する。電気自動車400が充電の準備完了状態に移行すると、コネクタ231が電気自動車400のプラグから離れないように車両コネクタロックを行う。EV情報通信端末240は、電気自動車400が充電の準備完了状態になっていることを示す情報を、充電器100の第1制御装置130に送信する。
【0049】
第1制御装置130は、充電の準備完了状態にある電気自動車400に対して、充電スタンド200を介して給電を開始する。このとき、充電の準備完了状態にある電気自動車400が複数台ある場合、第1制御装置130は、同時に複数台の電気自動車400の充電が行われないように、コネクタ付き充電ケーブル230を一つのみを選択し、選択したコネクタ付き充電ケーブル230により、充電を行う(なお、この充電動作の詳細は、後述する。)。
【0050】
第1制御装置130は、電気自動車400から充電停止命令が送信されると、電気自動車400の充電を終了する。充電が終了すると、車両コネクタロックが解除される。なお、第1制御装置130は、充電状態をリアルタイムで監視するため、電気自動車400との間で、出力可能電圧値、電池総容量、車両用充電装置の異常、充電器の状態、情報の授受を行う。
【0051】
上述した充電の準備完了状態にある電気自動車400が複数台ある場合の制御の詳細について説明する。例えば、第1制御装置130は、充電の準備完了状態にある電気自動車400が1台以上ある場合、4つのコネクタ付き充電ケーブル230の何れか一つを選択して、選択した充電ケーブルにより、充電を行うように制御する。例えば、第1制御装置130は、充電の準備完了状態にある電気自動車400が1台である場合、その電気自動車400に接続されているコネクタ付き充電ケーブル230を選択して、選択した充電ケーブルにより、充電を行うように制御する。例えば、充電の準備完了状態にある電気自動車400が2台以上ある場合、第1制御装置130は、上位の制御装置からの指令に基づき、コネクタ付き充電ケーブル230を選択してもよく、所定の基準に基づく順番で、コネクタ付き充電ケーブル230を選択するようにしてもよい。
【0052】
第1制御装置130は、第1コネクタ付き充電ケーブル230aを選択して充電を行う場合、第2制御装置210を介して、第1スイッチS11が導通状態になり、第2スイッチS12、第3スイッチS13及び第4スイッチS14が遮断状態になるように、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14を制御する。これにより、第1制御装置130は、第1コネクタ付き充電ケーブル230aによって充電を行う。
【0053】
第1制御装置130は、第2コネクタ付き充電ケーブル230bを選択して充電を行う場合、第2制御装置210を介して、第2スイッチS12が導通状態になり、第1スイッチS11、第3スイッチS13及び第4スイッチS14が遮断状態になるように、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14を制御する。これにより、第1制御装置130は、第2コネクタ付き充電ケーブル230bによって充電を行う。
【0054】
第1制御装置130は、第3コネクタ付き充電ケーブル230cを選択して充電を行う場合、第2制御装置210を介して、第3スイッチS13が導通状態になり、第1スイッチS11、第2スイッチS12及び第4スイッチS14が遮断状態になるように、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14を制御する。これにより、第1制御装置130は、第3コネクタ付き充電ケーブル230cによって充電を行う。
【0055】
第1制御装置130は、第4コネクタ付き充電ケーブル230dを選択して充電を行う場合、第2制御装置210を介して、第4スイッチS14が導通状態になり、第1スイッチS11、第2スイッチS12及び第3スイッチS13が遮断状態になるように、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14を制御する。これにより、第1制御装置130は、第4コネクタ付き充電ケーブル230dによって充電を行う。
【0056】
以上説明したように、車両用充電装置は、4つのコネクタ付き充電ケーブル230の何れか一つを選択して、選択したコネクタ付き充電ケーブル230により、充電を行うように制御する。これにより、車両用充電装置は、充電器の出力と同じ出力で電気自動車400を充電することができるので、充電の効率を向上できる。
【0057】
<ユースケース>
図5及び
図6を用いて、ユースケースの一例の車両用充電装置の作動について説明する。ユースケースの一例では、車両用充電装置は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dのうちの何れか一つのみを選択して、複数の電気自動車400のそれぞれの充電を時分割で行う。
【0058】
ユースケースの一例では、
図5に示すように、時刻0:00~24:00の時刻範囲で、1つの充電スタンド200に対する第1駐車スペースSP1乃至第4駐車スペースSP4に以下のように電気自動車400が駐車されている。
【0059】
第1駐車スペースSP1:
図6に示すように、時刻t1から時刻t8までの間、電気自動車400が駐車されている。その他の時間帯には、電気自動車400が駐車されていない。
【0060】
第2駐車スペースSP2:
図6に示すように、時刻t1から時刻t10までの間、電気自動車400が駐車されている。その他の時間帯には、電気自動車400が駐車されていない。
【0061】
第3駐車スペースSP3:時刻t4から時刻t7までの間、電気自動車400が駐車されている。その他の時間帯には、電気自動車400が駐車されていない。
【0062】
第4駐車スペースSP4:時刻t8から時刻t13までの間、電気自動車400が駐車されている。その他の時間帯には、電気自動車400が駐車されていない。
【0063】
上記のように電気自動車400が駐車されている場合において、車両用充電装置は、以下のように作動することにより、各電気自動車400の充電を行う。
【0064】
車両用充電装置の充電器100の第1制御装置130は、時刻t2にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第1スイッチS11を導通状態に設定し、第2スイッチS12、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、第1コネクタ付き充電ケーブル230aによって、時刻t2から電気自動車400に対して充電を開始する。
【0065】
第1制御装置130は、時刻t3にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第2スイッチS12を導通状態に設定し、第1スイッチS11、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、時刻t3にて第1コネクタ付き充電ケーブル230aによる電気自動車400に対する充電を停止し、第2コネクタ付き充電ケーブル230bによって、時刻t3から電気自動車400に対して充電を開始する。
【0066】
第1制御装置130は、時刻t4にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第1スイッチS11、第2スイッチS12、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、時刻t4にて第2コネクタ付き充電ケーブル230bによる電気自動車400に対する充電を停止する。
【0067】
その後、第1制御装置130は、時刻t5にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第3スイッチS13を導通状態に設定し、第1スイッチS11、第2スイッチS12及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、第3コネクタ付き充電ケーブル230cによって、時刻t5から電気自動車400に対して充電を開始する。
【0068】
第1制御装置130は、時刻t6にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第1スイッチS11を導通状態に設定し、第2スイッチS12、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、時刻t6にて第3コネクタ付き充電ケーブル230cによる電気自動車400に対する充電を停止し、第1コネクタ付き充電ケーブル230aによって、時刻t6から電気自動車400に対して充電を開始する。
【0069】
第1制御装置130は、時刻t8にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第2スイッチS12を導通状態に設定し、第1スイッチS11、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、時刻t8にて第1コネクタ付き充電ケーブル230aによる電気自動車400に対する充電を停止し、第2コネクタ付き充電ケーブル230bによって、時刻t8から電気自動車400に対して、充電を開始する。
【0070】
第1制御装置130は、時刻t9にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第1スイッチS11、第2スイッチS12、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、時刻t9にて第2コネクタ付き充電ケーブル230bによる電気自動車400に対する充電を停止する(終了する。)。
【0071】
その後、第1制御装置130は、時刻t11にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第4スイッチS14を導通状態に設定し、第1スイッチS11、第2スイッチS12及び第3スイッチS13を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、第4コネクタ付き充電ケーブル230dによって、時刻t11から電気自動車400に対して充電を開始する。
【0072】
その後、第1制御装置130は、時刻t12にて、充電スタンド200(第2制御装置210)に指令を送信することにより、第1スイッチS11、第2スイッチS12、第3スイッチS13及び第4スイッチS14を遮断状態に設定する。これにより、車両用充電装置は、時刻t12にて第4コネクタ付き充電ケーブル230dによる電気自動車400に対する充電を停止する(終了する。)。
【0073】
以上説明したユースケースのように、車両用充電装置は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dのうちの何れか一つを選択して、複数の電気自動車400のそれぞれの充電を時分割で行うように、第1スイッチS11乃至第4スイッチS14を制御する。
【0074】
<効果>
以上説明したように、本発明の実施形態に係る車両用充電装置は、1つの充電スタンド200に対して複数のコネクタ付き充電ケーブル230を具備した充電スタンド200を使用するので、充電器100と各充電スタンド200との間の電力ケーブル101の本数を、減少させることが可能となる。また、実施形態に係る車両用充電装置は、充電スタンド200でのスイッチの切り換えによって選択的に出力を行うことで、電力ケーブル101の遊休時間を減らして、設備(電力ケーブル)を有効に活用することができる。
【0075】
<<変形例>>
本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態は、以下に述べる第1変形例乃至第3変形例を採用することができる。
【0076】
<第1変形例>
図7は車両用充電装置の第1変形例を説明するための図である。
図7に示すように、車両用充電装置の第1変形例では、2つの充電スタンド200は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dが引き出される第1側面の反対側の第2側面が、互いに対向するように、設置されている。充電スタンド200は、例えば、上面及び下面と1又は複数の側面とを有する形状である(本例において、少なくとも4つの側面を有する形状(例えば、略直方体形状、「曲面である上面と、平面である下面と、互いに対向する2つの側面を2組とを有する形状」など)を有する。
【0077】
2つの充電スタンド200のうちの一方の充電スタンド200は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dが第1側面から同一の第1方向に引き出されている。2つの充電スタンド200のうちの他方の充電スタンド200は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dが第1側面から同一の第2方向に引き出されている。
【0078】
第1変形例では、第1駐車スペースSP1及び第4駐車スペースSP4のそれぞれと充電スタンド200との間の距離は、第2駐車スペースSP2及び第3駐車スペースSP3のそれぞれと充電スタンド200との間の距離より長くなっている。従って、第1コネクタ付き充電ケーブル230a及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dの長さが、第2コネクタ付き充電ケーブル230b及び第3コネクタ付き充電ケーブル230cの長さより長いケーブルが必要となる。従って、第1コネクタ付き充電ケーブル230a及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dの長さは、第2コネクタ付き充電ケーブル230b及び第3コネクタ付き充電ケーブル230cの長さより長くなっている。
【0079】
<第2変形例>
図8は車両用充電装置の第2変形例を説明するための図である。
図8に示すように、車両用充電装置の第2変形例では、コネクタ付き充電ケーブル230の引き出し方向を2つの異なる方向にした充電スタンド200が使用されている。充電スタンド200は、例えば、上面及び下面と1又は複数の側面とを有する形状である(本例において、少なくとも4つの側面を有する形状(例えば、略直方体形状、「曲面である上面と、平面である下面と、互いに対向する2つの側面を2組とを有する形状」など)を有する。
【0080】
第2変形例の充電スタンド200では、例えば、充電スタンド200の側面から引き出し方向が第1方向の2つのコネクタ付き充電ケーブル230が引き出され、引き出し方向が第2方向の2つのコネクタ付き充電ケーブル230が引き出される。
【0081】
より具体的には、第2変形例の充電スタンド200では、第1コネクタ付き充電ケーブル230a及び第2コネクタ付き充電ケーブル230bは、第1側面から同一の第1方向に引き出されている。第3コネクタ付き充電ケーブル230c及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dは、第1側面と反対側の第2側面から第1方向と異なる(反対)方向の第2方向に引き出されている。
【0082】
このように、第2変形例の充電スタンド200は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dの引き出し方向が第1方向及び第2方向の2つの方向となっている。
【0083】
コネクタ付き充電ケーブル230の引き出し元から第1駐車スペースSP1乃至第4駐車スペースSP4のそれぞれに停車された電気自動車400までの各距離は、均一となるので、第1変形例の第1コネクタ付き充電ケーブル230a及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dの長さに比べて第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dの長さを短くできる。第1変形例の第1コネクタ付き充電ケーブル230a及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dのような長いコネクタ付き充電ケーブル230が不要となる。
【0084】
従って、第2変形例は、コネクタ付き充電ケーブル230が短くなることによって、使用する部材を低減できるとともに、長い充電ケーブルを取り扱う必要がなくなり、利用者の作業性が向上する。
【0085】
<第3変形例>
図9は車両用充電装置の第3変形例を説明するための図である。
図9に示すように、車両用充電装置の第3変形例では、コネクタ付き充電ケーブル230の引き出し方向を4つの異なる方向にした充電スタンド200が使用されている。充電スタンド200は、例えば、上面及び下面と1又は複数の側面とを有する形状である(本例において、少なくとも4つの側面を有する形状(例えば、略直方体形状、「曲面である上面と、平面である下面と、互いに対向する2つの側面を2組とを有する形状」など)を有する。
【0086】
第3変形例の充電スタンド200では、第1コネクタ付き充電ケーブル230aは、第1側面から第1方向に引き出されている。第2コネクタ付き充電ケーブル230bは、第2側面から第2方向に引き出されている。第3コネクタ付き充電ケーブル230cは、第3側面から第3方向に引き出されている。第4コネクタ付き充電ケーブル230dは、第4面から第4方向に引き出されている。
【0087】
このように、第3変形例の充電スタンド200は、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dの引き出し方向が第1方向乃至第4方向の4つの方向となっている。変形例3においても、コネクタ付き充電ケーブル230の引き出し元から第1駐車スペースSP1乃至第4駐車スペースSP4のそれぞれに停車された電気自動車400までの距離は、均一となるので、第1変形例の第1コネクタ付き充電ケーブル230a及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dの長さに比べて、第1コネクタ付き充電ケーブル230a乃至第4コネクタ付き充電ケーブル230dの長さを短くできる。第1変形例の第1コネクタ付き充電ケーブル及び第4コネクタ付き充電ケーブル230dのような長いケーブルのコネクタ付き充電ケーブル230が不要となる。
【0088】
従って、第3変形例は、コネクタ付き充電ケーブル230が短くなることによって、使用する部材を低減できるとともに、長い充電ケーブルを取り扱う必要がなくなり、利用者の作業性が向上する。
【符号の説明】
【0089】
100…充電器、110…ACDCコンバータ、120a,120b,120c…DCDCコンバータ、130…第1制御装置、200…充電スタンド、210…第2制御装置、220…スイッチ群、230a…第1コネクタ付き充電ケーブル、230b…第2コネクタ付き充電ケーブル、230c…第3コネクタ付き充電ケーブル、230d…第4コネクタ付き充電ケーブル