(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157973
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241031BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/0631
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072680
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100218958
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 剛志
(72)【発明者】
【氏名】高塚 智敬
(72)【発明者】
【氏名】永野 雄三
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】温室効果ガスの排出状況を把握することができる管理装置、管理システム、管理方法および管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理装置が、ネットワークを介して複数の入力端末と通信する管理システムにおいて、制御部および記憶部を備える管理装置の制御部は、関連企業毎に製品の登録を受け付け、製品毎に部品の登録を受け付け、部品毎に素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、各製品の構成に関する情報を記憶部に記憶させる製品構成設定部と、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部と、関連企業による回答を受け付け、回答を記憶部に記憶させる回答受付部と、を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および記憶部を備える管理装置であって、
前記制御部は、
関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を前記記憶部に記憶させる製品構成設定部と、
製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部と、
前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部に記憶させる回答受付部と
を含む、前記管理装置。
【請求項2】
前記製品構成設定部が、設定された前記構成の変更を受け付け、または設定された前記構成に関する情報を更新する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記依頼処理部が、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する構成に対する関連企業による変更を許可するか許可しないかの選択を受け付ける、請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記回答受付部が、前記入力依頼に対する他の関連企業への入力依頼を受け付け、
前記依頼処理部が、前記他の関連企業に依頼メッセージを送信する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
さらに表示部を備え、
前記回答受付部が、前記関連企業から前記入力依頼とは異なる回答を受け付け、
前記表示部が、前記異なる回答の一部または全部を前記関連企業が利用する入力端末にのみ表示させる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
管理装置、記憶装置および回答受付装置を備える管理システムであって、
前記管理装置は制御部を含み、
前記制御部は、
関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を前記記憶装置に記憶させる製品構成設定部と、
製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前記関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部と
を含み、
前記回答受付装置は、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶装置に記憶させる、
前記管理システム。
【請求項7】
コンピュータが、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶部または記憶装置に記憶させる段階と、
製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する段階と、
前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部または前期記憶装置に記憶させる段階と
を備える、管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
請求項7に記載の管理方法を実行させるための管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理システム、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、温室効果ガスの排出状況を把握することができる情報処理システムが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
【0003】
[特許文献1] 特許第7217834号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る管理装置は、制御部および記憶部を備える。前記制御部は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を前記記憶部に記憶させる製品構成設定部と、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部と、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部に記憶させる回答受付部とを含む。
【0005】
上記管理装置において、前記製品構成設定部が、設定された前記構成の変更を受け付け、または設定された前記構成に関する情報を更新する。
【0006】
上記いずれかの管理装置において、前記依頼処理部が、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する構成に対する関連企業による変更を許可するか許可しないかの選択を受け付ける。
【0007】
上記いずれかの管理装置において、前記回答受付部が、前記入力依頼に対する他の関連企業への入力依頼を受け付ける。前記依頼処理部が、前記他の関連企業に依頼メッセージを送信する。
【0008】
上記いずれかの管理装置においてさらに表示部を備える。前記回答受付部が、前記関連企業から前記入力依頼とは異なる回答を受け付ける。前記表示部が、前記異なる回答の一部または全部を前記関連企業が利用する入力端末にのみ表示させる。
【0009】
本発明の一態様に係る管理システムは、管理装置、記憶装置および回答受付装置を備える。前記管理装置は制御部を含む。前記制御部は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を前記記憶装置に記憶させる製品構成設定部と、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前記関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部とを含む。前記回答受付装置は、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶装置に記憶させる。
【0010】
本発明の一態様に係る管理方法は、コンピュータが、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶部または記憶装置に記憶させる。また、コンピュータが、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する。また、コンピュータが、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部または前期記憶装置に記憶させる。
【0011】
本発明の一態様に係る管理プログラムは、コンピュータに上記管理方法を実行させる。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る管理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る製品の構成の一例を示す図である。
【
図4】関連会社ごとに製品を登録する登録画面の一例を示す図である。
【
図5】製品ごとに部品を登録する登録画面の一例を示す図である。
【
図6】部品ごとに素材を登録する登録画面の一例を示す図である。
【
図7】部品ごとに加工を登録する登録画面の一例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る製品構成を設定し回答を受け付ける手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る製品構成を設定し回答を受け付ける手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
近年、企業間で取引される製品またはサービス(以下、まとめて「製品」と記す)の詳細な情報のやり取りが望まれている。従来は製品の仕様や提供内容、単価、数量や提供期間といった取引に関する情報が主にやり取りされていたが、近年ではさらに製品が環境や社会に及ぼす影響に関する情報などのやり取りも求められる。一方、製品には多様な形態があり、製品の提供を受ける側の企業(以下、「自社」または「バイヤー」とも記す)と、製品を提供する側の企業(以下、「サプライヤー」とも記す)との間で体系的に情報をやり取りすることができる技術が望まれていた。以下、サプライヤーのほかバイヤーと情報のやり取りをする自社グループ企業、クライアント企業、物流企業、その他の企業を含めて「関連企業」と記す。
【0016】
第1実施形態に係る管理装置100は、企業間において製品の構成に応じた情報のやり取りを実現する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る企業間の情報のやり取りを管理する管理システム10の全体構成の一例を示す。管理システム10は、管理装置100と、複数の入力端末200とを備える。管理装置100は、ネットワーク50を介して複数の入力端末200と通信する。管理装置100は、自社または関連会社の担当者が操作可能な装置である。入力端末200は、自社または関連会社の担当者が操作可能な入力端末である。
【0018】
管理装置100は、製品に関する情報を収集して管理する。第1実施形態では、管理システム10が、1つの管理装置100を備える例について説明する。しかし、管理システム10は、例えば、異なる企業ごとに管理装置100を備えてよい。複数の管理装置100間で、後述の情報のやり取りを行ってよい。第1実施形態においては一例として、管理装置100は、取引される製品から排出される温室効果ガス排出量を特定するための温室効果ガス排出量情報を管理する。ここで、温室効果ガス排出量は製品の原材料の採掘等から製品の販売までに排出されるCradle-to-Gate(最初のプロセスのCradle-to-Gateおよびそれ以降のGate-to-Gateの温室効果ガス排出量の積み上げとしてよく、これにより各プロセスの温室効果ガス排出量を可視化してもよい。以下において同じ)の製品レベルの温室効果ガス排出量、GHGプロトコルにおけるスコープ3カテゴリ1「購入した製品・サービス」、カテゴリ2「資本財」を含む組織レベルの温室効果ガス排出量、その他の取引に関して製品から排出される温室効果ガス排出量を含んでよい。
【0019】
なお、管理装置100が管理する情報は温室効果ガス排出量に限られない。管理装置100は、製品に関する人権問題対策及び災害リスク対策の少なくとも1つについての情報を管理してよい。人権問題対策は、例えば製品の製造(製品自体の組立等の加工に限らず、製品を構成する部品の組立等の加工、各部品を構成する素材(原材料等を含む)に対する加工など製品の製造に関するすべての工程を含む)において、児童労働が行われないような対策を行っているか否を示してよい。災害リスク対策は、災害が発生した場合に、製品の製造に影響を与えないような対策を行っているか否かを示してよい。また、管理装置100が管理する情報には以上に挙げたもののほか、自社が関連企業に入力を要求することを望む他のあらゆるものが含まれてよい。例えば、各種の被害算定型の環境影響評価、環境について、気候変動に関する製品カーボンフットプリント、自然資源に関する生物多様性・土地利用・原材料調達、廃棄物処理に関する有害物資・廃棄物管理・包装材および家電等の廃棄物、環境規制物質に関する含有化学物質・大気汚染物質・水質および土壌汚染、その他環境に関する技術・エネルギー・騒音・振動・悪臭等の情報が含まれてよい。また、社会について、人的資源に関する人権(児童労働・強制労働・労働時間・賃金・労働権・差別等)・労働管理および安全衛生・人的資本、製品サービスの安全性に関する安全品質・各物質の安全性・プライバシーおよびデータセキュリティ、地域との関係、ダイバーシティ・エクイティとインクルージョン、ウェルビーイングとエンゲージメント、コンプライアンスと倫理、その他社会に関する情報が含まれてよい。また、ガバナンスについて、企業行動に関する倫理・法令遵守、腐敗防止、リスクマネジメント・災害対策、税の透明性、その他ガバナンスに関する情報が含まれてよい。また、上述の各項目のデューデリジェンスに関する情報が含まれてよい。
【0020】
図2は、管理装置100の機能ブロックの一例を示す。管理装置100はハードウェアとしてコンピュータで構成されてよい。また、当該コンピュータは、管理プログラムによって本願明細書に記載する管理方法を実行してよい。管理装置100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130と、表示部140とを備える。制御部110は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。通信部120は、管理装置100内の各コンポーネント間の通信を管理する。加えて、通信部120は、インターネットなどのネットワーク50を介して、入力端末200などの外部のコンピュータと通信する。記憶部130は、それぞれの入力端末200から提供される製品に関する情報を記憶する。表示部140は、製品に関する情報を管理装置100に接続されたディスプレイなどの出力装置または管理装置100が通信する入力端末200などの外部のコンピュータの出力装置に表示させる。
【0021】
制御部110は、製品構成設定部112、依頼処理部114および回答受付部116を含む。製品構成設定部112は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶部130に記憶させる。依頼処理部114は、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する。回答受付部116は、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を記憶部130に記憶させる。
【0022】
製品構成設定部112は、製品の構成および各構成に関する情報を設定する。第1実施形態において「製品」とは自社が関連企業から受ける製品を表し、特にサプライヤーから提供を受ける製品を「サプライヤー製品」とも記す。
【0023】
ここで
図3を参照し、第1実施形態に係る製品の構成の一例を示す。
図3は、製品(Products)の構成(Structure)の全体像の一例を示す。製品は部品(Components)から構成される。また、各部品は素材(Materials)および加工(Working)から構成される。構成は製品、部品、素材および加工の間の関係を示してよい。また、構成は実際に製品を製造する際に用いられる部品、部品を製造する際に用いられる素材、および部品を製造する際に行われる加工を示してよい。また、構成は製品に関する情報として当該製品の製造に用いられる部品に関する情報があり、部品に関する情報として当該部品の製造に用いられる素材に関する情報および加工に関する情報があることを示してよい。以下、「製品」、「部品」、「素材」および「加工」という用語は構成の要素、各物や活動そのもの、およびそれぞれに関する情報の1または複数を示すものとして使用する。製品、部品、素材および加工のそれぞれの詳細およびこれらに関する情報の設定については
図4~
図7を用いて後述する。
【0024】
なお、他の実施形態において製品の構成は以上の構成要素に限られない。例えば素材を構成する要素として資源の採掘および原材料の加工等が追加されてよい。また、加工を構成する要素として化学合成または細胞播種等が追加されてよい。また、各物の構成間で行われる輸送・保管等の物流が構成として追加されてよい。ここで物流は輸送チェーンの各要素によって構成されてよい。また、各物について行われるリサイクルが構成として追加されてよい。
【0025】
製品構成設定部112は、入力端末200を用いて管理装置100に接続したユーザーの操作に基づいて製品の構成およびこれに関する情報を設定してよい。また、製品構成設定部112は、所定の形式またはフォーマットに従って製品の構成およびこれらに関する情報を設定してよい。例えば製品構成設定部112は、特定の製品に関する部品表、関連企業の業種に基づくデータベース(例えば自動車業界で用いられるIMDS(商標)等)、その他の構成を特定する情報に従ってあらかじめ定められた製品、部品、素材および加工の構成を製品の構成として設定してよい。上記構成を特定する情報は記憶部130に記憶された情報であってよいし、通信部120およびネットワーク50を介して接続された他の記憶装置に記憶された情報であってもよい。また、製品構成設定部112は、記憶部130に記憶された製品の構成および情報(例えば同一または類似の製品に関する構成および情報)の選択によって設定されてよい。また、製品構成設定部112は、設定された構成の変更を受け付け、または設定された構成に関する情報を更新してよい。ここで、構成の変更は自社の担当者が入力端末200を用いて管理装置100に接続し、製品の構成を変更する操作を行うことで受け付けられてよい。また、後述する関連企業管理部による許可がされている場合、構成の変更は関連企業の担当者が入力端末200を用いて管理装置100に接続し、製品の構成を変更する操作を行うことで受け付けられてよい。また、製品構成設定部112は、設定された構成に関する情報を自社の担当者または編集を許可されている関連企業の担当者の操作により更新してよい。例えば自社の担当者があらかじめ入手した情報により設定した構成に関する情報を、編集を許可された関連会社の担当者がより正確な情報に更新してよい。これにより、一度設定された構成であっても柔軟に変更することができ、または各構成に関する情報を柔軟に更新することができる。受け付けられた構成の変更により更新された当該構成に関する情報は記憶部130に記憶される。これにより自社または関連企業の担当者は記憶部130から上記更新された構成に関する情報を読み出し、上記構成の変更について互いに共有することができる。
【0026】
依頼処理部114は、関連会社に対する入力依頼を設定し、関連企業に対して入力を依頼する依頼メッセージの送信処理を行う。依頼処理部114は、入力対象となる関連企業について管理する関連企業管理部と、関連会社への入力依頼を設定する依頼設定部と、関連企業に対して依頼メッセージの送信処理を行う依頼送信部とを有してもよい(いずれも不図示)。
【0027】
関連企業管理部は、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する構成に対する関連企業による変更を許可するか許可しないかの選択を受け付ける。これにより、製品構成設定部によって設定された構成に対し、入力を依頼された関連企業が必要に応じて構成を変更しより適切な情報を提供することができる。表示部140は、関連企業管理部によって受け付けられた関連企業ごとに当該関連企業が製品の追加を許可されているか否か、部品の追加を許可されているか否か、素材の追加を許可されているか否か、加工の追加を許可されているか否か、素材の排出原データベースとして何を利用しているか、依頼停止日、およびサプライヤーメモなどの関連企業に関する情報を1または複数の関連企業のリストとして表示してよい。
【0028】
また、関連企業管理部は、製品、部品、素材および加工のそれぞれに関する情報に対する関連企業への表示または非表示、および表示する場合の編集の許可または不許可の選択を受け付ける。これにより、製品構成設定部によって設定された構成に関する情報に対し、入力を依頼された関連企業に表示すべき情報の選別、および表示したうえで編集を許可し入力を依頼する情報の選別を適切に行うことができる。表示部140は、関連企業管理部によって受け付けられた関連企業ごとに当該関連企業が製品の追加を許可されているか否か、部品の追加を許可されているか否か、素材の追加を許可されているか否か、加工の追加を許可されているか否か、素材の排出原データベースとして何を利用しているか、依頼停止日、およびサプライヤーメモなどの関連企業に関する情報を1または複数の関連企業のリストとして表示してよい。
【0029】
また、関連企業管理部は、各関連企業の担当者に関する情報を受け付ける。担当者に関する情報は関連企業名(サプライヤーである場合サプライヤー名)、担当者の所属、氏名、メールアドレスおよびステータスを含む。ここでステータスは、例えば管理装置100に接続するためのアカウント発行後に登録が完了したかという観点で未登録(アカウント発行の手続をする前)、登録済(アカウント発行後の登録が完了)、登録中(アカウント発行後、登録の完了前)、および登録失敗(アカウント発行後、登録の完了前であって所定の登録可能期間を経過後の登録期限切れ、メール送信失敗などアカウント発行の手続上の不備)を含んでよい。表示部140は、関連企業管理部によって受け付けられた関連企業ごとに担当者のステータス、関連企業名、担当者の所属および氏名、メールアドレス、ステータス詳細(ステータスの詳細な説明および登録完了日時を含んでよい)、最終ログイン日時、および担当者メモなどの担当者に関する情報を1または複数の担当者のリストとして表示してよい。
【0030】
依頼設定部は、製品構成設定部112によって設定された製品の構成および情報について、関連企業管理部によって受け付けられた各構成に関する変更の許可ならびに各構成に関する情報の表示または非表示、および表示する場合の編集の許可または不許可に基づき関連企業に製品の構成に関する情報の入力依頼を設定する。また、依頼設定部は、依頼メッセージの設定を行う。依頼メッセージは依頼元、依頼メモ(依頼メッセージ)、依頼番号、入力期限および回答受付の手段に関する情報等を含んでよい。入力期限を経過した場合、回答受付部116は当該依頼メッセージに対する回答を期限切れとして受け付けないように構成されてよい。また、回答受付の手段に関する情報は、管理装置100にネットワーク50を介して接続するために必要な情報(例えば管理装置100のURL、API接続情報など)を含んでよい。各担当者には依頼メッセージの送信の前または送信と同時に管理装置100に接続するための処理(例えばアカウント発行のための各種認証、パスワード登録など)が求められてよい。
【0031】
依頼送信部は、依頼メッセージの送信処理を行う。依頼メッセージの送信処理は、関連企業管理部によってあらかじめ各関連企業について登録された、または依頼送信とともに各関連企業に登録される担当者の電子メールアドレス、API接続情報、その他の通信のための情報を用いてネットワーク50を介して行われてよい。また、依頼送信部は、関連企業の担当者のうち自社の担当者によって選択された担当者にのみ依頼メッセージを送信する処理を行ってよい。これにより、同一の関連企業であっても例えば異なる所属の担当者に対して異なる入力依頼をすることができる。
【0032】
回答受付部116は、各関連企業による回答を受け付け、当該回答に関する情報を記憶部130に記憶させる。ここで、関連企業の担当者は入力端末200を用いネットワーク50を介して管理装置100に接続し、表示部140によって当該入力端末200の出力装置に表示された回答受付画面から回答の入力を行ってよい。回答受付部116は、当該担当者の操作に基づき回答を受け付ける。また、回答受付部116は、回答状況を回答受付画面に表示させてよい。回答状況は、依頼メッセージを送信した後に未回答となり、その後回答済みまたは期限切れに遷移してよい。また、回答受付部116は、回答状況に応じて入力依頼に対する入力状況(登録状況)を登録中、登録済または登録不可として回答受付画面に表示させてよい。回答受付画面は、
図4~
図7に示す登録画面と同様に表示させてよく、また依頼処理部114による入力依頼に応じて適宜上記登録画面から変更された画面として表示されてよい。
【0033】
回答受付部116は、入力依頼に対する他の関連企業への入力依頼を受け付けてよく、依頼処理部114は、当該他の関連企業に依頼メッセージを送信してよい。ここで「他の関連企業」は、自社(バイヤー)との直接の取引相手をティア1のサプライヤーとした場合、当該ティア1のサプライヤーと取引をするティア2のサプライヤー、さらに当該ティア2のサプライヤーと取引をするティア3のサプライヤー、そのほか取引関係のあるティアのサプライヤーを含んでよい。また、「他の関連企業」は、自社のグループ企業、クライアント企業、物流企業、その他の自社および関連企業とは異なる関連企業を含んでよい。他の関連企業への入力依頼は、関連企業の担当者の操作により回答に含まれてよく、または製品構成設定部112によって自社の担当者の操作によりあらかじめ入力依頼に含まれ、当該入力依頼に対する関連企業による承諾の回答として含まれてもよい。回答受付部116が他の関連企業への入力を受け付けた場合、依頼処理部114は関連企業関連部において当該他の関連企業およびその担当者に対して上述の管理、依頼設定および依頼送信の処理を行ってよい。または、依頼処理部114は、他の関連企業の指定された担当者に対し、当該入力依頼の対象となる項目についてのみ回答を受け付けるように制限して依頼設定をしてよい。回答受付部116は、当該担当者に対し一時的な接続権限を付与し、当該入力依頼を受け付けてよい。
【0034】
以下、
図4~
図7において製品構成設定部112が設定し、回答受付部116が回答を受け付ける製品、部品、素材および加工のそれぞれに関する情報の一例を示す。製品構成設定部110は、製品の構成を設定する際、または設定した後に、各構成について情報を追加することで当該情報を記憶部130に記憶させる。依頼処理部114は、製品の構成に関する情報のうち関連会社管理部によって編集を許可された項目を入力依頼として設定する。回答受付部116は、入力依頼として設定された項目に対する回答を受け付ける。なお、上述のとおり製品は有形のモノのほか無形のサービスを含んでよい。製品がサービスの場合、部品はサービスの構成要素であってよく、素材は当該構成要素を構成する有形のモノおよび無形のサービスの少なくとも1つ、加工は当該モノまたはサービスから構成要素を構成するために必要な活動であってよい。
【0035】
図4は、関連会社ごとに製品を登録する登録画面(製品構成設定部112による製品構成の設定を受け付ける設定画面、および回答受付部116による回答受付画面のいずれとしても用いられてよく、回答受付画面として用いられる場合、依頼処理部112による関連企業ごとの管理に沿って適宜画面が変更されてよい。これらの画面は表示部140によって表示されてよい。以下の登録画面について同じ)の一例を示す図である。第1実施形態において製品は関連企業であるX株式会社から提供されるサプライヤー製品として例示される。また、第1実施形態において製品に関する情報は製品種別、サプライヤー製品名、製品コード、製造地、部品数、排出係数(今回および前回)、一次データ比率(PDS、今回および前回)、取引停止日および製品メモを有する。
【0036】
図4において、製品種別がモニターである4つの製品(Aモニター:P-AB・日本の岡崎工場で製造、Aモニター:P-AW・日本の岡崎工場で製造、Aモニター:P-AB・日本の長岡工場で製造、およびAモニター:P-AW・日本の長岡工場で製造)が登録されている。製品数は、X株式会社が関連企業管理部において製品の構成に対する変更を許可されている場合、X株式会社から受け付けた回答の結果によって増減してよい。また、各製品の部品数はそれぞれ4つであることが示される。部品数は、X株式会社が関連企業管理部において部品の構成に対する変更を許可されている場合、X株式会社から受け付けた回答の結果によって増減してよい。また、各製品には当該部品のそれぞれの温室効果ガス排出量(
図4およびその本願明細書における説明ではCO2と記載するが、二酸化炭素(CO2)以外の温室効果ガスを含むCO2eqでもよい。
図5~
図7についても同じ)から算出される製品1個あたりの温室効果ガス排出量(排出係数)が示されている。本図では例示としてすべて前回の排出係数が27kg-CO2/個であり、今回の排出係数が未入力であるが、各製品に応じて算出された数値がそれぞれ示されてよい。また、PDS(一次データ比率)は上記排出係数を構成する温室効果ガス排出量の算出根拠データのうち一次データによるものの割合を示す。ここで、一次データとは実測値や算定者に固有の数値に基づくデータである。また、二次データとは製品が属する種別に対する国または地域ごとの業界標準値、中央値、平均値等に基づくデータである。また、その他のデータとして製品に関連する情報を利用する代替データなどがPDSの計算に含まれてよい。取引停止日はX株式会社との当該製品の取引が停止された日付を示す。製品メモは各製品に対するメモを示す。
【0037】
製品構成設定部110は、自社の担当者が入力端末200を用いて表示部140に表示された
図4の登録画面に対し行った操作に基づいて製品の構成を設定する。
図4において「+追加」ボタンを押下することで、X株式会社と取引する製品を追加することができる。当該製品の追加操作に応じて、製品構成設定部110は、上記製品に関する情報の設定のほか、図示されていないが排出係数およびPDSを上記部品の温室効果ガス排出量の積み上げによるか直接入力を受け付けるかの選択を受け付けてよい。また、
図4において「編集」または「削除」ボタンを押下することで、設定された上記製品に関する情報を編集または削除することができる。また、
図4において「X株式会社」と示されるボタンを押下することで、関連企業管理部において設定された関連企業のリストが表示され、当該リストから他の関連企業を選択することで当該他の関連企業について設定された製品に関する情報が示されてよい。
【0038】
図5は、製品ごとに部品を登録する登録画面の一例を示す図である。第1実施形態において
図4で示されたX株式会社の製品4つのうち「Aモニター:P-AB」について一例として5つの部品が示されている。なお、
図5においてはサプライヤー製品名と製品コードによって製品が選択されているが、製品名、製品コード、製造地、およびこれらの組合せのいずれによって製品が選択されてもよい。第1実施形態において部品に関する情報はサプライヤー製品名:製品コード/部品種別、レベル、親部品名、部品名:部品コード、数量、素材数、加工数および部品メモを有する。
【0039】
サプライヤー製品名:製品コード/部品種別は、当該部品によって構成される製品の名称(サプライヤー製品名)と製品コードとともに当該部品の種別を表す。レベルは製品からみた各部品への階層を表す。親部品名は各部品にとって1つ上の階層の部品名を表す。部品名:部品コードは各部品の名称およびコードを表す。数量は各部品の数量を表す。例えば
図5では、種別がモニターであるAモニター:P-ABを構成する部品の種別として本体および包装がある。また、レベル1の部品として本体にはディスプレイ:C110とスタンド:C120があり、包装には緩衝材:C210がある。レベル2の部品としては本体のディスプレイの部品として基板:C111がある。各部品の数量はそれぞれ1製品あたり2個である。なお、
図5の部品一覧のうち1行にはレベル0、すなわち製品そのものを部品と見立てた便宜上の部品が示されている。その部品種別が(自動生成)と示されるとおり、製品の登録とともに自動生成されることを示す。製品を当該レベル0の部品として登録することにより、複数の部品にわたって行われる加工の登録をすることができ、また製品が部品で構成されず素材および加工によって直接製造される場合であっても製品を1つの部品とすることで他の製品と同様に体系的に扱うことができる。素材数および加工数は各部品を構成する素材および加工の数を示す。ここで、
図5においてレベル0の部品を除き素材は1個ずつ、加工はレベル0の部品が3個、他の部品が0である。素材数および加工数は、X株式会社が関連企業管理部において素材および加工の構成に対する変更を許可されている場合、X株式会社から受け付けた回答の結果によって増減してよい。部品メモは各部品に対するメモを示す。
【0040】
製品構成設定部110は、自社の担当者が入力端末200を用いて表示部140に表示された
図5の登録画面に対し行った操作に基づいて部品の構成を設定する。
図5において「+追加」ボタンを押下することで、製品「Aモニター:P-AB」を構成する部品を追加することができる。当該部品の追加操作に応じて、製品構成設定部110は、上記部品に関する情報を設定してよい。また、
図5において「編集」または「削除」ボタンを押下することで、設定された上記部品に関する情報を編集または削除することができる。また、
図5において「X株式会社」と示されるボタンを押下することで、関連企業管理部において設定された関連企業のリストが表示され、当該リストから他の関連企業を選択することで当該他の関連企業について設定された部品に関する情報が示されてよい。また、
図5において「Aモニター:P-AB」と示されるボタンを押下することで、設定された製品のリストが表示され、当該リストから他の製品を選択することで当該他の製品について設定された部品に関する情報が示されてよい。
【0041】
図6は、部品ごとに素材を登録する登録画面の一例を示す図である。第1実施形態において
図5で示されたX株式会社の製品「Aモニター:P-AB」のうち「すべての部品」について一例として4つの素材が示されている。第1実施形態において素材に関する情報はサプライヤー製品名:製品コード/部品名、素材名、投入量、歩留り率、排出係数、CO2排出量、PDSおよび素材メモを有する。
【0042】
サプライヤー製品名:製品コード/部品名は、当該素材によって構成される部品の名称(部品名)を、その部品によって構成されるサプライヤー製品名および製品コードとともに表す。素材名は当該素材の名称を表す。素材名は素材の種別または分類、および素材の販売名等を含んでよい。投入量は当該素材が部品の製造等のために投入される量を表す。歩留り率は投入量に対し実際に部品の製造等に使用された量(投入量と区別して「使用量」とも記す)の割合を表す。排出係数は当該素材の使用量の単位あたり温室効果ガス排出量を表す。CO2排出量は当該素材の使用量における温室効果ガス排出量を表す。CO2排出量は使用量に排出係数を乗じることで算出される。PDSはCO2排出量の算出根拠データのうち一次データによるものの割合を示す。素材メモは各素材に対するメモを示す。
【0043】
製品構成設定部110は、自社の担当者が入力端末200を用いて表示部140に表示された
図6の登録画面に対し行った操作に基づいて素材の構成を設定する。
図6において「+追加」ボタンを押下することで、製品「Aモニター:P-AB」の「すべての部品」を構成する素材を追加することができる。当該素材の追加操作に応じて、製品構成設定部110は、上記素材に関する情報のほか、図示されていないがリサイクル材使用率など他の素材に関する情報を設定してよい。また、上記素材の排出係数の設定方法は、規定の係数を利用するか個別に入力するかから選択されてよい。ここで「規定の係数」とは予め登録された排出係数を表す。例えば規定の係数は国内、海外、国際、業種別などの二次データの排出係数である。規定の係数を利用する場合、製品構成設定部110は、素材の入力についても規定の素材のリストからの選択、または個別の入力のいずれかから入力を受け付ける。そして、製品構成設定部110は、素材の入力が規定の素材のリストからの選択で行われた場合、排出係数の入力を規定のリストからの選択または個別の入力のいずれかから受け付ける。一方、素材の入力が個別の入力で行われた場合、製品構成設定部110は、当該素材に応じた排出係数の規定のリストからの選択または個別の入力のいずれかから受け付ける。なお、製品構成設定部110は、素材の入力が規定の素材のリストからの選択で行われた場合にのみ、排出係数の入力を規定のリストからの選択として受け付けるように構成されてよい。これにより、あらかじめ規定されていない素材に対する排出係数の規定リストの適用を防ぐことができる。また、
図6において「編集」または「削除」ボタンを押下することで、設定された上記素材に関する情報を編集または削除することができる。また、
図6において「X株式会社」と示されるボタンを押下することで、関連企業管理部において設定された関連企業のリストが表示され、当該リストから他の関連企業を選択することで当該他の関連企業について設定された素材に関する情報が示されてよい。また、
図6において「Aモニター:P-AB」と示されるボタンを押下することで、設定された製品のリストが表示され、当該リストから他の製品を選択することで当該他の製品について設定された素材に関する情報が示されてよい。
【0044】
図7は、部品ごとに加工を登録する登録画面の一例を示す図である。第1実施形態において
図5で示されたX株式会社の製品「Aモニター:P-AB」のうち「すべての部品」について一例として3つの加工が示されている。第1実施形態において加工に関する情報はサプライヤー製品名:製品コード/部品名、工程、エネルギー名、活動量、排出係数、CO2排出量、PDSおよび加工メモを有する。
図6と同様の情報についての説明は省略する。
【0045】
工程は当該加工の具体的な加工形態、名称等を表す。エネルギー名は当該加工に用いられるエネルギーの名称を表す。活動量は当該加工に用いられるエネルギーの使用量を表す。排出係数は当該加工の活動量の単位あたり温室効果ガス排出量を表す。CO2排出量は当該加工の活動量における温室効果ガス排出量を表す。CO2排出量は活動量に排出係数を乗じることで算出される。PDSはCO2排出量の算出根拠データのうち一次データによるものの割合を示す。加工メモは各素材に対するメモを示す。
【0046】
製品構成設定部110は、自社の担当者が入力端末200を用いて表示部140に表示された
図7の登録画面に対し行った操作に基づいて加工の構成を設定する。
図7において「+追加」ボタンを押下することで、製品「Aモニター:P-AB」の「すべての部品」を構成する加工を追加することができる。当該加工の追加操作に応じて、製品構成設定部110は、上記加工に関する情報のほか、エネルギー入力方法(規定のエネルギーおよびその排出係数を利用するか個別に入力するか等)、該当年度、エネルギー入力方法に応じてエネルギー提供会社(電力会社、ガス会社等)、部品1個あたりの活動量または温室効果ガス排出量の入力方法等を設定してよい。ここで、部品1個あたりの活動量の入力方法には、直接入力のほか所定の按分方法に基づく入力が含まれてよい。例えば所定の按分方法は、対象の加工が行われる工場等の施設全体の年間のエネルギー使用量、当該施設から出荷される製品全体に対する当該部品の出荷額(出荷のほか売上、費用等の金額でもよい。以下同じ)比率または出荷数(出荷数のほか生産数、生産量等でもよい。以下同じ)比率、対象の加工の当該部品に対する年間のエネルギー使用量、および年間の当該部品の出荷数を用いて行われてよい。具体的には、例えば対象の加工が行われる工場等の施設全体の年間のエネルギー使用量および当該施設から出荷される製品全体に対する当該部品の出荷額比率が入力された場合、両者を乗じることで対象の加工の当該部品に対する年間のエネルギー使用量を算出してよい。そして、当該対象の加工の当該部品に対する年間のエネルギー使用量から年間の当該部品の出荷数を除すことで部品1個あたりの活動量を算出してよい。または、対象の加工の当該部品に対する年間のエネルギー使用量の入力が直接行われてもよい。さらに、対象の加工が行われる工場等の施設全体の年間のエネルギー使用量のうち、部品の加工に関連しない分を控除したエネルギー使用量が用いられてよい。また、当該控除後のエネルギー使用量からさらに付帯工程等の部品の加工に直接関連しない分を控除したエネルギー使用量が用いられてよい。これにより、部品1個あたりの活動量をより適切な方法で入力または算出し内容を管理することができる。また、各入力項目について記憶部130が記憶を保持することで翌年に比較をすることができる。
【0047】
ここで、回答受付部114は関連企業から入力依頼とは異なる回答を受け付け、表示部140は、当該異なる回答の一部または全部を関連企業が利用する入力端末200にのみ表示させてよい。例えば回答受付部114は、入力依頼として設定された加工に関する活動量について、活動量そのものとは異なる回答(対象の加工が行われる工場等の施設全体の年間のエネルギー使用量、当該施設から出荷される製品全体に対する当該部品の出荷額比率、対象の加工の当該部品に対する年間のエネルギー使用量、および年間の当該部品の出荷数)を受け付けてよい。そして、表示部140は、当該異なる回答の一部または全部を関連企業が利用する入力端末200にのみ表示させてよい。すなわち、異なる回答のうち関連企業の当該施設から出荷される製品全体に対する当該部品の出荷額比率については、バイヤーである自社の担当者が利用する入力端末200の出力装置に表示しないように制御されてよい。また、活動量に関する回答はすべて表示せず1部品あたりの温室効果ガス排出量のみを自社の担当者が利用する入力端末200の出力装置に表示するように制御してよい。いずれの回答を関連企業が利用する入力端末200にのみ表示させるかは、所定の項目が予め選択されてよく、または関連企業の選択に基づいてもよい。これにより、関連会社は秘匿したい情報をバイヤーに開示することなく入力依頼に回答することができる。なお、第1実施形態においては一例として上記入力依頼とは異なる回答を加工に対する回答として記載したが、当該入力依頼とは異なる回答は加工に対する回答に限られない。例えば製品を構成する部品、部品を構成する素材、その他設定された構成において、関連企業が任意に入力依頼とは異なる回答を行ってよい。これにより、関連企業が自社に閲覧させる回答と閲覧させない回答とをより柔軟に管理することができる。
【0048】
また、
図7において「編集」または「削除」ボタンを押下することで、設定された上記加工に関する情報を編集または削除することができる。また、
図7において「X株式会社」と示されるボタンを押下することで、関連企業管理部において設定された関連企業のリストが表示され、当該リストから他の関連企業を選択することで当該他の関連企業について設定された加工に関する情報が示されてよい。また、
図7において「Aモニター:P-AB」と示されるボタンを押下することで、設定された製品のリストが表示され、当該リストから他の製品を選択することで当該他の製品について設定された加工に関する情報が示されてよい。
【0049】
図8は、第1実施形態に係る製品構成を設定し回答を受け付ける手順の一例を示すフローチャートである。
【0050】
製品構成設定部112は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定する(S100)。関連企業は、関連企業管理部によってあらかじめ登録されてよく、製品の登録は当該関連企業の登録とともに、または関連企業の登録後に各関連企業についての製品の登録画面上から、自社の担当者が製品に関する情報を入力または選択等することにより受け付けてよい。部品の登録は、各製品の登録とともに、または製品の登録後に各製品についての部品の登録画面上から、自社の担当者が部品に関する情報を入力または選択等することにより受け付けてよい。素材または加工の登録は、各部品の登録とともに、または部品の登録後に各部品についての素材または加工の登録画面上から、自社の担当者が素材または加工に関する情報を入力または選択等することにより受け付けてよい。
【0051】
製品構成設定部112は、各製品の構成を記憶部130に記憶させる(S102)。ここで各製品の構成は、上記S100で登録を受け付けた製品、部品ならびに素材および加工の少なくとも1つによって構成される。
【0052】
依頼処理部114は、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、依頼メッセージを関連企業に送信する処理を行う(S104)。例えば
図6において自社が製品「Aモニター:P-AB」の部品「ディスプレイ」の素材「ガラス」の製品1個あたりのCO2排出量(今回分)の入力を依頼する場合、当該項目を関連企業管理部において当該関連企業に対し編集を許可する、または当該項目を導出するための他の項目を許可することで入力依頼を設定してよい。この場合、上記素材「ガラス」のCO2排出量(今回分)は、X株式会社に対し編集が許可された当該素材「ガラス」の直接入力、または当該CO2排出量を導出するための項目である投入量、歩留り率および排出係数に対する入力により回答が行われる。なお、
図8において入力依頼の設定は製品の構成の設定の後に行われているが、製品の構成の設定の前に関連企業管理部による関連企業の登録および管理設定とともに行われてよい。また、依頼処理部114は、依頼メッセージを関連企業に送信する処理を行う。関連企業の担当者は、入力端末200を用いて依頼メッセージを受信する。
【0053】
回答受付部116は、関連企業による回答を受け付ける(S106)。関連企業の担当者は入力端末200を用い、依頼メッセージへの返信として回答を送信してよく、この場合、回答受付部116は、上記返信として送信された回答を関連企業による回答として受け付けてよい。また、関連企業の担当者は入力端末200を用いて管理装置100に接続し、回答受付部116によって制御され、表示部140によって入力端末200の出力装置に表示された回答受付画面から回答を入力してよい。ここで、回答受付画面は、
図4~
図7において示した製品構成の登録画面と同様の画面であって、関連企業管理部によって編集を許可された項目のみが編集可能に表示された画面であってよい。また、回答受付画面は、入力依頼の対象項目が一覧となって表示された画面であってよい。
【0054】
回答受付部116は、回答を記憶部130に記憶させる(S108)。ここで回答結果は、上記S106で受け付けた回答の入力結果および当該入力による算出結果を含む。
【0055】
以上のとおり、管理装置100は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶部130に記憶させる段階と、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する段階と、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部130に記憶させる段階とを備える。
【0056】
図9は、第2実施形態に係る管理システム30の全体構成の一例を示す図である。以下、
図1~
図8とともに示した第1実施形態の上記説明と重複する説明については省略する。
【0057】
管理システム30は、管理装置300と、記憶装置400と、回答受付装置500と、複数の入力端末200とを備える。管理装置300、記憶装置400、回答受付装置500、および複数の入力端末200はいずれもハードウェアとしてコンピュータで構成されてよい。また、当該コンピュータは、管理プログラムによって本願明細書に記載する管理方法を実行してよい。管理装置300および回答受付装置500は、ネットワーク50を介して複数の入力端末200と通信する。管理装置300は、自社の担当者が操作可能な装置である。記憶装置400は、管理装置300または回答受付装置500を介して自社または関連会社の担当者が操作可能な装置である。回答受付装置500は、自社または関連会社の担当者が操作可能な装置である。入力端末200は、自社または関連会社の担当者が操作可能な入力端末である。
【0058】
管理装置300は、制御部と、通信部と、記憶部と、表示部とを備える。制御部は、製品構成設定部および依頼処理部を含む(不図示)。製品構成設定部は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶装置400に記憶させる。依頼処理部は、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前記関連企業に依頼メッセージを送信する。記憶装置400は、
図1~
図8とともに示した第1実施形態の管理装置100の記憶部130と同様の機能を有するが、管理装置300とは別に構成される。回答受付装置500は、
図1~
図8とともに示した第1実施形態の管理装置100の回答受付部114と同様の機能を有するが、管理装置300とは別に構成される。また、回答受付装置500は、制御部と、通信部と、記憶部と、表示部とを備える。回答受付装置500は、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を記憶装置400に記憶させる。
【0059】
図10は、第2実施形態に係る製品構成を設定し回答を受け付ける手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示した第1実施形態に関する説明と重複する説明は省略する。
【0060】
管理装置300の製品構成設定部は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定する(S300)。関連企業は、管理装置300の関連企業管理部によってあらかじめ登録されてよく、製品の登録は当該関連企業の登録とともに、または関連企業の登録後に各関連企業についての製品の登録画面上から、自社の担当者が製品に関する情報を入力・選択等することにより受け付けてよい。
【0061】
管理装置300の製品構成設定部は、各製品の構成を記憶装置400に記憶させる(S302)。管理装置300の依頼処理部は、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、依頼メッセージを関連企業に送信する処理を行う(S304)。回答受付装置500は、関連企業による回答を受け付ける(S306)。回答受付装置500は、回答を記憶装置400に記憶させる(S308)。
【0062】
以上のとおり、管理システム30は、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶装置400に記憶させる段階と、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前期関連企業に依頼メッセージを送信する段階と、前期関連企業による回答を受け付け、前記回答を記憶装置400に記憶させる段階とを備えてよい。
【0063】
第2実施形態によれば、自社の担当者が接続して操作する管理装置300と、関連企業の担当者が接続して操作する回答受付装置500とを別に構成するので、管理装置300と回答受付装置500とのセキュリティ要件、サービスレベル要件等を別に設定することができる。これにより、自社の担当者が操作する管理装置300のセキュリティを強化しつつ関連企業の担当者が操作する回答受付装置500はより多くの担当者が接続しやすく拡張するといった運用をすることができる。また、これらの装置と記憶装置400とを別に構成することで、記憶装置400に記憶された情報のセキュリティ強化、異なる装置から同時に接続される場合の処理の最適化等をすることができる。なお、第2実施形態において記憶装置400は管理装置300と異なる構成で示したが、他の実施形態において記憶装置400は管理装置300の一部として構成されてよい。この場合、管理装置300と記憶装置400とを同じセキュリティ要件で効率的に運用しつつ、回答受付装置500については関連企業が接続しやすい構成とすることができる。
【0064】
本発明は以上の実施形態のほか以下の複数の他の実施形態においても実現される。
【0065】
他の実施形態の1つとして本願の管理装置は、同じソフトウェア構成を有する他の管理装置との間のピア・ツー・ピア通信によって入力依頼と回答受付を行ってもよい。この場合、1つの管理装置から他の管理装置に入力依頼を行い、他の管理装置において入力依頼に対応する項目への回答を受け付け、当該回答を当該他の管理装置から当該1つ管理装置に送信してよい。入力依頼および回答受付の対象となる項目は共通のデータ項目など各種標準化された項目でもよいし、あらかじめ企業間で取り決められた項目でもよい。また、本願の管理装置は、製品の提供をする側(サプライヤー)から製品の提供を受ける側(自社)への回答だけでなく、製品の提供を受ける側(自社)から製品の提供をする側(サプライヤー)への回答を受け付けるように構成されてよい。例えば、管理装置は、自社がサプライヤーから購入した製品の加工、使用、廃棄等に関する温室効果ガス関連データについて、サプライヤーから入力依頼を行う送信メッセージを自社の入力端末に送信し、その回答を回答受付部で受け付けてよい。
【0066】
他の実施形態の他の1つとして本願の管理装置の製品構成設定部は、関連会社ごとに製品の構成を設定するのではなく、自社の製品(サプライヤー製品と区別して「自社製品」と記す)の構成を設定してもよい。この場合、製品構成設定部は、自社製品を構成する部品または当該部品を構成する素材および加工の少なくとも1つを1または複数の関連会社に紐づけて設定してよい。そして依頼処理部は、上記紐付けられた各関連会社に対し入力依頼を設定し依頼メッセージを送信してもよい。これにより、自社製品1個あたりから排出されるCO2排出量(排出係数)の算定に必要な部品、素材または加工に関する情報を関連会社から体系的に収集することができる。また、当該他の実施形態によれば、関連企業から収集した温室効果ガス関連データと自社の温室効果ガス関連データとを合計して全体の温室効果ガス排出量を算出し所定の按分をするといった手間を省き、自社製品1個あたりの温室効果ガス排出量を算出することができる。
【0067】
他の実施形態の他の1つとして本願の管理装置の製品構成設定部は、製品の構成を製品1個あたりではなく所定の単位あたりの構成としてよい。所定の単位の例として数量、重量、質量、密度、比重量、仕事量、長さ、時間、面積、体積、角度、角速度、加速度、モーメント、応力、圧力、エネルギー、動力、電流量、熱量、温度、光度等の物理量、円などの経済価値、その他の製品を区別するための単位でよい。例えば重量を単位として用いる場合、製品の構成を製品1kgあたりで構成してよい。また、所定の単位は機能単位または宣言単位など人為的に定められた単位でもよい。機能単位の場合、当該製品の意図された機能の提供に関する定量化された性能または効用の度合いとして定義されてよい。また、宣言単位の場合、所定の機能を実現するための製品の個数または量等として定義されてよい。
【0068】
他の実施形態として本願の管理装置の製品構成設定部は、製品の部品および素材について製品に対する組成比率を設定してよい。従来、関連企業から取得する製品の構成に関する情報には取得が困難なものがあった。例えば衣料品や化学品、バイオ医薬品などの完成品の取引においては構成する部品および素材の投入量または使用量を遡って取得することが困難な場合があった。これに対し、例えば衣料品において製品を構成する部品を表地、中綿および裏地とし、各部品について1または複数の素材が設定されている場合、製品構成設定部は、製品に対する各部品および素材の重量の比率を組成比率として設定してよい。また、上記組成比率は、例えば上記重量の比率に加えて各部品または素材の色に応じた重み付けをした比率でもよい。また、製品構成設定部は、上記組成比率に応じた各構成に関する情報を算出して設定してよい。例えば組成比率が重量の比率であり、製品の重量に対して部品Aが40、部品Bの素材b1が25、および部品Bの素材b2が35であり、製品の重量が100gである場合、製品構成設定部は、部品Aの重量が40g、部品Bの素材b1の重量が25g、および部品Bの素材b2の重量が35gとして算出し設定してよい。これにより、製品、部品および素材のいずれかの活動量、投入量、使用量、重量、その他の数量について取得が困難なものがあっても、設定された組成比率によって他の構成の数量から当該取得が困難な数量を算出して設定することができる。
【0069】
他の実施形態の他の1つとして本願の管理装置は、さらに排出係数登録部、自社情報取得部および算定部を備えてよい。排出係数登録部は、自社の担当者が関連企業から取得した温室効果ガス関連データから当該関連企業と取引する1製品あたりの温室効果ガス排出量を当該関連企業の当該製品の排出係数として記憶部に登録してよい。ここで、排出係数登録部は、回答受付部(または第2実施形態の回答受付装置、以下上記の第1実施形態と第2実施形態のいずれについても適用可能な構成について第1実施形態の構成のみ記載するが、第2実施形態においても同様に構成される)の設定に応じて当該回答受付部が受け付けた温室効果ガス関連データから上記排出係数を自動的に算出し記憶部に登録してもよいし、自動的に算出または登録をせずに回答の確認を表示部によって表示させてもよい。自動的に算出および登録する場合、回答確認の手間を省略することができる。一方、自動的に算出または登録をせずに回答確認を表示する場合、回答内容を精査して排出係数を適切に登録することができる。また、排出係数登録部は、関連企業ごとに各製品の排出係数が自社の組織のスコープ1-3およびスコープ3のカテゴリ1-15のいずれで使用されるかを紐づけて排出係数を記憶部に記憶してよい。紐づけは排出係数の登録の際の選択により行われてよいし、あらかじめ関連企業および製品の少なくとも1つに応じて設定されてよい。これにより、当該関連企業の当該製品の排出係数を組織の温室効果ガス排出量算定で使用する場合に適切なスコープおよびカテゴリにのみ表示することができる。
【0070】
自社情報取得部は、関連企業から取得した温室効果ガス関連データと併せて利用する、記憶部に記憶された自社の温室効果ガス関連データ(組織の温室効果ガス排出量、活動量および排出係数、ならびに自社製品の温室効果ガス排出量、活動量および排出係数等の少なくとも1つを含む)を取得する。ここで、製品構成設定部は製品を自社製品として設定し、自社情報取得部は当該自社製品1個あたりの温室効果ガス関連データを取得してよい。また、製品構成設定部は、製品をサプライヤー製品として設定し、別途構成された自社製品の部品または素材として当該サプライヤー製品を設定してよく、自社情報取得部は当該別途構成された自社製品の1個あたりの温室効果ガス関連データを取得してよい。
【0071】
算定部は、関連企業から回答を受け付けて取得した関連企業の温室効果ガス関連データと自社情報取得部が取得した自社の温室効果ガス関連データとに基づいて自社に関する温室効果ガス排出量を算定する。例えば製品構成設定部は自社製品1個あたりの構成に関する情報を設定し、自社情報取得部は当該自社製品1個あたりの温室効果ガス排出量を取得し、依頼処理部は当該自社製品1個あたりの部品、素材および加工に関する温室効果ガス排出量の入力を依頼し、回答受付部は当該入力依頼に対する回答を受け付け、算定部は取得または受け付けられた温室効果ガス排出量を合計することで自社製品1個あたりの温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を算定してよい。また、算定部は、製品構成設定部が関連企業の製品に関する構成に関する情報を設定し、回答受付部が関連企業のサプライヤー製品1個あたりの温室効果ガス関連データを受け付けていた場合、当該データから自社製品1個あたりの温室効果ガス関連データを算出したうえで、自社情報取得部が取得した当該自社製品1個あたりの温室効果ガス関連データと合計することで自社製品1個あたりのカーボンフットプリントを算定してよい。これにより、関連企業から取得した温室効果ガス関連データと自社から取得した温室効果ガス関連データとから全体の温室効果ガス排出量を算出したうえで所定の按分をすることなく、自社製品1個あたりの温室効果ガス関連データを算出することができる。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0073】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0074】
また、各実施形態の態様はコンピュータによって全体的または部分的に具現化され得る。当該コンピュータの一例として、当該コンピュータにインストールされたプログラムは、コンピュータに、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータに当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータに、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータに、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPUによって実行されてよい。
【符号の説明】
【0075】
10、30 管理システム
50 ネットワーク
100、300 管理装置
110 制御部
112 製品構成設定部
114 依頼処理部
116 回答受付部
120 通信部
130 記憶部
140 表示部
200 入力端末
400 記憶装置
500 回答受付装置
S 構成
P 製品
C 部品
M 素材
W 加工
【手続補正書】
【提出日】2023-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および記憶部を備える管理装置であって、
前記制御部は、
関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を前記記憶部に記憶させる製品構成設定部と、
製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前記関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部と、
前記関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部に記憶させる回答受付部と
を含み、
前記製品構成設定部は、前記製品の登録とともに当該製品を1つの部品として登録する、前記管理装置。
【請求項2】
前記製品構成設定部が、設定された前記構成の変更を受け付け、または設定された前記構成に関する情報を更新する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記依頼処理部が、製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する構成に対する関連企業による変更を許可するか許可しないかの選択を受け付ける、請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記回答受付部が、前記入力依頼に対する他の関連企業への入力依頼を受け付け、
前記依頼処理部が、前記他の関連企業に依頼メッセージを送信する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
さらに表示部を備え、
前記回答受付部が、前記関連企業から前記入力依頼とは異なる回答を受け付け、
前記表示部が、前記異なる回答の一部または全部を前記関連企業が利用する入力端末にのみ表示させる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
管理装置、記憶装置および回答受付装置を備える管理システムであって、
前記管理装置は制御部を含み、
前記制御部は、
関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を前記記憶装置に記憶させる製品構成設定部と、
製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前記関連企業に依頼メッセージを送信する依頼処理部と
を含み、
前記回答受付装置は、前記関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶装置に記憶させ、
前記製品構成設定部は、前記製品の登録とともに当該製品を1つの部品として登録する、前記管理システム。
【請求項7】
コンピュータが、関連企業ごとに製品の登録を受け付け、製品ごとに部品の登録を受け付け、ならびに部品ごとに素材および加工の少なくとも1つの登録を受け付けることで各製品の構成を設定し、前記構成に関する情報を記憶部または記憶装置に記憶させる段階と、
製品、部品、素材および加工の少なくとも1つに対する入力依頼を設定し、前記関連企業に依頼メッセージを送信する段階と、
前記関連企業による回答を受け付け、前記回答を前記記憶部または前記記憶装置に記憶させる段階と
を備え、
前記コンピュータは、前記製品の登録とともに当該製品を1つの部品として登録する、管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
請求項7に記載の管理方法を実行させるための管理プログラム。