IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

特開2024-157981情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム
<>
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図1
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図2
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図3
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図4
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図5
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図6
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図7
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図8
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図9
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図10
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図11
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図12
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図13
  • 特開-情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157981
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20241031BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20241031BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20241031BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241031BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/55
A63F13/87
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072704
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮想空間における興趣性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】第1アイテムまたは第1アイテムに基づいて生成される第1関連アイテムの所有者が第1ユーザであるという情報を記録し、第1アイテムまたは第1関連アイテムをユーザの間で譲渡し、第2アイテムまたは第2関連アイテムが譲渡された場合に、所有者情報を記録し、アイテム情報にアクセスすることを許可し、第1キャラクタを第1ユーザによる操作に応じて仮想空間において移動させるように制御し、第1キャラクタと仮想オブジェクトとの間の位置条件が満たされたことに基づいて、少なくとも第1キャラクタに対応する情報と、仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行し、第1ユーザ情報またはアイテム情報に基づいて、位置条件が満たされたか否かにかかわらず第1処理を実行し、または第1処理を実行させるための第2処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理方法であって、
次の各ステップを含み、
第1記録ステップでは、第1アイテムまたは前記第1アイテムに基づいて生成される第1関連アイテムの所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳に記録し、ここで
前記第1アイテムまたは前記第1関連アイテムは、仮想空間において前記第1ユーザの操作に応じて使用され、かつ前記仮想空間とは異なる取引所において前記第1ユーザを含むユーザの間で譲渡され、
第2記録ステップでは、第2アイテムまたは第2関連アイテムが前記取引所において前記第1ユーザに譲渡された場合に、前記第2アイテムまたは前記第2関連アイテムの所有者が前記第1ユーザであるという情報を前記分散型台帳に記録し、
アクセス制御ステップでは、前記第2アイテムまたは前記第2関連アイテムの所有者が前記第1ユーザであるという情報を前記分散型台帳から受け付けた場合に、前記第1ユーザに関連付けられた第1ユーザ情報、または前記第2アイテムもしくは前記第2関連アイテムに関連付けられたアイテム情報にアクセスすることを許可するように制御し、
キャラクタ制御ステップでは、前記第1ユーザに関連付けられた第1キャラクタを前記第1ユーザによる操作に応じて前記仮想空間において移動させるように制御し、
実行ステップでは、
前記第1キャラクタと仮想オブジェクトとの間の位置関係に関する位置条件が満たされたことに基づいて、少なくとも前記第1キャラクタに対応する情報と、前記仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行し、
前記第1ユーザ情報または前記アイテム情報に基づいて、前記位置条件が満たされたか否かにかかわらず前記第1処理を実行し、または前記第1処理を実行させるための第2処理を実行する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1ユーザ情報は、前記第1キャラクタについて前記位置条件を満たしたことのある前記仮想オブジェクトを特定する情報を含み、
前記第1処理または前記第2処理は、特定された前記仮想オブジェクトに関する処理である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第2処理は、前記位置条件を満たすように、少なくとも前記第1キャラクタを前記仮想空間において移動させる処理である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記第1ユーザ以外の他ユーザと関連付けられた他キャラクタであり、
前記第1処理は、前記第1ユーザと前記他ユーザとのコミュニケーションを実現させる処理である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記アクセス制御ステップでは、前記アイテム情報に含まれる所有者履歴において第2ユーザが特定された場合に、前記第2ユーザに関連付けられた第2ユーザ情報にアクセスすることを許可するように制御し、ここで
前記所有者履歴は、前記第2アイテムまたは前記第2関連アイテムを所有したことがある前記ユーザの履歴を含み、
前記実行ステップでは、前記第2ユーザ情報に基づいて前記第1処理または前記第2処理を実行する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタであり、
前記第2処理は、前記位置条件を満たすように、前記第1キャラクタを前記仮想空間において移動させる処理である、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタであり、
前記第1処理は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとのコミュニケーションを実現する、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタであり、
前記第2ユーザ情報は、前記第2キャラクタについて前記位置条件を満たしたことのある前記仮想オブジェクトを特定する情報を含み、
前記第1処理または前記第2処理は、特定された前記仮想オブジェクトに関する処理である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、アイテム制御ステップでは、前記仮想空間における前記第1アイテムの発行数が第1上限数に到達している場合に、前記第1アイテムを前記第1ユーザに入手させる入手条件を満たさないように制御し、または第1仮アイテムを前記第1ユーザに入手させるよう制御し、ここで
前記第1仮アイテムは、前記発行数が前記第1上限数未満となった場合に、前記第1アイテムの入手に関する有利な効果を前記第1ユーザに付与するアイテムである、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法において、
前記アイテム制御ステップでは、前記取引所において前記第1ユーザが入手した前記第2関連アイテムに基づいて、前記第1ユーザに前記第2アイテムを入手させるように制御し、前記仮想空間における前記第2アイテムの発行数が第2上限数に到達している場合には、前記第2関連アイテムに基づいた前記第2アイテムの発行を制限するように制御する、方法。
【請求項11】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【請求項12】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブロックチェーンに代表される各種分散型台帳技術を利用して、ゲーム内のアイテムなどに「鑑定書」を生成することで、そのアイテムの正当性(取得や取引において不正がないこと)を保証する技術が知られている。特許文献1には、アイテムを保有した主体が多い場合等に、アイテムの効果を強化するといった所定のゲーム処理を実行することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-029608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、仮想空間においてユーザにアイテムを使用させる情報処理システムにおいて、アイテムの取引における戦略性を高めるための方法が模索されている。
【0005】
本開示では上記事情に鑑み、仮想空間における興趣性を向上させる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを含む。第1記録ステップでは、第1アイテムまたは第1アイテムに基づいて生成される第1関連アイテムの所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳に記録する。第1アイテムまたは第1関連アイテムは、仮想空間において第1ユーザの操作に応じて使用され、かつ仮想空間とは異なる取引所において第1ユーザを含むユーザの間で譲渡される。第2記録ステップでは、第2アイテムまたは第2関連アイテムが取引所において第1ユーザに譲渡された場合に、第2アイテムまたは第2関連アイテムの所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳に記録する。アクセス制御ステップでは、第2アイテムまたは第2関連アイテムの所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳から受け付けた場合に、第1ユーザに関連付けられた第1ユーザ情報、または第2アイテムもしくは第2関連アイテムに関連付けられたアイテム情報にアクセスすることを許可するように制御する。キャラクタ制御ステップでは、第1ユーザに関連付けられた第1キャラクタを第1ユーザによる操作に応じて仮想空間において移動させるように制御する。実行ステップでは、第1キャラクタと仮想オブジェクトとの間の位置関係に関する位置条件が満たされたことに基づいて、少なくとも第1キャラクタに対応する情報と、仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行する。第1ユーザ情報またはアイテム情報に基づいて、位置条件が満たされたか否かにかかわらず第1処理を実行し、または第1処理を実行させるための第2処理を実行する。
【0007】
本開示によれば、仮想空間における興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るゲーム装置3の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図5】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図6】フィールド表示画面8の一例を示すイメージ図である。
図7】フィールド表示画面8の一例を示すイメージ図である。
図8】フィールド表示画面8の一例を示すイメージ図である。
図9】訪問先管理テーブルT1の一例を示す図である。
図10】アイテム管理テーブルT2の一例を示す図である。
図11】所有者管理テーブルT3の一例を示す図である。
図12】フィールド表示画面8の変形例を示すイメージ図である。
図13】遭遇ユーザ管理テーブルT4の一例を示す図である。
図14】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの変形例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、仮想現実(以下、VR(Virtual Reality)という)用ヘッドセットを備えるOculus VR(登録商標)などのVRゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2と、複数のゲーム装置3と、ゲーム装置3に接続されたディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cと、複数のノード装置5を含むブロックチェーンシステム6と、取引処理装置7とによって構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。また、情報処理装置2およびゲーム装置3は、P2P(Peer to Peer)ネットワークに接続することで、分散型台帳の一種であるブロックチェーンを共有するネットワークに参加することができる。また、情報処理装置2は、NFT(ノンファンジブルトークン:Non-Fungible Token)に関連付けられた電子データの管理を行う。
【0017】
NFTとは、ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークン(「非代替性トークン」とも呼ばれる)である。情報処理装置2は、例えば、電子データまたは実空間内の商品もしくは役務等と関連付けられたNFTを発行してブロックチェーンに記録する。NFTは、取引処理装置7によって管理される取引所(マーケットプレイスともいう)において、複数のユーザの間で取引される。取引処理装置7は、通信ネットワーク11を介してNFTの譲渡処理を実行し、NFTの所有者(別の観点によると、NFTが紐付けられた電子データ等の所有者)に関する情報をブロックチェーンに記録する。
【0018】
情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0019】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0020】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0021】
また、ゲーム装置3は、NFTの取引を実行することも可能である。ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、ユーザのウォレットに保管されたデジタル資産(例えば、NFT、仮想通貨等)の取引を実行する。具体的には例えば、ユーザがゲーム装置3を操作して、他ユーザによって売りに出されたNFTを、仮想通貨の支払いによって購入することができる。情報処理装置2が管理するアカウント情報とウォレットとの関連付けにより、ユーザは、ゲームまたは仮想空間内においてデジタル資産を使用することができる。
【0022】
複数のノード装置5は、P2Pネットワークによって互いに接続され、ブロックチェーンシステム6を形成する。一般的に、P2Pネットワークは、通信ネットワーク11の一部として含まれる。ブロックチェーンシステム6は、過去の処理の履歴等を示すトランザクションデータを一定容量のブロックに区切り、それらのブロックを順番に並べて繋げたブロックチェーンを生成する。ブロックチェーンシステム6は、各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を持たせ、生成したブロックチェーンを複数のノード装置5のそれぞれに分散させて記憶させる。これにより、ブロックチェーンシステム6は、ブロックチェーンの耐改ざん性を向上させている。これら複数のブロックチェーンシステム6が接続されたP2Pネットワークは、ブロックチェーンを共有するネットワークである。
【0023】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0024】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0025】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0026】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0027】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0028】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0029】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0030】
ここで、上記をさらに補足する。「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データである。ゲーム媒体は、NFTと関連付けられた電子データを含む。例えば、電子データは、デジタルデータの形式で構成されるコンテンツである。具体的には例えば、電子データは、ゲーム内アイテム(プレイヤのアバターやプレイヤキャラクタ、武器、防具、アクセサリ、消耗品、道具、ペット等)、仮想空間内の土地、実空間に存在する商品と関連付けられたデータ、ゲーム内音楽(背景音楽、効果音等)といった、ユーザに関連付けられることにより仮想空間内において使用される情報を含む。また、電子データは、キャラクタスキン(キャラクタの外見やコスチュームを変更するアイテム等)、ゲーム内アートワーク(静止画、動画、3次元データ等)、保証書、鑑定書等の、ユーザに関連付けられるとともに、他のゲーム内アイテムと関連付けられて仮想空間内において使用される情報を含む。また、電子データは、ゲーム内通貨、イベント限定コンテンツ(イベントへの参加権が得られるチケット)、称号(ゲーム内での成果を示す表彰、特徴的なユーザ名等)等の、ユーザに関連付けられることにより仮想空間およびゲーム内において使用される各種情報を含む。電子データは、仮想空間の中および外、またはゲームの中および外においてユーザに使用される。
【0031】
ユーザは、アイテムをゲームまたは仮想空間において使用することができる。一例として、アイテムは、ゲームの進行、キャラクタの状態等に関する効果を発動させる。ユーザは、アイテムをゲームまたは仮想空間の外の取引所において取引することによって、自らが保有するアイテムを譲渡したり、他ユーザが保有するアイテムを取得したりすることができる。アイテムは、NFTと関連付けられたアイテムを含む。一例として、アイテムは、ゲームまたは仮想空間の中において使用可能なアイテム(仮想空間内アイテムという)と、ゲームまたは仮想空間の外の取引所において他ユーザとの取引にのみ使用可能なアイテム(取引専用アイテムという)とを含む。仮想空間内アイテムと、取引専用アイテムとは、1対1で関連付けられており、相互に変換することが可能である。
【0032】
ゲーム媒体は、ゲームの進行(例えば、クエストの達成、ストーリーの進行、イベントへの参加、ログインボーナス等)、仮想空間内外におけるショップでの購入、ガチャと呼ばれる抽選方法等によって、ユーザに付与される。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0033】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。例えば、ヘッドセット型のゲーム装置3の場合、ディスプレイ4aおよびスピーカ4bはゲーム装置3に含まれる。具体的には例えば、スピーカ4bは、ヘッドホンまたはイヤホンの態様とすることができる。また、さらに入力デバイス4cを含むヘッドセット型のゲーム装置3として、視線の移動による入力を受付可能な態様とすることもできる。
【0034】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0035】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0036】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0037】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0038】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式またはVR型式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式またはVR型式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面またはユーザに対応する視野としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード、音声を入力するマイク、表情または身体の動作のトラッキングを行う撮像装置、身体の動作のトラッキングを行うモーションキャプチャ装置等の総称である。
【0039】
<ノード装置5>
ノード装置5は、通信バス50と、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを備える。通信バス50は、ノード装置5が備える各部を電気的に接続する。
【0040】
通信部51は、ノード装置5から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部51は、外部の構成要素からノード装置5への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部51がネットワーク通信機能を有し、これにより通信ネットワーク11を介して、ノード装置5と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0041】
記憶部52は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成さる。記憶部52は、制御部53によって実行される情報処理システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0042】
制御部53は、記憶部52に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるノード装置5に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部52に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部53によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部53は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部53を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0043】
<取引処理装置7>
取引処理装置7は、情報処理装置2と同様の構成を有する。例えば、取引処理装置7は、通信部、記憶部および制御部(図示せず)を有し、通信バス(図示せず)が各部を電気的に接続する。各部の説明は、情報処理装置2と同様のため記載を省略する。
【0044】
2.2 機能構成
<情報処理装置2>
続いて、図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0045】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部23(プロセッサ)は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、記録部230、実行部231、管理部232、受付部233、通知部234、アクセス制御部235、キャラクタ制御部236、アイテム制御部237、および表示制御部238として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0046】
記録部230は、記録ステップとして、ブロックチェーン技術に基づく分散型台帳に種々のデータを記録するように構成される。例えば、記録部230は、アイテムの所有者に関する情報をブロックチェーンに記録する。具体的には例えば、ユーザがNFTに関連付けられたアイテムを取得した場合に、記録部230によってそのアイテムとユーザとが関連付けられる。
【0047】
実行部231は、実行ステップとして、種々の情報処理を実行するように構成される。一例として、実行部231は、第1処理または第2処理を実行する。例えば、第1処理は、少なくともキャラクタに対応する情報と、仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて実行される処理である。具体的には例えば、第1処理は、キャラクタに対応するユーザのユーザ情報と、仮想オブジェクトに対応する場所またはイベントに関する情報とを関連付けて実行される処理である。具体的には例えば、第1処理は、仮想空間におけるキャラクタの位置に関する情報と、仮想オブジェクトに対応する特定の領域とを関連付けて実行される処理である。領域とは、仮想空間の中の一区分である。領域は、例えば、ユーザがキャラクタを移動させることができる仮想空間の連続した範囲のことを指す。例えば、第2処理は、第1処理を実行させるための処理である。具体的には例えば、第2処理は、第1処理の実行に関する条件を満たすための処理である。具体的には例えば、第2処理は、第1処理を実行する条件を満たすための処理である。
【0048】
管理部232は、管理ステップとして、種々の情報を管理するように構成される。一例として、管理部232は、ユーザに関連付けられたユーザ情報、またはアイテムに関連付けられたアイテム情報を管理する。ユーザ情報およびアイテム情報については、後に詳述する。
【0049】
受付部233は、受付ステップとして、種々のデータを受け付けるように構成される。例えば、受付部233は、ユーザのアカウント情報、ゲームデータ、ユーザからの入力、電子データに関する情報等を、情報処理装置2の記憶部22、ゲーム装置3、ブロックチェーンシステム6、または取引処理装置7等の外部装置から取得する。一例として、受付部233は、電子データに関する種々の情報を、通信ネットワーク11、および通信部21等を経由して取得する。本実施形態では、受付部233が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0050】
アクセス制御部235は、アクセス制御ステップとして、種々のデータに対するアクセスを制御するように構成される。一例として、アクセス制御部235は、アイテムの所有者に関する情報をブロックチェーンシステム6から受け付けた場合に、ユーザ情報またはアイテム情報にアクセスすることをアイテムの所有者に対して許可するように制御する。
【0051】
キャラクタ制御部236は、キャラクタ制御ステップとして、仮想空間においてキャラクタを制御するように構成される。一例として、キャラクタ制御部236は、ユーザに関連付けられたキャラクタ(プレイヤキャラクタ、または、アバターともいう)を仮想空間に配置し、ユーザによる操作に応じて移動させるように制御する。キャラクタとは、仮想空間におけるユーザの分身であり、ユーザによる入力操作によって動作や位置の移動といった各種挙動が制御される仮想オブジェクトである。
【0052】
アイテム制御部237は、ユーザに種々の特典を付与する処理を制御するように構成される。特典とは、実空間または仮想空間においてユーザが享受することのできる、何らかの利益である。物や媒体に限らず、ユーザに与えられる有利な効果や、有利な効果をユーザに付与するための各種イベントを発生させること等の各種ゲーム仕様の変更も含まれる。特典は、例えば、NFT(一例として、電子データが紐付けられたNFT)、仮想通貨、アイテム等である。また、ユーザに与えられる有利な効果は、通常時と比較してユーザに対する仮想空間における興趣を向上させるための効果を含み、ディスプレイ4aに特別な視覚演出を表示させる、画像の表示をリッチにさせる、特別なBGMや効果音を発生させる、入力デバイス4cに振動を付与する等、ユーザの五感を介して仮想空間の興趣を向上させるための効果を含む。具体的には例えば、アイテム制御部237は、アイテム制御ステップとして、ユーザにアイテムを付与する処理を制御するように構成される。一例として、アイテム制御部237は、特定の条件が満たされた場合に、ユーザにアイテムを付与する。
【0053】
表示制御部238は、表示ステップとして、記憶部22または記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させる。具体的には、表示制御部238は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを送信するようにしてもよい。
【0054】
<ゲーム装置3>
続いて、図3を参照して、情報処理システム1のゲーム装置3における各機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係るゲーム装置3の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0055】
図3に示されるように、制御部33は、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することにより、記録部330、実行部331、受付部332、通知部333、キャラクタ制御部334、および表示制御部335として機能する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。一態様においては、制御部23に含まれる機能部のうち少なくとも一部が、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施されてよい。
【0056】
例えば、記録部330、実行部331、受付部332、通知部333、キャラクタ制御部334、および表示制御部335の機能は、記録部230、実行部231、受付部233、通知部234、キャラクタ制御部236、および表示制御部238と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
3.情報処理システム1の動作の流れ
3.1 情報処理の概要
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて、図4および図5を用いて説明する。図4および図5は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。まず、図4を用いて、第1アイテムIT1が第1ユーザに付与され、第1アイテムIT1に基づいて発行された第1関連アイテムCN1が第2ユーザへ譲渡される際の処理の流れについて説明する。次に、図5を用いて、第2ユーザから第1ユーザに譲渡された第2アイテムIT2が、第1ユーザによって使用される際の処理の流れについて説明する。以下において、第1ユーザおよび第2ユーザは、ユーザの一例である。
【0058】
以下において、第1アイテムIT1、第2アイテムIT2、第1関連アイテムCN1、および第2関連アイテムCN2は、アイテムの一例である。第1関連アイテムCN1は、第1アイテムIT1に基づいて生成されるアイテムであり、第2関連アイテムCN2は、第2アイテムIT2に基づいて生成されるアイテムである。実施形態において、第1アイテムIT1、第2アイテムIT2、第1関連アイテムCN1、および第2関連アイテムCN2は、仮想空間において第1ユーザの操作に応じて使用され、かつ仮想空間とは異なる取引所(マーケットプレイス)において複数のユーザの間で譲渡される。実施形態において、第1アイテムIT1、第2アイテムIT2、第1関連アイテムCN1、および第2関連アイテムCN2は、NFTと関連付けられたアイテムである。これらのアイテムは、NFTと対応付けられることにより、非代替性のアイテムとして管理され得る。
【0059】
<第1アイテムIT1の付与、第1関連アイテムCN1の発行および譲渡>
以下、図4を参照して説明をする。まず、アイテム制御部237は、付与ステップとして、第1アイテムIT1を第1ユーザに付与する(アクティビティA001)。第1アイテムIT1は、仮想空間内(典型的には仮想空間内のアイテムショップ等のインゲームにおける仮想店舗)やゲーム内(仮想空間においてキャラクタの操作を開始する前にアイテム等を購入可能なアウトゲームにおける仮想店舗)において、所定の対価の支払いを条件として第1ユーザに付与される。また、第1アイテムIT1は、仮想空間およびゲーム外(典型的には公式HPやECサイト等)において当該ゲームの運営者に対する所定の対価の支払いを条件として第1ユーザに付与されてもよい。即ち、アクティビティA001において、第1アイテムIT1が当該ゲームのユーザ間取引ではない一次流通によって第1ユーザに付与される。
【0060】
次に、記録部230は、第1記録ステップとして、第1アイテムIT1の所有者が第1ユーザであるという情報をブロックチェーンに記録する(アクティビティA002)。具体的には例えば、以下の処理に細分化される。まず、記録部230は、第1アイテムIT1が第1ユーザに付与されたことに応じて、通信部21を介して第1アイテムIT1の所有者を記録する指示を出力する。続いて、ブロックチェーンシステム6に含まれるノード装置5は、通信ネットワーク11および通信部51を介して、記録部230からの指示を受け付ける。続いて、ノード装置5の制御部53は、受け付けた指示に基づいて、第1アイテムIT1の所有者が第1ユーザであるという情報を、第1アイテムIT1を定義する電子データに関連付けたトランザクションとしてブロックチェーンに記録する。
【0061】
次に、ゲーム装置3の受付部332は、入力デバイス4cを介して、第1アイテムIT1に基づいて生成された第1関連アイテムCN1の出品指示を、第1ユーザから受け付ける(アクティビティA003)。具体的には例えば、以下の処理に細分化される。まず、受付部233は、通信ネットワーク11および通信部21を介して、第1アイテムIT1に基づいて第1関連アイテムCN1を発行する指示および発行数の指定を、第1ユーザの操作するゲーム装置3から受け付ける。この例において第1関連アイテムCN1は、第1アイテムIT1の複製として発行されるアイテムである。続いて、アイテム制御部237は、第1アイテムIT1を第1ユーザに付与する。続いて、記録部230は、発行された第1関連アイテムCN1の所有者が第1ユーザであるという情報をブロックチェーンに記録する。続いて、受付部332は、第1関連アイテムCN1をマーケットプレイスに出品する指示を、第1ユーザの操作により受け付ける。
【0062】
次に、取引処理装置7は、第1関連アイテムCN1の譲渡処理を実行する(アクティビティA004)。具体的には例えば、以下の処理に細分化される。取引処理装置7は、第1ユーザからの出品指示を受け付けたことに応じて、マーケットプレイスにおいて第1関連アイテムCN1を表示させる。続いて、取引処理装置7は、第1関連アイテムCN1の購入指示を第2ユーザから受け付けたことに応じて、第1関連アイテムCN1を第2ユーザへと譲渡する。続いて、取引処理装置7は、第1関連アイテムCN1が第2ユーザに譲渡されたことに応じて、第1関連アイテムCN1の所有者を記録する指示を出力する。
【0063】
次に、記録部230は、第1関連アイテムCN1の所有者が第2ユーザであるという情報をブロックチェーンに記録する(アクティビティA005)。例えば、アクティビティA002と同様の処理が実行される。このようにして、第1関連アイテムCN1が当該ゲームのユーザ間における二次流通によって第2ユーザに付与される。
【0064】
<第2アイテムIT2の譲渡および使用>
以下、図5を参照して説明をする。まず、取引処理装置7は、第2アイテムIT2の譲渡処理を実行する(アクティビティA101)。具体的には例えば、取引処理装置7は、第2ユーザから第1ユーザへの、第2アイテムIT2の譲渡処理を実行する。例えば、図4におけるアクティビティA004と同様の処理が実行される。
【0065】
次に、記録部230は、第2記録ステップとして、第2アイテムIT2が取引所において第1ユーザに譲渡されたことに応じて、第2アイテムIT2の所有者が第1ユーザであるという情報をブロックチェーンに記録する(アクティビティA102)。例えば、図4におけるアクティビティA002と同様の処理が実行される。
【0066】
次に、アイテム制御部237は、第2アイテムIT2を第1ユーザに付与する(アクティビティA103)。具体的には例えば、以下の処理に細分化される。まず、受付部233は、通信ネットワーク11および通信部21を介し、第2アイテムIT2の譲渡に関する記録をブロックチェーンシステム6から受け付ける。続いて、アイテム制御部237が、譲渡に関する記録に基づいて第2アイテムIT2の所有者を特定する。さらに、アイテム制御部237は、所有者として特定された第1ユーザに、第2アイテムIT2を付与する。このようにして、第2アイテムIT2が当該ゲームのユーザ間における二次流通によって第1ユーザに付与される。
【0067】
次に、受付部233は、通信ネットワーク11および通信部21を介して、第2アイテムIT2を使用する指示を、第1ユーザの操作するゲーム装置3から受け付ける(アクティビティA104)。具体的には例えば、第2アイテムIT2は、第1ユーザの操作する第1キャラクタCH1によって、仮想空間において使用される。
【0068】
次に、アクセス制御部235は、第2アイテムIT2の所有者を特定する(アクティビティA105)。具体的には例えば、以下の処理に細分化される。まず、受付部233は、通信ネットワーク11および通信部21を介し、第2アイテムIT2の所有者に関する情報をブロックチェーンシステム6から受け付ける。続いて、アクセス制御部235が、所有者に関する情報に基づいて第2アイテムIT2の所有者を特定する。
【0069】
次に、アクセス制御部235は、所有者が第1ユーザであることが特定された場合には、第1ユーザに対して第1ユーザ情報へのアクセスを許可する(アクティビティA106)。一方で、アクセス制御部235は、所有者が第1ユーザ以外であることが特定された場合には、第1ユーザ情報へのアクセスを許可しない。
【0070】
ユーザ情報とは、ユーザの属性または仮想空間におけるユーザの活動の履歴に関する情報である。具体的には例えば、第1ユーザ情報は、記憶部22に記憶された、第1ユーザに関する情報である。例えば、第1ユーザ情報は、第1キャラクタCH1について位置条件を満たしたことのある仮想オブジェクトを特定する情報を含む。位置条件とは、第1キャラクタCH1と仮想オブジェクトとの間の位置関係に関する条件である。具体的には例えば、位置条件とは、仮想空間において、第1キャラクタCH1と仮想オブジェクトとが所定の位置関係に配置されていることである。具体的には例えば、第1キャラクタCH1と仮想オブジェクトとが接触したと判定するために定義された一定距離以内に第1キャラクタCH1と仮想オブジェクトが位置することである。
【0071】
次に、実行部231は、実行ステップとして、第1処理を実行させるための第2処理を実行する。具体的には例えば、実行部231は、第1ユーザ情報に基づいて、第1キャラクタCH1を特定の仮想オブジェクトの近くに移動させる処理(第2処理の一例)を実行する(アクティビティA107)。具体的には例えば、以下の処理に細分化される。まず、表示制御部238が、通信ネットワーク11および通信部21等を介し、特定された1または複数の仮想オブジェクトに関する情報を、第1ユーザが視認可能な態様でディスプレイ4aに表示させる。続いて、受付部233は、通信ネットワーク11および通信部21を介し、特定された仮想オブジェクトのうち1つを選択する指示を、第1ユーザの操作するゲーム装置3から受け付ける。続いて、実行部231が、選択された仮想オブジェクトの近くに第1キャラクタCH1を移動させる処理を実行する。続いて、キャラクタ制御部236が、第2処理に基づいて、仮想空間において第1キャラクタCH1の移動を制御する。続いて、表示制御部238が、通信ネットワーク11および通信部21等を介し、仮想空間において移動した第1キャラクタCH1を、第1ユーザが視認可能な態様でディスプレイ4aに表示させる。
【0072】
次に、実行部231は、実行ステップとして、位置条件が満たされたことに基づいて、第1キャラクタCH1に対応する情報と、特定の仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行する(アクティビティA108)。具体的には例えば、実行部231は、第1キャラクタの配置されている領域と、特定の仮想オブジェクトに対応する領域とを関連付けて、第1処理を実行する。特定の仮想オブジェクトとは、例えば、第1キャラクタCH1の移動先の対象である仮想オブジェクトを指す。一例として、実行部231は、第1キャラクタCH1を仮想空間における特定の領域に配置する処理(第1処理の一例)を実行する。具体的には例えば、さらに、以下の処理が実行される。キャラクタ制御部236が、第1処理に基づいて、仮想空間において第1キャラクタCH1の移動を制御する。続いて、表示制御部238が、通信ネットワーク11および通信部21等を介し、特定の仮想空間に配置された第1キャラクタCH1を、第1ユーザが視認可能な態様でディスプレイ4aに表示させる。別の観点によると、第1処理または第2処理は、特定された仮想オブジェクトに関する処理である。
【0073】
以上をまとめると、情報処理装置2は、制御部23を備える。制御部23は、次の各部を備える。情報処理システム1は、少なくとも1つの装置からなる情報処理システム1である。情報処理システム1では、次の各部がなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つの制御部23を備える。記録部230は、第1記録ステップとして、第1アイテムIT1または第1アイテムIT1に基づいて生成される第1関連アイテムCN1の所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳に記録する。第1アイテムIT1または第1関連アイテムCN1は、仮想空間において第1ユーザの操作に応じて使用され、かつ仮想空間とは異なる取引所において第1ユーザを含むユーザの間で譲渡される。記録部230は、第2記録ステップとして、第2アイテムIT2または第2関連アイテムCN2が取引所において第1ユーザに譲渡された場合に、第2アイテムIT2または第2関連アイテムCN2の所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳に記録する。アクセス制御部235は、アクセス制御ステップとして、第2アイテムIT2または第2関連アイテムCN2の所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳から受け付けた場合に、第1ユーザに関連付けられた第1ユーザ情報、または第2アイテムIT2もしくは第2関連アイテムCN2に関連付けられたアイテム情報にアクセスすることを許可するように制御する。キャラクタ制御部236は、キャラクタ制御ステップとして、第1ユーザに関連付けられた第1キャラクタCH1を第1ユーザによる操作に応じて仮想空間において移動させるように制御する。実行部231は、実行ステップとして、第1キャラクタCH1と仮想オブジェクトとの間の位置関係に関する位置条件が満たされたことに基づいて、少なくとも第1キャラクタに対応する情報と、仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行する。実行部231は、実行ステップとして、第1ユーザ情報またはアイテム情報に基づいて、位置条件が満たされたか否かにかかわらず第1処理を実行し、または第1処理を実行させるための第2処理を実行する。
【0074】
これらの態様によれば、仮想空間における興趣性を向上させることができる。特に、NFTとして取引されるアイテムを使用可能な仮想空間における興趣性を向上させることができる。
【0075】
具体的には、ユーザの指示によってアイテムから関連アイテムを生成させるゲームにおいて、ゲームにおける戦略性をより高めることができる。キャラクタに関する効果を発動するアイテムを独占するか、複製して流通させるかはユーザによって決定されるため、ゲームに駆け引きの要素が生まれ、興趣性がより向上する。
【0076】
また、第1ユーザ情報が第1キャラクタCH1について位置条件を満たしたことのある仮想オブジェクトを特定する情報を含むことで、ユーザの仮想空間における活動内容と、アイテムの効力とを関連付けることができる。これにより、ユーザは仮想空間における探索を進めるほど有利な効果を得ることができるため、ユーザに仮想空間を訪れる動機付けを与えることができる。情報処理システム1がゲームを実現するシステムである場合には、ユーザにゲームを進行させる動機付けを与えることができる。
【0077】
3.2 情報処理の詳細
上記概説された情報処理の詳細部分を、図を用いて説明する。
【0078】
<移動アイテムの使用>
図6図8は、フィールド表示画面8の一例を示すイメージ図である。例えば、フィールド表示画面8は、表示制御部238によってゲーム装置3の入力デバイス4cに表示される画面である。フィールド表示画面8は、フィールド表示エリア80を含む。
【0079】
フィールド表示エリア80には、仮想世界の地図であるフィールドが表示される。フィールドとは、仮想空間の中の領域の一例である。フィールド表示エリア80は、複数の仮想オブジェクトを含む。仮想オブジェクトは、フィールド内に仮想的に配置される仮想の物体である。仮想オブジェクトは、例えば、地形、建造物、乗り物、動植物、気象現象によって生じる物体、キャラクタ等である。
【0080】
第1キャラクタCH1、第2キャラクタCH2、第3キャラクタCH3、敵オブジェクト82、および街オブジェクト83は、仮想オブジェクトの一例である。一例として、第1キャラクタCH1、第2キャラクタCH2および第3キャラクタCH3はプレイヤキャラクタであり、敵オブジェクト82はノンプレイヤキャラクタである。例えば、街オブジェクト83は、フィールド上の特定の場所である、「M街」という場所を示すオブジェクトである。
【0081】
図6の例において、第1キャラクタCH1は、地点Aに配置されている。キャラクタ制御部236は、第1ユーザの操作に基づいて、第1キャラクタCH1をフィールドにおいて移動させる。同様に、キャラクタ制御部236は、第2ユーザおよび第3ユーザの操作に基づいて、第2キャラクタCH2および第3キャラクタCH3をフィールドにおいて移動させる。別の観点によると、仮想オブジェクトは、第1ユーザ以外の他ユーザと関連付けられた他キャラクタである。さらに別の観点によると、仮想オブジェクトは、第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタCH2である。
【0082】
接触判定エリア81は、図6に示すように、プレイヤキャラクタの周囲に一定の大きさで表示される円形の図形である。実行部231は、例えば、第1キャラクタCH1の接触判定エリア81が、他の仮想オブジェクトと重なった場合に、仮想オブジェクト同士が接触したと判定する。以下において、この判定を接触判定という。
【0083】
実行部231は、例えば、接触判定があった場合にイベントを発生させる(第1処理の一例)。具体的には例えば、イベントは、ストーリーの進行、クエストの開始、仮想空間の領域間における移動、ユーザに対する有利な効果または不利な効果の付与、情報の表示、プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタとのコミュニケーションの実現、キャラクタまたは仮想空間に関するパラメータの変更等である。例えば、イベントは、ユーザの開始指示を受け付けたことに応じて、または接触判定があったことに応じて開始される。
【0084】
図7の例は、第1キャラクタCH1が、第1ユーザの操作によって地点Aから地点Bに移動した状態を示している。図7の例において、第1ユーザは、第1キャラクタCH1を移動させる途中で敵オブジェクト82と接触し、バトルクエストを達成した後に地点Bへと到達した。図7の例において、第1キャラクタCH1は、接触判定エリア81が街オブジェクト83に接触する位置まで移動したため、キャラクタ制御部236によって「M街の中」(仮想空間の領域の一例)に配置される。
【0085】
図8の例は、第1キャラクタCH1が、第1ユーザの操作によって第2アイテムIT2を使用する際に表示される画面例を示している。フィールド表示エリア80は、操作ウィンドウ84をさらに含み、操作ウィンドウ84は、第2アイテムIT2および操作ボタン85を含む。図8の例において、第2アイテムIT2は、所有者であるユーザが今までに行ったことのある場所に、キャラクタを移動させることができるアイテムである。
【0086】
図8の例を用いて、図4のアクティビティA104~アクティビティA108の処理の態様を説明する。例えば、第1ユーザの操作によって、第1ユーザが所有するアイテムを示す操作ウィンドウ84が表示される。第1ユーザによって操作ボタン85が選択され、受付部233が第2アイテムIT2の使用を受け付けることにより、行き先の候補が表示される。別の観点によると、第1キャラクタCH1と接触判定のあった場所の一覧が表示される。例えば、第1ユーザによって「M街」を選択する入力がされたことに応じて、キャラクタ制御部236が第1キャラクタCH1を地点Bへと移動させる。別の観点によると、第2処理は、位置条件を満たすように、少なくとも第1キャラクタCH1を仮想空間において移動させる処理である。通常、第1ユーザは、街オブジェクト83との接触判定が成立する位置まで第1キャラクタCH1を移動させることで、街オブジェクト83に対応する仮想空間の領域である「M街の中」に第1キャラクタCH1を配置することが可能となる。別の観点によると、第1ユーザは、自らの操作入力によって第1キャラクタCH1を通常移動させるのではなく、選択した移動先まで手動での操作入力によらずに第1キャラクタCH1を移動させることがでる。これにより、第1ユーザは、街オブジェクト83の場所まで手動で第1キャラクタCH1を移動させることを効率化し得る。従って、第2アイテムIT2の使用により、第1ユーザが選択した移動先に第1キャラクタCH1を移動させることは、第1処理を実行させるための第2処理に相当する。
【0087】
このような態様により、仮想空間内の移動が容易になり、ユーザの利便性が向上する。また、敵キャラクタ等の障害を回避することができるため、ユーザがより戦略的に移動することが可能となる。
【0088】
<訪問先管理テーブルT1>
図9は、訪問先管理テーブルT1の一例を示す図である。訪問先管理テーブルT1は、ユーザが訪問したことがある場所を管理する参照情報であり、ユーザ情報の一例である。訪問先管理テーブルT1は、例えば、ユーザ名T11、場所名T12、訪問回数T13等を含む。なお、訪問先管理テーブルT1を構成する参照情報は、分散した別々の装置において記憶されることができるが、便宜上1つのテーブルとして記憶部22に記憶され、管理部232が管理するものとして説明する。他の参照情報についても同様である。
【0089】
ユーザ名T11は、ユーザの名称を示す情報である。例えば、「クルガ」というユーザ名は、第1ユーザの名前である。場所名T12は、ユーザが訪問したことのある場所の名称を示す情報である。図9の例によると、第1ユーザは、「M街」、「D街」、「P村」、および「S砂漠」という名前の場所を訪問したことがある。訪問回数T13は、ユーザが各訪問先に訪れた回数を示す情報である。図8における操作ウィンドウ84には、訪問先管理テーブルT1に基づいて特定された場所の名前が表示されている。一態様として、訪問回数の多い順に、場所の名前が行き先として提示される。別の一態様として、訪問回数等に応じて、実現する移動の量または質が変化してもよい。一例として、訪問回数に応じて移動の可否が判定されてもよく、一定回数以上訪問することを条件として移動を許可してもよい。また、訪問回数に応じて移動に要する時間が段階的に変化してもよく、移動に要する時間に応じて広告等の動画が一時的に表示されるようにしてもよい。また、訪問回数に応じて移動した際の目的地までの距離が設定されてもよく、訪問回数に応じて段階的に目的地のより近くまで移動できるようにしてもよい。なお、過去に当該アイテムを保有したことがある他ユーザが訪問したことがある目的地が、当該ユーザが訪問したことがない目的地である場合には、下記に当該アイテムを保有していた複数のユーザによる当該目的地への訪問回数を合算して、実現する移動の量または質が変化してもよい。また、訪問回数が所定の条件を満たすことによって移動の量または質が段階的に変化する場合に、所定の段階まで到達した目的地や、もう少しで所定の段階まで到達する目的地を、他の目的地と区別可能に表示させても良い。
【0090】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理方法に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0091】
一態様において、種々の参照情報は、ブロックチェーンシステム6、情報処理装置2の記憶部22、またはゲーム装置3の記憶部32の何れに記憶されてもよい。また、種々の参照情報は、分散して記憶されてよい。なお、ユーザが操作する装置はゲーム装置3に限られず、同様の構成を有する装置であれば、装置の種類に特に制限はない。
【0092】
一態様において、アクセス制御部235は、アイテム情報へのアクセスを許可する。アイテム情報とは、アイテムの使用もしくは譲渡の履歴、またはアイテムの属性に関する情報である。アイテム情報の一例として、アイテム管理テーブルT2または所有者管理テーブルT3が挙げられる。
【0093】
<アイテム管理テーブルT2>
図10は、アイテム管理テーブルT2の一例を示す図である。アイテム管理テーブルT2は、仮想空間において存在するアイテムを管理する参照情報である。アイテム管理テーブルT2は、例えば、アイテム名T21、アイテム番号T22、アイテム種別T23、使用可能回数T24、複製発行数T25等を含む。
【0094】
アイテム名T21は、アイテムの名称を示す情報である。例えば、「魔法のランプ」は第2アイテムIT2の一例であり、「複製ランプ」は第2関連アイテムCN2の一例である。アイテム番号T22は、各アイテムに固有に付された番号を示す情報である。アイテム種別T23は、アイテムの属性の一例である、アイテム種別を示す情報である。例えば、各アイテムが原本であるのか、原本から複製されたアイテムであるのかを示す情報である。使用可能回数T24は、各アイテムを使用可能な残り回数を示す情報である。複製発行数T25は、各アイテムから発行された関連アイテムの数を示す情報である。
【0095】
<所有者管理テーブルT3>
一態様において、アイテム情報は、そのアイテムの所有者履歴を含む。所有者履歴とは、そのアイテムを所有したことのあるユーザの履歴を含む情報である。図11は、所有者管理テーブルT3の一例を示す図である。所有者管理テーブルT3は、所有者履歴の一例である。所有者管理テーブルT3は、アイテムの所有者の履歴を管理する参照情報である。所有者管理テーブルT3は、例えば、所有者履歴T31、入手日T32、入手時刻T33等を含む。図11の例では、移動アイテムである「魔法のランプ」の所有者履歴が所有者管理テーブルT3によって管理されている。
【0096】
所有者履歴T31は、アイテムの所有者となったユーザの履歴を示す情報である。図11の例では、アイテムの現在の所有者は「クルガ」というユーザである。図11の例には、「魔法のランプ」は、「タマミ」から「オーガ」に譲渡され、さらに「クルガ」に譲渡されたことが示されている。入手日T32は、ユーザがアイテムを入手した日を示す情報である。入手時刻T33は、ユーザがアイテムを入手した時刻を示す情報である。
【0097】
一態様として、アクセス制御部235は、アクセス制御ステップとして、所有者履歴において第2ユーザが特定された場合に、第2ユーザに関連付けられた第2ユーザ情報にアクセスすることを許可するように制御する。所有者履歴は、第2アイテムIT2または第2関連アイテムCN2を所有したことがあるユーザの履歴を含む。実行部231は、実行ステップとして、第2ユーザ情報に基づいて第1処理または第2処理を実行する。具体的には例えば、アイテムの使用により、当該アイテムを過去に所有したことがあるユーザに関する第1処理または第2処理が実行される。
【0098】
例えば、第2処理が、位置条件を満たすように、少なくとも第1キャラクタCH1を仮想空間において移動させる処理である場合について、図11の例を用いて説明する。現在の所有者である「クルガ」は、アイテムを使用することにより、例えば、「魔法のランプ」の過去の所有者である「オーガ」の配置された場所まで移動することができる。これにより、「クルガ」(第1キャラクタCH1)と「オーガ」(第2キャラクタCH2)との接触判定が成立し、第1ユーザは第2ユーザと会話をすることができる。
【0099】
通常、第1ユーザは、第2キャラクタCH2との接触判定が成立する位置まで第1キャラクタCH1を移動させることで、第2ユーザとの会話が可能となる。別の観点によると、第1ユーザは、「魔法のランプ」を使用することで、自らの操作入力によって第1キャラクタCH1を通常移動させることなく、会いたい相手を選択することによって第1キャラクタCH1を移動させることができる。これにより、第1ユーザは、第2キャラクタCH2がどこにいるかを探し、かつその場所まで移動するという工程を省略し、仮想空間において第2ユーザに会いに行くことができる。従って、アイテムの使用により第1ユーザが選択したキャラクタの所に第1キャラクタCH1を移動させることは、第1処理を実行させるための第2処理に相当する。
【0100】
このような態様により、多くのユーザの間で譲渡されたアイテムは、使用された際の有利な効果が大きくなる。これにより、取引の履歴がアイテムの価値に影響するため、アイテムの取引における戦略性がより向上する。また、価値のあるアイテムを入手することで、初心者のユーザであっても一発逆転を狙うことが可能となる。これにより、初心者が仮想空間またはゲームから離脱する可能性を低減させることができる。
【0101】
<コミュニケーションアイテムの使用>
図12は、フィールド表示画面8の変形例を示すイメージ図である。図12の例を用いて、他の態様の第2アイテムIT2について説明する。図12の例において、第2アイテムIT2は、第1ユーザが今までに遭遇したことのあるユーザとのコミュニケーションを、現在接触判定が成立しているか否かにかかわらず実現する、「魔法の水晶」というアイテムである。別の観点によると、第1処理は、第1ユーザと他ユーザとのコミュニケーションを実現させる処理である。
【0102】
以下では、図8の例と異なる点のみを記載する。第1ユーザによって操作ボタン85が選択され、受付部233が第2アイテムIT2の使用を受け付けることにより、コミュニケーションを実現する相手ユーザの候補が表示される。別の観点によると、第1キャラクタCH1と過去に接触判定のあった他キャラクタの一覧が表示される。例えば、第2キャラクタCH2のユーザ名が「オーガ」であったとする。その場合、第1ユーザによって「オーガ」を選択する入力がされたことに応じて、実行部231が第1ユーザと第2ユーザとの間のコミュニケーションを実現する。コミュニケーションは、現在第1ユーザと第2ユーザとの間で接触判定が成立しているか否かにかかわらず実現される。コミュニケーションの手段は、テキスト、音声、静止画(絵文字、スタンプ等)、動画、プレゼントのやり取り等であってよい。例えば、他ユーザへのプレゼントは、ゲーム媒体を用いて行われる。
【0103】
別の観点によると、実行部231は、実行ステップとして、位置条件が満たされたか否かにかかわらず、第1キャラクタCH1に対応する情報と、特定の仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行する。具体的には例えば、実行部231は、第1キャラクタに対応するユーザと、特定の仮想オブジェクトに対応するユーザとを関連付けて、第1処理を実行する。特定の仮想オブジェクトとは、例えば、第1キャラクタCH1のコミュニケーションの対象として選択された第2キャラクタCH2を指す。一例として、実行部231は、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションを実現させる処理(第1処理の一例)を実行する。
【0104】
このような態様により、ユーザは仮想空間またはゲームに関する情報を他ユーザから効率的に入手することができ、仮想空間またはゲームの興趣性が向上する。
【0105】
別の態様において、アイテムの使用により、当該アイテムを過去に所有したことがあるユーザとのコミュニケーションが実現されてもよい。図11の例を用いた場合、現在の所有者である「クルガ」は、アイテムを使用することにより、過去の所有者である「オーガ」または「タマミ」とコミュニケーションをすることができる。コミュニケーションは、現在当該ユーザ間で接触判定が成立しているか否かにかかわらず実現される。
【0106】
このような態様により、ユーザは、アイテムを使用することにより、仮想空間における情報収集をより効率的に行うことができる。これにより、ユーザが仮想空間を利用する際の利便性がより向上する。また、アイテムの過去の所有者とのコミュニケーションの機会をユーザに与えることができるため、ユーザは仮想空間において好みの合う他ユーザを探しやすくなる。これにより、仮想空間におけるコミュニケーションがより促進される。また、マーケットプレイスにおける二次流通を介してアイテムを取得することがユーザに動機付けられるため、アイテムの二次流通市場が活性化され得る。
【0107】
<遭遇ユーザ管理テーブルT4>
図13は、遭遇ユーザ管理テーブルT4の一例を示す図である。例えば、遭遇ユーザ管理テーブルT4は、ユーザが遭遇したことのある他ユーザを管理する参照情報であり、ユーザ情報の一例である。別の観点によると、遭遇ユーザ管理テーブルT4は、ユーザの操作するキャラクタと接触判定のあった他キャラクタを管理する参照情報である。遭遇ユーザ管理テーブルT4は、例えば、ユーザ名T41、遭遇ユーザ名T42、遭遇回数T43、共闘回数T44等を含む。
【0108】
ユーザ名T41は、ユーザの名称を示す情報である。場所名T12は、ユーザが遭遇したことのある場所の名称を示す情報である。図9の例によると、第1ユーザである「クルガ」は、「オーガ」、「タマミ」、および「イヴェル」という名前のユーザと遭遇したことがある。遭遇回数T43は、ユーザが各ユーザと遭遇した回数を示す情報である。共闘回数T44は、ユーザが各ユーザと同一パーティにおいて共闘したことのある回数を示す情報である。
【0109】
図12における操作ウィンドウ84には、遭遇ユーザ管理テーブルT4に基づいて特定されたユーザのユーザ名が表示されている。一態様として、遭遇回数の多い順、共闘回数の多い順等の並び順で、コミュニケーションを実現する相手の候補が提示される。別の一態様として、共闘した経験の有無、遭遇回数等に応じて、実現するコミュニケーションの量または質が変化してもよい。一例として、共闘したことのあるユーザとは音声または映像を用いたコミュニケーションを可能とし、共闘したことのないユーザとはテキストによるコミュニケーションのみを可能としてもよい。また、遭遇回数や共闘回数に応じて、接触することなくコミュニケーションを継続することが可能な時間や回数が変更されてもよい。また、接触することなくコミュニケーションを実行可能なユーザ間の距離に制限を追加することにより、互いの距離が離れているユーザ間におけるコミュニケーションを制限してもよい。なお、遭遇回数や共闘回数が所定の条件を満たすことによってコミュニケーションの量または質が段階的に変化する場合に、所定の段階まで到達したユーザや、もう少しで所定の段階まで到達するユーザを、他ユーザと区別可能に表示させても良い。なお、過去に当該アイテムを保有したことがある他ユーザが、当該ユーザが遭遇したことがないユーザである場合には、当該ユーザと他ユーザにおいて遭遇したことがあるユーザが共通している場合に、コミュニケーションを実行可能としてもよい。この場合に、コミュニケーション可能なユーザを不可能なユーザと区別可能に表示してもよい。また、遭遇回数や共闘回数は、過去に当該アイテムを保有したことがある他ユーザと当該ユーザで合算されてもよい。
【0110】
<アイテム発行の制限>
図14は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの変形例を示すアクティビティ図である。以下、図14を参照して説明する。まず、取引処理装置7は、第1関連アイテムCN1の譲渡処理を実行する(アクティビティA201)。具体的には例えば、取引処理装置7は、第2ユーザから第1ユーザへの、第1関連アイテムCN1の譲渡処理を実行する。例えば、図4におけるアクティビティA004と同様の処理が実行される。一例として、第1関連アイテムCN1は、仮想空間の外における取引専用のアイテムであり、仮想空間における使用が制限されている。別の一例として、ユーザは、第1関連アイテムCN1を仮想空間において使用することができない。
【0111】
次に、記録部230は、第1関連アイテムCN1が取引所において第1ユーザに譲渡されたことに応じて、第1関連アイテムCN1の所有者が第1ユーザであるという情報をブロックチェーンに記録する(アクティビティA202)。例えば、図4におけるアクティビティA002と同様の処理が実行される。
【0112】
次に、受付部233は、通信ネットワーク11および通信部21を介して、第1関連アイテムCN1に基づいて第1アイテムIT1を発行する指示を、第1ユーザの操作するゲーム装置3から受け付ける(アクティビティA203)。具体的には例えば、ユーザは、第1関連アイテムCN1を仮想空間において使用するために、第1関連アイテムCN1に変換する指示を入力する。
【0113】
次に、アイテム制御部237は、第1アイテムIT1の発行数を特定する(アクティビティA204)。具体的には例えば、アイテム制御部237は、記憶部22に記憶されているアイテム管理テーブルT2に基づき、第1アイテムIT1の発行数を特定する。
【0114】
次に、第1アイテムIT1の発行数が第1上限数以上であった場合に、通知部234は、通信部21および通信ネットワーク11等を介して、ゲーム装置3に通知する(アクティビティA205)。具体的には、第1アイテムIT1が発行不可であることを第1ユーザに通知する。別の観点によると、アイテム制御部237は、アイテム制御ステップとして、取引所において第1ユーザが入手した第1関連アイテムCN1に基づいて、第1ユーザに第1アイテムIT1を入手させるように制御し、仮想空間における第1アイテムIT1の発行数が第1上限数に到達している場合には、第1関連アイテムCN1に基づいた第1アイテムIT1の発行を制限するように制御する。
【0115】
一方で、第1アイテムIT1の発行数が第1上限数未満であった場合には、アイテム制御部237は、付与ステップとして、第1アイテムIT1を第1ユーザに付与する(アクティビティA206)。
【0116】
次に、記録部230は、第1記録ステップとして、第1アイテムIT1の所有者が第1ユーザであるという情報をブロックチェーンに記録する(アクティビティA207)。
【0117】
一態様として、アイテム制御部237は、第1アイテムIT1の発行数が第1条件に到達している場合、第1アイテムIT1の付与を制限する。具体的には例えば、アイテム制御部237は、アイテム制御ステップとして、仮想空間における第1アイテムIT1の発行数が第1上限数に到達している場合に、第1アイテムIT1を第1ユーザに入手させる入手条件を満たさないように制御し、または第1仮アイテムTP1を第1ユーザに入手させるよう制御する。
【0118】
第1仮アイテムTP1は、発行数が第1上限数未満となった場合に、第1アイテムIT1の入手に関する有利な効果を第1ユーザに付与するアイテムである。具体的には例えば、第1仮アイテムTP1は、第1アイテムIT1と交換可能なアイテムであってよい。
【0119】
さらに別の観点によると、アイテム制御部237は、アイテム制御ステップとして、取引所において第1ユーザが入手した第2関連アイテムCN2に基づいて、第1ユーザに第2アイテムIT2を入手させるように制御し、仮想空間における第2アイテムIT2の発行数が第2上限数に到達している場合には、第2関連アイテムCN2に基づいた第2アイテムIT2の発行を制限するように制御する。
【0120】
このような態様により、仮想空間におけるアイテム上限数が定められ、アイテムの価値が向上する。これにより、アイテムを獲得するための戦略が重要となるため、仮想空間の趣興性がより向上する。
【0121】
<他の変形例>
一態様において、アイテムの使用により、当該アイテムを所有したことのあるユーザが特定され、さらに、そのユーザが接触したことのある仮想オブジェクトが特定されてもよい。具体的には例えば、アイテムの使用により、当該アイテムの過去の所有者が行ったことのある場所、または会ったことのあるキャラクタの所への移動が可能であってもよい。また、当該アイテムの過去の所有者が会ったことのあるキャラクタを操作するユーザとのコミュニケーションが可能であってもよい。
【0122】
別の観点によると、第2ユーザ情報は、第2キャラクタCH2について位置条件を満たしたことのある仮想オブジェクトを特定する情報を含む。第1処理または第2処理は、特定された仮想オブジェクトに関する処理である。
【0123】
このような態様により、ユーザが他ユーザと知り合うきっかけを提供することができ、仮想空間におけるユーザ同士のコミュニケーションがより活性化する。
【0124】
一態様において、第2処理は、複数のキャラクタを仮想空間において移動させる処理であってもよい。また、第2処理の実行により満たされる位置条件は、第1処理を実行するための条件とは異なるものであってもよい。例えば、第1処理の内容が会話の実現である場合、キャラクタ同士が接触する位置が第1位置条件となる。第2処理の内容が、対象キャラクタの場所まで移動することである場合、例えば、ユーザ同士の親密度に応じて移動距離が変化してもよい。一例として、相手が共闘したことのあるキャラクタの場合には会話可能な距離まで移動し、一度しか遭遇したことのないキャラクタの場合には付近の街までしか移動できない等の態様でもよい。
【0125】
他の態様において、ユーザ情報は、ユーザまたはキャラクタに関する情報を含む。例えば、ユーザ情報は、パラメータ(例えば、レベル、経験値、体力、知力等)、属性(例えば、職業、拠点、種族等)、ゲームの進行度、仮想空間における活動時間、達成したクエストの種類または数、保有するアイテム、獲得した称号、他ユーザとの親密度、チームの所属、ランキングの順位、評判等の情報を含む。他の態様において、位置条件は、キャラクタと仮想オブジェクトとが仮想空間の同じ領域(例えば、同じ地域、街、建物等)の中に配置されていること、仮想オブジェクトがキャラクタの視界に入ったこと等であってもよい。
【0126】
他の態様において、アイテム情報は、属性(例えば、火、水、風、土、光、闇等のタイプ)、属性に対する耐性、分類(例えば、武器、防具、アクセサリ、消耗品、クエストアイテム等)、パラメータ(例えば、攻撃力、防御力、効力、劣化度合い、レベル、レアリティ、重量等)、装備可能なキャラクタ、譲渡の回数、使用された回数、入手方法、価格の推移、最大所持数、生成に必要な素材、アイテムに付された説明文、制限の状態(例えば、取引不可、仮想空間において使用不可等の状態)等の情報を含む。
【0127】
情報処理システム1は、仮想空間を実現することができればよく、ゲームを実現するものでなくてもよい。例えば、ユーザ同士がキャラクタを介してコミュニケーションをとることのできるSNS(Social Networking Service)、仮想の街、展示会等であってよい。
【0128】
一態様として、第1関連アイテムCN1を第1アイテムIT1から生成することができる回数の上限数が設定されていてもよい。第1関連アイテムCN1を生成することができる上限数は、ユーザごとまたはアイテムごとに設定されてよい。
【0129】
他の態様において、複数のユーザを含むグループにおいて、少なくとも1のユーザがアイテムを保有していることによって、上述の情報処理が当該グループに含まれる複数のユーザに適用されてもよいし、共通のアイテムを保有しているユーザ同士においてのみ適用されてもよい。また、当該グループに含まれる複数のユーザにおいて、上記の訪問回数や遭遇回数、共闘回数といった情報が合算されるようにしてもよい。これにより、アイテムの二次流通を活性化するとともに、ユーザがグループを結成してゲームを進行させることをさらに動機づけることができる。
【0130】
上記の実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、少なくとも1つのコンピュータ(例えば、情報処理装置2)に、情報処理方法における各ステップを実行させる。
【0131】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0132】
(1)情報処理方法であって、次の各ステップを含み、第1記録ステップでは、第1アイテムまたは前記第1アイテムに基づいて生成される第1関連アイテムの所有者が第1ユーザであるという情報を分散型台帳に記録し、ここで前記第1アイテムまたは前記第1関連アイテムは、仮想空間において前記第1ユーザの操作に応じて使用され、かつ前記仮想空間とは異なる取引所において前記第1ユーザを含むユーザの間で譲渡され、第2記録ステップでは、第2アイテムまたは第2関連アイテムが前記取引所において前記第1ユーザに譲渡された場合に、前記第2アイテムまたは前記第2関連アイテムの所有者が前記第1ユーザであるという情報を前記分散型台帳に記録し、アクセス制御ステップでは、前記第2アイテムまたは前記第2関連アイテムの所有者が前記第1ユーザであるという情報を前記分散型台帳から受け付けた場合に、前記第1ユーザに関連付けられた第1ユーザ情報、または前記第2アイテムもしくは前記第2関連アイテムに関連付けられたアイテム情報にアクセスすることを許可するように制御し、キャラクタ制御ステップでは、前記第1ユーザに関連付けられた第1キャラクタを前記第1ユーザによる操作に応じて前記仮想空間において移動させるように制御し、実行ステップでは、前記第1キャラクタと仮想オブジェクトとの間の位置関係に関する位置条件が満たされたことに基づいて、少なくとも前記第1キャラクタに対応する情報と、前記仮想オブジェクトに対応する情報とを関連付けて第1処理を実行し、前記第1ユーザ情報または前記アイテム情報に基づいて、前記位置条件が満たされたか否かにかかわらず前記第1処理を実行し、または前記第1処理を実行させるための第2処理を実行する、方法。
【0133】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記第1ユーザ情報は、前記第1キャラクタについて前記位置条件を満たしたことのある前記仮想オブジェクトを特定する情報を含み、前記第1処理または前記第2処理は、特定された前記仮想オブジェクトに関する処理である、方法。
【0134】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理方法において、前記第2処理は、前記位置条件を満たすように、少なくとも前記第1キャラクタを前記仮想空間において移動させる処理である、方法。
【0135】
(4)上記(1)または(2)に記載の情報処理方法において、前記仮想オブジェクトは、前記第1ユーザ以外の他ユーザと関連付けられた他キャラクタであり、前記第1処理は、前記第1ユーザと前記他ユーザとのコミュニケーションを実現させる処理である、方法。
【0136】
(5)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記アクセス制御ステップでは、前記アイテム情報に含まれる所有者履歴において第2ユーザが特定された場合に、前記第2ユーザに関連付けられた第2ユーザ情報にアクセスすることを許可するように制御し、ここで前記所有者履歴は、前記第2アイテムまたは前記第2関連アイテムを所有したことがある前記ユーザの履歴を含み、前記実行ステップでは、前記第2ユーザ情報に基づいて前記第1処理または前記第2処理を実行する、方法。
【0137】
(6)上記(5)に記載の情報処理方法において、前記仮想オブジェクトは、前記第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタであり、前記第2処理は、前記位置条件を満たすように、前記第1キャラクタを前記仮想空間において移動させる処理である、方法。
【0138】
(7)上記(5)に記載の情報処理方法において、前記仮想オブジェクトは、前記第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタであり、前記第1処理は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとのコミュニケーションを実現する、方法。
【0139】
(8)上記(5)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記仮想オブジェクトは、前記第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタであり、前記第2ユーザ情報は、前記第2キャラクタについて前記位置条件を満たしたことのある前記仮想オブジェクトを特定する情報を含み、前記第1処理または前記第2処理は、特定された前記仮想オブジェクトに関する処理である、方法。
【0140】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理方法において、さらに、アイテム制御ステップでは、前記仮想空間における前記第1アイテムの発行数が第1上限数に到達している場合に、前記第1アイテムを前記第1ユーザに入手させる入手条件を満たさないように制御し、または第1仮アイテムを前記第1ユーザに入手させるよう制御し、ここで前記第1仮アイテムは、前記発行数が前記第1上限数未満となった場合に、前記第1アイテムの入手に関する有利な効果を前記第1ユーザに付与するアイテムである、方法。
【0141】
(10)上記(9)に記載の情報処理方法において、前記アイテム制御ステップでは、前記取引所において前記第1ユーザが入手した前記第2関連アイテムに基づいて、前記第1ユーザに前記第2アイテムを入手させるように制御し、前記仮想空間における前記第2アイテムの発行数が第2上限数に到達している場合には、前記第2関連アイテムに基づいた前記第2アイテムの発行を制限するように制御する、方法。
【0142】
(11)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0143】
(12)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0144】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0145】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
230 :記録部
231 :実行部
232 :管理部
233 :受付部
234 :通知部
235 :アクセス制御部
236 :キャラクタ制御部
237 :アイテム制御部
238 :表示制御部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
330 :記録部
331 :実行部
332 :受付部
333 :通知部
334 :キャラクタ制御部
335 :表示制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :ノード装置
50 :通信バス
51 :通信部
52 :記憶部
53 :制御部
6 :ブロックチェーンシステム
7 :取引処理装置
8 :フィールド表示画面
80 :フィールド表示エリア
81 :接触判定エリア
82 :敵オブジェクト
83 :街オブジェクト
84 :操作ウィンドウ
84 :操作ウィンドウ
85 :操作ボタン
A :地点
B :地点
CH1 :第1キャラクタ
CH2 :第2キャラクタ
CH3 :第3キャラクタ
IT1 :第1アイテム
IT2 :第2アイテム
CN1 :第1関連アイテム
CN2 :第2関連アイテム
TP1 :第1仮アイテム
T1 :訪問先管理テーブル
T11 :ユーザ名
T12 :場所名
T13 :訪問回数
T2 :アイテム管理テーブル
T21 :アイテム名
T22 :アイテム番号
T23 :アイテム種別
T24 :使用可能回数
T25 :複製発行数
T3 :所有者管理テーブル
T4 :遭遇ユーザ管理テーブル
T41 :ユーザ名
T42 :遭遇ユーザ名
T43 :遭遇回数
T44 :共闘回数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14