(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157995
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】装置の操作案内システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20241031BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241031BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241031BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241031BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241031BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B41J29/38 301
G03G21/00 502
G03G21/00 386
B41J29/42 E
B41J29/00 E
B41J29/00 T
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
G06F3/12 303
G06F3/12 392
G06F3/12 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072738
(22)【出願日】2023-04-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝一
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CG01
2C061CG15
2C061CQ06
2C061CQ22
2C061HJ10
2C061HN15
2H270KA59
2H270KA61
2H270NC20
2H270QA02
2H270QA23
2H270QA31
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5C062AD05
(57)【要約】
【課題】光を装置の操作されるべき操作部位に照射して、この操作箇所を速やかに知らせる。
【解決手段】携帯端末装置30の制御部39は、画像形成装置10の操作部位の画像を画像形成装置10から受信し、撮像カメラ35により撮像された撮像画像Qbを表示部31の画面に表示させ、操作部位の画像Qsが撮像画像Qbに含まれるか否かを判定し、操作部位の画像Qsが撮像画像Qbに含まれる場合に、光出射部36から操作部位へとレーザー光Lを出射させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体装置と、
本体装置に着脱自在に設けられた携帯端末装置と、を備え、
前記本体装置は、
前記携帯端末装置との間でデータ通信を行う第1通信部と、
前記本体装置の操作部位を判定して、前記本体装置の操作部位の画像を前記第1通信部から前記携帯端末装置へと送信させる第1制御部と、を備え、
前記携帯端末装置は、
前記本体装置との間でデータ通信を行う前記第2通信部と、
撮像部と、
前記撮像部により撮像された撮像画像を表示する表示部と、
光を前記撮像部の撮像範囲に出射する光出射部と、
前記本体装置の操作部位の画像が前記第2通信部で受信されると、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれるか否かを判定し、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれると判定した場合に、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させる第2制御部と、を備える装置の操作案内システム。
【請求項2】
前記第2制御部は、
前記本体装置の操作部位の画像が前記第2通信部で受信されると、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれるか否かを判定し、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれる場合に、前記表示部の画面の中央から前記本体装置の操作部位の画像への移動方向を判定して、前記判定された移動方向を前記表示部に表示させ、前記移動方向への前記撮像部の撮像範囲の変更により、前記本体装置の操作部位の画像が前記表示部の画面中央に移動されると、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させる、請求項1に記載の操作案内システム。
【請求項3】
前記本体装置の第1制御部は、前記本体装置の複数の操作部位及び該各操作部位の表示順序を設定して、前記本体装置の各操作部位及び該各操作部位の表示順序を前記第1通信部から前記携帯端末装置へと送信させ、
前記携帯端末装置の第2制御部は、前記本体装置の各操作部位及び該各操作部位の表示順序が前記第2通信部で受信されると、前記本体装置の各操作部位を該各操作部位の表示順序で逐次選択し、前記本体装置の操作部位を選択する度に、前記本体装置の前記選択された操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれるか否かを判定し、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれる場合に、前記表示部の画面の中央から前記本体装置の操作部位の画像への移動方向を判定して、前記判定された移動方向を前記表示部に表示させ、前記移動方向への前記撮像部の撮像範囲の変更により、前記本体装置の操作部位の画像が前記表示部の画面中央に移動されると、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させる請求項2に記載の装置の操作案内システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置の記憶部には、前記本体装置の操作部位に対応付けて予め設定された操作を示す操作案内情報が記憶されており、
前記携帯端末装置の第2制御部は、前記本体装置の操作部位の画像が前記表示部の画面中央に移動されると、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させると共に、前記記憶部に記憶されている前記操作部位に対応付けられている操作案内情報を前記表示部に表示させる請求項2又は請求項3に記載の装置の操作案内システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、前記操作案内情報を投影する投影部を備え、
前記携帯端末装置の記憶部には、前記本体装置の操作部位に対応付けて予め設定された操作を示す操作案内情報が記憶されており、
前記携帯端末装置の第2制御部は、前記本体装置の操作部位の画像が前記表示部の画面中央に移動されると、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させると共に、前記記憶部に記憶されている前記操作部位に対応付けられている操作案内情報を前記投影部により投影させる請求項2又は請求項3に記載の装置の操作案内システム。
【請求項6】
音又は振動を発生する報知部を備え、
前記携帯端末装置の第2制御部は、前記本体装置の操作部位の画像が前記表示部の画面中央に移動されると、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させると共に、前記報知部により音又は振動を発生させる請求項2又は請求項3に記載の装置の操作案内システム。
【請求項7】
本体装置と、
本体装置に着脱自在に設けられた携帯端末装置と、を備え、
前記本体装置は、
前記携帯端末装置との間でデータ通信を行う第1通信部と、
前記本体装置の操作部位を判定して、前記本体装置の操作部位の画像を前記第1通信部から前記携帯端末装置へと送信させる第1制御部と、を備え、
前記携帯端末装置は、
前記本体装置との間でデータ通信を行う前記第2通信部と、
撮像部と、
前記撮像部により撮像された撮像画像を表示する表示部と、
光を前記撮像部の撮像範囲に出射する光出射部とを備え、
前記本体装置の前記第1制御部は、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれるか否かを判定し、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれると判定した場合に、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させる操作案内システム。
【請求項8】
前記本体装置は、原稿の画像を読取る画像読取部と、前記画像読取部により読取られた原稿の画像を記録紙に形成する画像形成部とを備える画像形成装置であり、
前記携帯端末装置は、前記画像形成装置に着脱自在に設けられたものである請求項1又は請求項7に記載の装置の操作案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体装置と、本体装置に着脱自在に設けられた携帯端末装置とを備える操作案内システムに関し、特に、本体装置において操作が必要とされる操作部を携帯端末装置側の表示により案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、複雑な構造及び多数の構成部品を有するため、ユーザーがメンテンナンス又は故障解消のための操作等を行う場合には、ユーザーに対して適確な操作ガイダンスが必要になる。特許文献1に記載の画像形成装置では、用紙のジャムが発生した場合に、各箇所に設置されたカメラによりジャム発生箇所が撮影されたとき、撮影されたジャム発生箇所の映像と共に操作案内が表示部に表示される。ユーザーは、その映像を見て、ジャム解除作業を行う。また、特許文献2に記載の画像形成装置では、装置本体と着脱可能で無線通信可能な操作パネルに撮像手段を設け、操作パネルが装着されていない状態で、撮像手段によりエラーの発生場所が撮影されると、撮像手段で撮影されて表示されている映像においてそのエラーの発生場所を破線などで表示させ、また表示されている映像に、操作の案内を示す画像を合成して表示することにより、オペレータの操作性をより高めることにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-143141号公報
【特許文献2】特開2012-096448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、複数のシート検知センサーによりそれぞれの箇所のジャムが検知される場合、各箇所を撮影するそれぞれのカメラを設ける必要があり、構成が複雑化する。また、特許文献2では、撮像手段で撮影されて表示部に表示されている映像においてエラーの発生場所を破線などで表示させているが、ユーザーは、表示部に表示される画像を見ても、実際の装置におけるエラー発生場所を直ちに理解できないことがある。画像形成装置の内部には多くの部品が設けられているので、予備知識が全くない又はエラー対処の経験がないようなユーザーは、映像におけるエラーの発生場所と実際のエラー発生場所を繰り返し見比べて確認する必要がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、光を装置の操作されるべき操作部位に照射して、この操作箇所を速やかに知らせることで、ユーザーが、装置における実際のエラー発生場所を直ちに理解可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る装置の操作案内システムは、本体装置と、本体装置に着脱自在に設けられた携帯端末装置と、を備え、前記本体装置は、前記携帯端末装置との間でデータ通信を行う第1通信部と、前記本体装置の操作部位を判定して、前記本体装置の操作部位の画像を前記第1通信部から前記携帯端末装置へと送信させる第1制御部と、を備え、前記携帯端末装置は、前記本体装置との間でデータ通信を行う前記第2通信部と、撮像部と、前記撮像部により撮像された撮像画像を表示する表示部と、光を前記撮像部の撮像範囲に出射する光出射部と、前記本体装置の操作部位の画像が前記第2通信部で受信されると、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれるか否かを判定し、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれると判定した場合に、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させる第2制御部と、を備えるものである。
【0007】
本発明の他の一局面に係る装置の操作案内システムは、本体装置と、本体装置に着脱自在に設けられた携帯端末装置と、を備え、前記本体装置は、前記携帯端末装置との間でデータ通信を行う第1通信部と、前記本体装置の操作部位を判定して、前記本体装置の操作部位の画像を前記第1通信部から前記携帯端末装置へと送信させる第1制御部と、を備え、前記携帯端末装置は、前記本体装置との間でデータ通信を行う前記第2通信部と、撮像部と、前記撮像部により撮像された撮像画像を表示する表示部と、光を前記撮像部の撮像範囲に出射する光出射部とを備え、前記本体装置の前記第1制御部は、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれるか否かを判定し、前記本体装置の操作部位の画像が前記撮像部により撮像された撮像画像に含まれると判定した場合に、前記光出射部から前記本体装置の操作部位へと光を出射させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光を装置の操作されるべき装置の実際の操作部位に照射して操作すべき箇所を速やかに知らせることで、ユーザーが、装置における実際のエラー発生場所を直ちに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明にかかる一実施形態の装置の操作案内システムにおける画像形成装置及び携帯端末装置を示す図であり、画像形成装置についてはその断面を示している。
【
図2】本実施形態の画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】(A)は携帯端末装置を表側から見て示す斜視図であり、(B)は携帯端末装置を裏側から見て示す斜視図である。
【
図4】画像形成装置及び携帯端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】各種のエラー毎に、エラー、該エラーを解消するために操作される1又は複数の操作部位の画像、及び1又は複数の操作部位の操作順序を対応付けてなるデータテーブルを概念的に示す図である。
【
図6】各操作部位、及び該各操作部位の操作手順を示すそれぞれの操作案内情報を対応付けてなるデータテーブルを概念的に示す図である。
【
図7】携帯端末装置の光出射部の光を、エラーを解消するために操作すべき画像形成装置の操作部位に照射させ、エラーを解消するための操作案内情報を携帯端末装置の表示部に表示させるための制御手順を示すフローチャートである。
【
図8】携帯端末装置の撮像カメラにより撮像されて表示部に表示された撮像画像を示す図である。
【
図9】携帯端末装置の撮像カメラにより撮像されて表示部に表示された操作部位の画像を示す図である。
【
図10】レーザー光が現実に存在する画像形成装置の操作部位部分を照射する状態を示す図である。
【
図11】携帯端末装置の表示部に表示されたメッセージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる一実施形態の装置の操作案内システムにおける画像形成装置及び携帯端末装置を示す図であり、画像形成装置についてはその断面を示している。また、
図2は、本実施形態の画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように本実施形態の装置の操作案内システムSyは、画像形成装置10と、携帯端末装置30とを備える。操作案内システムSyは、携帯端末装置30を画像形成装置10に着脱自在に設け、画像形成装置10と携帯端末装置30の間を無線通信で接続する。なお、画像形成装置10が特許請求の範囲における本体装置に対応し、また携帯端末装置30が特許請求の範囲における携帯端末装置に対応する。
【0012】
画像形成装置10には、画像読取部11及び画像形成部12が設けられている。画像読取部11は、原稿の画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子の出力が原稿の画像を示す画像データが変換される。
【0013】
画像形成部12は、上記画像データによって示される画像を記録紙に印刷するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写される。
【0014】
この後、定着装置15で記録紙Pが加熱及び加圧されて、記録紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙Pが排出ローラー16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0015】
また、携帯端末装置30は、
図3(A)、(B)に示すように平板状の本体筐体32を有し、本体筐体32の表面に表示部31が設けられ、本体筐体32の裏面に撮像カメラ35及び光出射部36が設けられている。
【0016】
図4は、装置の操作案内システムSyにおける画像形成装置10及び携帯端末装置30の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12と、表示部21と、操作部22と、タッチパネル23と、近距離通信部24と、画像メモリー25と、複数のセンサー26と、記憶部27と、制御ユニット28とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0018】
操作部22は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。操作部22は、各キーの操作似応じて各種の指示を受け付ける。
【0019】
表示部21は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0020】
表示部21の画面には、タッチパネル23が配置されている。タッチパネル23は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル23に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット28の後述する制御部29に出力する。
【0021】
近距離通信部24は、例えばブルートゥース・ローエネルギー(Bluetooth Low Energy(BLE)、Bluetooth:登録商標)に基づく近距離通信により携帯端末装置30との間でデータ通信を行う。
【0022】
画像メモリー25は、画像読取部11により読取られた原稿の画像を示す画像データを一時的に記憶する。
【0023】
記憶部27は、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0024】
複数のセンサー26は、画像形成装置10の様々な箇所に設けられて、それぞれの箇所の予め設定されたエラーを検出し、それぞれの検出結果を後で述べる制御部29に出力する。例えば、各センサー26の1つは、光センサーからなり、給紙部14の給紙カセットの空の状態を検出する。また、各センサー26の別の1つは、光センサーからなり、搬送路8に発生した記録紙Pの詰まり(ジャム)を検出する。
【0025】
制御ユニット28は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット28は、上記のROM又は記憶部27に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部29として機能する。
【0026】
制御部29は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御ユニット28は、画像読取部11、画像形成部12、表示部21、操作部22、タッチパネル23、近距離通信部24、画像メモリー25、複数のセンサー26、及び記憶部27などと接続されている。制御部29は、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0027】
制御部29は、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部29は、タッチパネル23から出力される検知信号あるいは操作部22の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受け付ける。更に、制御部29は、表示部21の表示動作や近距離通信部24の通信動作を制御する機能を有する。
【0028】
また、制御部29は、複数のセンサー26の検出出力に基づき、給紙部14の給紙カセットの空の状態、搬送路8に発生したジャムなどを判定する。
【0029】
また、携帯端末装置30は、表示部31と、タッチパネル33と、近距離通信部34と、撮像カメラ35と、光出射部36と、記憶部37と、制御ユニット38とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0030】
表示部31は、周知の可撓性を有する液晶ディスプレイ(LCD)又は有機EL(OLED)ディスプレイなどから構成され、
図3(A)に示すように本体筐体32の表面に設けられている。
【0031】
タッチパネル33は、周知の可撓性を有するタッチパネルであって、折り曲げ可能である。タッチパネル33は、表示部31の画面に配置され、該タッチパネル33に対するユーザーの指先などの接触(タッチ)をその接触位置と共に検知し、表示部31の画面に対するユーザーの指示を入力する。
【0032】
近距離通信部34は、例えばブルートゥース・ローエネルギーに基づく通信機器であって、近距離通信により画像形成装置10との間でデータ通信を行う。
【0033】
撮像カメラ35は、例えばCCD等を備え、
図3(B)に示すように本体筐体32の裏面に設けられ、本体筐体32の裏面側から、これに対して対向する物体を撮像する。
【0034】
光出射部36は、レーザーダイオード等を備え、
図3(B)に示すように本体筐体32の裏面側に設けられ、レーザー光Lを撮像カメラ35の撮像範囲の中心に沿って直線的に出射する。
【0035】
記憶部37は、RAM、ROMなどのメモリー記憶デバイスであり、各種のアプリケーションプログラムや種々の情報等を記憶している。
【0036】
制御ユニット38は、プロセッサー、RAM、及びROM等から構成される。プロセッサーは、例えばCPU、ASIC、又はMPU等である。制御ユニット38は、上記のROM又は記憶部37に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部39として機能する。
【0037】
制御ユニット38は、表示部31、タッチパネル33、近距離通信部34、撮像カメラ35、光出射部36、及び記憶部37などと接続されている。制御部39は、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0038】
制御部39は、種々の処理を実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部39は、表示部31の表示動作を制御する機能、近距離通信部34の通信動作を制御する機能を有する。また、制御部39は、タッチパネル33の検出出力に基づき表示部31の画面に対するタッチ操作を判定すると共に該タッチ操作により指定された表示部31の画面の位置を判定する。
【0039】
ここで、画像形成装置10において何らかのエラーが生じた場合は、ユーザーがそのエラーに対処する。しかしながら、画像形成装置10は、複雑な構造を有し、多くの部品で構成されているので、予備知識がない又はエラー対処の経験がないようなユーザーは、困難な作業を強いられる。
【0040】
そこで、本実施形態の装置の操作案内システムSyでは、画像形成装置10の制御部29は、画像形成装置10に何らかのエラーが生じた場合に、エラーを解消するために操作される該画像形成装置10の操作部位を特定して、当該操作部位の画像を選択して、画像形成装置10の操作部位の画像を、近距離通信部24から携帯端末装置30へと送信する。
【0041】
携帯端末装置30の制御部39は、近距離通信部34で受信された操作部位の画像を取得し、撮像カメラ35により撮像された撮像画像を表示部31の画面に表示させ、パターンマッチング技術等により、撮像カメラ35により撮像された撮像画像の中に、近距離通信部34で受信された操作部位の画像と予め定められた同一性(例えば、80%)を有する画像が存在するか、すなわち、当該撮像画像に操作部位の画像が含まれるかを判定する。制御部39は、当該撮像画像に操作部位の画像が含まれると判定した場合に、表示部31の画面中央にその操作部位の画像を表示させるために移動が必要な撮像カメラ35の移動方向を判定して、この移動方向を示す画像を表示部31の画面に表示させる。
【0042】
ここで、撮像カメラ35は、本体筐体32の裏面側に設けられた撮影口内に配置された撮影レンズの水平方向真正面に存在する被写体が、撮像領域(ここでは、当該撮像領域は、表示部21の表示画面の表示領域と同一に設定されている)の中心に位置するように撮像するように設定されている。制御部39は、撮像カメラ35の撮像領域におけるその中心位置を示す第1座標位置と、操作部位が撮像されて表示されている撮像領域(表示領域)における第2座標位置(操作部位の予め定められた中心位置とすることが好ましい)との差分に基づいて、第2座標位置を第1座標位置に一致させるために必要な移動量及び移動方向(第1座標位置に対する第1座標位置のずれ量及びずれ方向)を算出することで、上記移動方向を判定する。
【0043】
ユーザーは、表示部31の画面に表示されている撮像画像及びその移動方向を参考にして、画像形成装置10に対する携帯端末装置30の位置及び向きを変更して撮像カメラ35による撮像領域を変更し、撮像カメラ35により画像形成装置10の操作部位を撮像させ、この撮像された操作部位の画像を表示部31の表示画面の中央に表示させる。
【0044】
ここで、光出射部36は、レーザー光Lを撮像カメラ35の撮像範囲の中心に沿って直線的に出射して、撮像カメラ35の上記撮影レンズの水平方向真正面に存在する被写体に対して光を照射するように光出射部36の本体筐体32における配設位置及び出射方向が固定されている。なお、光出射部36により照射される範囲を拡げる場合には、レーザーダイオードを複数設けて、照射される領域を拡大させる。
【0045】
携帯端末装置30の制御部39は、光出射部36から上記操作部位へとレーザー光Lを出射させ、またエラーを解消するための操作案内情報を示す画像を表示部31に表示させる。
【0046】
これにより、ユーザーは、レーザー光Lが照射された画像形成装置10の部分、すなわち操作部位を、確実かつ速やかに知り、表示部31に表示されている操作案内情報を見て、エラーを解消するための操作を適確に行うことができる。表示部21に画像として上記操作部位が表示されていても、ユーザーは、表示部21の表示画面に表示された画像での操作部位しか確認できないため、現実に物理的に存在する画像形成装置10及びその内部における機械的部位そのものを確認しにくい。これは、表示部21の表示画面に表示された画像で操作部位を確認した後、視線を当該表示画面からずらして、現物の画像形成装置10そのものにおいて、先に表示画面で確認した操作部位の場所がどこであるかを再度自身で特定しなければならないためである。この点、本実施形態では、レーザー光Lが現物の画像形成装置10における操作部位を照射するため、ユーザーは、視線を上記表示画面からずらして、現物の画像形成装置10に向けた後、即座に操作部位の場所を知ることができる。
【0047】
なお、光出射部36及び撮像カメラ35の構成は、上述した構成に限定されず、例えば、以下の構成を採ってもよい。例えば、光出射部36は、そのレーザー出射方向を自在に変更可能となるように、上下左右のあらゆる方向に、本体筐体32に対する光出射部36の向きを変更する可動機構により本体筐体32に設けられている。そして、携帯端末装置30の制御部39は、撮像カメラ35が撮像した撮像領域(撮像画像)において操作部位を示す画像が存在する座標位置を特定し、携帯端末装置30及び撮像カメラ35がこの位置及び向きにある状態において、光出射部36が現物の画像形成装置10における操作部位の位置を照射する光出射部36のレーザー出射方向を決定する。制御部39は、上記可動機構を駆動制御して、光出射部36の向きを、レーザー出射方向が上記決定したレーザー出射方向となるように変更した上で、光出射部36にレーザー出射を行わせる。すなわち、制御部39は、撮像カメラ35が撮像した撮像領域(撮像画像)における操作部位を示す画像が存在する座標位置と、当該座標位置にある操作部位に対してレーザーを照射できるレーザー出射方向となる光出射部36の向きを記憶しており、撮像領域における操作部位を示す画像が存在する座標位置に対応付けられた向きを光出射部36の向きを変更させる。
【0048】
上記のようなユーザーの操作を支援するために、画像形成装置10の記憶部27には、
図5に例を示すように複数のセンサー26により検出される各種のエラー毎に、該エラーを解消するために操作される1つ又は複数の操作部位の画像と、1つ又は複数の操作部位の操作順序とを対応付けてなるデータテーブルDT1が予め記憶されている。例えば、操作部位の画像は、画像形成装置10の給紙カセットの画像、画像形成装置10の開閉される扉の画像、画像形成装置10の内部の操作レバーの画像である。また、1つのエラーを解消するために複数の操作部位を順次操作することがあるので、各操作部位の操作順序が記憶されている。
【0049】
また、携帯端末装置30の記憶部37には、
図6に例を示すような各操作部位、及び該各操作部位の操作手順を示すそれぞれの操作案内情報を対応付けてなるデータテーブルDT2が予め記憶されている。例えば、操作案内情報は、給紙カセット、操作レバーなど操作手順、操作方法などを示すテキスト、イラスト、動画である。
【0050】
次に、装置の操作案内システムSyにおいて、上記のように携帯端末装置30の光出射部36のレーザー光Lを、エラーを解消するために操作すべき画像形成装置10の操作部位に照射させ、エラーを解消するための操作案内情報を携帯端末装置30の表示部31に表示させるための制御手順を、
図7に示すフローチャートなどを参照して説明する。
【0051】
画像形成装置10の制御部29は、該画像形成装置10にエラーが生じると、いずれかのセンサー26の検出出力に基づきエラーの発生及びエラーの内容を判定し(S201)、携帯端末装置30による操作案内の機能を示すアイコンを表示部21の画面に表示させる(S202)。ユーザーが表示部21の画面上の当該アイコンにタッチ操作すると、制御部29は、当該タッチ操作に対応する案内表示指示を、タッチパネル23を通じて受け付け、この指示に従って、携帯端末装置30による操作案内の機能を利用する方法を表示部21の画面に表示させる(S203)。この方法は、テキスト、イラスト、動画などにより表示される。
【0052】
ユーザーは、画像形成装置10の表示部21の画面に表示された携帯端末装置30による操作案内の機能を利用する方法を見て、携帯端末装置30を画像形成装置10から取り外し、携帯端末装置30の撮像カメラ35による画像形成装置10の撮像を開始させる(S101)。携帯端末装置30の制御部39は、撮像カメラ35を制御して、この撮像カメラ35により撮像された撮像画像Qbを表示部31に表示させる(S103)。
【0053】
また、画像形成装置10の制御部29は、S201で判定されたエラーを解消するために操作される1つ又は複数の操作部位の画像Qsと、1つ又は複数の操作部位の操作順序を、記憶部27に記憶されている
図5に示すデータテーブルDT1から読み出し、この読み出された1つ又は複数の操作部位の画像Qsと、1つ又は複数の操作部位の操作順序を示す制御信号とを、近距離通信部24から携帯端末装置30へと送信させる(S204)。
【0054】
携帯端末装置30では、そのエラーを解消するために操作される1つ又は複数の操作部位の画像Qsと、1つ又は複数の操作部位の操作順序を示す制御信号とが近距離通信部34で受信されると(S104)、制御部39は、1つ又は複数の操作部位の操作順序に応じて、最初の操作順序の操作部位の画像Qsを選択する(S105)。
【0055】
そして、携帯端末装置30の制御部39は、既知のパターンマッチング技術により、S105で選択された操作部位の画像Qsが、表示部31の画面に表示されている撮像画像Qbに含まれるか否かを判定する(S106)。
【0056】
携帯端末装置30の制御部39は、S105で選択された操作部位の画像Qsが表示部31の画面に表示されている撮像画像Qbに含まれないと判定した場合(S106「No」)、操作されるべき操作部位が表示部31の画面に表示されていないことから、撮像カメラ35による撮影範囲が適確でない旨を示すエラーメッセージを表示部31に表示させる(S107)。この後、S106に戻る。この場合、ユーザーは、携帯端末装置30を取りまわして、撮像カメラ35による撮像範囲を適宜変更する。
【0057】
また、制御部39は、S105で選択された操作部位の画像Qsが表示部31の画面に表示されている撮像画像Qbに含まれると判定すると(S106「Yes」)、表示部31の画面の中心位置p(第1座標位置)に対する操作部位の画像Qsの中心位置q(第2座標位置)のずれ量及びずれ方向を判定する(S108)。なお、表示部31の画面の中心位置pは、例えば画面の縦幅の1/2の位置を通る横線と横幅の1/2の位置を通る縦線の交点の位置である。また、操作部位の画像Qsの中心位置qは、例えば画像Qsの縦幅の1/2の位置を通る横線と横幅の1/2の位置を通る縦線の交点の位置である。
【0058】
携帯端末装置30の制御部39は、S108で判定された表示部31の画面の中心位置pに対する操作部位の画像Qsの中心位置qのずれ量に基づき、操作部位の画像Qsの中心位置qが、表示部31の画面の中心位置p周りの予め設定された目標範囲Mに入るか否かを判定する(S109)。なお、「中心位置qが目標範囲Mに入る」は、上述した「第2座標位置が第1座標位置に一致する」の一例である。
【0059】
制御部39は、操作部位の画像Qsの中心位置qが目標範囲Mに入らないと判定すると(S109「No」)、S108で判定された表示部31の画面の中心位置pに対する操作部位の画像Qsの中心位置qのずれ方向を、その表示されている操作部位の画像Qsの移動方向として、この移動方向を表示部31に表示させ、またその移動方向への撮像カメラ35の撮像範囲の変更を促す旨のメッセージを表示部31に表示させる(S110)。この後、処理はS106に戻り、制御部39は、S105で選択された操作部位の画像Qsが、表示部31の画面に表示されている撮像画像Qbに含まれると判定するまで(S106「NO」)、再度S108~S110の処理を繰り返す。
【0060】
例えば、データテーブルDT1におけるエラーAが発生して、
図2に示す給紙カセット18のみが操作部位であって、給紙カセット18の操作順序が最初である場合に、給紙カセット18が撮像カメラ35により撮像され、
図8に示すように給紙カセット18の画像Qsが、撮像カメラ35により撮像されて表示部31に表示される撮像画像Qbに含まれている状態で、表示部31の画面の中心位置pから給紙カセット18の画像Qsの中心位置qへのずれ方向が判定され、この判定されたずれ方向を移動方向として示す矢印Yが表示部31に表示され、その移動方向への撮像カメラ35の撮像範囲の変更を促す旨のメッセージE1が表示部31に表示される。ユーザーは、メッセージE1を見て、画像形成装置10に対する携帯端末装置30の位置を変更して、携帯端末装置30の撮像カメラ35の撮像範囲を矢印Yの移動方向に変更させる。
【0061】
これにより、ユーザーは、S105で選択された操作部位を撮像カメラ35による撮影範囲に入れて、撮像カメラ35により撮像されて表示部31に表示されている操作部位の画像Qsの中心位置qを表示部31の画面の中心位置p周りの目標範囲Mに移動させて入れることができる。
【0062】
例えば、
図9に示すように撮像カメラ35により撮像された給紙カセット18の画像Qsの中心位置qが、表示部31の画面の中心位置p周りの目標範囲Mに移動して入る。
【0063】
このとき、携帯端末装置30の制御部39は、撮像カメラ35により撮像された給紙カセット18の画像Qsの中心位置qが表示部31の画面の中心位置p周りの目標範囲Mに入ると判定し(S109「Yes」)、光出射部36からレーザー光Lを出射させ、またその操作部位に対応付けられている操作案内情報を、記憶部37に記憶されている
図6に示すデータテーブルDT2から読み出して、この操作案内情報を表示部31の画面に表示させる(S111)。
【0064】
例えば、給紙カセット18に対応付けられている操作案内情報がデータテーブルDT2から読み出されて、
図9に示すような操作案内情報が表示部31の画面に表示される。この操作案内情報は、S201で判定されたエラーを解消するために操作される給紙カセット18の操作手順、操作方法を示すものである。また、表示部31の画面には、OKキーK11も表示される。
【0065】
上記のように光出射部36は、レーザー光Lを撮像カメラ35の撮像範囲の中心に向けて出射する。このため、撮像カメラ35により撮像された給紙カセット18の画像Qsの中心位置qが、表示部31の画面の中心位置p周りの目標範囲Mに入る状態では、
図10に示すように、レーザー光Lが、現実に存在する画像形成装置10の操作部位部分であって、給紙カセット18の画像Qsの中心位置qに相当する位置q1を含む領域TPに照射される。
【0066】
これにより、ユーザーは、視線を上記表示画面からずらした後、レーザー光Lが照射された画像形成装置10の操作部位を領域TPにより直視で確認して確実かつ速やかに知ることができる。更には、ユーザーは、表示部31に表示されている操作案内情報を見て、エラーを解消するための操作を適確に行うことができる。ユーザーは、エラーが解消されると、表示部31の画面に表示されているOKキーK11にタッチ操作する。制御部39は、このタッチ操作に対応付けられた完了指示の入力を受け付ける。
【0067】
携帯端末装置30の制御部39は、当該完了指示の入力を待機しており(S112「No」)、当該完了指示を受け付けたとき(S112「Yes」)、S101で受信された1つ又は複数の操作部位の全てが操作されたか否かを判定する(S113)。制御部39は、1つ又は複数の操作部位の全てが操作されたと判定したときは(S113「Yes」)、操作の完了を示す制御信号を近距離通信部34から送信させる(S115)。この後、
図7に示す制御手順を終了する。
【0068】
画像形成装置10では、操作の完了を示す制御信号が近距離通信部24で受信されると、制御部29は、
図11に例を示すような携帯端末装置30を画像形成装置10に戻して装着することを促す旨のメッセージE2を表示部21の画面に表示させる(S205)。この後、
図7に示す制御手順を終了する。
【0069】
一方、S113において、携帯端末装置30の制御部39は、1つ又は複数の操作部位の全てが操作されていないと判断したときは(S113「No」)、次の操作順序の操作部位の画像を選択して(S114)、1つ又は複数の操作部位の全てが操作されるまで、S106からの処理を繰り返す。そして、携帯端末装置30の制御部39は、1つ又は複数の操作部位の全てが操作されたと判定したときに(S113「Yes」)、操作の完了を示す制御信号を近距離通信部34から送信する(S115)。この後、
図7に示す制御手順を終了する。
【0070】
例えば、データテーブルDT1におけるエラーBについては、
図2に示す扉19、第1レバー(図略)、第2レバー(図略)という操作部位、扉19、第1レバー、及び第2レバーという操作順序が設定されており、扉19が開かれ、装置内部の第1レバーが操作され、最後に装置内部の第2レバーが操作される。この場合、扉19の画像Qs、第1レバーの画像Qs、及び第2レバーの画像Qsと、扉19、第1レバー、及び第2レバーの操作順序が画像形成装置10から携帯端末装置30へと送信される。携帯端末装置30では、最初の操作順序の扉19の画像QsについてS106~S114の処理が行われ、次の操作順序の第1レバーの画像QsについてS106~S114の処理が行われ、最後の操作順序の第2レバーの画像QsについてS106~S113、S115の処理が行われ、これによりエラーBが解消され、操作の完了を示す制御信号が携帯端末装置30から画像形成装置10へと送信される。
【0071】
ユーザーは、操作が必要な操作部位ごとに、携帯端末装置30を取りまわして、撮像カメラ35により操作部位を撮像させ、各操作部位に照射されるレーザー光Lを視認することで、現実の画像形成装置10における各操作部位の位置を把握する。
【0072】
このように本実施形態では、撮像カメラ35により撮像された撮像画像Qbが表示部31の画面に表示され、撮像画像Qbに操作部位の画像Qsが含まれる場合に、表示部31の画面の中心位置pから操作部位の画像Qsの中心位置qへの移動方向が判定されて表示部31の画面に表示される。そして、ユーザーにより撮像カメラ35の向きがその移動方向に変更され、撮像カメラ35により撮像された操作部位の画像Qsの中心位置qが表示部31の画面の中心位置p周りの目標範囲Mに入ると、光出射部36のレーザー光Lがその操作部位へと出射され、またエラーを解消するための操作案内情報が表示部31に表示される。これにより、ユーザーは、レーザー光Lが照射された画像形成装置10の操作部位を確実かつ速やかに知り、表示部31に表示されている操作案内情報を見て、エラーを解消するための操作を適確に行うことができる。
【0073】
なお、携帯端末装置30に、音又は振動を発生するスピーカー又はバイブ機構からなる報知部を更に設けてもよい。携帯端末装置30の制御部39は、光出射部36のレーザー光Lを操作部位へと出射させるときに、その報知部を起動させて、音又は振動を発生させる。ユーザーは、報知部による発生された音又は振動を感知して、レーザー光Lが操作部位に照射されたことを知る。
【0074】
また、画像形成装置10における上記領域TPの周辺に、テキスト、イラスト、動画からなる操作案内情報を投影する投影装置を携帯端末装置30に設けてもよい。携帯端末装置30の制御部39は、光出射部36のレーザー光Lを操作部位へと出射させるときに、その操作部位に対応付けられている操作案内情報を
図6に示すデータテーブルDT2から読み出して、この操作案内情報を表示部31の画面に表示させると共に、この操作案内情報を投影装置から画像形成装置10の操作部位の周辺に投影させる。ユーザーは、レーザー光Lが照射されている操作部位を確認できると同時に、投影された操作案内情報を操作部位の周辺で直視できる。また、制御部39は、当該操作案内情報に代えて、矢印のマーク等を示すような画像を投影装置に投影させても構わない。
【0075】
また、上記実施形態では、携帯端末装置30が制御部39を備え、
図7に示した、光出射部36のレーザー光Lを画像形成装置10の操作部位に照射させ、エラーを解消するための操作案内情報を表示部31に表示させるための処理を実行するものとしているが、画像形成装置10の制御部29が、携帯端末装置30の制御部39が担当する当該処理を行うようにしてもよい。この場合、携帯端末装置30には制御部39を設けないか、或いは、制御部39は、画像形成装置10の制御部29からの指示に従って各機構を動作させる処理を行う。
【0076】
なお、この構成を採る場合は、画像形成装置10の表示部21を画像形成装置10の装置本体から取り外し自在に構成して、表示部21が、タッチパネル33(タッチパネル23でもよい)、近距離通信部34、撮像カメラ35、及び光出射部36と、必要であれば、記憶部37及び制御ユニット38を備えるようにすることで、表示部21を、携帯端末装置30と同等に機能させることが可能である。
【0077】
また、
図1乃至
図11を用いて説明した上記実施形態の構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0078】
10 画像形成装置
12 画像読取部
11 画像形成部
21、31 表示部
22 操作部
23、33 タッチパネル
24、34 近距離通信部
25 画像メモリー
26 複数のセンサー
27、37 記憶部
28、38 制御ユニット
29、39 制御部
30 携帯端末装置
35 撮像カメラ
36 光出射部