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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157998
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】接合品、および接合品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 35/04 20060101AFI20241031BHJP
   F16B 11/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F16B35/04 Z
F16B11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072744
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】390038069
【氏名又は名称】株式会社青山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(74)【代理人】
【識別番号】100126170
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 義之
(72)【発明者】
【氏名】小島 剛
【テーマコード(参考)】
3J023
【Fターム(参考)】
3J023EA10
3J023FA02
3J023GA02
(57)【要約】
【課題】熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、樹脂板または金属板に対して締結部品を強固に固定し得る技術を提供する。
【解決手段】接合品100は、挿通孔12を備えた接合対象板11(樹脂板または金属板)に接合される環状の金属エレメント21と、締結部材31とを有する。接合品100は、挿通孔12に金属エレメント21が挿し通された状態且つ金属エレメント21に締結部材31が挿し通された状態で金属エレメント21が圧縮されて金属エレメント21の外径が増大し且つ内径が縮小することにより、金属エレメント21が挿通孔12の内面に接合し締結部材31に連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿通孔を備えた樹脂板または金属板に接合される環状の金属エレメントを有する接合品であって、
締結部材を有し、
前記挿通孔に前記金属エレメントが挿し通された状態且つ前記金属エレメントに前記締結部材が挿し通された状態で前記金属エレメントが圧縮されて前記金属エレメントの外径が増大し且つ内径が縮小することにより、前記金属エレメントが前記挿通孔の内面に接合し前記締結部材に連結されていることを特徴とする接合品。
【請求項2】
前記締結部材は、前記金属エレメントに挿し通される軸部を有し、
前記軸部における前記金属エレメントから外れた領域の少なくとも一部に、雄ねじ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の接合品。
【請求項3】
前記締結部材には、溝部が形成されており、
前記挿通孔に前記金属エレメントが挿し通された状態且つ前記金属エレメントの端部が前記溝部内に入り込んだ状態で前記金属エレメントが圧縮されて前記金属エレメントの外径が増大し且つ内径が縮小することにより、前記金属エレメントが前記挿通孔の内面に接合し前記締結部材に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の接合品。
【請求項4】
挿通孔を備えた樹脂板または金属板に環状の金属エレメント及び締結部材が接合される接合品を製造する製造方法であって、
前記挿通孔に前記金属エレメントが挿し通された状態且つ前記金属エレメントに前記締結部材が挿し通された状態で前記金属エレメントを圧縮し、前記金属エレメントの外径を増大させ且つ内径を縮小させることにより、前記金属エレメントを前記挿通孔の内面に接合させ前記締結部材に連結させることを特徴とする接合品の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合品、および接合品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、締結部材の一例として頭部と、ねじ軸部と、これらの間に位置する中鍔部とから成るスタッドボルトが例示され、このスタッドボルトを相手材に設けられた下穴に固定する固定方法が開示される。この固定方法は、スタッドボルトの中鍔部を相手材の下穴内部に圧入するとともに、スタッドボルトの頭部を相手材の下穴から突出させた状態で当該頭部を押圧して扁平させることにより、頭部と中鍔部で相手材を挟持するようにしてスタッドボルトを相手材に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-058074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る技術は、締結部材そのものを大きく変形させることを必須とする技術であり、締結部材に大きな制約が課せられてしまう技術である。一方、締結部材を大きく変形させない形で接合する方法としては、熱源や接着溶剤などを用いて接合する方法が挙げられるが、この方法では、熱源や接着溶剤を用いることによる不利益が懸念され、例えば、熱源や接着溶剤が接合対象となる金属板や樹脂板に影響を及ぼす虞がある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の接合品に関する問題点を解消し、熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、樹脂板または金属板に対して締結部品を強固に固定し得る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、挿通孔を備えた樹脂板または金属板に接合される環状の金属エレメントを有する接合品であって、締結部材を有しており、前記挿通孔に前記金属エレメントが挿し通された状態且つ前記金属エレメントに前記締結部材が挿し通された状態で前記金属エレメントが圧縮されて前記金属エレメントの外径が増大し且つ内径が縮小することにより、前記金属エレメントが前記挿通孔の内面に接合し前記締結部材に連結されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記締結部材が、前記金属エレメントに挿し通される軸部を有し、前記軸部における前記金属エレメントから外れた領域の少なくとも一部に、雄ねじ部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記締結部材には、溝部が形成されており、前記挿通孔に前記金属エレメントが挿し通された状態且つ前記金属エレメントの端部が前記溝部内に入り込んだ状態で前記金属エレメントが圧縮されて前記金属エレメントの外径が増大し且つ内径が縮小することにより、前記金属エレメントが前記挿通孔の内面に接合し前記締結部材に連結されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載された発明は、挿通孔を備えた樹脂板または金属板に環状の金属エレメント及び締結部材が接合される接合品を製造する製造方法であって、前記挿通孔に前記金属エレメントが挿し通された状態且つ前記金属エレメントに前記締結部材が挿し通された状態で前記金属エレメントを圧縮し、前記金属エレメントの外径を増大させ且つ内径を縮小させることにより、前記金属エレメントを前記挿通孔の内面に接合させ前記締結部材に連結させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の接合品は、圧縮による金属エレメントの塑性変形を生かして締結部材を固定することができるため、熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、樹脂板または金属板に対して締結部材を接合することができる。特に、上記接合品は、挿通孔に金属エレメントが挿し通された状態で金属エレメントにおいて外径を増大させる塑性変形がなされたものであるため、金属エレメントの外周部が挿通孔の内周部に対して強く密着しやすく、熱源や接着溶剤などの使用が低減又は不要とされても、樹脂板または金属板と金属エレメントの接合が強固に維持されやすい。更に、金属エレメントに締結部材が挿し通された状態で金属エレメントの内径を縮小させる塑性変形がなされたものであるため、金属エレメントの内周部が締結部材に対して強く密着しやすく、熱源や接着溶剤などの使用が低減又は不要とされても、金属エレメントと締結部材の連結が強固に維持されやすい。
【0011】
請求項2に記載の接合品は、熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、雄ねじ部を有する締結部材を樹脂板または金属板と一体化させることができる。特に、上記接合品は、金属エレメントに軸部が挿し通された状態での塑性変形によって金属エレメントの内径が縮小し、軸部が締め付けられた構造であるため、金属エレメントと軸部を強固に接合することができる。更に、締結部材の軸部における金属エレメントから外れた領域、即ち、金属エレメントとの接合に寄与しない領域に雄ねじ部を設けることができるため、締結部材を樹脂板または金属板と一体的に構成しつつ、その一体物において雄ねじ部を好適に設けることができる。
【0012】
請求項3に記載の接合品は、金属エレメントが圧縮されることによる溝部内での塑性変形によって金属エレメントと締結部材とが接合されるため、溝部内に配置された締結部材の一部と溝部との接合が強固に維持されやすい。更に、溝部を形成できる締結部品であれば熱源や接着溶剤などを抑えた接合を実現できるというメリットもある。
【0013】
請求項4に記載の製造方法によれば、圧縮による金属エレメントの塑性変形を生かして締結部材を固定することができるため、熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、樹脂板または金属板に対して締結部材を接合するように接合品を製造することができる。この製造方法は、挿通孔に金属エレメントを挿し通した状態で金属エレメントの外径を増大させるように塑性変形させるため、金属エレメントの外周部を挿通孔の内周部に対して強く密着させ続けることができ、樹脂板または金属板と金属エレメントの接合が強固に維持されやすい。更に、上記製造方法では、金属エレメントに締結部材が挿し通された状態で金属エレメントの内径を縮小させるように塑性変形させるため、金属エレメントの内周部を締結部材に対して強く密着させ続けることができ、金属エレメントと締結部材の連結が強固に維持されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る接合品を示す説明図である。
図2】金属エレメントを示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図であり、cはbにおけるA-A線断面の一部(左側の部分)の拡大図である)。
図3】金属エレメント及び締結部材を組み付ける接合対象板を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
図4】第1実施形態に係る接合品を製造する製造方法の準備工程の一例であり、金属エレメント及び締結部材を接合対象板に組み付ける前の状態を例示する説明図である。
図5】第1実施形態に係る接合品を製造する製造方法の配置工程の一例であり、接合対象板及び金属エレメントを下型上に載置し、締結部材を金属エレメント上に載置した状態を示す説明図である。
図6】第1実施形態に係る接合品を製造する製造方法の押圧工程の一例であり、図5のように配置された後に、締結部材を上型によって軸方向下側に押圧した状態を示す説明図である。
図7図1の接合品の使用例を示す説明図である。
図8】接合品の製造方法の変更例1を説明する説明図である。
図9】接合品の製造方法の変更例2における準備工程を説明する説明図である。
図10】接合品の製造方法の変更例2における押圧工程を説明する説明図である。
図11】第2実施形態に係る接合品を示す説明図である。
図12】第2実施形態に係る接合品の製造方法の一工程であり、締結部材を接合対象板に組み付ける前の状態を例示する説明図である。
図13】第2実施形態に係る接合品に用いられる締結部材の詳細を説明する説明図である(aは平面図であり、bはaにおけるB-B線断面図であり、cは斜視図であり、dは、aにおけるB-B線断面の一部を拡大して簡略的に示す拡大図である)。
図14】第2実施形態に係る接合品の製造方法の配置工程の一例であり、接合対象板及び金属エレメントを下型上に載置し、締結部材を金属エレメント上に載置した状態を示す説明図である。
図15】第2実施形態に係る接合品の製造方法の押圧工程の一例であり、図5のように配置された後に、締結部材を上型によって軸方向下側に押圧した状態を示す説明図である。
図16図11の接合品の使用例を示す説明図である。
図17】第2実施形態に係る接合品に用いられる締結部材の変更例を示す説明図(環状溝の設置部位の鉛直断面図)である。
【0015】
<第1実施形態>
1-1.接合品
図1に示される接合品100は、挿通孔を備えた接合対象板11と、環状の金属エレメント21と、締結部材31とが一体化されたものである。接合対象板11は、樹脂板または金属板である。金属エレメント21は、環状の金属体である。締結部材31は、接合対象板11に固定される部材であり、ねじ溝を有する部材であってもよく、ねじ溝を有さない部材であってもよい。接合品100は、後述される図5のように接合対象板11の挿通孔12に金属エレメント21が挿し通された状態且つ金属エレメント21に締結部材31が挿し通された状態で図6のように金属エレメント21が圧縮されて金属エレメント21の外径が増大し且つ内径が縮小することにより、金属エレメント21が挿通孔12の内面に接合し締結部材31に連結されている。なお、製造方法の詳細は後述される。
【0016】
図1の例では、締結部材31は、頭部39、軸部33、フランジ部35、抜け止め部37などを備えたボルトとして構成されている。締結部材31は、偏平な頭部を備えたボルトであってもよく、六角の頭部を備えたボルトであってもよく、その他のボルト、ねじ部材、ピン(例えば、ねじ部を有さないピン)などであってもよい。抜け止め部37は、図1のような構造に限定されず、ねじ又は不完全ねじ部で代用されてもよい。また、図1の例では、抜け止め部37は、後述の回り止め機能及び抜け止め機能をいずれも有しているが、回り止め機能を有さなくてもよい。例えば、抜け止め部37は、ねじ部などにより「脱落せずに締結部材31が回転する状態」で連結されるようになっていてもよい。図1の例では、締結部材31は、公知の金属材料によって構成された六角ボルトである。締結部材31の材質は、金属エレメント21よりも固い材質であることが望ましい。
【0017】
図2には、接合品に用いられる金属エレメント21の代表例が示される。図2に示される形態は、金属エレメント21が圧縮によって塑性変形する前の初期形態である。図2に示される金属エレメント21は、例えば、鉄(具体的には、例えば、ブリネル硬度=約290HBWのもの)によって構成されている。金属エレメント21は、軸中心において貫通孔7が設けられた扁平且つ肉厚な円筒状の構成(すなわち、中空の構成)となっている。図2の例では、貫通孔7の上部および下部の端縁際に、テーパ面8a,8bが形成されている。図2の例では、金属エレメント21の外周の表面に、一定の上下幅の大径部2が形成されており、その大径部2の表面には、アヤメ状の凹凸が形成されている。すなわち、大径部2の表面には、複数の傾斜状の溝G,G・・が所定の間隔で平行に刻設されているとともに、それらの溝G,G・・と直交するように、複数の傾斜状の溝G,G・・が所定の間隔で平行に刻設されている。そして、それらの溝G,G・・と溝G,G・・とで囲まれた部分に、略四角錐台状の突起P,P・・が形成された状態になっている。なお、代表例では、金属エレメント21が鉄によって構成されるが、低炭素鋼やアルミニウムなどの他の金属材料であってもよい。
【0018】
図3には、接合対象板11の代表例が示される。図3に示される接合対象板11は、公知の樹脂材料のみ又は公知の樹脂材料を主体として所定厚さの板状に構成された樹脂板である。代表例の接合対象板11は、例えば、樹脂材料によって構成され、所定厚さの矩形の平板状となっている。接合対象板11の略中央には、金属エレメント21の初期形態の外径よりも大きい内径の平面視円形の挿通孔12が形成されている。挿通孔12は、接合対象板11の一方の板面から他方の板面まで達するように接合対象板11を厚さ方向に貫通した構成で設けられている。接合対象板11が樹脂板として構成される場合、樹脂板を構成する樹脂材料は、CFRP、CFRTPなどの炭素繊維複合樹脂であってもよく、ナイロン系の樹脂などであってもよい。
【0019】
1-2.接合品の製造方法
次の説明は、図1のような接合品100を製造するための製造方法に関する。当該製造方法では、上述された接合対象板11に対し、金属エレメント21を用いて締結部材31を組み付け、接合品100を形成する。
【0020】
この製造方法では、図4のように、上述の締結部材31、金属エレメント21、接合対象板11を用意する。図4では、締結部材31を正面から見た構成が概念的に示され、図2に示される金属エレメント21を軸中心位置で厚さ方向に切断した切断断面が簡略的に示され、図3に示される接合対象板11を挿通孔12の中心位置で厚さ方向に切断した切断面が簡略的に示される。
【0021】
図4のように、締結部材31、金属エレメント21、接合対象板11を用意した後、図5のように、金属エレメント21を接合対象板11の挿通孔12の内部に挿入し、更に、金属エレメント21の貫通孔7の内部に締結部材31の軸部を挿入する。図5の例では、プレス装置の下型65の上面66において孔部67の上端開口部の周囲に金属エレメント21が載置され、その金属エレメント21の周囲に接合対象板11が載置されている。そして、金属エレメント21の貫通孔7と下型65の孔部67が連通し、貫通孔7と孔部67とに軸部33が挿入される構成且つ金属エレメント21上に締結部材31の抜け止め部37が載置される構成で配置される。抜け止め部37は、図6のように連結されたときに金属エレメント21から軸部33が抜けないように金属エレメント21に結合される機能(抜け止め機能)を有する部分である。更に、抜け止め部37は、図6のように連結されたときに金属エレメント21に対して回転しないように金属エレメント21に結合される機能(回り止め機能)も有している。図5の例では、抜け止め部37は、回転防止部37aと離脱防止部37bとを有する。回転防止部37aは、高さが小さい円柱状に構成され、フランジ部35における軸部33側の表面から凸となる形態で段差状に構成されている。回転防止部37aの外周面には、複数の溝37cが周方向に分割された形態で形成され、外周面の表面が凹凸形状をなしている。各々の溝37cは軸部33の軸方向に対して略平行に延びている。図6の連結状態では、複数の溝37cの各溝内に金属エレメント21の一部が入り込んでおり、このような結合状態により金属エレメント21に対する締結部材31の回り止めがなされる。離脱防止部37bは、回転防止部37aと軸部33との間に配置されており、離脱防止部37bの外周面は、軸部33側に近づくにつれて径が大きくなっている。抜け止め部37は、回転防止部37aの軸部33側の面と離脱防止部37bの外周面(テーパ面)とによって構成される周方向の溝37dを有している。図6の連結状態では、周方向の溝37dの溝内に金属エレメント21の一部が入り込んでおり、周方向の溝37dに金属エレメント21が引っ掛かるような結合状態により金属エレメント21に対する締結部材31の抜け止めがなされる。
【0022】
図5の配置状態では、軸部33の外側に金属エレメント21の内周面が配置され、金属エレメント21の外側に挿通孔12の外周面が配置される。このような配置状態で、上型61が下降し、締結部材31の上端を軸方向下側に所定圧力(たとえば、約60kN)で押すように作用する。配置状態では、接合対象板11の厚さ方向及び金属エレメント21の厚さ方向が上下方向であり、締結部材31の軸方向(軸部33が延びる方向)も上下方向である。上型61が締結部材31を下側に押すと、その押圧力を受けた締結部材31において下方向に移動しようとする力が大きくなり、締結部材31のフランジ部35及び抜け止め部37が締結部材31の上端を軸方向下側に強く押すように作用する。すると、軸部33と挿通孔12の間に配置された金属エレメント21が厚さ方向に圧縮される。つまり、挿通孔12に金属エレメント21が挿し通された状態且つ金属エレメント21に締結部材31の軸部33が挿し通された状態で金属エレメント21が厚さ方向に圧縮され、図6のように、金属エレメント21において外径を増大させる変形及び内径を縮小させる変形が生じる。
【0023】
金属エレメント21においてこのような変形が生じると、金属エレメント21の外周面が挿通孔12の内面に強く押し当てられ、金属エレメント21の大径部2の外周に形成された突起P,P・・が接合対象板11の挿通孔12の内周面の中に食い込むとともに、接合対象板11の塑性変形部分が溝G,G・・および溝G,G・・の内部に入り込む。そして、このように拡径した金属エレメント21によって、金属エレメント21の外周と接合対象板11の挿通孔12との隙間が満たされるとともに、大径部2の突起P,P・・が接合対象板11の塑性変形部分の中に食い込み、接合対象板11の塑性変形部分が溝G,G・・および溝G,G・・の内部に入り込むことによって、金属エレメント21は、接合対象板11に強固に接合された状態となる。
【0024】
上型61による押圧時には、金属エレメント21において内径を減少させる変形も生じる。具体的には、抜け止め部37が金属エレメント21の内部に入り込んで接合され、且つ金属エレメント21の内周面が軸部33の外周面に強く押し当てられて接合されるように金属エレメント21の内周面側が変形する。より具体的には、金属エレメント21の内周面側の一部が、回転防止部37aの外周面に形成された各溝37c内に入り込み、周方向の溝37d内にも入り込むように変形する。よって、締結部材31は、各溝37cと金属エレメント21との引っ掛かりによって回り止めがなされ、溝37dと金属エレメント21との引っ掛かりによって抜け止めがなされた形態で金属エレメント21に強固に接合された状態となる。なお、このような押圧工程(上型61によって締結部材31を軸方向下側に押す工程)は、例えば、金属エレメント21の高さが、接合対象板11の厚みと同一になるまで行うようにしてもよい。このような製造方法により、接合対象板11と金属エレメント21と締結部材31とが一体的に接合された接合品100が得られる。
【0025】
1-3.効果の例
接合品100は、圧縮による金属エレメント21の塑性変形を生かして締結部材31を固定することができるため、熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、接合対象板11に対して締結部材31を接合することができる。特に、上記接合品100は、挿通孔12に金属エレメント21が挿し通された状態で金属エレメント21において外径を増大させる塑性変形がなされたものであるため、金属エレメント21の外周部が挿通孔12の内周部に対して強く密着しやすく、熱源や接着溶剤などの使用が低減又は不要とされても、接合対象板11と金属エレメント21の接合が強固に維持されやすい。更に、金属エレメント21に締結部材31が挿し通された状態で金属エレメント21の内径を縮小させる塑性変形がなされたものであるため、金属エレメント21の内周部が締結部材31に対して強く密着しやすく、熱源や接着溶剤などの使用が低減又は不要とされても、金属エレメント21と締結部材31の連結が強固に維持されやすい。
【0026】
接合品100は、熱源や接着溶剤などの使用を低減又は不要としつつ、雄ねじ部を有する締結部材31を接合対象板11と一体化させることができる。特に、接合品100は、金属エレメント21に軸部33が挿し通された状態での塑性変形によって金属エレメント21の内径が縮小し、軸部33が締め付けられた構造であるため、金属エレメント21と軸部33を強固に接合することができる。更に、締結部材31の軸部33における金属エレメント21から外れた領域、即ち、金属エレメント21との接合に寄与しない領域に雄ねじ部を設けることができるため、締結部材31を接合対象板11と一体的に構成しつつ、その一体物において雄ねじ部を好適に設けることができる。
【0027】
上述の製造方法を用いた場合、押圧工程の際に金属エレメント21が下方向に広がりにくく、軸部33を中心とする半径方向に広がりやすい。ゆえに、接合対象板11の板面付近に金属エレメント21のバリが生じにくい。
【0028】
上述の製造方法を用いて製造された接合品100は、図7のように使用することもできる。図7の例は、金属板80に形成された孔部に軸部33を挿入しつつ、金属板80と接合対象板11とを重ねて配置し、その状態で、軸部33に形成された雄ねじ部にナット70を締め付けて締結させた構造である。このように用いると、被締結物(金属板80)を締結する際に金属エレメント21がメタルタッチされ、締結に有利になる。
【0029】
<接合品の製造方法の変更例1>
第1実施形態に係る製造方法では、準備工程において、図4のように金属エレメント21と締結部材31をそれぞれ別々に用意し、押圧工程の前に、図5のように近接させて配置したが、この例に限定されない。例えば、図8のように、金属エレメント21の貫通孔7内に締結部材31を挿入した形態で維持し、この状態で部品を用意しておいてもよい、金属エレメント21と締結部材31を組み付けた状態で維持する方法としては、接着媒体やその他の手段を用いて金属エレメント21に締結部材31を付着させ、その状態で維持する方法などが挙げられる。なお、変更例1の製造方法は、金属エレメント21に締結部材31を付着させて管理する点のみが第1実施形態と異なり、この点以外は、第1実施形態の製造方法と同様とすることができる。
【0030】
<接合品の製造方法の変更例2>
第1実施形態に係る製造方法では、押圧工程において、上面66が平坦な下型65を用いたが、図9のような下型65に変更してもよい。図9の下型65は、孔部67の上端開口付近において環状に突出する環状突出部68が設けられる。この環状突出部68は、図6と同様の押圧工程を行う際に、図10のように挿通孔12内の空間の一部を占めるように挿通孔12内に入り込み、金属エレメント21内に押し込まれる。このように、環状突出部68が挿通孔12内の空間の一部を占めるように金属エレメント21内に押し込まれると、図6のように環状突出部68が存在しない場合よりも金属エレメント21の潰れる度合いが大きくなり、金属エレメント21の内径の縮小及び外径の拡大がより大きくなる。よって、金属エレメント21によるかしめ強度をより高めることができる。なお、変更例2の製造方法は、下型65に環状突出部68を設けて押圧工程を行う点のみが第1実施形態と異なり、この点以外は、第1実施形態の製造方法と同様とすることができる。
【0031】
<第2実施形態>
2-1.接合品
図11に示される接合品200は、挿通孔12を備えた接合対象板11と、環状の金属エレメント21と、締結部材231とが一体化されたものである。接合対象板11は、樹脂板または金属板である。金属エレメント21は、環状の金属体である。締結部材231は、接合対象板11に固定される部材であり、ねじ溝を有する部材であってもよく、ねじ溝を有さない部材であってもよい。接合品200は、後述される図14のように接合対象板11の挿通孔12に金属エレメント21が挿し通された状態且つ金属エレメント21に締結部材31が挿し通された状態で図15のように金属エレメント21が圧縮されて金属エレメント21の外径が増大し且つ内径が縮小することにより、金属エレメント21が挿通孔12の内面に接合し締結部材231に連結されている。なお、製造方法の詳細は後述される。
【0032】
図11の接合品200を製造する場合には、図12のように、第1実施形態と同様の接合対象板11と、第1実施形態と同様の金属エレメント21とを用いることができる。接合対象板11及び金属エレメント21は、第1実施形態の代表例のものが適用されてもよく、上述又は後述される様々な変形例のものが適用されてもよい。
【0033】
締結部材231は、雌ねじを有するナットであってもよく、雌ねじを有さない環状のカラーであってもよく、その他の環状の部品であってもよい。図12の例では、環状に構成された締結部材231の一方面に、金属エレメント21を挿入し得るサイズの環状溝232が形成されている。環状溝232は、締結部材231の孔部233の周りに設けられる。
【0034】
図12の例で用いられる締結部材231は、例えば、図13のようなナットとして構成される。締結部材231は、金属(たとえば、鉄)によって、中央に円柱状の孔部233(ネジ挿通孔)を穿設してなる扁平な円柱状(円筒状)に一体的に形成されている。また、孔部233の内周面には、ネジ溝(図示せず)が螺刻されており、孔部233の上端際および下端際には、ネジ(図示せず)との螺合を容易にするためのテーパ面236a,236bが形成されている。また、孔部233の上側の周囲の部分は、他の部分よりも上方に突出しており、一定の厚みを有する円筒状部239を形成した状態になっている。そして、その円筒状部239の下側の外周には、鉛直断面がアリ溝状(上側の部分よりも下側の部分の方が幅広な溝状)の環状溝232が周状の空洞部として形成されている。環状溝232は、内側の内壁面232aが鉛直状になっており、外側の内壁面232bが、鉛直方向(軸方向)に対して所定角度(例えば約15°)を成した傾斜状(上側から下側へ向かって外向きの傾斜状)になっている。そして、内側の内壁面232aの下端と外側の内壁面232bの下端との間に、一定幅の水平な底面232cが形成された状態になっている。また、外側の内壁面232bには、水平断面が三角形状の複数の回転防止リブ235,235・・が、鉛直状に等間隔に設けられている。回転防止リブ235,235・・の各々は、孔部233の中心側に向かって突出している。締結部材231の外周面の上側の部分は、鉛直方向(軸方向)に対して所定角度を成した傾斜状(上側から下側へ向かって外向きの傾斜状)になっており、当該傾斜面と環状溝232の外側の内壁面232bとの間の部分が、外側筒状部237を形成している。
【0035】
2-2.接合品の製造方法
次の説明は、図11のような接合品100を製造するための製造方法に関する。当該製造方法では、上述された接合対象板11に対し、金属エレメント21を用いて締結部材231を組み付け、接合品200を形成する。
【0036】
この製造方法では、図12のように、締結部材231、金属エレメント21、接合対象板11を用意し、金属エレメント21を接合対象板11の挿通孔12の内部に挿入するように、下型65上に載置する。更に、図14のように、締結部材231の環状溝232の内部に、金属エレメント21の端部を挿入する。図14の例では、下型65上に金属エレメント21が載置され、その金属エレメント21の周囲に接合対象板11が載置され、締結部材231の環状溝232の内部に金属エレメント21の端部が挿入され、その状態で金属エレメント21上に締結部材231が載置される。
【0037】
そして、図14のような配置状態で、上型61が下降し、締結部材231の上端を軸方向下側に所定圧力(たとえば、約60kN)で押すように作用する。上型61が締結部材231を下側に押すと、その押圧力を受けた締結部材231において下方向に移動しようとする力が大きくなり、締結部材231の下端部付近が金属エレメント21の上端を軸方向下側に強く押すように作用する。すると、挿通孔12に金属エレメント21が挿し通された状態且つ金属エレメント21の貫通孔7内に環状溝232付近の一部が挿入された状態で金属エレメント21が厚さ方向に圧縮され、図15のように、金属エレメント21において外径を増大させる変形及び内径を縮小させる変形が生じる。
【0038】
金属エレメント21においてこのような変形が生じると、金属エレメント21の外周面の一部は、挿通孔12の内面に強く押し当てられて挿通孔12に強固に接合された状態となり、金属エレメント21の外周面の他の一部は環状溝232内で広がって環状溝232の内壁に接合された状態となる。より具体的には、図13のように突出形態で設けられた回転防止リブ235,235・・の各々が金属エレメント21の外周面に食い込むように金属エレメント21の外周面側が変形する。このように変形するため、締結部材231は、回転防止リブ235,235・・と金属エレメント21との引っ掛かりによって回り止めがなされた状態で連結される。更に、金属エレメント21の外周面側の一部は、内壁面232bと底面232cとの境界付近まで入り込むように変形し、金属エレメント21の内周面側の一部は環状溝232内で内径が縮小するように変形する。このように、金属エレメント21が環状溝232内に充填されるように変形するため、締結部材231は、内壁面232b付近と金属エレメント21との引っ掛かりによって抜け止めがなされた形態で連結される。このような製造方法により、接合対象板11と金属エレメント21と締結部材231とが一体的に接合された接合品200が得られる。
【0039】
上述の製造方法を用いて製造された接合品200は、図16のように使用することもできる。図16の例は、金属板80に形成された孔部と締結部材231の孔部233の位置を合わせつつ、金属板80と接合対象板11とを重ねて配置し、その状態で、ボルト250の軸部に形成された雄ねじ部を締結部材231の孔部233に形成された雌ねじ部に噛み合わせて締結させた構造である。このように用いると、被締結物(金属板80)を締結する際に金属エレメント21がメタルタッチされ、締結に有利になる。
【0040】
なお、第2実施形態に係る製造方法では、準備工程において、図12のように金属エレメント21と締結部材231をそれぞれ別々に用意し、押圧工程の前に、図14のように近接させて配置したが、この例に限定されない。例えば、締結部材231の環状溝232内に金属エレメント21を挿入した形態で維持し、この状態で部品を用意しておいてもよい、金属エレメント21と締結部材231を組み付けた状態で維持する方法としては、接着媒体やその他の手段を用いて金属エレメント21に締結部材231を付着させ、その状態で維持する方法などが挙げられる。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。さらに、上述された実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0042】
上述された実施形態では、接合対象板11が樹脂板として構成されるが、接合対象板11が金属材料のみ又は金属材料を主体として構成される金属板であってもよい。接合対象板11が金属板として構成される場合、用いられる金属材料は、低炭素鋼やアルミニウムなどの塑性変形しやすい金属材料であってもよく、ハイテン鋼やマグネシウムなどの塑性変形しにくい金属材料であってもよい。
【0043】
上述された実施形態では、円柱状体の表面のアヤメ状の加工部分において、溝と溝とで囲まれた部分が略円錐台状の突起であるものが例示されたが、この構成に限定されず、溝G,G・・と溝G,G・・とで囲まれた突起Pの先端が円錐状や曲面状(例えば、軸心から所定の径の円筒状体の一部である曲面状など)であってもよい。
【0044】
上述された実施形態では、金属エレメント21の外周面にアヤメ状の凹凸加工が施された構成が例示されたが、金属エレメント21の外周面に、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、円柱状、角柱状、直方体状等の各種の形状の突起が散点状に形成されていてもよい。あるいは、金属エレメント21の外周面に、単一あるいは複数の周状の溝(一連に繋がった溝、あるいは、周方向において複数に分割された溝)や、単一あるいは複数の鉛直な溝(一連に繋がった溝、あるいは、複数に分割された溝)が形成されていてもよい。
【0045】
第2実施形態の代表例では、図13のような締結部材231が用いられるが、この例に限定されず、図17(a)に示される締結部材241のように、内側の内壁面を下窄みに傾斜させたアリ溝状の環状溝242を有するもの(すなわち、円筒状部が上側から下側に掛けて次第に小径になっているもの)、図17(b)に示される締結部材251のように、内側の内壁面を下窄みに傾斜させる(すなわち、円筒状部を上側から下側に掛けて次第に小径にする)とともに、外側の内壁面を下拡がりに傾斜させた(上方から下方に掛けて次第に大径となるように傾斜させた)アリ溝状の環状溝252であるものや、図17(c)に示される締結部材261のように、内側の内壁面を下窄みに傾斜させる(すなわち、円筒状部を上側から下側に掛けて次第に小径にする)とともに、外側の内壁面を下窄みに傾斜させた(上方から下方に掛けて次第に小径となるように傾斜させた)溝状の環状溝262であるもの等に変更することも可能である。図17(a)~(c)に示される締結部材241,251,261のいずれにおいても、図13の締結部材231に設けられた回転防止リブ235と同様の回転防止リブを設け、回り止め機能を付与することができる。また、図13図17(a)~(c)に示される環状溝232,242,252,262において回転防止リブ235以外の凹凸構造を設けて回り止め機能を実現してもよく、環状溝232,242,252,262に回り止め機能を設けないようにしてもよい。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
2 :大径部
7 :貫通孔
8a :テーパ面
8b :テーパ面
11 :接合対象板(樹脂板、金属板)
12 :挿通孔
21 :金属エレメント
31,231,241,251,261:締結部材
33 :軸部(雄ねじ部)
35 :フランジ部
37 :抜け止め部
37a :回転防止部
37b :離脱防止部
37c :溝
37d :溝
39 :頭部
61 :上型
65 :下型
66 :上面
67 :孔部
68 :環状突出部
70 :ナット
80 :金属板
100 :接合品
200 :接合品
232,242,252,262:環状溝(溝部)
232a :内壁面
232b :内壁面
232c :底面
233 :孔部
235 :回転防止リブ
236a :テーパ面
236b :テーパ面
237 :外側筒状部
239 :円筒状部
250 :ボルト
:溝
:溝
P :突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17