(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158004
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
F16H 48/20 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
F16H48/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072771
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克也
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA46
3J027FB02
3J027HA01
3J027HA03
3J027HH16
3J027HK02
3J027HK06
3J027HK09
3J027HK16
3J027HK17
3J027HK32
3J027HK33
(57)【要約】
【課題】差動装置で実際に不具合が発生していることを精度よく運転者に告知できる、車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン12と一対の駆動輪20との間の動力伝達経路PTに差動装置18を備える車両10の電子制御装置(=制御装置)90は、差動装置18の差回転ΔNwの絶対値が判定値ΔNw_jdg以上である高差動状態が所定の期間T1以上継続した後において、差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲外となる場合には、差動装置18で不具合が発生している旨の告知を行う。これにより、差動装置18で不具合が発生している旨の精度の良い告知が行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源と一対の駆動輪との間の動力伝達経路に差動装置を備える車両の、制御装置であって、
前記差動装置の差回転の絶対値が所定値以上である高差動状態が所定の期間以上継続した後において、前記差回転が車速と操舵角とに基づいて定められた所定の範囲外となる場合には、前記差動装置で不具合が発生している旨の告知を行う
ことを特徴とする車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
動力源と一対の駆動輪との間の動力伝達経路に差動装置を備える車両の、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンと一対の駆動輪との間の動力伝達経路に差動装置を備える車両の、制御装置であって、差動装置の差回転とエンジントルクとに基づいて差動装置で不具合が発生するおそれがあるとの警戒情報と告知するものが知られている。例えば、特許文献1に記載のものがそれである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の制御装置では、差動装置で不具合が発生するおそれがあるとの条件の成立のみによって警戒情報が告知されるため、警戒情報が告知された場合において差動装置で実際に不具合が発生している確率、すなわち警戒情報の告知の精度があまり高くない。そのため、警戒情報は告知されても、実際に差動装置を分解して不具合が発生しているか否かを確認する必要性が高い。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、差動装置で実際に不具合が発生していることを精度よく運転者に告知できる、車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨とするところは、動力源と一対の駆動輪との間の動力伝達経路に差動装置を備える車両の、制御装置であって、前記差動装置の差回転の絶対値が所定値以上である高差動状態が所定の期間以上継続した後において、前記差回転が車速と操舵角とに基づいて定められた所定の範囲外となる場合には、前記差動装置で不具合が発生している旨の告知を行うことにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明の制御装置によれば、前記差動装置の差回転の絶対値が所定値以上である高差動状態が所定の期間以上継続した後において、前記差回転が車速と操舵角とに基づいて定められた所定の範囲外となる場合には、前記差動装置で不具合が発生している旨の告知が行われる。このように、差動装置の差回転の絶対値が所定値以上である高差動状態が所定の期間以上継続するという差動装置で不具合が発生しやすい条件が成立していることと、差動装置の差回転が車速と操舵角とに基づいて定められた所定の範囲外となるという差動装置で何らかの異常が発生している蓋然性が高い条件が成立していることと、の2つの条件が成立している場合には、差動装置で不具合が発生している旨の告知が行われる。2つの条件が成立していることを条件に告知が行われるため、精度の良い告知が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に係る電子制御装置が搭載される車両の概略構成図であるとともに、車両における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
【
図2】車速がある車速値である場合において、差回転が操舵角に基づいて定められた所定の範囲内となることを説明する図である。
【
図3】
図1に示す電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートの一例である。
【
図4】
図3のフローチャートが実行された場合のタイムチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例0010】
図1は、本発明の実施例に係る電子制御装置90が搭載される車両10の概略構成図であるとともに、車両10における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
【0011】
車両10は、動力源であるエンジン12と、一対の駆動輪20と、の間の動力伝達経路PTにおいて、エンジン12側から順に、クランク軸22、トルクコンバータ14、入力軸24、自動変速機16、出力軸26、差動装置18、及び一対のドライブシャフト28が連結され、これらは周知の構成である。なお、エンジン12は、本発明における「動力源」に相当する。
【0012】
差動装置18は、周知の差動装置(ディファレンシャルギヤ)である。自動変速機16の出力軸である出力軸26の回転は、ドライブピニオン18dp、デフリングギヤ18r、デフケース18cs、ピニオンシャフト18sf、一対のピニオン18p、一対のサイドギヤ18sdを経て一対のドライブシャフト28にそれぞれ伝達される構造となっている。車両10が直進状態の場合は、一対のピニオン18pは自転せず、デフケース18csの回転が一対のピニオン18pを介して一対のサイドギヤ18sdを回す。車両10が旋回状態の場合は、一対のピニオン18pが自転し、デフケース18csの回転が一対のピニオン18pを介して一対のサイドギヤ18sdに対し適宜回転速度差を許容しつつ相互に等しい駆動トルクを伝達する。
【0013】
車両10は、電子制御装置90を備える。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、車両10の各種制御を実行する。なお、電子制御装置90は、本発明における「制御装置」に相当する。
【0014】
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えば、エンジン回転速度センサ70、アクセル開度センサ72、車速センサ74、操舵角センサ76、車輪速センサ78など)による検出値に基づく各種信号等(例えば、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne[rpm]、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc[%]、車速V[km/h]、車両10に備えられたステアリングホイール50の操舵角φst[deg]、一対の駆動輪20の各車輪速Nw[rpm](左車輪速NwL,右車輪速NwR)など)が、それぞれ入力される。
【0015】
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えば、エンジン12、自動変速機16、トルクコンバータ14、情報告知装置30など)に各種指令信号(例えば、エンジン12を制御するためのエンジン制御信号、自動変速機16の変速制御を行うための変速制御信号、不図示のロックアップクラッチの断接制御を行うための断接制御信号、情報告知装置30から運転者に情報を告知させる情報告知信号Sinfなど)が、それぞれ出力される。情報告知装置30は、例えばインストルメントパネルに設けられた警告灯表示装置、スピーカ、ブザーなどである。
【0016】
ところで、電子制御装置90は、差動装置18で実際に不具合が発生していることを精度よく運転者に告知できる機能を備えている。
【0017】
電子制御装置90は、エンジン制御部90a、変速制御部90b、トルコン制御部90c、高差動状態判定部90d、差回転判定部90e、及び告知制御部90fを機能的に備える。
【0018】
エンジン制御部90aは、車両状態に基づいてエンジン12の回転制御を実行する。変速制御部90bは、車両状態に基づいて自動変速機16の変速制御を実行する。トルコン制御部90cは、車両状態に基づいてトルクコンバータ14の不図示のロックアップクラッチの断接状態を制御する。
【0019】
高差動状態判定部90dは、差回転ΔNw(=NwL-NwR)の絶対値が判定値ΔNw_jdg以上である高差動状態が所定の期間T1[sec]以上継続したか否かを判定する。なお、差回転ΔNwは、本発明における「差回転」に相当する。一対の駆動輪20は、一対のドライブシャフト28を経て一対のサイドギヤ18sdに相対回転不能に連結されている。そのため、差回転ΔNwは、一対の駆動輪20における左車輪速NwLと右車輪速NwRとの差分であるとともに、差動装置18における一対のサイドギヤ18sdにおける回転速度の差分すなわち差動装置18の差回転でもある。判定値ΔNw_jdg及び所定の期間T1は、差動装置18で不具合が発生しやすい条件として、例えばそれぞれ実験的に或いは設計的に予め定められた所定の値である。差動装置18の不具合とは、例えば一対のサイドギヤ18sdや一対のピニオン18pでの歯こぼれや焼き付きである。なお、判定値ΔNw_jdgは、本発明における「所定値」に相当する。「高差動状態」とは、差動装置18に加わる負荷が高い状態であって、差動装置18で不具合が発生しやすい状態の意である。
【0020】
ところで、差動装置18で不具合が発生していない場合には、差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲内となる。以下、詳細に説明する。
【0021】
図2は、車速Vがある車速値V1(≠0)である場合において、差回転ΔNwが操舵角φstに基づいて定められた所定の範囲内となることを説明する図である。原点Oは、操舵角φstが0[deg]且つ差回転ΔNwが0[rpm]の点である。操舵角φstは、例えば車両10が右旋回するようにステアリングホイール50が操作された場合には正の値となり、車両10が左旋回するようにステアリングホイール50が操作された場合には負の値となる。
【0022】
差動装置18で不具合が発生していない場合において車速Vが車速値V1である場合、例えば
図2に示すように、操舵角φstが大きくなるに従って差回転ΔNwは高くなり、操舵角φstが小さくなるに従って差回転ΔNwは低くなる。また、操舵角φstがある角度値φst1である場合、車速Vが高くなるに従って差回転ΔNwは高くなり、車速Vが低くなるに従って差回転ΔNwは低くなる。したがって、差動装置18で不具合が発生していない場合における差回転ΔNwは、車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲内となる。所定の範囲は、差動装置18で不具合が発生していない場合には差回転ΔNwがその範囲内に含まれるように実験的に或いは設計的に予め定められた範囲である。例えば、車速Vが車速値V1であり且つ操舵角φstが角度値φst1である場合には、
図2に示すように、差回転ΔNwは上限値ΔNw_uprと下限値ΔNw_lwrとの間の範囲内となる。所定の範囲は、上限値ΔNw_uprと下限値ΔNw_lwrとの間の範囲である。
【0023】
一方、高差動状態により一対のサイドギヤ18sdや一対のピニオン18pでの歯こぼれや焼き付きの不具合が発生した場合には、差回転ΔNwは、車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲外となる。例えば、歯こぼれによる異物がデフケース18csに対して一対のサイドギヤ18sdの一方が摺動する部分に挟まれた場合には、一対のサイドギヤ18sdの一方の回転はデフケース18csの回転速度と等しくなり得る。これにより、差動装置18での回転速度差が許容されなくなって、一対のサイドギヤ18sdの他方の回転速度が一方の回転速度と等しくなり得る。すなわち、差回転ΔNwが零となり得る。同様に、例えば歯こぼれによる異物がデフケース18csに対して一対のドライブシャフト28の一方が摺動する部分に挟まれた場合にも、差回転ΔNwが零となり得る。
【0024】
図1に戻る。高差動状態が所定の期間T1以上継続したと判定されると、差回転判定部90eは、差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲内にあるか否かを判定する。
【0025】
差回転ΔNwが所定の範囲外にあると判定されると、告知制御部90fは、情報告知装置30から運転者に対して差動装置18で不具合が発生している旨の情報、すなわち警告を告知させる情報告知信号Sinfを出力する。なお、差回転ΔNwが所定の範囲内にあると判定されると、告知制御部90fは、情報告知信号Sinfを出力しない。また、高差動状態が所定の期間T1以上継続していないと判定された場合も、告知制御部90fは、情報告知信号Sinfを出力しない。
【0026】
図3は、
図1に示す電子制御装置90の制御作動を説明するフローチャートの一例である。
図3のフローチャートは、車両10が走行中において繰り返し開始される。
【0027】
まず、高差動状態判定部90dの機能に対応するステップS10(以下、「ステップ」を省略する。)において、高差動状態が所定の期間T1以上継続したか否かが判定される。
【0028】
S10の判定がYESの場合、差回転判定部90eの機能に対応するS20において、差回転ΔNwが所定の範囲内(=上限値ΔNw_uprと下限値ΔNw_lwrとの間の範囲内)にあるか否かが判定される。
【0029】
S20の判定がNOの場合、告知制御部90fの機能に対応するS30において、情報告知装置30から運転者に対して差動装置18で不具合が発生している旨の情報が告知される。S30の実行後、終了となる。例えば、車両10が停止状態となって差回転ΔNwが零となっても、告知が継続される。
【0030】
S10の判定がNOの場合及びS20の判定がYESの場合には、リターンとなる。
【0031】
図4は、
図3のフローチャートが実行された場合のタイムチャートの一例である。
図4の横軸は、時間t[sec]である。
【0032】
時刻t1において、高差動状態となる。時刻t1では、走行中の車両10が大きく右旋回するようにステアリングホイール50が操作されている。時刻t2(>t1)において、差回転ΔNwの絶対値が判定値ΔNw_jdg未満の状態となる。時刻t1から時刻t2までの期間T0(=t2-t1)において、高差動状態が継続している。期間T0は、所定の期間T1よりも長いものとする。これにより、時刻t1から所定の期間T1以上経過した後には、例えば一対のサイドギヤ18sdや一対のピニオン18pで歯こぼれが発生しており、差動装置18内には歯こぼれによる異物がある。
【0033】
時刻t3(>t2)において、走行中の車両10の操舵角φstが角度値φst1まで戻される。時刻t3以降においては、走行中の車両10の車速Vが車速値V1に維持され且つ操舵角φstが角度値φst1に維持されている。
【0034】
図4に示す破線のように、差動装置18が正常である場合には、時刻t3以降において差回転ΔNwが所定の範囲内(=上限値ΔNw_uprと下限値ΔNw_lwrとの間の範囲内)となる。
【0035】
図4に示す実線のように、差動装置18で不具合が発生している場合には、時刻t3以降において差回転ΔNwが所定の範囲内(=上限値ΔNw_uprと下限値ΔNw_lwrとの間の範囲内)から外れることとなる。具体的には、時刻t4(>t3)において、差回転ΔNwが下限値ΔNw_lwrよりも低くなって、所定の範囲内(=上限値ΔNw_uprと下限値ΔNw_lwrとの間の範囲内)から外れている。時刻t3以降において、例えば差回転ΔNwは所定の範囲内となったり所定の範囲外となったりを繰り返している。この繰返しは、例えばデフケース18csと一対のサイドギヤ18sdの一方との間に異物が挟まることにより、デフケース18csと一対のサイドギヤ18sdの一方とが相対回転不能になったり可能になったりを繰り返すことが原因である。
【0036】
本実施例によれば、差動装置18の差回転ΔNwの絶対値が判定値ΔNw_jdg以上である高差動状態が所定の期間T1以上継続した後において、差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲外となる場合には、差動装置18で不具合が発生している旨の告知が行われる。このように、高差動状態が所定の期間T1以上継続するという差動装置18で不具合が発生しやすい条件が成立していることと、差動装置18の差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲外となるという差動装置18で何らかの異常が発生している蓋然性が高い条件が成立していることと、の2つの条件が成立している場合には、差動装置18で不具合が発生している旨の告知が行われる。2つの条件が成立していることを条件に告知が行われるため、精度良い告知が行われる。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0038】
前述の実施例では、高差動状態が連続的に所定の期間T1以上継続した態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、高差動状態が間欠的に繰り返される態様においては、高差動状態が連続的に所定の期間T1以上継続した場合の替わりに、高差動状態となっている合計期間が所定の期間T1以上となった場合に、本発明が適用されても良い。
【0039】
前述の実施例では、高差動状態が所定の期間T1以上継続した直後に、差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲外となる態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、高差動状態が所定の期間T1以上継続した直後ではなく、しばらくしてから差回転ΔNwが車速Vと操舵角φstとに基づいて定められた所定の範囲外となる場合が考えられる。そのため、例えば、高差動状態判定部90dは、差動装置18の耐用期間の起算点となる使用開始時(例えば、車両10に搭載された差動装置18が実用上初めて使用された時)以降において、一度でも高差動状態が所定の期間T1以上継続したか否かを判定する態様であっても良い。
【0040】
前述の実施例では、判定値ΔNw_jdg、所定の期間T1、所定の範囲の上限値ΔNw_upr、及び所定の範囲の下限値ΔNw_lwrは、それぞれ実験的に或いは設計的に予め定められた態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、これらは人工知能、機械学習が用いられて定められても良い。
【0041】
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両、12:エンジン(動力源)、18:差動装置、20:一対の駆動輪、90:電子制御装置(制御装置)、PT:動力伝達経路、T1:所定の期間、V:車速、ΔNw:差回転、ΔNw_jdg:判定値(所定値)、φst:操舵角