(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158023
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】草刈機用安全カバーおよび草刈機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/90 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A01D34/90 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072810
(22)【出願日】2023-04-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】523159007
【氏名又は名称】渡邉 正友
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正友
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA02
2B083CA07
2B083GA02
2B083HA52
(57)【要約】
【課題】小石など危険な飛散物を発生しにくく、また、周囲の人や建造物などとの接触が防止でき、しかも効果的に草刈りができる草刈機用安全カバーを提供する。
【解決手段】
草刈機用安全カバーは、草刈機に取り付ける取付部材と、草刈機の回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で設けられた上側板材と下側板材を有し、上側板材と下側板材の先端側は外に凸な曲線による先端縁部を有し、後部側は内に凸な曲線による縁部を有し、先端縁部に沿って上側板材と下側板材を繋ぐ先端保護部材が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機に取り付ける取付部材と、
草刈機の回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、
回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材の先端側は外に凸な曲線による先端縁辺を有し、
後部側は内に凸な曲線による縁辺を有し、
先端縁辺に沿って上側板材と下側板材を繋ぐ先端保護部材が設けられている草刈機用安全カバー。
【請求項2】
取付部材は草刈機のメインパイプに接するメインパイプ接続部材と、メインパイプ接続部材をメインパイプに着脱自在に接続する固定部材を有し、
取付部材はメインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側に分離しており、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側はねじにより着脱自在に接続されており、
上側板材と下側板材の先端縁辺は草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧を有し、
上側板材と下側板材の後端縁辺は回転刃の半径と概ね同じ半径の円弧を2つ有し、
後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成される請求項1に記載の草刈機用安全カバー。
【請求項3】
メインパイプと、メインパイプの先端部に設けられた回転刃と、メインパイプの後端部に設けられ回転刃を駆動する駆動源と、メインパイプに取り付けられる草刈機用安全カバーを有し、
草刈機用安全カバーは メインパイプに取り付けられる取付部材と、回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材は外に凸であり草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧である先端縁辺と、内に凸であり回転刃の半径と概ね同じ半径の2つの円弧を有する後端縁辺を有し、
後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成される草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、草刈機の回転刃の先端部を覆う草刈機用安全カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
回転刃を有する草刈機は、作業中に小石などに接触しやすく、回転刃によって弾かれた飛散物が作業者や周囲の人に当たると危険である。また、回転刃が人に接触して怪我させたり、壁や樹木に接触して傷つける事故も多く発生している。
【0003】
引用文献1や引用文献2には、回転刃の後方に飛散防止用のカバーを設けて、飛散物が使用者に向けて飛散しないようにすることが記載されている。また、引用文献3には、刈刃ユニットを全て覆うような草刈機用後付け保護カバーユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-43107号公報
【特許文献2】特開2023-16652号公報
【特許文献3】登録実用新案公報3241211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や引用文献2に記載の飛散防止カバーであれば、飛散物が使用者に向けて飛散するのを防止できる。しかし、これらは飛散物の発生を防ぐものではなく、飛散物を受け止めるものである。草の切断片などであればさほど危険はないが、小石などが跳ねると使用者以外の人に当たっても危険であり、また、小石に接触すると線状カッターや回転刃を損傷する。また、線状カッターの前方は完全に開放状態であり、作業中に周囲の人や建造物などに接触する可能性がある。
【0006】
引用文献3に記載の保護カバーユニットであれば上面および側面が全て覆われているので、飛散物の拡散はより効果的に防止できると思われる。しかし、やはり、刈刃と小石や砂利との接触を防止できない。カバーによって下が見えないため、むしろ小石に気付かずに刈刃を当ててしまう恐れがある。また、周囲を全て覆うと刈刃が草に接触しにくくなり、草刈り作業ができなくなる。
【0007】
この発明は、小石など危険な飛散物を発生しにくく、また、周囲の人や建造物などとの接触が防止でき、しかも効果的に草刈りができる草刈機用安全カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、この発明の草刈機用安全カバーは、草刈機に取り付ける取付部材と、
草刈機の回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、
回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材の先端側は外に凸な曲線による先端縁辺を有し、
後部側は内に凸な曲線による縁辺を有し、
先端縁辺に沿って上側板材と下側板材を繋ぐ先端保護部材が設けられているを有する。
【0009】
また、取付部材は草刈機のメインパイプに接するメインパイプ接続部材と、メインパイプ接続部材をメインパイプに着脱自在に接続する固定部材を有し、
取付部材はメインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側に分離しており、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側はねじにより着脱自在に接続されており、
上側板材と下側板材の先端縁辺は草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧を有し、
上側板材と下側板材の後端縁辺は回転刃の半径と概ね同じ半径の円弧を2つ有し、
後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成することができる。
【0010】
この発明の草刈機は、メインパイプと、メインパイプの先端部に設けられた回転刃と、メインパイプの後端部に設けられ回転刃を駆動する駆動源と、メインパイプに取り付けられる草刈機用安全カバーを有し、
草刈機用安全カバーは メインパイプに取り付けられる取付部材と、回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材は外に凸であり草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧である先端縁辺と、内に凸であり回転刃の半径と概ね同じ半径の2つの円弧を有する後端縁辺有し、
後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成される。
【発明の効果】
【0011】
この発明の草刈機用安全カバーは、小石などの飛散や周囲の人や建造物と回転刃の接触を防止することができる。また、草刈りの効率が良く、エネルギーの消費や作業時間を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】帯板状部材の分割部付近を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。草刈機を示す斜視図である。草刈機20は竿となるメインパイプ21を有し、メインパイプ21の先端部には回転刃22、後端部には回転刃を駆動する駆動源23が設けられている。また、後端部付近には腰当部24が設けられ、腰当部24よりも少し前方にはハンドル25が設けられている。メインパイプ21の内部にはシャフト(図示せず)が伝達部材として設けられていて、駆動源23により動力を回転刃22に伝達する。
【0014】
以上は、一般的な草刈機の主な構造である。作業者はハンドル25を持ち、腰当部24に腰を当て、駆動源23の動力によって回転する回転刃22を草に当てて、草を刈り取る。このとき、ハンドル25を左右に動かして回転刃22を大きく振りながら前進していく。そして、この発明においては、回転刃22のある位置に草刈機用安全カバー1が取り付けられている。
【0015】
草刈機用安全カバーについて説明する。
図2は草刈機用安全カバーを示す平面図であ、
図3は同側面図である。草刈機用安全カバー1は、草刈機20に取り付けるための取付部材2と、草刈機20の回転刃22の先端部を覆う回転刃カバー部3と、回転刃カバー部3に隣接し回転刃22の外周よりも外に突出する草ガイド部4とを有する。
【0016】
取付部材2は草刈機20に草刈機用安全カバー1にしっかりと固定できるものであればよいが、ここでは草刈機20のメインパイプ21に取り付ける例で、説明する。メインパイプ21の外周面に接することができる内周面を有する半パイプ状のメインパイプ接続部材5を有する。また、草刈機20の回転軸26に重なるべき箇所には、回転軸26との干渉を防ぐ部分が形成されている。たとえば、回転軸26が通るような穴を設けてもよい。ここでは、回転軸26が接触することなく収納できる空間を形成するキャップ状部材6が設けられ、さらにキャップ状部材6に続いて帯板状部材7が回転刃22の回転面と平行に回転刃22の先端に向けて伸びている。
なお、草刈機用安全カバー1にはヒンジ部を設けて、折れ曲げ角を調整できるようにしてもよい。たとえば、キャップ状部材6と帯板状部材7aの接続部に通しボルトとナットによるヒンジ部を設けることができる。草刈機20において、メインパイプ21の軸線と回転刃22の回転面は一直線上にはならんでおらず、一定の角度で折れ曲がっているが、その角度は草刈機の機種によって異なる。ヒンジ部を設けていれば、取付対象の草刈機に合った角度に調整し、ナットで締めることによってその角度に固定することができる。
【0017】
帯板状部材7は回転刃カバー部3まで延びる。帯板状部材7を一つの部材で構成してもよく、この場合には草刈機用安全カバー1は一体的に形成される。本例では、帯板状部材7はキャップ部材7に繋がる取付部材側7aと回転刃カバー部3に繋がる回転刃カバー部側7bに分割されており、これらは端部同士を重ね合わせ、2つの止めねじ8により着脱自在に連結される。ここで、取付部材側7aと回転刃カバー部側3bのいずれかには、長さ方向に沿った長穴などの調整部17が形成されており、取付部材2に対する回転刃カバー部3の突出し量を調整できるようになっている。
【0018】
図4は帯板状部材の分割部付近を示す拡大平面図、
図5は同分解側面図である。本例では、取付部材側の帯板状部材7aにスリット17が設けられ、調整部となっている。このスリットは取付部材側の帯板状部材7aの先端部は開いており、ここからキャップ部材の方に向けてスリット17が形成されている。この帯板状部材7aは重ね合わせたときに上側になる。一方、回転刃カバー部側7bは重ね合わせたときに下側になる。回転刃カバー部側7bの上面には2か所におねじ部8aが設けられている。このおねじ部8aは溶接により回転刃カバー部側7bの上面に垂直に固定されている。この2本のおねじ部8aをスリット17に通し、矩形の板状のワッシャーを取付部材側7aの上から取り付け、さらにナット8bを締めることによって取付部材側7aと回転刃カバー部側7bを強固に連結できる。このように本例では、おねじ部8aとナット8bによって止めねじが形成される。おねじ部8aを回転刃カバー部側7bに溶接することにより、回転刃22と対向する回転刃カバー部側7bの下面から突き出す部材はなく、回転刃22との間隔を十分に取ることができる。
【0019】
取付部材2のメインパイプ接続部材5には2つのパイプステー9が取付けられており、ステー固定ねじ10によってメインパイプ21に固定される。一つのステー固定ねじ10はメインパイプ接続部材5の後端部に取り付け、もう一方はキャップ部材7の近くに取り付けている。これによって、草刈機用安全カバー1がメインパイプ21に対して回転したり、前後に移動しないように強固に固定される。
【0020】
回転刃カバー部3と草ガイド部4について説明する。これらは、一体に構成された部材の部分である。所定の間隔で上側板材11と下側板材12が設けられている。この間隔は、回転刃22が接触することなく間に収まる距離を有し、10mm以上20mm以下であることが好ましい。上側板材11と下側板材12の幅、すなわち先端縁辺13の両側端の間の距離は、回転刃22の直径と同じにしている。また、上側板材11と下側板材12は厚さが0.5mm以上2.0mm以下の鋼板など金属板を使用している。
【0021】
上側板材11と下側板材12の先端縁辺13は上から見て揃った曲線であり、外側に凸な曲線、すなわち、中央部が先端方向に凸な曲線である。この曲線は円弧であることが好ましく、本例では先端縁辺13は草刈機1の後端から回転刃22の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧となっている。
【0022】
先端縁辺13に対向する上側板材12と下側板材13の後端縁辺14について説明する。後端縁辺14の両側端よりそれぞれ内に凸な曲線、すなわち先端方向に凸な曲線が形成されている。この曲線も円弧であることが好ましく、その半径は先端縁辺13の円弧の半径よりも小さいことが好ましい。ここでは、後端縁辺14のこの曲線は回転刃22の半径と概ね同じ半径の円弧である。
【0023】
先端縁辺13に沿って上側板材11と下側板材12の間に垂直な板材が先端部保護部材15として設けられている。この先端部保護部材15によって下側板材12は上側板材11に支持される。また、先端部保護部材15によって先端縁辺13の側は閉じた状態となる。他方、後端縁辺14においてはそのような部材はなく、開いた状態である。
【0024】
上側板材11と下側板材12と先端部保護部材15は一体的な部材を形成する。そして、その中央部が回転刃カバー部3となる。この領域において回転刃22の先端部は露出しておらず、外部と接触することはない。
【0025】
回転刃カバー部3の両側には草ガイド部4が続く。草ガイド部4は鎌のような形状であり、回転刃22の外周の外側に突き出している。後端縁辺14の円弧と回転刃22の外周の間には、外向きに広くなる空間があり草導入空間16を形成している。
【0026】
以上、回転刃カバー部3と草ガイド部4の形状は、草刈機1の回転刃22の大きさに合わせて選択される。一般的な草刈機では直径が230mmのものと255mmのものが主に使用されているので、回転刃カバー部3と草ガイド部4もそれぞれに合せた形状に2種類のものが提供される。
【0027】
次に、この草刈機用安全カバーの作用および使用方法を説明する。草刈機用安全カバー1は草刈機20の本体とは独立した部材として提供することができる。ここでは、そのような例で説明する。
【0028】
帯板状部材7の取付部材側7aと回転刃カバー部側7bを分離した状態にする。そして、メインパイプ接続部材5をメインパイプ21に当て、キャップ状部材5を回転軸26にかぶせるようにして位置を合わせる。2つのパイプステー9をメインパイプ接続部材5に取り付け、ステー固定ねじ10で締めることによりメインパイプ接続部材5はメインパイプ21に固定される。
【0029】
帯板状部材7の回転刃カバー部側7bを取付部材側7aに合せ、回転刃22の先端部を回転刃カバー部3の上側板材11と下側12の間に収めるようにする。そして、回転刃カバー部3の位置を調整部17によって調整しながら、止めねじ8を締めて取付部材側7aと回転刃カバー部側7bを結合する。こうして、草刈機用安全カバー1が草刈機20に取り付けられる。本例では、調整部17を先端部が開いたスリットにしているので、回転刃カバー部側7bを簡単に取り付けることができる。
【0030】
草刈りの作業は、従来の草刈機とほぼ同様に行える。駆動源23を駆動させて回転刃22を回転させ、ハンドル25を左右に振ることによって回転刃22を振り、少しずつ前進する。
【0031】
草刈機1が左右に振られると、回転刃カバー部3と草ガイド部4も左右に振られる。たとえば右に振られるとき、右側の草ガイド部4は草をかき分けながら右方向へ移動する。先端部は、ほぼ草刈機1の後端から回転刃22の先端までの距離を半径とする円弧に沿って移動する。この円弧よりも前方にある草は刈られることなく先端縁辺13の前に残される。ここで、先端縁辺13もまたほぼ草刈機1の後端から回転刃22の先端までの距離を半径とする円弧であるので、先端縁辺13の曲線上の各点は草刈機1の振り回しによる先端の軌道に沿って移動する。そのため、前方に残った草からは力をほとんど受けることなく滑らかに移動する。前方の草が引っ掛かることもない。
【0032】
一方、円弧よりも手前にある草は、後端縁辺14と回転刃22の外周の間の草導入空間16に入り、後端縁辺14と回転刃22の外周の交差点へ導かれる。そして、回転刃22によって切断され、切断された草は上側板材11の上を滑りながら反対側に移動して落下する。
【0033】
図6は拡大A矢視図であり、草が切断される状態を示している。後端縁辺14と回転刃22の外周の交差点へ導かれた草xは、一方の側(本図では右側)が上側板材11と下側板材12によって押し付けられる。そして、反対側(本図では左側)から回転刃22が当たる。
【0034】
草xは柔らかくて撓りやすいので、通常の草刈機の場合は刃を逃れるように傾き、回転刃22の下に入り込もうとする。しかし、本発明の草刈機用安全カバーでは草xは上側板材11と下側板材12によって押さえつけられ、そこに回転刃22は垂直に切り込んでくるので、確実に切断される。切断効率がよく、回転刃22の回転数が低くても効果的に切断できる。したがって、駆動源23で消費する燃料や電力を小さくすることができる。また、駆動源23も出力やトルクの小さい小型のものとすることができ、草刈機を軽量で廉価にすることができる。さらに、作業時間も短縮することができる。
【0035】
すでに傾いている草であっても上側板材11と下側板材12によって持ち上げられ、回転刃22に対して垂直に押し当てられる。回転カバー部3は回転刃カバー部3の左右両側に設けられているので、左向きに振られたときも同様に良好に切断できる。
【0036】
回転刃22の先端部は周囲にあるものと最も接触しやすい部位であるが、回転カバー部3に覆われ、上側のものとも、さらに下側のものとも接触することはない。したがって、人に接触して怪我をさせることを防止できる。また、作業場所にある樹木、壁などとの接触も防止でき、それらのものや回転刃を痛めることもない。小石などとの接触による危険な飛散物も発生しない。さらに、先端縁辺13には先端部保護部材15が設けられているので、地面にひも類や針金などが落ちていても巻き込みにくい。
【0037】
回転刃22を交換するときは、止めねじ8を外し、帯板状部材7の取付部材側7aと回転刃カバー部側7bを分離する。これによって、回転刃カバー部3と草ガイド部4を簡単に取り外すことができる。回転刃22の下側は開放されるので、通常の作業により古い回転刃22を回転軸26から取り外し、新しい回転刃を付け替えることができる。取付部材側7aと回転刃カバー部側7bを止めねじ8により結合すれば、草刈りを再開できる。
図4のように調整部17を先端部が開いたスリットにすることにより、ナット8bをおねじ部8aから完全に外さなくても緩めるだけで、回転刃カバー部側7bを簡単に着脱できる。
【符号の説明】
【0038】
1.草刈機用安全カバー
2.取付部材
3.回転刃カバー部
4.草ガイド部
5.メインパイプ接続部材
6.キャップ状部材
7.帯板状部材
8.止めねじ
8a おねじ部
8b ナット
9.パイプステー
10.ステー固定ねじ
11.上側板材
12.下側板材
13.先端縁辺
14.後端縁辺
15.先端部保護部材
16.草導入空間
17.調整部(スリット)
18.ワッシャ
20.草刈機
21.メインパイプ
22.回転刃
23.駆動源
24.腰当部
25.ハンドル
26.回転軸
x.草
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機のメインパイプに接するメインパイプ接続部材と、メインパイプ接続部材をメインパイプに着脱自在に接続する固定部材を備えた取付部材と、
草刈機の回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、
回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材の先端側は外に凸な曲線による先端縁辺を有し、
後部側は内に凸な曲線による縁辺を有し、
先端縁辺に沿って上側板材と下側板材を繋ぐ先端保護部材が設けられていて、
取付部材はメインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側に分離しており、取付部材側と回転刃カバー部側のいずれかには、長さ方向に沿って先端部が開いたスリットが設けられ、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側の端部同士を重ね合わせ、止めねじにより着脱自在に連結され、回転刃カバー部の突出し量を調整でき、
通しボルトとナットによるヒンジ部が設けられ、折れ曲げ角を調整できるようになした草刈機用安全カバー。
【請求項2】
上側板材と下側板材の先端縁辺は草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧を有し、
上側板材と下側板材の後端縁辺は回転刃の半径と概ね同じ半径の円弧を2つ有し、後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成される請求項1に記載の草刈機用安全カバー。
【請求項3】
メインパイプと、メインパイプの先端部に設けられた回転刃と、メインパイプの後端部に設けられ回転刃を駆動する駆動源と、メインパイプに取り付けられる草刈機用安全カバーを有し、
草刈機用安全カバーは草刈機のメインパイプに接するメインパイプ接続部材と、メインパイプ接続部材をメインパイプに着脱自在に接続する固定部材を備えたメインパイプに取り付けられる取付部材と、回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材は外に凸であり草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧である先端縁辺と、内に凸であり回転刃の半径と概ね同じ半径の2つの円弧を有する後端縁辺を有し、
後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成されていて、
取付部材はメインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側に分離しており、取付部材側と回転刃カバー部側のいずれかには、長さ方向に沿っって先端部が開いたスリットが設けられ、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側の端部同士を重ね合わせ、止めねじにより着脱自在に連結され、回転刃カバー部の突出し量を調整でき、
通しボルトとナットによるヒンジ部が設けられ、折れ曲げ角を調整できるようになした草刈機。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機のメインパイプに接するメインパイプ接続部材と、メインパイプ接続部材をメインパイプに着脱自在に接続する固定部材を備えた取付部材と、
草刈機の回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、
回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材の先端側は外に凸な曲線による先端縁辺を有し、
後部側は内に凸な曲線による縁辺を有し、
先端縁辺に沿って上側板材と下側板材を繋ぐ先端保護部材が設けられていて、
取付部材はメインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側に分離しており、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側のいずれかには、長さ方向に沿って先端部が開いたスリットが設けられ、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側の端部同士を重ね合わせ、止めねじにより着脱自在に連結され、回転刃カバー部の突出し量を調整でき、
通しボルトとナットによるヒンジ部が設けられ、折れ曲げ角を調整できるようになした草刈機用安全カバー。
【請求項2】
上側板材と下側板材の先端縁辺は草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧を有し、
上側板材と下側板材の後端縁辺は回転刃の半径と概ね同じ半径の円弧を2つ有し、後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成される請求項1に記載の草刈機用安全カバー。
【請求項3】
メインパイプと、メインパイプの先端部に設けられた回転刃と、メインパイプの後端部に設けられ回転刃を駆動する駆動源と、メインパイプに取り付けられる草刈機用安全カバーを有し、
草刈機用安全カバーは草刈機のメインパイプに接するメインパイプ接続部材と、メインパイプ接続部材をメインパイプに着脱自在に接続する固定部材を備えたメインパイプに取り付けられる取付部材と、回転刃の先端部を覆う回転刃カバー部と、回転刃カバー部に隣接し回転刃の外周よりも外に突出する草ガイド部とを有し、
回転刃カバー部と草ガイド部は所定の間隔で平行に設けられた上側板材と下側板材を有し、
上側板材と下側板材は外に凸であり草刈機の後端から回転刃の先端までの距離と概ね同じ長さの半径の円弧である先端縁辺と、内に凸であり回転刃の半径と概ね同じ半径の2つの円弧を有する後端縁辺を有し、
後端縁辺と回転刃の外周の間に外向きに広くなる草導入空間が形成されていて、
取付部材はメインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側に分離しており、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側のいずれかには、長さ方向に沿って先端部が開いたスリットが設けられ、メインパイプ接続部材側と回転刃カバー部側の端部同士を重ね合わせ、止めねじにより着脱自在に連結され、回転刃カバー部の突出し量を調整でき、
通しボルトとナットによるヒンジ部が設けられ、折れ曲げ角を調整できるようになした草刈機。