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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158024
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】自転車用チャイルドシートカバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20241031BHJP
   B62J 1/16 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B62J1/00 D
B62J1/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072816
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】503356451
【氏名又は名称】株式会社大久保製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】大久保 富彦
(72)【発明者】
【氏名】大井 恭子
(57)【要約】
【課題】蛇腹形態の日除け部を有するチャイルドシートを被覆し、夏冬兼用の自転車用チャイルドシートカバーを提供する。
【解決手段】チャイルドシートの屋根部及び後面部を被覆する上方カバー部11とこの上方カバー部11に着脱自在に連結する下方カバー部21の2つの部分から成る。シートに装備され蛇腹状に伸縮する日除け部を被覆できるように上方カバー部11の天部から後面部に掛けて蛇腹状に伸縮する蛇腹状カバー部12を設ける。上方カバー部11の前端部には雨除けカバー部14を設け、蛇腹状カバー部12を前方に伸長した状態でこの雨除けカバー部14がシートの前面部を被覆する。上方カバー部11はシートのヘッドレストに装着され、下方カバー部21の両側の後方縁部が前記上方カバー部11の両側の後方両側縁部に着脱自在に連結する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の前部ハンドル部又は後部荷台部に固定されたチャイルドシートを被覆し装着される自転車用チャイルドシートカバーにおいて、
チャイルドシートの少なくとも前面上部、屋根部又は天井部、後面部の上部、及び両側の側面上部を被覆できる上方カバー部と、この上方カバー部に着脱自在に連結できる下方カバー部の2つの部分から成り、
チャイルドシートに装備され蛇腹状に前後方向に伸長収縮する日除け部を被覆するように、前記上方カバー部の両側面部を含み天部から後面部に掛けて蛇腹状に伸長収縮する蛇腹状カバー部を設けて前記日除け部を被覆することができ、
前記上方カバー部の前面部から両側面下部に掛けて雨除けカバー部が設けられ、前記蛇腹状カバー部を前方に伸長した状態でこの雨除けカバー部がシートの前面部及び両側面上部を被覆することができ、
前記上方カバー部の後面部内側には当該上方カバー部をシートに取り付けるための装着部材を設け、この装着部材によりこの上方カバー部がシートに装着され、
前記下方カバー部の両側の後方縁部に設けた係止部材と前記上方カバー部の両側の前方縁部に設けた係止部材を相互に係止して、前記上方カバー部と前記下方カバー部とが着脱自在に連結されることを特徴とする自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項2】
前記雨除けカバー部が透明素材から成り、シートの前面及び両側面上部を被覆した状態で、この雨除けカバー部の下端部が前記下方カバー部の上縁部にオーバーラップして重なり合う状態でシートを被覆することを特徴とする請求項1に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項3】
前記雨除けカバー部の上縁部が前記上方カバー部の屋根部又は天井部の前端部及び両側面下端部に連結部を介して着脱自在に連結され、
前記連結部の全範囲を被覆するように前記上方カバー部の前端部及び両側面下端部に連結部被覆部を設けて雨水等の侵入を防止したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項4】
前記連結部被覆部の少なくとも両側面部に可撓性及び弾力性を有する板状の芯材を内設し、
且つ当該芯材の前記蛇腹状カバー部の回動中心部位に切欠部を設けることによって蛇腹状カバー部が円滑に回動するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項5】
前記蛇腹状カバー部の前縁部に1対の係止部を設け、この一対の係止部がチャイルドシートの日除け部の前縁部に係止できることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項6】
前記下方カバー部には、その両側にシートの足乗せ部を被覆する足乗せ部被覆部が設けられ、当該両側の足乗せ部被覆部の後面部同士を連結する連結バンド部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項7】
前記下方カバー部の両側の適宜位置に自転車のハンドルグリップを挿通させるための挿通穴を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【請求項8】
前記下方カバー部の両側の適宜位置に自転車のハンドルグリップを挿通させるための挿通穴を設けたことを特徴とする請求項5に記載の自転車用チャイルドシートカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車のハンドル部に固定された前部チャイルドシート又は自転車の後部荷台部に固定された後部チャイルドシートを被覆し装着することができるチャイルドシートカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、上記した通り、前部チャイルドシート又は後部チャイルドシート(以下単に「シート」という。)を被覆できるチャイルドシートカバー(以下単に「カバー」という。)に関するものである。
【0003】
上記シートとしては、前部チャイルドシートにあっては、その取手部の部位を自転車のハンドル部に取り付け、その取手部から下方に伸びる支柱をハンドルポストに支持させて自転車のハンドル部分に装着し固定することができるものである。
座部の前方両側には下方に延長する足乗せ部が設けられ、その背面部である背凭れ部には上下に摺動可能なヘッドレスト(ヘッドサポートともいう。)が設けられた形態を有する。上記ヘッドレストは、上下に摺動しない固定式のタイプのものも存在する。
【0004】
他方、後部チャイルドシートにあっては、その座部は自転車の後部荷台部に固定され、足乗せ部は自転車の後輪の両側に配設され、座部の背面部である背凭れ部にはやはり上下に摺動可能なヘッドレストが設けられた形態を有し、座部の前には着席する幼児が把持する取手部が設けられたものである。
勿論、この種のシートとしては、上記ヘッドレストが上下に摺動しない固定式のタイプのものも存在する。
【0005】
これら前後のシートには、その座部の底面部を除く略全体を被覆することができる各種形態のチャイルドシートカバーが市販されている。
下記特許文献1に記載の発明は、本願出願人が先に提案した自転車用チャイルドシートカバーに関するものであり、雨対策用又は防寒用としてばかりでなく、夏でも冬でも一年中何時でも使用することができるタイプのチャイルドシートカバーを提案することをその課題としたものである。
そのために、カバーの形態を変更できるタイプのものとせねばならず、そのための形態変更可能なカバーを創案することが課題であった。
【0006】
その構成は、自転車の前部又は後部に固定されたチャイルドシートの略全体を被覆し装着できるチャイルドシートカバーにおいて、このカバーの下方被覆部の全部又は一部が当該カバーから着脱自在に係着分離できるようにした。
例えばカバーの上方被覆部の下端周縁部がチャイルドシートの前方取手部、両側の側方部及び背面部を囲繞してチャイルドシートの上方部分に装着され、下方被覆部はその全体がシート状体のものからなり、チャイルドシートの下方周側面を巻回するように被覆でき、この下方被覆部はその上端縁部及びその両端部が前記上方被覆部の下端周縁部及び背面部と係着できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-98971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記従来の各種のチャイルドシートにあっては、シートの背面部つまり背凭れ部に上下に摺動するヘッドレストが設けられており、このヘッドレストには前後方向に伸長及び収縮する蛇腹形態の日除け部が設けられたものも存在している。
この種の日除け部が設けられたチャイルドシートにおいては、当該日除け部が前後方向に伸長収縮するため、この蛇腹形態に伸縮する日除け部を適切に被覆することができるカバーを創案する必要がある。
本願発明にあっては、この種の蛇腹形態の日除け部が設けられたチャイルドシートに被覆することができるチャイルドシートカバーを提供することをその第一の課題としている。
【0009】
また、上記のように前後方向に伸縮する日除け部をカバーすることが出来るようにし、尚且つその形態をより自由に変更することができるようにするために、上記従来例のようにカバーを分割する必要もあり、その2分割したカバーの連結部分の構成もより適切なものとする必要がある。
本願発明においてはこれらの課題を解決することがその目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、自転車の前部ハンドル部又は後部荷台部に固定されたチャイルドシートを被覆し装着される自転車用チャイルドシートカバーにおいて、チャイルドシートの少なくとも前面上部、屋根部又は天井部、後面部の上部、及び両側の側面上部を被覆できる上方カバー部と、この上方カバー部に着脱自在に連結できる下方カバー部の2つの部分から成り、チャイルドシートに装備され蛇腹状に前後方向に伸長収縮する日除け部を被覆するように、前記上方カバー部の両側面部を含み天部から後面部に掛けて蛇腹状に伸長収縮する蛇腹状カバー部を設けて前記日除け部を被覆することができ、前記上方カバー部の前面部から両側面下部に掛けて雨除けカバー部が設けられ、前記蛇腹状カバー部を前方に伸長した状態でこの雨除けカバー部がシートの前面部及び両側面上部を被覆することができ、前記上方カバー部の後面部内側には当該上方カバー部をシートに取り付けるための装着部材を設け、この装着部材によりこの上方カバー部がシートに装着され、前記下方カバー部の両側の後方縁部に設けた係止部材と前記上方カバー部の両側の前方縁部に設けた係止部材を相互に係止して、前記上方カバー部と前記下方カバー部とが着脱自在に連結されることを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0011】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記雨除けカバー部が透明素材から成り、シートの前面及び両側面上部を被覆した状態で、この雨除けカバー部の下端部が前記下方カバー部の上縁部にオーバーラップして重なり合う状態でシートを被覆することを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0012】
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、前記雨除けカバー部の上縁部が前記上方カバー部の屋根部又は天井部の前端部及び両側面下端部に連結部を介して着脱自在に連結され、前記連結部の全範囲を被覆するように前記上方カバー部の前端部及び両側面下端部に連結部被覆部を設けて雨水等の侵入を防止したことを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0013】
本発明の第4のものは、上記第3の発明において、前記連結部被覆部の少なくとも両側面部に可撓性及び弾力性を有する板状の芯材を内設し、且つ当該芯材の前記蛇腹状カバー部の中心回動部位に切欠部を設けることによって蛇腹状カバー部が円滑に回動するようにしたことを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0014】
本発明の第5のものは、上記第1乃至第4の発明において、前記蛇腹状カバー部の前縁部に1対の係止部を設け、この一対の係止部がチャイルドシートの日除け部の前縁部に係止できることを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0015】
本発明の第6のものは、上記第1乃至第4の発明において、前記下方カバー部には、その両側にシートの足乗せ部を被覆する足乗せ部被覆部が設けられ、当該両側の足乗せ部被覆部の後面部同士を連結する連結バンド部材を設けたことを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0016】
本発明の第7のものは、上記第1乃至第4の発明において、前記下方カバー部の両側の適宜位置に自転車のハンドルグリップを挿通させるための挿通穴を設けたことを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【0017】
本発明の第8のものは、上記第5の発明において、前記下方カバー部の両側の適宜位置に自転車のハンドルグリップを挿通させるための挿通穴を設けたことを特徴とする自転車用チャイルドシートカバーである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1のものにおいては、自転車の前部ハンドル部又は後部荷台部に固定されたチャイルドシートを被覆し装着される自転車用チャイルドシートカバーにおいて、チャイルドシートの少なくとも前面上部、屋根部又は天井部、後面部の上部、及び両側の側面上部を被覆できる上方カバー部と、この上方カバー部に着脱自在に連結できる下方カバー部の2つの部分から成るチャイルドシートカバーであり、晴天の時には下方カバー部を分離して涼しい状態で使用することができる。
【0019】
チャイルドシートに装備され蛇腹状に前後方向に伸長収縮する日除け部を被覆するように、前記上方カバー部の両側面部を含み天部から後面部に掛けて蛇腹状に伸長収縮する蛇腹状カバー部を設けて、前記日除け部に追従して被覆するように構成しており、前後に伸縮する日除け部の形態に適合してその日除け部を適切に被覆することができる。
【0020】
換言すれば、天候の状況に応じて日除け部及び蛇腹状カバー部を容易に伸長させたり収縮させたりすることができる。
また、この蛇腹状カバー部を後方に収縮させ、カバー前面を大きく開放させることができるため、内部のシートに幼児を容易に着席させ或いは内部の幼児を容易に外部に取り出すことができる。
【0021】
前記上方カバー部の前面部から両側面下部に掛けて雨除けカバー部が設けられ、前記蛇腹状カバー部を前方に伸長した状態でこの雨除けカバー部がシートの前面部及び両側面上部を被覆することができるため、雨天時又は寒冷時には、蛇腹状カバー部を前方に伸長して雨除けカバー部をシートの前面部及び両側面上部に被覆し、雨及び外気がカバー内部に侵入することがない。
【0022】
前記下方カバー部の両側の後方縁部が前記上方カバー部の両側の前方側縁部に着脱自在に連結することができるために、下方カバー部を上方カバー部に容易に着脱することができ、雨天時、寒冷時、又は晴天時に応じて下方カバー部を容易に上方カバー部に着脱することができる。
【0023】
本発明の第2のものにおいては、前記雨除けカバー部が透明素材から成り、シートの前面及び両側面上部を被覆した状態で、この雨除けカバー部の下端部が前記下方カバー部の上縁部にオーバーラップして重なり合う状態でシートを被覆することができ、雨天時又は寒冷時には蛇腹状カバー部を前方に延長して雨除けカバー部によりシートの前面部及び両側面上部を容易に被覆することができる。
【0024】
本発明の第3のものにおいては、前記雨除けカバー部の上縁部が前記上方カバー部の屋根部又は天井部の前端部及び両側面下端部に連結部を介して着脱自在に連結され、前記連結部の全範囲を被覆するように前記上方カバー部の前端部及び両側面下端部に連結部被覆部を設けて雨水等の侵入を防止することができる。
【0025】
本発明の第4のものにおいては、前記連結部被覆部の少なくとも両側面部に可撓性及び弾力性を有する板状の芯材を内設し、且つ当該芯材の前記蛇腹状カバー部の回動中心部位に切欠部を設けることによって蛇腹状カバー部がその回動中心部位において円滑に回動できるようにした。
【0026】
本発明の第5のものにおいては、前記蛇腹状カバー部の前縁部に一対の係止部を設け、この一対の係止部がチャイルドシートの日除け部の前縁部に係止できるように構成することにより、蛇腹状に伸縮する日除け部と蛇腹状カバー部とがより一体的に連動することとなる。
換言すれば、蛇腹状カバー部を伸縮させると同時に日除け部も一緒に連動して伸縮することとなる。
【0027】
本発明の第6のものにおいては、前記下方カバー部には、その両側にシートの足乗せ部を被覆する足乗せ部被覆部が設けられ、当該両側の足乗せ部被覆部の後面部同士を連結する連結バンド部材を設けたものである。
これにより、両側の足乗せ部被覆部がシートの足乗せ部から外れた際も当該足乗せ部が車輪等に巻き込まれる恐れが少なくなる。
【0028】
本発明の第7及び第8のものにおいては、上記第1乃至第5の発明において、前記下方カバー部の両側の適宜位置に自転車のハンドルグリップを挿通させるための挿通穴を設けたものであり、本願発明に係るカバーが、後部荷台部に固定されたチャイルドシートばかりでなく、ハンドル部に固定された前部チャイルドシートにも適用できるものであることを特定したものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係るチャイルドシートカバーの一実施形態を示す斜め前方から見た斜視説明図であって、雨除けカバー部を閉鎖した状態を示している。
図2図1に示した実施形態に係るチャイルドシートカバーの後方側から見た、つまり自転車のサドルに腰掛けた位置から見た説明図である。
図3】上記実施形態に係るカバーの分解説明図である。
図4】上記実施形態に係るチャイルドシートカバーをシートに装着した状態の側面説明図であって、蛇腹状カバー部を後方に約90度程度開放させた状態を図示したものである。
図5】上記実施形態に係る上方カバー部がシートに装着された状態を図示しており、当該上方カバー部の雨除けカバー部が分離され、且つ、当該上方カバー部の蛇腹状カバー部が前方に伸長した状態を図示している。
図6】チャイルドシートの側面方向から見た説明図であり、シートのヘッドレストに取り付けられた日除け部を前方方向に伸長した状態を示したものである。
図7】チャイルドシートの側面方向から見た説明図であり、当該日除け部を後方に収縮した状態を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下添付の図面と共に、本発明の実施形態について説明する。
まず初めに本発明に係る自転車用チャイルドシートカバーが装着されるチャイルドシートについて図6及び図7を用いて説明する。
【0031】
図6及び図7は、チャイルドシートの側面方向から見た説明図であり、図6はシートのヘッドレストに取り付けられた日除け部を前方方向に伸長した状態を示し、図7は当該日除け部を後方に収縮した状態を示している。
ここで、前方及び後方というのは、自転車の進行方向を前方と、その逆を後方方向と言い、以下同じ意味である。
【0032】
両図に示したチャイルドシートSは、自転車のハンドルHに固定されたものであり、座部Zの後方には背凭れ部Rが斜め上方向に延長し、当該背凭れ部Rには上下に摺動するヘッドレストMが設けられ、このヘッドレストMには前後方向に伸長収縮する日除け部Nが設けられている。
【0033】
座部Zの前方で、ハンドルポストの両側には下方に延長する足乗せ部Fが一対設けられており、これら足乗せ部F、Fの間には座部Zの前縁から上方に伸びる支柱が設けられ、この支柱の上端部には図では良く見て取れないが、取手部が設けられている。
これらの取手部と支柱がハンドルH及びハンドルポストに固定されて当該チャイルドシートSが自転車のハンドル部に固定される。
【0034】
上記チャイルドシートにあっては、ハンドル部に固定されるものであってそのヘッドレストMに装着されている蛇腹形態の日除け部Nの存在が特徴的なものである。
【0035】
この日除け部Nは、逆U字形状の枠体の複数本を、これらの図では両端部の枠体を含めて5本の可撓性及び弾性を有する枠体を両側の支点部Cで回動自在に支持して前後方向に伸長及び収縮可能に連結している。
これらの枠体の外表面にはメッシュ生地が張設され、日除け及び外気の流通を可能としている。
図6の状態では、前記日除け部Nの前端を前方に完全に伸長した状態であり、図7の状態では、前記日除け部Nの前端を後方に回動させ、後方に約120度程度開放した状態を示している。
【0036】
尚、この日除け部Nの後方の端縁部は、ヘッドレストMを被覆する被覆部の上縁部と留めホックにより着脱自在に係止されている。
本発明に係るチャイルドシートカバーにあっては、この種のチャイルドシートを被覆し装着されるタイプのものである。
【0037】
他方、後部荷台部に固定されるチャイルドシートにあっては、図示はしていないが、その座部を荷台部に固定することによって取り付けられ、足乗せ部の位置が自転車の後輪の両側に配置されている点で相違するのみでその他の点で相違はない。
本発明に係るチャイルドシートカバーにあっては、ヘッドレストに予め装着された日除け部を有するこれら前後のチャイルドシートに被覆し装着できるものである。
【0038】
尚、前部チャイルドシートカバーにあっては、自転車前部のハンドル部に装着されるため、カバーの適宜位置にハンドル挿通穴が設けられ、この点のみ後部チャイルドシートカバーと異なる構成となる。
【0039】
図1は本発明に係るチャイルドシートカバーの一実施形態を示す斜め前方から見た斜視説明図であって雨除けカバー部を閉鎖した状態を示している。
尚、この図1では、自転車に備え付けられている前籠は、カバーが隠れてしまうために図示省略している。
【0040】
本発明に係るチャイルドシートカバー10は、上方カバー部11と、下方カバー部21との2つの部分、つまりツーピースから成る。
【0041】
上方カバー部11は、シートの蛇腹形態の日除け部を被覆する蛇腹状カバー部12と、前記蛇腹状カバー部12の前端縁と両側側面部の下端縁に着脱自在に連結可能な雨除けカバー部14とからなる。
【0042】
前記雨除けカバー部14と蛇腹状カバー部12の一部(前方部分と両側面部分)は、透明の素材、例えばPVCシートを利用して形成している。
勿論、雨除けカバー部14の下端縁部14wと、蛇腹状カバー部12の骨部12wの部分は可撓性及び弾性を有する樹脂製線条材を配設しているために透明ではない。
上記雨除けカバー部14の下端縁部14wには上記樹脂製線条材を配設せずに実施することもできる。
【0043】
図からも解る通り、上記雨除けカバー部14の下端縁部14wは、下方カバー部21の上端縁部21uを被覆しつつその下方位置に位置する。
即ち、雨除けカバー部14の下端縁部14wは下方カバー部21の上端縁部21uにオーバーラップするような位置関係となる。
【0044】
従って、下方カバー部21の上端縁部にはPOM等の可撓性及び弾性を有する合成樹脂製の線条材を配設することが望ましい。その形状を維持させるためである。
他方、雨除けカバー部14の下端縁部14wの側には同様にPOM等の合成樹脂製の線条材は配設しても、しなくとも可能であり、その選択は自由である。
【0045】
上記上方カバー部11は、その蛇腹状カバー部12の前端縁をシートの日除け部の前縁部に引っ掛けるようにして装着することもできるが、その装着手段としては、従来のチャイルドシートカバーに利用されている従来手段を用いることができる。
【0046】
即ち、この装着手段としては、上記上方カバー部11の背面部内側に伸縮性を有するベルト部材を左右一対縦方向に設け、これら左右一対のベルト部材をチャイルドシートのヘッドレストの両端部から挿通させるようにして装着することができる。
【0047】
換言すれば、上記上方カバー部11の蛇腹状カバー部12の背面部側の下方部分(ヘッドレスト対応部分)の内側に上記一対のベルト部材を設けて、これら一対のベルト部材をチャイルドシートのヘッドレストに挿通させて装着するのである。
勿論、この装着手段はその他各種のものが考えられ、自由に設計変更可能である。
【0048】
例えば、本願出願人が先に提案した「装着補助プレート」(特許第6457870号)をヘッドレストの背面に装着し、この装着補助プレートの背面側に設けられている面ファスナーに係合する面ファスナーを上記上方カバー部12の背面部(ヘッドレスト対応部位)の内側に設けることにより相互に係着でき、装着することもできる。
【0049】
本実施形態では、図示はしていないが、この蛇腹状カバー部12の前端縁の内側に一対の係止部を設け、例えば、一対のフックを所定間隔で設け、これらのフックをシートの日除け部の前端縁部に係止できるように形成している。
勿論、このフックを設けずに実施することも可能である。
【0050】
この図1の状態で、雨除けカバー部14を蛇腹状カバー部12から取り外すと、シートの前面部が大きく開放されて、内部に着席させる幼児の出し入れに便利となる。
尚、この蛇腹状カバー部12は、その前端縁を更に後方方向に略120度程度に開放させることもでき、幼児の着席及び外部への取出しにはより便利なものとなる。
【0051】
雨除けカバー部14は、その上端縁部を蛇腹状カバー部12の前端縁部に着脱自在に連結しているが、その着脱分離手段としてはこの実施形態ではスライドファスナーを利用している。
このスライドファスナーは、蛇腹状カバー部12の前端縁部の骨部12wの部位に沿って設けられ、この連結手段であるスライドファスナーの部位を被覆するように連結部被覆部13が設けられ、雨除けカバー部14と蛇腹状カバー部12との係合部分を当該連結部被覆部13が被覆することによって雨等が内部に侵入しない構造としている。
【0052】
この連結部被覆部13の幅は約50mm乃至80mm程度に設けており、両側の端部部分の幅を最大に形成している。
また、この連結部被覆部13には特殊な芯材を配設しているが、それについては後に詳説する。
【0053】
図には明瞭に現れていないが、上記上方カバー部11の両側の後縁部には係止離脱可能な留めホックをそれぞれ設けており、これらの留めホックに下方カバー部21の両側の後端縁部に設けた留めホックが係止離脱自在に係止される。
【0054】
後の図でも説明するが、下方カバー部21は、1枚のシート状の生地からなり、その両側の端縁部にそれぞれ留めホックが設けられ、前記上方カバー部11の留めホックと相互に係止される。
【0055】
この下方カバー部21は1枚のポリエステル等の生地からなり、シートの両側側面部及び前方の足乗せ部等に巻き付けるように装着される。
その下端縁部の適宜位置には伸縮自在の紐状部材が内設されているために、その下端縁部はシートの足乗せ部の下側に回り込み収束されて装着される。
【0056】
また、下方カバー部21の両側の適宜位置には自転車のハンドルグリップが挿通できるハンドル挿通穴21hが設けられている。
このハンドル挿通穴21hは後部チャイルドシートカバーには設けられておらず、この点のみ後部チャイルドシートカバーと異なる構成となる。
【0057】
図2は、図1に示した実施形態に係るチャイルドシートカバーの後方側から見た、つまり自転車のサドルに腰掛けた位置から見た説明図である。
この図から、上記実施形態に係るカバーの後面部側又は背面部側の構成を見て取ることができる。同様に、この図から、上記上方カバー部11の蛇腹状カバー部12の後面部側が見て取れる。
【0058】
この図にある通り、上記上方カバー部11は、シートの屋根部又は天井部及び両側の両側面部上部を被覆する蛇腹状カバー部12を備え、この蛇腹状カバー部12に連続してシートのヘッドレストの後面部を被覆するヘッドレスト被覆部15が連続し、その下方にはシートの背凭れ部Rの上方部分を被覆する背凭れ部被覆部16が備わる。
【0059】
上記ヘッドレスト被覆部15の部分は、表生地と裏生地との間にウレタンシートを内装させており、その形状が変形しつつその形状も維持され、適切にヘッドレストの外側に接合するように形成されている。
このヘッドレスト被覆部15の内側に上記した一対のベルト部材が縦方向に設けられ、これらのベルト部材によって上方カバー部11がヘッドレストに装着されるのである。
【0060】
従って、本実施形態では、上方カバー部の後面部は、シートの背凭れ部Rの全体を被覆しておらず、この背凭れ部Rの上方部分までを被覆し、その下方部分は被覆していない。
勿論、シートの背凭れ部Rの全体を被覆し、シートの座部の底面部に回り込むような形状に形成することも自由である。
【0061】
従って、上記蛇腹状カバー部12は、その回動する骨部12wの後面側の最下段のものが上記ヘッドレスト被覆部15の上縁部15jに重なり合うように収束する。
また、ヘッドレスト被覆部15の内側面(裏面)には、カバーをシート(ヘッドレスト)に装着するための装着手段が設けられていることについては上に述べた。
【0062】
蛇腹状カバー部12の後面側には図中円形の破線で示したエアー排出孔12hが複数設けられており、これらのエアー排出孔12hを被覆する被覆部18も設けられている。
雨天時以外にはこの被覆部18を開放して、カバー内に流入した外気を外に排出させることができ、雨天時にはこの被覆部18を閉鎖して雨等の侵入を防止することができる。
【0063】
また、蛇腹状カバー部12は透明素材で形成されているために、自転車に乗った使用者は運転中においてカバー内の幼児の様子を監視することができる。
【0064】
更に、この図においては少し見難いが、下方カバー部21の両側面の後端縁部に設けた留めホック21t、21tを見て取ることができる。
これらの留めホック21tによって、カバーの下方カバー部21が上方カバー11に着脱自在に連結されるのである。
【0065】
図3は、上記実施形態に係るカバーの分解説明図である。
既に述べた通り、本発明に係るチャイルドシートカバーは、上方カバー部11と下方カバー部21とから成り、上方カバー部11は、蛇腹状カバー部12と雨除けカバー部14とから成り、上記上方カバー部11と下方カバー部21とが着脱自在であり、且つ、上記雨除けカバー部14と上記上方カバー部11も着脱自在である。
従って、本発明に係るチャイルドシートカバーは図3に示した通り、3つのパーツに分解できることとなる。
【0066】
上方カバー部11は、その前面側から後面側に掛けて(図3では下端部から上端部に掛けて)蛇腹状カバー部12が位置し、その後端部からヘッドレスト被覆部15が続き、その次に背凭れ部被覆部16が連続する。
【0067】
上記ヘッドレスト被覆部15の内側(内面)の左右両側には、一対のベルト部材15bが縦方向に設けられ、これらのベルト部材15bによって上方カバー部11がシートのヘッドレストに装着される。
より詳しくは、これらのベルト部材15bをヘッドレストの両端部から挿通させて装着するのである。
【0068】
上記一対のベルト部材15bは、それぞれ伸縮自在の帯状部材から形成されるが、具体的には、伸縮しないナイロンベルトの両端部に伸縮自在のゴムベルトを連結して、ベルト部材15b全体としては伸縮するが、中央の伸縮しないナイロンベルトの存在により当該ベルト部材15bが伸びたままに成ってしまうことを防止している。
【0069】
図3中央に図示した透明素材からなる雨除けカバー部14は、平面視略逆三角形をしているが、その上縁部に沿ってスライドファスナー14fが設けられ、このスライドファスナー14fは、上記蛇腹状カバー部12の前端縁から両側側縁部に掛けて設けたスライドファスナー(図面には現れていない。)と相互に歯合する。
これによって、上記雨除けカバー14は上記蛇腹状カバー部12と着脱自在に連結される。
【0070】
図3中、上記雨除けカバー部14の下方に位置するのが下方カバー部21である。
この下方カバー部21は柔軟なポリエステル等の生地から成る布帛であり、シートの前面下部及び両側側面部を被覆して上記上方カバー部11の両側面後方端縁部と留めホック21t、21tを相互に係止して連結される。
【0071】
図中下方部に位置する足乗せ部被覆部23、23はチャイルドシートの足乗せ部を被覆して、その足乗せ部被覆部23の下端周縁部に配設されたゴム紐が収束することによってしっかりとシートの足乗せ部に装着される。
【0072】
上記足乗せ部被覆部23、23の上方外周縁部には連結ベルト25が設けられており、この連結ベルト25の先端部に設けたワンタッチ式の雄バックル25bをこれと係合する雌バックル25cに連結することによって、シートの足乗せ部を被覆した後、これらのバックル25b、25cを連結してこれら足乗せ部被覆部23、23がシートの足乗せ部から離脱しないように構成している。
【0073】
更に、この下方カバー部21の上方部位の両側には自転車のハンドルが挿通するハンドル挿通穴21h、21hが一対設けられている。
これら一対のハンドル挿通穴21h、21hに自転車のハンドルグリップ及びハンドルバーが挿通し、下方カバー部21が自転車のハンドル部分及びチャイルドシートの前面部分を被覆し装着される。
【0074】
その後、下方カバー部21の両側の後端縁部に設けられた留めホック21tを上方カバー部11の両側後端縁部に設けた留めホックと相互に係止して下方カバー部21が上方カバー部11に連結されるのである。
【0075】
図4は、上記実施形態に係るチャイルドシートカバーをシートに装着した状態の側面説明図であって、蛇腹状カバー部を後方に90度程度開放させた状態を図示したものである。
このように、本発明に係るチャイルドシートカバーにおいては、その蛇腹状カバー部12を後方に略90度程開放することにより、シートの日除け部も後方に開放され、雨除けカバー部14も上方に持ち上げられてシートの前面及び両側面が開放される。
【0076】
この状態で雨除けカバー部14を蛇腹状カバー部12から分離し、或いは分離せずともその大部分を分離させることにより幼児のシートへの乗せ降ろしに便利となる。
がしかし、この蛇腹状カバー部12は更に120度程後方に開放させることが可能なものである。
【0077】
再度装着手順について説明すると、以下のようになる。
まず、上方カバー部11において、雨除けカバー部14は蛇腹状カバー部12と連結しておいても、分離しておいてもどちらでもよい。
【0078】
蛇腹状カバー部12の後面下端に位置するヘッドレスト被覆部15の内側面に設けられているベルト部材(15b)をシートのヘッドレストに挿通させる。
この際に、チャイルドシートの側においては、日除け部がヘッドレストに固定されており、その固定を一時的に解除して本発明に係るカバーの上方カバー部11をシートのヘッドレストに装着する。
【0079】
即ち、上記蛇腹形態の日除け部の回動中心部に備わる連結部をシート側面部から抜脱し、一時的に日除け部の固定を解除した後に、上記ヘッドレスト被覆部15の内側に備わるベルト部材(15b)をヘッドレストの両端部から挿通して、上方カバー部11をヘッドレストに装着する。
前記日除け部の連結部は、上方カバー部11の装着後に再度シートに連結する。
【0080】
次に、下方カバー部21を自転車のハンドルHの上方又は前方側から被覆し、ハンドルHを両側のハンドル挿通孔21hに挿通させ、下方カバー部21の下端部に一対設けられた足乗せ部被覆部23、23をシートの前方下端に位置する一対の足乗せ部に被覆させ、その後、足乗せ部23の後面に設けられた連結ベルト(25)の端部の雄バックル(25b)を対向する位置に設けられた雌バックル(25c)と連結して装着が完了する。
【0081】
図5は、上記実施形態に係る上方カバー部がシートに装着された状態を図示しており、当該上方カバー部の雨除けカバー部が分離され、且つ、当該上方カバー部の蛇腹状カバー部が前方に伸長した状態を図示している。
【0082】
この図から蛇腹状カバー部12の形態をよく見て取ることができる。
本発明に係るカバーの蛇腹状カバー部12をほぼ完全に前方に伸長させると、シートの日除け部と同様に、シートの上方部分がほぼ完全に被覆される。
【0083】
これにより夏季の暑い時には、下方カバー部を取り除き、且つ、日除け効果も発揮でき、涼しい状態で使用することができる。
蛇腹状カバー部の前端縁にフックを設けずに実施した場合には、シートの日除け部のみを前方に伸長させ、蛇腹状カバー部を後方に収縮させて使用することもでき、その際にはより涼しい状態で使用することができる。
【0084】
ここで、連結部被覆部13の部分について説明する。
この連結部被覆部13は、蛇腹状カバー部12の前端縁及び両側側縁部に掛けて設けられているが、この連結部被覆部13は、上記雨除けカバー部(14)と蛇腹状カバー部12とのスライドファスナーによる連結の連結部位を被覆して雨水等の侵入を防止するために設けている。
【0085】
この連結部被覆部13の構造は3層構造を有しており、表裏のポリエステル生地の間に可撓性を有する樹脂製板材を芯材13sとして配設したものである。
この芯材13sとしては、例えば、発泡EVAの薄板を利用することができる。
勿論、材質は、可撓性及び弾力性を有し、保形性を備えるものであれば何でもよい。
【0086】
そして、その芯材13sの形状は、図5の破線で示したように、連結部被覆部13の前面略中央部から側面部の端部に至るまでの帯状の形態にし、蛇腹状カバー部12の骨部の回動軸部の部位に切欠部13kを設けた形状としている。
この芯材13を上記連結部被覆部13の両側に一対配設するのである。
一本に連続的に設けないのは、上記切欠部13kの効果が半減するからである。
【0087】
即ち、上記切欠部13kは、蛇腹状カバー部12の回動部位に位置し、この部位においては連結部被覆部13が水平の状態からほぼ120度程度まで折れ曲がるからであり、この折れ曲がりを良好にするために、上記芯材13sに切欠部13kを設けたのである。
これにより、連結部被覆部13の回動部位も良好に伸長し且つ折れ曲がることとなるのである。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通りその形態を種々設計変更して実施することができる。
まず、上記実施形態においては、本発明に係るカバーを前部チャイルドシートに被覆するものとして説明したが、本発明に係るカバーは、後部チャイルドシートにも適用することができる。
【0089】
即ち、下方カバー部の両側面に設けたハンドル挿通穴を設けずに形成し、上方カバー部及び下方カバー部の形状を後部チャイルドシートに適合するように形成することにより後部チャイルドシートのカバーとして実施することができる。
【0090】
従って、カバーのサイズや形状等々も適宜シートの形態に応じて設計変更可能である。
また、その材質に関しても自由に選択して実施することができる。但し、雨除けカバー部及び蛇腹状カバー部は透明素材を利用するのが最適である。
【0091】
上方カバー部及び下方カバー部に配設されている枠部は、可撓性及び弾性を有する線条材が使用されるが、例えばPOM等を使用することができる。
【0092】
本発明に係るカバーをシートに装着するための装着手段としては、従来の各種のものを利用することができるが、例えば、上方カバー部(蛇腹状カバー部)の前方端縁部に一対のフックを適宜間隔を開けて設けるようにして実施することができる。
これら一対のフックをシートに装着されている日除け部の前方端縁部に引っ掛けて装着することができる。
【0093】
上方カバー部の後面側の下端部は、シートの座部の底面に回り込むように形成することもでき、この上方カバー部の下端周縁部に配設した伸縮自在のゴム紐等により装着することも可能である。
【0094】
他方、下方カバー部の装着に際しては、前部チャイルドシートカバーにあっては、その下方カバー部に設けたハンドル挿通穴によりその上方部分は装着され、その下方部分は、下方カバー部の下端部周縁に配設した伸縮自在のゴム紐等によりシートの足乗せ部の底面部に引っ掛けるようにして装着することができる。
【0095】
以上、本発明においては、蛇腹形態の日除け部を有するチャイルドシートに相応しく被覆装着できる2ピースのチャイルドシートカバーを提供し、下方カバー部を上方カバー部から分離できる構成とし、尚且つ、雨除けカバー部をも着脱自在とし、雨天時、寒冷時、或いは晴天時の何れの天候においてもその形態を相応しく変更して使用できる自転車用チャイルドシートカバーを提供することができた。
【符号の説明】
【0096】
10 チャイルドシートカバー
11 上方カバー部
12 蛇腹状カバー部
12h エアー排出孔
12w 骨部
13 連結部被覆部
14 雨除けカバー部
14f スライドファスナー
14w 下端縁部
15 ヘッドレスト被覆部
15b ベルト部材
16 背凭れ部被覆部
18 被覆部
21 下方カバー部
21h ハンドル挿通穴
21t 留めホック
21u 上端縁部(下方カバー部の)
23 足乗せ部被覆部
F 足乗せ部
H ハンドル
M ヘッドレスト
N 日除け部
R 背凭れ部
S チャイルドシート
Z 座部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7