(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158030
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】滑止具
(51)【国際特許分類】
E03F 5/06 20060101AFI20241031BHJP
E03F 5/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E03F5/06
E03F5/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072830
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】593159903
【氏名又は名称】株式会社宝機材
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 寛栄
(72)【発明者】
【氏名】清水 章博
(72)【発明者】
【氏名】杉山 将大
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CB07
2D063CB15
(57)【要約】
【課題】
蓋部材の上表面に段差が出来ないように取り付けが可能な滑止具を提供する。
【解決手段】
主部材810と当該主部材810を連結する連結部材820を備えた蓋部材800に取り付けられる滑止具600であって、主部材810を両側から挟み込む一対の挟込板100を備え、挟込板100には、連結部材820が挿通可能な挿通溝200と、蓋部材800の上面側に向けて配置される滑止部300が設けられており、挿通溝200は、挟込板100の端部(110、120)へ向けて開口していることを特徴とする
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主部材と当該主部材を連結する連結部材を備えた蓋部材に取り付けられる滑止具であって、
前記主部材を両側から挟み込む一対の挟込板を備え、
前記挟込板には、前記連結部材が挿通可能な挿通溝と、前記蓋部材の上面側に向けて配置される滑止部が設けられており、
前記挿通溝は、前記挟込板の端部へ向けて開口していることを特徴とする滑止具。
【請求項2】
前記滑止部の一部は、前記主部材の上端よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の滑止具。
【請求項3】
前記主部材を挟持するように、前記挟込板同士を固定する固定部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の滑止具。
【請求項4】
前記挿通溝には、前記連結部材に係止する係止部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の滑止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、側溝や排気口等の開口部に設置するグレーチングなどの蓋部材に取り付けられる滑止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
側溝や排気口等の開口部には、人や車両等が落下しないように、グレーチングなどの蓋部材が取り付けられている。蓋部材には様々な種類があり、特許文献1に示すように、一般的なグレーチングは、人や車両が通過した際の荷重に耐えられるように主部材(いわゆる、メインバー)を備えている。この主部材は立てられた状態で、連結部材により平行に連結され、その間から雨水等を下方へ排水したり、空気等を排出する。そして、人や車両が通過した際に滑らないように、グレーチングの上表面に、滑止具を後から追加で取り付ける場合がある。ただ、グレーチングの上表面を覆うように、滑止具を取り付けると、滑止具によって段差ができ、その段差によって、人などが躓く虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本願発明は上記問題に鑑み、蓋部材の上表面に段差が出来ないように取り付けが可能な滑止具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の滑止具は、主部材と当該主部材を連結する連結部材を備えた蓋部材に取り付けられる滑止具であって、前記主部材を両側から挟み込む一対の挟込板を備え、前記挟込板には、前記連結部材が挿通可能な挿通溝と、前記蓋部材の上面側に向けて配置される滑止部が設けられており、前記挿通溝は、前記挟込板の端部へ向けて開口していることを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、滑止具は、一対の挟込板を主部材の両側から挟み込んで取り付ける構造なので、蓋部材の上面側を覆うことが無く、従来のように蓋部材の上面に段差が出来ることを防止できる。さらに、滑止具の滑止部は、蓋部材の上面側に向けて配置されているので、蓋部材の上面を通過する人や車両等が滑ることを防止できる。
【0007】
さらに、本願発明の滑止具は、前記滑止部の一部は、前記主部材の上端よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、滑り止め効果をより発揮できる。
【0009】
さらに、本願発明の滑止具は、前記主部材を挟持するように、前記挟込板同士を固定する固定部材を備えることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、滑止具は主部材に更に強固に固定される。
【0011】
さらに、本願発明の滑止具は、前記挿通溝には、前記連結部材に係止する係止部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、滑止具の係止部が連結部材に係止するので、滑止具が蓋部材から脱落することを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本願発明の滑止具は、蓋部材の上表面に段差が出来ないように取り付けが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願発明の実施形態1に係る滑止具の全体斜視図である。
【
図2】本願発明の実施形態1に係る滑止具を取り付ける対象である蓋部材の全体斜視図である。
【
図3】滑止具を蓋部材に取り付ける状態の拡大斜視図である。
【
図4】(a)は、滑止具を蓋部材に取り付けた状態の拡大斜視図、(b)は、A―A断面図である。
【
図5】(a)は、本願発明の実施形態2に係る滑止具を蓋部材に取り付けた状態の拡大斜視図、(b)は、B―B断面図である。
【
図6】本願発明の実施形態3に係る滑止具を蓋部材に取り付けた状態の拡大斜視図である。
【
図7】本願発明の実施形態4に係る滑止具の全体斜視図である。
【
図8】本願発明の実施形態4に係る滑止具を取り付ける対象である蓋部材の全体斜視図である。
【
図9】滑止具を蓋部材に取り付ける状態の拡大斜視図である。
【
図10】滑止具を蓋部材に取り付けた状態の拡大斜視図、(b)は、C―C断面図である。
【符号の説明】
【0015】
100 挟込板
110 端部
120 端部
200 挿通溝
300 滑止部
600 滑止具
810 主部材
820 連結部材
800 蓋部材
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
以下に、本願発明の実施形態1について、
図1から
図4を用いて説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本願発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0017】
まず、
図1は、本願発明の実施形態1に係る滑止具600の全体斜視図を示している。
【0018】
図1に示すように、滑止具600は、金属製の平坦な挟込板100を備える。この挟込板100は、正面視で略長方形状をしており、一方(図面上では、上側)の端部110側には、中央(図面上では、下側)へ向けて切り欠かれて窪んだ挿通溝200と、滑止部300が設けられている。また、他方(図面上では、下側)の端部120側には、一対の挟込板100を互いに締め付けて固定するための締結部材400を挿通させる孔130が設けられている。また、締結部材400は、ボルト410とナット420とワッシャ430を備えている。なお、挟込板100は、挿通溝200を2つ備えているが、これに限定されず、任意の数だけ設けることができ、例えば、挟込板100が蓋部材の連結部材を一つしか跨がない長さである場合は、挿通溝200を1つ備えればよい。
【0019】
滑止部300は、山部310と谷部320が連続した凹凸形状をしており、挟込板100の一方の端部110において、両側の側端140まで直線状に延出している。また、挿通溝200は、端部110へ向けて開口しており、その開口から後述する蓋部材の連結部材を内部に挿通させることができる。そして、挿通溝200の深さは、後述するように滑止部300の一部が主部材の上端よりも上方へ突出可能なように、連結部材を挿入できる範囲で設定されている。
【0020】
また、滑止部300は、山部310と谷部320が連続した凹凸形状をしているが、これに限定されず、人や車両が通過した際に滑らない効果が得られるのであれば、表面が粗い滑止面など、その他の構成であってもよい。また、挟込板100を、犠牲防食作用を備えるめっき鋼板によって構成してもよい。挟込板100は、犠牲防食作用を備えるめっき鋼板から、
図1に示す形状に切断されて製造されるため、挟込板100の端部110は、直線状の切断面となる(切断刃で切断するため、山部310と谷部320が連続した凹凸形状ではない)。すると、端部110には、犠牲防食作用により、切断面の表面の微小な傷を覆うようにして、時間の経過と共に保護被膜が形成される。さらに、切断面の表面の微小な凹凸の傷を覆うようにして、保護被膜が形成されているので、その保護被膜の表面にも、微小な凹凸が現れ、滑り止めの効果が得られる。また、犠牲防食作用により形成された保護被膜の表面も粗くざらついているので、摩擦力が大きく、滑り止めの効果が更に高くなる。
【0021】
次に、
図2には、本願発明の滑止具600を取り付ける対象である蓋部材800を示す。なお、
図2は、蓋部材800の全体斜視図である。
【0022】
図2に示すように、金属製の蓋部材800は、板状の主部材810(メインバー)を複数立てた状態で並列に並べ、各主部材810の上端811に長尺方向に延びる棒状の連結部材820(クロスバー)を溶接固定している。また、各主部材810の側端812は、板状の端部材830(エンドバー)で連結されている。これにより、蓋部材800は、格子状に組まれたグレーチングの態様で構成されている。なお、蓋部材800は、格子状に組まれたグレーチングの態様をしているが、これに限定されず、主部材810と主部材810を連結する連結部材820を備えた構成であれば、任意の態様であってもよい。
【0023】
次に、
図3及び
図4には、本願発明の滑止具600を蓋部材800に取り付ける態様を示す。なお、
図3は、滑止具600を蓋部材800に取り付ける状態の拡大斜視図、
図4(a)は、滑止具600を蓋部材800に取り付けた状態の拡大斜視図、
図4(b)は、A―A断面図である。
【0024】
図3に示すように、滑止具600を蓋部材800に取り付ける際は、蓋部材800の下側から、滑止具600の一方の挟込板100を蓋部材800の主部材810の一方側(図面では正面側)に宛がう。その際、挟込板100の挿通溝200に蓋部材800の連結部材820を挿通させる。同様に、蓋部材800の下側から、滑止具600の他方の挟込板100を蓋部材800の主部材810の他方側(図面では後面側)に宛がう。その際、挟込板100の挿通溝200に蓋部材800の連結部材820を挿通させる。そして、一対の挟込板100によって、主部材810の両側の前後面を挟み込んだ状態で、一対の挟込板100を締結部材400で固定する。具体的には、締結部材400のボルト410を、他方の挟込板100の孔130から一方の挟込板100の孔130へ貫通させ、ボルト410の先端にワッシャ430を介してナット420を螺号させる。そして、ボルト410を強く締め付ければ、一対の挟込板100は互いに近接するように締め付けられる。すると、
図4に示すように、一対の挟込板100は主部材810を両側から強く挟み込み、滑止具600は主部材810から外れないように強く固定される。
【0025】
そして、
図4に示すように、滑止具600の滑止部300は、蓋部材800の上面側に向けて配置されているので、蓋部材800の上面を通過する人や車両等が滑ることを防止できる。また、滑止具600は、一対の挟込板100を主部材810の両側から挟み込んで取り付ける構造なので、蓋部材800の上面側を覆うことが無く、従来のように蓋部材800の上面に段差が出来ることを防止できる。また、滑止具600は、一対の挟込板100を主部材810の両側から挟み込んで取り付ける構造なので、溶接等で主部材810に固定する必要がなく、着脱も容易である。
【0026】
また、
図4に示すように、滑止具600の挿通溝200は、挟込板100の端部110へ向けて開口しているので、蓋部材800の連結部材820を挿通させられることから、連結部材820が滑止具600の取り付けの妨げになることは無い。また、滑止具600は、連結部材820が邪魔にならないように挿通させると共に、主部材810の両側から挟み込んで取り付ける構造なので、主部材の構成や連結部材同士のピッチが変わっても、つまり、様々な種類の蓋部材に対しても、容易に取り付けることが出来る。
【0027】
また、滑止部300の一部(具体的には、山部310)が、主部材810の上端811よりも上方に突出しているので、滑り止め効果をより発揮できる。なお、滑止部300の一部が、主部材810の上端811よりも上方に突出しているが、これに限定されず、滑止部300と主部材810の上端811とが面一となるように、滑止具600の設置高さを変更してもよい。特に、滑止具600の挿通溝200は挟込板100の端部110へ向けて開口しているので、挿通溝200に連結部材820を挿通させた状態で、滑止具600の設置高さを容易に変更することができる。また、
図4(b)に示すように、一方の挟込板100の滑止部300と、他方の挟込板100の滑止部300の位置をずらす(
図4(b)では、滑止部300の山部310が互い違いになっている)ことで、滑り止め効果をより発揮できる。特に、一対の挟込板100のそれぞれを別体とすることで、各挟込板100の滑止部300の加工や配置を変更し易くなる。
【0028】
また、締結部材400によって、主部材810を挟持するように挟込板100同士を締め付けて固定することから、滑止具600の蓋部材800への取り付けが、蓋部材800の設置現場で容易に行える。また、締結部材400を緩めれば、滑止具600を蓋部材800から容易に取り外すことが出来る。さらに、締結部材400は蓋部材800の主部材810よりも下側に配置されているので、蓋部材800の上面側から締結部材400が不用意に外されることを防止できる。
【0029】
なお、滑止具600は、主部材810を挟持するように挟込板100同士を固定する固定部材として、締結部材400を用いているが、これに限定されず、一対の挟込板100が主部材810を挟み込んで固定する構成であれば、その他の任意の構成を採用できる。例えば、締結部材400を用いず、一対の挟込板100の各端部120側を連結板等で連結すると共に、一対の挟込板100の間の隙間を主部材810の板厚よりも狭くする。そして、一対の挟込板100の隙間を広げるようにして主部材810を挟み込めば、元の形状に戻ろうとする一対の挟込板100が、その弾性力によって、主部材810を強く挟持し、滑止具600は主部材810に固定される。
【0030】
その他にも、固定部材は、主部材810を挟持するように挟込板100同士を固定する構成であれば、その他の任意の構成を採用でき、例えば、締結部材400の代わりに、一対の挟込板100を外側から挟持するクリップ状の固定部材を採用することも出来る。そして、一対の挟込板100で主部材810を挟み込んだ状態で、更にその外側から、クリップ状の固定部材で一対の挟込板100を挟持することで、一対の挟込板100が主部材810を強く挟持し、滑止具600は主部材810に更に強固に固定される。また、締結部材400の代わりに、一対の挟込板100を外側から固定するワイヤ状の固定部材を採用することも出来る。そして、一対の挟込板100で主部材810を挟み込んだ状態で、更にその外側から、ワイヤ状の固定部材を、一対の挟込板100の周囲に強く巻き付けて固定することで、一対の挟込板100が主部材810を強く挟持し、滑止具600は主部材810に更に強固に固定される。
【0031】
(実施形態2)
以下では、本願発明の実施形態2に係る滑止具600Aについて説明する。なお、実施形態2に係る滑止具600Aは、挿通溝200Aに係止部250Aが設けられた点で、実施形態1に係る滑止具600と異なるが、その他の構成は、実施形態1に係る滑止具600と共通するので、その共通する構成について詳細な説明は省略する。また、
図5(a)は、滑止具600Aを蓋部材800に取り付けた状態の拡大斜視図、
図5(b)は、B―B断面図である。
【0032】
図5に示すように、滑止具600Aの挿通溝200Aは、挿通溝200Aの開口側の一部に、挿通溝200Aの内側へ向けて突出した係止部250Aを備えている。この係止部250Aは爪状になっており、挿通溝200Aの開口の一部のみ塞ぐように突出している。そして、挿通溝200Aの開口の一部は、係止部250Aによって塞がれておらず、開口した状態なので、その開口した部分から連結部材820を挿通させることが出来る。なお、滑止具600Aの蓋部材800への取り付け方法は、
図3及び
図4で示した実施形態1に係る滑止具600の蓋部材800への取り付け方法と基本的に同じである。ただ、実施形態2に係る滑止具600Aでは、連結部材820を滑止具600Aの挿通溝200Aに挿通させた後に、連結部材820が係止部250Aの下側に位置するように、滑止具600Aの位置を調節している。そして、滑止具600Aが上方から意図しない非常に強い力を受けて蓋部材800から外れそうになっても、滑止具600Aの係止部250Aが連結部材820に係止するので、滑止具600Aが蓋部材800から脱落することを確実に防止できる。
【0033】
(実施形態3)
以下では、本願発明の実施形態3に係る滑止具600Bについて説明する。なお、実施形態3に係る滑止具600Bは、連結部160Bが設けられた点で、実施形態1に係る滑止具600と異なるが、その他の構成は、実施形態1に係る滑止具600と共通するので、その共通する構成について詳細な説明は省略する。また、
図6は、滑止具600Bを蓋部材800に取り付けた状態の拡大斜視図である。
【0034】
図6に示すように、滑止具600Bの挟込板100Bの端部110Bには、金属製の板状の連結部160Bが設けられている。この連結部160Bは、一対の挟込板100Bの端部110B同士を連結すると共に、主部材810の上端811を跨ぐように配置されている。なお、連結部160Bは、挟込板100Bの各端部110Bに溶接等により固定されている。そして、滑止具600Bが上方から意図しない非常に強い力を受けて蓋部材800から外れそうになっても、滑止具600Bの連結部160Bが主部材810の上端811に係止するので、滑止具600Bが蓋部材800から脱落することを確実に防止できる。
【0035】
(実施形態4)
以下では、本願発明の実施形態4に係る滑止具600Cについて説明する。なお、実施形態4に係る滑止具600Cは、挿通溝200Cの構成が実施形態1に係る滑止具600と異なるが、その他の構成は、実施形態1に係る滑止具600と共通するので、その共通する構成について詳細な説明は省略する。なお、
図7は、本願発明の実施形態4に係る滑止具600Cの全体斜視図を示している。
【0036】
図7に示すように、挟込板100Cの一方(図面上では、上側)の端部110C側には、滑止部300Cが設けられ、他方(図面上では、下側)の端部120C側には、中央へ向けて切り欠かれて窪んだ挿通溝200Cが設けられている。
図7に示す挿通溝200Cは、
図1に示す挿通溝200よりも全長が長くなっている。また、挿通溝200Cは、端部120Cへ向けて開口しており、その開口から後述する蓋部材の連結部材を内部に挿通させることができる。そして、挿通溝200Cの深さは、後述するように滑止部300Cの一部が主部材の上端面よりも上方へ突出可能なように、連結部材を深く挿入できる範囲で設定されている。
【0037】
次に、
図8には、本願発明の滑止具600Cを取り付ける対象である蓋部材800Cを示す。なお、
図8は、蓋部材800Cの全体斜視図である。
【0038】
図8に示す蓋部材800Cは、
図2に示す蓋部材800と基本的な構成は同じであるが、連結部材820Cは、各主部材810Cの上端811Cではなくて、上端811Cよりも下側に貫通して固定されている。
【0039】
次に、
図9及び
図10には、本願発明の滑止具600Cを蓋部材800Cに取り付ける態様を示す。なお、
図9は、滑止具600Cを蓋部材800Cに取り付ける状態の拡大斜視図、
図10(a)は、滑止具600Cを蓋部材800Cに取り付けた状態の拡大斜視図、
図10(b)は、C―C断面図である。
【0040】
図9に示すように、滑止具600Cを蓋部材800Cに取り付ける際は、蓋部材800Cの上側から、滑止具600Cの一方の挟込板100Cを蓋部材800Cの主部材810Cの一方側(図面では正面側)に宛がう。その際、挟込板100Cの挿通溝200Cに蓋部材800Cの連結部材820Cを挿通させる。同様に、蓋部材800Cの上側から、滑止具600Cの他方の挟込板100Cを蓋部材800Cの主部材810Cの他方側(図面では後面側)に宛がう。その際、挟込板100Cの挿通溝200Cに蓋部材800Cの連結部材820Cを挿通させる。そして、一対の挟込板100Cによって、主部材810Cの両側の前後面を挟み込んだ状態で、一対の挟込板100Cを締結部材400Cで固定する。
【0041】
そして、
図10に示すように、滑止具600Cの滑止部300Cは、蓋部材800Cの上面側に向けて配置されているので、蓋部材800Cの上面を通過する人や車両等が滑ることを防止できる。また、滑止具600Cは、一対の挟込板100Cを主部材810Cの両側から挟み込んで取り付ける構造なので、蓋部材800Cの上面側を覆うことが無く、蓋部材800Cの上面に段差が出来ることを防止できる。さらに、滑止具600Cが上方から力を受けても、挿通溝200Cの底部の端部201Cが連結部材820Cに係止するので、滑止具600Cが蓋部材800Cから落下することを確実に防止できる。
【0042】
また、
図10に示すように、滑止具600Cの挿通溝200Cは、挟込板100Cの端部120Cへ向けて開口しているので、蓋部材800Cの連結部材820Cを挿通させられることから、連結部材820Cが滑止具600Cの取り付けの妨げになることは無い。また、滑止部300Cの一部(具体的には、山部310C)が、主部材810Cの上端811Cよりも上方に突出しているので、滑り止め効果をより発揮できる。なお、滑止部300Cの一部が、主部材810Cの上端811Cよりも上方に突出しているが、これに限定されず、滑止部300Cと主部材810Cの上端811Cとが面一となるように、滑止具600Cの設置高さを変更してもよい。特に、滑止具600Cの挿通溝200Cは挟込板100Cの端部120Cへ向けて開口しているので、挿通溝200Cに連結部材820Cを挿通させた状態で、滑止具600Cの設置高さを容易に変更することができる。
【0043】
なお、本願発明の滑止具は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。