IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井関農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-乗用芝刈機 図1
  • 特開-乗用芝刈機 図2
  • 特開-乗用芝刈機 図3
  • 特開-乗用芝刈機 図4
  • 特開-乗用芝刈機 図5
  • 特開-乗用芝刈機 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158040
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】乗用芝刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 43/06 20060101AFI20241031BHJP
   A01D 34/64 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A01D43/06
A01D34/64 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072868
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清川 智男
(72)【発明者】
【氏名】久岡 泰裕
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA12
2B083BA18
2B083FA11
2B083FA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コレクタを所定以上に上昇させた場合に転倒を防止することができる乗用芝刈機を提案する。
【解決手段】安全フレーム7の左右上下フレームに第1上ピン20Aと第1下ピン20Bを設け、コレクタの左右壁に回転自在に設けられた第1リンク29の上下部に第2上ピンと第2下ピンを設け、第1上ピン20Aと第2上ピンを第2リンク21で連結し、第1下ピン20Bと第2下ピンを第3リンク22で連結し、安全フレーム7の下部と第3リンク22の前部を昇降シリンダ24で連結し、安全フレーム7の後方下部に左右方向に延在する支軸30を設け、支軸30の両側部に前後方向に延在する第1アームを回転自在に支持し、第3リンク22の前部に上下方向に延在する第2アームの上部を回転自在に支持し、第1アームの前部と第2アームの下部を回転自在に連結し、左側に配置された第1アームの後部と右側に配置された第1アームの後部をアウトリガ33で連結した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを搭載するボンネット(5)の後側に作業者が搭乗する操縦部(6)を設け、該操縦部(6)の後側に転倒時に作業者を保護する安全フレーム(7)を設け、該安全フレーム(7)の後側に刈取った雑草を集草するコレクタ(8)を設けた乗用芝刈機において、
前記安全フレーム(7)の左右上下フレーム(7L,7R)の上下部に左右方向の延在する第1上ピン(20A)と第1下ピン(20B)を設け、
前記コレクタ(8)の左右壁に回転自在に設けられた第1リンク(29)の上下部に左右方向の延在する第2上ピン(29A)と第2下ピン(29B)を設け、
前記第1上ピン(20A)と第2上ピン(29A)を第2リンク(21)で連結し、
前記第1下ピン(20B)と第2下ピン(29B)を第3リンク(22)で連結し、
前記安全フレーム(7)の下部と第3リンク(22)の前部を昇降シリンダ(24)で連結し、
前記安全フレーム(7)の後方下部に左右方向に延在する支軸(30)を設け、
該支軸(30)の両側部に前後方向に延在する第1アーム(31)を回転自在に支持し、
前記第3リンク(22)の前部に上下方向に延在する第2アーム(32)の上部を回転自在に支持し、
前記第1アーム(31)の前部と第2アーム(32)の下部を回転自在に連結し、
左側に配置された前記第1アーム(31)の後部と右側に配置された前記第1アーム(31)の後部をアウトリガ(33)で連結したことを特徴とする乗用芝刈機。
【請求項2】
前記昇降シリンダ(24)を伸長させてコレクタ(8)を作業位置から上方の排出位置又は該排出位置よりも上方の保守位置に上昇させ、前記コレクタ(8)が排出位置に上昇した場合に、前記アウトリガ(33)が地面に接地する請求項1記載の乗用芝刈機。
【請求項3】
前記昇降シリンダ(24)を伸長させてコレクタ(8)を作業位置から上方の排出位置又は該排出位置よりも上方の保守位置に上昇させ、前記コレクタ(8)が保守位置に上昇した場合に、前記アウトリガ(33)が地面に接地する請求項1記載の乗用芝刈機。
【請求項4】
平面視において、前記アウトリガ(33)を、左側に配置された前記第1アーム(31)の後部から後側に向かって延在する前後延在部(33A)と、右側に配置された前記第1アーム(31)の後部から後側に向かって延在する前後延在部(33A)と、左右の前後延在部(33A)の後部を左右方向に延在する後部延在部(33B)で連結した請求項2又は3記載の乗用芝刈機。
【請求項5】
前記後部延在部(33B)に弾性部材から形成された接地部材(35)を外嵌した請求項4記載の乗用芝刈機。
【請求項6】
前記接地部材(35)に溝(36)を形成し、
前記コレクタ(8)の下壁に、前記溝(36)内に露出した後部延在部(33B)を挟持する挟持部材(28)を設けた請求項5記載の乗用芝刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園等を走行させて園内に植立する芝等を刈取る乗用芝刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
刈取った芝等でコレクタが満杯になった場合やコレクタに絡み付いた芝等を除去する保守作業を行う場合には、昇降シリンダを伸長させてコレクタを上方に移動させる技術が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-237285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の手段では、コレクタを上方に移動によって乗用芝刈機の重心が上方に移動して乗用芝刈機が転倒する恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、コレクタを所定以上に上昇させた場合には、アウトリガを地面に接地させて転倒を防止することができる乗用芝刈機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジンを搭載するボンネット(5)の後側に作業者が搭乗する操縦部(6)を設け、該操縦部(6)の後側に転倒時に作業者を保護する安全フレーム(7)を設け、該安全フレーム(7)の後側に刈取った雑草を集草するコレクタ(8)を設けた乗用芝刈機において、
前記安全フレーム(7)の左右上下フレーム(7L,7R)の上下部に左右方向の延在する第1上ピン(20A)と第1下ピン(20B)を設け、前記コレクタ(8)の左右壁に回転自在に設けられた第1リンク(29)の上下部に左右方向の延在する第2上ピン(29A)と第2下ピン(29B)を設け、前記第1上ピン(20A)と第2上ピン(29A)を第2リンク(21)で連結し、前記第1下ピン(20B)と第2下ピン(29B)を第3リンク(22)で連結し、前記安全フレーム(7)の下部と第3リンク(22)の前部を昇降シリンダ(24)で連結し、前記安全フレーム(7)の後方下部に左右方向に延在する支軸(30)を設け、該支軸(30)の両側部に前後方向に延在する第1アーム(31)を回転自在に支持し、前記第3リンク(22)の前部に上下方向に延在する第2アーム(32)の上部を回転自在に支持し、前記第1アーム(31)の前部と第2アーム(32)の下部を回転自在に連結し、左側に配置された前記第1アーム(31)の後部と右側に配置された前記第1アーム(31)の後部をアウトリガ(33)で連結したことを特徴とする乗用芝刈機である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記昇降シリンダ(24)を伸長させてコレクタ(8)を作業位置から上方の排出位置又は該排出位置よりも上方の保守位置に上昇させ、前記コレクタ(8)が排出位置に上昇した場合に、前記アウトリガ(33)が地面に接地する請求項1記載の乗用芝刈機である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記昇降シリンダ(24)を伸長させてコレクタ(8)を作業位置から上方の排出位置又は該排出位置よりも上方の保守位置に上昇させ、前記コレクタ(8)が保守位置に上昇した場合に、前記アウトリガ(33)が地面に接地する請求項1記載の乗用芝刈機である。
【0009】
請求項4記載の発明は、平面視において、前記アウトリガ(33)を、左側に配置された前記第1アーム(31)の後部から後側に向かって延在する前後延在部(33A)と、右側に配置された前記第1アーム(31)の後部から後側に向かって延在する前後延在部(33A)と、左右の前後延在部(33A)の後部を左右方向に延在する後部延在部(33B)で連結した請求項2又は3記載の乗用芝刈機である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記後部延在部(33B)に弾性部材から形成された接地部材(35)を外嵌した請求項4記載の乗用芝刈機である。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記接地部材(35)に溝(36)を形成し、前記コレクタ(8)の下壁に、前記溝(36)内に露出した後部延在部(33B)を挟持する挟持部材(28)を設けた請求項5記載の乗用芝刈機である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、安全フレーム(7)の左右上下フレーム(7L,7R)の上下部に左右方向の延在する第1上ピン(20A)と第1下ピン(20B)を設け、コレクタ(8)の左右壁に回転自在に設けられた第1リンク(29)の上下部に左右方向の延在する第2上ピン(29A)と第2下ピン(29B)を設け、第1上ピン(20A)と第2上ピン(29A)を第2リンク(21)で連結し、第1下ピン(20B)と第2下ピン(29B)を第3リンク(22)で連結し、安全フレーム(7)の下部と第3リンク(22)の前部を昇降シリンダ(24)で連結し、安全フレーム(7)の後方下部に左右方向に延在する支軸(30)を設け、支軸(30)の両側部に前後方向に延在する第1アーム(31)を回転自在に支持し、第3リンク(22)の前部に上下方向に延在する第2アーム(32)の上部を回転自在に支持し、第1アーム(31)の前部と第2アーム(32)の下部を回転自在に連結し、左側に配置された第1アーム(31)の後部と右側に配置された第1アーム(31)の後部をアウトリガ(33)で連結したので、コレクタ(8)を所定以上に上昇させた場合には、アウトリガ(33)が地面に接地させて乗用芝刈機の転倒を防止することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、昇降シリンダ(24)を伸長させてコレクタ(8)を作業位置から上方の排出位置又は排出位置よりも上方の保守位置に上昇させ、コレクタ(8)が排出位置に上昇した場合に、アウトリガ(33)が地面に接地するので、コレクタ(8)を排出位置に上昇させた場合には、アウトリガ(33)を地面に接地してコレクタ(8)内の雑草の排出作業を安全に行うことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、昇降シリンダ(24)を伸長させてコレクタ(8)を作業位置から上方の排出位置又は排出位置よりも上方の保守位置に上昇させ、コレクタ(8)が保守位置に上昇した場合に、アウトリガ(33)が地面に接地するので、コレクタ(8)を保守位置に上昇させた場合には、アウトリガ(33)を地面に接地してコレクタ(8)の下部に絡み付いた雑草を除去する保守作業を安全に行うことができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3記載の発明による効果に加えて、平面視において、アウトリガ(33)を、左側に配置された第1アーム(31)の後部から後側に向かって延在する前後延在部(33A)と、右側に配置された第1アーム(31)の後部から後側に向かって延在する前後延在部(33A)と、左右の前後延在部(33A)の後部を左右方向に延在する後部延在部(33B)で連結したので、アウトリガ(33)の後部延在部(33B)を地面に確実に接地させて、乗用芝刈機の転倒をより防止することができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明による効果に加えて、後部延在部(33B)に弾性部材から形成された接地部材(35)を外嵌したので、接地部材(35)を地面に方範囲に接地させて、乗用芝刈機の転倒をさらに防止することができる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明による効果に加えて、接地部材(35)に溝(36)を形成し、コレクタ(8)の下壁に、溝(36)内に露出した後部延在部(33B)を挟持する挟持部材(28)を設けたので、乗用芝刈機の走行時にコレクタ(8)の下壁と接地部材(35)の接触による異音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】作業車両の左側面図である。
図2】作業車両の平面図である。
図3】作業車両の正面図である。
図4】コレクタを昇降させた左側面図である。
図5】アウトリガの左側面図である。
図6】接地部材を外嵌したアウトリガの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1~3に示すように、トラクタ等の作業車両は、機体フレーム1の下側の前部に左右一対の前輪2が設けられ、機体フレーム1の下側の後部に左右一対の後輪3が設けられ、機体フレーム1の下側の前輪2と後輪3の間に芝等を刈取る作業機4が設けられている。
【0020】
機体フレーム1の上側の前部にエンジンを格納するボンネット5が設けられ、ボンネット5の後部に作業者が搭乗する操縦部6が設けられ、操縦部6の後側に作業者を保護する安全フレーム7が設けられ、安全フレーム7の後方下側に作業機4で刈取られた芝等を貯留するコレクタ8が設けられている。また、作業機4の後部とコレクタ8の前部はシュータ9で連通されている。
【0021】
操縦部6の操縦席10の前側にはステアリングホイール11が設けられ、ステアリングホイール11はステアリングシャフト(図示省略)を介してステアリングコラム12に支持されている。また、ステアリングコラム12の上部にはエンジンの出力回転等を表示するメータパネル13が設けられている。
【0022】
操縦席10の左側に位置するフェンダ15には、作業機4で刈取られた刈草をコレクタ8に強制搬送するクリーナ(図示省略)を駆動するクリーナレバー16が設けられ、右側に位置するフェンダ15には、作業機4を昇降させる昇降レバー17が設けられている。
【0023】
ステアリングコラム12の右側に位置するフロア18には、作業車両を前後進させるアクセルペダル19が設けられている。
【0024】
図4,5に示すように、安全フレーム7の左上下フレーム7Lと右上下フレーム7Rの中間部の後面には、それぞれ後側に向かって延在する矩形状の固定プレート20が設けられている。
【0025】
固定プレート20の上部に設けられた左右方向に延在する第1上ピン20Aには、コレクタ8の左右側面に連結される前後方向に延在する上リンク(請求項の「第2リンク」)21の前部が回転自在に連結され、固定プレート20の下部に設けられた左右方向に延在する第1下ピン20Bには、コレクタ8の左右側面に連結される前後方向に延在する下リンク(請求項の「第3リンク」)22の前部が回転自在に連結されている。
【0026】
上リンク21の後部は、コレクタ8の左右壁の後部に設けられた上下リンク(請求項の「第1リンク」)29の上部に設けられた左右方向に延在する第2上ピン29Aに回転自在に連結され、下リンク22の後部は、上下リンク29の下部に設けられた左右方向に延在する第2下ピン29Bに回転自在に連結されている。また、上下リンク29の中間部は、コレクタ8の左右壁に設けられた左右方向に延在する支軸8Aに回転自在に支持されている。
【0027】
左上下フレーム7Lと右上下フレーム7Rの下部の後面には、矩形状の固定プレート23が設けられている。
【0028】
固定プレート23に設けられた左右方向に延在するピン23Aには、下リンク22を昇降させる昇降シリンダ24のチューブ側の端部が回転自在に連結されている。また、昇降シリンダ24のロッド側の端部は、下リンク22に前部に設けられた矩形状の固定プレート25に設けられた左右方向に延在するピン25Aに回転自在に連結されている。
【0029】
昇降シリンダ24のロッドを収納状態から中間位置まで伸長させると、第1下ピン20Bから後下がり傾斜姿勢の下リンク22が略水平姿勢に移動してコレクタ8を作業位置から排出位置に上昇させる。その後に、傾斜シリンダ(図示省略)を伸長させてコレクタ8を後下がり傾斜姿勢にして蓋26を開放する。これにより、コレクタ8内の芝等を外部に容易に排出することができる。また、昇降シリンダ24のロッドを中間位置から最大位置まで伸長させると、略水平姿勢の下リンク22が後上がり傾斜姿勢に移動してコレクタ8を安全フレーム7の頂部の高さ付近の保守位置に上昇させる。これにより、コレクタ8に絡み付いた芝等を容易に除去することができる。
【0030】
安全フレーム7の下方後側には、左右方向に延在する支軸30が設けられ、支軸30の左右方向の両側部には、それぞれ、前側に向かって延在する第1アーム31が設けられている。
【0031】
第1アーム31の前部の左右方向に延在するピン(図示省略)には、第2アーム32の下部が回転自在に連結されている。また、第2アーム32の上部は、上リンク21の前部に設けられた固定プレート27に設けられた左右方向に延在するピン(図示省略)に回転自在に連結されている。
【0032】
左側に配置された第1アーム31の後部と右側に配置された第1アーム31の後部に、パイプ材で形成されたアウトリガ33で連結されている。
【0033】
平面視において、アウトリガ33は、左側に配置された第1アーム31の後部からコレクタ8の中間を超えて後側に向かって延在する前後延在部33Aと、右側に配置された第1アーム31の後部からコレクタ8の中間を超えて後側に向かって延在する前後延在部33Aと、左側の前後延在部33Aと右側の前後延在部33Aの後部を連結する後部延在部33Bから形成されている。なお、平面視において、後部延在部33Bは、左側の前後延在部33Aの後部から後方右側に湾曲する部位と、右側の前後延在部33Aの後部から後方左側に湾曲する部位と、左右の部位を連結してコレクタ8の左壁から右壁を超えて左右方向に延在する部位から形成されている。
【0034】
昇降シリンダ24のロッドを収納状態から最大位置まで伸長させて、コレクタ8を作業位置から保守位置に移動させると、第2アーム32が上側に移動し、第1アーム31の前部を上側に移動させて、アウトリガ33の後部延在部33Bを下側に移動させて地面に接地させることができる。これにより、昇降シリンダ24のロッドを最大位置まで伸長させてコレクタ8を保守位置まで上昇させた場合に作業車両が転倒するのを防止することができる。
【0035】
また、アウトリガ33の第1アーム31の長さを変更して、昇降シリンダ24のロッドを収納状態から中間位置まで伸長させて、コレクタ8を作業位置から排出位置に上昇させた場合に、アウトリガ33の左右方向に延在する後部延在部33Bを下側に移動させて地面に接地させることができる。これにより、昇降シリンダ24のロッドを中間位置まで伸長させてコレクタ8を排出位置まで上昇させた場合に作業車両が転倒するのを防止することができる。
【0036】
側面視において、昇降シリンダ24のロッドを収納状態にした場合には、アウトリガ33をコレクタ8の下壁の下側に沿わせる様に、第1アーム31や第2アーム32の長さを設定するのが好ましい。これにより、コレクタ8を下降させて作業車両での芝等の刈取作業時にアウトリガ33の後部延在部33Bが地面に接触するのを抑止することができる。
【0037】
図6に示すように、アウトリガ33の後部延在部33Bには、上側から硬質の弾性部材で形成された接地面が大きい接地部材35が外嵌されている。これにより、地面に当接する面積が広くなりコレクタ8を上昇させた場合に作業車両が転倒するのをより防止することができる。
【0038】
接地部材35の中間部は、アウトリガ33の後部延在部33Bを露出するように溝36が形成されている。コレクタ8の下壁における溝36に対向する部位には、アウトリガ33の後部延在部33Bを挟持する挟持部材28が設けられている。これにより、コレクタ8を下降させて作業車両での芝等の刈取作業時に、アウトリガ33の後部延在部33Bをコレクタ8の下壁に支持できるので振動等による異音の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0039】
5 ボンネット
6 操縦部
7 安全フレーム
7L 左上下フレーム
7R 右上下フレーム
8 コレクタ
20A 第1上ピン
20B 第1下ピン
21 上リンク(第2リンク)
22 下リンク(第3リンク)
24 昇降シリンダ
28 挟持部材
29 上下リンク(第1リンク)
29A 第2上ピン
29B 第2下ピン
30 支軸
31 第1アーム
32 第2アーム
33 アウトリガ
33A 前後延在部
33B 後部延在部
図1
図2
図3
図4
図5
図6