(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158048
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電話端末を使用した業務処理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20241031BHJP
H04L 67/2869 20220101ALI20241031BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04L67/2869
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072888
(22)【出願日】2023-04-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518085025
【氏名又は名称】特定非営利活動法人創力UP
(74)【代理人】
【識別番号】100180976
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保
(72)【発明者】
【氏名】朝田 昌男
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA07
5K201BC23
5K201CB05
5K201EA01
5K201EB07
5K201ED05
5K201ED07
5K201EE08
(57)【要約】
【課題】 インターネットでは、ネットワークを保守、管理する為に多くのサービスプログラムが常駐し、サービスを提供している。これらの一部がハッキングに悪用されている。クライアントサーバー型では、サーバーに負荷が集中し易く、機能の拡張も困難である。クライアント側は、応答データを確認するだけで、新しい情報を生み出す事はない。
【解決手段】 ハッキングを防止する為に、情報通信の手段として電話端末を使用し、インターネットからのハッキングを防止し、拠点間の業務処理をクライアント・サーバー型のデータ処理を用いて、サービスの要求と実行、実行結果の提供と対応までを仕事の最小単位とし、複数の仕事を拠点間の業務処理として、提供する事にある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と電話端末から成るノードをネットワークの構成要素とし、ノード間のデータ通信の手段として電話端末を使用すること、
ノード間の仕事として、クラアント・サーバー型のデータ処理を行うこと、および、
クラアント・サーバー型のデータ処理において、サービスの要求と実行に加え、実行結果の提供と対応までを仕事の最小単位として行うことを特徴とする電話端末を使用した業務処理方法。
【請求項2】
ネットワークの構成要素であるノードが、情報端末と電話端末より構成され、電話端末と情報端末の間で協調動作して1つのノードとして働くものであること、
前記情報端末は、端末間でデータのやり取りを行う機能を持つ装置であること、前記電話端末は、パケット交換方式によるデータ通信を使用し、端末間でデータのやり取りを行う機能を持つ携帯電話であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電話端末は、電話管理部を備えるものであり、前記情報端末は、サービス管理部と、要求管理部と、サービスを提供する提供プログラムと、サービスの応答に対応する対応プログラムと、電話の接続を許可する電話番号を記述した接続リストと、電話番号に、利用可能なサービスを記述した利用テーブルを備えるものであること、
前記提供プログラムが、ノードの当事者自身が作成し、サーバー・プロセスとして、サービスの提供処理を行うものであること、
前記対応プログラムが、ノードの当事者自身が作成し、サーバー・プロセスとして、サービスの応答データに対応する対応処理を行うものであること、
前記接続リストが、ノードの当事者自身が、そのノードに対して設定するものであること、および
前記利用テーブルが、ノードの当事者自身が、そのノードに対して設定するものであることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記電話管理部は、情報端末の間で、協調動作としてデータのやり取りを行い、電話の発信、フック、着信した電話番号の通知、電話状態の監視と通知、情報端末から受信したデータをパケットにして電話回線に送信し、電話回線から受信したパケットをデータにして情報端末に送信するものであること、
前記要求管理部は、電話管理部に対して、電話の接続要求とデータのやり取りを行い、対応プログラム(サーバー・プロセス)とローカルホスト内のプロセス間通信によるクライアント・サーバー型のデータ処理を行うものであること、
前記サービス管理部は、電話管理部とデータのやり取りを行い、接続リスト用いた着信した電話番号の接続判定と、利用テーブル用いた着信した電話番号に対して、サービス利用の判定を行い、提供プログラム(サーバー・プロセス)とローカルホスト内のプロセス間通信によるクライアント・サーバー型のデータ処理を行うものであることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
ノード間の電話の接続は、サービスの要求ノードから、サービスの提供ノードに対して行うものであること、
要求ノードの処理として、前記要求管理部は、前記電話管理部に電話接続の要求を送ること、
前記電話管理部は、電話接続の要求を受けて、サービスの提供ノードに、電話番号発信を行うこと、
前記電話接続の要求として、電話番号を送ること、
その後、前記電話管理部は要求管理部とデータのやり取りを行うこと、
提供ノードの処理として、前記電話管理部は、電話着信を検知したら、前記サービス管理部に発信元の電話番号の接続判定を依頼すること、
前記サービス管理部は、接続判定の依頼を受けて、前記接続リストを用いて、接続の判定を行い、判定結果を前記電話管理部に送ること、
前記電話管理部は、接続の判定結果に基づいて、電話の接続を行い、接続判定が「可」のときは、発信元の電話番号を保持し、接続判定の依頼として、:電話番号を含む文を送ること、および、
以降、前記電話管理部はサービス管理部とデータのやり取りを行うことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前述した要求ノードの処理として、前記電話管理部は、接続状態が「接続」に変われば、「接続」を要求管理部に送り、一定時間、経過しても変わらない場合は、接続を中止して、「失敗」を要求管理部に送るものであることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
電話が接続されると、要求ノードの要求管理部、電話管理部、電話回線、提供ノードの電話管理部、サービス管理部の間を結ぶデータの通信経路が構成されること、
電話回線を接続すると、電話回線を切断するまでは、電話の着信は、無視されること、
ノード間のデータは、要求ノードの要求管理部と提供ノードのサービス管理部の間でやり取りされるので、要求ノードの要求管理部が電話管理部に送信するデータは、提供ノードのサービス管理部に送信することになり、要求ノードの電話管理部から受信したデータは提供ノードのサービス管理部から受信したデータとなること、および、
要求ノードの要求管理部と提供ノードのサービス管理部間で、プロセス間通信が行われること、要求管理部がクライアント・プロセス、サービス管理部がサーバー・プロセスとしたクライアント・サーバー型のデータ処理が行われることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
提供ノードの処理として、提供プログラムが単独で実行できるように、提供プログラムとサービス管理部間でプロセス間通信を行い、提供プログラムがサーバー・プロセス、サービス管理部がクライアント・プロセスとして構成されるローカルホスト内のクライアント・サーバー型のデータ処理を行うこと、
ソッケトを使う場合、ポート番号を決めておき、変えたいときは、提供プログラムを起動するときに、一意のポート番号を指定し、サービス管理部を起動するときは、提供プログラムのポート番号を指定すること、
前記サービス管理部が、要求データを受信すると、保持している電話番号が要求サービスを利用できるかを利用テーブルを使って調べること、
利用判定が「否」なら「利用不可」を実行結果とし、利用が「可」なら電話番号と要求データを提供プログラム(提供プロセス)に送り、実行結果を受け取ることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
要求ノードの処理として、対応プログラムが単独で実行できるように、対応プログラムと要求管理部間でプロセス間通信を行い、対応プログラムをサーバー・プロセスとすると共に要求管理部をクライアント・プロセスとするローカルホスト内において、クライアント・サーバー型のデータ処理を行うこと、
ソケットを使う場合、ポート番号を決めておき、変えたいときは、対応プログラムを起動するときに、一意のポート番号を指定し、要求管理部を起動するときは、対応プログラムのポート番号を指定すること、
前記要求管理部が、応答データを受信すると、要求サービスと応答データを対応プログラム(対応・プロセス)に送り、対応結果を受け取ることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記要求管理部は、対応結果を受け取ると、電話回線の「切断要求」を電話管理部に送り、前記電話管理部が「切断要求」を受信すると、電話回線を切断することを特徴とする請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信の手段として電話端末を用い、電話番号の特定性を利用してハッキングを防止し、日常行われている電話による取引(宿泊予約など)を、拠点間で行う最小単位の業務処理を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-130559号公報)に開示されるチケット管理サーバおよびプログラムは、利便性の高いチケット管理サーバおよびプログラムを提供することを目的とするものであり、このチケット管理サーバは、制御部と、チケットを識別するチケットIDと利用者電話番号とを対応付けて記憶するデータベースと、利用者の利用者端末とネットワークを介して通信可能な通信部と、を備えるものであり、制御部は、通信部にて受電可能な所定の発券用電話番号に当該チケットのチケットIDに対応付けられた利用者電話番号からの着信があったか否かを判定し、発券用電話番号に当該チケットのチケットIDに対応付けられた利用者電話番号からの架電があったことを含む判定条件を満たした場合に、発券装置にチケットを発券させるものである。
【0003】
特許文献2(特開2005-25704号公報)に開示される年金相談システムは、一般的な年金試算データに基づき、予め想定した積立金、年数に基づく年金算出一覧表から個人の特定化データを光ファイバーを利用して金融機関などの相談室で閲覧可能とし、専門講師のアドバイス可能するものであり、金融機関などの年金相談室と年金専門部署との光ファイバーによる専用回線を接続し、所定の申込書に記載した必要事項を一般電話回線によるファックス送信または前記光ファイバーを利用したテレビ電話により年金専門部署に送信し、前記申込書に記載された申込者本人に適合する資料のみを前記年金専門部署のデータファイルから選択し、この資料を前記光ファイバーネットワークにより年金相談室に画像信号として送信し、申込者本人に特定化された該当案件の資料を提供し、前記年金相談室のテレビ画面を見ながら申込者と年金専門部署の専門講師との対話形式で該当案件に関する年金専門部署から的確な資料を提供することができる構成である。
【0004】
特許文献3(特開2003-256324号公報)は、文書情報の閲覧システムと文書情報の閲覧方法と文書情報の閲覧プログラムを開示する。このシステムまたはプログラムは、あらゆる場所であらゆる手段で入手した情報を、現地のファクシミリ装置を利用して、ファクシミリ受信用のホストコンピュータに送信させ、ウェブデータ化処理手段は、受信したFAX文書から得たFAXイメージデータ16を含むウェブページを自動的に生成し、ウェブサーバ8にアップロードする。通知手段は、アップロードしたウェブデータのネットワークアドレス(URL)を含むメールを、閲覧先に送信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-130559号公報
【特許文献2】特開2005-25704号公報
【特許文献3】特開2003-256324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インターネットは、コンピュータ同士で、情報を共有する対等型のネットワークとして発展してきた。プログラム開発などで使われるリモートログインは、サーバーのプログラム・ソフトを改ざんし、プログラムを遠隔操作して動かしいる。現在、インターネットを保守、管理するためのソフトが多く存在し、常駐してサービスを提供しており、サービスの一部が、ハッキングに悪用されている。インターネットの普及に伴い、IPアドレスから利用者を特定するのが困難になり、世界中からインターネット回線を通して、ハッキングが行われている。また、インターネットの情報通信に使われるソッケト・ライブラリは、OSの一部として働き、APIも広く公開されている。言い換えれば、インターネットには、ハッキングする為の環境が整っているとも言える。
【0007】
このため、ネットワークの情報システムを作る場合、ネットワークを作る側がハッキング対策を考慮してネットワークの設定、保守、管理運用、障害対策などを行う必要があり、多くの労力と、専門知識を持つ人材が必要になるという課題がある。
【0008】
さらに、現在のサービスの要求と提供によるクライアント・サーバー型のデーダ処理では、1つのサーバーで多くのサービスを提供しているので、多くの拠点が色々なサービスを要求すると、サーバーにアクセスが集中して、負荷が大きくなる。また、サーバーが多くのサービスを提供すると、DBが多よう化し、サービスを利用する拠点を管理する必要があり、システムが複雑に成りやすいこと、および、クライアント・サーバー型のデーダ処理では、DBの更新はサーバー側が行い、クライアント側は、問い合わせや情報入力など、サーバーのDBを参照、更新する情報端末として働くだけで、クライアント側が、サーバーとして働くには、グローバルIPアドレスの取得と、サーバーとして管理する必要があり、サーバーとして働くことはなく、機能を拡張するには、サーバーのサービスを増やすしかない、などの課題もあった。
【0009】
このため、本発明は、情報通信の手段として電話端末を用い、電話番号の特定性を利用してハッキングを防止し、日常行われている電話による取引(宿泊予約など)を、拠点間で行う最小単位の業務処理を行う方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、情報端末と電話端末から成るノードをネットワークの構成要素とし、ノード間のデータ通信の手段として電話端末を使用すること、ノード間の仕事として、クラアント・サーバー型のデータ処理を行うこと、および、クラアント・サーバー型のデータ処理において、サービスの要求と実行に加え、実行結果の提供と対応までを仕事の最小単位として行うことにある。
【0011】
また、ネットワークの構成要素であるノードは、情報端末と電話端末より構成され、電話端末と情報端末の間で、協調動作して、1つのノードとして働くものであり、前記情報端末は、端末間でデータのやり取りを行う機能を持つパソコン(例えばBluetooth対応機種)などであることが好ましく、前記電話端末は、パケット交換方式によるデータ通信を使用し、端末間でデータのやり取りを行う機能を持つ携帯電話(例えばBluetooth対応機種)などであることが好ましい。
【0012】
さらに、前記電話端末は、電話管理部を備えるものであり、前記情報端末は、サービス管理部と、要求管理部と、サービスを提供する提供プログラムと、サービスの応答に対応する対応プログラムと、電話の接続を許可する電話番号を記述した接続リストと、電話番号に、利用可能なサービスを記述した利用テーブルを備えるものである。また、前記提供プログラムは、ノードの当事者自身が作成し、サーバー・プロセスとして、サービスの提供処理を行うものであり、前記対応プログラムは、ノードの当事者自身が作成し、サーバー・プロセスとして、サービスの応答データに対応する対応処理を行うものである。さらにまた、前記接続リストは、ノードの当事者自身が、そのノードに対して設定するものであり、前記利用テーブルは、ノードの当事者自身が、そのノードに対して設定するものである。
【0013】
また、前記電話管理部は、情報端末の間で、協調動作として、データのやり取りを行い、電話の発信、フック、着信した電話番号の通知、電話状態(接続中、接続など)の監視と通知、情報端末から受信したデータをパケットにして電話回線に送信、電話回線から受信したパケットをデータにして情報端末に送信するものである。前記要求管理部は、電話管理部に対して、電話の接続要求と、データのやり取りを行い、対応プログラム(サーバー・プロセス)とローカルホスト内のプロセス間通信によるクライアント・サーバー型のデータ処理を行うものである。さらに、前記サービス管理部は、電話管理部とデータのやり取りを行い、接続リスト用いて、着信した電話番号の接続判定と、利用テーブル用いて、着信した電話番号に対して、サービス利用の判定を行い、提供プログラム(サーバー・プロセス)とローカルホスト内のプロセス間通信によるクライアント・サーバー型のデータ処理を行うものである。
【0014】
さらにまた、ノード間の電話の接続について、ノード間の電話の接続は、サービスの要求ノードから、サービスの提供ノードに対して行うものである。また、要求ノードの処理として、前記要求管理部は、電話管理部に電話接続の要求を送る。電話管理部は、電話接続の要求を受けて、サービスの提供ノードに、電話番号発信を行うものである。前述した電話接続の要求として、例えば「bind:電話番号」などの文を送ればよく、以降、前記電話管理部は要求管理部とデータのやり取りを行うものである。さらに、提供ノードの処理として、前記電話管理部は、電話着信を検知したら、前記サービス管理部に発信元の電話番号の接続判定を依頼し、前記サービス管理部は、接続判定の依頼を受けて、前述した接続リストを用いて、接続の判定を行い、判定結果を前記電話管理部に送るものである。また、前記電話管理部は、接続の判定結果に基づいて、電話の接続を行い、接続判定が「可」のときは、発信元の電話番号を保持し、接続判定の依頼として、例えば「bind?:電話番号」などの文を送ればよいものである。以降、前記電話管理部はサービス管理部とデータのやり取りを行う。
【0015】
前述した要求ノードの処理として、前記電話管理部は、接続状態が「接続」に変われば、「接続」を要求管理部に送り、一定時間、経過しても変わらない場合は、接続を中止して、「失敗」を要求管理部に送るものである。このように、サービスの提供ノードに接続されるノードが限定され、不特定多数の第3者によるハッキングを防止できる。
【0016】
電話が接続されると、要求ノードの要求管理部、電話管理部、電話回線、提供ノードの電話管理部、サービス管理部の間を結ぶデータの通信経路ができる。基本的に電話回線を接続すると、電話回線を切断するまでは、電話の着信は、無視する。ノード間のデータは、必ず、要求ノードの要求管理部と提供ノードのサービス管理部の間で、やり取りされるので、要求ノードの要求管理部が電話管理部に送信するデータは、提供ノードのサービス管理部に送信することになり、要求ノードの電話管理部から受信したデータは提供ノードのサービス管理部から受信したデータとなる。要求ノードの要求管理部と提供ノードのサービス管理部間で、プロセス間通信が行えるので、要求管理部がクライアント・プロセス、サービス管理部がサーバー・プロセスとした、クライアント・サーバー型のデータ処理を行えばよい。
【0017】
サービスの実行について:
提供ノードの処理として、提供プログラムが単独で実行できるように、提供プログラムとサービス管理部間でプロセス間通信を行い、提供プログラムがサーバー・プロセス、サービス管理部がクライアント・プロセスとして構成されるローカルホスト内のクライアント・サーバー型のデータ処理を行えばよいものである。ソッケトを使う場合、ポート番号を決めておき、変えたいときは、提供プログラムを起動するときに、一意のポート番号を指定し、サービス管理部を起動するときは、提供プログラムのポート番号を指定すればよい。提供プログラムが単独で実行できるので、ノードの当事者が必要なサービス処理だけを自由に作成できる。前記サービス管理部は、要求データを受信すると、保持している電話番号が要求サービスを利用できるか、利用テーブルを使って調べる。利用判定が「否」なら、「利用不可」を実行結果とし、利用が「可」なら、電話番号と要求データを、提供プログラム(提供プロセス)に送り、実行結果を受け取る。このように、要求ノード(発信元の電話番号)に対して、サービスの利用が限定されるので、不特定多数の第3者によるサービスの悪用(ハッキング)を防止できる。
【0018】
サービスの実行結果の対応について:
要求ノードの処理として、対応プログラムが単独で実行できるように、対応プログラムと要求管理部間でプロセス間通信を行い、対応プログラムをサーバー・プロセス、要求管理部をクライアント・プロセスとするローカルホスト内においてクライアント・サーバー型のデータ処理を行えばよい。ソッケトを使う場合、ポート番号を決めておき、変えたいときは、対応プログラムを起動するときに、一意のポート番号を指定し、要求管理部を起動するときは、対応プログラムのポート番号を指定すればよい。対応プログラムが単独で実行できるので、ノードの当事者が必要な対応処理だけを自由に作成できる。前記要求管理部は、応答データを受信すると、要求サービスと応答データを対応プログラム(対応・プロセス)に送り、対応結果を受け取るものである。
【0019】
仕事の終了について:
前記要求管理部は、対応結果を受け取ると、電話回線の「切断要求」を電話管理部に送り、前記電話管理部が「切断要求」を受信すると、電話回線を切断し、1つの仕事が完了するものである。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、拠点間の情報通信に電話端末を使うことで、インターネットからのハッキングを防止することができること;
また、電話番号の特定性(電話番号から拠点を特定できる)を利用して、サービスを利用する拠点が限定されるので、不特定多数の第3者によるハッキングを防止することができること;
さらに、拠点ごとに、利用できるサービスが、限定されるので、不特定多数の第3者にサービスをハッキングに悪用されるのを防ぐことができること;
電話網を使うだけで、電話網の保守、管理、障害対策は、電話会社が行うので、ネットワークの保守、管理、障害対策など省略できること;
電話番号の特定性を利用して、ハッキングを防止するので、セキュリティ対策を大幅に省略できること;
情報通信の手段とて電話端末を使うので、情報端末と電話端末をつなぐだけで、簡単に拠点を作成できること;
拠点間の仕事をクラアント・サーバー型のデータ処理で行うので、拠点がサーバーとして機能し、サービスを増やすだけで、ネットワークシステムの機能を、必要に応じて容易に拡張できること;
拠点がサーバーとして、機能するので、DBの分散化により、特定のサーバーに、負荷が集中するのを軽減できること;
全てのノードがサーバーになれるので、ツリー型のネットワークも簡単に作れること;
ネットワークシステム全体を考えて、システム設計をしなくても、拠点間の仕事だけを、注目して開発できるので、開発費や期間を大幅に短縮できること;および、
拠点間の仕事は、必要な時に、必要な機能を独立して、開発できるので、システムが動的に拡張して行くことができる;などの効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明に係るノードの構成図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る方法の一例を示したノード間の働きを示したも概略説明図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る判定方法のフローチャート図である。
【
図4】
図4は、本発明に係るプロセス間のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、サービスの要求と実行、実行結果の提供と対応による仕事の例として、勤務情報の収集を示した説明図である。
【
図6】
図6は、サービスの要求と実行、実行結果の提供と対応による仕事の例として、給与計算の依頼を示した説明図である。
【
図7】
図7は、サービスの要求と実行、実行結果の提供と対応による仕事の例として、個人情報の確認を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、情報端末と電話端末から成るノードをネットワークの構成要素とし、ノード間の情報通信の手段として電話端末を使用すること、ノード間の仕事として、クラアント・サーバー型のデータ処理を行うこと、および、クラアント・サーバー型のデータ処理において、サービスの要求と実行に加え、実行結果の提供と対応までを、仕事の最小単位として行うこと、から構成される方法にある。
【0023】
以下、
図2を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
ノードは、電話端末と、情報端末の間で、協調動作して、1つの働きをするものである。以降、電話端末と情報端末がノードとして1つの働きをするときは、ノードとして表現する。
【0025】
〔ノードの基本構成〕
ノードは、電話管理部と、サービス管理部と、要求管理部と、サービスを提供する提供プログラムと、サービスの応答に対応する対応プログラムと、電話の接続を許可する電話番号を記述した接続リストと、電話番号に、利用可能なサービスを記述した利用テーブルを備える。
【0026】
電話端末の電話管理部は、情報端末と、データのやり取りを行い、電話の発信、フック、着信した電話番号の通知、電話状態(接続中、接続など)の監視と通知、情報端末から受信したデータをパケットにして電話回線に送信、電話回線から受信したパケットをデータにして、情報端末に送信する。
【0027】
情報端末のサービス管理部は、電話端末の電話管理部とデータのやり取りを行い、着信した電話番号の接続判定と、着信した電話番号のサービス利用を判定し、提供プログラム(サーバー・プロセス)とローカルホスト内のプロセス間通信によるクライアント・サーバー型のデータ処理を行う。
【0028】
情報端末の要求管理部は、電話端末の電話管理部に対して、電話の接続要求と、データのやり取りを行い、対応プログラム(サーバー・プロセス)とローカルホスト内のプロセス間通信によるクライアント・サーバー型のデータ処理を行う。
【0029】
情報端末の対応プログラムは、ノードの当事者自身が作成し、サーバー・プロセスとして、サービスの応答に対応する対応処理を行う。
【0030】
情報端末の対応プログラムは、ノードの当事者自身が作成し、サーバー・プロセスとして、サービスの応答データに対応する対応処理を行う。
【0031】
ノード200とノード300間を電話接続することで、要求管理部203、電話管理部201、電話回線、電話管理部301、サービス管理部302を経由するデータの通信経路を作成し、要求管理部203と、サービス管理部302の間で、クライアント・サーバー型のデータ処理を行う。クライアント側の電話管理部は、要求管理部とデータのやり取りを行い、サーバー側の電話管理部は、サービス管理部とデータのやり取りを行う。1つのノードに、クライアントとして働く要求管理部と、サーバーとして働くサービス管理部があるので、1つのノードがクライアントにもサーバーにも成れる。
【0032】
〔ハッキングの防止対策〕
図3は、電話接続の判定方法とサービス利用の判定方法を示すフローチャートである。
【0033】
電話接続の判定方法100とサービス利用の判定方法200は、接続行判定300と、利用行判定400と、ヒット判定500と、要求判定600と、接続リスト(表1)と、利用テーブル(表2)と、電話番号を主キーとするデータファイルを用いて判定する。データファイルは、利用テーブルの個人行の行情報にあるDB名のデータファイルを使用する。
【0034】
接続行判定300は、該当電話番号が、接続リストに有か調べ(S310)、有れば「真」、無ければ「偽」を返す。
【0035】
利用行判定400は、該当電話番号が、利用テーブルに有か調べ(S410)、有れば「真」、無ければ「偽」を返す。
【0036】
ヒット判定500は、利用テーブルの個人行の行情報にあるDB名のデータファイルを開き(S510)、該当電話番号が、データファイルにヒットするか調べ(S520)、ヒットすれば「真」、ヒットしなければ「偽」を返す。
【0037】
要求判定600は、該当電話番号に対して利用行判定を行い(S610)、利用行判定(S610)が「偽」なら、「偽」を返て、判定が終わり、利用行判定(S610)が「真」なら、該当行の行情報に、要求サービスが有か調べる(S620)。要求サービスが有れば「真」、無ければ「偽」を返す。
【0038】
電話接続の判定方法100は、接続リストと利用テーブルの行に「個人」が有か調べる(S110)。「個人」が有れば、「可」を返して、判定が終り、「個人」が無ければ、接続リストと利用テーブルの行に「新規」が有か調べる(S120)。「新規」が有れば、「可」を返して、判定が終わり、「新規」が無ければ、該当電話番号に対して、接続行判定(S130)を行う。接続行判定(S130)が「真」なら「可」を返し、接続行判定(S130)が「偽」なら「否」を返す。
【0039】
サービス利用の判定方法200は、データファイルに、利用テーブルの個人行の行情報にあるDB名のデータファイルを使用し、要求サービスが「個人」か調べる(S210)。要求サービスが「個人」以外なら、要求サービスが「新規」か調べ(S230)、要求サービスが「個人」なら、該当電話番号(個人の電話番)に対して、ヒット判定(S220)を行う。
【0040】
ヒット判定(S220)が「真」なら「可」を返して、判定が終わり、ヒット判定(S220)が「偽」なら、要求サービスが「新規」か調べる(S230)。
【0041】
要求サービスが「新規」なら、「可」を返して、判定が終わり、要求サービスが「新規」以外なら、該当電話番号に対して要求判定(S240)を行う。
【0042】
要求判定(S240)が「真」なら「可」、要求判定(S240)が「偽」なら「否」を返す。
【0043】
〔ノード間の電話接続〕
要求管理画面207のノード欄にノードの電話番号を入力し、電話番号を要求管理部203に渡す。要求管理部203は、電話の接続要求を電話管理部201に送る。例えば「bind:電話番号」などの文を送ればよい。以降、電話管理部201は要求管理部203とデータのやり取りを行う。電話管理部201は、電話接続の要求を受けて、電話管理部301に対して、電話番号発信を行う。
【0044】
電話管理部301は、電話着信を検知したら、発信元の電話番号をサービス管理部302に送り、接続判定を依頼する。例えば「bind?:電話番号」などの文を送ればよい。電話管理部301は、判定結果を受け取り、判定結果に基づいて、電話の接続を行う。電話管理部301は、判定結果が「可」なら発信元の電話番号を保持する。以降、電話管理部301はサービス管理部302とデータのやり取りを行う。
【0045】
電話管理部201は、接続状態が「接続」に変われば、「接続」を要求管理部203に送る。一定時間、経過しても「接続」にならない場合は、接続を中止して、要求管理部203に「失敗」を送る。要求管理部203は接続の判定結果を受信すると、要求管理画面207を通して、利用者に知らせる。(
図4参照)
【0046】
〔ノード間の仕事の開始〕
ノード200が電話の接続を確認すれば仕事が開始され、接続の失敗を確認すれば仕事を終了する。ノード間の電話が接続されると、要求管理部203、電話管理部201、電話回線、電話管理部301、サービス管理部302のデータの通信経路ができる。以降、要求管理部203がクライアント・プロセスとして、サービス管理部302がサーバー・プロセスとして、クライアント・サーバー型のデータ処理を行う。必要に応じて、データの通信経路の両端の要求管理部203とサービス管理部302間のデータのやり取りとして説明する。
【0047】
〔サービスの要求と実行〕
要求管理画面207で要求データを作成し、要求管理部203に要求データを渡し、要求管理部203は要求データを、データの通信経路を経由して、サービス管理部302へ送信する。サービス管理部302は、要求データを受信すると、保持している電話番号が、要求サービスを利用できるか、サービスの利用判定を行う。判定が「否」なら、「利用不可」を実行結果とし、利用が「可」なら、保持している電話番号と要求データを提供プログラムに送り、実行結果を受け取る。このとき、提供プログラム310がサーバー・プロセス、サービス管理部302がクライアント・プロセスとするローカルホスト内のクライアント・サーバー型のデータ処理を行う。(
図4参照)
【0048】
〔実行結果の提供と対応〕
サービス管理部302は、実行結果を応答データとして、データの通信経路を経由して、要求管理部203に送信する。
【0049】
要求管理部203は、応答データを受信すると、要求サービスと応答データを、対応プログラム220に送り、対応結果を受け取る。(
図4参照)
【0050】
〔仕事の終了〕
要求管理部203は、対応結果を受信すると、電話回線の「切断要求」を電話管理部301に送る。電話管理部201は「切断要求」を受信すると、電話回線を切断し、1つの仕事が終了する。(
図4参照)
【実施例0051】
図5の示すネットワークシステムは、支店A(ノードA)、支店B(ノードB)、支店C(ノードC)、本社(ノードX)の4つのノードで構成され、本社が、各支店から勤務情報の収集を行う。
【0052】
最初に、支店Aの「勤務情報の収集」業務を行い、同ように支店B、支店Cの「勤務情報の収集」業務を行う。
【0053】
「勤務情報の収集」業務の開始として、本社のノードXが支店AのノードAへ電話の接続要求を行う。
【0054】
ノードAは、電話の接続要求を受けて、接続判定「可」を確認して、電話を接続する。
【0055】
サービスの要求として、ノードXは、電話の接続を確認した後、勤務情報の収集要求として、要求データ(31)を、ノードAへ送る。
【0056】
サービスの実行として、ノードAは、要求データを受信し、「収集」サービスの利用判定「可」を確認して、「収集」サービスを実行(「勤務表」の読み込み)する。
【0057】
実行結果の提供として、ノードAは、勤務表の内容を、応答データ(32)として、ノードXに送る。
【0058】
結果の対応として、ノードXは、応答データ(32)を受信すると、応答データの対応処理として、応答データの内容を元に、全社員の勤務情報DBを更新して、支店Aの「勤務情報の収集」の業務を終わる。
【0059】
同ように、支店B、支店Cの「勤務情報の収集」業務を行い「勤務情報の収集」の業務を終了する。
【0060】
このように、各地に分散された情報を容易に、収集できる。例えば市町村の情報を県が収集し、その他の拠点が有効利用する。ツリー型のネットワークシステムを容易に実現できる。
結果の対応として、ノードAは、応答データ(42)を受信すると、応答データの対応処理として、応答データの内容を元に、支店Aの給与明細を印刷して、「給与計算の依頼」の業務を終わる。