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特開2024-158077画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
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  • 特開-画像形成装置、画像形成方法及びプログラム 図1
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  • 特開-画像形成装置、画像形成方法及びプログラム 図4A
  • 特開-画像形成装置、画像形成方法及びプログラム 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158077
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072939
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 友之
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270LC02
2H270LC07
2H270MC00
2H270MD01
2H270MD02
2H270MD13
2H270MD17
2H270NB22
2H270ND06
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】連続記録媒体に対する画像形成動作における品質不良の発生をより抑制する。
【解決手段】画像形成装置20は、連続記録媒体(記録媒体PM)に画像を形成する画像形成部22と、前記連続記録媒体を搬送する搬送部21と、前記画像形成部22及び前記搬送部21を制御する制御部25と、を備え、前記制御部25は、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、前記開始判定項目は、前記搬送部21により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記連続記録媒体を搬送する搬送部と、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、
前記開始判定項目は、前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む画像形成装置。
【請求項2】
前記開始判定基準は、前記搬送部により前記連続記録媒体が搬送開始されてからの搬送距離における第1搬送距離、または搬送時間における第1搬送時間である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を検知し、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを検知する検知部を備え、
前記開始判定基準は、前記検知部による検知結果に応じた値である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうち、少なくともいずれかの項目を前記開始判定項目とする選択を受け付ける受付部を備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記開始判定項目における前記開始判定基準の入力を受け付ける請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記搬送部により前記連続記録媒体が搬送開始されてからの搬送距離が第2搬送距離に達したタイミング、または搬送時間が第2搬送時間に達したタイミングにおいて、前記検知部による検知結果に関わらず、前記連続記録媒体への画像形成を開始する、または前記連続記録媒体の搬送を停止する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2搬送距離及び前記第2搬送時間は、前記連続記録媒体の搬送速度に応じた値である請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
連続記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記連続記録媒体を搬送する搬送部と、
を備える画像形成装置における画像形成方法であって、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御する制御工程を含み、
前記制御工程において、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、
前記開始判定項目は、前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む画像形成方法。
【請求項9】
連続記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記連続記録媒体を搬送する搬送部と、
を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御する制御部として機能させ、
前記制御部は、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、
前記開始判定項目は、前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続紙の搬送が安定してから画像形成することで、品質不良の発生を抑制する画像形成装置が知られている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、次の画像形成装置が記載されている。具体的には、連続紙の搬送開始後に、連続紙の蛇行が安定してから画像形成を開始する制御の実施が可能な装置である。すなわち、連続紙の搬送開始後に、連続紙の蛇行を防止するための助走距離を変更可能な装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6269560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像形成装置において、連続紙の搬送開始後における連続紙の蛇行以外にも、品質不良が発生する場合がある。具体的には、連続紙の搬送開始後における連続紙の搬送速度、トナー像の転写速度、トナー像の定着性等が安定していない場合である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、連続記録媒体に対する画像形成動作における品質不良の発生をより抑制できる画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像形成装置は、
連続記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記連続記録媒体を搬送する搬送部と、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、
前記開始判定項目は、前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記開始判定基準は、前記搬送部により前記連続記録媒体が搬送開始されてからの搬送距離における第1搬送距離、または搬送時間における第1搬送時間である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を検知し、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを検知する検知部を備え、
前記開始判定基準は、前記検知部による検知結果に応じた値である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうち、少なくともいずれかの項目を前記開始判定項目とする選択を受け付ける受付部を備える。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記受付部は、前記開始判定項目における前記開始判定基準の入力を受け付ける。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記搬送部により前記連続記録媒体が搬送開始されてからの搬送距離が第2搬送距離に達したタイミング、または搬送時間が第2搬送時間に達したタイミングにおいて、前記検知部による検知結果に関わらず、前記連続記録媒体への画像形成を開始する、または前記連続記録媒体の搬送を停止する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、
前記第2搬送距離及び前記第2搬送時間は、前記連続記録媒体の搬送速度に応じた値である。
【0014】
請求項8に記載の画像形成方法は、
連続記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記連続記録媒体を搬送する搬送部と、
を備える画像形成装置における画像形成方法であって、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御する制御工程を含み、
前記制御工程において、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、
前記開始判定項目は、前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む。
【0015】
請求項9に記載のプログラムは、
連続記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記連続記録媒体を搬送する搬送部と、
を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御する制御部として機能させ、
前記制御部は、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、
前記開始判定項目は、前記搬送部により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、連続記録媒体に対する画像形成動作における品質不良の発生をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明における画像形成システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】本発明における画像形成システムの制御構成を示す機能ブロック図である。
図3】画像形成開始処理の手順を示すフローチャートである。
図4A】開始判定項目の開始判定基準の一例を示す図である。
図4B】リミット距離の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
先ず、本実施形態における画像形成システムの構成について説明する。
【0020】
(1.画像形成システムの構成)
図1は、画像形成システム1の概略構成の一例を示す図である。図2は、画像形成システム1の制御構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
画像形成システム1は、ロール紙等の連続紙や連続したフィルム等である記録媒体PM(連続記録媒体)を使用し、この記録媒体PM上に画像を形成するシステムである。
図1に示すように、画像形成システム1は、記録媒体PMの搬送方向に沿って上流側から、給紙装置10、画像形成装置20、及び巻取装置30を備える。
【0022】
(1-1.給紙装置の構成)
給紙装置10は、記録媒体PMを画像形成装置20に給紙する。
給紙装置10は、給紙部11と、給紙調整部12を備える。
【0023】
給紙部11は、給紙部11の筐体内において、例えば、図1に示すように、ロール状の記録媒体PMを支持軸111に巻回して回転可能に保持する。給紙部11は、支持軸111に巻回した記録媒体PMを、複数のローラーを経由して、一定の速度で給紙調整部12に搬送する。当該複数のローラーは、例えば、繰り出しローラー、給紙ローラーである。
図1には、一の記録媒体PMしか示していないが、給紙部11は、複数の連続した記録媒体を保持していてもよい。
【0024】
給紙調整部12は、記録媒体PMの搬送方向において、給紙部11の下流側、且つ、画像形成装置20の上流側に位置する。
給紙調整部12は、給紙部11から搬送された記録媒体PMを、画像形成装置20に搬送する。給紙調整部12は、給紙部11での記録媒体PMの搬送速度と、画像形成装置20での記録媒体PMの搬送速度との速度差を吸収する。具体的には、給紙調整部12は、図1に示すように記録媒体PMをたるませて保持し、画像形成装置20への記録媒体PMの給紙を調整する。
【0025】
(1-2.画像形成装置の構成)
画像形成装置20は、記録媒体PMに画像を形成する。画像形成装置20は、記録媒体PMの搬送方向において、給紙調整部12の下流側、且つ、巻取装置30の上流側に位置する。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置20は、搬送部21と、画像形成部22と、定着部23と、操作表示部24と、制御部25と、記憶部26と、通信部27と、端部位置検知部28と、原稿読取部29を備える。
【0027】
搬送部21は、画像形成装置20内部における記録媒体PMの搬送機構である。搬送部21は、例えば、複数のローラーによって、給紙調整部12から搬送された記録媒体PMを、画像形成部22、定着部23に順に搬送させ、排紙する。
【0028】
搬送部21は、図1に示すように、画像形成部22の上流側に位置する第1検知部21aを備える。
第1検知部21aは、画像形成部22により画像が形成される前において、記録媒体PMを搬送しつつ、記録媒体PMの搬送速度を検知するローラーを備える。第1検知部21aは、検知結果を制御部25に出力する。
【0029】
画像形成部22は、電子写真方式によってトナー像を形成し、記録媒体PMに転写する。
画像形成部22は、図1に示すように、像担持体としての感光体ドラム(Y、M、C、K)及び中間転写ベルトBを備える。
中間転写ベルトBは、無端ベルトである。画像形成部22は、中間転写ベルトBを複数のローラーにより巻回し、走行可能に支持する。
画像形成部22は、感光体ドラム(Y、M、C、K)に各色のトナー像を形成し、中間転写ベルトB上に逐次転写する。これにより、画像形成部22は、各色(Y、M、C、K)の層が重畳したトナー像(カラー画像)を中間転写ベルトB上に形成する。次に、画像形成部22は、トナーと逆極性のバイアスを転写ローラーTに印加することにより、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像を記録媒体PM上に転写する。
【0030】
画像形成部22は、第2検知部22aを備える。
第2検知部22aは、中間転写ベルトBを駆動させつつ、中間転写ベルトBの駆動速度を検知するローラーを備える。第2検知部22aは、検知結果を制御部25に出力する。中間転写ベルトBの駆動速度は、トナー像を記録媒体PM上に転写する転写速度である。
【0031】
定着部23は、記録媒体PM上に転写されたトナー像を定着させる。
定着部23は、図1に示すように、記録媒体PMを挟持するための、加熱ローラー231及び加圧ローラー232からなる一対のローラーを備える。
定着部23は、加熱源としてのヒーターにより加熱ローラー231を所定の温度に加熱する。
定着部23は、図示しない弾性部材により加圧ローラー232を加熱ローラー231へ向かって付勢する。
定着部23は、トナー像が転写された記録媒体PMを、加熱ローラー231と加圧ローラー232とのニップ部に通すことにより熱と圧力を加え、トナー像を溶融定着させる。
【0032】
定着部23は、第3検知部23aを備える。
第3検知部23aは、記録媒体PMに対する定着部23による定着温度を検知し、検知結果を制御部25に出力する。
【0033】
操作表示部24は、表示部24aと、操作部24bとを備える。
表示部24aは、表示画面を備え、画面上に各種情報の表示を行う。
操作部24bは、ユーザーによる各種指示の入力に使用される。
【0034】
制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備える。制御部25のCPUは、記憶部26に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開する。制御部25のCPUは、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0035】
制御部25は、例えば、外部装置から送信されたジョブや画像データを受信するように通信部27を制御する。制御部25は、当該受信したジョブや画像データに基づいて用紙に画像を形成するように、画像形成部22を制御する。
【0036】
記憶部26は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等を備える。
記憶部26は、制御部25が実行するシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータを記憶している。
【0037】
通信部27は、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信制御カードを備える。通信部27は、LAN、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部装置との間で各種データの送受信を行う。
【0038】
端部位置検知部28は、図1に示すように、画像形成部22の上流側に位置する。
端部位置検知部28は、光学センサー等を備え、搬送されている記録媒体PMの幅方向端部位置を検知する。記録媒体PMの幅方向は、記録媒体PMの搬送方向に直交する方向である。端部位置検知部28は、検知結果を制御部25に出力する。
制御部25は、端部位置検知部28による検知結果に基づいて、搬送されている記録媒体PMがどのくらい蛇行しているかを示す蛇行検知量を算出する。
【0039】
原稿読取部29は、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り部)と、CCD(Charge Coupled Device)等の画像読取部とを備える。
原稿読取部29は、操作部24bにより受け付けられた設定情報に基づいて原稿の画像を読み取り、読み取った画像の画像データを生成する。具体的には、原稿読取部29は、ADFの原稿トレイに載置された原稿を読取個所であるコンタクトガラスに搬送する、又は原稿がプラテンガラスに載置される。原稿読取部29は、画像読取部により原稿の片面又は両面の画像を読み取り、その画像データを生成する。
【0040】
本実施形態においては、制御部25は、図2に示すように、画像形成システム1全体を統括的に制御しているが、給紙装置10、巻取装置30の各装置がそれぞれ制御部を備えた構成であっても良い。
【0041】
画像形成装置20は、画像形成機能に加え、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を有するMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0042】
(1-3.巻取装置の構成)
巻取装置30は、記録媒体PMの搬送方向において、画像形成装置20の下流側に位置する。
巻取装置30は、巻取調整部31と、後処理部32と、巻取部33とを備える。
【0043】
巻取調整部31は、記録媒体PMの搬送方向において、画像形成装置20の下流側、且つ、後処理部32の上流側に位置する。
巻取調整部31は、画像形成装置20から搬送された記録媒体PMを、後処理部32に搬送する。巻取調整部31は、画像形成装置20での記録媒体PMの搬送速度と、後処理部32での記録媒体PMの搬送速度との速度差を吸収する。具体的には、巻取調整部31は、図1に示すように記録媒体PMをたるませて保持し、画像形成装置20からの記録媒体PMの排紙を調整する。
【0044】
後処理部32は、記録媒体PMの搬送方向において、巻取調整部31の下流側、且つ、巻取部33の上流側に位置する。
後処理部32は、巻取調整部31から搬送された記録媒体PMに後処理を施す。当該後処理は、例えば、断裁、折り目加工、ミシン目加工、筋付けクリース、箔押し、ニス加工、各種製本、カール矯正処理等である。
【0045】
巻取部33は、巻取部33の筐体内において、例えば、図1に示すとおり、記録媒体PMを支持軸331に巻回してロール状に保持する。巻取部33は、後処理部32から搬送されてきた記録媒体PMを、複数のローラーを経由して、一定の速度で支持軸331に巻き取る。当該複数のローラーは、例えば、繰り出しローラー、排紙ローラーである。
【0046】
(2.画像形成システムの動作)
次に、本実施形態における画像形成システム1の動作について説明する。
制御部25は、操作部24bを介してユーザーにより画像形成の指示操作が入力された際に、図3に示す画像形成開始処理を実行する。制御部25は、記憶部26に記憶されているプログラムと協働して画像形成開始処理を実行する。
【0047】
制御部25は、画像形成開始処理において、開始判定項目が開始判定基準を満たす場合に、画像形成を開始する。当該開始判定項目は、画像形成装置20が画像形成を開始するのに適した状態であるか否かを判定するための項目である。
本実施形態において、開始判定項目は、記録媒体PMの搬送における蛇行を含む。且つ、開始判定項目は、記録媒体PMの搬送速度、記録媒体PMに対する転写速度、及び定着部23における定着温度のうちの少なくともいずれかを含む。
【0048】
記録媒体PMの搬送が蛇行している状態で画像形成すると、記録媒体PMに形成される画像の位置がずれる。そのため、記録媒体PMの搬送における蛇行が所定範囲内に収まってから画像形成を開始することが好ましい。
記録媒体PMの搬送速度が安定していない状態で画像形成すると、記録媒体PMに対する転写位置がずれたり、形成される画像の位置がずれたり、倍率がずれたりする。そのため、記録媒体PMの搬送速度が安定してから画像形成を開始することが好ましい。
記録媒体PMに対する転写速度が安定していない状態で画像形成すると、記録媒体PMに対する転写位置がずれたり、形成される画像の位置がずれたり、倍率がずれたり、色ずれが発生したりする。そのため、記録媒体PMに対する転写速度が安定してから画像形成を開始することが好ましい。
定着部23における定着温度が安定していない状態で画像形成すると、記録媒体PMに形成される画像において色ムラ、光沢ムラ、定着不良等が発生する。そのため、定着部23における定着温度が安定してから画像形成を開始することが好ましい。
【0049】
制御部25は、記録媒体PMの搬送における蛇行の状態を、端部位置検知部28による検知結果に基づいて判定する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送における蛇行の状態を、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離または搬送時間に基づいて判定する。
制御部25は、記録媒体PMの搬送速度が安定しているか否かを、第1検知部21aの検知結果に基づいて判定する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送速度が安定しているか否かを、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離または搬送時間に基づいて判定する。
制御部25は、記録媒体PMに対する転写速度が安定しているか否かを、第2検知部22aの検知結果に基づいて判定する。または、制御部25は、記録媒体PMに対する転写速度が安定しているか否かを、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離または搬送時間に基づいて判定する。
制御部25は、定着部23における定着温度が安定しているか否かを、第3検知部23aの検知結果に基づいて判定する。または、制御部25は、定着部23における定着温度が安定しているか否かを、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離または搬送時間に基づいて判定する。
【0050】
(画像形成開始処理)
画像形成開始処理において、制御部25は、開始判定項目情報及び検知項目情報を取得する(ステップS1)。
開始判定項目情報は、記録媒体PMの搬送における蛇行に加え、記録媒体PMの搬送速度、記録媒体PMに対する転写速度、及び定着部23における定着温度のうちのどの項目を開始判定項目とするかを示す情報である。
検知項目情報は、開始判定項目のうち、どの項目を検知部による検知結果に基づいて判定するかを示す情報である。
制御部25は、例えば、操作部24bを介して、ユーザーによる開始判定項目の選択操作を受け付けることにより、開始判定項目情報を取得する。この場合、ユーザーは、記録媒体PMの搬送速度、記録媒体PMに対する転写速度、及び定着部23における定着温度のうち、開始判定項目としたい項目を選択する。
つまり、制御部25は、搬送部21により搬送されている記録媒体PM(連続記録媒体)の搬送速度、記録媒体PMに対する転写速度及び定着温度のうち、少なくともいずれかの項目を開始判定項目とする選択を受け付ける。制御部25は、受付部として機能する。
制御部25は、例えば、操作部24bを介して、ユーザーによる検知項目の選択操作を受け付けることにより、検知項目情報を取得する。この場合、ユーザーは、開始判定項目のうち、検知部による検知結果に基づいて判定したい項目を検知項目として選択する。
開始判定項目情報及び検知項目情報は、予め設定され、記憶部26に記憶されていてもよい。
制御部25は、後述するステップS6で、開始判定項目のうち、検知項目以外の項目について、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離または搬送時間に基づいて、当該項目は開始判定基準を満たしているか否かを判定する。
【0051】
次に、制御部25は、ステップS1で取得した開始判定項目情報が示す開始判定項目における開始判定基準を取得する(ステップS2)。
制御部25は、例えば、操作部24bを介して、ユーザーによる開始判定項目における開始判定基準の入力操作を受け付けることにより、開始判定基準を取得する。
つまり、受付部としての制御部25は、開始判定項目における開始判定基準の入力を受け付ける。
開始判定項目における開始判定基準は、予め設定され、記憶部26に記憶されていてもよい。
【0052】
次に、制御部25は、リミット時設定情報を取得する(ステップS3)。
リミット時設定情報は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離がリミット距離(第2搬送距離)に達した場合に、画像形成を開始するか否かを示す情報である。当該リミット距離は、予め設定され、記憶部26に記憶されている。
制御部25は、例えば、操作部24bを介して、ユーザーによるリミット時設定情報の入力操作を受け付けることにより、リミット時設定情報を取得する。
リミット時設定情報は、予め設定され、記憶部26に記憶されていてもよい。
【0053】
次に、制御部25は、給紙装置10を制御し、記録媒体PMの搬送を開始する(ステップS4)。
【0054】
次に、制御部25は、ステップS1で取得した検知項目情報が示す検知項目において、検知部による検知結果を取得する(ステップS5)。
具体的には、記録媒体PMの搬送における蛇行が検知項目である場合、制御部25は、端部位置検知部28による検知結果に基づいて、搬送されている記録媒体PMの蛇行検知量を算出することで取得する。
記録媒体PMの搬送速度が検知項目である場合、制御部25は、第1検知部21aの検知結果として、搬送されている記録媒体PMの搬送速度を取得する。
記録媒体PMに対する転写速度が検知項目である場合、制御部25は、第2検知部22aの検知結果として、トナー像を記録媒体PM上に転写する転写速度を取得する。
定着部23における定着温度が検知項目である場合、制御部25は、第3検知部23aの検知結果として、定着部23による定着温度を取得する。
開始判定項目に検知項目がない場合、制御部25は、ステップS5を省く。
【0055】
次に、制御部25は、画像形成装置20の状態は、画像形成を開始するのに適した状態か否かを判定する(ステップS6)。
画像形成を開始するのに適した状態とは、開始判断項目が開始判定基準を満たしている状態である。
【0056】
図4Aに、開始判定項目の開始判定基準の例を示す。
図4Aに示す例において、開始判定項目は、記録媒体PMの搬送における蛇行、記録媒体PMの搬送速度、記録媒体PMに対する転写速度、及び定着部23における定着温度である。
開始判定項目の開始判定基準の値は、画像形成装置20の機種や個体差に応じて変わるため、図4Aに示す例に限らない。
【0057】
記録媒体PMの搬送における蛇行が検知項目である場合を説明する。この場合、制御部25は、端部位置検知部28による検知結果に基づいた蛇行検知量が0.5mm以下である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMの搬送における蛇行が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が600mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である4.0m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMの搬送における蛇行が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が300mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である4.0m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMの搬送における蛇行が開始判定基準を満たしている状態は、搬送部21により搬送されている記録媒体PMの蛇行が所定範囲内である状態である。
【0058】
記録媒体PMの搬送速度が検知項目である場合を説明する。この場合、制御部25は、第1検知部21aの検知結果に基づいて、記録媒体PMの搬送速度が目標速度の±0.2%以内である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMの搬送速度が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が600mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である4.8m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間が、第1搬送時間である8sec以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMの搬送速度が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が300mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である2.4m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間が、第1搬送時間である8sec以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMの搬送速度が開始判定基準を満たしている状態は、搬送部21により搬送されている記録媒体PMの搬送速度が安定している状態である。
【0059】
記録媒体PMに対する転写速度が検知項目である場合を説明する。この場合、制御部25は、第2検知部22aの検知結果に基づいて、記録媒体PMに対する転写速度が目標速度の±0.02%以内である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMに対する転写速度が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が600mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である2.4m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間が、第1搬送時間である4sec以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMに対する転写速度が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が300mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である1.2m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間が、第1搬送時間である4sec以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
記録媒体PMに対する転写速度が開始判定基準を満たしている状態は、搬送部21により搬送されている記録媒体PMに対する転写速度が安定している状態である。
【0060】
定着部23における定着温度が検知項目である場合を説明する。この場合、制御部25は、第3検知部23aの検知結果に基づいて、定着部23における定着温度が目標温度の±2℃以内である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
定着部23における定着温度が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が600mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である6.0m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間が、第1搬送時間である10sec以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
定着部23における定着温度が検知項目でなく、且つ記録媒体PMの搬送速度の設定が300mm/secである場合を説明する。この場合、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離が、第1搬送距離である3.0m以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。または、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間が、第1搬送時間である10sec以上である場合に、当該項目は開始判定基準を満たしていると判断する。
定着部23における定着温度が開始判定基準を満たしている状態は、搬送部21により搬送されている記録媒体PMに対する定着温度が安定している状態である。
【0061】
つまり、開始判定基準は、搬送部21により記録媒体PM(連続記録媒体)が搬送開始されてからの搬送距離における第1搬送距離、または搬送時間における第1搬送時間である。
【0062】
つまり、開始判定基準は、検知部(端部位置検知部28に加え、第1検知部21a、第2検知部22a、及び第3検知部23aのうちの少なくともいずれか一つ)による検知結果に応じた値である。
【0063】
制御部25は、全ての開始判定項目が開始判定基準を満たしている場合に、画像形成装置20の状態は、画像形成を開始するのに適した状態であると判定する。
【0064】
画像形成装置20の状態が、画像形成を開始するのに適した状態である場合(ステップS6;YES)、制御部25は、画像形成部22を制御して、画像形成を開始する(ステップS7)。
次に、制御部25は、本処理を終了する。
つまり、制御部25は、記録媒体PM(連続記録媒体)への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、記録媒体PMへの画像形成を開始する。
【0065】
開始判定項目のうちのいずれかの項目が開始判定基準を満たしておらず、画像形成装置20の状態が、画像形成を開始するのに適した状態でない場合(ステップS6;NO)を説明する。この場合、制御部25は、開始判定項目の中に、ステップS1で取得した検知項目情報が示す検知項目はあるか否かを判断する(ステップS8)。
開始判定項目の中に検知項目がある場合(ステップS8;YES)、制御部25は、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離は、リミット距離に達したか否かを判断する(ステップS9)。当該リミット距離は、第2搬送距離である。
図4Bに、記録媒体PMの搬送速度の設定が600mm/secである場合、及び記録媒体PMの搬送速度の設定が300mm/secである場合のリミット距離の例を示す。つまり、リミット距離(第2搬送距離)は、記録媒体PM(連続記録媒体)の搬送速度に応じた値である。
【0066】
開始判定項目の中に検知項目がない場合(ステップS8;NO)、または記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離がリミット距離に達していない場合(ステップS9;NO)、制御部25は、本処理をステップS6に移行する。
【0067】
一方、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離がリミット距離に達した場合(ステップS9;YES)を説明する。この場合、制御部25は、画像形成装置20の状態が画像形成を開始するのに適した状態でなくとも画像形成を開始するか否かを判断する(ステップS10)。制御部25は、ステップS10において、ステップS3で取得したリミット時設定情報に基づいて判断する。
【0068】
画像形成を開始するのに適した状態でなくとも画像形成を開始する場合(ステップS10;YES)、制御部25は、本処理をステップS7に移行する。
【0069】
一方、画像形成を開始しない場合(ステップS10;NO)、制御部25は、記録媒体PMの搬送を停止し、表示部24aにエラーを表示する(ステップS11)。次に、制御部25は、本処理を終了する。
つまり、制御部25は、搬送部21により記録媒体PM(連続記録媒体)が搬送開始されてからの搬送距離がリミット距離(第2搬送距離)に達したタイミングにおいて、検知部による検知結果に関わらず、記録媒体PMへの画像形成を開始する、または記録媒体PMの搬送を停止する。
【0070】
上記画像形成開始処理において、リミット距離の代わりにリミット時間を設けてもよい。この場合、制御部25は、ステップS9において、記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送時間は、リミット時間に達したか否かを判断する。当該リミット時間は、リミット距離と同様に、記録媒体PM(連続記録媒体)の搬送速度に応じた値である。当該リミット時間は、第2搬送時間である。この場合、制御部25は、搬送部21により記録媒体PM(連続記録媒体)が搬送開始されてからの搬送時間がリミット時間(第2搬送時間)に達したタイミングにおいて、検知部による検知結果に関わらず、記録媒体PMへの画像形成を開始する、または記録媒体PMの搬送を停止する。
【0071】
以上のように、本実施形態の画像形成装置20は、連続記録媒体(記録媒体PM)に画像を形成する画像形成部22と、前記連続記録媒体を搬送する搬送部21と、前記画像形成部22及び前記搬送部21を制御する制御部25と、を備え、前記制御部25は、前記連続記録媒体への画像形成開始の判定に用いられる項目である開始判定項目が開始判定基準を満たした後に、前記連続記録媒体への画像形成を開始し、前記開始判定項目は、前記搬送部21により搬送されている前記連続記録媒体の蛇行を含み、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを含む。
したがって、記録媒体PMの搬送における蛇行が開始判定基準を満たし、且つ記録媒体PMの搬送速度、記録媒体PMに対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つが開始判定基準を満たした状態で画像形成できる。そのため、記録媒体PMの搬送における蛇行のみを考慮する場合よりも画像形成における品質不良の発生をより抑制できる。
【0072】
本実施形態の画像形成装置20において、前記開始判定基準は、前記搬送部21により前記連続記録媒体(記録媒体PM)が搬送開始されてからの搬送距離における第1搬送距離、または搬送時間における第1搬送時間である。
したがって、開始判断項目が開始判定基準を満たしている状態を容易に判定できる。
【0073】
本実施形態の画像形成装置20は、前記搬送部21により搬送されている前記連続記録媒体(記録媒体PM)の蛇行を検知し、且つ前記連続記録媒体の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうちの少なくともいずれか一つを検知する検知部(端部位置検知部28に加え、第1検知部21a、第2検知部22a、及び第3検知部23aのうちの少なくともいずれか一つ)を備え、前記開始判定基準は、前記検知部による検知結果に応じた値である。
したがって、開始判断項目が開始判定基準を満たしている状態を検知部による検知結果により正確に判定できる。
したがって、開始判定項目における開始判定基準を満たしている状態を記録媒体PMの搬送を開始してからの搬送距離または搬送時間に基づいて判定する場合の開始判定基準では判定できない紙種に対しても開始判定基準を満たしている状態を判定できる。当該紙種は安定しにくい紙種等である。
【0074】
本実施形態の画像形成装置20は、前記搬送部21により搬送されている前記連続記録媒体(記録媒体PM)の搬送速度、前記連続記録媒体に対する転写速度及び定着温度のうち、少なくともいずれかの項目を前記開始判定項目とする選択を受け付ける受付部(制御部25)を備える。
したがって、必要である項目のみを開始判定項目として設定できる。そのため、画像形成を開始するタイミングを最適化できることにより、連続記録媒体に対する画像形成動作におけるヤレ紙の発生を抑制できる。
【0075】
本実施形態の画像形成装置20において、前記受付部(制御部25)は、前記開始判定項目における開始判定基準の入力を受け付ける。
したがって、開始判定項目における開始判定基準として最適な値を設定できる。そのため、画像形成を開始するタイミングを最適化できることにより、連続記録媒体に対する画像形成動作におけるヤレ紙の発生を抑制できる。
【0076】
本実施形態の画像形成装置20において、前記制御部25は、前記搬送部21により前記連続記録媒体(記録媒体PM)が搬送開始されてからの搬送距離が第2搬送距離(リミット距離)に達したタイミング、または搬送時間が第2搬送時間(リミット時間)に達したタイミングにおいて、前記検知部による検知結果に関わらず、前記連続記録媒体への画像形成を開始する、または前記連続記録媒体の搬送を停止する。
したがって、リミット距離を設けることで記録媒体PMの最大搬送距離を規定できる。または、リミット時間を設けることで記録媒体PMの最大搬送時間を規定できる。
検知部の故障等により開始判定項目が開始判定基準を満たしている状態を判定できない場合において、記録媒体PMを搬送し続けることを抑制できる。これにより、連続記録媒体に対する画像形成動作におけるヤレ紙の発生を抑制できる。
【0077】
本実施形態の画像形成装置20において、前記第2搬送距離(リミット距離)及び前記第2搬送時間(リミット時間)は、前記連続記録媒体(記録媒体PM)の搬送速度に応じた値である。
したがって、記録媒体PMの搬送速度に応じた最適なリミット距離及びリミット時間を規定できる。これにより、連続記録媒体に対する画像形成動作におけるヤレ紙の発生を抑制できる。
【0078】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述したものに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態において、制御部25が、画像形成部22と搬送部21とを制御する制御部、及び受付部として機能するとしたがこれに限らない。画像形成システム1が備える画像形成装置20以外の装置のいずれかが制御部を有する場合、当該制御部が画像形成部22と搬送部21とを制御する制御部、及び受付部として機能してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 画像形成システム
10 給紙装置
11 給紙部
111 支持軸
12 給紙調整部
20 画像形成装置
21 搬送部
21a 第1検知部
22 画像形成部
22a 第2検知部
23 定着部
23a 第3検知部
231 加熱ローラー
232 加圧ローラー
24 操作表示部
24a 表示部
24b 操作部
25 制御部(受付部)
26 記憶部
27 通信部
28 端部位置検知部
29 原稿読取部
30 巻取装置
31 巻取調整部
32 後処理部
33 巻取部
331 支持軸
PM 記録媒体
図1
図2
図3
図4A
図4B