(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158086
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】高周波モジュール及び通信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20241031BHJP
H04B 1/00 20060101ALI20241031BHJP
H03H 7/48 20060101ALI20241031BHJP
H03H 7/46 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H04B1/38
H04B1/00 260
H03H7/48 C
H03H7/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072951
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 正也
(72)【発明者】
【氏名】永森 啓之
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 宏通
(72)【発明者】
【氏名】片又 貴博
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼瀬 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】上野 晃一
(72)【発明者】
【氏名】可児 広幸
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011DA01
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA01
5K011KA18
(57)【要約】
【課題】通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる高周波モジュールを提供する。
【解決手段】高周波モジュール1は、第1アンテナ端子5a、第2アンテナ端子5b、TDDフィルタ10、送信フィルタ11、フィルタ12及び第1スイッチ6を備える。第1スイッチ6は第1共通端子6a、第2共通端子6b、第1端子6d、第2端子6e及び第3端子6fを有する。フィルタ12は第1端子6dに接続され、TDDフィルタ10は第2端子6eに接続され、送信フィルタ11は第3端子6fに接続される。第1スイッチ6は第1接続状態と第2接続状態とを切替可能である。第1接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、及び、第1共通端子6aと第2端子6eとを同時接続する。第2接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、第1共通端子6aと第2端子6e、及び、第2共通端子6bと第3端子6fとを同時接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナ端子と、
第2アンテナ端子と、
第1バンドの通過帯域を含むTDDフィルタと、
送信フィルタと、
前記TDDフィルタ及び前記送信フィルタと異なる第2バンドの通過帯域を含むフィルタと、
前記第1アンテナ端子に接続される第1共通端子、前記第2アンテナ端子に接続される第2共通端子、前記第1共通端子に接続可能な第1端子、前記第1共通端子及び前記第2共通端子に接続可能な第2端子、及び前記第2共通端子と接続可能な第3端子を有する第1スイッチと、を備え、
前記フィルタは、前記第1端子に接続され、
前記TDDフィルタは、前記第2端子に接続され、
前記送信フィルタは、前記第3端子に接続され、
前記第1スイッチは、
前記第1共通端子と前記第1端子、及び、前記第1共通端子と前記第2端子とを同時接続する第1接続状態と、
前記第1共通端子と前記第1端子、前記第1共通端子と前記第2端子、及び、前記第2共通端子と前記第3端子とを同時接続する第2接続状態と、を切替可能に構成され、
前記送信フィルタは、前記第1バンドの通過帯域を含む、
高周波モジュール。
【請求項2】
第1アンテナ端子と、
第2アンテナ端子と、
第1バンドの通過帯域を含むTDDフィルタと、
送信フィルタと、
前記TDDフィルタ及び前記送信フィルタと異なる第2バンドの通過帯域を含むフィルタと、
前記第1アンテナ端子に接続される第1共通端子、前記第2アンテナ端子に接続される第2共通端子、前記第1共通端子に接続可能な第1端子、及び前記第2共通端子に接続可能な第2端子を有する第1スイッチと、を備え、
前記フィルタ及び前記TDDフィルタは、前記第1端子に接続され、
前記送信フィルタは、前記第2端子に接続され、
前記第1スイッチは、
前記第1共通端子と前記第1端子とを接続する第1接続状態と、
前記第1共通端子と前記第1端子、及び、前記第2共通端子と前記第2端子とを同時接続する第2接続状態と、を切替可能に構成され、
前記送信フィルタは、前記第1バンドの通過帯域を含む、
高周波モジュール。
【請求項3】
前記TDDフィルタ及び前記送信フィルタは、1つの部品に含まれている、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記フィルタは、FDDフィルタである、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記フィルタは、受信機能を有する、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記フィルタは、送信機能を有する、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
パワーアンプと、
前記パワーアンプと前記TDDフィルタとの接続と、前記パワーアンプと前記送信フィルタとの接続とを切替可能に構成された第2スイッチと、を更に備える、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の高周波モジュールと、
前記高周波モジュールに接続されており、高周波信号を信号処理する信号処理回路と、を備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュール及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の装置は、FDD(周波数分割複信)及びTDD(時分割複信)フィルタと、第1アンテナと、第2アンテナと、アンテナスイッチとを備える。上記FDD及びTDDフィルタは、FDDデュプレクサ及びTDDフィルタを組み合わせたフィルタである。上記アンテナスイッチは、上記FDD及びTDDフィルタ、上記第1アンテナ、及び、上記第2アンテナと接続されている。アンテナスイッチは、上記FDD及びTDDフィルタと上記第1アンテナとの接続と、上記FDD及びTDDフィルタと上記第2アンテナとの接続とを同時に行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、SRS(Sounding Reference Signal)と通常の高周波信号との同時通信において、通常の高周波信号での通信のスループットの低下が発生する場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制することが可能な高周波モジュール及び通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1アンテナ端子と、第2アンテナ端子と、TDDフィルタと、送信フィルタと、フィルタと、第1スイッチと、を備える。前記TDDフィルタは、第1バンドの通過帯域を含む。前記フィルタは、前記TDDフィルタ及び前記送信フィルタと異なる第2バンドの通過帯域を含む。前記第1スイッチは、第1共通端子、第2共通端子、第1端子、第2端子、及び第3端子を有する。前記第1共通端子は、前記第1アンテナ端子に接続される。前記第2共通端子は、前記第2アンテナ端子に接続される。前記第1端子は、前記第1共通端子に接続可能である。前記第2端子は、前記第1共通端子及び前記第2共通端子に接続可能である。前記第3端子は、前記第2共通端子と接続可能である。前記フィルタは、前記第1端子に接続される。前記TDDフィルタは、前記第2端子に接続される。前記送信フィルタは、前記第3端子に接続される。前記第1スイッチは、第1接続状態と、第2接続状態と、を切替可能に構成される。前記第1接続状態は、前記第1共通端子と前記第1端子、及び、前記第1共通端子と前記第2端子とを同時接続する。前記第2接続状態は、前記第1共通端子と前記第1端子、前記第1共通端子と前記第2端子、及び、前記第2共通端子と前記第3端子とを同時接続する。前記送信フィルタは、前記第1バンドの通過帯域を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1アンテナ端子と、第2アンテナ端子と、TDDフィルタと、送信フィルタと、フィルタと、第1スイッチと、を備える。前記TDDフィルタは、第1バンドの通過帯域を含む。前記フィルタは、前記TDDフィルタ及び前記送信フィルタと異なる第2バンドの通過帯域を含む。前記第1スイッチは、第1共通端子、第2共通端子、第1端子、及び第2端子を有する。前記第1共通端子は、前記第1アンテナ端子に接続される。前記第2共通端子は、前記第2アンテナ端子に接続される。前記第1端子は、前記第1共通端子に接続可能である。前記第2端子は、前記第2共通端子に接続可能である。前記フィルタ及び前記TDDフィルタは、前記第1端子に接続される。前記送信フィルタは、前記第2端子に接続される。前記第1スイッチは、第1接続状態と、第2接続状態と、を切替可能に構成される。前記第1接続状態は、前記第1共通端子と前記第1端子とを接続する。前記第2接続状態は、前記第1共通端子と前記第1端子、及び、前記第2共通端子と前記第2端子とを同時接続する。前記送信フィルタは、前記第1バンドの通過帯域を含む。
【0008】
本発明の一態様に係る通信装置は、前記高周波モジュールと、信号処理回路と、を備える。前記信号処理回路は、前記高周波モジュールに接続されており、高周波信号を信号処理する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る高周波モジュール及び通信装置によれば、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る高周波モジュール及び通信装置の構成図である。
【
図2】
図2は、同上の高周波モジュールにおける通常の高周波信号での通信を行う場合の動作、及び、第1アンテナからSRSを送信する場合の動作を説明する構成図である。
【
図3】
図3は、同上の高周波モジュールにおける第2アンテナからSRSを送信する場合の動作を説明する構成図である。
【
図4】
図4は、同上の高周波モジュールにおける第3アンテナからSRSを送信する場合の動作を説明する構成図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の変形例1に係る高周波モジュール及び通信装置の構成図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る高周波モジュール及び通信装置の構成図である。
【
図7】
図7は、同上の高周波モジュールにおける通常の高周波信号での通信を行う場合の動作、及び、第1アンテナからSRSを送信する場合の動作を説明する構成図である。
【
図8】
図8は、同上の高周波モジュールにおける第2アンテナからSRSを送信する場合の動作を説明する構成図である。
【
図9】
図9は、同上の高周波モジュールにおける第3アンテナからSRSを送信する場合の動作を説明する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る高周波モジュールを備える通信装置100について、図面を参照して詳しく説明する。
【0012】
(1)概要
実施形態1に係る高周波モジュール1は、通信相手(例えば基地局)からSRS(SoundingReference Signal)の送信要求を受信すると、通信相手との通信で使用可能な全てのアンテナから順にSRSを通信相手に送信するように構成されている。さらに、高周波モジュール1は、通常の通信を行っているときにSRSの送信要求を受信すると、通常の通信とSRSの送信とを同時に行うことが可能に構成されている。なお、上記「通常の通信」とは、SRS以外の信号を送信又は受信することである。
【0013】
図1に示すように、実施形態1に係る高周波モジュール1は、第1アンテナ端子5aと、第2アンテナ端子5bと、TDD(Time Division Duplex)フィルタ10と、送信フィルタ11と、フィルタ12と、第1スイッチ6と、を備える。TDDフィルタ10は、第1バンドの通過帯域を含む。フィルタ12は、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11と異なる第2バンドの通過帯域を含む。第1スイッチ6は、第1共通端子6a、第2共通端子6b、第1端子6d、第2端子6e及び第3端子6fを有する。第1共通端子6aは、第1アンテナ端子5aに接続される。第2共通端子6bは、第2アンテナ端子5bに接続される。第1端子6dは、第1共通端子6aに接続可能である。第2端子6eは、第1共通端子6a及び第2共通端子6bに接続可能である。第3端子6fは、第2共通端子6bと接続可能である。フィルタ12は、第1端子6dに接続される。TDDフィルタ10は、第2端子6eに接続される。送信フィルタ11は、第3端子6fに接続される。第1スイッチ6は、第1接続状態と第2接続状態とを切替可能に構成される。第1接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、及び、第1共通端子6aと第2端子6eとを同時接続する。第2接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、第1共通端子6aと第2端子6e、及び、第2共通端子6bと第3端子6fとを同時接続する。
【0014】
この構成によれば、SRSが第1共通端子6a及び第2共通端子6bから順に出力されるとき、まず、第1スイッチ6の第1接続状態で、SRSがTDDフィルタ10から第1スイッチ6を介して第1共通端子6aに出力される。そして、次に、第1スイッチ6の第2接続状態で、SRSが送信フィルタ11から第1スイッチ6を介して第2共通端子6bに出力される。その際、第1スイッチ6では、第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続と、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続とが同時に行われる。すなわち、フィルタ12は、第1スイッチ6の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子6aに接続される第1アンテナ3、及び、第2端子6eに接続されるTDDフィルタ10に接続される。このため、第1スイッチ6の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、フィルタ12に接続される負荷(第1共通端子6aに接続される第1アンテナ3、及び、第2端子6eに接続されるTDDフィルタ10)は同じである。したがって、SRSを第1共通端子6a及び第2共通端子6bから順に出力するとき、フィルタ12の負荷変動を抑制できる。この結果、SRSの送信と、通常の通信(フィルタ12と第1共通端子6aと接続する信号経路を用いた通信)とを同時に行っても、通常の通信において、フィルタ12の負荷変動による性能損失(例えばスループットの低下)を抑制できる。すなわち、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる。
【0015】
(2)通信装置100の構成
図1に示すように、通信装置100は、高周波モジュール1を備える通信装置である。通信装置100は、例えば携帯端末(例えばスマートフォン)であるが、これに限らず、例えばウェアラブル端末(例えばスマートウォッチ)であってもよい。高周波モジュール1は、例えば、4G(第4世代移動通信)規格及び5G(第5世代移動通信)規格に対応可能なモジュールである。4G規格は、例えば、3GPP(登録商標、Third Generation Partnership Project)又はLTE規格(登録商標、Long Term Evolution)である。5G規格は、例えば、5G NR(New Radio)である。高周波モジュール1は、キャリアアグリゲーション及びデュアルコネクティビティに対応可能なモジュールである。
【0016】
通信装置100は、高周波モジュール1の他に、信号処理回路2と、1つ以上(例えば3つ)のアンテナ(第1アンテナ3、第2アンテナ4及び第3アンテナ19)とを備える。第1アンテナ3及び第2アンテナ4は、高周波モジュール1に直接接続されている。第3アンテナ19は、通信装置100に備えられる回路基板であって高周波モジュール1とは別の回路基板を介して、高周波モジュール1と接続されている。
【0017】
高周波モジュール1は、信号処理回路2から出力された送信信号(高周波信号)を増幅して第1~第3アンテナ3,4,19から送信するように構成されている。また、高周波モジュール1は、第1~第3アンテナ3,4,19が受信した受信信号(高周波信号)を増幅して信号処理回路2に出力するように構成されている。高周波モジュール1は、例えば、信号処理回路2によって制御される。
【0018】
信号処理回路2は、高周波モジュール1に接続されており、高周波モジュール1に出力する送信信号を信号処理し、又は、高周波モジュール1から出力された受信信号を信号処理するように構成されている。信号処理回路2は、RF(Radio Frequency)信号処理回路21とベースバンド信号処理回路22とを含む。
【0019】
RF信号処理回路21は、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)であり、高周波信号(送信信号及び受信信号)に対して信号処理を行う。RF信号処理回路21は、高周波モジュール1から出力された受信信号をダウンコンバート等の信号処理を行ってベースバンド信号処理回路22に出力する。また、RF信号処理回路21は、ベースバンド信号処理回路22から出力された送信信号をアップコンバート等の信号処理を行って高周波モジュール1に出力する。
【0020】
ベースバンド信号処理回路22は、例えばBBIC(Baseband Integrated Circuit)である。ベースバンド信号処理回路22は、RF信号処理回路21から出力された受信信号を外部に出力する。この出力信号(受信信号)は、例えば、画像信号として画像表示のために、又は、音声信号として通話のために使用される。また、ベースバンド信号処理回路22は、外部から入力されたベースバンド信号(例えば音声信号及び画像信号)から送信信号を生成し、生成した送信信号をRF信号処理回路21に出力する。
【0021】
ベースバンド信号処理回路22は、判定部221と、SRS生成部222と、送信制御部223とを有する。
【0022】
判定部221は、高周波モジュール1が受信した受信信号がSRS要求信号であるか否かを判定する。SRS要求信号とは、SRSをSRS要求信号の送信元に送信することを要求する信号である。
【0023】
SRS生成部222は、受信信号がSRS要求信号であると判定部221が判定した場合、SRSを生成し、生成したSRSをRF信号処理回路21を介して高周波モジュール1に出力する。
【0024】
送信制御部223は、高周波モジュール1のコントローラ16を介して第1スイッチ6及び第2スイッチ7を制御することで、信号処理回路2から高周波モジュール1に出力されたSRSを第1~第3アンテナ3,4,19から順に送信させる。
【0025】
なお、実施形態1では、判定部221、SRS生成部222、及び、送信制御部223は、信号処理回路2に配置されるが、信号処理回路2の後段の処理回路に配置されてもよい。また、判定部221及び送信制御部223は、後述のコントローラ16に配置されてもよい。
【0026】
(3)高周波モジュールの構成説明
図1に示すように、高周波モジュール1は、例えば、複数の外部端子5a~5gと、第1スイッチ6と、第2スイッチ7と、第3スイッチ8と、第4スイッチ9と、TDDフィルタ10と、送信フィルタ11と、フィルタ12と、第1パワーアンプ13と、第1ローノイズアンプ14と、第2パワーアンプ15と、第2ローノイズアンプ23と、コントローラ16と、を備える。第2スイッチ7、第3スイッチ8、第4スイッチ9、第1パワーアンプ13、ローノイズアンプ14、及び、第2パワーアンプ15は、一例の構成であり、このような構成に限定されない。
【0027】
外部端子5aは、第1アンテナ3と接続される第1アンテナ端子である。外部端子5bは、第2アンテナ4と接続される第2アンテナ端子である。以下の説明では、外部端子5aを第1アンテナ端子5aと記載し、外部端子5bを第2アンテナ端子5bと記載する場合がある。外部端子5cは、信号処理回路2の出力部に接続されており、信号処理回路2の出力部から出力された送信信号が入力される入力端子である。外部端子5dは、信号処理回路2の入力部に接続されており、高周波モジュール1で処理された受信信号を信号処理回路2の入力部に出力する出力端子である。外部端子5eは、信号処理回路2の出力部に接続されており、信号処理回路2の出力部から出力された送信信号又はSRSが入力される入力端子である。外部端子5fは、信号処理回路2の信号出力部に接続されており、コントローラ16を制御するための制御信号を信号処理回路2から入力するための入力端子である。外部端子5gは、信号処理回路2の入力部に接続されており、高周波モジュール1で処理された受信信号を信号処理回路2の入力部に出力する出力端子である。
【0028】
第1スイッチ6は、第1アンテナ3及び第2アンテナ4の中から使用するアンテナを1つ又は2つ選択し、選択したアンテナをTDDフィルタ10、送信フィルタ11又はフィルタ12に接続するためのスイッチである。第1スイッチ6は、コントローラ16からの制御信号によって制御される。第1スイッチ6は、例えばスイッチIC(Integrated Circuit)である。
【0029】
第1スイッチ6は、第1共通端子6aと、第2共通端子6bと、第3共通端子6cと、第1端子6dと、第2端子6eと、第3端子6fとを有する。第1~第3共通端子6a~6cは、例えば共通端子であり、第1~第3端子6d~6fは、例えば選択端子である。
【0030】
第1~第3共通端子6a~6cはそれぞれ、第1~第3端子6d~6fのうちの1つと選択的に接続したり、第1~第3端子6d~6fのうちの2つ以上と同時に接続したりする。より詳細には、第1スイッチ6は、第1接続状態と、第2接続状態と、第3接続状態とを切替可能に構成されている。第1接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、及び、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続を同時に行う接続状態である(
図2参照)。第2接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続、及び、第2共通端子6bと第3端子6fとの接続を同時に行う接続状態である(
図3参照)。第3接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続、及び、第3共通端子6cと第3端子6fとの接続を同時に行う接続状態である(
図4参照)。
【0031】
第1共通端子6aは、外部端子(第1アンテナ端子)5aに接続されており、外部端子5aを介して第1アンテナ3に接続されている。第2共通端子6bは、外部端子(第2アンテナ端子)5bに接続されており、外部端子5bを介して第2アンテナ4に接続されている。第3共通端子6cは、SRS出力端子であり、高周波モジュール1とは別の回路基板に設けられたSRS入力端子に接続されている。上記別の回路基板は、高周波モジュール1とは別のモジュールであって通信装置100が備えるモジュールであってもよいし、高周波モジュール1が実装される実装基板(例えばマザーボード)であってもよい。第3共通端子6cは、上記別の回路基板のSRS入力端子に接続されることで、上記別の回路基板に接続されている第3アンテナ19と接続されている。第1端子6dは、フィルタ12の入出力部12aに接続されている。第1端子6dは、第1共通端子6aに接続可能である。第2端子6eは、TDDフィルタ10の入出力部10bに接続されている。第2端子6eは、第1共通端子6a及び第2共通端子6bに接続可能である。第3端子6fは、送信フィルタ11の出力部11bに接続されている。第3端子6fは、第2共通端子6bと接続可能である。
【0032】
なお、第1共通端子6a及び第2共通端子6bは、第3共通端子6cのように、SRS出力端子として用いられて別の回路基板に接続されているアンテナに接続されてもよい。また、第3共通端子6cは、第1共通端子6a及び第2共通端子6bのように、高周波モジュール1に設けられたアンテナ(第1アンテナ3又は第2アンテナ4)に接続されてもよい。すなわち、第1~第3共通端子6a~6cは、高周波モジュール1に接続されているアンテナに接続されてもよいし、上記別の回路基板に接続されているアンテナに接続されてもよい。
【0033】
第2スイッチ7は、第1パワーアンプ13の出力先をTDDフィルタ10及び送信フィルタ11の中から1つ選択し、選択したフィルタの入力部に接続するためのスイッチである。また、第2スイッチ7は、第2ローノイズアンプ23の入力先をTDDフィルタ10の入出力部10aに選択的に接続するためのスイッチである。第2スイッチ7は、コントローラ16からの制御信号によって制御される。第2スイッチ7は、例えばスイッチICである。第2スイッチ7は、共通端子7a,7dと、複数(
図1の例では2つ)の選択端子7b,7cを有する。共通端子7aは、複数の選択端子7b,7cのうちの1つと選択的に接続される。共通端子7aは、第1パワーアンプ13の出力部13bに接続されている。共通端子7dは、選択端子7bと選択的に接続される。共通端子7dは、第2ローノイズアンプ23の入力部23aに接続される。選択端子7bは、TDDフィルタ10の入出力部10aに接続されている。選択端子7cは、送信フィルタ11の入力部11aに接続されている。
【0034】
第3スイッチ8は、第2パワーアンプ15の出力先を送信フィルタ17T,18Tの中から1つ選択するためのスイッチである。第3スイッチ8は、コントローラ16からの制御信号によって制御される。第3スイッチ8は、例えばスイッチICである。第3スイッチ8は、共通端子8aと、複数(
図1の例では2つ)の選択端子8b,8cを有する。共通端子8aは、複数の選択端子8b,8cのうちの1つと選択的に接続される。共通端子8aは、第2パワーアンプ15の出力部15bに接続されている。選択端子8bは、送信フィルタ17Tの入力部17aに接続されている。選択端子8cは、送信フィルタ18Tの入力部18aに接続されている。
【0035】
第4スイッチ9は、第1ローノイズアンプ14の入力先を受信フィルタ17R,18Rの中から1つ選択するためのスイッチである。第4スイッチ9は、コントローラ16からの制御信号によって制御される。第4スイッチ9は、例えばスイッチICである。第4スイッチ9は、共通端子9aと、複数(
図1の例では2つ)の選択端子9b,9cを有する。共通端子9aは、複数の選択端子9b,9cのうちの1つと選択的に接続される。共通端子9aは、第1ローノイズアンプ14の入力部14aに接続されている。選択端子9bは、受信フィルタ17Rの出力部17bに接続されている。選択端子9cは、受信フィルタ18Rの出力部18bに接続されている。
【0036】
TDDフィルタ10は、送受信機能するフィルタである。TDDフィルタ10は、通常の通信及びSRSの送信のために用いられる。上記の「通常の通信」とは、SRS以外の信号を送信又は受信する通信である。TDDフィルタ10は、第1バンド(例えばB(バンド)n41、n40、n77、又は、n79)の送受信帯域を通過帯域とする送受信フィルタである。TDDフィルタ10は、入出力部10a及び入出力部10bを有する。入出力部10aは、第2スイッチ7の選択端子7bに接続されている。入出力部10bは、第1スイッチ6の第2端子6eに接続されている。TDDフィルタ10は、第2スイッチ7の選択端子7bから出力される信号を入出力部10aから入力し、その入力した信号を第1バンドの送信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を入出力部10bから出力する。また、TDDフィルタ10は、第1スイッチ6の第2端子6eから出力される信号を入出力部10bから入力し、その入力した信号を第1バンドの受信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を入出力部10aから出力する。
【0037】
送信フィルタ11は、SRSを送信するための送信フィルタである。送信フィルタ11は、TDDフィルタ10を通過する送信信号のバンドと同じバンドである第1バンドを含む通過帯域を有する送信フィルタである。送信フィルタ11は、入力部11a及び出力部11bを有する。入力部11aは、第2スイッチ7の選択端子7cに接続されている。出力部11bは、第1スイッチ6の第3端子6fに接続されている。送信フィルタ11は、第2スイッチ7の選択端子7cから出力される信号を入力部11aから入力し、その入力した信号を第1バンドの送信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を出力部11bから出力する。
【0038】
フィルタ12は、送信機能及び受信機能を有するFDD(Frequency Division Duplex)フィルタである。フィルタ12は、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11のバンド(第1バンド)と異なる第2バンドの通過帯域を含む。フィルタ12は、例えば、デュプレクサ17,18と、入出力部12aと、入力部17a,18aと、出力部17b,18bとを有する。
【0039】
デュプレクサ17は、送信フィルタ17Tと受信フィルタ17Rとを有する。送信フィルタ17Tは、第1バンドとは異なるバンド(例えばB(バンド)1)の送信帯域を通過帯域とする送信フィルタである。受信フィルタ17Rは、第1バンドとは異なる上記バンド(第2バンド)の受信帯域を通過帯域とする受信フィルタである。送信フィルタ18Tは、第1バンド及び上記バンドとは異なるバンド(例えばB(バンド)3)(第2バンド)の送信帯域を通過帯域とする送信フィルタである。受信フィルタ18Rは、上記バンド(例えばB(バンド)3)の受信帯域を通過帯域とする受信フィルタである。入出力部12aは、送信フィルタ17T,18Tの出力部として機能し、受信フィルタ17R,18Rの入力部として機能する。入力部17a,18aは、送信フィルタ17T,18Tの入力部として機能する。出力部17b,18bは、受信フィルタ17R,18Rの出力部として機能する。
【0040】
送信フィルタ17Tは、入力部17a及び出力部(入出力部12a)を有する。入力部17aは、第3スイッチ8の選択端子8bに接続されている。出力部(入出力部12a)は、第1スイッチ6の第1端子6dに接続されている。送信フィルタ17Tは、第3スイッチ8の選択端子8bから出力される信号を入力部17aから入力し、その入力した信号を第2バンドの送信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を出力部(入出力部12a)から出力する。
【0041】
受信フィルタ17Rは、入力部(入出力部12a)及び出力部17bを有する。入力部(入出力部12a)は、第1スイッチ6の第1端子6dに接続されている。出力部17bは、第4スイッチ9の選択端子9bに接続されている。受信フィルタ17Rは、第1スイッチ6の第1端子6dから出力される信号を入力部(入出力部12a)から入力し、その入力した信号を第2バンドの受信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を出力部17bから出力する。
【0042】
送信フィルタ18Tは、入力部18a及び出力部(入出力部12a)を有する。入力部18aは、第3スイッチ8の選択端子8cに接続されている。出力部(入出力部12a)は、第1スイッチ6の第1端子6dに接続されている。送信フィルタ18Tは、第3スイッチ8の選択端子8cから出力される信号を入力部18aから入力し、その入力した信号を第3バンドの送信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を出力部(入出力部12a)から出力する。
【0043】
受信フィルタ18Rは、入力部(入出力部12a)及び出力部18bを有する。入力部(入出力部12a)は、第1スイッチ6の第1端子6dに接続されている。出力部18bは、第4スイッチ9の選択端子9cに接続されている。受信フィルタ18Rは、第1スイッチ6の第1端子6dから出力される信号を入力部(入出力部12a)から入力し、その入力した信号を第3バンドの受信帯域の信号に制限して通過させ、通過させた信号を出力部18bから出力する。
【0044】
第1パワーアンプ13は、外部端子5eと第2スイッチ7の共通端子7aとの間に接続されている。第1パワーアンプ13は、入力部13a及び出力部13bを有する。入力部13aは、外部端子5eに接続されている。出力部13bは、第2スイッチ7の共通端子7aに接続されている。第1パワーアンプ13は、外部端子5eから入力部13aに入力された信号を増幅し、増幅した信号を出力部13bから共通端子7aに出力する。
【0045】
第1ローノイズアンプ14は、第4スイッチ9の共通端子9aと外部端子5dとの間に接続されている。第1ローノイズアンプ14は、入力部14a及び出力部14bを有する。入力部14aは、第4スイッチ9の共通端子9aに接続されている。出力部14bは、外部端子5dに接続されている。第1ローノイズアンプ14は、共通端子9aから入力部14aに入力された信号を増幅し、増幅した信号を出力部14bから外部端子5dに出力する。
【0046】
第2パワーアンプ15は、外部端子5cと第3スイッチ8の共通端子8aとの間に接続されている。第2パワーアンプ15は、入力部15a及び出力部15bを有する。入力部15aは、外部端子5cに接続されている。出力部15bは、第3スイッチ8の共通端子8aに接続されている。第2パワーアンプ15は、外部端子5cから入力部15aに入力された信号を増幅し、増幅した信号を出力部15bから共通端子8aに出力する。
【0047】
第2ローノイズアンプ23は、第2スイッチ7の共通端子7dと外部端子5gとの間に接続されている。第2ローノイズアンプ23は、入力部23a及び出力部23bを有する。入力部23aは、第2スイッチ7の共通端子7dに接続されている。出力部23bは、外部端子5gに接続されている。第2ローノイズアンプ23は、共通端子7dから入力部23aに入力された信号を増幅し、増幅した信号を出力部23bから外部端子5gに出力する。
【0048】
コントローラ16は、信号処理回路2からの制御信号に従って、高周波モジュール1が備える電子部品(例えば、第1~第4スイッチ6~9、第1パワーアンプ13、第1ローノイズアンプ14、第2パワーアンプ15、及び、第2ローノイズアンプ23)を制御する。コントローラ16は、上記の電子部品と電気的に接続されている。コントローラ16は、外部端子5fを介して信号処理回路2の信号出力部に接続されている。コントローラ16は、信号処理回路2から外部端子5fに入力された制御信号に従って、上記の各電子部品を制御する。
【0049】
(4)高周波モジュール1の動作説明
図2~
図4を参照して、高周波モジュール1のSRSの送信時の動作を説明する。
【0050】
図2を参照して、まず、通常の通信として通常の送信及び通常の受信を同時に行う場合の動作例を説明する。より詳細には、第1アンテナ3及び受信フィルタ17Rを経由する信号経路S0を用いた通常の受信と、第1アンテナ3及びTDDフィルタ10を経由する信号経路S1を用いた通常の送信とを同時に行う場合の動作例を説明する。
【0051】
この場合、第1スイッチ6は、第1接続状態に切り替えられる。すなわち、第1スイッチ6では、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、及び、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続が同時に行われる。また、第2スイッチ7では、共通端子7aは、選択端子7bと接続され、共通端子7dは、選択端子7bと接続されない。また、第3スイッチ8では、共通端子8aは、選択端子8b,8cの両方に接続されない。また、第4スイッチ9では、共通端子9aは、選択端子9bに接続される。
【0052】
そして、
図2に示すように、上記の接続状態で、第1アンテナ3で受信された受信信号は、信号経路S0に沿って、第1アンテナ3から第1スイッチ6、受信フィルタ17R、第4スイッチ9、及び、第1ローノイズアンプ14を経由して外部端子5dから信号処理回路2に出力される(通常の受信)。そして、信号処理回路2に出力された受信信号は、信号処理回路2で信号処理される。これに併行して、送信信号が、信号処理回路2の出力部から高周波モジュール1の外部端子5eに入力される。そして、その送信信号は、信号経路S1に沿って、外部端子5eから第1パワーアンプ13、第2スイッチ7、TDDフィルタ10、及び、第1スイッチ6を経由して第1アンテナ3から送信される(通常の送信)。
【0053】
上記の通常の通信の状態において、第1アンテナ3が受信信号としてSRS要求信号を受信すると、判定部221は、その受信信号がSRS要求信号であると判定する。そして、SRS生成部222は、判定部221の上記の判定の結果に応じて、SRSを生成する。生成されたSRSは、信号処理回路2から高周波モジュール1の外部端子5eに入力される。そして、送信制御部223は、コントローラ16を介して第1スイッチ6及び第2スイッチ7を制御することで、外部端子5eに入力されたSRSを第1~第3アンテナ3,4,19から順に送信させる。
【0054】
次に
図2~
図4を参照して、SRSが第1~第3アンテナ3,4,19から順に送信される場合の動作を説明する。
【0055】
図2に示す接続状態(すなわち上記の通常の通信の接続状態)で、信号経路S0を用いた上記の通常の受信が行われる状態で、信号経路S1を用いた上記の通常の送信が止められて、その通常の送信の代わりに、信号経路S1を用いてSRSが送信される。すなわち、上記の通常の受信と併行して、信号処理回路2から高周波モジュール1の外部端子5eにSRSが入力され、入力されたSRSが信号経路S1を経由して第1アンテナ3から送信される(SRSの送信)。
【0056】
そして、SRSが第1アンテナ3から送信されると、第1~第4スイッチ6~9の接続状態が
図2に示す接続状態から
図3に示す接続状態に切り替えられる。より詳細には、第1スイッチ6は、第1接続状態(
図2参照)から第2接続状態(
図3参照)に切り替えられる。
図3に示すように、第1スイッチ6の第2接続状態では、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続、及び、第2共通端子6bと第3端子6fとの接続が同時に行われる。また、第2スイッチ7では、共通端子7aは、選択端子7cに接続され、共通端子7dは、選択端子7cに接続されない。また、第3スイッチ8では、共通端子8aは、選択端子8b,8cの両方に接続されない。第4スイッチ9では、共通端子9aは、選択端子9bに接続される。
【0057】
そして、
図3に示すように、上記の接続状態で、信号処理回路2から外部端子5eに入力されたSRSは、信号経路S2に沿って、外部端子5eから第1パワーアンプ13、第2スイッチ7、送信フィルタ11、第1スイッチ6、及び、第2アンテナ4を経由して第2アンテナ4から送信される(SRSの送信)。これに併行して、第1アンテナ3で受信された受信信号は、信号経路S0に沿って、第1アンテナ3から第1スイッチ6、受信フィルタ17R、第4スイッチ9、及び、第1ローノイズアンプ14を経由して外部端子5dから信号処理回路2に出力される(通常の受信)。
【0058】
そして、SRSが第2アンテナ4から送信されると、第1スイッチ6の接続状態が第2接続状態(
図3参照)から第3接続状態(
図4参照)に切り替えられる。
図4に示すように、第1スイッチ6の第3接続状態では、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続、及び、第3共通端子6cと第3端子6fとの接続が同時に行われる。第2~4スイッチ7~9の接続状態は、
図3に示す接続状態と同じである。
【0059】
図4に示すように、上記の接続状態では、信号処理回路2から外部端子5eに入力されたSRSは、信号経路S3に沿って、外部端子5eから第1パワーアンプ13、第2スイッチ7、送信フィルタ11、第1スイッチ6、及び、上記別の回路基板を経由して第3アンテナ19から送信される(SRSの送信)。これに併行して、第1アンテナ3で受信された受信信号は、信号経路S0に沿って、第1アンテナ3から第1スイッチ6、受信フィルタ17R、第4スイッチ9、及び、第1ローノイズアンプ14を経由して外部端子5dから信号処理回路2に出力される(通常の受信)。
【0060】
このように、SRSの送信は、通常の通信(実施形態1では通常の受信)と同時に行われる。そして、SRSは、SRSが送信可能な全てのアンテナ(実施形態1では第1~第3アンテナ3,4,19)から順に送信される。その際、SRSの送信経路が信号経路S1から各信号経路S2,S3に順に切り替わるとき、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、及び、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続は、維持される。これにより、SRSが第1~第3アンテナ3,4,19から順に送信される間、通常の受信で使用されるフィルタ12に接続される負荷(第1共通端子6aに接続される第1アンテナ3、及び、第2端子6eに接続されるTDDフィルタ10)が変動することを抑制できる。この結果、SRSの送信と、上記の通常の通信(実施形態1では上記の通常の受信)とを同時に行っても、上記の通常の通信において、フィルタ12の負荷変動による性能損失(例えばスループットの低下)を抑制できる。
【0061】
なお、上記の動作説明では、フィルタ12のうちの受信フィルタ(例えば17R)が用いられる場合が例示される。ただし、フィルタ12のうちの送信フィルタ(例えば17T)が用いられてもよい。この場合は、SRSの送信と同時に、送信フィルタ17Tを用いた通常の送信が行われる。この場合も、受信フィルタが用いられる場合と同様の効果を奏する。
【0062】
(5)効果
以上のように、実施形態1に係る高周波モジュール1は、第1アンテナ端子5aと、第2アンテナ端子5bと、TDDフィルタ10と、送信フィルタ11と、フィルタ12と、第1スイッチ6と、を備える。TDDフィルタ10は、第1バンドの通過帯域を含む。フィルタ12は、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11と異なる第2バンドの通過帯域を含む。第1スイッチ6は、第1共通端子6a、第2共通端子6b、第1端子6d、第2端子6e及び第3端子6fを有する。第1共通端子6aは、第1アンテナ端子5aに接続される。第2共通端子6bは、第2アンテナ端子5bに接続される。第1端子6dは、第1共通端子6aに接続可能である。第2端子6eは、第1共通端子6a及び第2共通端子6bに接続可能である。第3端子6fは、第2共通端子6bと接続可能である。フィルタ12は、第1端子6dに接続される。TDDフィルタ10は、第2端子6eに接続される。送信フィルタ11は、第3端子6fに接続される。第1スイッチ6は、第1接続状態と第2接続状態とを切替可能に構成される。第1接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、及び、第1共通端子6aと第2端子6eとを同時接続する。第2接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、第1共通端子6aと第2端子6e、及び、第2共通端子6bと第3端子6fとを同時接続する。送信フィルタ11は、第1バンドの通過帯域を含む。
【0063】
この構成によれば、SRSが第1共通端子6a及び第2共通端子6bから順に出力されるとき、まず、第1スイッチ6の第1接続状態で、SRSがTDDフィルタ10から第1スイッチ6を介して第1共通端子6aに出力される。そして、次に、第1スイッチ6の第2接続状態で、SRSが送信フィルタ11から第1スイッチ6を介して第2共通端子6bに出力される。その際、第1スイッチ6では、第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続と、第1共通端子6aと第2端子6eとの接続とが同時に行われる。すなわち、フィルタ12は、第1スイッチ6の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子6aに接続される第1アンテナ3、及び、第2端子6eに接続されるTDDフィルタ10に接続される。このため、第1スイッチ6の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、フィルタ12に接続される負荷(第1共通端子6aに接続される第1アンテナ3、及び、第2端子6eに接続されるTDDフィルタ10)は同じである。したがって、SRSを第1共通端子6a及び第2共通端子6bから順に出力するとき、フィルタ12の負荷変動を抑制できる。この結果、SRSの送信と、通常の高周波信号での通信(フィルタ12と第1共通端子6aと接続する信号経路S0を用いた通信)とを同時に行っても、通常の高周波信号での通信において、フィルタ12の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。すなわち、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる。
【0064】
また、フィルタ12は、SRSの送信と同時に、通常の高周波信号での通信としてフィルタ12を用いた受信を行っても、上記通常の高周波信号での通信において、フィルタ12の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。
【0065】
また、フィルタ12は、SRSの送信と同時に、通常の高周波信号での通信としてフィルタ12を用いた送信を行っても、上記通常の高周波信号での通信において、フィルタ12の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。
【0066】
また、第1パワーアンプ13と、第2スイッチ7と、を更に備え、第2スイッチ7は、第1パワーアンプ13とTDDフィルタ10との接続と、第1パワーアンプ13と送信フィルタ11との接続とを切替可能に構成されている。このため、SRSの送信で用いるパワーアンプと、通常の高周波信号での通信(TDDフィルタ10及び第1共通端子6aを接続する信号経路S1を用いた通信)で用いるパワーアンプとを、1つのパワーアンプ(第1パワーアンプ13)で兼用できる。
【0067】
(6)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。以下の説明では、実施形態1と同じ部分の説明は省略し、実施形態1と異なる部分のみを説明する場合がある。また、実施形態1及び下記の変形例は、組み合わせて実施可能である。
【0068】
(6-1)変形例1
図5に示すように、上記実施形態1において、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11は、1つの部品20(例えばICチップ)に含まれてもよい。この構成によれば、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11を同じ製造工程で製造できる。これにより、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11において、製造ばらつきによるインピーダンスのばらつきを抑制できる。
【0069】
(6-2)変形例2
実施形態1では、信号経路S1を用いて通常の送信を行っているときにSRSを送信する場合(
図2参照)、上記通常の送信を止めてSRSを送信する。ただし、TDDフィルタ10で通常の送信とSRSの送信とを時分割複信することで、信号経路S1を用いて通常の送信とSRSの送信とを同時に送信してもよい。
【0070】
(実施形態2)
図6を参照して、実施形態2に係る高周波モジュール1Bについて説明する。以下の説明において、実施形態1と同じ構成には実施形態1の構成と同じ符号を付して、実施形態1と異なる部分のみ説明する場合がある。
【0071】
(1)高周波モジュール1Bの構成説明
実施形態2に係る高周波モジュール1Bでは、実施形態1に係る高周波モジュール1と比べて、TDDフィルタ10は、フィルタ12と共に第1スイッチ6の第1端子6dに接続される点(すなわち、TDDフィルタ10及びフィルタ12は第1端子6dに接続される点)が異なる。
【0072】
より詳細には、高周波モジュール1Bの第1スイッチ6は、実施形態1の第1スイッチ6と同じ構成であり、第1共通端子6a、第2共通端子6b、第3共通端子6c、第1端子6d、第2端子6e、及び、第3端子6fを有する。実施形態2では、第3端子6fは無くてもよい。第1共通端子6aは、第1アンテナ3に接続され、第2共通端子6bは、第2アンテナ4に接続されている。第3共通端子6cは、SRS出力端子であり、実施形態1の第3共通端子6cと同様に、上記別の回路基板を介して第3アンテナ19に接続されている。第1端子6dは、フィルタ12の入出力部12aに接続されている。第1端子6dは、第1共通端子6aに接続可能である。第2端子6eは、送信フィルタ11の出力部11bに接続されている。第2端子6eは、第2共通端子6bに接続可能である。
【0073】
実施形態2の第1スイッチ6は、第1接続状態、第2接続状態及び第3接続状態を切替可能に構成されている。第1接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとを接続する接続状態である(
図7参照)。第2接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、及び、第2共通端子6bと第2端子6eとの接続を同時に行う接続状態である(
図8参照)。第3接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、及び、第3共通端子6cと第2端子6eとの接続を同時に行う接続状態である(
図9参照)。
【0074】
高周波モジュール1BのTDDフィルタ10は、第1スイッチ6の第1端子6dとフィルタ12の入出力部12aとを接続する第1経路L1の分岐点N1と、第2スイッチ7の選択端子7bとの間に接続されている。すなわち、TDDフィルタ10は、第1経路L1の分岐点N1から分岐した第2経路L2に接続されている。換言すれば、TDDフィルタ10及びフィルタ12はともに、第1スイッチ6の第1端子6dに接続されている。
【0075】
(2)高周波モジュール1Bの動作説明
次に
図7~
図9を参照して、SRSの送信時の動作を説明する。
【0076】
図7を参照して、まず、通常の通信として通常の送信及び通常の受信を同時に行う場合の動作例を説明する。より詳細には、第1アンテナ3及び受信フィルタ17Rを経由する信号経路S0を用いた通常の受信と、第1アンテナ3及びTDDフィルタ10を経由する信号経路S1を用いた通常の送信とを同時に行う場合の動作例を説明する。
【0077】
この場合、第1スイッチ6は、第1接続状態に切り替えられる。すなわち、第1スイッチ6では、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続が行われる。また、第2スイッチ7では、共通端子7aは、選択端子7bと接続される。また、第3スイッチ8では、共通端子8aは、選択端子8b,8cの両方に接続されない。また、第4スイッチ9では、共通端子9aは、選択端子9bに接続される。
【0078】
そして、
図7に示すように、上記の接続状態で、第1アンテナ3で受信された受信信号は、信号経路S0に沿って、第1アンテナ3から第1スイッチ6、受信フィルタ17R、第4スイッチ9、及び、第1ローノイズアンプ14を経由して外部端子5dから信号処理回路2に出力される(通常の受信)。そして、信号処理回路2に出力された受信信号は、信号処理回路2で信号処理される。これに併行して、送信信号が、信号処理回路2の出力部から高周波モジュール1の外部端子5eに入力される。そして、その送信信号は、信号経路S1に沿って、外部端子5eから第1パワーアンプ13、第2スイッチ7、TDDフィルタ10、及び、第1スイッチ6を経由して第1アンテナ3から送信される(通常の送信)。
【0079】
次に
図7~
図9を参照して、SRSが第1~第3アンテナ3,4,19から順に送信される場合の動作を説明する。
【0080】
図7に示す接続状態(すなわち上記の通常の通信の接続状態)で、信号経路S0を用いた上記の通常の受信が行われる状態で、信号経路S1を用いた上記の通常の送信が止められて、その通常の送信の代わりに、信号経路S1を用いてSRSが送信される。すなわち、上記の通常の受信と併行して、信号処理回路2から高周波モジュール1の外部端子5eにSRSが入力され、入力されたSRSが信号経路S1を経由して第1アンテナ3から送信される(SRSの送信)。
【0081】
そして、SRSが第1アンテナ3から送信されると、第1~第4スイッチ6~9の接続状態が第7に示す接続状態から
図8に示す接続状態に切り替えられる。より詳細には、第1スイッチ6は、第1接続状態(
図7参照)から第2接続状態(
図8参照)に切り替えられる。
図8に示すように、第1スイッチ6の第2接続状態では、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、及び、第2共通端子6bと第2端子6eとの接続が同時に行われる。また、第2スイッチ7では、共通端子7aは、選択端子7cに接続される。また、第3スイッチ8では、共通端子8aは、選択端子8b,8cの両方に接続されない。第4スイッチ9では、共通端子9aは、選択端子9bに接続される。
【0082】
そして、
図8に示すように、上記の接続状態で、信号処理回路2から外部端子5eに入力されたSRSは、信号経路S2に沿って、外部端子5eから第1パワーアンプ13、第2スイッチ7、送信フィルタ11、及び、第1スイッチ6を経由して第2アンテナ4から送信される(SRSの送信)。これに併行して、第1アンテナ3で受信された受信信号は、信号経路S0に沿って、第1アンテナ3から第1スイッチ6、受信フィルタ17R、第4スイッチ9、及び、第1ローノイズアンプ14を経由して外部端子5dから信号処理回路2に出力される(通常の受信)。
【0083】
そして、SRSが第2アンテナ4から送信されると、第1スイッチ6の接続状態が第2接続状態(
図8参照)から第3接続状態(
図9参照)に切り替わる。
図9に示すように、第1スイッチ6の第3接続状態では、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続、第3共通端子6cと第2端子6eとの接続が同時に行われる。第2~4スイッチ7~9の接続状態は、
図8に示す接続状態と同じである。
【0084】
図9に示すように、上記の接続状態では、信号処理回路2から外部端子5eに入力されたSRSは、信号経路S3に沿って、外部端子5eから第1パワーアンプ13、第2スイッチ7、送信フィルタ11、及び、第1スイッチ6を経由して第3アンテナ19から送信される(SRSの送信)。これに併行して、第1アンテナ3で受信された受信信号は、信号経路S0に沿って、第1アンテナ3から第1スイッチ6、受信フィルタ17R、第4スイッチ9、及び、第1ローノイズアンプ14を経由して外部端子5dから信号処理回路2に出力される(通常の受信)。
【0085】
このように、SRSの送信は、通常の受信(実施形態1では通常の受信)と同時に行われる。そして、SRSは、SRSが送信可能な全てのアンテナ(第1~第3アンテナ3,4,19)から順に送信される。その際、SRSの送信経路が信号経路S1から各信号経路S2,S3に順に切り替わるとき、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続は維持される。これにより、SRSが各アンテナ(第1~第3アンテナ3,4,19)から順に送信される間、通常の受信で使用されるフィルタ12に接続される負荷(第1アンテナ3及びTDDフィルタ10)が変動することを抑制できる。この結果、SRSの送信と通常の通信とを同時に行っても、通常の通信において、フィルタ12の負荷変動による性能損失(例えばスループットの低下)を抑制できる。
【0086】
(3)効果
実施形態2に係る高周波モジュール1Bは、第1アンテナ端子5aと、第2アンテナ端子5bと、TDDフィルタ10と、送信フィルタ11と、フィルタ12と、第1スイッチ6と、を備える。TDDフィルタ10は、第1バンドの通過帯域を含む。フィルタ12は、TDDフィルタ10及び送信フィルタ11と異なる第2バンドを含む通過帯域を有する。第1スイッチ6は、第1共通端子6a、第2共通端子6b、第1端子6d、及び第2端子6eを有する。フィルタ12及びTDDフィルタ10は、第1端子6dに接続される。送信フィルタ11は、第2端子6eに接続される。第1スイッチ6は、第1接続状態と第2接続状態とを切替可能に構成される。第1接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6dとを接続する。第2接続状態は、第1共通端子6aと第1端子6d、及び、第2共通端子6bと第2端子6eとを同時接続する。送信フィルタ11は、第1バンドの通過帯域を含む。
【0087】
この構成によれば、SRSが第1共通端子6a及び第2共通端子6bから順に出力されるとき、まず、第1スイッチ6の第1接続状態で、SRSがTDDフィルタ10から第1スイッチ6を介して第1共通端子6aに出力される。そして、次に、第1スイッチ6の第2接続状態で、SRSが送信フィルタ11から第1スイッチ6を介して第2共通端子6bに出力される。その際、第1スイッチ6では、第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子6aと第1端子6dとの接続が行われる。すなわち、フィルタ12は、第1スイッチ6の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子6a及びTDDフィルタ10に接続される。このため、フィルタ12に接続される負荷(第1共通端子6aに接続される第1アンテナ3、及び、TDDフィルタ10)は同じである。したがって、SRSを第1共通端子6a及び第2共通端子6bから順に出力するとき、フィルタ12の負荷変動を抑制できる。この結果、SRSの送信と、通常の高周波信号での通信(フィルタ12と第1共通端子6aと接続する信号経路S0を用いた通信)とを同時に行っても、通常の高周波信号での通信において、フィルタ12の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。すなわち、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる。
【0088】
(4)変形例
実施形態1~3及びそれらの変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0089】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0090】
第1の態様の高周波モジュール(1)は、第1アンテナ端子(5a)と、第2アンテナ端子(5b)と、TDDフィルタ(10)と、送信フィルタ(11)と、フィルタ(12)と、第1スイッチ(6)と、を備える。TDDフィルタ(10)は、第1バンドの通過帯域を含む。フィルタ(12)は、TDDフィルタ(10)及び送信フィルタ(11)と異なる第2バンドの通過帯域を含む。第1スイッチ(6)は、第1共通端子(6a)、第2共通端子(6b)、第1端子(6d)、第2端子(6e)、及び第3端子(6f)を有する。第1共通端子(6a)は、第1アンテナ端子(5a)に接続される。第2共通端子(6b)は、第2アンテナ端子(5b)に接続される。第1端子(6d)は、第1共通端子(6a)に接続可能である。第2端子(6e)は、第1共通端子(6a)及び第2共通端子(6b)に接続可能である。第3端子(6f)は、第2共通端子(6b)と接続可能である。フィルタ(12)は、第1端子(6d)に接続される。TDDフィルタ(10)は、第2端子(6e)に接続される。送信フィルタ(11)は、第3端子(6f)に接続される。第1スイッチ(6)は、第1接続状態と、第2接続状態と、を切替可能に構成される。第1接続状態は、第1共通端子(6a)と第1端子(6d)、及び、第1共通端子(6a)と第2端子(6e)とを同時接続する。第2接続状態は、第1共通端子(6a)と第1端子(6d)、第1共通端子(6a)と第2端子(6e)、及び、第2共通端子(6b)と第3端子(6f)とを同時接続する。送信フィルタ(11)は、第1バンドの通過帯域を含む。
【0091】
この構成によれば、SRSが第1共通端子(6a)及び第2共通端子(6b)から順に出力されるとき、まず、第1スイッチ(6)の第1接続状態で、SRSがTDDフィルタ(10)から第1スイッチ(6)を介して第1共通端子(6a)に出力される。そして、次に、第1スイッチ(6)の第2接続状態で、SRSが送信フィルタ(11)から第1スイッチ(6)を介して第2共通端子(6b)に出力される。その際、第1スイッチ(6)では、第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子(6a)と第1端子(6d)との接続と、第1共通端子(6a)と第2端子(6e)との接続とが同時に行われる。すなわち、フィルタ(12)は、第1スイッチ(6)の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子(6a)に接続される第1アンテナ(3)、及び、第2端子(6e)に接続されるTDDフィルタ(10)に接続される。このため、第1スイッチ(6)の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、フィルタ(12)に接続される負荷(第1共通端子(6a)に接続される第1アンテナ(3)、及び、第2端子(6e)に接続されるTDDフィルタ(10))は同じである。したがって、SRSを第1共通端子(6a)及び第2共通端子(6b)から順に出力するとき、フィルタ(12)の負荷変動を抑制できる。この結果、SRSの送信と、通常の高周波信号での通信(フィルタ(12)と第1共通端子(6a)と接続する信号経路(S0)を用いた通信)とを同時に行っても、通常の高周波信号での通信において、フィルタ(12)の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。すなわち、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる。
【0092】
第2の態様の高周波モジュール(1B)は、第1アンテナ端子(5a)と、第2アンテナ端子(5b)と、TDDフィルタ(10)と、送信フィルタ(11)と、フィルタ(12)と、第1スイッチ(6)と、を備える。TDDフィルタ(10)は、第1バンドの通過帯域を含む。フィルタ(12)は、TDDフィルタ(10)及び送信フィルタ(11)と異なる第2バンドの通過帯域を含む。第1スイッチ(6)は、第1共通端子(6a)、第2共通端子(6b)、第1端子(6d)、及び第2端子(6e)を有する。第1共通端子(6a)は、第1アンテナ端子(5a)に接続される。第2共通端子(6b)は、第2アンテナ端子(5b)に接続される。第1端子(6d)は、第1共通端子(6a)に接続可能である。第2端子(6e)は、第2共通端子(6b)に接続可能である。フィルタ(12)及びTDDフィルタ(10)は、第1端子(6d)に接続される。送信フィルタ(11)は、第2端子(6e)に接続される。第1スイッチ(6)は、第1接続状態と、第2接続状態と、を切替可能に構成されている。第1接続状態は、第1共通端子(6a)と第1端子(6d)とを接続する。第2接続状態は、第1共通端子(6a)と第1端子(6d)、及び、第2共通端子(6b)と第2端子(6e)とを同時接続する。送信フィルタ(11)は、第1バンドの通過帯域を含む。
【0093】
この構成によれば、SRSが第1共通端子(6a)及び第2共通端子(6b)から順に出力されるとき、まず、第1スイッチ(6)の第1接続状態で、SRSがTDDフィルタ(10)から第1スイッチ(6)を介して第1共通端子(6a)に出力される。そして、次に、第1スイッチ(6)の第2接続状態で、SRSが送信フィルタ(11)から第1スイッチ(6)を介して第2共通端子(6b)に出力される。その際、第1スイッチ(6)では、第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子(6a)と第1端子(6d)との接続が行われる。すなわち、フィルタ(12)は、第1スイッチ(6)の第1接続状態及び第2接続状態のいずれの状態でも、第1共通端子(6a)及びTDDフィルタ(10)に接続される。このため、フィルタ(12)に接続される負荷(第1共通端子(6a)に接続される第1アンテナ(3)、及び、TDDフィルタ(10))は同じである。したがって、SRSを第1共通端子(6a)及び第2共通端子(6b)から順に出力するとき、フィルタ(12)の負荷変動を抑制できる。この結果、SRSの送信と、通常の通信(フィルタ(12)と第1共通端子(6a)と接続する信号経路(S0)を用いた通信)とを同時に行っても、通常の高周波信号での通信において、フィルタ(12)の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。すなわち、通常の高周波信号での通信のスループットの低下を抑制できる。
【0094】
第3の態様の高周波モジュール(1;1B)では、第1又は第2の態様において、TDDフィルタ(10)及び送信フィルタ(11)は、1つの部品(20)に含まれて構成されている。
【0095】
この構成によれば、TDDフィルタ(10)及び送信フィルタ(11)において、製造ばらつきによるインピーダンスのばらつきを抑制できる。
【0096】
第4の態様の高周波モジュール(1;1B)では、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、フィルタ(12)は、FDDフィルタである。
【0097】
この構成によれば、SRSの送信と同時に、通常の通信としてフィルタ(12)による周波数分割複信を行っても、上記通常の通信において、フィルタ(12)の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。
【0098】
第5の態様の高周波モジュール(1;1B)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、フィルタ(12)は、受信機能を有する。
【0099】
この構成によれば、SRSの送信と同時に、通常の通信としてフィルタ(12)を用いた受信を行っても、上記通常の通信において、フィルタ(12)の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。
【0100】
第6の態様の高周波モジュール(1;1B)では、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、フィルタ(12)は、送信機能を有する。
【0101】
この構成によれば、SRSの送信と同時に、通常の通信として上記フィルタ(12)を用いた送信を行っても、上記通常の通信において、フィルタ(12)の負荷変動によるスループットの低下を抑制できる。
【0102】
第7の態様の高周波モジュール(1)は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、パワーアンプ(13)と、第2スイッチ(7)と、を更に備える。第2スイッチ(7)は、パワーアンプ(13)とTDDフィルタ(10)との接続と、パワーアンプ(13)と送信フィルタ(11)との接続とを切替可能に構成されている。
【0103】
この構成によれば、SRSの送信で用いるパワーアンプと、通常の通信(フィルタ(12)及び第1共通端子(6a)を接続する信号経路(S0)を用いた通信)で用いるパワーアンプとを1つのパワーアンプ(13)で兼用できる。
【0104】
第8の態様の通信装置(100)は、第1~第7の態様のいずれか1つの高周波モジュール(1;1B)と、信号処理回路(2)と、を備える。信号処理回路(2)は、高周波モジュール(1;1B)に接続されており、高周波信号を信号処理する。
【0105】
この構成によれば、高周波モジュール(1;1B)の効果を奏する通信装置(100)を提供できる。
【符号の説明】
【0106】
1,1B 高周波モジュール
2 信号処理回路
3 第1アンテナ
4 第2アンテナ
5a 外部端子(第1アンテナ端子)
5b 外部端子(第2アンテナ端子)
5c~5g 外部端子
6 第1スイッチ
6a 第1共通端子
6b 第2共通端子
6c 第3共通端子
6d 第1端子
6e 第2端子
6f 第3端子
7 第2スイッチ
7a 共通端子
7b,7c 選択端子
8 第3スイッチ
8a 共通端子
8b,8c 選択端子
9 第4スイッチ
9a 共通端子
9b,9c 選択端子
10 TDDフィルタ
10a 入出力部
10b 入出力部
11 送信フィルタ
11a 入力部
11b 出力部
12 フィルタ
12a 入出力部
13 第1パワーアンプ
13a 入力部
13b 出力部
14 第1ローノイズアンプ
14a 入力部
14b 出力部
15 第2パワーアンプ
15a 入力部
15b 出力部
16 コントローラ
17,18 デュプレクサ
17a 入力部
17b 出力部
17R 受信フィルタ
17T 送信フィルタ
18a 入力部
18b 出力部
18R 受信フィルタ
18T 送信フィルタ
19 第3アンテナ
20 部品
21 RF信号処理回路
22 ベースバンド信号処理回路
23 第2ローノイズアンプ
23a 入力部
23b 出力部
100 通信装置
221 判定部
222 SRS生成部
223 送信制御部
L1 第1経路
L2 第2経路
N1 分岐点
S0~S3 信号経路