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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158100
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】圧力緩衝装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/32 20060101AFI20241031BHJP
   F16F 9/58 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F16F9/32 J
F16F9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072974
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 幹郎
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA50
3J069CC05
3J069CC10
3J069EE28
(57)【要約】
【課題】重量増、コスト増およびストローク制限の長大化を抑制することが可能な圧力緩衝装置を提供する。
【解決手段】内周面21aの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有するシリンダ21と、第一の摺動面82aにおいてシリンダ21の内周面21aを摺動すると共に、シリンダ21の内部を第一室85と第二室86とに画成し、内周面21aの軸方向の第一の摺動面82aの長さが、内周面21aの軸方向の凹部32の長さよりも長い第一のピストン70と、第一室85および第二室86の少なくとも一方に設けられ、シリンダ21の内周面21aを第一のピストン70と共に第二の摺動面102aにおいて摺動すると共に、内周面21aの軸方向の第二の摺動面102aの長さが、内周面21aの軸方向の凹部32の長さよりも短い第二のピストン65と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面の軸方向に所定の長さに亘って凹部を有するシリンダと、
第一の摺動面において前記シリンダの内周面を摺動すると共に、前記シリンダの内部を第一室と第二室とに画成し、前記第一の摺動面の前記軸方向の長さが前記凹部の前記軸方向の長さよりも長い第一のピストンと、
前記第一室および前記第二室の少なくとも一方に設けられ、前記シリンダの内周面を前記第一のピストンと共に第二の摺動面において摺動すると共に、前記第二の摺動面の前記軸方向の長さが前記凹部の前記軸方向の長さよりも短い第二のピストンと、
を有する圧力緩衝装置。
【請求項2】
前記凹部は、前記シリンダの少なくとも前記第二のピストンが備えられる一端部よりも他の部分に多く設けられる、
請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記軸方向に所定の間隔を有して前記シリンダの前記内周面の周方向に複数設けられる、
請求項1に記載の圧力緩衝装置。
【請求項4】
前記所定の間隔は、前記凹部の前記軸方向の長さよりも短い、
請求項3に記載の圧力緩衝装置。
【請求項5】
前記第一のピストンには、第一の連通孔が形成されると共に、前記第一の連通孔を閉塞可能な第一のバルブが設けられ、
前記第二のピストンには、第二の連通孔が形成されると共に、前記第二の連通孔を閉塞可能な第二のバルブが設けられ、
前記シリンダの前記第二のピストンが設けられる側の端部から他方の端部へ向かう作動流体の流れにおいて、前記第一のバルブよりも前記第二のバルブの開弁圧の方が大きい、
請求項2に記載の圧力緩衝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力緩衝装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力緩衝装置において、第一のシリンダと、第一のシリンダの内周面を摺動する第一のピストンと、第一のシリンダよりも小径の第二のシリンダと、第一のピストンよりも小径で第二のシリンダの内周面を摺動する第二のピストンとを備えるものがある。この圧力緩衝装置は、所定の位置で第二のピストンを第二のシリンダ内に進入させることで高い減衰力を生じさせる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2015-500970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の圧力緩衝装置においては、第一のシリンダに加えて第二のシリンダが設けられるため、重量増およびコスト増の課題がある。
【0005】
したがって、本発明は、重量増およびコスト増を抑制することが可能な圧力緩衝装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る圧力緩衝装置の一態様は、内周面の軸方向に所定の長さに亘って凹部を有するシリンダと、第一の摺動面において前記シリンダの内周面を摺動すると共に、前記シリンダの内部を第一室と第二室とに画成し、前記第一の摺動面の前記軸方向の長さが前記凹部の前記軸方向の長さよりも長い第一のピストンと、前記第一室および前記第二室の少なくとも一方に設けられ、前記シリンダの内周面を前記第一のピストンと共に第二の摺動面において摺動すると共に、前記第二の摺動面の前記軸方向の長さが前記凹部の前記軸方向の長さよりも短い第二のピストンと、を有する、構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、重量増およびコスト増を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る第1実施形態の圧力緩衝装置の要部を示す断面図である。
図2】本発明に係る第1実施形態の圧力緩衝装置のシリンダ内周面の展開図である。
図3】本発明に係る第1実施形態の圧力緩衝装置の要部を示す拡大断面図である。
図4】本発明に係る第1実施形態の圧力緩衝装置のストローク位置と凹部による流路面積との関係を示す線図である。
図5】本発明に係る第1実施形態の圧力緩衝装置のストロークに対する減衰力のリザージュ波形を示す線図である。
図6】本発明に係る第2実施形態の圧力緩衝装置の要部を示す断面図である。
図7】本発明に係る第2実施形態の圧力緩衝装置のシリンダ内周面の展開図である。
図8】本発明に係る第2実施形態の圧力緩衝装置の要部を示す拡大断面図である。
図9】本発明に係る第2実施形態の圧力緩衝装置のストローク位置と凹部による流路面積との関係を示す線図である。
図10】本発明に係る第3実施形態の圧力緩衝装置の要部を示す拡大断面図である。
図11】本発明に係る第4実施形態の圧力緩衝装置の要部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態を図1図5を参照して以下に説明する。
【0010】
図1に示す実施形態の圧力緩衝装置11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器(Shock absorber)である。圧力緩衝装置11は、具体的には自動車のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。圧力緩衝装置11は、車体と車輪との間に配置されて、これらの相対振動を減衰させるものである。
【0011】
圧力緩衝装置11は、シリンダ21を備えている。圧力緩衝装置11は、単筒型のシリンダ21を有する、いわゆるモノチューブタイプの緩衝器である。なお、実施形態ではモノチューブタイプの緩衝器を示し説明するが、複筒型のシリンダを有するツインチューブタイプに適用してもよい。
【0012】
シリンダ21は、有底筒状である。シリンダ21は、略円筒状の胴部22と、胴部22の軸方向一側の一端部(図1における下側の端部)を閉塞する図示略の略円板状の底部とを有している。胴部22の軸方向における底部とは反対側の他端部(図1における上側の端部)は図示略の開口部となっている。シリンダ21は、金属材料で形成されている。
【0013】
胴部22は、一定内径かつ一定外径の円筒状の胴部本体部31と、胴部本体部31の径方向の内側から外方に向けて凹む凹部32とを有している。
【0014】
胴部本体部31は、その内周面である本体内周面31aが一定内径の円筒面であり、その外周面である本体外周面31bが一定内径の円筒面である。
【0015】
凹部32は、胴部本体部31の本体内周面31aから本体内周面31aの径方向における外方に向けて凹んでいる。シリンダ21の内周面であるシリンダ内周面21aは、胴部本体部31の本体内周面31aと、凹部32とからなっている。凹部32は、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の長さに亘って形成されている。言い換えれば、シリンダ21は、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有している。シリンダ内周面21aの軸方向は、シリンダ21の軸方向でもあり、シリンダ内周面21aの周方向は、シリンダ21の周方向でもあり、シリンダ内周面21aの径方向は、シリンダ21の径方向でもある。
【0016】
胴部本体部31の径方向における凹部32の外側は、本体外周面31bから本体外周面31bの径方向における外方に向けて突出する凸部33となっている。形成方法としては、たとえば凹部32は、円筒状の胴部本体部31の一部が、プレス成形により、胴部本体部31の径方向における内方から加圧されて塑性変形させられることによって形成され、それに伴って、胴部本体部31の一部が、胴部本体部31の径方向における外方に押し出されて凸部33となる方法を上げることができるが、同様の形状を得られる限り手段は限定されず、他には軸方向に胴体本体部31を分割して鋳造で成形し、張り合わせる等も可能である。
【0017】
図2にシリンダ内周面21aの展開図を示すが、この図2に示すように、凹部32は、シリンダ内周面21aの軸方向(図2ではシリンダ軸方向)に延びる二辺と、シリンダ内周面21aの周方向(図2ではシリンダ周方向)に延びる二辺とを有する矩形状である。シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さL1は、シリンダ内周面21aの周方向における凹部32の長さL2よりも長い。
【0018】
シリンダ内周面21aには、同形状の凹部32が複数形成されている。シリンダ内周面21aには、複数の凹部32が、シリンダ内周面21aの軸方向における位置を揃え、シリンダ内周面21aの周方向に等間隔で一列状に配置されており、このような凹部32の列が、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の等間隔で複数列設けられている。シリンダ内周面21aの軸方向に隣り合う凹部32の列と凹部32の列とは、シリンダ内周面21aの周方向に位相をずらし、シリンダ内周面21aの軸方向に一部位置を重ね合わせている。
【0019】
具体的に、シリンダ内周面21aには、2箇所の凹部32が、シリンダ内周面21aの軸方向における位置を揃え、シリンダ内周面21aの周方向に180度位相をずらして一列に配置されており、シリンダ内周面21aの軸方向に隣り合う2箇所の凹部32の一列と2箇所の凹部32の一列とが、シリンダ内周面21aの周方向に90度位相をずらし、シリンダ内周面21aの軸方向に一部位置を重ね合わせている。
【0020】
なお、凹部32の数はこれに限らない。例えば、4箇所の凹部32が、シリンダ内周面21aの軸方向における位置を揃え、シリンダ内周面21aの周方向に90度ずつ位相をずらして一列に配置されており、シリンダ内周面21aの軸方向に隣り合う4箇所の凹部32の一列と4箇所の凹部32の一列とが、シリンダ内周面21aの周方向に45度位相をずらし、シリンダ内周面21aの軸方向に一部位置を重ね合わせていても良い。
【0021】
よって、シリンダ内周面21aには、凹部32が、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の間隔L3を有してシリンダ内周面21aの周方向に複数設けられる。この所定の間隔L3は、凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向における長さL1よりも短い。これにより、シリンダ内周面21aの軸方向に隣り合う凹部32と凹部32とが、シリンダ内周面21aの軸方向において一部の位置を重ね合わせている。
【0022】
図1に示すように、シリンダ内周面21aは、その軸方向におけるシリンダ21の開口側(図1図3図6図8図10図11における上側、以下、シリンダ開口側と称す)の所定範囲を除いた範囲が凹部32が形成される凹部形成領域36となっており、その軸方向におけるシリンダ開口側の端部所定範囲が、凹部32の数が凹部形成領域36よりも少なく、具体的には凹部32が形成されていない凹部非形成領域37となっている。言い換えれば、凹部32は、シリンダ開口側の端部の凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36に多く設けられている。凹部形成領域36では、凹部32が一定の配置密度になるように配置されている。
【0023】
圧力緩衝装置11は、図示略のロッドガイドと図示略のシール部材とを備えている。図示略のロッドガイドおよび図示略のシール部材は、円環状であり、シリンダ21の軸方向一側である開口側のシリンダ内周面21aに嵌合している。その際に、図示略のシール部材は、図示略のロッドガイドよりも、シリンダ開口側に配置される。図示略のシール部材は、シリンダ21の図示略の開口部を閉塞する。図示略のロッドガイドおよび図示略のシール部材は、シリンダ内周面21aの凹部非形成領域37すなわち本体内周面31aに嵌合している。
【0024】
圧力緩衝装置11は、ロッド51を備えている。ロッド51は、棒状であり、シリンダ21の外部からシリンダ21の内部にシリンダ開口側の図示略の開口部を介して挿入される。その際に、ロッド51は、図示略のシール部材内および図示略のロッドガイド内に挿通される。ロッド51は、シリンダ21の内部に一端側の一部が配置され、シリンダ21の外部に他端側の一部が配置されている。
【0025】
ロッド51は、主軸部52と、取付軸部53とを有している。取付軸部53は、その外径が、主軸部52の外径よりも小径である。
【0026】
主軸部52は、図示略のロッドガイドおよび図示略のシール部材のそれぞれの内周部に摺動可能に嵌合しており、シリンダ21の図示略の開口部を貫通している。
【0027】
取付軸部53は、主軸部52のシリンダ21内に配置される軸方向の一端から延出している。取付軸部53は、ロッド51のシリンダ21内に配置される一端側に設けられている。取付軸部53には、その軸方向における主軸部52とは反対側の端部の外周にオネジ54が形成されている。
【0028】
図3に示すように、圧力緩衝装置11は、取付軸部53に、取付軸部53の軸方向において主軸部52側から順に取り付けられる、環状部材61と、ディスク62と、ディスク63と、複数枚のディスクからなるチェックバルブ64と、開口側ピストン65(第二のピストン)と、複数枚のディスクからなるディスクバルブ66(第二のバルブ)と、複数枚のディスク67と、複数枚のディスクからなるディスクバルブ68と、複数枚のディスク69と、メインピストン70(第一のピストン)と、複数枚のディスク71と、複数枚のディスクからなるディスクバルブ72(第一のバルブ)と、ディスク73と、ディスク74と、環状部材75と、ナット76と、を備えている。
【0029】
環状部材61,75、ディスク62,63,67,69,71,73,74、チェックバルブ64、開口側ピストン65、ディスクバルブ66,68,72およびメインピストン70は、いずれも円環状であり、内側に取付軸部53が嵌合されている。この状態で、取付軸部53のオネジ54にナット76が螺合される。これにより、環状部材61,75、ディスク62,63,67,69,71,73,74、チェックバルブ64、開口側ピストン65、ディスクバルブ66,68,72およびメインピストン70が、主軸部52の取付軸部53側の端部とナット76とに挟持されて、それぞれの少なくとも内周側が取付軸部53に固定される。
【0030】
メインピストン70は、焼結金属製のメインピストン本体81と、メインピストン本体81の外周に装着される合成樹脂製の円環帯状の摺動部材82とを有している。メインピストン70は、メインピストン本体81においてロッド51の取付軸部53に嵌合し固定される。メインピストン70は、摺動部材82においてシリンダ21の胴部22内のシリンダ内周面21aに摺動可能に嵌合する。言い換えれば、メインピストン70は、ロッド51に固定され、シリンダ21の内周面であるシリンダ内周面21aを摺動するように配置されている。メインピストン70は、その外周部である摺動部材82が、その外周面である摺動面82a(第一の摺動面)において、胴部本体部31の本体内周面31aを摺動する。
【0031】
メインピストン70は、シリンダ21の内部をシリンダ開口側の第一室85と、シリンダ21の底側(図1図3図6図8図10図11における下側、以下、シリンダ底側と称す)の第二室86とに分割する。第一室85内と第二室86内とには作動流体としての油液Lが封入されている。
【0032】
メインピストン70は、図2に示すように、シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面82aの長さL4が、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さL1よりも長い。このため、メインピストン70は、その摺動面82aが、シリンダ内周面21aの軸方向における図1に示す凹部形成領域36のいずれの位置にあっても、本体内周面31aを全周に亘って途切れることなく環状に繋ぐように接触する。よって、メインピストン70は、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部形成領域36および凹部非形成領域37のいずれの領域に位置しても、シリンダ内周面21aの径方向におけるシリンダ内周面21aとメインピストン70との間を介して第一室85内と第二室86内とを連通させることはない。言い換えれば、凹部32がメインピストン70の摺動面82aをシリンダ内周面21aの軸方向に跨ぐことのないように、シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面82aの図2に示す長さL4と、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さL1とが設定されている。
【0033】
以上により、図3に示すメインピストン70は、摺動面82aにおいてシリンダ21のシリンダ内周面21aを摺動すると共に、シリンダ21の内部を第一室85と第二室86とに画成し、シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面82aの長さL4が、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さL1よりも長い。
【0034】
メインピストン70のメインピストン本体81には、軸方向の第二室86側の端部に円環状のシート部91が形成されており、軸方向の第一室85側の端部に円環状のシート部92が形成されている。メインピストン本体81には、いずれもメインピストン本体81を軸方向に貫通する連通孔であるピストン通路93(第一の連通孔)とピストン通路94とが形成されている。
【0035】
ピストン通路93は、メインピストン70の軸方向におけるシート部91側の端部が、メインピストン70の径方向においてシート部91よりも内側に開口している。ピストン通路93は、メインピストン70の軸方向におけるシート部92側の端部が、メインピストン70の径方向においてシート部92よりも外側に開口している。
【0036】
ピストン通路94は、メインピストン70の軸方向におけるシート部92側の端部が、メインピストン70の径方向においてシート部92よりも内側に開口している。ピストン通路94は、メインピストン70の軸方向におけるシート部91側の端部が、メインピストン70の径方向においてシート部91よりも外側に開口している。
【0037】
ディスクバルブ68は、メインピストン70に設けられて、ピストン通路94を閉塞可能である。ディスクバルブ68は、メインピストン70のシート部92に当接してピストン通路94を閉塞する。ディスクバルブ68は、メインピストン70のシート部92から離間してピストン通路94を開放する。ディスクバルブ68は、ロッド51がシリンダ21からの延出量を減らす縮み行程において開弁して第二室86から第一室85へピストン通路94を介して油液Lを流すことになり、その際に、その流れを抑制して減衰力を発生させる。
【0038】
メインピストン70のシート部92およびディスクバルブ68のうちの少なくとも一方には図示略の固定オリフィスが形成されている。この固定オリフィスは、ディスクバルブ68がピストン通路94を最も閉塞した状態でもピストン通路94を介して第二室86と第一室85とを連通させる。
【0039】
ディスクバルブ72は、メインピストン70に設けられて、ピストン通路93を閉塞可能である。ディスクバルブ72は、メインピストン70のシート部91に当接してピストン通路93を閉塞する。ディスクバルブ72は、メインピストン70のシート部91から離間してピストン通路93を開放する。ディスクバルブ72は、ロッド51がシリンダ21からの延出量を増やす伸び行程において開弁して第一室85から第二室86へピストン通路93を介して油液Lを流すことになり、その際に、その流れを抑制して減衰力を発生させる。
【0040】
メインピストン70のシート部91およびディスクバルブ72のうちの少なくとも一方には図示略の固定オリフィスが形成されている。この固定オリフィスは、ディスクバルブ72がピストン通路93を最も閉塞した状態でもピストン通路93を介して第一室85と第二室86とを連通させる。
【0041】
開口側ピストン65は、焼結金属製の開口側ピストン本体101と、開口側ピストン本体101の外周に装着される合成樹脂製の円環帯状の摺動部材102とを有している。開口側ピストン65は、開口側ピストン本体101においてロッド51の取付軸部53に嵌合し固定される。開口側ピストン65は、摺動部材102において、シリンダ21の胴部22内のシリンダ内周面21aに摺動可能に嵌合する。言い換えれば、開口側ピストン65は、ロッド51に固定され、シリンダ21の内周面であるシリンダ内周面21aを摺動するように配置されている。開口側ピストン65は、その外周部である摺動部材102が、その外周面である摺動面102a(第二の摺動面)において、胴部本体部31の本体内周面31aを摺動する。開口側ピストン65の摺動面102aの外径は、メインピストン70の摺動面82aの外径と同等であり、開口側ピストン65の摺動面102aの軸方向の長さは、メインピストン70の摺動面82aの軸方向の長さよりも短い。摺動面102aと摺動面82aとは、同軸上に配置されている。
【0042】
ここで、図2に示すように、シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面102aの長さL5は、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さL1よりも短い。シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面102aの長さL5は、シリンダ内周面21aの軸方向において位置を重ねて隣り合う凹部32と凹部32との重なり部分のシリンダ内周面21aの軸方向における長さL6よりも短い。シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面102aの長さL5は、シリンダ内周面21aの軸方向におけるメインピストン70の摺動面82aの長さL4よりも短い。
【0043】
図3に示すように、開口側ピストン65は、メインピストン70よりもシリンダ開口側にあって第一室85に配置される。開口側ピストン65は、第一室85を、シリンダ開口側の開口側室105と、シリンダ底側の底側室106とに分割する。開口側ピストン65は、ロッド51のメインピストン70よりもシリンダ開口側に固定されており、シリンダ21の内周面であるシリンダ内周面21aをメインピストン70と共に摺動するように配置されている。メインピストン70は、第一室85の底側室106と、第二室86とを区画する。
【0044】
図2に示すように、シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面102aの長さL5が、シリンダ内周面21aの軸方向において位置を重ねて隣り合う凹部32と凹部32との重なり部分のシリンダ内周面21aの軸方向における長さL6よりも短い。このため、開口側ピストン65の摺動面102aが、シリンダ内周面21aの軸方向における図1に示す凹部形成領域36にあるとき、いずれかの凹部32が、摺動面102aをシリンダ内周面21aの軸方向において跨ぐことになり、図3に示すように、シリンダ内周面21aの径方向におけるシリンダ内周面21aと開口側ピストン65との間を介して開口側室105内と底側室106内とを常に連通させる。言い換えれば、開口側ピストン65は、その摺動面102aが、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部形成領域36にあるときは、常に、いずれかの凹部32が、摺動面102aをシリンダ内周面21aの軸方向に跨ぎ、開口側室105と底側室106とを連通させていて、差圧が発生しない。
【0045】
開口側ピストン65の摺動面102aが、シリンダ内周面21aの軸方向における図1に示す凹部非形成領域37に位置するとき、この凹部非形成領域37には凹部32がないため、シリンダ内周面21aの径方向におけるシリンダ内周面21aと開口側ピストン65との間を介して開口側室105内と底側室106内とが連通することはない。言い換えれば、開口側ピストン65は、その摺動面102aがシリンダ内周面21aの凹部非形成領域37にあるとき、シリンダ内周面21aとの間の流路を完全に閉じる。
【0046】
以上により、開口側ピストン65は、第一室85および第二室86の少なくとも一方である第一室85に設けられ、シリンダ21の内周面であるシリンダ内周面21aをメインピストン70と共に摺動面102aにおいて摺動すると共に、図2に示す摺動面102aのシリンダ内周面21aの軸方向における長さL5が、凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向における長さL1よりも短い。
【0047】
図1に示すように、凹部32は、シリンダ21の少なくとも開口側ピストン65が備えられる側の端部の凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36に多く設けられる。
【0048】
図3に示すように、開口側ピストン65の開口側ピストン本体101には、軸方向の底側室106側の端部に円環状のシート部111が形成されており、軸方向の開口側室105側の端部に円環状のシート部112が形成されている。開口側ピストン本体101には、いずれも開口側ピストン本体101を軸方向に貫通する連通孔であるピストン通路113(第二の連通孔)とピストン通路114とが形成されている。
【0049】
ピストン通路113は、開口側ピストン65の軸方向に対して傾斜している。ピストン通路113は、開口側ピストン65の軸方向におけるシート部111側の端部が、開口側ピストン65の径方向においてシート部111よりも内側に開口している。ピストン通路113は、開口側ピストン65の軸方向におけるシート部112側の端部が、開口側ピストン65の径方向においてシート部112よりも外側に開口している。
【0050】
ピストン通路114は、開口側ピストン65の軸方向に対して傾斜している。ピストン通路114は、開口側ピストン65の軸方向におけるシート部112側の端部が、開口側ピストン65の径方向においてシート部112よりも内側に開口している。ピストン通路114は、開口側ピストン65の軸方向におけるシート部111側の端部が、開口側ピストン65の径方向においてシート部111よりも外側に開口している。
【0051】
ディスクバルブ66は、開口側ピストン65に設けられて、ピストン通路113を閉塞可能である。ディスクバルブ66は、開口側ピストン65のシート部111に当接してピストン通路113を閉塞する。ディスクバルブ66は、開口側ピストン65のシート部111から離間してピストン通路113を開放する。ディスクバルブ66は、ロッド51がシリンダ21からの延出量を増やす伸び行程において開弁して開口側室105から底側室106へピストン通路113を介して油液Lを流すことになり、その際に、その流れを抑制して減衰力を発生させる。ディスクバルブ66は、同じ伸び側のディスクバルブ72よりも剛性が高く、開弁圧が高いため、ディスクバルブ72よりも高い減衰力を発生させる。ディスクバルブ66は、開口側ピストン65のシート部111に全周に亘って当接して、ピストン通路113を完全に閉塞する。言い換えれば、ディスクバルブ66およびシート部111には、いずれにも固定オリフィスは設けられていない。
【0052】
チェックバルブ64は、開口側ピストン65に設けられて、ピストン通路114を閉塞可能である。チェックバルブ64は、開口側ピストン65のシート部112に当接してピストン通路114を閉塞する。チェックバルブ64は、開口側ピストン65のシート部112から離間してピストン通路114を開放する。チェックバルブ64は、ロッド51がシリンダ21からの延出量を減らす縮み行程において開弁して底側室106から開口側室105へピストン通路114を介して油液Lを流す。チェックバルブ64は、同じ縮み側のディスクバルブ68に対し剛性が同等以下であり、開弁圧も同等以下である。チェックバルブ64は、開口側ピストン65のシート部112に全周に亘って当接して、ピストン通路114を完全に閉塞する。言い換えれば、チェックバルブ64およびシート部112には、いずれにも固定オリフィスは設けられていない。
【0053】
圧力緩衝装置11は、ロッド51よりもシリンダ底側に図示略のフリーピストンを備えている。図示略のフリーピストンは、シリンダ21の胴部22内に摺動可能に嵌合されている。言い換えれば、図示略のフリーピストンは、シリンダ21のシリンダ内周面21aを摺動するように配置されている。図示略のフリーピストンは、メインピストン70との間に第二室86を形成しており、シリンダ21の図示略の底部との間に図示略のガス室を形成している。図示略のガス室にはガスが充填されている。シリンダ21の胴部22は、図1に示す凹部非形成領域37よりもシリンダ底側に、内径が一定すなわちシリンダ内周面21aが円筒面である図示略のフリーピストン移動領域を有しており、このフリーピストン移動領域を図示略のフリーピストンが移動する。よって、このフリーピストンは、第二室86が図示略のガス室と連通することを常に規制する。
【0054】
図示略のフリーピストンは、ロッド51の第一室85内への進入量の変化に応じてシリンダ21に対して軸方向に移動する。すなわち、図示略のフリーピストンは、ロッド51が第一室85内への進入量を増やすと、その体積に応じてシリンダ底側に移動し、ロッド51が第一室85内への進入量を減らすと、その体積に応じてシリンダ開口側に移動する。
【0055】
圧力緩衝装置11は、ロッド51のシリンダ21から延出する部分が上部に配置されて車両の車体側に連結され、シリンダ21が下部に配置されて車両の車輪側に連結される。あるいは、圧力緩衝装置11は、ロッド51のシリンダ21から延出する部分が下部に配置されて車両の車輪側に連結され、シリンダ21が上部に配置されて車両の車体側に連結される。圧力緩衝装置11は、車輪の車体に対する相対移動に対して減衰力を発生させる。
【0056】
次に、圧力緩衝装置11の作動について説明する。
圧力緩衝装置11は、メインピストン70が、シリンダ21の軸方向における中間所定範囲の常用領域にあるときと、常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ底側の縮み切り領域にあるときとにおいては、開口側ピストン65の摺動面102aが、凹部形成領域36にあって、図3に示すように、摺動面102aとシリンダ内周面21aとの間に凹部32による流路を確保して、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを常時連通させる。すなわち、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときは、シリンダ21のシリンダ内周面21aと開口側ピストン65の摺動面102aとの間の凹部32による流路面積が、図4に実線で示すように最大となる。なお、メインピストン70は、常用領域および縮み切り領域を含めた全ストローク領域において、摺動面82aとシリンダ内周面21aとの間の凹部32による流路面積が、図4に破線で示すように0となる。
【0057】
圧力緩衝装置11は、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときの縮み行程において、ピストン速度が所定値よりも遅い状態では、図3に示す第二室86の油液Lを、メインピストン70のピストン通路94と、ディスクバルブ68とシート部92との間等の図示略の固定オリフィスと、第一室85の底側室106と、凹部32内の通路と、を介して第一室85の開口側室105に流すことになる。その際に、ディスクバルブ68とシート部92との間等の図示略の固定オリフィスによって、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。その際のピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率は比較的高くなる。
【0058】
圧力緩衝装置11は、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときの縮み行程において、ピストン速度が所定値以上の状態では、ディスクバルブ68が開弁することになり、第二室86の油液Lを、メインピストン70のピストン通路94と、開弁するディスクバルブ68およびシート部92の間の通路と、第一室85の底側室106と、凹部32内の通路とを介して、第一室85の開口側室105に流すことになる。その際に、ディスクバルブ68によって、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。その際のピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率は、縮み行程の上記したピストン速度が所定値よりも遅い状態よりも低くなる。
【0059】
圧力緩衝装置11は、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときの伸び行程において、ピストン速度が所定値よりも遅い状態では、第一室85の開口側室105の油液Lを、凹部32内の通路と、第一室85の底側室106と、メインピストン70のピストン通路93と、ディスクバルブ72とシート部91との間等の図示略の固定オリフィスと、を介して第二室86に流すことになる。その際に、図示略の固定オリフィスによって、オリフィス特性の減衰力が発生する。その際には、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が比較的高くなる。
【0060】
圧力緩衝装置11は、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときの伸び行程において、ピストン速度が所定値以上の状態では、ディスクバルブ72が開弁することになり、第一室85の開口側室105の油液Lを、凹部32内の通路と、第一室85の底側室106と、メインピストン70のピストン通路93と、開弁するディスクバルブ72およびシート部91の間の通路と、を介して第二室86に流すことになる。その際に、ディスクバルブ72によって、バルブ特性の減衰力が発生する。その際のピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率は、伸び行程の上記したピストン速度が所定値よりも遅い状態よりも低くなる。
【0061】
圧力緩衝装置11は、メインピストン70が常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ開口側の伸び切り領域にあるとき、開口側ピストン65の摺動面102aが、図1に示す凹部非形成領域37にあって、シリンダ内周面21aに凹部32がないため、図2の最も上側の摺動面102aに示すように凹部32に重ならず、凹部32による流路が0となって、摺動面102aとシリンダ内周面21aとの間を介する第一室85の開口側室105と底側室106との連通が遮断される。すなわち、メインピストン70が伸び切り領域にあるときは、シリンダ内周面21aと摺動面102aとの間の凹部32による流路面積が、図4に実線で示すように0となる。
【0062】
圧力緩衝装置11は、図3に示すメインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、開口側室105から油液Lが、開口側ピストン65のピストン通路113を介して、開弁圧がディスクバルブ72よりも高いディスクバルブ66を開弁させながら、ディスクバルブ66およびシート部111の間の通路を介して、底側室106へ流れ、さらに底側室106から、メインピストン70のピストン通路93を介してディスクバルブ72を開弁させながら、ディスクバルブ72およびシート部91の間の通路を介して第二室86に流れることになる。このような油液Lの流れに対して、開弁圧が高いディスクバルブ66が高い減衰力を発生させる。
【0063】
圧力緩衝装置11は、このようにメインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、開口側ピストン65が設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、ディスクバルブ72よりもディスクバルブ66の開弁圧の方が大きいため、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときの伸び行程よりも、大きな減衰力を発生させてハードな状態になる。言い換えれば、メインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、油圧ロックはせずに、高減衰力とする。これにより、減衰力のリサージュ波形は、図5に示すようになる。すなわち、凹部32の形状によって、図5に示す実線から一点鎖線X1で示すように、伸び切り時の減衰力切替のショックの緩和の調整が可能となる。また、ディスクバルブ66によって、図5に示す実線から破線X2で示すように、ディスクバルブ66の開弁時の高減衰力の調整が可能となる。
【0064】
圧力緩衝装置11は、図3に示すメインピストン70が伸び切り領域にあるときの縮み行程においては、第二室86から油液Lを、メインピストン70のピストン通路94と、開弁するディスクバルブ68およびシート部92の間の通路と、第一室85の底側室106と、開口側ピストン65のピストン通路114と、開弁するチェックバルブ64およびシート部112の間の通路と、を介して第一室85の開口側室105に流すことになる。その際に、圧力緩衝装置11は、メインピストン70のディスクバルブ68が、常用領域および縮み切り領域にあるときの縮み行程とほぼ同様の減衰力を発生させる。
【0065】
特許文献1には、圧力緩衝装置において、第一のシリンダと、第一のシリンダの内周面を摺動する第一のピストンと、第一のシリンダよりも小径の第二のシリンダと、第一のピストンよりも小径で第二のシリンダの内周面を摺動する第二のピストンとを備えるものが開示されている。この圧力緩衝装置は、所定の位置で第二のピストンを第二のシリンダ内に進入させることで高い減衰力を生じさせるものである。この圧力緩衝装置においては、第一のシリンダに加えて第二のシリンダが設けられるため、重量増、コスト増およびストローク制限の長大化の課題がある。
【0066】
第1実施形態の圧力緩衝装置11は、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有するシリンダ21と、摺動面82aにおいてシリンダ21のシリンダ内周面21aを摺動すると共に、シリンダ21の内部を第一室85と第二室86とに画成し、摺動面82aのシリンダ内周面21aの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向の長さよりも長いメインピストン70と、第一室85に設けられ、シリンダ21のシリンダ内周面21aをメインピストン70と共に摺動面102aにおいて摺動すると共に、摺動面102aのシリンダ内周面21aの軸方向における長さが、凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向における長さよりも短い開口側ピストン65と、を有する。
【0067】
これにより、メインピストン70は、凹部32によって第一室85と第二室86とを連通させることがなく、開口側ピストン65は、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させることが可能となる。これにより、開口側ピストン65は、凹部32が形成されている凹部形成領域36において、第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させて減衰力を下げたり、凹部32が形成されてない凹部非形成領域37において、第一室85の開口側室105と底側室106とを仕切って減衰力を上げたりすることができる。圧力緩衝装置11は、このように、シリンダ21のシリンダ内周面21aに凹部32を設けることで、減衰力を下げたり、減衰力を上げたりすることができる。よって、圧力緩衝装置11は、減衰力を高くするために第二のシリンダを設ける必要がなくなるため、構造がシンプルになり、重量増、コスト増およびストローク制限の長大化を抑制することが可能となる。また、圧力緩衝装置11は、メインピストン70の摺動面82aのシリンダ内周面21aの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向の長さよりも長く、シリンダ21内では凹部32を跨ぐようにしてガイドの役割を果たすため、凹部32に開口側ピストン65が引っかかることを抑制することができる。
【0068】
圧力緩衝装置11は、凹部32が、シリンダ21の開口側ピストン65が備えられる側の端部の凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36に多く設けられているため、シリンダ21の開口側ピストン65が備えられる側の端部において高い減衰力を発生させることができる。
【0069】
圧力緩衝装置11は、凹部32が、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の間隔を有してシリンダ内周面21aの周方向に複数設けられているため、一つの凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向における長さL1を短くすることができる。これにより、この長さL1よりも長い長さL4が必要な摺動面82aを有するメインピストン70のシリンダ内周面21aの軸方向における長さを短くすることができる。
【0070】
圧力緩衝装置11は、この所定の間隔が、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さよりも短いため、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の間隔を有して配置された凹部32と凹部32との位置をシリンダ内周面21aの軸方向において重ね合わせることができる。これにより、シリンダ内周面21aの軸方向における摺動面102aの長さL5を、シリンダ内周面21aの軸方向において位置を重ねて隣り合う凹部32と凹部32との重なり部分のシリンダ内周面21aの軸方向における長さL6よりも短くすることにより、いずれかの凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを連続的に連通させることができる。
【0071】
圧力緩衝装置11は、開口側ピストン65が設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、メインピストン70に設けられたディスクバルブ72よりも、開口側ピストン65に設けられたディスクバルブ66の開弁圧の方が大きい。よって、伸び行程において、このディスクバルブ66によって、ディスクバルブ72よりも高い減衰力を発生させることができる。
【0072】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図6図9に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0073】
図6に示すように、第2実施形態の圧力緩衝装置11Aは、シリンダ21とは一部異なるシリンダ21Aをシリンダ21にかえて有している。シリンダ21Aは、胴部22とは一部異なる胴部22Aを胴部22にかえて有している。胴部22Aは、胴部本体部31とは一部異なる胴部本体部31Aを胴部本体部31にかえて有している。胴部本体部31Aは、その軸方向におけるシリンダ底側の端部所定範囲が、底側凹部非形成領域37Aとなっている。胴部本体部31Aは、その内周面である本体内周面31Aaが一定内径の円筒面である。
【0074】
胴部22Aは、胴部本体部31Aの径方向の内側から外方に向けて凹む第1実施形態と同様の凹部32が、胴部22とは一部異なる領域に配置されている。
【0075】
凹部32は、胴部本体部31Aの本体内周面31Aaから本体内周面31Aaの径方向における外方に向けて凹んでいる。シリンダ21Aの内周面であるシリンダ内周面21Aaは、胴部本体部31Aの本体内周面31Aaと、凹部32とを有している。凹部32は、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の長さに亘って形成されている。言い換えれば、シリンダ21Aは、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有している。
【0076】
胴部本体部31Aは、その外周面である本体外周面31Abも一定外径の円筒面であり、胴部本体部31Aの径方向における凹部32の外側は、本体外周面31Abから本体外周面31Abの径方向における外方に向けて突出する凸部33となっている。
【0077】
シリンダ内周面21Aaには、同形状の凹部32が複数形成されている。シリンダ内周面21Aaには、図7にその展開図を示すが、この図7に示すように、第1実施形態と同様、複数の凹部32が、シリンダ内周面21Aaの軸方向(図7ではシリンダ軸方向)における位置を揃え、シリンダ内周面21Aaの周方向(図7ではシリンダ周方向)に等間隔で一列状に配置されており、このような凹部32の列が、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の等間隔で複数列設けられている。シリンダ内周面21Aaの軸方向に隣り合う凹部32の列と凹部32の列とは、シリンダ内周面21Aaの周方向に位相をずらし、シリンダ内周面21Aaの軸方向に一部位置を重ね合わせている。
【0078】
具体的に、シリンダ内周面21Aaには、2箇所の凹部32が、シリンダ内周面21Aaの軸方向における位置を揃え、シリンダ内周面21Aaの周方向に180度位相をずらして一列に配置されており、シリンダ内周面21Aaの軸方向に隣り合う2箇所の凹部32の一列と2箇所の凹部32の一列とが、シリンダ内周面21Aaの周方向に90度位相をずらし、シリンダ内周面21Aaの軸方向に一部位置を重ね合わせている。
【0079】
よって、シリンダ内周面21Aaには、凹部32が、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の間隔L3を有してシリンダ内周面21Aaの周方向に複数設けられる。この所定の間隔L3は、凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL1よりも短い。シリンダ内周面21Aaの軸方向に隣り合う凹部32と凹部32とが、シリンダ内周面21Aaの軸方向における一部の位置を重ね合わせている。
【0080】
図6に示すように、シリンダ内周面21Aaは、その軸方向におけるシリンダ21Aの開口側の所定範囲と、その軸方向におけるシリンダ21Aの底側の所定範囲と、を除いた範囲が、凹部32が形成される凹部形成領域36Aとなっており、その軸方向におけるシリンダ21Aの開口側の端部所定範囲が、凹部32の数が凹部形成領域36Aよりも少なく、具体的には凹部32が形成されていない、第1実施形態の凹部非形成領域37と同様の開口側凹部非形成領域37となっている。言い換えれば、凹部32は、シリンダ21Aの開口側の端部の開口側凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられている。
【0081】
シリンダ内周面21Aaは、その軸方向におけるシリンダ21Aの底側の端部所定範囲が、凹部32の数が凹部形成領域36Aよりも少なく、具体的には凹部32が形成されていない底側凹部非形成領域37Aとなっている。言い換えれば、凹部32は、シリンダ21Aの底側の端部の底側凹部非形成領域37Aよりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられている。
【0082】
圧力緩衝装置11Aは、ロッド51とは一部異なるロッド51Aをロッド51にかえて有している。ロッド51Aは、取付軸部53よりも軸方向に長い取付軸部53Aを取付軸部53にかえて有している。
【0083】
図8に示すように、圧力緩衝装置11Aは、取付軸部53Aに、取付軸部53Aの軸方向において主軸部52側から順に取り付けられる、環状部材61と、ディスク62と、ディスク63と、複数枚のディスクからなるチェックバルブ64と、開口側ピストン65と、複数枚のディスクからなるディスクバルブ66と、複数枚のディスク67と、複数枚のディスクからなるディスクバルブ68(第一のバルブ)と、複数枚のディスク69と、メインピストン70と、複数枚のディスク71と、複数枚のディスクからなるディスクバルブ72と、ディスク73と、ディスク74と、複数枚のディスク67Aと、複数枚のディスクからなるディスクバルブ66A(第二のバルブ)と、底側ピストン65A(第二のピストン)と、複数枚のディスクからなるチェックバルブ64Aと、ディスク63Aと、ディスク62Aと、環状部材75と、ナット76と、を備えている。
【0084】
環状部材61,75、ディスク62,62A,63,63A,67,67A,69,71,73,74、チェックバルブ64,64A、開口側ピストン65、底側ピストン65A、ディスクバルブ66,66A,68,72およびメインピストン70は、いずれも円環状であり、内側に取付軸部53Aが嵌合されている。この状態で、取付軸部53Aのオネジ54にナット76が螺合される。これにより、環状部材61,75、ディスク62,62A,63,63A,67,67A,69,71,73,74、チェックバルブ64,64A、開口側ピストン65、底側ピストン65A、ディスクバルブ66,66A,68,72およびメインピストン70が、主軸部52の取付軸部53A側の端部とナット76とに挟持されて、それぞれの少なくとも内周側が取付軸部53Aに固定される。
【0085】
底側ピストン65Aは、開口側ピストン65と同形状の共通部品であり、開口側ピストン65に対し軸方向に反対向きとされてロッド51Aに取り付けられる。底側ピストン65Aは、開口側ピストン本体101と同形状の共通部品である底側ピストン本体101Aと、摺動部材102と同形状の共通部品であって底側ピストン本体101Aの外周に装着される摺動部材102Aとを有している。底側ピストン65Aは、底側ピストン本体101Aにおいてロッド51Aの取付軸部53Aに嵌合し固定される。底側ピストン65Aは、摺動部材102Aにおいて、シリンダ21Aの胴部22A内のシリンダ内周面21Aaに摺動可能に嵌合する。言い換えれば、底側ピストン65Aは、ロッド51Aに固定され、シリンダ21Aの内周面であるシリンダ内周面21Aaを摺動するように配置されている。底側ピストン65Aは、その外周部である摺動部材102Aが、その外周面である摺動面102Aa(第二の摺動面)において、胴部本体部31Aの本体内周面31Aaを摺動する。底側ピストン65Aの摺動面102Aaの外径は、メインピストン70の摺動面82aの外径と同等であり、底側ピストン65Aの摺動面102Aaの軸方向の長さは、メインピストン70の摺動面82aの軸方向の長さよりも短い。摺動面102Aaと摺動面82aとは、同軸上に配置されている。
【0086】
ここで、図7に示すように、シリンダ内周面21Aaの軸方向における摺動面102Aaの長さL5は、シリンダ内周面21Aaの軸方向における凹部32の長さL1よりも短い。シリンダ内周面21Aaの軸方向における摺動面102Aaの長さL5は、シリンダ内周面21Aaの軸方向において位置を重ねて隣り合う凹部32と凹部32との重なり部分のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL6よりも短い。シリンダ内周面21Aaの軸方向における摺動面102Aaの長さL5は、シリンダ内周面21Aaの軸方向におけるメインピストン70の摺動面82aの長さL4よりも短い。
【0087】
図6に示すように、底側ピストン65Aは、メインピストン70よりもシリンダ底側にあって第二室86に配置される。底側ピストン65Aは、第二室86を、シリンダ底側の底側室105Aと、シリンダ開口側の開口側室106Aとに分割する。底側ピストン65Aは、ロッド51Aのメインピストン70よりもシリンダ底側に固定されており、シリンダ21Aの内周面であるシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動するように配置されている。メインピストン70は、第一室85の底側室106と、第二室86の開口側室106Aとを区画する。
【0088】
図7に示すように、シリンダ内周面21Aaの軸方向における摺動面102Aaの長さL5が、シリンダ内周面21Aaの軸方向において位置を重ねて隣り合う凹部32と凹部32との重なり部分のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL6よりも短い。このため、底側ピストン65Aの摺動面102Aaが、シリンダ内周面21Aaの軸方向における図6に示す凹部形成領域36Aにあるとき、いずれかの凹部32が、摺動面102Aaをシリンダ内周面21Aaの軸方向において跨ぐことになり、シリンダ内周面21Aaの径方向におけるシリンダ内周面21Aaと底側ピストン65Aとの間を介して底側室105A内と開口側室106A内とを常に連通させる。言い換えれば、底側ピストン65Aは、その摺動面102Aaが、シリンダ内周面21Aaの軸方向における凹部形成領域36Aにあるときは、常に、いずれかの凹部32が、摺動面102Aaをシリンダ内周面21Aaの軸方向に跨ぎ、底側室105Aと開口側室106Aとを連通させていて、差圧が発生しない。
【0089】
底側ピストン65Aの摺動面102Aaが、シリンダ内周面21Aaの軸方向における底側凹部非形成領域37Aに位置するとき、この底側凹部非形成領域37Aには凹部32がないため、シリンダ内周面21Aaの径方向におけるシリンダ内周面21Aaと底側ピストン65Aとの間を介して底側室105A内と開口側室106A内とが連通することはない。言い換えれば、底側ピストン65Aは、その摺動面102Aaがシリンダ内周面21Aaの底側凹部非形成領域37Aにあるとき、シリンダ内周面21Aaとの間の流路を完全に閉じる。
【0090】
以上により、底側ピストン65Aは、第一室85および第二室86の少なくとも一方である第二室86に設けられ、シリンダ21Aの内周面であるシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動面102Aaにおいて摺動すると共に、図7に示す摺動面102Aaのシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL5が、凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL1よりも短い。
【0091】
図6に示すように、凹部32は、シリンダ21Aの開口側ピストン65が備えられる側の端部の開口側凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられる。凹部32は、シリンダ21Aの底側ピストン65Aが備えられる側の端部の底側凹部非形成領域37Aよりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられる。
【0092】
図8に示すように、底側ピストン65Aの底側ピストン本体101Aには、軸方向の開口側室106A側の端部に円環状のシート部111Aが形成されており、軸方向の底側室105A側の端部に円環状のシート部112Aが形成されている。底側ピストン本体101Aには、いずれも底側ピストン本体101Aを軸方向に貫通する連通孔であるピストン通路113A(第二の連通孔)とピストン通路114Aとが形成されている。
【0093】
ピストン通路113Aは、底側ピストン65Aの軸方向におけるシート部111A側の端部が、底側ピストン65Aの径方向においてシート部111Aよりも内側に開口している。ピストン通路113Aは、底側ピストン65Aの軸方向におけるシート部112A側の端部が、底側ピストン65Aの径方向においてシート部112Aよりも外側に開口している。
【0094】
ピストン通路114Aは、底側ピストン65Aの軸方向におけるシート部112A側の端部が、底側ピストン65Aの径方向においてシート部112Aよりも内側に開口している。ピストン通路114Aは、底側ピストン65Aの軸方向におけるシート部111A側の端部が、底側ピストン65Aの径方向においてシート部111Aよりも外側に開口している。
【0095】
ディスクバルブ66Aは、底側ピストン65Aに設けられて、ピストン通路113Aを閉塞可能である。ディスクバルブ66Aは、底側ピストン65Aのシート部111Aに当接してピストン通路113Aを閉塞する。ディスクバルブ66Aは、底側ピストン65Aのシート部111Aから離間してピストン通路113Aを開放する。ディスクバルブ66Aは、ロッド51Aがシリンダ21Aからの延出量を減らす縮み行程において開弁して底側室105Aから開口側室106Aへピストン通路113Aを介して油液Lを流すことになり、その際に、その流れを抑制して減衰力を発生させる。ディスクバルブ66Aは、同じ縮み側のディスクバルブ68よりも剛性が高く開弁圧が高いため、ディスクバルブ68よりも高い減衰力を発生させる。ディスクバルブ66Aは、底側ピストン65Aのシート部111Aに全周に亘って当接して、ピストン通路113Aを完全に閉塞する。言い換えれば、ディスクバルブ66Aおよびシート部111Aには、いずれにも固定オリフィスは設けられていない。
【0096】
チェックバルブ64Aは、底側ピストン65Aに設けられて、ピストン通路114Aを閉塞可能である。チェックバルブ64Aは、底側ピストン65Aのシート部112Aに当接してピストン通路114Aを閉塞する。チェックバルブ64Aは、底側ピストン65Aのシート部112Aから離間してピストン通路114Aを開放する。チェックバルブ64Aは、ロッド51がシリンダ21からの延出量を増やす伸び行程において開弁して開口側室106Aから底側室105Aへピストン通路114Aを介して油液Lを流す。チェックバルブ64Aは、同じ縮み側のディスクバルブ72に対し剛性が同等以下であり、開弁圧も同等以下である。チェックバルブ64Aは、底側ピストン65Aのシート部112Aに全周に亘って当接して、ピストン通路114Aを完全に閉塞する。言い換えれば、チェックバルブ64Aおよびシート部112Aには、いずれにも固定オリフィスは設けられていない。
【0097】
次に、圧力緩衝装置11Aの作動について説明する。
圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70が、シリンダ21Aの軸方向における中間所定範囲の常用領域にあるとき、開口側ピストン65の摺動面102aおよび底側ピストン65Aの摺動面102Aaが凹部形成領域36Aにある。このため、シリンダ内周面21Aaと開口側ピストン65の摺動面102aとの間に凹部32による流路が確保されることになり、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを常時連通させる。それと共に、シリンダ内周面21Aaと底側ピストン65Aの摺動面102Aaとの間に凹部32による流路が確保されることになり、凹部32によって第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを常時連通させる。すなわち、メインピストン70が常用領域にあるときは、凹部32による流路面積、この場合はシリンダ内周面21Aaと摺動面102a,102Aaとの間の凹部32による流路面積が、図9に実線で示すように最大となる。なお、メインピストン70は、常用領域と、常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ開口側の伸び切り領域と、常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ底側の縮み切り領域と、の全ストローク領域において、摺動面82aとシリンダ内周面21Aaとの間の凹部32による流路面積が、図9に破線で示すように0となる。
【0098】
圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70が常用領域にあるときは、図8に示すシリンダ内周面21Aaと開口側ピストン65の摺動面102aとの間に凹部32による流路が常に確保されて第一室85の開口側室105と底側室106とを常に連通させており、シリンダ内周面21Aaと底側ピストン65Aの摺動面102Aaとの間に凹部32による流路が常に確保されて第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを常に連通させている。このため、メインピストン70が常用領域にあるときは、伸び行程および縮み行程のいずれにおいても、メインピストン70に設けられたディスクバルブ68,72が第1実施形態と同様に作動して、第1実施形態と同様に減衰力を発生させる。
【0099】
圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70が常用領域よりもシリンダ21Aの軸方向におけるシリンダ開口側の伸び切り領域にあるとき、開口側ピストン65の摺動面102aが、図6に示す開口側凹部非形成領域37にあって、シリンダ内周面21Aaに凹部32がないため、図7の最も上側の摺動面102aに示すように凹部32に重ならず、凹部32による流路が0となって、図8に示す摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間を介する第一室85の開口側室105と底側室106との連通が遮断される。すなわち、メインピストン70が、伸び切り領域にあるときは、凹部32による流路面積、この場合はシリンダ内周面21Aaと開口側ピストン65の摺動面102aとの間の凹部32による流路面積が、図9に実線で示すように0となる。なお、このとき、図8に示す底側ピストン65Aの摺動面102Aaは、図6に示す凹部形成領域36Aにあって、凹部32によって、図8に示す摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間に流路を確保している。
【0100】
圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、開口側室105から油液Lが、開口側ピストン65のピストン通路113を介して、開弁圧がディスクバルブ72よりも高いディスクバルブ66を開弁させながら、ディスクバルブ66およびシート部111の間の通路を介して、底側室106へ流れ、さらに底側室106から、メインピストン70のピストン通路93を介してディスクバルブ72を開弁させながら、ディスクバルブ72およびシート部91の間の通路を介して第二室86の開口側室106Aに流れる。このとき、底側ピストン65Aの摺動面102Aaは、凹部形成領域36Aにあり、開口側室106Aの油液Lが、底側ピストン65Aの摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間の凹部32による流路で、底側室105Aに流れる。このような油液Lの流れに対して、開弁圧が高いディスクバルブ72が高い減衰力を発生させる。
【0101】
圧力緩衝装置11Aは、このようにメインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、開口側ピストン65が設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、ディスクバルブ72よりもディスクバルブ66の開弁圧の方が大きいため、メインピストン70が常用領域にあるときの伸び行程よりも、大きな減衰力を発生させてハードな状態になる。言い換えれば、メインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、油圧ロックはせずに、高減衰力とする。
【0102】
圧力緩衝装置11Aは、図8に示すメインピストン70が伸び切り領域にあるときの縮み行程においては、第二室86の底側室105Aから油液Lを、底側ピストン65Aの摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間の凹部32による流路を介して開口側室106Aに流し、開口側室106Aから、メインピストン70のピストン通路94と、開弁するディスクバルブ68およびシート部92の間の通路と、第一室85の底側室106と、開口側ピストン65のピストン通路114と、開弁するチェックバルブ64およびシート部112の間の通路と、を介して第一室85の開口側室105に流すことになる。その際に、圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70のディスクバルブ68が、常用領域にあるときの縮み行程とほぼ同様の減衰力を発生させる。
【0103】
圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70が常用領域よりもシリンダ21Aの軸方向におけるシリンダ底側の縮み切り領域にあるとき、底側ピストン65Aの摺動面102Aaが、図6に示す底側凹部非形成領域37Aにあって、シリンダ内周面21Aaに凹部32がないため、図7の最も下側の摺動面102Aaに示すように凹部32に重ならず、凹部32による流路が0となって、図8に示す摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間を介する第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとの連通が遮断される。すなわち、メインピストン70が、縮み切り領域にあるときは、凹部32による流路面積、この場合はシリンダ内周面21Aaと底側ピストン65Aの摺動面102Aaとの間の凹部32による流路面積が、図9に実線で示すように0となる。なお、このとき、開口側ピストン65の摺動面102aは、図6に示す凹部形成領域36Aにあって、凹部32によって、図8に示す摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間に流路を確保している。
【0104】
圧力緩衝装置11Aは、図8に示すメインピストン70が縮み切り領域にあるときの縮み行程においては、底側室105Aから油液Lが、底側ピストン65Aのピストン通路113Aを介して、開弁圧がディスクバルブ68よりも高いディスクバルブ66Aを開弁させながら、ディスクバルブ66Aおよびシート部111Aの間の通路を介して、開口側室106Aへ流れ、さらに開口側室106Aから、メインピストン70のピストン通路94を介してディスクバルブ68を開弁させながら、ディスクバルブ68およびシート部92の間の通路を介して第一室85の底側室106に流れる。このとき、開口側ピストン65の摺動面102aは、凹部形成領域36Aにあり、底側室106の油液Lが、開口側ピストン65の摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間の凹部32による流路で、開口側室105に流れる。このような油液Lの流れに対して、開弁圧が高いディスクバルブ66Aが高い減衰力を発生させる。
【0105】
圧力緩衝装置11Aは、このようにメインピストン70が縮み切り領域にあるときの縮み行程においては、底側ピストン65Aが設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、ディスクバルブ68よりもディスクバルブ66Aの開弁圧の方が大きいため、メインピストン70が常用領域にあるときの縮み行程よりも、大きな減衰力を発生させてハードな状態になる。言い換えれば、メインピストン70が縮み切り領域にあるときの縮み行程においては、油圧ロックはせずに、高減衰力とする。
【0106】
圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70が縮み切り領域にあるときの伸び行程においては、第一室85の開口側室105から油液Lを、開口側ピストン65の摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間の凹部32による流路を介して底側室106に流し、底側室106から、メインピストン70のピストン通路93と、開弁するディスクバルブ72およびシート部91の間の通路と、第二室86の開口側室106Aと、底側ピストン65Aのピストン通路114Aと、開弁するチェックバルブ64Aおよびシート部112Aの間の通路と、を介して第二室86の底側室105Aに流すことになる。その際に、圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70のディスクバルブ72が、常用領域にあるときの伸び行程とほぼ同様の減衰力を発生させる。
【0107】
第2実施形態の圧力緩衝装置11Aは、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有するシリンダ21Aと、摺動面82aにおいてシリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaを摺動すると共に、シリンダ21Aの内部を第一室85と第二室86とに画成し、摺動面82aのシリンダ内周面21Aaの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向の長さよりも長いメインピストン70と、第一室85に設けられ、シリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動面102aにおいて摺動すると共に、摺動面102aのシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さが、凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さよりも短い開口側ピストン65と、第二室86に設けられ、シリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動面102Aaにおいて摺動すると共に、摺動面102Aaのシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さが、凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さよりも短い底側ピストン65Aと、を有する。
【0108】
これにより、メインピストン70は、凹部32によって第一室85の底側室106と第二室86の開口側室106Aとを連通させることがなく、開口側ピストン65は、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させることが可能となり、底側ピストン65Aは、凹部32によって第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを連通させることが可能となる。よって、開口側ピストン65は、凹部32が形成されている凹部形成領域36において、第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させて減衰力を下げたり、凹部32が形成されてない開口側凹部非形成領域37において、第一室85の開口側室105と底側室106とを仕切って減衰力を上げたりすることができる。また、底側ピストン65Aは、凹部32が形成されている凹部形成領域36において、第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを連通させて減衰力を下げたり、凹部32が形成されてない底側凹部非形成領域37Aにおいて、第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを仕切って減衰力を上げたりすることができる。圧力緩衝装置11Aは、このように、シリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaに凹部32を設けることで、減衰力を下げたり、減衰力を上げたりすることができる。よって、圧力緩衝装置11Aは、減衰力を高くするために第二のシリンダを設ける必要がなくなるため、構造がシンプルになり、重量増、コスト増およびストローク制限の長大化を抑制することが可能となる。また、圧力緩衝装置11Aは、メインピストン70の摺動面82aのシリンダ内周面21aの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向の長さよりも長く、シリンダ21内では凹部32を跨ぐようにしてガイドの役割を果たすため、凹部32に開口側ピストン65および底側ピストン65Aが引っかかることを抑制することができる。
【0109】
圧力緩衝装置11Aは、凹部32が、シリンダ21Aの開口側ピストン65が備えられる側の端部の開口側凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられているため、第1実施形態と同様、シリンダ21Aの開口側ピストン65が備えられる側の端部において高い減衰力を発生させることができる。
【0110】
圧力緩衝装置11Aは、凹部32が、シリンダ21Aの底側ピストン65Aが備えられる側の端部の底側凹部非形成領域37Aよりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられているため、シリンダ21Aの底側ピストン65Aが備えられる側の端部において高い減衰力を発生させることができる。
【0111】
圧力緩衝装置11Aは、凹部32が、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の間隔を有してシリンダ内周面21Aaの周方向に複数設けられているため、一つの凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL1を短くすることができる。これにより、この長さL1よりも長い長さL4が必要な摺動面82aを有するメインピストン70のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さを短くすることができる。
【0112】
圧力緩衝装置11Aは、この所定の間隔が、シリンダ内周面21Aaの軸方向における凹部32の長さよりも短いため、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の間隔を有して配置された凹部32と凹部32との位置をシリンダ内周面21Aaの軸方向において重ね合わせることができる。これにより、シリンダ内周面21Aaの軸方向における摺動面102Aaの長さL5を、シリンダ内周面21Aaの軸方向において位置を重ねて隣り合う凹部32と凹部32との重なり部分のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さL6よりも短くすることにより、いずれかの凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを連続的に連通させることができ、いずれかの凹部32によって第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを連続的に連通させることができ。
【0113】
圧力緩衝装置11Aは、開口側ピストン65が設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、第1実施形態と同様、ディスクバルブ66によってディスクバルブ72よりも高い減衰力を発生させることができる。
【0114】
圧力緩衝装置11Aは、底側ピストン65Aが設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、メインピストン70に設けられたディスクバルブ68よりも、底側ピストン65Aに設けられたディスクバルブ66Aの開弁圧の方が大きい。よって、縮み行程において、このディスクバルブ66Aによって、ディスクバルブ72よりも高い減衰力を発生させることができる。
【0115】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を主に図10に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0116】
図10に示すように、第3実施形態の圧力緩衝装置11Bは、開口側ピストン65とは一部異なる開口側ピストン65B(第二のピストン)を開口側ピストン65にかえて有している。開口側ピストン65Bは、取付軸部53に取り付けられている。開口側ピストン65Bも、ロッド51のメインピストン70よりもシリンダ開口側に固定されて、第一室85を、シリンダ開口側の開口側室105と、シリンダ底側の底側室106とに分割する。
【0117】
開口側ピストン65Bは、開口側ピストン本体101とは一部異なる開口側ピストン本体101Bを開口側ピストン本体101にかえて有している。開口側ピストン65Bも、開口側ピストン本体101Bにおいてロッド51の取付軸部53に嵌合し固定される。開口側ピストン65Bは、開口側ピストン65と同様の摺動部材102を有しており、開口側ピストン65Bの外周部である摺動部材102が、その外周面である摺動面102aにおいて、胴部本体部31の本体内周面31aを摺動する。開口側ピストン65Bの摺動面102aの外径は、メインピストン70の摺動面82aの外径と同等であり、開口側ピストン65Bの摺動面102aの軸方向の長さは、メインピストン70の摺動面82aの軸方向の長さよりも短い。摺動面102aと摺動面82aとは、同軸上に配置されている。
【0118】
開口側ピストン本体101Bには、軸方向の底側室106側の端部の、径方向の内側に、軸方向に突出する円筒状の固定シート部120が形成されている。開口側ピストン本体101Bには、シート部111は形成されていない。開口側ピストン本体101Bは、固定シート部120を含めて焼結により一体成形されている。
【0119】
開口側ピストン本体101Bには、ピストン通路113は形成されておらず、ピストン通路114にかえてピストン通路114Bが形成されている。ピストン通路114Bも、開口側ピストン本体101Bを軸方向に貫通する連通孔である。ピストン通路114Bは、開口側ピストン65Bの軸方向におけるシート部112側の端部が、開口側ピストン65Bの径方向においてシート部112よりも内側に開口している。ピストン通路114Bは、開口側ピストン65Bの軸方向における固定シート部120側の端部が、開口側ピストン65Bの径方向において固定シート部120よりも外側に開口している。ピストン通路114Bは、開口側ピストン65Bの軸方向に沿って延びている。
【0120】
圧力緩衝装置11Bは、開口側ピストン65Bの固定シート部120とディスク67との間にディスク121を有している。ディスク121は、円環状であり、内側に取付軸部53が嵌合されている。
【0121】
圧力緩衝装置11Bは、ディスク74と、環状部材75との間に複数枚のディスク122と、ディスク123とを有している。ディスク122,123は、円環状であり、内側に取付軸部53が嵌合されている。
【0122】
次に、圧力緩衝装置11Bの作動について説明する。
圧力緩衝装置11Bは、メインピストン70が、シリンダ21の軸方向における中間所定範囲の常用領域にあるときと、常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ底側の縮み切り領域にあるときとにおいては、第1実施形態と同様、開口側ピストン65Bの摺動面102aが図1に示す凹部形成領域36にあって、図10に示すシリンダ内周面21aと摺動面102aとの間に凹部32による流路を確保して、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを常時連通させる。すなわち、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときは、シリンダ内周面21aと開口側ピストン65Bの摺動面102aとの間の凹部32による流路面積が、図4に実線で示すように最大となる。なお、メインピストン70は、常用領域および縮み切り領域を含めた全ストローク領域において、摺動面82aとシリンダ内周面21aとの間の凹部32による流路面積が、図4に破線で示すように0となる。
【0123】
圧力緩衝装置11Bは、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるとき、シリンダ内周面21aと開口側ピストン65の摺動面102aとの間に凹部32による流路が常に確保されて第一室85の開口側室105と底側室106とを常に連通させている。このため、メインピストン70が常用領域および縮み切り領域にあるときは、伸び行程および縮み行程のいずれにおいても、メインピストン70に設けられたディスクバルブ68,72が第1実施形態と同様に作動して、第1実施形態と同様に減衰力を発生させることになる。
【0124】
圧力緩衝装置11Bは、メインピストン70が常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ開口側の伸び切り領域にあるとき、開口側ピストン65Bの摺動面102aが、図1に示す凹部非形成領域37にあって、シリンダ内周面21aに凹部32がないため、凹部32に重ならず、凹部32による流路が0となって、図10に示す摺動面102aとシリンダ内周面21aとの間を介する第一室85の開口側室105と底側室106との連通が遮断される。すなわち、メインピストン70が伸び切り領域にあるときは、シリンダ内周面21aと摺動面102aとの間の凹部32による流路面積が、図4に実線で示すように0となる。
【0125】
圧力緩衝装置11Bは、図10に示すメインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、油液Lが開口側室105から底側室106へ流れることはなく、これらの間の開口側ピストン65Bおよびこれが取り付けられたロッド51およびメインピストン70が油圧ロック状態になる。
【0126】
圧力緩衝装置11Bは、メインピストン70が伸び切り領域にあるときの縮み行程においては、第二室86から油液Lを、メインピストン70のピストン通路94と、開弁するディスクバルブ68およびシート部92の間の通路と、第一室85の底側室106と、開口側ピストン65Bのピストン通路114Bと、開弁するチェックバルブ64およびシート部112の間の通路と、を介して第一室85の開口側室105に流すことになる。その際に、圧力緩衝装置11Bは、メインピストン70のディスクバルブ68が、常用領域および縮み切り領域にあるときの縮み行程とほぼ同様の減衰力を発生させる。
【0127】
第3実施形態の圧力緩衝装置11Bは、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有するシリンダ21と、摺動面82aにおいてシリンダ21のシリンダ内周面21aを摺動すると共に、シリンダ21の内部を第一室85と第二室86とに画成し、摺動面82aのシリンダ内周面21aの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向の長さよりも長いメインピストン70と、第一室85に設けられ、シリンダ21のシリンダ内周面21aをメインピストン70と共に摺動面102aにおいて摺動すると共に、摺動面102aのシリンダ内周面21aの軸方向における長さが、凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向における長さよりも短い開口側ピストン65Bと、を有する。
【0128】
これにより、メインピストン70は、凹部32によって第一室85と第二室86とを連通させることがなく、開口側ピストン65Bは、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させることが可能となる。これにより、開口側ピストン65Bは、凹部32が形成されている凹部形成領域36において、第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させて減衰力を下げたり、凹部32が形成されてない凹部非形成領域37において、第一室85の開口側室105と底側室106とを仕切って減衰力を上げたりすることができる。圧力緩衝装置11Bは、このように、シリンダ21のシリンダ内周面21aに凹部32を設けることで、減衰力を下げたり、減衰力を上げたりすることができる。よって、圧力緩衝装置11Bは、減衰力を高くするために第二のシリンダを設ける必要がなくなるため、構造がシンプルになり、重量増、コスト増およびストローク制限の長大化を抑制することが可能となる。また、圧力緩衝装置11Bは、メインピストン70の摺動面82aのシリンダ内周面21aの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向の長さよりも長く、シリンダ21内では凹部32を跨ぐようにしてガイドの役割を果たすため、凹部32に開口側ピストン65Bが引っかかることを抑制することができる。
【0129】
圧力緩衝装置11Bは、凹部32が、凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36に多く設けられており、凹部32が、シリンダ内周面21aの軸方向に所定の間隔を有してシリンダ内周面21aの周方向に複数設けられていて、この所定の間隔が、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さよりも短い。これらの構成によって、圧力緩衝装置11Bは、第1実施形態の圧力緩衝装置11と同様の効果を奏することができる。
【0130】
圧力緩衝装置11Bは、開口側ピストン65Bが設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいては、開口側ピストン65Bが第一室85の開口側室105と底側室106との連通を遮断するため、油圧ロック状態にすることができる。
【0131】
圧力緩衝装置11Bは、複数枚のディスクからなるディスクバルブ66にかえて、開口側ピストン65Bに固定シート部120を一体に成形するため、重量増およびコスト増をさらに抑制することができる。
【0132】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を主に図11に基づいて第2,第3実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2,第3実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0133】
図11に示すように、第4実施形態の圧力緩衝装置11Cは、第2実施形態の開口側ピストン65およびディスクバルブ66にかえて、第3実施形態と同様の開口側ピストン65Bおよびディスク121を有している。
【0134】
圧力緩衝装置11Cは、底側ピストン65Aとは一部異なる底側ピストン65C(第二のピストン)を底側ピストン65Aにかえて有している。底側ピストン65Cは、取付軸部53に取り付けられている。底側ピストン65Cも、ロッド51のメインピストン70よりもシリンダ底側に固定されて、第二室86を、シリンダ底側の底側室105Aと、シリンダ開口側の開口側室106Aとに分割する。
【0135】
底側ピストン65Cは、開口側ピストン65Bと同形状の共通部品であり、開口側ピストン65Bに対し軸方向に反対向きとされてロッド51Aに取り付けられる。底側ピストン65Cは、開口側ピストン本体101Bと同形状の共通部品である底側ピストン本体101Cと、摺動部材102と同形状の共通部品であって底側ピストン本体101Cの外周に装着される摺動部材102Aとを有している。底側ピストン65Cは、底側ピストン本体101Cにおいてロッド51Aの取付軸部53Aに嵌合し固定される。底側ピストン65Cは、摺動部材102Aにおいて、シリンダ21Aの胴部22A内のシリンダ内周面21Aaに摺動可能に嵌合している。
【0136】
底側ピストン65Cは、ロッド51Aのメインピストン70よりもシリンダ底側に固定されており、シリンダ21Aの内周面であるシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動するように配置されている。メインピストン70は、第一室85の底側室106と、第二室86の開口側室106Aとを区画する。底側ピストン65Cは、その外周部である摺動部材102Aが、その外周面である摺動面102Aa(第二の摺動面)において、胴部本体部31Aの本体内周面31Aaを摺動する。底側ピストン65Cの摺動面102Aaの外径は、メインピストン70の摺動面82aの外径と同等であり、底側ピストン65Cの摺動面102Aaの軸方向の長さは、メインピストン70の摺動面82aの軸方向の長さよりも短い。摺動面102Aaと摺動面82aとは、同軸上に配置されている。
【0137】
底側ピストン65Cの底側ピストン本体101Cには、軸方向の底側室105A側の端部に円環状のシート部112Aが形成されている。底側ピストン本体101Cには、底側ピストン本体101Cを軸方向に貫通する連通孔であるピストン通路114Cが形成されている。
【0138】
底側ピストン本体101Cには、軸方向の開口側室106A側の端部の、径方向の内側に、軸方向に突出する円筒状の固定シート部120Cが形成されている。底側ピストン本体101Cには、シート部111Aは形成されていない。底側ピストン本体101Cは、固定シート部120Cを含めて焼結により一体成形されている。
【0139】
底側ピストン本体101Cには、ピストン通路113Aは形成されておらず、ピストン通路114Aにかえてピストン通路114Cが形成されている。ピストン通路114Cも、底側ピストン本体101Cを軸方向に貫通する連通孔である。ピストン通路114Cは、底側ピストン65Cの軸方向におけるシート部112A側の端部が、底側ピストン65Cの径方向においてシート部112Aよりも内側に開口している。ピストン通路114Cは、底側ピストン65Cの軸方向における固定シート部120C側の端部が、底側ピストン65Cの径方向において固定シート部120Cよりも外側に開口している。ピストン通路114Cは、底側ピストン65Cの軸方向に沿って延びている。
【0140】
圧力緩衝装置11Cは、底側ピストン65Cの固定シート部120Cと、ディスク67Aとの間にディスク121Cを有している。ディスク121Cは、円環状であり、内側に取付軸部53Aが嵌合されている。
【0141】
次に、圧力緩衝装置11Cの作動について説明する。
圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が、シリンダ21の軸方向における中間所定範囲の常用領域にあるときは、開口側ピストン65Bの摺動面102aが、図6に示す凹部形成領域36Aにあって、図11に示すシリンダ内周面21Aaと摺動面102aとの間に凹部32による流路を確保して、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを常時連通させる。また、メインピストン70が常用領域にあるときは、底側ピストン65Cの摺動面102Aaが、図6に示す凹部形成領域36Aにあって、図11に示すシリンダ内周面21Aaと摺動面102Aaとの間に凹部32による流路を確保して、凹部32によって第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを常時連通させる。すなわち、メインピストン70が常用領域にあるときは、凹部32による流路面積、この場合はシリンダ内周面21Aaと、開口側ピストン65Bおよび底側ピストン65Cの摺動面102a,102Aaと、の間の凹部32による流路面積が、図9に実線で示すように最大となる。なお、メインピストン70は、常用領域、伸び切り領域および縮み切り領域を含めた全ストローク領域において、摺動面82aとシリンダ内周面21Aaとの間の凹部32による流路面積が、図9に破線で示すように0となる。
【0142】
図11に示す圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が常用領域にあるとき、シリンダ内周面21Aaと、開口側ピストン65Bの摺動面102aおよび底側ピストン65Cの摺動面102Aaと、の間に凹部32による流路が常に確保されている。よって、メインピストン70が常用領域にあるとき、第一室85の開口側室105と底側室106とは常に連通し、第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとは常に連通している。このため、メインピストン70が常用領域にあるときは、伸び行程および縮み行程のいずれにおいても、メインピストン70に設けられたディスクバルブ68,72が第2実施形態と同様に作動して、第2実施形態と同様に減衰力を発生させる。
【0143】
圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ開口側の伸び切り領域にあるとき、開口側ピストン65Bの摺動面102aが、図6に示す開口側凹部非形成領域37にあって、図11に示すシリンダ内周面21Aaに凹部32がないため、凹部32による流路が0となって、摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間を介する第一室85の開口側室105と底側室106との連通が遮断される。すなわち、メインピストン70が伸び切り領域にあるときは、凹部32による流路面積、この場合はシリンダ内周面21Aaと摺動面102aとの間の凹部32による流路面積が、図9に実線で示すように0となる。なお、このとき、底側ピストン65Cの摺動面102Aaは、図6に示す凹部形成領域36Aにあって、凹部32によって、図11に示す摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間に流路を確保している。
【0144】
よって、圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が伸び切り領域にあるときの伸び行程においては、開口側室105から油液Lが底側室106へ流れることはなく、これらの間の開口側ピストン65Bおよびこれが取り付けられたロッド51およびメインピストン70が油圧ロック状態になる。
【0145】
圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が伸び切り領域にあるときの縮み行程においては、底側ピストン65Cの摺動面102Aaが、凹部形成領域36Aにあって、凹部32によって、摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間に流路を確保しているため、第二室86の底側室105Aから、この流路を介して開口側室106Aに油液Lが流れ、開口側室106Aから油液Lを、メインピストン70のピストン通路94と、開弁するディスクバルブ68およびシート部92の間の通路と、第一室85の底側室106と、開口側ピストン65Bのピストン通路114Bと、開弁するチェックバルブ64およびシート部112の間の通路と、を介して第一室85の開口側室105に流すことになる。その際に、圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70のディスクバルブ68が、常用領域にあるときの縮み行程とほぼ同様の減衰力を発生させる。
【0146】
圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が常用領域よりもシリンダ21の軸方向におけるシリンダ底側の縮み切り領域にあるとき、底側ピストン65Cの摺動面102Aaが、図6に示す底側凹部非形成領域37Aにあって、シリンダ内周面21Aaに凹部32がないため、凹部32に重ならず、凹部32による流路が0となって、図11に示す摺動面102Aaとシリンダ内周面21Aaとの間を介する第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとの連通が遮断される。すなわち、メインピストン70が縮み切り領域にあるときは、凹部32による流路面積、この場合はシリンダ内周面21Aaと摺動面102Aaとの間の凹部32による流路面積が、図9に実線で示すように0となる。なお、このとき、図11に示す開口側ピストン65Bの摺動面102aは、凹部形成領域36Aにあって、凹部32によって、摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間に流路を確保している。
【0147】
よって、圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が縮み切り領域にあるときの縮み行程においては、底側室105Aから油液Lが開口側室106Aへ流れることはなく、これらの間の底側ピストン65Cおよびこれが取り付けられたロッド51およびメインピストン70が油圧ロック状態になる。
【0148】
圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70が縮み切り領域にあるときの伸び行程においては、開口側ピストン65Bの摺動面102aが、図6に示す凹部形成領域36Aにあって、凹部32によって、図11に示す摺動面102aとシリンダ内周面21Aaとの間に流路を確保しているため、第一室85の開口側室105から、この流路を介して底側室106に油液Lが流れ、底側室106から油液Lを、メインピストン70のピストン通路93と、開弁するディスクバルブ72およびシート部91の間の通路と、第二室86の開口側室106Aと、底側ピストン65Cのピストン通路114Cと、開弁するチェックバルブ64Aおよびシート部112Aの間の通路と、を介して第二室86の底側室105Aに流すことになる。その際に、圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70のディスクバルブ72が、常用領域にあるときの伸び行程とほぼ同様の減衰力を発生させる。
【0149】
第4実施形態の圧力緩衝装置11Cは、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の長さに亘って凹部32を有するシリンダ21Aと、摺動面82aにおいてシリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaを摺動すると共に、シリンダ21Aの内部を第一室85と第二室86とに画成し、摺動面82aのシリンダ内周面21Aaの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向の長さよりも長いメインピストン70と、第一室85に設けられ、シリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動面102aにおいて摺動すると共に、摺動面102aのシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さが、凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さよりも短い開口側ピストン65Bと、第二室86に設けられ、シリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaをメインピストン70と共に摺動面102Aaにおいて摺動すると共に、摺動面102Aaのシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さが、凹部32のシリンダ内周面21Aaの軸方向における長さよりも短い底側ピストン65Cと、を有する。
【0150】
これにより、メインピストン70は、凹部32によって第一室85と第二室86とを連通させることがなく、開口側ピストン65Bは、凹部32によって第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させることが可能となり、底側ピストン65Cは、凹部32によって第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを連通させることが可能となる。よって、開口側ピストン65Bは、凹部32が形成されている凹部形成領域36Aにおいて、第一室85の開口側室105と底側室106とを連通させて減衰力を下げたり、凹部32が形成されてない開口側凹部非形成領域37において、第一室85の開口側室105と底側室106とを仕切って減衰力を上げたりすることができる。また、底側ピストン65Cは、凹部32が形成されている凹部形成領域36Aにおいて、第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを連通させて減衰力を下げたり、凹部32が形成されてない底側凹部非形成領域37Aにおいて、第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとを仕切って減衰力を上げたりすることができる。圧力緩衝装置11Cは、このように、シリンダ21Aのシリンダ内周面21Aaに凹部32を設けることで、減衰力を下げたり、減衰力を上げたりすることができる。よって、圧力緩衝装置11Cは、減衰力を高くするために第二のシリンダを設ける必要がなくなるため、構造がシンプルになり、重量増、コスト増およびストローク制限の長大化を抑制することが可能となる。また、圧力緩衝装置11Cは、メインピストン70の摺動面82aのシリンダ内周面21aの軸方向の長さが凹部32のシリンダ内周面21aの軸方向の長さよりも長く、シリンダ21内では凹部32を跨ぐようにしてガイドの役割を果たすため、凹部32に開口側ピストン65Bおよび底側ピストン65Cが引っかかることを抑制することができる。
【0151】
圧力緩衝装置11Cは、凹部32が、開口側凹部非形成領域37よりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられており、凹部32が、底側凹部非形成領域37Aよりも他の部分である凹部形成領域36Aに多く設けられており、凹部32が、シリンダ内周面21Aaの軸方向に所定の間隔を有してシリンダ内周面21Aaの周方向に複数設けられていて、この所定の間隔が、シリンダ内周面21aの軸方向における凹部32の長さよりも短い。これらによって、圧力緩衝装置11Cは、第2実施形態の圧力緩衝装置11と同様の効果を奏することができる。
【0152】
圧力緩衝装置11Cは、開口側ピストン65Bが設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、開口側ピストン65Bが第一室85の開口側室105と底側室106との連通を遮断するため、油圧ロック状態にすることができる。
【0153】
圧力緩衝装置11Cは、底側ピストン65Cが設けられる側の端部から他方の端部へ向かう油液Lの流れにおいて、底側ピストン65Cが第二室86の底側室105Aと開口側室106Aとの連通を遮断するため、油圧ロック状態にすることができる。
【0154】
圧力緩衝装置11Cは、複数枚のディスクからなるディスクバルブ66Aにかえて、底側ピストン65Cに固定シート部120Cを一体に成形するため、重量増およびコスト増をさらに抑制することができる。
【0155】
第2実施形態において、開口側ピストン65、チェックバルブ64およびディスクバルブ66を設けずに、開口側凹部非形成領域37にかえて凹部形成領域36Aを、さらにシリンダ開口側まで延ばしても良い。また、第4実施形態において、開口側ピストン65Bおよびチェックバルブ64を設けずに、開口側凹部非形成領域37にかえて凹部形成領域36Aを、さらにシリンダ開口側まで延ばしても良い。
【0156】
以上の第1~第4実施形態においては、凹部32を、シリンダ21,21Aを径方向内側から外側へ部分的にプレスで押し出すことによって形成しているが、これに限らない。例えば、板厚が厚いシリンダに対し切削により内側に凹部32を設けても良い。また、径方向に貫通する穴を設けた内側シリンダを、穴なしの外側シリンダの径方向内側に重ねて漏れなきよう接着した2重管構造にして、穴と外側シリンダとで凹部32を形成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0157】
11,11A~11C…圧力緩衝装置、21,21A…シリンダ、21a,21Aa…シリンダ内周面(内周面)、32…凹部、65,65B…開口側ピストン(第二のピストン)、65A,65C…底側ピストン(第二のピストン)、66,66A…ディスクバルブ(第二のバルブ)、68,72…ディスクバルブ(第一のバルブ)、70…メインピストン(第一のピストン)、82a…摺動面(第一の摺動面)、85…第一室、86…第二室、93…ピストン通路(第一の連通孔)、102a,102Aa…摺動面(第二の摺動面)、113,113A…ピストン通路(第二の連通孔)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11