(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158110
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】X線CT装置及びその撮影支援方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61B6/03 350Q
A61B6/03 360T
A61B6/03 330B
A61B6/03 360D
A61B6/03 350L
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072998
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】弁理士法人山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鉄村 悠介
(72)【発明者】
【氏名】小原 亮太
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA13
4C093CA16
4C093DA02
4C093FA18
4C093FA47
4C093FA59
4C093FC25
4C093FE13
4C093FF19
4C093FF28
4C093FF37
4C093FG04
4C093FG13
4C093FG14
(57)【要約】
【課題】動き補正を適用して画像再構成する際にも再構成の中心位相(画像再構成位相)の設定を適切に行うことができ、良好な画質を担保できること及び医師や検査技師など(以下、操作者という)による最適位相検索作業を支援すること。
【解決手段】X線CT装置において画像再構成等を行う演算部は、被写体の動き情報を検出し、動き補正再構成を行う動き補正再構成部と、当該動き補正再構成部で再構成される画像に対し、1ないし複数の動きの位相における画質を評価するスコアを算出する画質スコア算出部を備える。表示された画質スコアを介して動き補正を比較しながら位相検索をできるインタフェースを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源とX線検出器とを対向配置し、被写体の周りを回転するスキャナと、前記X線検出器が検出したX線透過データを用いて被写体の断層像を生成する演算部とを備え、
前記演算部は、
前記被写体の動き情報を検出し、動き補正再構成を行う動き補正再構成部と、当該動き補正再構成部で再構成される画像に対し、1ないし複数の動きの位相における画質を評価するスコアを算出する画質スコア算出部とを含むことを特徴とするX線CT装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線CT装置であって、
前記スキャナの回転角度が180度異なる角度を中心とする所定角度範囲の一対の投影データから部分断層像対を生成する部分断層像対生成部をさらに備えることを特徴とするX線CT装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線CT装置であって、
前記画質スコア算出部は、前記部分断層像対を用いて、動き補正再構成後の画像の画質を評価し、画質スコアを算出することを特徴とするX線CT装置。
【請求項4】
請求項3に記載のX線CT装置であって、
前記画質スコア算出部は、前記部分断層像対の画素の差分二乗和、画素の差分絶対値和、正規化相互相関、相互情報量、及び、SD値の大きさの差または比、の少なくとも一つを用いて画質スコアを算出することを特徴とするX線CT装置。
【請求項5】
請求項3に記載のX線CT装置であって、
前記画質スコア算出部は、前記一対の投影データ撮影時にX線源に供給された平均管電流の大きさの差または比を用いて画質スコアを算出することを特徴とするX線CT装置。
【請求項6】
請求項2に記載のX線CT装置であって、
前記動き補正再構成部は、前記部分断層像対生成部が生成した部分断層像対を用いて動きを検出することを特徴とするX線CT装置。
【請求項7】
請求項6に記載のX線CT装置であって、
前記画質スコア算出部は、前記動き補正再構成部が検出した動きの情報を用いて画質スコアを算出することを特徴とするX線CT装置。
【請求項8】
請求項1に記載のX線CT装置であって、
前記画質スコア算出部は、隣接スライスの断層像を用いて、画質スコアを算出することを特徴とするX線CT装置。
【請求項9】
請求項1に記載のX線CT装置であって、
前記被写体の動き情報を用いて画像再構成位相を決定する最適位相決定部と、前記画像再構成位相の検索範囲を設定する検索位相設定部とをさらに備え、
前記最適位相決定部は、前記検索位相に含まれる各位相について前記画質スコア算出部が算出した画質スコアを用いて、前記画像再構成位相を決定することを特徴とするX線CT装置。
【請求項10】
請求項1に記載のX線CT装置であって、
画像再構成位相のユーザ決定を受け付けるUI部をさらに備え、
前記UI部は、所定の範囲の位相について、前記画質スコア算出部が算出した画質スコアを含む支援情報を提示する提示部を有することを特徴とするX線CT装置。
【請求項11】
請求項10に記載のX線CT装置であって、
前記支援情報は、所定の位相を画像再構成位相として再構成した断層像を含むことを特徴とするX線CT装置。
【請求項12】
X線CT装置を用いて心臓撮影する際の画像再構成位相の検索作業を支援する撮影支援方法であって、
被写体の動きの情報を用いて画像再構成位相を検索する位相の範囲を設定するステップ(1)と、当該位相の範囲を検索し、画像再構成位相を決定するステップ(5)と、を含み、
ステップ(1)の後に、前記位相の範囲に含まれる各位相について動き補正再構成を行った場合の画質を評価する画質スコアを算出するステップ(2)と、
画質スコアを操作者に提示するステップ(3)と、
操作者から画像再構成位相の決定を受け付けるステップ(4)と、を含む撮影支援方法。
【請求項13】
請求項12に記載の撮影支援方法であって、
ステップ(2)の後に、ステップ(1)で設定した検索する位相の範囲の変更を受け付けるステップ(5)をさらに含み、
前記ステップ(2)は変更後の位相の範囲について画質スコアを算出することを特徴とする撮影支援方法。
【請求項14】
請求項12に記載の撮影支援方法であって、
前記ステップ(2)は、前記位相の範囲外の位相についても画質スコアを算出することを特徴とする撮影支援方法。
【請求項15】
請求項12に記載の撮影方法であって、
前記ステップ(2)は、操作者による関心領域の指定を受け付けるステップを含み、当該関心領域について画質スコアを算出することを特徴とする撮影支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線CT装置に関し、特に心臓等動きのある対象を撮影する際に、撮影に最適な動きの位相を決定するための支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置は、スキャナに搭載されたX線源とX線検出器とを被写体を中心として対向配置し、スキャナを回転させながら被写体の体軸方向に沿って移動させながら連続撮影し、撮影対象部位を含む被写体の3D画像データを取得する。対象部位が心臓のように動きのある対象の場合には、最も動きが少ない動きの位相をターゲットとして撮影および画像再構成を行う。例えば心臓撮影では、心臓の収縮期と拡張期のうち、比較的動きが少ない拡張期の心位相を撮影中心位相或いは画像再構成位相として設定する。心臓撮影では、撮影時および再構成時の心位相を最適な位相に設定することが画質の良いCT画像を得るために重要であり、最適位相を決定するための手法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
例えば特許文献1には、異なる心位相で複数の断層データを取得し、複数の断層データから心位相間の変動量を算出し、心臓の各部位の動きが調和している位相(心時相)を求め、最適心位相とする技術が提案されている。また特許文献2には、造影剤を用いて、複数の経時画像における造影剤変化から静止位相のタイミングを推定する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報WO012/176745
【特許文献2】特開2019-208752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CTにおいて一つの断面の画像データの再構成には、スキャナの180度以上の回転が必要であり、その間の被写体の動きに起因する画質の低下を生じる。これに対し、撮影中の動きを検出し、動きを補正して画像を再構成する技術(動き補正再構成)が開発されている。動き補正再構成では、例えば、画像再構成位相に対し、±90度の角度を中心とする所定範囲の投影データ(画像対データ)を用いて動きを検出し、動きを補正しながら再構成を行う。
【0006】
このような動き補正再構成では、撮影条件や撮影部位の動き方などの要因により、動き補正を適用しない場合に設定した最適心位相の位置が変わることがあり、動き補正がないことを前提として最適心位相の設定では十分な精度が得られない可能性がある。動き補正を考慮して最適位相を設定しようとすると、作業が煩雑となり、作業コストが増大する可能性がある。
【0007】
本発明は、動き補正を適用したときにも良好な画質を担保できる技術を提供することを課題とする。さらに本発明は、医師や検査技師など(以下、操作者という)による最適位相検索作業を容易にする支援技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つの態様は、X線CT装置の機能として、動き補正を適用した場合の画質スコアを算出する手段を設けるというものである。画質スコアは、動き補正を適用した場合に得られる画像の画質を評価する指標であり、最適位相を設定するための情報となる。
【0009】
また本発明の他の態様は、X線CT装置の機能として、画質スコアを含む最適位相決定のための情報(最適位相決定補助情報)を提示する手段(インターフェース)を設けるというものである。最適位相を決定する操作者は、インタフェースを介して提示される情報により、動き補正を比較しながら位相検索を行うことができ、最適位相検索作業の効率化を図ることができる。
【0010】
具体的には、本発明のX線CT装置は、X線源とX線検出器とを対向配置し、被写体の周りを回転するスキャナと、X線検出器が検出したX線透過データを用いて被写体の断層像を生成する演算部とを備え、演算部は、被写体の動き情報を検出し、動き補正再構成を行う動き補正再構成部と、当該動き補正再構成部で再構成される画像に対し、1ないし複数の動きの位相における画質を評価するスコアを算出する画質スコア算出部とを含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明の撮影支援方法は、X線CT装置を用いて心臓撮影する際の画像再構成位相の検索作業を支援する撮影支援方法であって、被写体の動きの情報を用いて画像再構成位相を検索する位相の範囲を設定するステップ(1)と、当該範囲を検索し、画像再構成位相を決定するステップ(5)と、を含み、ステップ(1)の後に、前記位相の範囲に含まれる各位相について動き補正再構成を行った場合の画質を評価する画質スコアを算出するステップ(2)と、画質スコアを操作者に提示するステップ(3)と、操作者から画像再構成位相の決定を受け付けるステップ(4)と、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、動きの最適位相でCT画像再構成を行う際に、動き補正を適用した際の画質スコアを算出することにより、画質スコアを利用することで最適位相検索精度を向上させることができる。また画質スコアを含め最適位相検索のための補助情報を操作者に提示することで、操作者は最適位相検索作業を容易に行うことができ、且つ動き補正を適用した良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明が適用されるX線CT装置の全体概要を示す図。
【
図3】本発明に係る、X線CT装置の動作の概要を示すフロー図。
【
図5A】本発明の実施形態1の処理の一部を示す図。
【
図5B】本発明の実施形態1の処理の一部を示す図。
【
図6A】本発明の実施形態1の検索位相の設定処理を説明する図。
【
図6B】本発明の実施形態1の検索位相の設定処理を説明する図。
【
図7】本発明の実施形態1の画質スコア算出処理のフローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
最初に本発明が適用されるX線CT装置の全体構成を説明する。
【0015】
X線CT装置1は、
図1に示すように、被写体の断層画像および透視画像を撮影するためのガントリ100と被写体が寝かせられる寝台装置101とを備えた撮影部10と、撮影部10を操作・制御する操作部20とを備えている。
【0016】
ガントリ100には、
図2に示すように、被写体3に照射するX線を発生させるX線発生装置102と、X線発生装置102から発生するX線の線束を絞るコリメータ装置104と、被写体を透過するX線を検出するX線検出装置103と、それらを搭載するスキャナ108と、X線発生装置102に高電圧を印加する高電圧発生装置105と、X線検出装置103から得られる透過X線データを収集するデータ収集装置106と、スキャナ108を被写体3の周囲に回転させる駆動装置107とが備えられている。X線発生装置102は、図示していないがX線管を備え、X線管に所定の管電流が流れることで所定量のX線が被写体3に照射される。
【0017】
操作部20は、ガントリ内蔵の各装置を制御する中央処理装置(CPU)200と、ユーザと中央処理装置200とのやり取りを行うためのユーザインターフェース部(UI部)210と、CPU200が実行するプログラムや装置パラメータ等の撮影に必要なデータを記憶する記憶装置220とを備える。中央処理装置200内にはデータ収集装置106が収集した透過X線データに対し画像再構成等の各種演算を行う演算部230が搭載されている。
【0018】
CPU 200は、入力装置212を介した操作者からの操作指示により、撮影部10(X線発生装置102、X線検出装置103、高電圧発生装置105、コリメータ装置104、寝台装置101、駆動装置107、データ収集装置106)、入出力装置210、及び演算部30を制御する。中央処理装置200の制御のもと、これら各部が動作し、CT画像の再構成、再構成後のCT画像の補正などが行われる。
【0019】
CPU 200の機能は、演算アルゴリズムや制御の処理手順を記述したプログラムを中央処理装置200が読み込み実行することで実現される。但し、演算部230が行う演算や処理の一部は、ASICやFPGAなどのPLD(プログラマブルロジックデバイス)を用いて行うことも可能である。
【0020】
UI部210は、操作者が撮影条件等を入力するための入力装置212、及び撮影画像等のデータやGUIを表示する表示装置211を含む。
【0021】
演算部230は、データ収集装置106が得た透過X線データに対し逆投影処理を行い、断層画像を作成する画像再構成部231と、画像データの解析や心臓撮影などにおける最適位相の決定処理等を行う画像処理部232と、UI部210を制御するUI制御部233とを含む。画像再構成部231が行う画像再構成には、被写体の動き補正を適用した動き補正画像再構成が含まれる。
【0022】
本実施形態のX線CT装置は、心臓撮影など、動きのある部位が撮影対象とする撮影を行い、その際、被写体の動きの位相が、最適な画質が得られる位相(最適な画像再構成位相、以下単に最適位相ともいう)となるスキャナ角度を中心位相に設定して画像再構成を行い、最適位相の画像を表示する機能を持つ。
【0023】
このため、画像処理部232は、最適位相を検索し、設定する機能、最適位相の検索のために所定の位相範囲について動き補正を適用した場合の画質を評価する機能(画質スコア算出機能)、動き補正に必要な部分断層像対を生成する機能などを有する。部分断層像対とは、スキャナの回転角度が、互いに正対する位置にある角度(180度)を中心とする所定の角度範囲のX線投影データを用いてそれぞれ再構成した一対の断層像であり、所定の角度範囲が180度未満の投影データで再構成されているため部分断層像となっている。このような部分断層像対は、動き補正再構成において、動きを検出し、補正する際に用いられるとともに、本実施形態では最適位相の決定処理においても用いることができる。
【0024】
また好適な実施形態では、画像処理部232が生成した情報は、UI制御部233及びUI部210を介して操作者に提示され、操作者との間でインタフラクティブに最適位相の検索や設定の機能が実現される。画像再構成部231は、画像処理部232の処理結果を利用して、動き補正を適用した或いは非適用の画像再構成を行う。
【0025】
以下、画像処理部232の処理を含む本実施形態のX線CT装置の動作の流れを、心臓撮影の場合を例に説明する。
図3に動作の概要を示す。
【0026】
まず操作部20からの指令により、撮影部10が心臓撮影を行う(S1)。具体的にはスキャナ108の回転面と直交する方向に被写体を載せた寝台装置101を移動させながら、スキャナ108を回転し撮影を行う。この撮影と同時に被写体の心電図などの生体情報を取得する。なお撮影開始に先立って撮影条件を設定する際に、心電情報から得た心周期から、動きが比較的少ない拡張期に画像再構成位相を暫定的な画像再構成位相として設定しておいてもよい。その場合、画像再構成位相を含む所定の時間幅でX線管に供給される管電流を高く設定し、SNの良好な信号を得られるようにする場合もある。
【0027】
この撮影により、データ収集装置106は、被写体の体軸に沿った複数の断面の透過X線データが収集される。
【0028】
続いて画像処理部232が、最適な画像再構成位相を検索するための検索位相を決定する(S2)。このステップS2では、検索位相として複数の位相を個々に決定してもよいし所定の位相の範囲を設定してもよい。前述したように最適画像再構成位相は、撮影対象である心臓の動きが比較的安定している心周期の位相であり、撮影条件として、画像再構成位相が設定されている場合には、その情報を用い、或いは管電流情報或いは心電情報をもとに装置側で簡易的に自動設定することができる。
【0029】
画像再構成部231は、ステップS1で取得した180度以上の投影X線データを用いて複数断面の断層像を再構成する(S3)。この再構成は動き補正を適用していない一般的な再構成(例えばフィルタ補正逆投影、逐次近似画像再構成など)である。この際、部分断層像対を生成し、動き補正を適用した再構成(動き補正再構成)を行ってもよい。この画像再構成部231による処理は、画像処理部232の処理(ステップS2)と平行して実行してもよい。
【0030】
画像処理部232は、ステップS3で得られた断層像の画質を評価し、画質スコアを算出する(S4)。画質の評価は、動き補正不適用の断層像及び動き補正適用の断層像の少なくとも一方について、画像自体或いは画像取得時の管電流の情報などを用いて行う。
【0031】
UI制御部233は算出した画質スコアを、その他の補助情報とともに表示装置211に提示する(S5)。提示の態様は後述する実施形態で詳述するが、断層像や操作者の操作を受け付けるGUI等とともに位相毎の画質スコアが表示される。GUIは、例えば、検索位相の変更や最適位相の確定などを受け付ける表示を含むことができる。操作者は提示された画質スコアを確認することで、検索位相を変更したり、最適位相を確定したりすることができる。
【0032】
操作者が十分な画質であると判断し、最適位相を確定するGUIを操作した場合には(S6)、画像処理部232は画像再構成部231が生成した最適位相の断層を表示する(S7)。最適位相の断層像の生成は、最適位相の確定後に行うことも可能であるが、画像処理部232の処理のバックグラウンドで、画像再構成部231が検索範囲内の位相について断層像を生成しておくことができ、最適位相が確定した時点で直ちに表示することも可能であり、好適である。
【0033】
一方、補助情報の提示後に、ステップS6で十分な画質が得られていないと判断され検索位相の変更が行われた場合には、ステップS2に戻る。画像処理部232は、操作者による変更を反映して、検索位相を変更する。以下の処理(S3~S5)を繰り返す。
【0034】
このような繰り返しにより最終的に操作者が十分な画質であると判断された最適位相での断層像(動き補正再構成画像或いは一般再構成画像)が表示される。なお繰り返し回数について、
図3に示すフローでは制限を設けていないが、適宜制限を設けてもよいし、十分な画質が得られない場合に、再撮影(S1)に戻るなどの処理を追加してもよい。
【0035】
また上記では、画質スコア算出後の最適位相の決定は操作者が行うものとしたが、画質スコアをもとに装置側で決定することも可能である。その場合は、ステップS5は省略される。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置によれば、最適位相の検索範囲の各位相について、それらを中心位相とした場合の画質を推定し、画質スコアを算出することで、容易に最適位相を決定することが可能となる。また位相毎の画質スコアを提示することで、操作者はこれを支援情報として、検索位相の変更や最適位相の確定を容易に行うことができる。
【0037】
以下、X線CT装置の演算部230が行う具体的な処理の実施形態を説明する。以下の実施形態において、上記実施形態の説明に用いた
図1~
図3は共通であり、適宜、これら図面を参照して説明を行う。
【0038】
<実施形態1>
本実施形態では、画像処理部232は、部分断層像対を用いて画質スコアを算出する。
図4に本実施形態の画像処理部232の機能ブロック図を示す。
本実施形態の画像処理部232は、
図4に示すように、最適位相を検索する位相を設定する検索位相設定部321、最適位相の検索処理に利用される情報として、複数の位相の画質スコアを算出する画質スコア算出部322、画質スコアに基づいて最適な画像再構成位相を決定する最適位相決定部323、を備えている。また画質スコアの算出及び動き補正に用いる部分断層像の対を生成する断層像対生成部324を備えている。
【0039】
以下、画像処理部232の処理を中心に本実施形態のX線CT装置の動作を説明する。なおX線CT装置の動作の流れは、
図3に示すフローと同様であり、以下、適宜
図3を参照する。
【0040】
<<撮影と最適位相の検索:S1、S2>>
心臓撮影を行い、データ収集装置106により、被写体の体軸に沿った複数の断面の透過X線データが収集されると(S1)、最適位相検索のための処理を開始する(S2)。この処理では、最終位相を決定するために検索する位相の範囲(検索位相範囲)を設定する。具体的には、
図5(A)に示すように、一回目の処理では、管電流情報及び心電情報の少なくとも1つ以上のデータに基づいて簡易自動解析により検索対象位相を決定する。
【0041】
管電流に基づく検索位相の決定は、心電情報をもとに拡張期などの静止位相期において管電流が高くなるように管電流を設定して撮影が行われた場合に、撮影時の管電流の情報を用いて行う。管電流の情報を用いる手法の一例として、着目する位相を中心として対向した角度にある部分画像対を取得したときの平均管電流を用いる。即ち
図6(A)に示すように、部分画像対を構成する所定の角度範囲の投影データ601、602を取得したときの管電流の平均(平均管電流)の比を算出する。着目する位相600についての部分画像対の平均管電流比の値が1に近い位相(例えば1±10%)であれば、その着目位相は検索位相605とする。管電流の比を算出するのではなく、着目位相を中心とした対向部分画像対の平均管電流が一定値以上の位相を自動選択してもよい。これにより
図6(A)の右側に示すように、高品質の動き補正画像を取得できる可能性が高いと推定される範囲が自動設定される。
【0042】
心電情報を用いる手法では、
図6(B)に示すように、心拍数(HR)をもとに経験的に動きが安定している心位相の範囲を設定する。具体的には、例えば、HR≦65の場合は拡張中期、65<HR<85の場合は拡張中期及び収縮末期、85≦HRの場合は収縮末期を自動選択する。なお、上述した検索位相の決定は、上述した管電流を用いた手法と心電情報を用いる手法のいずれか一方のみでもよいし、両方手法を組み合わせてもよい。組み合わせる場合、例えば一方の手法で検索位相の範囲が広すぎる場合は他方とのANDをとってもよいし、逆に狭すぎる場合には両手法のORとしてもよい。
【0043】
以上が初回の検索位相の設定処理であり、2回目以降はその後の処理結果を反映した処理となる(S23)。
【0044】
<<断層像の取得と画質スコアの算出:S3、S4>>
位相の検索範囲決定がされると、画質スコアを算出する(S4)。画質スコアの算出は、動き補正を行うことなく再構成した断層像(S3)について行ってもよいし、動き補正再構成した断層像に対し行ってもよい。また画質スコアは、断層像全体に対し算出してもよいし、
図5(B)に示すように、関心領域についてのみ算出してもよい。関心領域について画質スコアを算出する場合には、180度以上の投影データから生成した一般的な再構成画像(断層像)(S31)に対し、フィルタリングや深層学習などの手法を用いて、診断対象付近の領域(例えば心臓や冠動脈など)を関心領域として抽出する(S32)。
【0045】
以下、動き補正再構成した断層像に対し、画質スコアを算出する場合について、算出例を説明する。動き補正再構成する場合には、画質スコアの算出は、
図7に示すように、部分画像対の取得(S41)、動き補正適用断層像の生成(S42)及び動き補正適用断層像に対する画質スコア算出(S43)を含み、S41~S43は、この順に実行されるのであれば、動き補正不適用の断層像を取得した処理(S3)の後の任意のタイミングで行うことができる。
【0046】
まず着目位相を中心とした対向部分画像対を取得する(S41)。対向部分画像対は、
図8に示すように、投影データから着目位相800を中心に対向した60°程度の部分領域801、802を抜き出し逆投影することで得られる一対の部分画像(第一部分画像811、第二部分画像812)である。部分画像対は、ノイズ除去のために例えばバイラテラルフィルタなどの平滑化フィルタを用いてフィルタリングを行うことが好ましい。
【0047】
次に対向部分画像対から動き情報を取得する(S42)。動き情報は、対向部分画像対をレジストレーションすることで、動き情報(ベクトルマップ)821、822として取得される。なお関心領域を抽出して画質スコアを算出する場合、スライスごとに関心領域の大きさが異なる場合は関連処理でスコアの正規化を行っても良い。
【0048】
レジストレーションには、Bスプライン関数に基づく手法やオプティカルフローに基づく手法など公知の手法を用いることができる。レジストレーションを高速化するために、2次元で実施しても、複数画像作成して3、4次元で実施しても良い。またレジストレーション対象の画素数を1/4や1/16にダウンサンプリングしても良い。さらにレジストレーションは、実際の動き補正再構成に用いる高精度で重い手法よりも、位相検索用に簡易的な軽い手法を用いてもよい。
【0049】
動き情報821、822を算出後、動き補正を適用した断層像830を取得する(S43)。具体的には、投影データに対し、動き情報を考慮しながら逆投影して動き補正断層像を取得する。この場合にも、断層像の画素数を1/4や1/16にダウンサンプリングしても良く、これにより画質スコア算出時の動き補正再構成の高速化を図ることができる。
【0050】
次いで上述したステップS41~S43で取得した情報の1つ以上を用いて動き補正適用/不適用画像の画質スコアを算出する(S44)。
【0051】
[対向部分画像対を用いた算出]
対向部分画像対を用いた画質スコアは、画像対の類似度やノイズ傾向を表す評価指標を算出し、評価指標の値がよいほど高い画質スコアとする。評価指標としては、例えば、対向部分画像対の画素の差分二乗和、画素の差分絶対値和、正規化相互相関、相互情報量、SD値の差或いは比、対応部分画像対を取得した差異の平均管電流値の差或いは比などを用いることができる。これらの算出方法は公知であるので、説明を省略するが、例えば対向部分画像対(第一画像及び第二画像)の画素の差分二乗和は、次式(1)により算出する。
【0052】
【0053】
対向部分画像対の画素の差分二乗和は、小さいほど画像の類似度が高く、動き補正再構成時に行うレジストレーションの精度が向上するため、動き補正再構成画像の画質は良好となる。従って画素の差分二乗和が小さいほど画質スコアSは高くする。画素の差分絶対値和や管電流値の差についても、その値が小さいほど画質スコアSは高くする。
【0054】
また正規化相互相関、相互情報量は、その値が大きいほど動き補正再構成の精度は高くなるので、画質スコアSは高くする。
【0055】
SD値の比は、1に近いほど動き画像対のノイズ傾向が近く、レジストレーション精度は向上するため、画質スコアは高い。管電流値の比についても同様である。
【0056】
[動き情報を用いた算出]
ステップS42では、単方向或いは双方向のベクトルの分布情報が動き情報として得られる。これら動き情報からは、L1ノルムの総和、L2ノルムの総和、L∞ノルムの総和、或いはコサインの類似度の総和を評価指標することができ、その評価指標を用いて画質スコアを算出することができる。例えば、対向部分画像対から取得した双方向の動き情報のL2ノルムの総和は、次式(2)で算出することができる。
【0057】
【0058】
この値が小さいほどその位相では動きが小さく、かつレジストレーションに適した位相である。従ってL2ノルムの総和が小さいほど、画質スコアが高くなるように画質スコアを算出する。
【0059】
[断層像を用いた算出]
再構成後の断層像を用いた評価指標としては、前後のスライスについて、画像対から算出する評価指標と同様の指標を用いる。例えば断層像が、動き補正を適用して再構成した画像の場合には、所定の心位相での連続スライスの画素の差分二乗和を評価指標とする、差分二乗和が小さいほど画像類似度が高いので、安定した動き補正ができているので、画質スコアが高い値とする。
【0060】
画質スコアSは、上述した評価指標と画質と相関に応じて、例えば、次式(3)~(5)により算出することができる。
S=α(1/Index-a) (3)
S=β* Index-b (4)
S=Smax-γ(1-Index-c) (5)
α、β、γは任意の係数、Index-aは画質と負の相関がある評価指標、Index-bは画質と正の相関がある評価指標、Index-cは値が1のときに画質スコアの最大値Smaxとなる評価指数
【0061】
なお式(3)~(5)では画質スコアが評価指標或いはその逆数の一次関数である例であるが、算出式は評価指標に応じて変更することも可能であり、またこれら式(3)~(5)で算出される画質スコアを組み合わせて総合画質スコアとすることも可能である。
【0062】
<画質スコアを用いた判定処理S6、S60及び検索位相再設定S2、S23>
画質スコアの結果を用いて、検索位相を設定する処理(
図3:S2、
図5(A):S23)に戻るか、最適位相を決定するかを判定する。判定及び検索範囲再設定処理は、画質スコア及び操作者の指示を受け付けるGUIを表示装置211に表示させて、操作者が行ってもよいし、装置側で行ってもよい(S60)。装置側で行う場合には、画質スコアに所定の閾値を設定しておき、算出した画質スコアが閾値以上となる位相があれば、その中で最大の画質スコアとなる位相を最適位相とする(S23-1、S23-2)。また画質スコアの高い位相が得られない場合には、初回に算出した検索対象位相範囲を一定量拡張した位相を自動選択する(S23-3)。
【0063】
判定処理を操作者が行う場合は、例えば、表示装置211に最初に設定された位相の範囲を示すGUIを表示し、このGUI上で操作者が選択した2点の内側にある位相を手動で選択する、或いは同様のGUI上で操作者が選択した1点を中心とした一定範囲を半自動選択するようにしてもよい。
【0064】
判定の結果、画質スコア等から十分な画質が得られないと判定された場合には(S6:NO)、ステップS2に戻り、検索位相とは異なる複数の位相を検索範囲として(S23)、それら複数の位相を中心位相とする画像について、断層像(動き補正なし)の取得(S3)から提示(S5)までの処理を繰り返す。
【0065】
また判定処理において、十分な画質が得られたと判定された場合は、自動で或いはGUIを通して操作者が画像再構成位相を確定する(S6:YES)。操作者が確定する場合は、例えば操作者が1シリーズ以上の最適心位相の画像を選択することで、最適心位相の検索作業を終了する。これによりUI制御部233は、検索した位相の中心である最適心位相の断層像(動き補正再構成後の断層像)を表示装置211に表示する。処理の繰り返し後に、十分な画質が得られた場合も同様で、ステップS7に進み処理を終了する。
【0066】
本実施形態によれば、最適位相を検索する範囲を特定し、画像再構成に係る演算量を限定することで、最適位相検索作業におけるシステム応答性を向上させることができる。特に、画質スコアのもととなる画質評価に動き補正の適用結果を利用することで、動き補正を適用した際の最適位相検索精度を向上させることができる。また検索処理のバックグランドとして画像再構成を行っておことで、ディレイなく最適心位相の画像を提示することができる。
【0067】
<実施形態2>
本実施形態は、UI制御部233の機能に係る実施形態であり、操作者による画像再構成位相の設定作業を支援する情報を提供する。支援情報は、例えば、動き補正を適用或いは不適用の場合の画像の画質スコア、各位相を中心位相とした場合の画像(補助情報)、を含み、さらに操作者による検索位相の範囲の設定や変更を受け付けるGUI、操作者による最適位相の決定を受け付けるGUIを提供する。
【0068】
本実施形態において、心臓撮影から画質スコアの算出までは、
図3或いは
図7に示す処理と同様の処理が行われているものとし、これらの処理の説明は省略し、本実施形態のUI制御部233の処理の流れを、
図9の表示画面例及び
図10のフローを参照して、説明する。
【0069】
図9に示すように、表示画面には、検索位相の位相毎に算出した画質スコアのグラフを表示するブロック(画質スコアブロック)920と、画像を表示するブロック(画像表示ブロック)910と、ユーザ指示を確定するためのボタン類を表示するブロック(操作ボタンブロック)930とが設けられており、ブロック920と910とは、動き補正を適用した場合と動き補正を適用しない場合のそれぞれについて表示される。
【0070】
画質スコアブロック920では、位相を横軸として画質スコアがグラフ921、922として表示されるが、画質スコアが算出された位相の領域のみが白く明示され、算出されていない位相の領域は角掛等になっている。また位相を示す横線923と平行に移動可能なカーソル(GUI)924が表示され、このカーソル914を操作することで操作者は任意の位相を指定することができる。またカーソルの移動に伴って、カーソルが移動した位置(位相)の画質スコアが拡大表示される。
図9に示す例では、画質スコアが算出された領域において最も画質スコアが高い位相の位置がカーソルによって選択され、その画質スコアが、左側(動き補正OFF)は72%、右側(動き補正ON)は74%のように表示されている。
【0071】
なお画質スコアを示すグラフ921、922については、あらかじめ推定しておいたスコアを初期状態として示しておいてもよい。例えば、
図3の初回のフロー時のS3及びS4にて、10%おきにサンプリングした全10位相についてスコアを算出し、3次のスプライン補間によりおおまかに推定した全位相のスコアをグラフにあらかじめ反映する。
【0072】
画像表示ブロック910には、カーソルで選択された位相を中心位相として再構成された画像911、912が表示されている。画質スコアを算出した各位相について、画像911、912が生成されている場合には、それらをサムネイル915表示し、カーソルの移動に伴い画像を変化させてもよい。
【0073】
さらに画像911、912上で関心領域ROIを設定することも可能であり、図示する例では関心領域を大きさや形を変更可能な図形(ここでは四角)で囲って指定することができる。
【0074】
操作ボタンブロック930には、「領域スコア計算」ボタン931、「検索位相追加ボタン」932、「最適位相確定ボタン」933などのGUIが表示され、操作者がこれらボタンを操作することにより、画像処理部232において対応する処理が実行される。
【0075】
例えば、前述した画像表示ブロック910において操作者がこのような関心領域ROIを指定した後、「領域スコア計算」ボタン931を操作すると、画質スコア算出部322は指定された領域について画質スコアを再計算する。その結果は画質スコアブロック920のグラフや画像表示ブロック910の画像に反映される。
また検索位相追加ボタン932することによって、画質スコアが算出された領域(白く表示された領域)と画質スコアが算出されていない領域(角掛の領域)の変更が可能となり、例えば領域の境界を移動できるカーソル(不図示)が表示され、そのカーソルを操作することにより、検索位相の範囲が変更される。変更後に新たな検索位相の画質スコアが算出された場合には、それを反映して画質スコアの領域分けの表示も変化する。
【0076】
「最適位相確定ボタン」933は、操作者が所定の位相において十分な画質が得られたことを画質スコアやその位相での画像を確認した後に操作することで、最適位相決定部323が最適位相を決定し、当該位相を画像再構成位相とする断層像を画像表示ブロック910に表示する。
【0077】
図10に、上述した表示を制御するUI制御部233の処理の一例を示す。画像処理部321において検索位相が設定され、各位相について画質スコアが算出されると、画質スコア表示ブロックに検索位相の範囲の画質スコアを表示する(S70~S72)。この表示状態で操作者による位相の指定(カーソル924の操作)があると(S73)、指定された位相についてすでに生成されている画像が表示される(S74)。なお画質スコア算出の処理の際に、比較的簡易な画像再構成を行っている場合には、指定を受け付けた際に、通常の再構成と同様の高画質再構成を行って特定のスライスを画面表示してもよい。或いは画質スコア算出のバックグランドで画質スコア算出用とは別に高画質画像を作成しておき、リアルタイムで表示できるようにしてもよい。
【0078】
また
図9の表示例では、動き補正適用、動き補正不適用の両方について画像が生成されている場合であるが、生成されているのが一方であれば一方のみを生成してもよいし、GUI(不図示)を介して他方の画像の生成を指示し、表示させてもよい。
【0079】
操作者が表示された画像や画質スコアを確認して、検索位相追加ボタン932を操作すると(S75)、実施形態1の検索位相再設定処理において説明したような、予め定めた手法により検索範囲を変更する。検索位相設定部321がこの変更を受け付けて検索位相を設定すると、ステップS70に戻り、S71~S75までの処理を繰り返す。検索位相の範囲が変更されることなく、最適位相確定ボタン933が操作されると(S76)、最適位相決定部323はステップS74で指定された位相を最適位相として決定する(S77)。
【0080】
このように、位相ごとの画質スコアをグラフ化したり断層像をサムネイル表示したりすることにより操作者は位相ごとの画質の全体像を直感的に把握できるようになる。但し、
図9の画面例及び
図10のフローは一例であり、提示していない別のGUIを追加したり、或いは画質スコアの表示以外のいくつかの要素を省略したりすることも可能である。また画質スコアや位相の表示の仕方も、グラフ以外の表示形式を採用することも可能である。
【0081】
本実施形態によれば、動き補正を比較しながら位相検索をできるインタフェースを提供することで、最適位相検索作業の効率化を図ることができる。具体的には、動き補正の適用/不適用を加味した画質評価に基づく画質スコアの表示やそれに基づく検索位相の変更や最適位相の確定などの指示を受け付けるGUIを提供することにより、動き補正画像再構成を実行する場合にも画像再構成位相の検索作業を容易にし、作業に伴う煩雑さや作業の長時間化を回避することができる。
【符号の説明】
【0082】
10:X線CT装置、20:操作部、30:計算機、100:ガントリ、101:寝台装置、102:X線発生装置、103:X線検出器、200:CPU、210:UI部、211:表示装置、212:入力装置、221:記憶装置、230:演算部、231:画像再構成部、232:画像処理部、233:UI制御部、321:検索位相設定部、323:最適位相決定部、322:画質スコア算出部、324:部分断層像対生成部