(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158111
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】エレベータの報知装置、エレベータの報知方法およびエレベータの報知プログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20241031BHJP
B66B 3/02 20060101ALI20241031BHJP
B66B 11/02 20060101ALI20241031BHJP
B66B 13/14 20060101ALI20241031BHJP
B66B 13/30 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B66B3/00 W
B66B3/00 M
B66B3/00 Q
B66B3/02 N
B66B11/02 Z
B66B13/14 F
B66B13/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073001
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】川榮 祐貴
【テーマコード(参考)】
3F303
3F306
3F307
【Fターム(参考)】
3F303CB04
3F303DA04
3F303DB14
3F306AA11
3F306CB21
3F307AA01
3F307CA02
3F307CD35
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減できるエレベータの報知装置を得る。
【解決手段】エレベータのかご100に設置され、乗場1から視認できる光を発する光源15と、昇降路内のかご100の移動方向におけるかご100の位置を検出する位置検出器51および時間を計測するタイマー52bの少なくとも一方を含む検出器と、検出器の検出結果から、乗場扉200が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する判定部18aと、乗場扉200が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると判定部18aが判定した場合に、光源15を点灯させる信号を光源15に出力する光源制御部16と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源と、
昇降路内の前記かごの移動方向における前記かごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器と、
前記検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する判定部と、
前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると前記判定部が判定した場合に、前記光源を点灯させる信号を前記光源に出力する光源制御部と、
を備えたエレベータの報知装置。
【請求項2】
前記検出器は、前記位置検出器を含み、
前記判定部は、前記位置検出器によって検出された前記かごの位置が予め定められた区間内であるか否かを判定することにより、前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する
請求項1に記載のエレベータの報知装置。
【請求項3】
前記検出器は、前記タイマーを含み、
前記判定部は、前記タイマーによって計測された時間に基づいて、前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する
請求項1に記載のエレベータの報知装置。
【請求項4】
前記検出器は、前記位置検出器および前記タイマーを含み、
前記タイマーは、前記位置検出器によって検出された前記かごの位置が予め定められた区間内に入ったときから時間の計測を開始し、
前記判定部は、前記タイマーによって計測された時間に基づいて、前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する
請求項1に記載のエレベータの報知装置。
【請求項5】
前記光源制御部は、前記乗場扉の戸開動作を制御する戸開制御部から戸開動作が完了したことを示す信号または戸開動作が開始することを示す信号を受信すると、前記光源の点灯のパターンを変更する信号を前記光源に出力する
請求項1から4のいずれか一項に記載のエレベータの報知装置。
【請求項6】
前記光源制御部は、前記光源の点灯のパターンを変更する信号として、前記光源の点灯を停止する信号を前記光源に出力する
請求項5に記載のエレベータの報知装置。
【請求項7】
前記乗場扉に設けられ、前記光源から発される光を前記乗場に導光する導光板を備えた
請求項1から4のいずれか一項に記載のエレベータの報知装置。
【請求項8】
前記導光板は、前記光源から発される光が入射する端部を有し、
前記端部は、前記光源に近づくほど断面積が大きくなるように形成された集光部を有する
請求項7に記載のエレベータの報知装置。
【請求項9】
前記導光板は、前記光源から発される光が入射する端部を有し、
前記端部は、前記かごの移動方向に延びている
請求項7に記載のエレベータの報知装置。
【請求項10】
エレベータの昇降路内のかごの移動方向における前記かごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定部が判定する判定ステップと、
前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると前記判定部が判定した場合に、前記かごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源を点灯させる信号を光源制御部が前記光源に出力する光源点灯ステップと、
を備えるエレベータの報知方法。
【請求項11】
エレベータの昇降路内のかごの移動方向における前記かごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定部が判定する判定ステップと、
前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると前記判定部が判定した場合に、前記かごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源を点灯させる信号を光源制御部が前記光源に出力する光源点灯ステップと、
をコンピュータに実行させるエレベータの報知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータの乗場扉が動作することを報知するためのエレベータの報知装置、エレベータの報知方法およびエレベータの報知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの報知装置では、乗場の三方枠の立枠および/または上枠の外側に光源を設け、かごが乗場に到着して乗場扉が開くときに、それに先立って光源を点灯させることで乗場の三方枠の立枠および/または上枠と乗場扉との間の隙間から乗場扉の表面側に光を照射し、乗場にいる利用客に乗場扉が開くことを報知している。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のエレベータの報知装置では、各階床の乗場の三方枠の外側に光源を設ける必要があり、これに伴い光源と電源とを繋ぐための配線等も各階床に必要であった。すなわち、部品点数が多いという課題があった。
【0005】
本開示は上記の課題を解決するためになされたものであり、部品点数を低減できるエレベータの報知装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベータの報知装置は、エレベータのかごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源と、昇降路内のかごの移動方向におけるかごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器と、検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する判定部と、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると判定部が判定した場合に、光源を点灯させる信号を光源に出力する光源制御部と、を備える。
【0007】
本開示に係るエレベータの報知方法は、エレベータの昇降路内のかごの移動方向におけるかごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定部が判定する判定ステップと、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると判定部が判定した場合に、かごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源を点灯させる信号を光源制御部が光源に出力する光源点灯ステップと、を備える。
【0008】
本開示に係るエレベータの報知プログラムは、エレベータの昇降路内のかごの移動方向におけるかごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定部が判定する判定ステップと、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると判定部が判定した場合に、かごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源を点灯させる信号を光源制御部が光源に出力する光源点灯ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、部品点数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1におけるエレベータの乗場周辺を示す図である。
【
図2】実施の形態1におけるエレベータの乗場周辺を三方枠の上枠側から見た図である。
【
図4】実施の形態1におけるエレベータの報知装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1における制御盤のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】実施の形態1におけるエレベータの報知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態2におけるエレベータの報知装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態2におけるかごの移動階床と移動時間の関係を示すテーブルを示す図である。
【
図9】実施の形態2におけるエレベータの報知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態3におけるエレベータの報知装置の構成を示すブロック図である。
【
図11】実施の形態3におけるエレベータの報知装置の動作を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態4におけるエレベータの乗場周辺を示す図である。
【
図13】実施の形態4におけるエレベータの乗場周辺を三方枠の上枠側から見た図である。
【
図15】実施の形態4におけるエレベータの乗場周辺を乗場敷居の上側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1におけるエレベータの乗場1周辺の構成を説明する。
図1は実施の形態1におけるエレベータの乗場1周辺を示す図である。
図2は実施の形態1におけるエレベータの乗場1周辺を三方枠2の上枠側から見た図である。なお、
図2は、かご100が乗場1に到着した状態を示している。また、
図1における紙面手前側が
図2における紙面下側、
図1における紙面奥側が
図2における紙面上側にそれぞれ対応している。
【0012】
図1および
図2において、乗場1周辺には、乗場1にいる利用客がかご本体11に乗降するための開口部3を囲う三方枠2と、乗場扉200と、昇降路を昇降するかご100と、乗場1にいる利用客がかご100を呼ぶためのかご呼びボタン30と、かご100の運行位置を表示する位置表示灯31と、かご100が到着する直前に点灯してかご100の運行方向(上方向または下方向)およびかご100の到着を表示する到着表示灯32がある。乗場扉200は、乗場ドアパネル4および乗場ドアハンガー10を有する。かご100は、かご本体11、かごドアパネル13およびかごドアハンガー14を有する。
図1において乗場ドアパネル4よりも紙面奥側、すなわち
図2において乗場ドアパネル4よりも紙面上側には、かご100が昇降するための昇降路がある。
【0013】
乗場ドアパネル4は、乗場ドアパネル4の上部に設けられた乗場ドアハンガー10に沿って水平にスライドされ、開口部3を開閉する。また、乗場ドアハンガー10の上部には導光板5aが固定される。三方枠2よりも昇降路側には、乗場ドアパネル4が収納される戸袋9があり、導光板5aは、戸袋9内で三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4との間を上下方向に延びるように開口部3の左右にそれぞれ1つずつ設けられる。導光板5aについての詳細は後述する。なお、乗場1、開口部3、三方枠2、乗場扉200、戸袋9、導光板5a、かご呼びボタン30、位置表示灯31および到着表示灯32は、かご100が停止する各階床に設けられている。
【0014】
かご本体11は、利用客が乗降するための開口部12を有する。開口部12は、開口部3および乗場ドアパネル4と対向するように設けられる。かごドアパネル13は、かごドアパネル13の上部に設けられたかごドアハンガー14に沿って水平にスライドされ、開口部12を開閉する。また、かごドアハンガー14の上部には光源15が固定されている。光源15についての詳細は後述する。
【0015】
かご100が目的階床に到着すると、乗場ドアパネル4およびかごドアパネル13は連動して水平にスライドされる。乗場ドアパネル4およびかごドアパネル13がスライドされる仕組みとして、例えば
図2に示すような開口部3および開口部12の水平方向の中央を扉閉鎖位置として乗場ドアパネル4およびかごドアパネル13が左右に開閉する中央開き方式がある。なお、乗場ドアパネル4およびかごドアパネル13がスライドされる仕組みは、開口部3および開口部12の右端または左端を扉閉鎖位置として乗場ドアパネル4およびかごドアパネル13が当該扉閉鎖位置を起点として開閉する片開き方式であってもよい。
【0016】
導光板5aは、光源15から発される光を乗場1に導光する。また、導光板5aは、例えば樹脂やポリカーボネートで形成されている。
【0017】
図3は
図2のA―A断面図である。
図3に示すように、導光板5aは、L字状の形状をしており、短手部6aと長手部8aを有する。短手部6aは乗場ドアハンガー10の上部に固定され、長手部8aは三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4の間を上下方向に延びるように設けられる。また、短手部6aの端部7aは光源15と対向するように設けられる。
【0018】
端部7aは、乗場ドアハンガー10の上部からかご100側に突き出すように設けられている。また、端部7aは、集光面の断面積が光源15に近づくほど大きくなるように形成されている。光源15から端部7aに入射した光は、短手部6aから長手部8aへ導光される。
【0019】
長手部8aの
図3における紙面左右方向の厚さは、三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4との間の距離より小さい。長手部8aが三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4の間を上下方向に延びるように設けられることによって、長手部8aから出射した光は三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4との間の隙間から乗場1に照射される。これにより、光源15で発された光が乗場1で視認可能となる。
【0020】
光源15は、例えば可視光を発するLEDである。光源15が発する光の色は乗場1にいる利用客が視認しやすい色であることが望ましく、例えば赤、黄色、緑等が好ましい。光源15は、かごドアハンガー14の上部に設けられ、導光板5aの端部7aに向けて光を出射する。光源15は、光源制御部16の制御によって点灯する。
【0021】
次に、実施の形態1におけるエレベータの報知装置の構成を説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベータの報知装置の構成を示すブロック図である。エレベータの報知装置は、検出器である位置検出器51と、判定部18aと、光源制御部16と、戸開制御部50と、光源15と、を備える。判定部18a、光源制御部16および戸開制御部50の機能はエレベータの制御盤によって実現される。
【0022】
位置検出器51は、昇降路内のかご本体11の移動方向におけるかご本体11の位置Aを検出し、検出した位置Aの情報を判定部18aに入力する。位置検出器51は、例えば、かご本体11に設けられた磁気センサーや光センサーでもよいし、巻上機に設けられたエンコーダでもよい。
【0023】
判定部18aは、位置検出器51で検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B内であるか否かを判定する。判定部18aによる判定結果は光源制御部16に出力される。区間Bは、かご本体11が区間Bに入ってから目的階床に到着して乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでにかかる時間を考慮して予め設定されるものである。よって、ここでは、位置検出器51で検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B内であるか否かを判定することは、乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否か判定することと同義であると言える。
【0024】
光源制御部16は、判定部18aが、かご本体11の位置Aが予め定められた区間B内であると判定した場合、光源15を点灯させる信号を光源15に出力する。ここで、点灯とは、連続点灯および点滅(間欠点灯)の2つの点灯のパターンを含む。さらに、光源制御部16は、戸開制御部50から乗場ドアパネル4の戸開動作を完了する信号が出力されると、光源の点灯のパターンを変更する。ここで、点灯のパターンの変更とは、例えば、連続点灯から点滅への変更、点滅から連続点灯への変更、連続点灯または点滅から点灯を停止する変更、および点灯時に発する光の色の変更が含まれる。
【0025】
戸開制御部50は、乗場ドアパネル4の戸開動作を制御し、乗場ドアパネル4の戸開動作が完了すると乗場ドアパネル4の戸開動作を完了したことを示す信号を光源制御部16に出力する。
【0026】
ここで、実施の形態1におけるエレベータの制御盤のハードウェア構成について説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベータの制御盤のハードウェア構成を示す図である。
図5に示す制御盤は、例えばパーソナルコンピュータ、マイクロコントローラなどのコンピュータにより実現される。
【0027】
制御盤は、バス40を介して互いに接続された、プロセッサ41と、メモリ42と、インタフェース43と、二次記憶装置44と、を備える。
【0028】
プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)である。プロセッサ41が、二次記憶装置44に記憶された動作プログラムをメモリ42に読み込んで実行することにより、判定部18a、光源制御部16および戸開制御部50の各機能が実現される。
【0029】
メモリ42は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される主記憶装置である。メモリ42は、プロセッサ41が二次記憶装置44から読み込んだプログラムを記憶する。また、メモリ42は、プロセッサ41がプログラムを実行する際のワークメモリとして機能する。
【0030】
インタフェース43は、例えばシリアルポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、ネットワークインタフェースなどのI/O(Input/Output)インタフェースである。インタフェース43に、位置検出器51からの出力が入力される。また、光源15への入力はインタフェース43から出力される。
【0031】
二次記憶装置44は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。二次記憶装置44は、エレベータの報知装置の動作に必要な各種情報およびプロセッサ41が実行するプログラムを記憶する。
【0032】
次に、実施の形態1におけるエレベータの報知装置の動作を説明する。
図6は実施の形態1におけるエレベータの報知装置の動作を示すフローチャートである。
【0033】
位置検出器51は昇降路内のかご本体11の位置Aを常に検出しており、判定部18aは位置検出器51で検出されたかご本体11の位置が予め定められた区間B内であるか否かを判定する(S1)。例えば、区間Bは、目的階床に到着した際のかご本体11の停止位置から上方または下方に1mの区間と設定することができる。
【0034】
判定部18aは、かご本体11の位置が予め定められた区間B内であると判定すると(S1のYES)、判定結果を光源制御部16に出力する(S2)。その後、光源制御部16は光源15に例えば黄色の光を点灯させる信号を出力し(S3)、当該信号を受けた光源15は点灯する(S4)。
【0035】
光源15が点灯すると、光源15から発された光は導光板5aの端部7aに入射する。端部7aは光源15からの光を集光し、集光された光は導光板5aの短手部6aから長手部8aへ導光され、出射する。長手部8aから出射した光は、三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4との間の隙間から乗場1に照射される。これにより、光源15で発された光が乗場1で視認可能となる。
【0036】
その後、乗場ドアパネル4の戸開動作が完了すると(S5)、戸開制御部50は光源制御部16に乗場ドアパネル4の戸開動作が完了したことを示す信号を出力する(S6)。戸開動作が完了したことを示す信号が入力された光源制御部16は、光源15の点灯を停止する信号を光源15に出力し(S7)、これに伴い光源15は点灯を停止する(S8)。
【0037】
S1において、かご本体11の位置Aが予め定められた区間B内でないと判定部18aが判定すると(S1のNO)、判定部18aは引き続き位置検出器51で検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B内であるか否かを判定する。
【0038】
以上のように、実施の形態1におけるエレベータの報知装置は、かご100の構成要素の1つであるかごドアハンガー14に設置され、乗場1から視認できる光を出射する光源15と、昇降路内のかご本体11の移動方向におけるかご本体11の位置を検出する検出器である位置検出器51と、位置検出器51によって検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B内であるか否かを判定することにより、乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する判定部18aと、乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると判定部18aが判定した場合に光源15を点灯させる信号を光源15に出力する光源制御部16と、を備える。光源15を、かご100の構成要素の1つであるかごドアハンガー14に設けることにより、光源15を各階床に設ける必要がなく、光源15と電源とを繋ぐための配線等を各階床に設ける必要もなくなり、部品点数を低減できる。これに伴い、エレベータの報知装置を設置する際の作業工数も低減できる。そのため、エレベータの報知装置を導入するコストも低減できる。
【0039】
また、光源制御部16は、乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアパネル4の戸開動作を制御する戸開制御部50から戸開動作が完了したことを示す信号を受信すると、光源15の点灯のパターンを変更する信号を光源15に出力する。これにより、乗場1にいる利用客に乗場ドアパネル4の戸開動作が完了したことを報知できる。よって、利用客は戸開動作が完了したことを知ることができるので、戸開動作の完了後には乗場ドアパネル4に対する注意を継続し続ける必要が無い。
【0040】
また、実施の形態1におけるエレベータの報知装置は、乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアハンガー10に設けられ、光源15から発される光を乗場1に導光する導光板5aを備える。導光板5aを備えることによって、光源15から発された光を乗場1に導光することができるので、光源15を設置する場所の自由度が上がる。例えば、光源15から発された光が乗場1から直接視認することが難しくなる場所に光源15が設置されていても、導光板5aによって光源15から発された光を乗場1に導光することで、光源15から発された光を乗場1で視認することができる。
【0041】
さらに、導光板5aは、光源15から発される光が入射する端部7aを有し、端部7aは、光源15に近づくほど断面積が大きくなるように形成された集光部を有する。これにより、光源15が発する光を効率的に集光することができる。
【0042】
なお、実施の形態1では導光板5aを設けたが、光源15から発された光が乗場1から視認できれば導光板5aを設けなくてもよい。導光板5aを設けなくても光源15から発された光が乗場1から視認できれば、乗場1にいる利用客に乗場ドアパネル4が開くことに対する注意を促すことができる。
【0043】
なお、実施の形態1では、乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアハンガー10に導光板5aを固定したが、乗場ドアパネル4の開閉を干渉しない場所であれば、乗場扉200のどこに導光板5aを固定してもよい。
【0044】
なお、実施の形態1では、戸袋9内で三方枠2の立枠と乗場ドアパネル4の間を上下方向に延びるように開口部3の左右にそれぞれ1つずつ導光板5aを設けたが、開口部3の左または右のいずれか一方のみに導光板5aを設けてもよい。また、乗場ドアパネル4が片開き方式の場合、戸袋9は開口部3の右側または左側のいずれか一方に設けられる。この場合は、開口部3の右側または左側のいずれか一方に設けられた戸袋9内に導光板5aを1つだけ設けてもよい。
【0045】
なお、実施の形態1では、L字状の形状を有する導光板5aを用いたが、光源15から発される光を乗場1に導光できれば導光板5aの形状はL字状に限定されない。
【0046】
なお、実施の形態1では、導光板5aの端部7aは、光源15に近づくほど断面積が大きくなるように形成された集光部を有するが、集光部の形状はこれに限定されない。例えば、集光面の断面積が一定の形状でもよい。また、光源15からの光が端部7aに入射するようになっていれば、端部7aに光を集光する機能が無くてもよい。さらに、端部7aは、例えばかご100の移動方向(上下方向)に延びた長尺の形状でもよい。こうすることにより、かごドアパネル13が乗場ドアパネル4よりも上側または下側に位置する区間にかご100が位置していても、光源15からの光を端部7aが受光できるようになる。よって、導光板5aが発光可能な期間、すなわち乗場1から光を視認可能な期間が延びるため、乗場ドアパネル4が開く直前の注意喚起だけでなく、かご100の到着予報もできるようになる。
【0047】
なお、実施の形態1では、かご100の構成要素の1つであるかごドアハンガー14に光源15を固定したが、かごドアパネル13の開閉を干渉しない場所であれば、かご100のどこに光源15を固定してもよい。
【0048】
さらに、実施の形態1では、光源15としてLEDを用いたが、乗場1から視認できる光を発することができればこれに限定されず、例えばレーザや蛍光ランプ等でもよい。また、光源15から発される光の色は可視光であれば特に限定されない。
【0049】
なお、乗場ドアパネル4の戸開動作を開始するときに戸開制御部50が乗場ドアパネル4の戸開動作を開始することを示す信号を光源制御部16に出力するようにし、光源制御部16が戸開制御部50から乗場ドアパネル4の戸開動作を開始することを示す信号を受信したときに光源15の点灯のパターンを変更してもよい。すなわち、
図6におけるS4の後に、戸開制御部50が乗場ドアパネル4の戸開動作を開始することを示す信号を出力するステップを備え、当該戸開動作を開始することを示す信号を出力するステップの後に、光源制御部16が光源15の点灯のパターンを変更する信号を出力するステップを備え、当該光源15の点灯のパターンを変更する信号を出力するステップの後に、光源15が点灯のパターンを変更するステップを備え、当該点灯のパターンを変更するステップの後に、S5以降のステップを実行してもよい。これによって、乗場ドアパネル4が戸開動作を開始するまでの期間の光源15の点灯によって到着表示灯32の機能である到着予報を行うことができ、乗場ドアパネル4が戸開動作を開始してから完了するまでの期間の光源15の点灯によって乗場1にいる利用客に乗場ドアパネル4が開くことに対する注意を促すことができる。さらに、乗場ドアパネル4が戸開動作を開始するまでの期間の光源15の点灯によって到着表示灯32の機能であるかご100の昇降路内での運行方向を示すために、かご100の運行方向が上方向の場合と下方向の場合とで別の点灯のパターンにしてもよい。具体的には、例えば上方向の場合に赤の光を点灯して下方向の場合に緑の光を点灯するようにしてもよい。なお、このような光源15の点灯のパターンの変更を行う場合は、導光板5aの端部7aがかご100の移動方向(上下方向)に延びた長尺の形状であるとより好ましい。
【0050】
なお、実施の形態1では、予め定められた区間Bを、かご本体11の停止位置から上方または下方に1mの区間としたが、これに限定されない。例えば、かご本体11の停止位置から上方に1m、下方に0.5mの区間を区間Bとしてもよい。区間Bは、かご本体11が区間Bに入ってから目的階床に到着して乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでにかかる時間を考慮して適宜設定することができる。
【0051】
なお、実施の形態1では、位置検出器51は、かご本体11の位置を常に検出していたが、数秒ごとに周期的に検出してもよい。また、判定部18aは、位置検出器51で検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B内であるか否かを常に判定していたが、数秒ごとに周期的に判定してもよい。
【0052】
なお、実施の形態1では、判定部18a、光源制御部16および戸開制御部50の機能をエレベータの制御盤によって実現したが、これに限定されない。例えば、制御盤とは異なるコンピュータを別途接続したり、エレベータ制御サーバーを用いたりして判定部18a、光源制御部16および戸開制御部50の機能を実現してもよい。
【0053】
なお、実施の形態1のように複数個の光源15を設ける場合、光源制御部16は当該光源15を交互に点灯してもよい。
【0054】
実施の形態2.
実施の形態2におけるエレベータの報知装置の構成を説明する。
図7は実施の形態2におけるエレベータの報知装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2におけるエレベータの報知装置は、検出器としてタイマー52bを用いる点が実施の形態1におけるエレベータの報知装置と相違する。なお、実施の形態1と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
実施の形態2におけるエレベータの報知装置は、検出器であるタイマー52bと、かご100の移動階床と移動時間の関係を示すテーブルを記憶する記憶部53と、かごの昇降を制御する昇降制御部54と、判定部18bと、光源制御部16と、戸開制御部50と、光源15と、を備える。タイマー52bは制御盤内に設けられ、記憶部53、昇降制御部54、判定部18b、光源制御部16および戸開制御部50の機能はエレベータの制御盤によって実現される。
【0056】
図8は、実施の形態2におけるかご100の移動階床と移動時間の関係を示すテーブルを示す図である。このテーブルには、かご100が出発する出発階床からかご100の目的階床までかご100が移動するために必要な時間が示されている。ここで、出発階床とはかご100がいずれかの階床で停止している場合、その停止している階床を指す。
図8は、かご100がいずれかの階床で停止している場合に出発階床から目的階床までかご100が移動するために必要な時間を示すテーブルの例を示している。なお、
図8において、当該時間は、出発階床で乗場ドアパネル4が完全に戸閉したときから、目的階床で乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの時間を示す。例えば、1階から4階、4階から1階へかご100が移動するために必要な時間はそれぞれ29秒、28秒であり、3階から5階、5階から3階へかご100が移動するために必要な時間はそれぞれ19秒、18秒である。以下では、かご100がいずれかの階床で停止している場合の例について説明する。
【0057】
昇降制御部54は、エレベータの利用者が乗場1においてかご呼びボタン30を押す、またはかご本体11内においてかご本体11内に設けられた目的階ボタン押すと、出発階床を示す情報と目的階床を示す情報をタイマー52bに送信する。
【0058】
タイマー52bは、出発階床を示す情報と目的階床を示す情報を昇降制御部54から受信すると、記憶部53が記憶するテーブルを読み出し、出発階床から目的階床までかご100が移動するために必要な時間を乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間Cとしてセットし、カウントダウンを開始する。カウントダウン中、残り時間Cは判定部18bに入力される。
【0059】
判定部18bは、タイマー52bから出力される残り時間Cが予め定められた時間D以内であるか否かを判定する。判定部18bによる判定結果は光源制御部16に出力される。
【0060】
次に、実施の形態2おけるエレベータの報知装置の動作を説明する。
図9は実施の形態2におけるエレベータの報知装置の動作を示すフローチャートである。
【0061】
最初に、エレベータの利用者が、乗場1においてかご呼びボタン30を押す、またはかご本体11内においてかご本体11内に設けられた目的階ボタン押すと、昇降制御部54が出発階床を示す情報と目的階床を示す情報をタイマー52bに送信する(S11)。
【0062】
タイマー52bは、出発階床を示す情報と目的階床を示す情報を昇降制御部54から受信すると、記憶部53が記憶するテーブルを読み出し、出発階床から目的階床までかご100が移動するために必要な時間を参照する(S12)。そして、タイマー52bは、テーブルから得られた出発階床から目的階床までかご100が移動するために必要な時間を乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間Cとしてセットし、カウントダウンを開始する(S13)。タイマー52bは、カウントダウン中、残り時間Cを判定部18bに入力する。
【0063】
判定部18bは、タイマー52bから出力される残り時間Cが予め定められた時間D以内であるか否かを判定する(S14)。例えば、時間Dは3秒と設定することができる。
【0064】
判定部18bは、残り時間Cが予め定められた時間D以内であると判定すると(S14のYES)、判定結果を光源制御部16に出力する(S15)。以降のフローは実施の形態1におけるS3~S8と同じであるため、説明を省略する。
【0065】
判定部18bは、残り時間Cが予め定められた時間D以内でないと判定すると(S14のNO)、引き続きタイマー52bから出力される残り時間Cが予め定められた時間D以内であるか否かを判定する。
【0066】
以上のように、実施の形態2におけるエレベータの報知装置では、タイマー52bによって計測された時間に基づいて、判定部18bが乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間Cが予め定められた時間D以内であるか否かを判定する。これにより、かご本体11が目的階床に着床した後に光源15の点灯を開始することができる。すなわち、実施の形態1のようにかご本体11の位置Aが区間B内であるか否かを判定する場合と比較して、光源15が点灯してから乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの時間をより短くすることができる。したがって、エレベータの利用者は乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの間に長時間注意を継続し続ける必要がなくなる。
【0067】
なお、実施の形態2では、予め定められた時間Dを3秒としたが、これに限定されない。
【0068】
なお、実施の形態2では、記憶部53、昇降制御部54、判定部18b、光源制御部16および戸開制御部50の機能をエレベータの制御盤によって実現したが、これに限定されない。例えば、制御盤とは異なるコンピュータを別途接続したり、エレベータ制御サーバーを用いたりして記憶部53、昇降制御部54、判定部18b、光源制御部16および戸開制御部50の機能を実現してもよい。
【0069】
なお、実施の形態2では、かご100がいずれかの階床で停止している場合にかご100が停止している階床を出発階床とする例について説明したが、かご100が昇降路内を移動中の場合でも実施の形態2で説明した構成および動作によってエレベータの報知装置を実現することができる。かご100が昇降路内を移動中の場合は、例えば次に到達する階床を出発階床とすることができる。この場合には、かご100が停止している状態から移動を開始する場合と比較してかご100の初速度が異なるため、かご100が出発階床から目的階床まで移動するために必要な時間も異なる。よって、かご100が昇降路内を移動中にエレベータの報知装置の動作が始まる場合に用いるかご100の移動階床と移動時間の関係を示すテーブルを記憶部53に別途記憶させておくとよい。
【0070】
実施の形態3.
実施の形態3におけるエレベータの報知装置の構成を説明する。
図10は実施の形態3におけるエレベータの報知装置の構成を示すブロック図である。実施の形態3におけるエレベータの報知装置は、検出器として位置検出器51およびタイマー52cを用いる点が実施の形態1におけるエレベータの報知装置と相違する。なお、実施の形態1と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【0071】
実施の形態3におけるエレベータの報知装置は、検出器である位置検出器51およびタイマー52cと、判定部18cと、光源制御部16と、戸開制御部50と、光源15と、を備える。タイマー52cは制御盤内に設けられ、判定部18c、光源制御部16および戸開制御部50の機能はエレベータの制御盤によって実現される。
【0072】
判定部18cは、位置検出器51で検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B’内であるか否かを判定する。判定部18cによる判定結果はタイマー52cに出力される。なお、区間B’は、かご本体11が区間B’に入ってから目的階床に到着して乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでにかかる時間を考慮して予め設定されるものである。また、判定部18cは、タイマー52cから出力される乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間C’が予め定められた時間D’以内であるか否かを判定する。判定部18cによる判定結果は光源制御部16に出力される。
【0073】
タイマー52cは、判定部18cが位置検出器51で検出されたかご本体11の位置Aが予め定められた区間B’内であると判定すると、かご本体11が区間B’に入ってから目的階床に到着して乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでにかかる時間を乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間C’としてセットし、カウントダウンを開始する。カウントダウン中、残り時間C’は判定部18cに入力される。
【0074】
次に、実施の形態3おけるエレベータの報知装置の動作を説明する。
図11は実施の形態3におけるエレベータの報知装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
位置検出器51は昇降路内のかご本体11の位置Aを常に検出しており、判定部18cは位置検出器51で検出されたかご本体11の位置が予め定められた区間B’内であるか否かを判定する(S21)。例えば、区間Bは、目的階床に到着した際のかご本体11の停止位置から上方または下方に1.5mの区間と設定することができる。
【0076】
判定部18cは、かご本体11の位置が予め定められた区間B’内であると判定すると(S21のYES)、判定結果をタイマー52cに出力する(S22)。その後、タイマー52cは、かご本体11が区間B’に入ってから目的階床に到着して乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでにかかる時間を乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間C’としてセットし、カウントダウンを開始する(S23)。タイマー52cは、カウントダウン中、残り時間C’を判定部18cに入力する。
【0077】
判定部18cは、タイマー52cから出力される残り時間C’が予め定められた時間D’以内であるか否かを判定する(S24)。例えば、時間D’は3秒と設定することができる。
【0078】
判定部18cは、残り時間C’が予め定められた時間D’以内であると判定すると(S24のYES)、判定結果を光源制御部16に出力する(S25)。以降のフローは実施の形態1におけるS3~S8と同じであるため、説明を省略する。
【0079】
判定部18cは、残り時間C’が予め定められた時間D’以内でないと判定すると(S24のNO)、引き続きタイマー52cから出力される残り時間C’が予め定められた時間D’以内であるか否かを判定する。
【0080】
以上のように、実施の形態3におけるエレベータの報知装置では、検出器として位置検出器51およびタイマー52cを用い、タイマー52cは、位置検出器51によって検出されたかご100の構成要素の1つであるかご本体11の位置Aが予め定められた区間B’内に入ったときから時間の計測を開始し、判定部18cは、タイマー52cによって計測された時間に基づいて、乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの残り時間C’が予め定められた時間D’以内であるか否かを判定する。これにより、かご本体11が目的階床に着床した後に光源15の点灯を開始することができる。すなわち、実施の形態1と比較して、光源15が点灯してから乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの時間をより短くすることができる。したがって、エレベータの利用者は乗場ドアパネル4が戸開を開始するまでの間に長時間注意を継続し続ける必要がなくなる。
【0081】
なお、実施の形態3では、予め定められた区間B’を、かご本体11の停止位置から上方または下方に1.5mの区間としたが、これに限定されない。例えば、かご本体11の停止位置から上方に2m、下方に1.5mの区間を区間B’としてもよい。
【0082】
なお、実施の形態3では、位置検出器51は、かご本体11の位置を常に検出していたが、数秒ごとに周期的に検出してもよい。また、判定部18cは、位置検出器51で検出されたかご本体11の位置が予め定められた区間B’内であるか否かを常に判定していたが、数秒ごとに周期的に判定してもよい。
【0083】
なお、実施の形態3における判定部18cは、予め定められた残り時間D’を3秒としたが、これに限定されない。
【0084】
なお、実施の形態3では、判定部18c、光源制御部16および戸開制御部50の機能をエレベータの制御盤によって実現したが、これに限定されない。例えば、制御盤とは異なるコンピュータを別途接続したり、エレベータ制御サーバーを用いたりして判定部18c、光源制御部16および戸開制御部50の機能を実現してもよい。
【0085】
実施の形態4.
実施の形態4におけるエレベータの乗場1周辺の構成を説明する。
図12は実施の形態4におけるエレベータの乗場1周辺を示す図である。
図12に示すように、実施の形態4におけるエレベータの報知装置は、導光板5bの長手部8bが三方枠2よりも昇降路側かつ乗場ドアパネル4よりも乗場1側に乗場ドアハンガー10の長手方向に沿って左右方向に延びるように設けられ、導光板5cの長手部8cが乗場敷居20の下側に敷居溝21に沿って左右方向に延びるように設けられる点が実施の形態1と相違する。なお、実施の形態1と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。なお、
図12は、かご100が乗場1に到着した状態を示している。
【0086】
実施の形態4では、かご100は、かご本体11、かごドアパネル13、かごドアハンガー14、かご敷居22およびかごトーガード24を有する。また、乗場扉200は、乗場ドアパネル4、乗場ドアハンガー10、乗場敷居20および乗場トーガード23を有する。
【0087】
乗場トーガード23は乗場敷居20の下に設けられ、かごトーガード24はかご敷居22の下に設けられる。乗場トーガード23およびかごトーガード24は、かご100が着床するときに正規の着床位置からずれたとき、かご敷居22と乗場敷居20の間隔が広がることを防ぐために設けられる。
【0088】
導光板5bについて説明する。
図13は、実施の形態4におけるエレベータの乗場1周辺を三方枠2の上枠側から見た図である。
図14は
図13のB―B断面図である。また、
図12における紙面手前側が
図13における紙面下側、
図12における紙面奥側が
図13における紙面上側にそれぞれ対応している。
図13および
図14に示すように、導光板5bは、短手部6bと長手部8bを有し、短手部6bは光源15からの光が入射する端部7bを有する。
【0089】
短手部6bは、乗場ドアハンガー10の上部から乗場ドアハンガー10の三方枠2側の側面に延びるようなL字状の形状をしており、乗場ドアハンガー10の上部および乗場ドアハンガー10の三方枠2側の側面の2か所で固定されている。なお、乗場ドアハンガー10は、乗場扉200の構成要素の1つである。光源15から端部7bに入射した光は、短手部6bから長手部8bへ導光される。
【0090】
長手部8bは、三方枠2よりも昇降路側かつ乗場ドアパネル4よりも乗場1側に、乗場ドアハンガー10の長手方向に沿って左右方向に延びるように設けられる。すなわち、長手部8bは、
図12および
図13における紙面左右方向に、
図14における紙面手前方向に延びるように設けられる。長手部8bが三方枠2よりも昇降路側かつ乗場ドアパネル4よりも乗場1側に乗場ドアハンガー10の長手方向に沿って左右方向に延びるように設けられることによって、長手部8bから出射した光は三方枠2の上枠と乗場ドアパネル4との間の隙間から乗場1に照射される。これにより、光源15で発された光が乗場1で視認可能となる。
【0091】
次に、導光板5cについて説明する。
図15は、実施の形態4におけるエレベータの乗場1周辺を乗場敷居20の上側から見た図である。
図16は、
図15のC―C断面図である。また、
図12における紙面手前側が
図15における紙面下側、
図12における紙面奥側が
図15における紙面上側にそれぞれ対応している。
図15および
図16に示すように、導光板5cは短手部6cと長手部8cを有し、短手部6cは光源15からの光が入射する端部7cを有する。端部7cは光源15と対向するようにかごトーガード24に設けられる。なお、かごトーガード24は、かご100の構成要素の1つである。
【0092】
短手部6cは、導光板5bの短手部6bと略上下対称のL字状の形状をしており、乗場トーガード23に固定される。なお、乗場トーガード23は、乗場扉200の構成要素の1つである。光源15から端部7cに入射した光は、短手部6cから長手部8cへ導光される。
【0093】
長手部8cは、乗場敷居20の下側に、乗場敷居20が有する敷居溝21に沿って左右方向に延びるように設けられる。すなわち、長手部8cは、
図12および
図15における紙面左右方向に、
図16における紙面手前方向に延びるように設けられる。長手部8cが敷居溝21に沿って左右方向に延びるように設けられることによって、長手部8cから出射した光は乗場ドアパネル4と乗場敷居20との間の隙間から乗場1に照射される。これにより、光源15で発された光が乗場1で視認可能となる。また、敷居溝21から落下したごみやほこりが長手部8c上に堆積することを防ぐため、長手部8cは敷居溝21を完全には塞がないように設けられるのが好ましい。
【0094】
以上のように、実施の形態4におけるエレベータの報知装置は、導光板5bおよび導光板5cを備えることによって、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0095】
なお、実施の形態4では、乗場扉200の構成要素の1つである乗場ドアハンガー10に導光板5bを固定したが、乗場ドアパネル4の開閉を干渉しない場所であれば、乗場扉200のどこに導光板5bを固定してもよい。
【0096】
さらに、実施の形態4では、乗場扉200の構成要素の1つである乗場トーガード23に導光板5cを固定したが、乗場ドアパネル4の開閉を干渉しない場所であれば、乗場扉200のどこに導光板5cを固定してもよい。
【0097】
なお、実施の形態4では、三方枠2よりも昇降路側かつ乗場ドアパネル4よりも乗場1側に乗場ドアハンガー10の長手方向に沿って左右方向に延びるよう導光板5bを、乗場敷居20の下側に敷居溝21に沿って左右方向に延びるように導光板5cを、それぞれ設けたが、導光板5bまたは導光板5cのいずれか1つだけ設けてもよい。さらに、実施の形態1で説明した導光板5aと、実施の形態4で説明した導光板5bおよび/または導光板5cとを組み合わせて設けてもよい。なお、導光板5aと、導光板5bおよび/または導光板5cとを組み合わせて設ける場合、光源15も必要な数だけ設けておくとよい。
【0098】
なお、実施の形態4では、L字状の形状を有する短手部6bおよび乗場ドアハンガー10の長手方向に沿って左右方向に延びる長手部8bを有する導光板5b、並びに、L字状の形状を有する短手部6cおよび敷居溝21に沿って左右方向に延びる長手部8cを有する導光板5cを用いたが、光源15から発される光を乗場1に導光できれば導光板5bおよび導光板5cの形状はこれに限定されない。
【0099】
なお、実施の形態4では、実施の形態1において導光板5aの代わりに導光板5bおよび導光板5cを用いた例について説明したが、実施の形態2または実施の形態3において導光板5aの代わりに導光板5bおよび導光板5cを用いてもよい。
【0100】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
エレベータのかごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源と、
昇降路内の前記かごの移動方向における前記かごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器と、
前記検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する判定部と、
前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると前記判定部が判定した場合に、前記光源を点灯させる信号を前記光源に出力する光源制御部と、
を備えたエレベータの報知装置。
(付記2)
前記検出器は、前記位置検出器を含み、
前記判定部は、前記位置検出器によって検出された前記かごの位置が予め定められた区間内であるか否かを判定することにより、前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する
付記1に記載のエレベータの報知装置。
(付記3)
前記検出器は、前記タイマーを含み、
前記判定部は、前記タイマーによって計測された時間に基づいて、前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する
付記1に記載のエレベータの報知装置。
(付記4)
前記検出器は、前記位置検出器および前記タイマーを含み、
前記タイマーは、前記位置検出器によって検出された前記かごの位置が予め定められた区間内に入ったときから時間の計測を開始し、
前記判定部は、前記タイマーによって計測された時間に基づいて、前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定する
付記1に記載のエレベータの報知装置。
(付記5)
前記光源制御部は、前記乗場扉の戸開動作を制御する戸開制御部から戸開動作が完了したことを示す信号または戸開動作が開始することを示す信号を受信すると、前記光源の点灯のパターンを変更する信号を前記光源に出力する
付記1から4のいずれか一項に記載のエレベータの報知装置。
(付記6)
前記光源制御部は、前記光源の点灯のパターンを変更する信号として、前記光源の点灯を停止する信号を前記光源に出力する
付記5に記載のエレベータの報知装置。
(付記7)
前記乗場扉に設けられ、前記光源から発される光を前記乗場に導光する導光板を備えた
付記1から6のいずれか一項に記載のエレベータの報知装置。
(付記8)
前記導光板は、前記光源から発される光が入射する端部を有し、
前記端部は、前記光源に近づくほど断面積が大きくなるように形成された集光部を有する
付記7に記載のエレベータの報知装置。
(付記9)
前記導光板は、前記光源から発される光が入射する端部を有し、
前記端部は、前記かごの移動方向に延びている
付記7に記載のエレベータの報知装置
(付記10)
エレベータの昇降路内のかごの移動方向における前記かごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定部が判定する判定ステップと、
前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると前記判定部が判定した場合に、前記かごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源を点灯させる信号を光源制御部が前記光源に出力する光源点灯ステップと、
を備えるエレベータの報知方法。
(付記11)
エレベータの昇降路内のかごの移動方向における前記かごの位置を検出する位置検出器および時間を計測するタイマーの少なくとも一方を含む検出器の検出結果から、乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であるか否かを判定部が判定する判定ステップと、
前記乗場扉が戸開を開始するまでの残り時間が予め定められた時間以内であると前記判定部が判定した場合に、前記かごに設置され、乗場から視認できる光を発する光源を点灯させる信号を光源制御部が前記光源に出力する光源点灯ステップと、
をコンピュータに実行させるエレベータの報知プログラム。
【符号の説明】
【0101】
1 乗場
2 三方枠
3 開口部
4 乗場ドアパネル
5a、5b、5c 導光板
6a、6b、6c 短手部
7a、7b、7c 端部
8a、8b、8c 長手部
9 戸袋
10 乗場ドアハンガー
11 かご本体
12 開口部
13 かごドアパネル
14 かごドアハンガー
15 光源
16 光源制御部
18a、18b、18c 判定部
20 乗場敷居
21 敷居溝
22 かご敷居
23 乗場トーガード
24 かごトーガード
30 かご呼びボタン
31 位置表示灯
32 到着表示灯
40 バス
41 プロセッサ
42 メモリ
43 インタフェース
44 二次記憶装置
50 戸開制御部
51 位置検出器
52b、52c タイマー
53 記憶部
54 昇降制御部
100 かご
200 乗場扉