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特開2024-158113運転支援機能提案システム及び運転支援機能提案システムの提案方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158113
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】運転支援機能提案システム及び運転支援機能提案システムの提案方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20241031BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20241031BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241031BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241031BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/09 F
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073003
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】井上 久展
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 広矩
(72)【発明者】
【氏名】河野 陽大
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 寿文
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
5H181MC02
5H181MC20
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】不要な運転支援機能の提案によってドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制する。
【解決手段】複数のプローブ車両から位置情報を含む運転支援機能の作動履歴を取得し、作動履歴に基づいて設定された提案地点に提案対象車両が到達すると判定された場合に、提案対象車両のドライバーに対して提案地点に対応する運転支援機能の利用を提案する運転支援機能提案システムであって、提案地点における提案対象車両の運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値以上である場合には、当該運転支援機能の利用をドライバーに提案しない。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプローブ車両から位置情報を含む運転支援機能の作動履歴を取得し、前記作動履歴に基づいて設定された提案地点に提案対象車両が到達すると判定された場合に、前記提案対象車両のドライバーに対して前記提案地点に対応する前記運転支援機能の利用を提案する運転支援機能提案システムであって、
前記提案地点における前記提案対象車両の前記運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値以上である場合には、当該運転支援機能の利用を前記ドライバーに提案しない、運転支援機能提案システム。
【請求項2】
前記提案地点に到達すると判定された前記提案対象車両の方向指示器が点灯している場合には、前記運転支援機能の利用を前記ドライバーに提案しない、請求項1に記載の運転支援機能提案システム。
【請求項3】
前記提案地点に到達すると判定された前記提案対象車両の車速が車速閾値以上である場合には、前記運転支援機能の利用を前記ドライバーに提案しない、請求項1又は2に記載の運転支援機能提案システム。
【請求項4】
前記提案地点に到達すると判定された前記提案対象車両の車速が前記車速閾値以上である場合であっても、前記提案地点において提案後に前記ドライバーが前記運転支援機能の利用を開始する頻度である提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上であるときには、前記ドライバーに対して前記運転支援機能の利用を提案する、請求項3に記載の運転支援機能提案システム。
【請求項5】
前記提案対象車両に搭載されておらず前記提案対象車両がサーバからダウンロードで購入可能な前記運転支援機能である未搭載機能が存在する場合に、前記未搭載機能に関連付けられた前記提案地点に前記提案対象車両が位置すると判定されたとき、前記ドライバーに対して前記未搭載機能の購入を提案する、請求項1又は2に記載の運転支援機能提案システム。
【請求項6】
複数のプローブ車両から位置情報を含む運転支援機能の作動履歴を取得し、前記作動履歴に基づいて設定された提案地点に提案対象車両が到達すると判定された場合に、前記提案対象車両のドライバーに対して前記提案地点に対応する前記運転支援機能の利用を提案する運転支援機能提案システムの提案方法であって、
前記提案地点における前記提案対象車両の前記運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値以上である場合には、当該運転支援機能の利用を前記ドライバーに提案しない、運転支援機能提案システムの提案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援機能提案システム及び運転支援機能提案システムの提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転支援機能提案システムに関する技術文献として特開2019-74803号公報が知られている。この公報には、複数車両からビッグデータとして車両情報を取得し、車両が有する車両機能の利用を推奨する推奨走行状況を記憶しているサーバ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-74803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来のサーバ装置では、複数車両から取得したビッグデータに基づいて決められた推奨走行状況に車両の走行状況がなったときに、当該推奨走行状況に対応する車両機能を車両のドライバーに提案する。このため、車両機能の提案が車両のドライバーの嗜好に合致しない場合があり、不要な提案によってドライバが煩わしさを感じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、複数のプローブ車両から位置情報を含む運転支援機能の作動履歴を取得し、作動履歴に基づいて設定された提案地点に提案対象車両が到達すると判定された場合に、提案対象車両のドライバーに対して提案地点に対応する運転支援機能の利用を提案する運転支援機能提案システムであって、提案地点における提案対象車両の運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値以上である場合には、当該運転支援機能の利用をドライバーに提案しない。
【0006】
本発明の一態様に係る運転支援機能提案システムによれば、提案対象車両のドライバーは提案地点における運転支援機能の有用性を理解した上で運転支援機能を実行していないと考えられるため、不要な提案によってドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制することができる。
【0007】
上述の運転支援機能提案システムにおいて、提案地点に到達すると判定された提案対象車両の方向指示器が点灯している場合には、運転支援機能の利用をドライバーに提案しなくてもよい。
この運転支援機能提案システムによれば、提案対象車両の方向指示器が点灯している場合には、ドライバーが右折、左折、又は車線変更の運転操作を行おうと意識している状態であると考えられることから、運転支援機能の利用の提案を行わないことで提案がドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0008】
上述の運転支援機能提案システムにおいて、提案地点に到達すると判定された提案対象車両の車速が車速閾値以上である場合には、運転支援機能の利用をドライバーに提案しなくてもよい。
この運転支援機能提案システムによれば、提案対象車両の車速が高い場合にはドライバーが目的地への到着を急いでいる可能性があることから、運転支援機能の利用の提案を行わないことで提案がドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0009】
上述の運転支援機能提案システムにおいて、提案地点に到達すると判定された提案対象車両の車速が車速閾値以上である場合であっても、提案地点において提案後にドライバーが運転支援機能の利用を開始する頻度である提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上であるときには、ドライバーに対して運転支援機能の利用を提案してもよい。
この運転支援機能提案システムによれば、ドライバーが目的地への到着を急いでいたとしても、ドライバーが運転支援機能の提案に頼っていると考えられることから、ドライバーが運転支援機能の利用の提案を煩わしいと感じない可能性が高いため、提案を行うことで運転支援機能の利用の促進を図ることができる。
【0010】
上述の運転支援機能提案システムにおいて、提案対象車両に搭載されておらず提案対象車両がサーバからダウンロードで購入可能な運転支援機能である未搭載機能が存在する場合に、未搭載機能に関連付けられた提案地点に提案対象車両が位置すると判定されたとき、ドライバーに対して未搭載機能の購入を提案してもよい。
この運転支援機能提案システムによれば、運転支援機能の購入のメリットを具体的にイメージできる提案地点においてドライバーに未搭載機能の購入を提案することができる。
【0011】
本発明の他の態様は、複数のプローブ車両から位置情報を含む運転支援機能の作動履歴を取得し、作動履歴に基づいて設定された提案地点に提案対象車両が到達すると判定された場合に、提案対象車両のドライバーに対して提案地点に対応する運転支援機能の利用を提案する運転支援機能提案システムの提案方法であって、提案地点における提案対象車両の運転支援機能の利用頻度が自車利用判定閾値以上である場合には、当該運転支援機能の利用をドライバーに提案しない。
【0012】
本発明の他の態様に係る運転支援機能提案システムの提案方法によれば、ドライバーは提案地点における運転支援機能の有用性を理解した上で運転支援機能を実行していないと考えられるため、不要な提案によってドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、不要な運転支援機能の提案によってドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る運転支援機能提案システムのサーバを示すブロック図である。
図2】サーバの構成の一例を示すブロック図である。
図3】提案対象車両の構成の一例を示すブロック図である。
図4】ドライバーに対する運転支援機能の利用の提案の一例を説明するための図である。
図5】運転支援機能提案システムの提案地点設定処理の一例を示すフローチャートである。
図6】運転支援機能提案システムの運転支援機能提案処理の一例を示すフローチャートである。
図7】運転支援機能提案処理に追加可能な追加判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、一実施形態に係る運転支援機能提案システム100のサーバ10を示すブロック図である。図1に示すように、運転支援機能提案システム100は、プローブ車両2及び提案対象車両3と通信可能に接続されたサーバ10を備えている。運転支援機能提案システム100は、プローブ車両2から収集した情報(ビッグデータ)を用いることで提案対象車両3のドライバーに対して運転支援機能の利用を提案するシステムである。
【0017】
運転支援機能提案システム100では、ネットワークNを介して複数のプローブ車両2(プローブ車両2A~2Z)及び提案対象車両3がサーバ10と通信可能に接続されている。ネットワークNは、インターネットなどの無線通信ネットワークである。
【0018】
運転支援機能は、ドライバーの運転操作を支援する機能である。運転支援機能には、例えばADAS[Advanced Driver Assistance Systems]に関する機能が含まれる。運転支援機能には、ACC[Adaptive Cruise Control]、LKA[Lane Keeping Assist]、自動追越機能、自動合流機能、衝突軽減ブレーキ(例えばプリクラッシュセーフティー)、後側方警戒機能(例えばブラインドスポットモニタ)、夜間暗視機能(例えばナイトビュー)、標識認識機能(例えばロードサインアシスト)、ドライバー異常時停車支援、ドライバー異常時対応機能、ヘッドライト自動調整支援(例えばアダプティブフロントライティング)、駐車支援(例えばインテリジェントパーキングアシスト)、車線変更支援、障害物に対する減速及び操舵の支援(例えばプロアクティブドライビングアシスト)、先行車発進告知機能(例えば先行車発進アラーム)、交差車両告知機能(例えばフロントクロストラフィックアラート)、減速支援機能、ヘッドランプ配光制御、駐車支援、死角支援、踏み間違い防止、逆走防止などのうち少なくとも一つが含まれていてもよい。減速支援機能は、交差点、ラウンドアバウト、緊急減速多発地点などの減速が必要となる箇所に対して実行される。ヘッドランプ配光制御には、ヘッドランプのオンオフの自動切り替え、ハイビームとロービームとの自動切り替え、及びスポット配光などのうち少なくとも一つが含まれる。運転支援機能には、複数の機能が組み合わされたパッケージ(例えばアドバンスドドライブ)が含まれていてもよい。
【0019】
プローブ車両2は、車両の運転支援機能の提案に関する情報収集の対象となる車両である。プローブ車両2は、完全自動運転車両ではなく、ドライバーが運転操作を行う車両である。プローブ車両2は、同一の構成を有する車両である必要はなく、車種などが異なっていてもよい。プローブ車両2は、GNSS[Global Navigation Satellite System]などにより地図上の車両の位置情報を認識する機能を有している。また、プローブ車両2は、各種の運転支援機能と各運転支援機能の作動履歴を記憶する機能を有している。
【0020】
作動履歴は、プローブ車両2の位置情報と関連付けて取得される。作動履歴には、運転支援機能の作動開始位置と作動終了位置が含まれる。また、作動履歴には、運転支援機能の利用時間が含まれる。作動履歴は、運転支援機能の種類ごとに取得される。
【0021】
プローブ車両2は、運転支援機能の作動履歴を含む各種の車両情報をサーバ10に送信する。車両情報には、プローブ車両2を個別に認識するための識別ID[identification]が含まれてもよい。識別IDには、プローブ車両2の車種、利用可能な運転支援機能などの情報が関連付けられていてもよい。なお、サーバ10と接続されるプローブ車両2の台数は特に限定されない。プローブ車両2は一台であってもよく、十台であってもよく、百台以上であってもよい。プローブ車両2は情報収集専用の車両に限定されず、情報提供に同意した一般の車両が含まれていてもよい。プローブ車両2は一般の車両のみから構成されていてもよい。
【0022】
提案対象車両3とは、運転支援機能の提案対象となる車両であって、運転支援機能の提案サービスをドライバーが許可している車両である。提案対象車両3は、運転支援機能を利用可能であれば車種は特に限定されない。サーバ10に接続された提案対象車両3は一台であってもよく、十台であってもよく、百台以上であってもよい。なお、提案対象車両3は、プローブ車両2を兼ねていてもよい。提案対象車両3は、サーバ10から新たな運転支援機能を購入してダウンロード可能な車両であってもよい。
【0023】
運転支援機能提案システム100は、提案対象車両3から位置情報を含む提案対象車両情報を取得している。運転支援機能提案システム100は、提案対象車両3の位置に応じて提案対象車両3のドライバーに運転支援機能の利用を提案する。
【0024】
[サーバの構成]
以下、運転支援機能提案システム100のサーバ10の構成について図2を参照して説明する。図2は、サーバの構成の一例を示すブロック図である。サーバ10は、例えば情報管理センターなどの施設に設けられている。お、サーバ10は、必ずしも施設に設けられている必要はなく、車両、船舶などの移動体に搭載されていてもよい。サーバ10は、クラウド上に形成されていてもよい。サーバ10は、複数台のサーバコンピュータから構成されていてもよい。
【0025】
図2に示すように、サーバ10は、プロセッサ11、記憶部12、通信部13及びユーザインターフェース14を備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
【0026】
プロセッサ11は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてサーバ10を制御する。プロセッサ11は、制御装置、演算装置、レジスタなどを含むCPU[Central Processing Unit]などの演算器である。プロセッサ11は、記憶部12、通信部13及びユーザインターフェース14を統括する。記憶部12は、メモリ及びストレージのうち少なくとも一方を含んで構成されている。メモリは、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]などの記録媒体である。ストレージは、HDD[Hard Disk Drive]などの記録媒体である。
【0027】
通信部13は、ネットワークNを介した通信を行うための通信機器である。通信部13には、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードなどを用いることができる。ユーザインターフェース14は、ディスプレイ、スピーカなどの出力器、及び、タッチパネルなどの入力器を含む機器である。
【0028】
サーバ10は、作動履歴データベース15と接続されている。作動履歴データベース15は、プローブ車両2から取得した運転支援機能の作動履歴を記憶するデータベースである。作動履歴データベース15は、作動履歴に加えてプローブ車両2の識別IDなどの各種情報が記憶されていてもよい。作動履歴データベース15は、周知のデータベースと同様の構成とすることができる。
【0029】
次に、プロセッサ11の機能的構成について説明する。図3に示すように、プロセッサ11は、作動履歴取得部11a、提案地点設定部11b、提案対象車両情報取得部11c、及び運転支援機能提案部11dを有している。なお、プロセッサ11の機能の一部は、提案対象車両3において実行される態様であってもよい。
【0030】
作動履歴取得部11aは、プローブ車両2から送信された運転支援機能の作動履歴を取得する。作動履歴取得部11aは、運転支援機能の作動履歴を作動履歴データベース15に記憶させる。作動履歴取得部11aは、プローブ車両2の作動させた運転支援機能の種類、運転支援機能の利用時間、及び運転支援機能の利用区間などのデータ分類を経て作動履歴データベース15に記憶させてもよい。
【0031】
提案地点設定部11bは、作動履歴データベース15に記憶されたプローブ車両2の作動履歴に基づいて提案地点を設定する。提案地点とは、運転支援機能の利用の提案に用いられる地図上の地点である。提案地点は運転支援機能の種類ごとに設定される。提案地点は道路の進行方向を区別して設定されてもよく、車線ごとに設定されてもよい。
【0032】
具体的に、提案地点設定部11bは、作動履歴に基づいて、プローブ車両2の運転支援機能の利用頻度が頻度判定閾値以上となる候補地点が存在するか否かを判定する。利用頻度は、当該地点を通過したプローブ車両2のうち運転支援機能を利用したプローブ車両2の台数に対応する。利用頻度は、運転支援機能の種類ごとに求められる。
【0033】
候補地点は、提案地点の候補となる地点である。候補地点は、道路の接続地点やカーブの開始地点、交差点の入口地点、渋滞が生じやすい地点などに絞り込まれていてもよく、作動履歴に基づいて運転支援機能の利用開始の頻度が高い地点に統計的に絞り込まれていてもよい。頻度判定閾値は予め設定された値の閾値である。頻度判定閾値は運転支援機能の種類ごとに異なる値が設定されていてもよい。以下、本実施形態で説明する閾値は予め設定された値を持つ閾値を意味する。
【0034】
なお、利用頻度の算出には、運転支援機能の種類に応じた条件が加えられてもよい。提案地点設定部11bは、例えば夜間暗視機能の場合は、夜間に限定した利用頻度を用いて候補地点の判定を行ってもよい。
【0035】
提案地点設定部11bは、上述した候補地点が存在すると判定した場合、候補地点におけるプローブ車両2の運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上であるか否かを判定する。運転支援機能の平均利用時間とは、提案地点で利用されていた運転支援機能が継続して利用された時間の平均値である。所定時間は運転支援機能の種類ごとに異なる値が設定されてもよい。提案地点設定部11bは、運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上である候補地点を提案地点として設定する。
【0036】
その他、提案地点設定部11bは、運転支援機能の利用頻度が頻度判定閾値以上であり、且つ、運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上である道路を提案対象道路として設定してもよい。提案地点設定部11bは、他の道路などから提案対象道路に入る入口地点を提案地点として設定してもよい。提案対象は、道路ではなく交差点であってもよい。提案地点の設定方法は上述した内容に限定されない。なお、サーバ10は必ずしも提案地点設定部11bを有する必要はない。提案地点は運転支援機能提案システム100を構成しない他のサーバにおいて設定されてもよい。
【0037】
提案対象車両情報取得部11cは、提案対象車両3から送信された提案対象車両情報を取得する。提案対象車両情報には、提案対象車両3の識別ID及び位置情報が含まれる。提案対象車両情報には、提案対象車両3に搭載されている運転支援機能の情報が含まれる。提案対象車両情報には、提案対象車両3の位置情報に関連付けられた運転支援機能の作動履歴も含まれる。提案対象車両情報には、ドライバーの運転傾向が含まれていてもよく、運転支援機能に対するドライバーの嗜好に関するドライバー嗜好情報が含まれていてもよい。提案対象車両情報には、提案対象車両3の車種情報が含まれていてもよい。
【0038】
運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3のドライバーに対する運転支援機能の利用の提案を行う。なお、運転支援機能提案部11dは、現時点で既に利用中の運転支援機能については利用の提案を行わない。運転支援機能提案部11dは、システム判断で自動的に利用を開始することをドライバーに許可されている運転支援機能についても利用の提案を行わない。また、運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3が自動運転を行なっており、ドライバーが運転していない場合には運転支援機能の利用の提案を行わない。
【0039】
運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3の位置情報と提案地点設定部11bの設定した提案地点とに基づいて、提案対象車両3が提案地点に到達するか否かを判定する。運転支援機能提案部11dは、例えば、提案地点と提案対象車両3との距離が距離閾値未満となった場合に、提案対象車両3が提案地点に到達すると判定する。運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3が提案地点に至るまでの残り時間が残り時間閾値未満となった場合に、提案対象車両3が提案地点に到達すると判定してもよい。距離閾値及び残り時間閾値は、提案地点に関連付けられた運転支援機能の種類に応じて異なる値が設定されていてもよい。
【0040】
運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3が提案地点に到達すると判定された場合、提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に未搭載であるか否かを判定する。運転支援機能提案部11dは、提案地点に対応する運転支援機能と提案対象車両3に搭載されている運転支援機能との比較により上記判定を行う。
【0041】
運転支援機能提案部11dは、提案地点の運転支援機能が未搭載であると判定された場合、提案地点の運転支援機能は提案対象車両3がサーバ10からダウンロードで購入可能な未搭載機能であるか否かを判定してもよい。運転支援機能提案部11dは、予め記憶されたダウンロード販売可能な運転支援機能のリストと提案対象車両3の識別IDに紐付いたダウンロードにより搭載可能な運転支援機能とに基づいて上記判定を行う。なお、運転支援機能を販売するサーバは、サーバ10に限らず、異なるサーバであってもよい。
【0042】
運転支援機能提案部11dは、提案地点の運転支援機能がダウンロードで購入可能な未搭載機能であると判定した場合、提案対象車両3のドライバーに対して未搭載機能の購入を提案してもよい。運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3に対して購入提案情報を送信することで、提案対象車両3のディスプレイやスピーカなどを通じてドライバーに未搭載機能の購入の提案を行う。これにより、運転支援機能の購入のメリットを具体的にイメージできる提案地点においてドライバーに未搭載機能の購入を提案することができる。
【0043】
運転支援機能提案部11dは、提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に搭載されていると判定された場合、提案地点における提案対象車両3の運転支援機能の事前利用頻度が提案不要閾値以上であるか否かを判定する。
【0044】
事前利用頻度は、提案対象車両3が提案地点を通過した回数のうち提案対象車両3が運転支援機能(提案地点に関連付けられた運転支援機能)を予め利用していた回数の割合に対応する。提案不要閾値は、例えばドライバーが提案地点における運転支援機能の有用性を理解した上で今回は運転支援機能を利用していないため提案不要と判定できる値に設定される。事前利用頻度は、一定期間ごとに更新されてもよい。
【0045】
運転支援機能提案部11dは、事前利用頻度に変えて事前利用回数を用いてもよい。運転支援機能提案部11dは、提案地点における提案対象車両3の運転支援機能の事前利用回数が提案不要閾値未満であるか否かを判定する。事前利用回数とは、提案地点の通過時に提案対象車両3が運転支援機能(提案地点に関連付けられた運転支援機能)を予め利用していた回数である。事前利用回数は、一定期間ごとに更新されてもよい。事前利用頻度と事前利用回数の両方を用いる場合、それぞれに対応する提案不要閾値の値は異なることになる。
【0046】
運転支援機能提案部11dは、提案地点における提案対象車両3の運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値以上であると判定した場合、ドライバーが提案地点における運転支援機能の有用性を理解した上で今回は運転支援機能を実行していない可能性が高いことから、提案対象車両3のドライバーに運転支援機能の利用の提案を行わない。これによりドライバーにとって不要な提案を行うことを抑制できる。
【0047】
なお、運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3がドライバーの個人認証機能を有する場合には、提案対象車両情報としてドライバーの個人認証情報を取得し、ドライバーごとに運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数をカウントしてもよい。
【0048】
運転支援機能提案部11dは、提案地点における提案対象車両3の運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値未満ではないと判定した場合、提案対象車両3のドライバーに対する運転支援機能の利用の提案を行う。運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3に対して提案情報を送信することで、提案対象車両3のディスプレイやスピーカなどを通じてドライバーに運転支援機能の利用の提案を行う。
【0049】
運転支援機能提案部11dは、プローブ車両2による当該提案地点における運転支援機能の利用頻度又は利用台数をドライバーに通知してもよい。利用頻度とは、プローブ車両2による提案地点の通過回数のうち運転支援機能(提案地点と関連付けられた運転支援機能)の利用回数の割合に対応する。利用台数とは、提案地点の通過時に案地点と関連付けられた運転支援機能を利用していたプローブ車両2の台数である。利用頻度及び利用台数は一定期間ごとに更新されてもよい。このように、運転支援機能の利用頻度及び利用台数を具体的に伝えることで提案対象車両3のドライバーが運転支援機能の利用を試すハードルを下げることができる。
【0050】
なお、運転支援機能提案部11dは、天気、昼夜の区別、提案対象車両3の周囲の渋滞状況などに基づいて、運転支援機能の提案判定を行ってもよい。運転支援機能提案部11dは、運転支援機能の種類に応じて条件を変更してもよい。運転支援機能提案部11dは、提案地点に関連付けられた運転支援機能が夜間暗視機能の場合には、昼夜の区別が夜間であると判定されたときにドライバーに対して利用の提案を行ってもよい。
【0051】
運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3の車速及び方向指示器の点灯などに基づいて、運転支援機能の提案判定を行ってもよい。運転支援機能提案部11dは、提案地点に到達すると判定された提案対象車両3の方向指示器が点灯している場合には、運転支援機能の利用をドライバーに提案しなくてもよい。提案対象車両3の方向指示器が点灯している場合には、ドライバーが右折、左折、又は車線変更の運転操作を行おうと意識している状態であると考えられることから、運転支援機能の利用の提案を行わないことで提案がドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0052】
なお、運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3の方向指示器が点灯している場合であっても、運転支援機能の種類によっては利用の提案を行ってもよい。運転支援機能提案部11dは、例えば左側通行の国又は地域において交差点を右折するときには、交差車両告知機能について利用の提案を行ってもよい。運転支援機能提案部11dは、右側通行の国又は地域においては、交差点を左折するときに交差車両告知機能について利用の提案を行ってもよい。
【0053】
運転支援機能提案部11dは、提案地点に到達すると判定された提案対象車両3の車速が車速閾値以上である場合には、運転支援機能の利用をドライバーに提案しない態様であってもよい。
【0054】
車速閾値は提案地点に応じて異なる値が設定されていてもよい。車速閾値は自動車専用道路と一般道路で異なる値が設定されていてもよい。車速閾値は提案対象車両3のドライバーの運転履歴に基づいてドライバーが急いでいることを判定するために適切な値が設定されてもよい。車速閾値はドライバーの平均車速に所定値を加えた値として設定されてもよい。提案対象車両3の車速が高い場合にはドライバーが目的地への到着を急いでいる可能性があることから、運転支援機能の利用の提案を行わないことで提案がドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0055】
なお、運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3の車速が車速閾値以上であっても、提案地点において提案後にドライバーが運転支援機能の利用を開始する頻度である提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上である場合には、運転支援機能の利用の提案を行ってもよい。提案依存閾値の値は特に限定されない。提案依存閾値にはドライバーが運転支援機能の利用の提案に頼っていることを判定するために適切な値が設定されてもよい。
【0056】
提案後支援開始頻度とは、提案地点において提案対象車両3のドライバーに運転支援機能の利用の提案を行った回数のうち提案後にドライバーが運転支援機能の利用を開始した回数である。これにより、ドライバーが運転支援機能の提案に頼っている頻度が高い場合にはドライバーが提案を煩わしいと感じない可能性が高いため、提案を行うことで運転支援機能の利用の促進を図ることができる。なお、運転支援機能提案部11dは、提案対象車両情報としてドライバーの個人認証情報を取得している場合には、ドライバーごとに提案後支援開始頻度を算出してもよい。
【0057】
[提案対象車両の構成]
次に、提案対象車両3の構成の一例について図3を参照して説明する。図3は、提案対象車両3の構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図3に示すように、提案対象車両3は、ECU[Electronic Control Unit]30を備えている。ECU30は、CPU、ROM、RAMなどを有する電子制御ユニットである。ECU30では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU30は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0059】
ECU30は、GNSS[Global Navigation Satellite System]受信部21、外部センサ22、内部センサ23、地図データベース24、通信部25、HMI[Human Machine Interface]26、及び、アクチュエータ27と接続されている。
【0060】
GNSS受信部21は、3個以上の測位衛星から信号を受信することにより、提案対象車両3の位置(例えば提案対象車両3の緯度及び経度)を測定する。GNSS受信部21は、測定した提案対象車両3の位置情報をECU30へ送信する。GNSS受信部21は、GPS[Global Positioning System]受信部であってもよい。
【0061】
外部センサ22は、提案対象車両3の外部環境を検出する検出機器である。外部センサ22は、カメラ、レーダセンサのうち少なくとも一つを含む。カメラは、提案対象車両3の外部環境を撮像する撮像機器である。レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して提案対象車両3の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。
【0062】
内部センサ23は、提案対象車両3の車両状態を検出する検出機器である。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。内部センサ23は、提案対象車両3の方向指示器の点灯の有無を検出する方向指示器検出部を含んでいてもよい。内部センサ23は、ドライバーの運転操作(操舵、アクセル操作、ブレーキ操作、シフトレバー操作など)を検出する運転操作検出部を含んでいてもよい。内部センサ23は、各種の運転支援機能のオンオフ状態を検出してもよい。
【0063】
地図データベース24は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース24は、例えば、提案対象車両3に搭載されたHDDなどの記憶装置内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、道路形状の情報(例えば曲率情報)、交差点及び分岐点の位置情報などが含まれる。地図情報には、位置情報と関連付けられた法定速度などの交通規制情報が含まれていてもよい。
【0064】
通信部25は、提案対象車両3の外部との無線通信を制御する通信デバイスである。通信部25は、ネットワークNを介してサーバ10と各種情報の送信及び受信を行う。通信部25は、ECU30からの信号に応じて各種情報をサーバ10に送信する。
【0065】
HMI26は、ECU30とドライバーとの間で情報の入出力を行うためのインターフェイスである。HMI26は、例えば、車室内に設けられたディスプレイ、スピーカなどを備えている。HMI26は、ECU30からの制御信号に応じて、ディスプレイの画像出力及びスピーカからの音声出力を行う。ディスプレイは、HUD[Head Up Display]であってもよく、ECU30と通信接続されたドライバーの携帯端末のディスプレイであってもよい。
【0066】
アクチュエータ27は、提案対象車両3の制御に用いられる機器である。アクチュエータ27は、エンジン出力又はモータ出力を制御する駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを含んでいる。アクチュエータ27は、ECU30からの制御信号に応じて提案対象車両3の走行を制御することで各種の運転支援機能を実行する。
【0067】
次に、ECU30の機能的構成について説明する。図3に示すように、ECU30は、車両位置認識部31、車両情報送信部32、提案部33、及び運転支援実行部34を有している。
【0068】
車両位置認識部31は、GNSS受信部21の位置情報及び地図データベース24の地図情報に基づいて、提案対象車両3の地図上の位置を認識する。車両位置認識部31は、地図データベース24の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び外部センサ22の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により提案対象車両3の地図上の位置を認識してもよい。車両位置認識部31は、その他の周知の手法により提案対象車両3の地図上の位置を認識してもよい。
【0069】
車両情報送信部32は、提案対象車両3の位置情報を含む各種の情報を提案対象車両情報としてサーバ10に送信する。提案対象車両情報には、提案対象車両3の識別IDも含まれる。提案対象車両情報には、位置情報に関連付けられた運転支援機能の作動履歴も含まれる。提案対象車両情報には、提案対象車両3の車速情報が含まれてもよく、方向指示器の点灯情報が含まれてもよい。提案対象車両情報には、提案後にドライバーが運転支援機能の利用を開始した提案後支援開始頻度の情報が含まれていてもよい。車両情報送信部32は、その他、必要な情報をサーバ10に送信する。
【0070】
提案部33は、サーバ10からの指示に基づいて、ドライバーに運転支援機能の利用の提案を行う。提案部33は、HMI26に制御信号を送信することでディスプレイ、スピーカなどによりドライバーへ運転支援機能の利用の提案を行う。
【0071】
図4は、ドライバーに対する運転支援機能の利用の提案の一例を説明するための図である。図4に示すように、提案部33は、例えば音声又はテキスト表示によって、提案地点を含む道路について多くのドライバーが平均して5分以上のAdvanced Drive(アドバンスドドライブ)を起動することを提案対象車両3のドライバーに提案する。なお、例示しているAdvanced Driveは、複数の運転支援機能のうち幾つかをパッケージとして含むものである。運転支援機能の利用の提案には、パッケージとしての提案も含まれる。
【0072】
提案部33は、音声認識機能を有していてもよい。提案部33は、HMI26のマイクを介してドライバーの運転支援機能の利用の指示を音声認識した場合、当該運転支援機能を起動してもよい。
【0073】
運転支援実行部34は、提案対象車両3の運転支援機能を実行する。運転支援実行部34は、HMI26又はアクチュエータ27に制御信号を送信することによって、各種の運転支援機能を実行する。運転支援機能の実行については、詳細な説明を省略する。
【0074】
なお、運転支援機能提案システム100は、サーバ10の運転支援機能提案部11dの機能のうち少なくとも一部を提案対象車両3側で行わせてもよい。提案対象車両3の提案部33は、サーバ10から提案地点に関する情報を取得することで、提案対象車両3が提案地点に到達するか否かを判定してもよい。提案部33は、提案地点に関連付けられた運転支援機能に基づいて、提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に未搭載であるか否かを判定してもよい。提案部33は、サーバ10との通信により、提案地点の運転支援機能は提案対象車両3がサーバ10からダウンロードで購入可能な未搭載機能であるか否かを判定してもよい。提案部33は、提案地点の運転支援機能がダウンロードで購入可能な未搭載機能であると判定した場合、提案対象車両3のドライバーに対して未搭載機能の購入を提案してもよい。
【0075】
また、提案部33は、提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に搭載されていると判定した場合、提案地点における提案対象車両3の運転支援機能の事前利用頻度が提案不要閾値未満であるか否かを判定してもよい。提案部33は、運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値未満ではないと判定した場合に、提案対象車両3のドライバーに運転支援機能の利用の提案を行い、運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値未満であると判定した場合に、提案対象車両3のドライバーに運転支援機能の利用の提案を行わなくてもよい。その他、提案部33は、運転支援機能提案部11dの全ての機能を実行可能であってもよい。運転支援機能提案システム100は、上述した運転支援機能提案部11dの全ての機能を提案部33が実行可能である場合には、サーバ10が運転支援機能提案部11dを有する必要はない。
【0076】
[運転支援機能提案システムの処理]
次に、本実施形態における運転支援機能提案システム100の処理について図面を参照して説明する。図5は、運転支援機能提案システム100の提案地点設定処理の一例を示すフローチャートである。提案地点設定処理は、例えばサーバ10において定期的に実行される。
【0077】
図5に示すように、運転支援機能提案システム100のサーバ10は、S10として、作動履歴取得部11aによりプローブ車両2の運転支援機能の作動履歴を取得する。作動履歴取得部11aは、例えばプローブ車両2の作動させた運転支援機能の種類、運転支援機能の利用時間、及び運転支援機能の利用区間を認識する。その後、サーバ10はS11に移行する。
【0078】
S11において、サーバ10は、提案地点設定部11bによりプローブ車両2の運転支援機能の利用頻度が頻度判定閾値以上となる候補地点が存在するか否かを判定する。サーバ10は、候補地点が存在すると判定された場合、S12に移行する。サーバ10は、候補地点が存在すると判定されなかった場合、提案地点設定処理を終了する。
【0079】
S12において、サーバ10は、提案地点設定部11bにより候補地点におけるプローブ車両2の運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上であるか否かを判定する。サーバ10は、運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上であると判定された場合、S13に移行する。サーバ10は、運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上であると判定されなかった場合、提案地点設定処理を終了する。
【0080】
S13において、サーバ10は、提案地点設定部11bにより候補地点を提案地点として設定する。提案地点設定部11bは、運転支援機能の平均利用時間が所定時間以上である候補地点を提案地点として設定する。その後、サーバ10は、提案地点設定処理を終了する。なお、提案地点は、一定期間ごとに再判定され、S11及びS12の条件を満たさない場合には削除されてもよい。
【0081】
図6は、運転支援機能提案システム100の運転支援機能提案処理(運転支援機能の提案方法)の一例を示すフローチャートである。運転支援機能提案処理は、提案対象車両3において運転支援機能の提案サービスをドライバーが許可している場合に実行される。運転支援機能提案処理は、例えば一定時間ごとに繰り返し実行される。
【0082】
図6に示すように、サーバ10は、S20として、運転支援機能提案部11dにより提案対象車両3が提案地点に到達するか否かを判定する。運転支援機能提案部11dは、例えば、提案地点と提案対象車両3との距離が距離閾値未満となった場合に、提案対象車両3が提案地点に到達すると判定する。サーバ10は、提案対象車両3が提案地点に到達すると判定された場合、S21に移行する。サーバ10は、提案対象車両3が提案地点に到達すると判定されなかった場合、運転支援機能提案処理を終了する。
【0083】
S21において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に未搭載である否かを判定する。サーバ10は、提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に未搭載であると判定された場合、S22に移行する。サーバ10は、提案地点の運転支援機能が提案対象車両3に未搭載であると判定されなかった場合、S24に移行する。
【0084】
S22において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案地点の運転支援機能は提案対象車両3がサーバ10からダウンロードで購入可能な未搭載機能であるか否かを判定する。サーバ10は、ダウンロードで購入可能な未搭載機能であると判定した場合、S23に移行する。サーバ10は、ダウンロードで購入可能な未搭載機能であると判定されなかった場合、運転支援機能提案処理を終了する。
【0085】
S24において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案地点における提案対象車両3の運転支援機能の事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値未満であるか否かを判定する。サーバ10は、事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値未満であると判定された場合、S25に移行する。サーバ10は、事前利用頻度又は事前利用回数が提案不要閾値未満ではないと判定された場合、運転支援機能提案処理を終了する。
【0086】
S25において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案対象車両3のドライバーに対する運転支援機能の利用の提案を行う。運転支援機能提案部11dは、提案対象車両3に対して提案情報を送信することで、提案対象車両3のHMI26を通じてドライバーに運転支援機能の利用の提案を行う。その後、サーバ10は運転支援機能提案処理を終了する。
【0087】
図7は、運転支援機能提案処理に追加可能な追加判定処理の一例を示すフローチャートである。運転支援機能提案システム100のサーバ10は、例えば図6のS25の処理に代えて、図7に示すフローチャートの追加判定処理を実行することができる。
【0088】
図7に示すように、サーバ10は、S30として、運転支援機能提案部11dにより提案対象車両3の方向指示器が点灯しているか否かを判定する。サーバ10は、提案対象車両3の方向指示器が点灯していると判定された場合、追加判定処理を含む運転支援機能提案処理を終了する。サーバ10は、提案対象車両3の方向指示器が点灯していないと判定された場合、S31に移行する。
【0089】
S31において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案対象車両3の車速が車速閾値未満であるか否かを判定する。サーバ10は、提案対象車両3の車速が車速閾値未満であると判定された場合、S33に移行する。サーバ10は、提案対象車両3の車速が車速閾値未満ではないと判定された場合、S32に移行する。
【0090】
S32において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案地点における提案対象車両3の提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上であるか否かを判定する。サーバ10は、提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上であると判定された場合、S33に移行する。サーバ10は、提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上ではないと判定された場合、追加判定処理を含む運転支援機能提案処理を終了する。
【0091】
S33において、サーバ10は、運転支援機能提案部11dにより提案対象車両3のドライバーに対する運転支援機能の利用の提案を行う。その後、サーバ10は運転支援機能提案処理を終了する。
【0092】
以上説明した本実施形態に係る運転支援機能提案システム100及び運転支援機能提案システム100の運転支援機能提案方法によれば、提案対象車両3のドライバーは提案地点における運転支援機能の有用性を理解した上で運転支援機能を実行していないと考えられるため、不要な提案によってドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制することができる。
【0093】
また、運転支援機能提案システム100では、提案対象車両3の方向指示器が点灯している場合には、ドライバーが右折、左折、又は車線変更の運転操作を行おうと意識している状態であると考えられることから、運転支援機能の利用の提案を行わないことで提案がドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0094】
更に、運転支援機能提案システム100では、提案対象車両3の車速が高い場合にはドライバーが目的地への到着を急いでいる可能性があることから、車速が車速閾値以上であるときには運転支援機能の利用の提案を行わないことで提案がドライバーに煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0095】
また、運転支援機能提案システム100では、提案対象車両の車速が車速閾値以上である場合であっても、提案地点における提案後支援開始頻度が提案依存閾値以上であるときには、ドライバーが運転支援機能の提案に頼っていると考えられることから、ドライバーが運転支援機能の利用の提案を煩わしいと感じない可能性が高いため、提案を行うことで運転支援機能の利用の促進を図ることができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0097】
運転支援機能提案システム100は、必ずしも未搭載機能の判定及び未搭載機能の購入の提案を行う必要はない。提案地点を設定するサーバと運転支援機能の利用の提案を行うサーバは別々であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
2…プローブ車両、3…提案対象車両、10…サーバ、11…プロセッサ、11a…作動履歴取得部、11b…提案地点設定部、11c…提案対象車両情報取得部、11d…運転支援機能提案部、100…運転支援機能提案システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7