(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158124
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】端子構造
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241031BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073063
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】西尾 駿
(57)【要約】
【課題】端子間のクリアランスを抑制し、安定したレーザ溶接品質を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】各外部端子30は、各リード端子12と溶接されかつ各リード端子12側へ行く程下方に位置するように傾斜する溶接部33と、外部機器と接続される外部機器接続部32と、溶接部33と外部機器接続部32との間に設けられかつ溶接部33が各リード端子12と接触した状態で変形する変形部31とを有し、ケース部14がコア11の外周側に配置された状態で、各変形部31が変形することで各溶接部33は各リード端子12を上方から押し付けている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリード端子を有するコアと前記コアの外周側に配置されかつ複数の外部端子を有するケース部とで構成された半導体装置の組み立て時に、レーザによって各前記リード端子と各前記外部端子とが溶接される端子構造であって、
各前記外部端子は、各前記リード端子と溶接されかつ各前記リード端子側へ行く程下方に位置するように傾斜する溶接部と、外部機器と接続される外部機器接続部と、前記溶接部と前記外部機器接続部との間に設けられかつ前記溶接部が各前記リード端子と接触した状態で変形する変形部とを有し、
前記ケース部が前記コアの外周側に配置された状態で、各前記変形部が変形することで各前記溶接部は各前記リード端子を上方から押し付けている、端子構造。
【請求項2】
各前記溶接部と各前記外部機器接続部との間の角度は90度以上である、請求項1に記載の端子構造。
【請求項3】
各前記変形部は、下方に突出するV字形状を有する板ばねにより構成されている、請求項2に記載の端子構造。
【請求項4】
各前記変形部は、各前記溶接部よりも厚みが薄くなるように、各前記変形部の上面側には下方に凹む凹部が設けられている、請求項2に記載の端子構造。
【請求項5】
前記凹部の角部はR面取り形状である、請求項4に記載の端子構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の電動化に合わせて、車両のキーパーツであるパワーモジュールの配線に使用されている銅接合の需要が増加している。それに伴い、銅に対する吸収率が高いブルーレーザでの溶接が注目されている。
【0003】
しかし、パワーモジュールの構造上、外部端子とリード部とを重ね合わせ溶接する場合に、外部端子とリード端子との間に公差に起因するクリアランスが発生する。レーザ溶接ではクリアランスが溶接品質に大きく影響するため、レーザ溶接前に端子間のクリアランスを抑制する必要がある。
【0004】
端子間のクリアランスを抑制する方法として、例えば、特許文献1には、レーザビーム照射位置において、被溶接体の裏面に形成された凸部を溶接体に接触させた状態で、重ね合わせ溶接を行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パワーモジュールは外部端子とリード端子とを共に複数有しており、複数の外部端子と複数のリード端子の各々が公差を持つため、外部端子とリード端子との間で異なる寸法を有するクリアランスが発生する。しかし、特許文献1に記載の技術では、被溶接体の裏面に形成された凸部の大きさは一定であり、異なる寸法を有するクリアランスを抑制することは難しかった。
【0007】
端子間にクリアランスがある状態でレーザ溶接を実施すると、クリアランスが0の場合と比べて、熱の伝わりが遅く十分な溶接面積を確保することができない。端子間を溶接することができた場合でも端子間にブリッジが発生する。パワーモジュールに対する振動などにより、ブリッジの根元部に応力がかかることでブリッジが破断し、端子間の溶接強度が低下するという問題があった。
【0008】
そこで、本開示は、端子間のクリアランスを抑制し、安定したレーザ溶接品質を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る端子構造は、複数のリード端子を有するコアと前記コアの外周側に配置されかつ複数の外部端子を有するケース部とで構成された半導体装置の組み立て時に、レーザによって各前記リード端子と各前記外部端子とが溶接される端子構造であって、各前記外部端子は、各前記リード端子と溶接されかつ各前記リード端子側へ行く程下方に位置するように傾斜する溶接部と、外部機器と接続される外部機器接続部と、前記溶接部と前記外部機器接続部との間に設けられかつ前記溶接部が各前記リード端子と接触した状態で変形する変形部とを有し、前記ケース部が前記コアの外周側に配置された状態で、各前記変形部が変形することで各前記溶接部は各前記リード端子を上方から押し付けている。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、各溶接部が各リード端子に対して平行になり両者が密着することで、端子間のクリアランスを抑制することができるため、安定したレーザ溶接品質を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1における外部端子の側面図である。
【
図2】実施の形態1における外部端子とリード端子との溶接時の挙動を示す断面図である。
【
図3】実施の形態2における外部端子の側面図である。
【
図4】実施の形態2における外部端子とリード端子との溶接時の挙動を示す断面図である。
【
図5】関連技術におけるパワーモジュールの斜視図である。
【
図8】関連技術におけるパワーモジュールの断面図である。
【
図9】関連技術における外部端子とリード端子との溶接時の状態を示す断面図である。
【
図10】関連技術におけるパワーモジュールの組み立て時に発生する端子間のクリアランスを示す断面図である。
【
図11】関連技術におけるパワーモジュールの組み立て時に端子間のクリアランスが発生した場合の溶接時の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<関連技術>
<パワーモジュールの構成>
最初に、本開示の実施の形態の関連技術について説明する。
図5は、関連技術におけるパワーモジュール10の斜視図である。
図6は、関連技術におけるコア11の斜視図である。
図7は、関連技術におけるケース部14の斜視図である。
【0013】
図5において、X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向も、互いに直交する。以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向である-X方向とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向である-Y方向とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向である-Z方向とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
【0014】
図5に示すように、パワーモジュール10(半導体装置)は、集積化されたパワー半導体チップ114(
図8参照)が樹脂でモールドされたコア11と、コア11の外周側に配置されたケース部14と、ベース15とを備えている。
【0015】
図5と
図6に示すように、コア11は、上方(Z方向)から視て矩形状に形成され、かつ、パワー半導体チップ114(
図8参照)と接続されている複数のリード端子12を備えている。複数のリード端子12は、6本のリード主端子121と10本のリード信号端子122とを含んでいる。3本のリード主端子121と5本のリード信号端子122が、コア11のX方向の側面からX方向へ突出し、同様に3本のリード主端子121と5本のリード信号端子122が、コア11の-X方向の側面から-X方向へ突出している。
【0016】
図5と
図7に示すように、ケース部14は、上方(Z方向)から視て矩形枠状に形成され、かつ、外部機器(図示しない)と接続される複数の外部端子13を備えている。複数の外部端子13は、6本の外部主端子131と10本の外部信号端子132とを含んでいる。3本の外部主端子131と5本の外部信号端子132が、ケース部14のX方向の側壁からX軸方向へ突出し、同様に3本の外部主端子131と5本の外部信号端子132が、ケース部14の-X方向の側壁からX軸方向へ突出している。各外部主端子131は、各リード主端子121と接続され、各外部信号端子132は、各リード信号端子122と接続されている。
【0017】
ベース15は、上方(Z方向)から視て矩形状に形成され、ベース15の表面(Z方向の面)には、コア11とケース部14がはんだにより固定されている。
【0018】
次に、パワーモジュール10の内部構造について説明する。
図8は、関連技術におけるパワーモジュール10の断面図である。
図8に示すように、コア11は、コアベース板111と、絶縁シート112と、ヒートスプレッダ113と、パワー半導体チップ114と、リード主端子121と、リード信号端子122とを備えており、これらはモールド樹脂115によって封止されている。パワー半導体チップ114は、ヒートスプレッダ113にはんだ付けされており、リード主端子121は、パワー半導体チップ114と直接はんだ接合するDLB(Direct Lead Bond)技術を用いて、パワー半導体チップ114と接続されている。リード信号端子122は、ワイヤ116によってパワー半導体チップ114と接続されている。
【0019】
<パワーモジュールの組み立て>
次に、パワーモジュール10の組み立て手順について説明する。まず、ベース15の表面(Z方向の面)にコア11を配置し、ベース15の表面(Z方向の面)とコア11の底面(-Z方向の面)とをはんだ117により固定する。このとき、コア11はベース15の基準位置に配置されている。その後、複数の外部端子13を有するケース部14をコア11に対して上方(Z方向)からかぶせるように配置する。このとき、ケース部14もベース15の基準位置に配置されている。ケース部14を配置した状態で、各リード端子12と各外部端子13は重なり合っている。次に、レーザを用いて各リード端子12と各外部端子13とを溶接する。
【0020】
<リード端子と外部端子のレーザ溶接>
次に、各リード端子12と各外部端子13とのレーザ溶接について説明する。
図9は、関連技術における外部端子13とリード端子12との溶接時の状態を示す断面図である。
図10は、関連技術におけるパワーモジュール10の組み立て時に発生する端子間のクリアランス24を示す断面図である。
図11は、関連技術におけるパワーモジュール10の組み立て時に端子間のクリアランス24が発生した場合の溶接時の状態を示す断面図である。
【0021】
図9に示すように、外部端子13はリード端子12よりも上側(Z方向)に位置している。外部端子13とリード端子12は共に直線状に形成されており、互いに平行である。また、
図9には示されていないが、外部端子13とリード端子12のうちの外部主端子131とリード主端子121、外部信号端子132とリード信号端子122が重なり合っている。
【0022】
レーザ21は、外部端子13の上方(Z方向)から、外部端子13とリード端子12が重なり合っている部分に対して照射される。このとき、レーザ21によって外部端子13が先に溶融し、その後、レーザ21がリード端子12まで到達することでリード端子12が溶融する。レーザ21の照射が止まる、または走査することにより、レーザ21が照射された部分であるレーザ照射部22が冷却され、溶接部23が形成されることにより、リード端子12と外部端子13が溶接される。
【0023】
次に、
図10に示すように、外部端子13とリード端子12との間、つまり、端子間のクリアランス24が発生した場合を考える。パワーモジュール10は外部端子13とリード端子12とを共に複数有しており、複数の外部端子13と複数のリード端子12の各々が公差を持つため、外部端子13とリード端子12との間で異なる寸法を有するクリアランス24が発生する。
【0024】
端子間のクリアランス24が発生した場合、
図11に示すように、溶接部としてブリッジ25が形成される可能性がある。ブリッジ25が形成された場合、パワーモジュール10に対する振動、またはケース部14の膨張などにより、ブリッジ25の根元部に応力がかかることでブリッジ25が破断し、端子間の溶接強度が低下するという問題があった。実施の形態では、このような問題を解決するためになされたものであり、以下に詳細に説明する。
【0025】
<実施の形態1>
実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、実施の形態1における外部端子30の側面図である。
図2は、実施の形態1における外部端子30とリード端子12との溶接時の挙動を示す断面図である。
【0026】
図1に示すように、実施の形態1では、外部端子13に代えて、外部端子30が設けられている。実施の形態1におけるパワーモジュール1は、関連技術におけるパワーモジュール10に対して外部端子30を除いて同じ構造であるため、ここでは外部端子30のみを説明し、他の構成要素の説明は省略する。
【0027】
図1に示すように、外部端子30は、溶接部33と、外部機器接続部32と、変形部31とで一体的に構成されている。外部端子30の材料として、例えば、銅(Cu)が採用される。外部端子30は、銅(Cu)からなる板ばねにより構成されている。
【0028】
溶接部33は、リード端子12と接続される部分であり、リード端子12側(X方向)へ行く程、下方(-Z方向)に位置するように傾斜している。外部機器接続部32は、外部機器(図示しない)と接続される部分であり、Z軸方向に延在している。変形部31は、溶接部33と外部機器接続部32との間に設けられている部分であり、下方(-Z方向)に突出するV字形状に形成されている。すなわち、変形部31は、下方(-Z方向)に凹むV字形状を有する板ばねにより構成されている。
【0029】
溶接部33と外部機器接続部32との間の角度は90度以上であり、この角度はパワーモジュール1の積み上げ公差によって発生するクリアランス24(
図10参照)の寸法に応じて決定される。これと同様に、変形部31の突出量についてもクリアランス24の寸法に応じて決定される。
【0030】
図2に示すように、外部端子30をケース部14にあらかじめセットした状態で、外部端子30の溶接部33が、リード端子12に対して平行に接触する位置まで上方(Z方向)から押し付けることで固定する。このとき、外部端子30の変形部31はばねの役割を担う。具体的には、溶接部33がリード端子12と接触した状態で変形部31は変形し、変形部31が変形することで溶接部33はリード端子12を上方(Z方向)から押し付けている。その結果、溶接部33がリード端子12に対して平行になり両者が密着する。なお、
図2では、リード端子12に対する接触前の溶接部33を2点鎖線で示し、接触後の溶接部33を実線で示している。
【0031】
<効果>
以上のように、実施の形態1では、端子構造は、複数のリード端子12を有するコア11とコア11の外周側に配置されかつ複数の外部端子30を有するケース部14とで構成されたパワーモジュール1の組み立て時に、レーザ21によって各リード端子12と各外部端子30とが溶接される端子構造である。各外部端子30は、各リード端子12と溶接されかつ各リード端子12側へ行く程下方に位置するように傾斜する溶接部33と、外部機器と接続される外部機器接続部32と、溶接部33と外部機器接続部32との間に設けられかつ溶接部33が各リード端子12と接触した状態で変形する変形部31とを有し、ケース部14がコア11の外周側に配置された状態で、各変形部31が変形することで各溶接部33は各リード端子12を上方(Z方向)から押し付けている。
【0032】
したがって、各溶接部33が各リード端子12に対して平行になり両者が密着することで、端子間のクリアランス24を抑制することができるため、安定したレーザ溶接品質を実現することができる。
【0033】
これにより、端子間で十分な溶接面積を確保することができるため、端子間に大電流が流れた場合においても問題が生じない。
【0034】
また、各変形部31が変形することで、端子間のクリアランス24を広範囲で抑制することができる。
【0035】
また、各溶接部33と各外部機器接続部32との間の角度は90度以上であるため、交差内の範囲で発生した端子間のクリアランス24であれば、各変形部31の変形により抑制することができる。
【0036】
また、各変形部31は、下方(-Z方向)に突出するV字形状を有する板ばねにより構成されている。各変形部31がばねの役割を担い、各変形部31のみが変形することで、外部機器接続部32の位置ズレを抑制することができる。
【0037】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2におけるパワーモジュール1について説明する。
図3は、実施の形態2における外部端子40の側面図である。
図4は、実施の形態2における外部端子40とリード端子12との溶接時の挙動を示す断面図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0038】
図3に示すように、実施の形態2では、外部端子30に代えて、外部端子40が設けられている。
【0039】
外部端子40は、溶接部43と、外部機器接続部42と、変形部41とで一体的に構成されている。外部端子40の材料として、例えば、銅(Cu)が採用される。
【0040】
溶接部43は、リード端子12と接続される部分であり、リード端子12側(X方向)へ行く程、下方(-Z方向)に位置するように傾斜している。外部機器接続部42は、外部機器(図示しない)と接続される部分であり、Z軸方向に延在している。変形部41は、溶接部43と外部機器接続部42との間に設けられている部分であり、リード端子12側(X方向)へ行く程、下方(-Z方向)に位置するように傾斜している。溶接部43と変形部41は連続的に形成されており、溶接部43と変形部41の傾斜の度合いは同じである。
【0041】
溶接部43と外部機器接続部42との間の角度は90度以上であり、この角度はパワーモジュール10の積み上げ公差によって発生するクリアランス24(
図10参照)の寸法に応じて決定される。
【0042】
変形部41の上面側(Z方向の面側)には、下方(-Z方向)に凹む凹部41aが設けられている。これにより、変形部41は、溶接部43よりも厚みが薄く形成されている。また、凹部41aの角部41bは、R面取り形状に形成されている。ここで、凹部41aの角部41bとは、凹部41a内における溶接部43側(X方向)の角部である。
【0043】
図4に示すように、外部端子40をケース部14にあらかじめセットした状態で、外部端子40の溶接部43が、リード端子12に対して平行に接触する位置まで上方(Z方向)から押し付けることで固定する。このとき、溶接部43がリード端子12と接触した状態で、凹部41aにより変形部41は変形し、変形部41が変形することで溶接部43はリード端子12を上方(Z方向)から押し付けている。その結果、溶接部43がリード端子12に対して平行になり両者が密着する。なお、
図4では、リード端子12に対する接触前の溶接部43を2点鎖線で示し、接触後の溶接部43を実線で示している。
【0044】
<効果>
以上のように、実施の形態2では、外部端子30に代えて、外部端子40が設けられているため、各溶接部43が各リード端子12に対して平行になり両者が密着することで、端子間のクリアランス24を抑制することができるため、安定したレーザ溶接品質を実現することができる。
【0045】
また、各変形部41は、各溶接部43よりも厚みが薄くなるように、各変形部41の上面側(Z方向側)には下方(-Z方向)に凹む凹部41aが設けられている。したがって、凹部41aにより各変形部31のみが変形することで、外部機器接続部32の位置ズレを抑制することができる。
【0046】
また、凹部41aの角部41bはR面取り形状であるため、凹部41aの角部41bへの応力集中を抑制することができる。これにより、外部端子40の断線を抑制することが可能となる。
【0047】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【0048】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0049】
(付記1)
複数のリード端子を有するコアと前記コアの外周側に配置されかつ複数の外部端子を有するケース部とで構成された半導体装置の組み立て時に、レーザによって各前記リード端子と各前記外部端子とが溶接される端子構造であって、
各前記外部端子は、各前記リード端子と溶接されかつ各前記リード端子側へ行く程下方に位置するように傾斜する溶接部と、外部機器と接続される外部機器接続部と、前記溶接部と前記外部機器接続部との間に設けられかつ前記溶接部が各前記リード端子と接触した状態で変形する変形部とを有し、
前記ケース部が前記コアの外周側に配置された状態で、各前記変形部が変形することで各前記溶接部は各前記リード端子を上方から押し付けている、端子構造。
【0050】
(付記2)
各前記溶接部と各前記外部機器接続部との間の角度は90度以上である、付記1に記載の端子構造。
【0051】
(付記3)
各前記変形部は、下方に突出するV字形状を有する板ばねにより構成されている、付記1または付記2に記載の端子構造。
【0052】
(付記4)
各前記変形部は、各前記溶接部よりも厚みが薄くなるように、各前記変形部の上面側には下方に凹む凹部が設けられている、付記1または付記2に記載の端子構造。
【0053】
(付記5)
前記凹部の角部はR面取り形状である、付記4に記載の端子構造。
【符号の説明】
【0054】
1 パワーモジュール、11 コア、12 リード端子、14 ケース部、30 外部端子、31 変形部、32 外部機器接続部、33 溶接部、40 外部端子、41 変形部、42 外部機器接続部、43 溶接部、41a 凹部、41b 角部。