(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158131
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073075
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏実
(72)【発明者】
【氏名】山本 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】山崎 規史
(72)【発明者】
【氏名】東 哲也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】北原 浩二
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岡野 豊
(72)【発明者】
【氏名】栗林 知恵子
(72)【発明者】
【氏名】横手 祥子
(72)【発明者】
【氏名】豊田 友英
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】江崎 栄治
(72)【発明者】
【氏名】緑川 治
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
(72)【発明者】
【氏名】大野 勉
(72)【発明者】
【氏名】松田 悠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 二朗
(72)【発明者】
【氏名】石氏 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
(72)【発明者】
【氏名】小林 憲生
(72)【発明者】
【氏名】今井 崇敬
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】地域の経済の活性化という各地域の試みを、充電サービスを用いて支援する。
【解決手段】本発明の処理装置10は、充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御部11と、取引毎の充電電力量に基づき、充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出部12と、取引毎の充電電力量に基づき、充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出部13と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御手段と、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出手段と、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出手段と、
を有する処理装置。
【請求項2】
前記充電装置制御手段は、
取引毎に、前記充電装置を用いた充電を行った利用者を示す利用者識別情報を取得し、
前記利用者識別情報に紐付けて、前記充電装置を用いた充電の履歴を示す取引履歴を登録し、
前記第1の算出手段は、
前記取引履歴にさらに基づき、前記請求額を決定する請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第1の算出手段は、
前記充電装置を用いた充電を行った回数に基づき、前記請求額を決定する請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記取引履歴は、
いずれの施設に設置された前記充電装置を用いた充電を行ったかをさらに示し、
前記第1の算出手段は、
前記充電装置を用いた充電で利用した前記施設の数に基づき、前記請求額を決定する請求項2に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第1の算出手段は、
前記施設の数が多いほど、前記請求額を大きく割り引く請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記第1の算出手段は、
充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、前記請求額を決定する請求項1に記載の処理装置。
【請求項7】
充電処理及び充電電力量の計量を行う複数の充電装置と、
請求項1から6のいずれか1項に記載の処理装置と、
を有する処理システム。
【請求項8】
前記充電装置は、
コンセントに接続して使用されるスマートコンセントと、前記スマートコンセント毎の充電電力量を計量するメータとを有する請求項7に記載の処理システム。
【請求項9】
1つ以上のコンピュータが、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得し、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出し、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御手段、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出手段、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1乃至6に開示されている。
【0003】
特許文献1は、サービスを提供する店舗に区画された駐車スペースに備えられた充電施設を用いて電気車両への充電サービスを実現する技術を開示している。
【0004】
特許文献2及び3は、スマートコンセントを用いて電気車両への充電サービスを実現する技術を開示している。
【0005】
特許文献4は、電気車両等への充電サービスのために充電装置の設置場所を提供したオーナーに対して支払われる充電器設置料金を算出する技術を開示している。そして、特許文献4は、売った電気量に応じて充電器設置料金を高くすることを開示している。
【0006】
特許文献5は、電力需給契約・EV(Electric Vehicle)スタンドの利用に応じてトークンを提供し、トークンを連携コインと交換する技術を開示している。
【0007】
特許文献6は、デパート等の施設に充電器を設置して充電サービスを提供する技術を開示している。そして、特許文献6は、当該充電器を用いた充電に対する課金から、施設で行った消費に応じた額を差し引くことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-196106号公報
【特許文献2】特表2019-533406号公報
【特許文献3】特開2021-108070号公報
【特許文献4】特開2022-152895号公報
【特許文献5】特開2020-198060号公報
【特許文献6】特開2014-075969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
様々な地域において、その地域の経済を活性化する様々な試みが行われている。本発明者らは、電気自動車等の電動車両の普及に伴いニーズが高まっている充電サービスを用いて、各地域の当該試みを支援するという新たな着想を得た。特許文献1乃至6はいずれも充電サービスに関する技術であるが、地域の経済の活性化という各地域の試みを、充電サービスを用いて支援する技術思想、及びその実現手段を開示していない。
【0010】
本発明の目的の一例は、上述した問題を鑑み、地域の経済の活性化という各地域の試みを、充電サービスを用いて支援する処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御手段と、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出手段と、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出手段と、
を有する処理装置が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、
充電処理及び充電電力量の計量を行う複数の充電装置と、前記処理装置と、を有する処理システムが提供される。
【0013】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得し、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出し、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する処理方法が提供される。
【0014】
本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御手段、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出手段、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、地域の経済の活性化という各地域の試みを、充電サービスを用いて支援する処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
上述した目的及びその他の目的、特徴及び利点は、以下に述べる好適な実施の形態、及びそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0017】
【
図1】処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図2】処理装置の機能ブロック図の他の一例を示す図である。
【
図3】処理システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図4】処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】処理装置が処理する情報の一例を示す図である。
【
図6】処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】処理装置の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【
図8】処理装置が処理する情報の一例を示す図である。
【
図9】処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図10】処理装置が処理する情報の一例を示す図である。
【
図11】処理装置が出力する画面の一例を示す図である。
【
図12】処理装置が出力する画面の他の一例を示す図である。
【
図13】メータの機能ブロック図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、全ての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0019】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る処理装置10の概要を示す機能ブロック図である。処理装置10は、充電装置制御部11と、第1の算出部12と、第2の算出部13とを有する。
【0020】
充電装置制御部11は、充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する。
【0021】
第1の算出部12は、取引毎の充電電力量に基づき、充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する。当該請求は、電力供給者が利用者に対して行う。
【0022】
第2の算出部13は、取引毎の充電電力量に基づき、充電装置を用いて車両へ充電を行うサービス(以下、「充電サービス」という場合がある)を提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する。当該支払は、電力供給者がサービス提供者に対して行う。
【0023】
「利用者」は、充電サービスの利用者、より詳細には充電装置を利用して自身の電動車両を充電する者である。
「サービス提供者」は、自身の施設内に充電装置を設置し、当該充電装置を用いて充電サービスを提供する者である。利用者は、サービス提供者の施設内に設置された充電装置を利用して、自身の電動車両を充電する。
「電力供給者」は、電力を提供するものであり、個人、法人を問わない。例えば、電力供給者は、電力会社であってもよいし、分散された電源等から電気を集めて需要家へ供給を行うアグリゲータであってもよい。電力供給者は、サービス提供者の施設内に設置された充電装置を介して、利用者に電力を販売する
【0024】
本実施形態の処理装置10によれば、充電装置を設置したサービス提供者は、取引に応じた対価を取得することができる。そして、対価(上記支払額)は、充電電力量に基づき算出される。サービス提供者は、充電電力量が増えるほど、多くの対価を取得することができる。このため、各サービス提供者は、より多くの利用者に充電サービスを利用してもらい、より多くの電力量を充電してもらうよう努力する。結果、その地域の充電サービスが活性化し、それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0025】
また、あるサービス提供者の充電装置を用いて電動車両を充電している間に、利用者がそのサービス提供者の施設を利用することが期待される。それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0026】
また、処理装置10は、充電装置で「計量」された充電電力量(実測値)に基づき上記請求額や支払額を算出する。当該請求額や支払額を算出するその他の手段として、充電時間に基づく算出等が挙げられる。しかし、この手段の場合、実際に充電した充電電力量からずれた電力量分の請求額や支払額が算出され得る。実際に「計量」された充電電力量(実測値)に基づき上記請求額や支払額を算出することで、利用者やサービス提供者が納得する額を算出することができる。この場合、処理装置10の充電サービスに参加するサービス提供者や、当該充電サービスを利用する利用者が増えることが期待される。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0027】
このような第1の実施形態の処理装置10によれば、地域の経済の活性化という各地域の試みを、充電サービスを用いて支援することができる。
【0028】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係る処理装置10の概要を示す機能ブロック図である。処理装置10は、充電装置制御部11と、価値情報提供部14とを有する。
【0029】
充電装置制御部11は、充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する。
【0030】
価値情報提供部14は、充電装置を用いた充電の内容に基づき、充電装置が設けられた特定地域内の施設で利用可能な価値情報を充電装置の利用者に提供する。価値情報は、クーポン、ポイント、通貨等である。充電の内容は、充電電力量や充電回数等である。
【0031】
このように、充電装置を用いた充電の内容に基づき、その充電装置が設けられた「特定地域」内の施設で利用可能な価値情報を利用者に提供する処理装置10の充電サービスは、「地域単位」で利用することができる。「地域単位」で当該充電サービスを利用することで、地域の経済の活性化が実現される。
【0032】
また、「特定地域」内の施設で利用可能な価値情報を利用者に提供した場合、充電サービスを利用した利用者が、その価値情報を利用するため、その「特定地域」内の施設を訪問することが期待される。結果、その「特定地域」の経済の活性化が実現される。
【0033】
また、ある施設に設置された充電装置を用いて電動車両を充電している間に、利用者がその施設を利用することが期待される。それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0034】
また、処理装置10は、充電装置で「計量」された充電電力量(実測値)等に基づき利用者に提供する価値情報の内容を決定することができる。利用者に提供する価値情報の内容を決定するその他の手段として、充電時間に基づく決定等が挙げられる。しかし、この手段の場合、実際に充電した充電電力量からずれた電力量に基づき、利用者に提供する価値情報の内容が決定され得る。実際に「計量」された充電電力量(実測値)に基づき利用者に提供する価値情報の内容を決定することで、利用者が納得する内容を決定することができる。この場合、処理装置10の充電サービスを利用する利用者が増えることが期待される。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0035】
このような第2の実施形態の処理装置10によれば、地域の経済の活性化という各地域の試みを、充電サービスを用いて支援することができる。
【0036】
<第3の実施形態>
「概要」
第3の実施形態の処理装置10は、第1の実施形態の処理装置10の構成を具体化したものである。処理装置10は、特定地域内の複数の施設に設置された充電装置から、取引毎の充電電力量(計量された電力量)を取得する。そして、処理装置10は、当該充電電力量に基づき、充電装置を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額や、充電装置を設置したサービス提供者に対して電力供給者が支払う支払額を算出する。
【0037】
「処理システムの構成」
図3を用いて、処理装置10を含む処理システムの全体像を説明する。処理システムは、処理装置10と、複数の充電装置20とを有する。処理装置10と充電装置20とは、インターネット等の通信ネットワーク30を介して互いに通信可能に構成されている。
【0038】
充電装置20は、特定地域内の複数の施設に設置され、充電処理及び充電電力量の計量を行う。充電装置20は、電動自動車、電動自転車、電動車いす、電動スクータ、電動キックボード等の電動車両の充電に利用される。なお、電動車両は、電気による駆動手段のみを備えた車両に限定されるものではない。例えば、ハイブリッド車両などのように、電気を用いて車両を駆動する駆動手段と、内燃機関などの電気以外のエネルギーを利用して駆動する駆動手段とをそれぞれ備えた車両であってもよい。内燃機関は、化石燃料を用いるものに限らず、水素やLPガスを用いるものであってもよい。
【0039】
充電装置20は、コンセントに接続して使用されるスマートコンセントと、スマートコンセント毎の充電電力量を計量するメータとを有する。
【0040】
スマートコンセントは、差込口と、当該差込口を介して接続された電動車両への電力供給をON/OFFするスイッチと、外部装置と通信する通信手段とを有する。スマートコンセントは、当該通信手段を介して処理装置10と通信する。そして、スマートコンセントは、処理装置10からの制御等に従い、上記スイッチのON/OFFを切り替える。通常時は、スイッチはOFFとなっている。そして、充電装置20は、利用者が充電サービスを利用する間だけ、スイッチをONにする。スイッチのON/OFFの切替の流れの一例は後述する。
【0041】
メータは、充電電力量を計量する手段と、外部装置と通信する通信手段とを有する。メータは、当該通信手段を介して処理装置10と通信する。メータは、スマートコンセントを介して電動車両に供給された電力量[kWh]を、充電電力量として計量する。そして、計量した充電電力量を処理装置10に送信する。
【0042】
計量の手段は特段制限されず、あらゆる手段を採用できる。例えば、広く知られている電力量計と同じ計量手段を採用することができる。電力量計は、電力量計を経由して流れた電力を積算して計量する。なお、単純に電流と電圧と時間の掛け算にて電力量を求めた場合、論理的には正確な計量値とは言えない。理想的な交流電源と異なり配電網の需給状態、付加状態によって受電部分の周波数並びに交流電圧は刻刻と変化をすることが知られている。そこで、各タイミングの瞬時の周波数並びに交流電圧波形と交流電流波形をデジタルサンプリングしてLSI(Large Scale Integration)により積分値としての電力量を算出するデジタル式積算電力量計を用いることが好ましい。
【0043】
ここで、
図13を用いて、メータの構成の一例を説明する。なお、ここで例示する構成はあくまで一例であり、この構成に限定されない。電圧入力部計器に印加される電圧は、抵抗分圧にて低電圧の信号に変換される。電流入力部計器に印加される電流は、補償CT(Current Transformer)にて低電圧の信号に変換される。電圧入力部、電流入力部で低電圧に変換された信号は、AD(Analog Digital)変換回路でデジタルデータに変換される。絶縁回路は、デジタルデータに変換された信号を電気的に絶縁し、サンプリング方式の電力演算コアに入力する。サンプリング方式の電力演算コアは、サンプリングされたデジタルデータを電力演算し、電力量の重みを持った基準パルスに変換する。また、サンプリング方式の電力演算コアは、基準パルスを分周し、標準パルスを発生する。
【0044】
なお、メータが実行する「電力量の計量」は、充電時間から充電電力量を算出する手段とは異なる技術である。充電時間に基づく技術では、例えば、充電装置の定格出力[kW]と充電時間との積を、充電電力量として算出する。
【0045】
充電装置20はこのような構成であるので、急速充電が可能なEV充電スタンドの設置に比べて、設置のハードルが比較的低い。このため、処理装置10の充電サービスに参加するサービス提供者の数を増やしやすい。電力供給者が無償又は有償で充電装置20を各サービス提供者に貸し出してもよい。その他、各サービス提供者が充電装置20を購入してもよい。
【0046】
充電装置20は、特定地域内に存在するサービス提供者の複数の施設各々に設置される。充電装置20は、例えば、施設の駐車場や駐輪場等の任意の場所に設置される。
【0047】
「特定地域」は、処理装置10の充電サービスを利用する地域である。例えば、都道府県、市区町村、商店街等のあらゆる規模の地域が、特定地域となり得る。処理装置10の充電サービスは、地域単位で利用可能である。
【0048】
処理装置10の充電サービスに参加する「サービス提供者の施設」の業種は特段制限されず、あらゆる業種の施設が当該充電サービスに参加可能である。一例として、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、アミューズメントパーク、レストラン、運動施設、複合施設等が例示されるが、これらに限定されない。様々な業種の施設が、当該充電サービスに参加することが好ましい。これを実現できれば、充電サービスを利用するために利用者が立ち寄る施設の選択の幅が広がる。
【0049】
処理装置10は、上述の通り、充電装置20のスマートコンセントのスイッチのON/OFFを制御する。また、処理装置10は、各充電装置20から、取引毎の充電電力量(計量された電力量)を取得する。そして、処理装置10は、当該充電電力量に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額や、充電装置20を設置した施設に対して電力供給者が支払う支払額を算出する。以下、処理装置10の構成を詳細に説明する。
【0050】
「ハードウエア構成」
処理装置10のハードウエア構成の一例を説明する。処理装置10の各機能部は、ハードウエアとソフトウエアの任意の組み合わせによって実現される。その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。ソフトウエアは、予め装置を出荷する段階から格納されているプログラムや、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラム等を含む。
【0051】
図4は、処理装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図4に示すように、処理装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置10は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0052】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイス等を含む。また、入出力インターフェイス3Aはインターネット等の通信ネットワークに接続するためのインターフェイスを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0053】
「機能構成」
次に、第3の実施形態の処理装置10の機能構成を詳細に説明する。
図1に、第3の実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、第3の実施形態の処理装置10は、充電装置制御部11と、第1の算出部12と、第2の算出部13とを有する。
【0054】
充電装置制御部11は、充電装置20を制御する。すなわち、充電装置制御部11は、各充電装置20のスマートコンセントのスイッチのON/OFFを制御する。また、充電装置制御部11は、各充電装置20から、取引毎の充電電力量を取得する。
【0055】
-各充電装置20のスマートコンセントのスイッチのON/OFFを制御する処理-
充電装置制御部11は、各充電装置20のスマートコンセントのスイッチのON/OFFを切り替える制御を行う。例えば、充電装置制御部11は、各充電装置20のスマートコンセントに、スイッチをONにする制御信号を送信する。各充電装置20のスマートコンセントは、当該制御信号に従い、スイッチをONにする。また、例えば、充電装置制御部11は、各充電装置20のスマートコンセントに、スイッチをOFFにする制御信号を送信する。各充電装置20のスマートコンセントは、当該制御信号に従い、スイッチをOFFにする。
【0056】
ここで、各充電装置20のスマートコンセントが、処理装置10からの制御信号等に基づき、スイッチのON/OFFの切り替える処理の流れの一例を説明する。なお、ここで説明した流れはあくまで一例であり、これに限定されない。
【0057】
当該例では、利用者は、予め充電サービス用のアプリケーション(以下、「充電サービスアプリケーション」と呼ぶ)を自身の携帯端末にインストールしている。携帯端末は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、ノートパソコン等の携帯可能な端末である。そして、利用者は、充電サービスアプリケーションを介して、氏名、住所、電話番号、支払情報(クレジットカード情報、引き落とし口座情報等)等の各種情報を事前に処理装置10に登録している。
【0058】
ある施設に立ち寄り、そこに設置されている充電装置20を用いた充電サービスを利用しようとしている利用者は、充電サービスアプリケーションを起動し、利用対象の充電装置20の識別情報、及び充電依頼を処理装置10に送信する。
【0059】
携帯端末へのこれらの情報の入力は、あらゆる手段で実現される。例えば、各充電装置20の近くに、各充電装置20の情報(各充電装置20の識別情報等)を示すコード(バーコード、2次元コード等)が掲示されていてもよい。そして、充電サービスアプリケーションを介して利用対象の充電装置20のコードを読み取ることで、利用対象の充電装置20の識別情報の入力が実現されてもよい。その他、各充電装置20の近くに、各充電装置20の識別情報が掲示されていてもよい。そして、利用者は、充電サービスアプリケーションを介して、利用対象の充電装置20の識別情報を手入力してもよい。また、充電サービスアプリケーションを介して、「この充電装置を用いた充電を実行しますか?Yes or NO」等の質問に対する回答を利用者から受付けることで、充電依頼の入力が実現されてもよい。
【0060】
充電装置制御部11は、利用対象の充電装置20の識別情報、及び充電依頼を利用者の携帯端末から受信すると、その識別情報で識別される充電装置20のスマートコンセントのスイッチをONにする制御を行う。例えば、充電装置制御部11は、その充電装置20にスマートコンセントのスイッチをONにする制御信号を送信する。上述の通り、通常時は、当該スイッチはOFFとなっている。充電装置20は、充電装置制御部11による当該制御に従い、スマートコンセントのスイッチをOFFからONに切り替える。このスマートコンセントのスイッチの切替により、その充電装置20を介した充電が可能な状態となる。そして、利用者は、その充電装置20を用いた充電を行う。
【0061】
その後、スマートコンセントのスイッチをONからOFFに切り替えるタイミングは様々である。例えば、電動車両への充電を終えた後、利用者が、充電サービスアプリケーションを介して、充電を終了した旨を処理装置10に通知してもよい。そして、充電装置制御部11は、この通知に応じて、利用対象の充電装置20のスマートコンセントのスイッチをOFFにする制御を行ってもよい。例えば、充電装置制御部11は、その充電装置20にスマートコンセントのスイッチをOFFにする制御信号を送信する。充電装置20は、充電装置制御部11による当該制御に従い、スイッチをONからOFFに切り替える。このスマートコンセントのスイッチの切替により、その充電装置20を介した充電が不可能な状態となる。
【0062】
その他、充電装置20のスマートコンセントは、差込口にプラグが差し込まれた状態か否かを判断する手段(センサ等)を備えてもよい。そして、スマートコンセントは、スマートコンセントのスイッチをONにした後、差込口の状態が「差し込まれた状態」から「差し込まれていない状態」に切り替わると、それに応じてスマートコンセントのスイッチをOFFにしてもよい。その他、スマートコンセントは、スマートコンセントのスイッチをONにした後、差込口の状態が「差し込まれた状態」から「差し込まれていない状態」に切り替わると、その旨を処理装置10に通知してもよい。そして、充電装置制御部11は、この通知に応じて、利用対象の充電装置20のスマートコンセントのスイッチをOFFにする制御(例えば、上述した制御)を行ってもよい。
【0063】
その他、利用者は、予め充電サービスアプリケーションを介して、今回実行する充電の充電時間又は充電電力量を指定しておいてもよい。そして、充電装置20は、指定された充電時間又は充電電力量になると、それに応じてスマートコンセントのスイッチをOFFにしてもよい。その他、充電装置20は、指定された充電時間又は充電電力量になると、その旨を処理装置10に通知してもよい。そして、充電装置制御部11は、この通知に応じて、利用対象の充電装置20のスマートコンセントのスイッチをOFFにする制御(例えば、上述した制御)を行ってもよい。
【0064】
なお、ここまでは、利用者の携帯端末を用いた処理を説明したが、当該処理に限定されない。例えば、充電装置20の近くに利用者が操作する操作端末を設置してもよい。そして、当該操作端末を介して、利用者に各種情報を提供するとともに、利用者から各種情報の入力を受付けてもよい。この場合も、上記例に準じた処理で、各充電装置20のスマートコンセントのスイッチのON/OFFを切り替えることができる。
【0065】
-各充電装置20から、取引毎の充電電力量を取得する処理-
各充電装置20は、取引毎の充電電力量を計量する。計量は、上述したメータで実現される。そして、メータは、計量した充電電力量を処理装置10に送信する。
【0066】
例えば、メータは、スマートコンセントのスイッチがONに切り替わったタイミングから、その直後に当該スイッチがOFFに切り替わったタイミングまでを1取引分の時間帯として特定する。そして、メータは、その1取引分の間に、スマートコンセントを介して電動車両に供給された電力量を、1取引分の充電電力量として処理装置10に送信する。充電装置制御部11は、このようにして各充電装置20から送信されてきた取引毎の充電電力量を取得する。
【0067】
第1の算出部12は、充電装置制御部11により取得された充電電力量に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する。第1の算出部12は、予め定められたルールに従い、当該請求額を算出する。例えば、第1の算出部12は、充電電力量と、予め定められた1kWhあたりの請求単価との積を、請求額として算出する。
【0068】
なお、第1の算出部12は、算出した請求額に基づき、精算処理を実行してもよい。精算処理は、算出した請求額分の支払いを利用者から受ける処理である。例えば、第1の算出部12は、予め登録されている支払情報(クレジットカード情報、引き落とし口座情報等)に基づき、算出した請求額分の精算処理を実行することができる。当該精算処理は広く知られているあらゆる技術を利用して実現される。また、第1の算出部12は、充電サービスアプリケーションを介して、算出した請求額を利用者に通知してもよい。
【0069】
ここで、精算タイミングについて説明する。第1の算出部12は、取引毎に精算処理を実行してもよい。その他、第1の算出部12は、所定の期間毎に、所定の期間内に蓄積された請求額をまとめて精算処理を行ってもよい。その他、第1の算出部12は、特定のユーザが請求額を確定させたタイミングで、それまでに蓄積された請求額をまとめて精算処理を行ってもよい。「特定のユーザ」は、利用者又は施設等である。例えば、利用者は、充電サービスアプリケーションを介して、上記請求額を確定させる処理を行う。その他、利用者が予め指定された施設での決済を完了したことに応じて(例:旅館でのチェックイン/チェックアウト完了)、上記請求額が確定されてもよい。この場合、施設のシステムと処理装置10とは通信可能に構成されている。そして、処理装置10は、施設のシステムから、利用者の識別情報と、施設での決済が完了した旨を示す情報を取得する。
【0070】
第2の算出部13は、充電装置制御部11により取得された充電電力量に基づき、充電装置20を設置したサービス供給者に対して電力供給者が支払う支払額を算出する。第2の算出部13は、予め定められたルールに従い、当該支払額を算出する。例えば、第2の算出部13は、充電電力量と、予め定められた1kWhあたりの支払単価との積を、支払額として算出する。
【0071】
第2の算出部13は、
図5に示すように、算出した支払額を各施設に紐付けて登録する。
図5に示す例では、充電が行われた日時と、充電電力量と、支払額とが紐付けて登録されている。図示しないが、予め、施設の識別情報と、各施設に設置された充電装置20の識別情報とを紐付けた情報が、処理装置10に記憶されている。第2の算出部13は、当該情報に基づき、利用された充電装置20を設置している施設を特定することができる。また、図示しないが、予め、サービス供給者と、各サービス供給者の施設とを紐付けた情報が、処理装置10に記憶されている。第2の算出部13は、当該情報に基づき、各サービス供給者の施設を特定することができる。そして、第2の算出部13は、これらの情報に基づき、各サービス供給者の施設に設置された充電装置20を介して利用者に供給された充電電力量の合計を算出することができる。
【0072】
次に、
図6及び
図7のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
図6に示す処理は、充電装置制御部11により実行される。
図7に示す処理は、第1の算出部12及び第2の算出部13により実行される。
【0073】
【0074】
処理装置10は、充電装置識別情報、利用者識別情報、及び充電依頼の取得待ちとなっている(S10)。充電装置識別情報は、複数の充電装置20を互いに識別する識別情報である。利用者識別情報は、複数の利用者を互いに識別する識別情報である。
【0075】
例えば、ある施設に立ち寄り、そこに設置されている充電装置20を用いた充電サービスを利用しようとしている利用者は、充電サービスアプリケーションを起動し、利用対象の充電装置20の識別情報、及び充電依頼を処理装置10に送信する。当該処理の詳細は、上述した通りである。なお、利用者は、自身の利用者識別情報を用いて、充電サービスアプリケーションにログインした状態となっている。このため、当該送信処理により、充電装置識別情報、利用者識別情報、及び充電依頼が利用者の携帯端末から処理装置10に送信される。
【0076】
処理装置10は、充電装置識別情報、利用者識別情報、及び充電依頼を取得すると(S10のYes)、その充電装置識別情報で特定される充電装置20のスマートコンセントのスイッチをONにする制御を行う(S11)。その後、利用者は、その充電装置20を用いて、自身の電動車両への充電を行う。
【0077】
S11の後、処理装置10は、その充電装置20を用いた充電の終了待ちとなる(S12)。処理装置10は、その充電装置20を用いた充電が終了すると(S12のYes)、その充電装置20のスマートコンセントのスイッチをOFFにする制御を行う(S13)。上述の通り、処理装置10は、充電サービスアプリケーションを介した利用者からの通知や、充電装置20からの通知等に基づき、その充電装置20を用いた充電の終了を判定することができる。
【0078】
その後、処理装置10は、充電装置20から、その取引分の充電電力量を取得する(S14)。以降、処理装置10は、同様の処理を繰り返す。
【0079】
【0080】
処理装置10は、1取引分の充電電力量を取得すると(S20のYes)、その充電電力量に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する(S21)。そして、処理装置10は、算出した請求額を出力する(S22)。例えば、出力された請求額は、充電サービスアプリケーションを介して利用者に通知されてもよい。また、処理装置10は、上述した通り、算出した請求額分の精算処理を行ってもよい。
【0081】
また、処理装置10は、1取引分の充電電力量を取得すると(S20のYes)、その充電電力量に基づき、充電装置20を設置した施設に対して電力供給者が支払う支払額を算出する(S23)。そして、処理装置10は、算出した支払額を施設に紐付けて登録する(S24、
図5)。
【0082】
以降、処理装置10は、同様の処理を繰り返す。
【0083】
「作用効果」
第3の実施形態の処理装置10によれば、第1の実施形態の処理装置10と同様の作用効果が実現される。
【0084】
また、「特定地域」内の複数の施設に設置された充電装置から取引毎の充電電力量を取得し、上述した請求額や支払額を算出する処理装置10の充電サービスは、「地域単位」で利用することができる。「地域単位」で当該充電サービスを利用することで、地域の経済の活性化が実現される。
【0085】
<第4の実施形態>
第4の実施形態の処理装置10は、利用者毎に充電サービスの取引履歴を登録する。そして、処理装置10は、その取引履歴に基づき利用者毎に割引内容を決定し、決定した割引内容に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する。以下、詳細に説明する。
【0086】
充電装置制御部11は、取引毎に、充電装置20を用いた充電を行った利用者を示す利用者識別情報を取得する。充電装置制御部11は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションや、充電装置20の近くに設置された操作端末から、利用者識別情報を取得することができる。利用者は、携帯端末や操作端末に、自身の利用者識別情報を入力する。
【0087】
そして、充電装置制御部11は、
図8に示すように、利用者識別情報に紐付けて、特定地域内の充電装置20を用いた充電の履歴を示す取引履歴を登録する。
図8に示す例では、充電が行われた日時と、利用した充電装置20を設置している施設の識別情報と、充電電力量と、請求額とが紐付けて登録されている。この例のように、取引履歴は、いずれの施設に設置された充電装置20を用いた充電を行ったかを示してもよい。予め、施設の識別情報と、各施設に設置された充電装置20の識別情報とを紐付けた情報が、処理装置10に記憶されている。充電装置制御部11は、当該情報に基づき、利用された充電装置20を設置している施設を特定することができる。
【0088】
第1の算出部12は、各利用者の取引履歴に基づき利用者毎に割引内容を決定し、決定した割引内容に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する。第1の算出部12は、以下の算出例1乃至3の少なくとも1つを実行することができる。
【0089】
「算出例1」
当該例では、第1の算出部12は、特定地域内で充電装置20を用いた充電を行った回数に基づき、上記請求額を算出する。当該回数は、所定期間内に、特定地域内で充電装置20を用いた充電を行った回数であってもよい。所定期間は、直近の所定期間(例:直近5時間、直近1週間、直近1か月等)であってもよいし、「2023年1月1日から2023年1月31日」等のように、所定の開始日と終了日とで特定される期間であってもよい。所定期間は、処理装置10の充電サービスを利用する地域や電力供給者等が指定する。例えば、任意のキャンペーン期間等が、所定期間として指定される。
【0090】
第1の算出部12は、当該回数が多いほど、より大きい割引内容を決定する。すなわち、第1の算出部12は、当該回数が多いほど、請求額を大きく割り引く。割引内容は様々であるが、例えば値引額や値引率等で示されてもよい。予め、当該回数から割引内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。第1の算出部12は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0091】
「算出例2」
当該例では、第1の算出部12は、充電装置20を用いた充電で利用した施設の数に基づき、上記請求額を算出する。当該施設の数は、所定期間内に、充電装置20を用いた充電で利用した施設の数であってもよい。所定期間は、上述の通りである。なお、同じ施設で複数回充電を行った場合、その複数回の充電で利用した施設の数は1となる。
【0092】
第1の算出部12は、当該施設の数が多いほど、より大きい割引内容を決定する。すなわち、第1の算出部12は、当該施設の数が多いほど、請求額を大きく割り引く。割引内容は様々であるが、例えば値引額や値引率等で示されてもよい。予め、当該施設の数から割引内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。第1の算出部12は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0093】
「算出例3」
当該例では、第1の算出部12は、充電装置20を用いた充電の充電電力量に基づき、上記請求額を算出する。第1の算出部12は、各取引の請求額を、各取引の充電電力量に基づき算出してもよい。その他、第1の算出部12は、各取引の請求額を、その時までに行った複数回の充電の充電電力量の合計値に基づき算出してもよい。その時までに行った複数回の充電は、例えば、所定期間内に行った充電装置20を用いた充電である。所定期間は、上述の通りである。
【0094】
第1の算出部12は、充電電力量又は充電電力量の合計値が多いほど、より大きい割引内容を決定する。すなわち、第1の算出部12は、充電電力量又は充電電力量の合計値が多いほど、請求額を大きく割り引く。割引内容は様々であるが、例えば値引額や値引率等で示されてもよい。予め、充電電力量又は充電電力量の合計値から割引内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。第1の算出部12は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0095】
処理装置10のその他の構成は、第1及び第3の実施形態の処理装置10と同様である。
【0096】
第4の実施形態の処理装置10によれば、第1及び第3の実施形態の処理装置10と同様の作用効果が実現される。
【0097】
また、第4の実施形態の処理装置10は、特定地域内で充電装置20を用いた充電を行った回数が多いほど、請求額を大きく割り引くことができる。この場合、利用者は、特定地域内で充電装置20を用いた充電をより多く行おうとする。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。
【0098】
また、第4の実施形態の処理装置10は、充電装置20を用いた充電で利用した施設の数が多いほど、請求額を大きく割り引くことができる。この場合、利用者は、より多くの施設で充電装置20を用いた充電を行おうとする。結果、様々な施設に利用者を呼び込むことができ、それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。
【0099】
また、第4の実施形態の処理装置10は、充電装置20を用いた複数回の充電の充電電力量の合計値が多いほど、請求額を大きく割り引くことができる。この場合、利用者は、特定地域内で充電装置20を用いた充電をより多く行おうとする。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。
【0100】
このように、上記回数、施設の数、複数回の充電の充電電力量の合計値等に応じて割引内容を決定することで、利用者による多くの施設の訪問、すなわち特定地域内での周遊を促進することができる。それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。上記回数や施設の数に応じて割引内容を決定することで、利用者にこまめな充電を促すことができる。結果、利用者は、複数回のこまめな充電で、十分な電力量を充電できるようになる。
【0101】
<第5の実施形態>
第5の実施形態の処理装置10は、利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、利用者毎に割引内容を決定し、決定した割引内容に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する。以下、詳細に説明する。
【0102】
第1の算出部12は、利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、利用者毎に割引内容を決定し、決定した割引内容に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する。第1の算出部12は、第4の実施形態で説明した手法に代えて、又は加えて、当該割引内容の決定手法を実行することができる。
【0103】
「再生可能エネルギー由来電力」は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギーを用いて発電された電力である。
【0104】
第1の算出部12は、再生可能エネルギー由来電力の割合が高いほどより大きい割引内容を決定する。すなわち、第1の算出部12は、再生可能エネルギー由来電力の割合が高いほど、請求額を大きく割り引く。割引内容は様々であるが、例えば値引額や値引率等で示されてもよい。予め、再生可能エネルギー由来電力の割合から割引内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。第1の算出部12は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0105】
第1の算出部12は、任意の手法で、「利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合」を特定する。
【0106】
例えば、第1の算出部12は、充電装置20を用いた充電の開始タイミング、又はその近傍のタイミングの再生可能エネルギー由来電力の発電電力[kW]に基づき、当該割合を算出してもよい。スマートメータや電力量計が、発電装置から配線網や送電網に供給された瞬時の電力[kW]を測定する。第1の算出部12は、この測定値をリアルタイム処理で取得し、取得した値を演算処理することで、各タイミングにおける再生可能エネルギー由来電力の発電電力[kW]を算出することができる。
【0107】
なお、電力供給者が各タイミングで販売する電力の再生可能エネルギー由来電力の割合(請求額の算出のために用いる値)が、処理装置10に登録されてもよい。そして、第1の算出部12は、この登録データ(再生可能エネルギー由来電力の割合)に基づき、利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合を特定してもよい。
【0108】
この登録データは、任意の手段かつ任意の頻度で更新される。例えば、処理装置10は、所定のサンプリング間隔で上記スマートメータや電力量計から上記瞬時の電力[kW]を取得し、取得した値を演算処理し、演算結果でこの登録データを更新してもよい。その他、電力供給者のオペレータが手入力でこの登録データを更新してもよい。その他、処理装置10は、気温や天候などの気象条件や時間帯の過去データを機械学習した学習モデルに基づき、各地域における再生可能エネルギー由来電力の割合を予測してもよい。そして、その予測値を登録データとして登録してもよい。登録データの更新頻度は、1日1回、1時間に1回、30分に1回等が考えられるが、これらに限定されない。
【0109】
また、この登録データは、利用者に向けて通知されてもよい。例えば、処理装置10は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションや、充電装置20の近くに設置された操作端末を介して、当該通知を行うことができる。
【0110】
また、第1の算出部12は、再生可能エネルギーの種類毎に、上記割合を算出してもよい。すなわち、第1の算出部12は、太陽光で発電された再生可能エネルギー由来電力の割合、風力で発電された再生可能エネルギー由来電力の割合等を算出する。例えば、各スマートメータや電力量計が、いずれの再生可能エネルギーで発電された電力を測定するかを示す情報が、処理装置10に予め登録されている。第1の算出部12は、当該情報に基づき、再生可能エネルギーの種類毎に各タイミングにおける発電電力を算出し、算出結果に基づき上記割合を算出することができる。その他、上述のように各種再生可能エネルギー由来電力の割合を示す登録データが登録されていてもよい。そして、上記と同様の手法で当該登録データが更新されてもよい。
【0111】
第1の算出部12は、その各種再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、割引内容を決定してもよい。予め、各種再生可能エネルギー由来電力の割合から割引内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。第1の算出部12は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0112】
ところで、電力供給者は、再生可能エネルギー由来電力だけでは供給が不足した場合、需給調整のため、他の電力供給者等から電力を調達する場合がある(調整力)。この場合、調達した電力における再生可能エネルギー由来電力の割合が不明となり得る。この場合、調達した電力は、一律に再生可能エネルギー由来電力ではないとして扱ってもよい。その他、調達した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合を、一律に、予め定められた基準割合として扱ってもよい。基準割合は、任意の手法で決定される。例えば、過去の同時期の再生可能エネルギー由来電力の割合を用いてもよい。その他、過去の年平均の再生可能エネルギー由来電力の割合を用いてもよい。
【0113】
なお、電力供給者が、PPA(Power Purchase Agreement)事業を行うなどして、各家庭のPV(Photovolatic)の自家消費用の再生可能エネルギー由来電力を提供している場合、このPPA事業による自家消費用の使用電力は、再生可能エネルギー由来電力の割合の内数としてもよい。
【0114】
処理装置10のその他の構成は、第1、第3及び第4の実施形態の処理装置10と同様である。
【0115】
第5の実施形態の処理装置10によれば、第1、第3及び第4の実施形態の処理装置10と同様の作用効果が実現される。また、第5の実施形態の処理装置10は、充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合が高いほど、請求額をより大きく割り引くことができる。この場合、利用者は、再生可能エネルギー由来電力の割合がより高いタイミングで、充電装置20を用いた充電を行おうとする。このような環境面で優れる処理装置10の充電サービスに参加する施設や、当該充電サービスを利用する利用者が増えることが期待される。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0116】
<第6の実施形態>
第6の実施形態の処理装置10は、第2の実施形態の処理装置10の構成を具体化したものである。処理装置10は、特定地域内で行った充電装置20を用いた充電の内容に基づき、特定地域内の施設で利用可能な価値情報を利用者に提供する。以下、詳細に説明する。
【0117】
図2に、第6の実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、第6の実施形態の処理装置10は、充電装置制御部11と、価値情報提供部14とを有する。
【0118】
図9に、第6の実施形態の処理装置10の機能ブロック図の他の一例を示す。図示するように、第6の実施形態の処理装置10は、充電装置制御部11と価値情報提供部14に加えて、第1の算出部12及び第2の算出部13を有してもよい。
【0119】
充電装置制御部11、第1の算出部12及び第2の算出部13の構成は、第1、第3乃至第5の実施形態で説明した通りである。
【0120】
価値情報提供部14は、特定地域内で行った充電装置20を用いた充電の内容に基づき、特定地域内の複数の施設で利用可能な価値情報を利用者に提供する。
【0121】
「価値情報」は、クーポン、ポイント、通貨等である。価値情報は、施設内で商品やサービスを購入した時の支払に利用できる。価値情報は、電子データとして提供されてもよいし、紙媒体として提供されてもよい。クーポンは、割引クーポンや、商品プレゼントクーポン等が例示されるが、これらに限定されない。
【0122】
「特定地域内で行った充電装置20を用いた充電の内容」は、第4の実施形態で説明した各利用者の取引履歴で示される。価値情報提供部14は、各利用者の取引履歴に基づき、各利用者に提供する価値情報の内容を決定する。価値情報提供部14は、以下の決定例1乃至3の少なくとも1つを実行することができる。
【0123】
「決定例1」
当該例では、価値情報提供部14は、特定地域内で充電装置20を用いた充電を行った回数に基づき、価値情報の内容を決定する。当該回数は、所定期間内に、特定地域内で充電装置20を用いた充電を行った回数であってもよい。所定期間は、第4の実施形態で説明した通りである。
【0124】
価値情報提供部14は、当該回数が多いほど、より価値の高い価値情報を提供することを決定する。例えば、価値情報提供部14は、当該回数が多いほど、より多くのポイント又は通貨を提供することを決定してもよい。また、価値情報提供部14は、当該回数が多いほど、より大きい割引内容の割引クーポンを提供することを決定してもよい。また、価値情報提供部14は、当該回数が多いほど、より高額な商品をプレゼントする商品プレゼントクーポンを提供することを決定してもよい。予め、当該回数から、利用者に提供する価値情報を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。価値情報提供部14は、当該ルールに基づき、利用者に提供する価値情報を決定する。
【0125】
「決定例2」
当該例では、価値情報提供部14は、充電装置20を用いた充電で利用した施設の数に基づき、価値情報の内容を決定する。当該施設の数は、所定期間内に、充電装置20を用いた充電で利用した施設の数であってもよい。所定期間は、第4の実施形態で説明した通りである。なお、同じ施設で複数回充電を行った場合、その複数回の充電で利用した施設の数は1となる。
【0126】
価値情報提供部14は、当該施設の数が多いほど、より価値の高い価値情報を提供することを決定する。例えば、価値情報提供部14は、当該施設の数が多いほど、より多くのポイント又は通貨を提供することを決定してもよい。また、価値情報提供部14は、当該施設の数が多いほど、より大きい割引内容の割引クーポンを提供することを決定してもよい。また、価値情報提供部14は、当該施設の数が多いほど、より高額な商品をプレゼントする商品プレゼントクーポンを提供することを決定してもよい。予め、当該施設の数から、利用者に提供する価値情報を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。価値情報提供部14は、当該ルールに基づき、利用者に提供する価値情報を決定する。
【0127】
「決定例3」
当該例では、価値情報提供部14は、充電装置20を用いた充電の充電電力量に基づき、価値情報の内容を決定する。価値情報提供部14は、価値情報の内容を、各取引の充電電力量に基づき算出してもよい。その他、価値情報提供部14は、価値情報の内容を、その時までに行った複数回の充電の充電電力量の合計値に基づき算出してもよい。その時までに行った複数回の充電は、例えば、所定期間内に行った充電装置20を用いた充電である。所定期間は、第4の実施形態で説明した通りである。
【0128】
価値情報提供部14は、充電電力量又は充電電力量の合計値が多いほど、より価値の高い価値情報を提供することを決定する。例えば、価値情報提供部14は、充電電力量又は充電電力量の合計値が多いほど、より多くのポイント又は通貨を提供することを決定してもよい。また、価値情報提供部14は、充電電力量又は充電電力量の合計値が多いほど、より大きい割引内容の割引クーポンを提供することを決定してもよい。また、価値情報提供部14は、充電電力量又は充電電力量の合計値が多いほど、より高額な商品をプレゼントする商品プレゼントクーポンを提供することを決定してもよい。予め、充電電力量又は充電電力量の合計値から、利用者に提供する価値情報を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。価値情報提供部14は、当該ルールに基づき、利用者に提供する価値情報を決定する。
【0129】
価値情報提供部14は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションや、充電装置20の近くに設置された操作端末を介して、利用者への価値情報の提供を実現することができる。価値情報は、電子データで提供されてもよいし、紙媒体で提供されてもよい。利用者に価値情報を提供するタイミングは様々である。例えば、1回の取引が終了したタイミングで、価値情報提供部14は、利用者に価値情報を提供してもよい。その他、価値情報提供部14は、月末や週末など、予め定められた所定のタイミングで、利用者に価値情報を提供してもよい。
【0130】
価値情報提供部14は、有効期限付きの価値情報を利用者に提供してもよい。有効期限を設定することで、利用者による価値情報の早期の利用を促すことができる。また、価値情報提供部14は、有効期限までの日数が基準日数になったタイミングで、利用者にその旨を通知してもよい。当該通知は、例えば充電サービスアプリケーションを介して実現される。基準日数は、各利用者が設定できてもよいし、電力供給者が設定できてもよい。
【0131】
処理装置10のその他の構成は、第1乃至第5の実施形態の処理装置10と同様である。
【0132】
第6の実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第5の実施形態の処理装置10と同様の作用効果が実現される。
【0133】
また、第6の実施形態の処理装置10は、特定地域内で充電装置20を用いた充電を行った回数が多いほど、より価値の高い価値情報を提供することができる。この場合、利用者は、特定地域内で充電装置20を用いた充電をより多く行おうとする。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。
【0134】
また、第6の実施形態の処理装置10は、充電装置20を用いた充電で利用した施設の数が多いほど、より価値の高い価値情報を提供することができる。この場合、利用者は、より多くの施設で充電装置20を用いた充電を行おうとする。結果、様々な施設に利用者を呼び込むことができ、それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。
【0135】
また、第6の実施形態の処理装置10は、充電装置20を用いた複数回の充電の充電電力量の合計値が多いほど、より価値の高い価値情報を提供することができる。この場合、利用者は、特定地域内で充電装置20を用いた充電をより多く行おうとする。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。
【0136】
このように、上記回数、施設の数、複数回の充電の充電電力量の合計値等に応じて割引内容を決定することで、利用者による多くの施設の訪問、すなわち特定地域内での周遊を促進することができる。それに伴い特定地域の経済の活性化が実現される。上記回数や施設の数に応じて割引内容を決定することで、利用者にこまめな充電を促すことができる。結果、利用者は、複数回のこまめな充電で、十分な電力量を充電できるようになる。
【0137】
<第7の実施形態>
第7の実施形態の処理装置10は、利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、利用者に提供する価値情報の内容を決定する。以下、詳細に説明する。
【0138】
価値情報提供部14は、利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、利用者に提供する価値情報の内容を決定する。価値情報提供部14は、第6の実施形態で説明した手法に代えて、又は加えて、当該利用者に提供する価値情報の内容を決定する手法を実行することができる。
【0139】
価値情報提供部14は、再生可能エネルギー由来電力の割合が高いほどより価値の高い価値情報を提供することを決定する。予め、再生可能エネルギー由来電力の割合から、利用者に提供する価値情報の内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。価値情報提供部14は、当該ルールに基づき、利用者に提供する価値情報の内容を決定する。
【0140】
価値情報提供部14は、任意の手法で、「利用者が充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合」を特定することができる。例えば、価値情報提供部14は、第5の実施形態で説明した手法を採用することができる。第7の実施形態においても、第5の実施形態同様、上述した登録データ(再生可能エネルギー由来電力の割合)は、利用者に向けて通知されてもよい。例えば、処理装置10は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションや、充電装置20の近くに設置された操作端末を介して、当該通知を行うことができる。
【0141】
また、価値情報提供部14は、再生可能エネルギーの種類毎に、上記割合を特定してもよい。そして、価値情報提供部14は、その各種再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、利用者に提供する価値情報の内容を決定してもよい。予め、各種再生可能エネルギー由来電力の割合から、利用者に提供する価値情報の内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。価値情報提供部14は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0142】
ところで、電力供給者は、再生可能エネルギー由来電力だけでは供給が不足した場合、需給調整のため、他の電力供給者等から電力を調達する場合がある(調整力)。この場合、調達した電力における再生可能エネルギー由来電力の割合が不明となり得る。この場合、調達した電力は、一律に再生可能エネルギー由来電力ではないとして扱ってもよい。その他、調達した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合を、一律に、予め定められた基準割合として扱ってもよい。基準割合は、任意の手法で決定される。例えば、過去の同時期の再生可能エネルギー由来電力の割合を用いてもよい。その他、過去の年平均の再生可能エネルギー由来電力の割合を用いてもよい。
【0143】
なお、電力供給者が、PPA事業を行うなどして、各家庭のPVの自家消費用の再生可能エネルギー由来電力を提供している場合、このPPA事業による自家消費用の使用電力は、再生可能エネルギー由来電力の割合の内数としてもよい。
【0144】
処理装置10のその他の構成は、第1乃至第6の実施形態の処理装置10と同様である。
【0145】
第7の実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第6の実施形態の処理装置10と同様の作用効果が実現される。また、第7の実施形態の処理装置10は、充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合が高いほど、より価値の高い価値情報を提供することができる。この場合、利用者は、再生可能エネルギー由来電力の割合がより高いタイミングで、充電装置20を用いた充電を行おうとする。このような環境面で優れる処理装置10の充電サービスに参加する施設や、当該充電サービスを利用する利用者が増えることが期待される。結果、処理装置10の充電サービスが活性化し、それに伴いその地域の経済の活性化が実現される。
【0146】
<変形例>
以下、第1乃至第7の実施形態の処理装置10に適用可能な変形例を説明する。
【0147】
「変形例1」
変形例1では、第1の算出部12が算出する「利用者に対して電力供給者が請求する請求額」は、第2の算出部13が算出する「充電装置20を設置したサービス提供者に対して電力供給者が支払う支払額」と「電力供給者の取り分」を含むものとする。
【0148】
そして、変形例1では、各サービス提供者が「充電装置20を設置したサービス提供者に対して電力供給者が支払う支払額」を算出するルールを決定することができる。第3の実施形態で説明した通り、例えば、第2の算出部13は、充電電力量と、予め定められた1kWhあたりの支払単価との積を、支払額として算出する。この例の場合、各サービス提供者が「1kWhあたりの支払単価」を決定する。
【0149】
このような変形例1では、各施設に設置された充電装置20を利用した充電の「1kWhあたりの請求単価」は施設毎に異なる。各施設に設置された充電装置20を利用した充電の「1kWhあたりの請求単価」は、各サービス提供者が決定する「1kWhあたりの支払単価」に応じて変動する。
【0150】
「1kWhあたりの支払単価」を高くすると、その分、「1kWhあたりの請求単価」が高くなる。一方、「1kWhあたりの支払単価」を低くすると、その分、「1kWhあたりの請求単価」が低くなる。各サービス提供者は、周辺における充電装置20の設置状況や、周辺の充電装置20の利用状況等に基づき、適切な「1kWhあたりの支払単価」を決定することができる。
【0151】
予め、各サービス提供者が決定した「1kWhあたりの支払単価」が処理装置10に登録されている。第2の算出部13は、この登録されている情報に基づき、充電装置20を設置したサービス提供者に対して電力供給者が支払う支払額を算出する。
【0152】
「変形例2」
処理装置10は、スタンプラリーサービスを提供してもよい。スタンプラリーサービスでは、処理装置10は、予め定められた条件での充電を行った利用者に対し、所定の価値情報を提供する。条件は、特定地域内での周遊を促す内容となっている。
【0153】
条件は、例えば所定期間内に所定の数の施設で充電した場合、特定地域で使える価値情報を提供するという内容であってもよい。具体例としては、「本日から1週間以内に5件の施設で充電したら特定地域で使えるクーポンをプレゼント」等が例示される。
【0154】
その他、条件は、例えば所定期間内に、予め定められた所定の複数の施設で充電した場合、特定地域で使える価値情報を提供するという内容であってもよい。具体例としては、「2023年4月1日から9日までの間に、施設A乃至Cの全てで充電したら特定地域で使える通貨をプレゼント」等が例示される。
【0155】
その他、条件は、例えば所定期間内に、予め定められた所定の複数のカテゴリの施設で充電した場合、特定地域で使える価値情報を提供するという内容であってもよい。具体例としては、「2023年4月9日に、レストラン、スーパーマーケット、アパレルの全てのカテゴリの施設で充電したら特定地域で使えるポイントをプレゼント」等が例示される。
【0156】
処理装置10は、
図8に示す利用者毎の取引履歴に基づき、条件が満たされたか否かを判定することができる。
【0157】
「変形例3」
処理装置10は、充電装置20を設置した施設を示す情報を利用者に提供してもよい。当該情報の提供は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションを介して実現される。
【0158】
例えば、処理装置10は、充電装置20を設置した施設の位置をマッピングした地図を利用者に提供してもよい。
【0159】
その他、処理装置10は、利用者の携帯端末から、その携帯端末の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。そして、処理装置10は、充電装置20を設置した施設の中の、利用者の携帯端末の現在位置から近い方から所定数の施設、又は当該現在位置から所定距離以内の施設を一覧表示してもよい。携帯端末は、現在位置を検知する機能(例:GPS(global positioning system)機能)を備えている。
【0160】
処理装置10は、上記地図や一覧表示での施設の情報の提示において、各施設の関連情報をさらに提示してもよい。関連情報は、施設名、カテゴリ(レストラン、スーパーマーケット等)、住所、電話番号、携帯端末の現在位置からの距離、当該距離に基づき算出される各施設までの移動に必要な電力量の目安等である。
【0161】
予め、
図10に示すように、充電装置20を設置した複数の施設各々の情報が処理装置10に記憶されている。処理装置10は、当該情報に基づき、上記のような利用者への情報の提供を実現する。
図10に示す例では、施設識別情報と、施設名と、カテゴリと、位置情報(緯度経度情報)とが互いに紐付けて登録されている。
【0162】
「変形例4」
処理装置10の充電サービスでは、利用者は、予め当該充電サービスの支払で利用するお金のチャージができてもよい。処理装置10は、利用者識別情報に紐付けて、チャージ残額を記憶する。
【0163】
そして、第1の算出部12は、当該チャージ残額に基づき利用者毎に割引内容を決定し、決定した割引内容に基づき、充電装置20を用いた充電を行った利用者に対して電力供給者が請求する請求額を算出する。
【0164】
第1の算出部12は、チャージ残額が高いほどより大きい割引内容を決定する。すなわち、第1の算出部12は、チャージ残額が高いほど、請求額を大きく割り引く。割引内容は様々であるが、例えば値引額や値引率等で示されてもよい。予め、チャージ残額から割引内容を決定するルールが生成され、処理装置10に記憶されている。第1の算出部12は、当該ルールに基づき、割引内容を決定する。
【0165】
処理装置10は、全ての利用者のチャージ残額の合計値を算出してもよい。そして、処理装置10は、当該合計値を、サービス提供者に通知してもよい。サービス提供者は、少なくともその合計値の分の電力購入余力が市場に残っていることを把握できる。
【0166】
また、処理装置10は、サービス提供者毎に、所定の条件を満たす利用者である対象利用者を抽出してもよい。そして、処理装置10は、サービス提供者毎に、抽出した対象利用者のチャージ残額の合計値を算出し、算出した合計値を各サービス提供者に通知してもよい。
【0167】
所定の条件を満たす利用者は、今後、各サービス提供者の施設で充電装置20を用いた充電を行う可能性がある利用者である。所定の条件は、例えば以下の中のいずれかであってもよい。
・過去に各サービス提供者の施設に設置された充電装置20で充電したことがある。
・過去に各サービス提供者の施設から所定距離以内の施設に設置された充電装置20で充電したことがある。
・過去に各サービス提供者の施設と同じカテゴリの施設に設置された充電装置20で充電したことがある。
【0168】
サービス提供者への通知の実現手段は、サービス提供者用の専用アプリケーションの利用、ウェブページの利用、電子メールの利用等が例示されるが、これらに限定されない。
【0169】
「変形例5」
処理装置10は、各施設に設置された充電装置20の現在の利用状況を把握してもよい。例えば、処理装置10は、充電装置20のスマートコンセントのスイッチのON/OFF状態に基づき、充電装置20の現在の利用状況を把握することができる。具体的には、処理装置10は、スマートコンセントのスイッチがONの時は利用中と判断する。そして、処理装置10は、スマートコンセントのスイッチがOFFの時は利用中でないと判断する。処理装置10は、充電装置制御部11による充電装置20の制御内容に基づき、各充電装置20のスマートコンセントのスイッチの現在のON/OFF状態を把握することができる。
【0170】
そして、処理装置10は、各施設に設置された充電装置20の現在の利用状況を利用者に通知することができる。
【0171】
例えば、処理装置10は、変形例3で説明した地図や一覧表示での施設の情報の提示において、各施設に設置された充電装置20の利用状況(利用中か否か)をさらに提示してもよい。
【0172】
その他、処理装置10は、利用者から所定の施設を指定し、その指定した施設の充電装置20の利用状況の問合わせを受付けてもよい。そして、処理装置10は、指定された施設の充電装置20の利用状況を利用者に通知してもよい。当該問合わせの受付、及び利用者への通知は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションを介して実現される。
【0173】
なお、処理装置10は、さらに、施設毎の平均充電時間や、充電速度を利用者に通知してもよい。施設毎の平均充電時間は、各施設で複数の利用者により過去に実際に行われた充電の充電時間の平均値である。当該例では、
図8に示す利用者毎の取引履歴において、各取引の充電時間がさらに登録される。そして、処理装置10は、当該取引履歴に基づき、施設毎の平均充電時間を算出する。充電速度は、予め各施設の充電装置20に紐付けて処理装置10に登録されている。当該情報の利用者への通知は、上述した充電装置20の現在の利用状況の利用者への通知と同様の手法で実現される。
【0174】
「変形例6」
処理装置10の充電サービスでは、充電装置20を用いた充電の開始時及び終了時の電動車両の充電残量(SOC(state of charge))を処理装置10に通知した利用者に対し、所定の価値情報を提供してもよい。
【0175】
処理装置10は、取引毎に、利用者から、充電装置20を用いた充電の開始時及び終了時の電動車両の充電残量の通知を受けることができる。当該通知は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションや、充電装置20の近くに設置された操作端末を介して実現される。利用者は、充電装置20を用いた充電の開始時及び終了時に、電動車両のユーザインタフェースに表示されている充電残量を確認する。そして、利用者は、確認した充電残量を、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションや、充電装置20の近くに設置された操作端末に入力する。
【0176】
なお、利用者の携帯端末は、有線及び/又は無線での通信で、電動車両のシステムと接続されていてもよい。そして、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションは、電動車両のシステムから、現時点の充電残量の通知を受けるように構成されてもよい。
【0177】
この場合、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションは、利用者から、「充電装置20を用いた充電の開始時及び終了時の電動車両の充電残量を処理装置10に通知するか否か」の指示を受付ける。そして、充電サービスアプリケーションは、通知する指示を受付けた場合、電動車両のシステムからの通知に基づき、充電装置20を用いた充電の開始時及び終了時の電動車両の充電残量を処理装置10に通知する。
【0178】
また、処理装置10の充電サービスでは、各利用者の電動車両の情報(車種、メーカ、型式等)を処理装置10に通知した利用者に対し、所定の価値情報を提供してもよい。処理装置10は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションを介して、当該通知を受付けることができる。
【0179】
価値情報は、例えば第4の実施形態で説明した手法で、利用者に提供される。
【0180】
「変形例7」
処理装置10は、電動車両の充電残量が基準値を下回ると、利用者に充電を促す通知を行う。
【0181】
基準値は、各利用者が設定できる。例えば、処理装置10は、
図11に示すようなユーザインタフェース画面を介して、利用者から基準値の設定を受付けてもよい。
図11に示すユーザインタフェース画面は、スライダーを用いて、基準値の設定を受付ける。なお、その他のユーザインタフェース部品を用いて、基準値の設定を受付けてもよい。処理装置10は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションを介して、各利用者から基準値の設定を受付けることができる。
【0182】
当該変形例の場合、利用者の携帯端末は、有線及び/又は無線での通信で、電動車両のシステムと接続されている。そして、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションは、電動車両のシステムから、現時点の充電残量の通知を受けるとともに、通知された充電残量を処理装置10に通知する。処理装置10は、当該通知内容に基づき、電動車両の充電残量が基準値を下回っていないか監視する。
【0183】
利用者に充電を促す通知は、利用者の携帯端末にインストールされた充電サービスアプリケーションを介して実現される。例えば、処理装置10は、
図12に示すような画面を、充電サービスアプリケーションを介して利用者の携帯端末に表示させてもよい。なお、このような画面を利用者の携帯端末以外に表示するようにしてもよい。例えば、利用者の車両に設けられた表示手段へ表示するようにしもよい。また、携帯端末と表示手段とを連携させて表示させるようにしてもよい。なお、表示手段とは、例えばカーナビゲーションシステムのディスプレイや、インストルメントパネルなどである。
【0184】
図12に示す画面では、充電残量が基準値以下になったことが通知されている。また、
図12に示す画面では、その時の周辺の充電ポイント(充電装置20を設置した施設)が通知されている。充電ポイントの通知は、変形例3の技術で実現される。
【0185】
なお、充電ポイントの通知を行うにあたり、各充電ポイントにて得られる価値情報や価値情報を得るための条件などが表示されるようにしもよい。例えば、
図12に示す画面において、「スーパー田中」の近傍に「6kw充電した場合、○○のクーポンをプレゼント」、といった表示を行うなどである。また、価値情報や価値情報を得るための条件は、充電ポイントと共に表示してもよいし、充電ポイントを選択する要求に応じて、選択された充電ポイントに対応する価値情報や価値情報を得るための条件を表示するようにしてもよい。さらに、充電ポイントを選択する要求に応じて、選択された充電ポイントまでの経路を表示するようにしてもよいし、もしくは、選択された充電ポイントまでの経路案内を開始するようにしてもよい。また、充電ポイントの利用状況を表示するようにしてもよい。
【0186】
さらに、充電ポイントの利用状況に応じて、表示する充電ポイントの優先順位を変更するようにしてもよい。例えば、
図12では、距離が近い順に、充電ポイントを表示している。この時、最も近い充電ポイントが利用できない場合には、他の充電ポイントを優先して表示するようにしてもよい。この他にも、価値情報の内容に応じて、充電ポイントの表示順や、表示される充電ポイントを変更するようにしてもよい。例えば、発行されるクーポンの額が大きいほど、優先して表示するといった具合である。
【0187】
また、利用者が行った充電の履歴や獲得した価値情報を、充電サービスアプリケーションを用いて確認できるようにしもよい。
【0188】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0189】
また、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されている。しかし、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施の形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0190】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御手段と、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出手段と、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出手段と、
を有する処理装置。
2. 前記充電装置制御手段は、
取引毎に、前記充電装置を用いた充電を行った利用者を示す利用者識別情報を取得し、
前記利用者識別情報に紐付けて、前記充電装置を用いた充電の履歴を示す取引履歴を登録し、
前記第1の算出手段は、
前記取引履歴にさらに基づき、前記請求額を決定する1に記載の処理装置。
3. 前記第1の算出手段は、
前記充電装置を用いた充電を行った回数に基づき、前記請求額を決定する2に記載の処理装置。
4. 前記取引履歴は、
いずれの施設に設置された前記充電装置を用いた充電を行ったかをさらに示し、
前記第1の算出手段は、
前記充電装置を用いた充電で利用した前記施設の数に基づき、前記請求額を決定する2又は3に記載の処理装置。
5. 前記第1の算出手段は、
前記施設の数が多いほど、前記請求額を大きく割り引く4に記載の処理装置。
6. 前記第1の算出手段は、
充電した電力の再生可能エネルギー由来電力の割合に基づき、前記請求額を決定する1から5のいずれかに記載の処理装置。
7. 充電処理及び充電電力量の計量を行う複数の充電装置と、
1から6のいずれかに記載の処理装置と、
を有する処理システム。
8. 前記充電装置は、
コンセントに接続して使用されるスマートコンセントと、前記スマートコンセント毎の充電電力量を計量するメータとを有する7に記載の処理システム。
9. 1つ以上のコンピュータが、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得し、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出し、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する処理方法。
10. コンピュータを、
充電処理及び充電電力量の計量を行う充電装置から、取引毎の充電電力量を取得する充電装置制御手段、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置の利用者に対して請求する請求額を算出する第1の算出手段、
前記取引毎の充電電力量に基づき、前記充電装置を用いて車両へ充電を行うサービスを提供するサービス提供者に対して支払う支払額を算出する第2の算出手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0191】
10 処理装置
11 充電装置制御部
12 第1の算出部
13 第2の算出部
14 価値情報提供部
20 充電装置
30 通信ネットワーク
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス