(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158142
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/58 20060101AFI20241031BHJP
A47C 7/24 20060101ALI20241031BHJP
B68G 7/05 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B60N2/58
A47C7/24
B68G7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073097
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 勝允
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE03
(57)【要約】
【課題】シートバックとシートクッションとを強く干渉させることなく、これらの間を隙詰めできる乗物用シートを提供すること。
【解決手段】シート1は、シートクッション3とシートバック2とを備える。シートクッション3が、着座者を弾性的に支持するクッションパッド40と、クッションパッド40のパッド表面に被せられるクッションカバー60と、を有する。クッションパッド40は、シートバック2の下部がクッションパッド40と高さ方向に重なるようにシートバック2の下部を受け入れ可能な上向き開口の凹部44を有する。クッションカバー60が、凹部44から浮くように張設され、シートバック2の下部により凹部44内に押圧される浮き部61を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションとシートバックとを備える乗物用シートであって、
前記シートクッションが、着座者を弾性的に支持するクッションパッドと、該クッションパッドのパッド表面に被せられるクッションカバーと、を有し、
前記クッションパッドが、前記シートバックの下部を高さ方向に重なる位置で受け入れ可能な上向き開口の凹部を有し、
前記クッションカバーが、前記凹部を間に挟む前記クッションパッドの上面間に前記凹部から浮くように張設され、前記シートバックの前記下部により前記凹部内に押圧される浮き部を有する乗物用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記クッションパッドが、前記シートバックの前記下部よりも後方の位置において、前記クッションパッドの前記上面から上方に突出する凸部を有し、
該凸部と、前記クッションパッドの前上がり状に延びる前部と、の間に前記凹部が形成される乗物用シート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記シートバックの前記下部が、前記凹部の底面との間に高さ方向に隙間を生じるように設けられる乗物用シート。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記シートバックと前記シートクッションとが、それぞれ個別に乗物本体に組み付けられる乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、着座部を成すシートクッションと、シートクッションの上方に設けられて背凭れ部を成すシートバックと、を備える乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着座部を成すシートクッションと、背凭れ部を成すシートバックと、を備えるシートが開示されている。シートバックは、シートクッションとの間に高さ方向の隙間を隔ててシートクッションの上方に位置するように設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、シートクッションとシートバックとの間に隙間が設けられると、着座者が物を落とした際に上記隙間に入り込んでしまうおそれがある。一方で、シートバックとシートクッションとを互いに当接させて隙詰めしようとすると、建て付けにより互いの当接部位が強干渉となる恐れがある。そこで、シートバックとシートクッションとを強く干渉させることなく、これらの間を隙詰めできる乗物用シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
【0006】
本発明の第1の発明は、シートクッションとシートバックとを備える乗物用シートであって、前記シートクッションが、着座者を弾性的に支持するクッションパッドと、該クッションパッドのパッド表面に被せられるクッションカバーと、を有し、前記クッションパッドが、前記シートバックの下部を高さ方向に重なる位置で受け入れ可能な上向き開口の凹部を有し、前記クッションカバーが、前記凹部を間に挟む前記クッションパッドの上面間に前記凹部から浮くように張設され、前記シートバックの前記下部により前記凹部内に押圧される浮き部を有する乗物用シートである。
【0007】
上記構成によれば、シートバックがクッションカバーの浮き部に押し当てられることで、シートバックとシートクッションとの間を隙詰めできる。そして、シートバックがクッションパッドの凹部に受け入れられることで、クッションパッドが凹部を有しない構成と比べてシートバックをクッションパッドに対して強く押し付けられないように逃がしやすくなる。このようにして、シートバックとシートクッションとを強く干渉させることなく、これらの間を隙詰めできる。
【0008】
本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、前記クッションパッドが、前記シートバックの前記下部よりも後方の位置において、前記クッションパッドの前記上面から上方に突出する凸部を有し、該凸部と、前記クッションパッドの前上がり状に延びる前部と、の間に前記凹部が形成される乗物用シートである。このように、凸部がシートバックの下部よりも後方に位置することで、凸部が着座者に干渉しにくくなる。このため、凸部による座り心地の悪化を抑制できる。
【0009】
本発明の第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記シートバックの前記下部が、前記凹部の底面との間に高さ方向に隙間を生じるように設けられる乗物用シートである。上記構成によれば、シートバックとクッションパッドとを互いに干渉しないように設けることができる。
【0010】
本発明の第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記シートバックと前記シートクッションとが、それぞれ個別に乗物本体に組み付けられる乗物用シートである。上記構成によれば、建て付けによりシートバックとシートクッションとの間に高さ方向の隙間が生じやすい構成でも、これらの間を隙詰めしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係るシートの斜視図である。
【
図8】シートクッションの第1変形例を示す
図7に相当する拡大図である。
【
図9】シートクッションの第2変形例を示す
図7に相当する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、
図1-9を用いて説明する。以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
【0013】
<第1の実施形態>
図1に示すように、本実施形態のシート1は、自動車の左側の後部座席として構成されている。シート1は、着座者の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れ部となるヘッドレスト4と、を備える。
【0014】
図1、2に示すようにシートバック2は、その背裏側の上部が車体のパーティションパネル(不図示)にシート上方側から引っ掛けられると共に、下部がシートクッション3に組み付けられた連結ブラケット51に締結されて固定された状態とされる。シートクッション3は、車体の床面を成すフロアパネル(不図示)に固定される。シートバック2及びシートクッション3は、上記のような簡素な組付構造によって、それぞれが車体(乗物本体)に取り付けられて固定された状態とされる。
【0015】
図6、7に示すようにシートクッション3は、クッションパッド40と、クッションパッド40に上から被せられるクッションカバー60と、を有する。クッションパッド40は、前方に向かって斜め上がり状に延びる前部42と、パッド後端部において上向きに突出する凸部43とを有する。それによりクッションパッド40は、前部42と凸部43との間で下向きに凹む凹部44を有する構成とされる。
図6、7の仮想線に示すように、クッションカバー60は、凹部44を間に挟むクッションパッド40の前部42と凸部43間に凹部44から浮く浮き部61を有するように張設される。
【0016】
シートバック2は、その下部がシートクッション3の上面に押し当てられるように設けられる。詳しくはシートバック2の下部は、クッションカバー60の浮き部61に上方から押し当てられて、クッションパッド40の凹部44内に受け入れられる。これにより、シートバック2とクッションカバー60とが互いに当接するように設けられる。このため、シートバック2とシートクッション3との間を隙詰めできる。またシートバック2の下部は、凹部44の底面44aとの間に高さ方向の隙間を隔てて配置されるように設けられる。これにより、シートバック2とクッションパッド40との互いの干渉を抑制できる。
【0017】
<シートクッション3>
以下、上述したシート1の各構成について詳しく説明する。
図3に示すようにシートクッション3は、骨格を成すクッションフレーム50と、クッション材であるクッションパッド40と、表皮材であるクッションカバー60と、を有する。クッションフレーム50は、枠状のパイプに複数本のワイヤをシートクッション3の着座面の形に沿うように組み付けて構成したものである。クッションフレーム50は、その枠前部の左右2箇所と枠後部の左右2箇所とに組み付けられる金属製のレッグ52を有する。各レッグ52は、クッションフレーム50を車体のフロアパネル(不図示)に対して下方から支持する。
【0018】
図3に示すようにクッションフレーム50は、その枠後部の左右2箇所にシートバック2と連結するための連結ブラケット51を有する。各連結ブラケット51は、クッションフレーム50に巻き付けられるように溶着される係止ワイヤ部51bと、係止ワイヤ部51bの先端に溶着される薄板状の連結板部51aと、を有する。
図5に示すように各連結板部51aは、その中央にボルトを螺合可能に形成されたねじ孔51cと、ねじ孔51cの左右両側に形成される縦長孔状の貫通孔51dと、を有する。
【0019】
図3に示すようにクッションパッド40は、ポリウレタンフォーム等の発泡樹脂で形成される。クッションパッド40は、その上面を成す天板面41を有する。天板面41は、着座者の臀部を下方から支持する。クッションパッド40は、その後端部に天板面41から上向きに突出する凸部43を有する。凸部43は、クッションパッド40の左右方向の全域に亘って連続的に延びるように形成される。
図6に示すようにクッションパッド40の天板面41は、後方から前方に向かって斜め上がり状となる前上がり形状を成す。これにより、クッションパッド40の前部42と凸部43との間に下向きに凹む凹部44が形成される。凹部44は、凸部43の直前で最も深く凹むように形成される。
【0020】
図3に示すようにクッションパッド40は、その後部の左右2箇所に高さ方向に貫通する貫通孔45を有する。各貫通孔45は、クッションパッド40の凹部44と配置が重なるように形成される。
図6、7に示すようにクッションパッド40は、クッションフレーム50に対して上方から被せられるように組み付けられる。これにより、クッションフレーム50の各連結ブラケット51は、クッションパッド40の貫通孔45を通ってクッションパッド40よりも上方に突き出るように設けられる。
【0021】
図3に示すようにクッションカバー60は、複数枚のカバーピースが縫い合わされて形成された面状部材である。クッションカバー60は、クッションパッド40に上側から被せられるように設けられる。クッションカバー60の端部は、クッションパッド40の下面側に回し込まれてクッションフレーム50に止着される。これによりクッションカバー60は、クッションパッド40をクッションフレーム50に組み付けた状態に保持する。
図6、7に示すようにクッションカバー60は、凹部44を間に挟むクッションパッド40の前部42と凸部43間に凹部44から浮く浮き部61を有するように張設される(仮想線参照)。なお各連結ブラケット51は、クッションカバー60に形成された図示しないスリットを通ってクッションカバー60よりも上方に突き出るようになっている。
【0022】
<シートバック2>
図4に示すようにシートバック2は、骨格を成すバックフレーム20と、クッション材であるバックパッド10と、表皮材であるバックカバー30と、を有する。バックフレーム20は、複数本のワイヤをシートバック2の背凭れ面の形に沿った枠形状に組み付けて構成したものである。バックフレーム20は、その上部の左右2箇所に側面視U字状に下方に開口するフック21を有する。バックフレーム20は、その下部の左右2箇所に正面視U字状で下方に延びる結合部22を有する。またバックフレーム20の上部には、ヘッドレスト4の骨格を成すヘッドレストフレーム4aが組み付けられている。
【0023】
バックフレーム20は、バックパッド10の発泡成形時に成形型内にセットされることにより、その大部分がバックパッド10内に一体的に埋め込まれた状態となって成形される。バックフレーム20の各フック21は、バックパッド10の背部の左右2箇所からシート後方に突き出すように設けられる。各フック21は、図示しない車体のパーティションパネルに対してシート上方側から引っ掛けられる。これにより、シートバック2の上部が車体に対して固定される。またバックフレーム20の各結合部22は、バックパッド10の下部の左右2箇所からシート下方に突き出すように設けられる。
【0024】
図2、5に示すように各結合部22は、シートクッション3の各連結ブラケット51に結合される。詳しくは、各結合部22は各連結ブラケット51の連結板部51aの手前に配置される。そして、図示しないボルトを各結合部22の前側から各結合部22のU字形状の間を通すように、各連結ブラケット51のねじ孔51cに螺合させる。これにより、各結合部22が各ボルトと各連結板部51aとの間に挟み込まれて固定される。これにより、シートバック2の下部がシートクッション3に対して固定される。各結合部22が高さ方向に延びる長孔を形成するU字形状とされることで、シートバック2やシートクッション3に高さ方向のばらつきが生じたとしても、そのばらつきを各結合部22によって吸収するようにシートバック2の下部をシートクッション3に対して組み付けることができる。またシートバック2は、各連結ブラケット51に結合された各結合部22を前側から覆い隠す目隠しキャップ23を有する。各目隠しキャップ23は、各連結ブラケット51の貫通孔51dに前側から被せられるように設けられる。
【0025】
図5に示すようにバックパッド10は、正面視で略矩形状の部材である。バックパッド10は、ポリウレタンフォーム等の発泡樹脂で形成される。バックパッド10は、その前面部11に左右方向に延びるように線状に凹んだ吊り込み溝12を有する。
図4に示すようにバックパッド10は、各結合部22が下方に突き出る左右2箇所の下縁部において下向き開口となる窪み13を有する。これにより、各結合部22を各連結ブラケット51に結合させる際に、作業者がシート前側から各結合部22及び各連結ブラケット51を目視しやすくなる。
図1に示すように、各窪み13には各目隠しキャップ23が嵌り込むように設けられる。バックパッド10の上部には、ヘッドレスト4のクッション材を成すヘッドレストパッド4bが一体的に設けられる。
【0026】
図4に示すようにバックカバー30は、複数枚のカバーピースが縫い合わされて形成された袋状部材である。バックカバー30は、バックパッド10を外周側から覆うように設けられる。バックカバー30は、バックパッド10の吊り込み溝12に沿って後方に折り曲げられた吊り込み部31を有する。吊り込み部31は、吊り込み溝12内に吊り込まれて止着される。それによりバックカバー30は、バックパッド10の前面部11上に浮きや皺を生じさせることなく密着した状態に張設される。またバックカバー30は、バックパッド10の窪み13の形状に合わせて凹んだ凹み部32を有する。バックカバー30の上部には、ヘッドレスト4の表皮材を成すヘッドレストカバー4cが一体的に形成される。ヘッドレストカバー4cは、ヘッドレストパッド4bに外周側から被せられる。
【0027】
図6、7に示すようにシートバック2は、その下部がクッションカバー60の浮き部61に上方から押し当てられるように、各結合部22を介してシートクッション3に組み付けられる。クッションカバー60の浮き部61は、図中仮想線から図中実線のように凹部44内に押し下げられて張った状態とされる。これにより浮き部61は、シートバック2の下部を上方に向かって押し返す弾発力を生じる。このため、シートバック2とクッションカバー60とが互いに押し合うことで、シートバック2とクッションカバー60との間をより適切に隙詰めできる。シートバック2の下部は、底面44aとの間に隙間を生じるように凹部44内に受け入れられる。これによりシートバック2の下部が、クッションパッド40の凸部43よりも前方の位置で凸部43と高さ方向に重なるように設けられる。このため、凸部43がシート1の着座者に対して干渉しにくくなる。また、シートバック2とクッションカバー60との間を越えて物が後方に転がったとしても、凸部43によってせき止めることができる。これにより、シート1の後部に物が落ちるのをより適切に防ぐことができる。
【0028】
以上をまとめると、第1の実施形態に係るシート1は、次のような構成とされている。以下において、括弧書きで示す符号は上記実施形態に示した各構成に対応する符号である。
【0029】
乗物用シート(1)は、シートクッション(3)とシートバック(2)とを備える。シートクッション(3)が、着座者を弾性的に支持するクッションパッド(40)と、クッションパッド(40)のパッド表面に被せられるクッションカバー(60)と、を有する。クッションパッド(40)が、シートバック(2)の下部を高さ方向に重なる位置で受け入れ可能な上向き開口の凹部(44)を有する。クッションカバー(60)が、凹部(44)を間に挟むクッションパッド(40)の上面(41)間に凹部(44)から浮くように張設され、シートバック(2)の下部により凹部(44)内に押圧される浮き部(61)を有する。
【0030】
このように、シートバック(2)がクッションカバー(60)の浮き部(61)に押し当てられることで、シートバック(2)とシートクッション(3)との間を隙詰めできる。そして、シートバック(2)がクッションパッド(40)の凹部(44)に受け入れられることで、クッションパッド(40)が凹部(44)を有しない構成と比べてシートバック(2)をクッションパッド(40)に対して強く押し付けられないように逃がしやすくなる。このようにして、シートバック(2)とシートクッション(3)とを強く干渉させることなく、これらの間を隙詰めできる。
【0031】
また、クッションパッド(40)が、シートバック(2)の下部よりも後方の位置において、クッションパッド(40)の上面(41)から上方に突出する凸部(43)を有する。凸部(43)と、クッションパッド(40)の前上がり状に延びる前部(42)と、の間に凹部(44)が形成される。このように、凸部(43)がシートバック(2)の下部よりも後方に位置することで、凸部(43)が着座者に干渉しにくくなる。このため、凸部(43)による座り心地の悪化を抑制できる。
【0032】
また、シートバック(2)の下部が、凹部(44)の底面(44a)との間に高さ方向に隙間を生じるように凹部(44)に受け入れられる。これにより、シートバック(2)とクッションパッド(40)とを互いに干渉しないように設けることができる。
【0033】
また、シートバック(2)とシートクッション(3)とが、それぞれ個別に乗物本体に組み付けられる。上記構成によれば、建て付けによりシートバック(2)とシートクッション(3)との間に高さ方向の隙間が生じやすい構成でも、これらの間を隙詰めしやすくなる。
【0034】
<その他の実施形態>
以上、本発明は1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態の他に各種の形態で実施することができるものである。
【0035】
1.乗物用シートは、自動車のシートの他に、鉄道等の自動車以外の車両、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
【0036】
2.
図8に示すように凸部は、シートバックの下部よりも前方の位置においてクッションパッドの上面から上方に突出する構成であっても良い。凸部は、クッションパッドの左右方向の全域に亘って連続的に延びる構成を示した。しかしこれに代えて、凸部は左右方向の一部に連続的又は断続的に延びるように設けられる構成でも良い。例えばクッションパッドの各貫通孔45の真後ろに位置する領域には形成されない構成でも良いし、その他任意の位置に設けられる構成でも良い。
【0037】
3.
図9に示すようにクッションパッドは、その上面から下方に陥没するように形成される凹部を有しても良い。シートバックは、リクライナやヒンジ等の連結機構を介してシートクッションに対して傾動可能に連結される構成でも良い。またシートバックの下部は、シートクッションに直接的又は間接的に連結されることなく、乗物本体に直接組み付けられる構成でも良い。シートバックは、クッションパッドの底面と当接するように凹部内に受け入れられる構成でも良い。
【符号の説明】
【0038】
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
4a ヘッドレストフレーム
4b ヘッドレストパッド
4c ヘッドレストカバー
10 バックパッド
11 前面部
12 吊り込み溝
13 窪み
20 バックフレーム
21 フック
22 結合部
23 目隠しキャップ
30 バックカバー
31 吊り込み部
32 凹み部
40 クッションパッド
41 天板面(上面)
42 前部
43 凸部
44 凹部
44a 底面
45 貫通孔
50 クッションフレーム
51 連結ブラケット
51a 連結板部
51b 係止ワイヤ部
51c ねじ孔
51d 貫通孔
52 レッグ
60 クッションカバー
61 浮き部