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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158152
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】検査方法および位置検出方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20241031BHJP
   B25J 9/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B25J9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073111
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宮本 将尊
(72)【発明者】
【氏名】溝口 安志
(72)【発明者】
【氏名】安部 大介
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS07
3C707AS14
3C707BS12
3C707DS01
3C707HS27
3C707KS03
3C707KS06
3C707KS08
3C707KS34
3C707KT03
3C707KT05
3C707KT06
3C707KT11
3C707KV01
3C707KW03
3C707KX06
3C707KX07
3C707LV17
3C707NS17
(57)【要約】
【課題】プログラム作成スキルを十分に持たない者でも第2コネクタの位置を高精度に検出することができる検査方法および位置検出方法を提供する。
【解決手段】ロボットを用いて第1コネクタを第2コネクタに挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、前記第2コネクタに第2コネクタ用マークを配置する配置ステップと、前記第2コネクタ用マークを撮像装置で撮像し、得られた画像データに基づいて前記第2コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、前記第2コネクタから前記第2コネクタ用マークを取り外す取り外しステップと、前記ロボットで前記第1コネクタを把持し、前記第2コネクタに対して前記第1コネクタの抜き挿しを繰り返す挿抜ステップと、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットを用いて第1コネクタを第2コネクタに挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、
前記第2コネクタに第2コネクタ用マークを配置する配置ステップと、
前記第2コネクタ用マークを撮像装置で撮像し、得られた画像データに基づいて前記第2コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、
前記第2コネクタから前記第2コネクタ用マークを取り外す取り外しステップと、
前記ロボットで前記第1コネクタを把持し、前記第2コネクタに対して前記第1コネクタの抜き挿しを繰り返す挿抜ステップと、を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記撮像装置は、前記ロボットに配置されている請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記第2コネクタ用マークは、立体形状のマーク部を有する請求項1に記載の検査方法。
【請求項4】
前記マーク部の側面は、テーパー状に傾斜している請求項3に記載の検査方法。
【請求項5】
前記配置ステップでは、前記第2コネクタ用マークを前記第1コネクタに配置し、前記第1コネクタを前記第2コネクタに挿入することにより、前記第2コネクタに前記第2コネクタ用マークを配置する請求項1に記載の検査方法。
【請求項6】
前記第2コネクタ用マークは、前記第1コネクタに装着される把持治具に配置されている請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
複数の前記第2コネクタが配置され、
前記配置ステップでは、複数の前記第2コネクタに対して互いに異なる前記第2コネクタ用マークを挿入する請求項1に記載の検査方法。
【請求項8】
第1コネクタが挿入される第2コネクタの位置を検出する位置検出方法であって、
前記第2コネクタに第2コネクタ用マークを配置する配置ステップと、
前記第2コネクタ用マークを撮像装置で撮像し、得られた画像データに基づいて前記第2コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、を含むことを特徴とする位置検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査方法および位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットで第1コネクタを把持して第2コネクタに挿入するステップと、第1コネクタが第2コネクタに挿入されている状態で第1コネクタおよび第2コネクタを共振させるステップと、共振周波数に基づいて第1コネクタの挿入深さを調整するステップと、を行うロボット装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-012784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のロボット装置では、画像認識による第2コネクタの位置検出を行う場合、第2コネクタの形状に合わせた認識プログラムを作成する必要がある。そのため、認識プログラムの作成スキルが必要であったり、パラメーターの調整作業が難しかったりする。また、認識プログラムを作成できたとしても、第2コネクタの形状、光沢、色等によっては、第2コネクタを適切に認識できない場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の検査方法は、ロボットを用いて第1コネクタを第2コネクタに挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、
前記第2コネクタに第2コネクタ用マークを配置する配置ステップと、
前記第2コネクタ用マークを撮像装置で撮像し、得られた画像データに基づいて前記第2コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、
前記第2コネクタから前記第2コネクタ用マークを取り外す取り外しステップと、
前記ロボットで前記第1コネクタを把持し、前記第2コネクタに対して前記第1コネクタの抜き挿しを繰り返す挿抜ステップと、を含む。
【0006】
本発明の位置検出方法は、第1コネクタが挿入される第2コネクタの位置を検出する位置検出方法であって、
前記第2コネクタに第2コネクタ用マークを配置する配置ステップと、
前記第2コネクタ用マークを撮像装置で撮像し、得られた画像データに基づいて前記第2コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
図2】検査で用いるケーブルを示す平面図である。
図3】検査対象である電子機器を背面から見た図である。
図4】検査で用いる第2コネクタ用マークを示す斜視図である。
図5】検査工程を示すフローチャートである。
図6】検査工程を説明するための図である。
図7】検査工程を説明するための図である。
図8】検査工程を説明するための図である。
図9】第2実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
図10】第3実施形態に係るロボットシステムで行う検査で用いられる把持治具を示す斜視図である。
図11図10に示す把持治具の分解斜視図である。
図12】把持治具をツールが把持した状態を示す斜視図である。
図13】第4実施形態に係るロボットシステムで行う検査で用いられる把持治具を示す斜視図である。
図14】検査工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の検査方法および位置検出方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るロボットシステムの構成図である。図2は、検査で用いるケーブルを示す平面図である。図3は、検査対象である電子機器を背面から見た図である。図4は、検査で用いる第2コネクタ用マークを示す斜視図である。図5は、検査工程を示すフローチャートである。図6ないし図8は、それぞれ、検査工程を説明するための図である。
【0010】
図1に示すロボットシステム1は、把持したケーブル9を電子機器8に挿抜するロボット2と、ロボット2の駆動を制御する制御装置3と、を有する。
【0011】
ロボット2は、6つの駆動軸を有する6軸垂直多関節ロボットである。このようなロボット2は、ベース21と、ベース21に回動自在に連結されたロボットアーム22と、ロボットアーム22の先端に装着されたツール23と、ロボットアーム22とツール23との間に配置された力検出部としての力覚センサー24と、ツール23に配置された撮像装置25と、を有する。
【0012】
また、ロボットアーム22は、6本のアーム221、222、223、224、225、226が回動自在に連結された構成であり、6つの関節J1、J2、J3、J4、J5、J6を備えている。これら6つの関節J1~J6のうち、関節J2、J3、J5が曲げ関節であり、関節J1、J4、J6がねじり関節である。また、各関節J1、J2、J3、J4、J5、J6には、図示しないモーターおよびエンコーダーが設置されている。制御装置3は、ロボットシステム1の運転中、各関節J1~J6について、エンコーダーの出力が示す関節J1~J6の回転角度を目標位置に一致させるフィードバック制御を実行する。
【0013】
また、ツール23は、開閉する一対の爪部を有し、一対の爪部でケーブル9を挟持して把持する。ただし、ツール23の構成は、ケーブル9を把持することができれば、特に限定されない。例えば、ツール23は、吸着によりケーブル9を把持する構成であってもよい。
【0014】
また、力覚センサー24は、互いに直交する3つの検出軸を有し、各検出軸に沿う並進力(軸力)および各検出軸まわりの回転力(トルク)をそれぞれ独立して検出することができる。このような力覚センサー24は、ツール23が把持したケーブル9に加わる力を検出する。ただし、力覚センサー24の構成は、ツール23が把持したケーブル9に加わる力を検出することができれば、特に限定されない。また、力覚センサー24は、省略してもよい。
【0015】
また、撮像装置25は、例えば、3Dカメラ(ステレオカメラ)である。制御装置3は、撮像装置25が撮像した画像データを画像認識処理することにより、画像データ内にある対象物の位置(三次元座標)を特定することができる。ただし、撮像装置25の構成は、同様の機能を発揮することができれば、特に限定されない。
【0016】
制御装置3は、ロボット2の駆動を制御する。制御装置3は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサー(CPU)と、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶されたプログラム等を読み込んで実行することができる。
【0017】
以上、ロボットシステム1について簡単に説明したが、その構成については、特に限定されない。例えば、ロボット2は、6軸垂直多関節ロボットでなくてもよく、例えば、水平多関節ロボット(スカラロボット)であってもよい。
【0018】
次に、ロボットシステム1を用いた検査方法について説明する。この検査方法で行われる検査の内容としては、ロボット2を用いて第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入する動作を含んでいれば、特に限定されないが、本実施形態では、電子機器8に対してケーブル9の挿抜を繰り返し、電子機器8の挿抜耐久性を評価する。これにより、電子機器8の強度、特に、第2コネクタ81自身の強度や第2コネクタ81を支える部分の強度を簡単かつ精度よく評価することができる。
【0019】
本実施形態の検査では、図2に示すように、ケーブル9を用いる。ケーブル9は、3本のケーブル9A、9B、9Cを有する。また、ケーブル9は、実際に使用することができる本物のケーブルであり、可撓性を有するケーブル本体91と、ケーブル本体91の一端に配置された第1コネクタ92と、を有する。このように、本物のケーブル9を用いることにより、実際の使用状態を再現することができ、検査の精度、信憑性を高めることができる。ただし、ケーブル9は、原寸大の模型(モックアップ)であってもよい。また、ケーブル9からケーブル本体91を省略してもよい。なお、以下では、説明の便宜上、ケーブル9Aの第1コネクタ92を「第1コネクタ92A」、ケーブル9Bの第1コネクタ92を「第1コネクタ92B」、ケーブル9Cの第1コネクタ92を「第1コネクタ92C」とも言う。
【0020】
一方、図3に示すように、電子機器8は、その背面に第1コネクタ92が挿入される第2コネクタ81を有する。第2コネクタ81は、第1コネクタ92Aが挿入される第2コネクタ81Aと、第1コネクタ92Bが挿入される第2コネクタ81Bと、第1コネクタ92Cが挿入される第2コネクタ81Cと、を有する。電子機器8は、第1コネクタ92A、92B、92Cの挿抜時にずれないように図示しない固定部材によって固定されている。電子機器8としては、特に限定されず、例えば、プロジェクター、プリンター、パーソナルコンピューター、ディスプレイ、ロボットコントローラー等が挙げられる。
【0021】
本実施形態では、第1コネクタ92がオスコネクタであり、第2コネクタ81がメスコネクタである。ただし、これに限定されず、第1コネクタ92がメスコネクタであり、第2コネクタ81がオスコネクタであってもよい。また、コネクタの規格は、特に限定されず、例えば、USBタイプA、USBタイプC、USBミニ、USBマイクロ、HDMI(登録商標)、VGA、LAN等、如何なる規格のものであってもよい。本実施形態では、第1コネクタ92Aおよび第2コネクタ81AがHDMIであり、第1コネクタ92Bおよび第2コネクタ81BがVGAであり、第1コネクタ92Cおよび第2コネクタ81CがUSBタイプAである。
【0022】
また、本実施形態の検査では、図4に示すように、第2コネクタ81に挿入する第2コネクタ用マーク5を用いる。第2コネクタ用マーク5は、撮像装置25で撮像され、制御装置3で画像認識処理されるマークである。第2コネクタ用マーク5は、第2コネクタ81A用の第2コネクタ用マーク5Aと、第2コネクタ81B用の第2コネクタ用マーク5Bと、第2コネクタ81C用の第2コネクタ用マーク5Cと、を有する。
【0023】
また、第2コネクタ用マーク5は、第2コネクタ81に挿入される挿入部51と、画像認識されるマーク部52と、挿入部51に設けられ第2コネクタ81への挿入時に第2コネクタ81の所定箇所に突き当たる突き当て部53と、を有する。突き当て部53が第2コネクタ81の所定箇所に突き当たるまで挿入部51を第2コネクタ81へ挿し込むことにより、第2コネクタ用マーク5を第2コネクタ81に対して正しく位置決めすることができる。正しく位置決めされた状態における第2コネクタ用マーク5と第2コネクタ81との位置関係は、予め既知とされ、制御装置3が有する認識プログラムに保存されている。したがって、制御装置3は、認識プログラムに基づいて撮像装置25が取得した画像データから第2コネクタ用マーク5の位置を検出することにより、第2コネクタ81の位置を検出することができる。
【0024】
マーク部52は、第2コネクタ81よりも画像認識され易い構成となっている。具体的には、マーク部52は、画像認識され易い色および光沢を有する。マーク部52は、例えば、樹脂材料で構成されており、金属材料で構成された第2コネクタ81よりも光沢が十分に抑えられている。また、電子機器8の背面とは異なる色に着色されている。そのため、反射が抑制され、マーク部52およびその輪郭が鮮明な画像データが得られる。そのため、第2コネクタ81を直に撮像して得られた画像データに基づいて第2コネクタ81の位置を検出するよりも、第2コネクタ81の位置を精度よく検出することができる。また、マーク部52は、画像認識に時間がかかり過ぎないように、小さ過ぎず大き過ぎない適度な大きさで構成されている。
【0025】
また、マーク部52は、立体形状をなす。さらに、マーク部52の側面は、テーパー状に傾斜し、撮像装置25が撮像して得られた画像データに表れる。そのため、マーク部52に関する情報量が増え、その分、マーク部52をより精度よく画像認識することができる。したがって、第2コネクタ用マーク5を用いて第2コネクタ81の位置をより精度よく検出することができる。
【0026】
なお、第2コネクタ用マーク5A、5B、5Cは、マーク部52が互いに異なっている。そのため、画像認識によって第2コネクタ用マーク5A、5B、5Cを容易に判別することができる。また、各マーク部52は、上下非対称な形状であり、第2コネクタ81の向きを判別することができる。
【0027】
以上、第2コネクタ用マーク5について説明した。ここで、従来のように第2コネクタ81を直に撮像する場合、第2コネクタ81A、81B、81C毎に認識プログラムの作成およびパラメーター調整が必要となる。これに対して、本実施形態のように、第2コネクタ用マーク5を用いて第2コネクタ81の位置を検出する方法によれば、共通の識別プログラムを用いて第2コネクタ81A、81B、81Cの位置を検出し、その結果から第2コネクタ81A、81B、81Cの位置を検出することができる。言い換えると、共通の識別プログラムを用いることができるように、第2コネクタ用マーク5を構成している。そのため、第2コネクタ81毎に異なる識別プログラムを作成する必要がない。さらに、第2コネクタ用マーク5が画像認識され易い構成に設計されているため、パラメーターの調整作業も容易となる。そのため、プログラム作成スキルを十分に持たない者でも、第2コネクタ81の位置を高精度に検出することができる。
【0028】
検査方法は、図5に示すように、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を配置する配置ステップS1と、第2コネクタ81の位置を検出する位置検出ステップS2と、第2コネクタ81から第2コネクタ用マーク5を取り外す取り外しステップS3と、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを繰り返す挿抜ステップS4と、第2コネクタ81の状態を検査する、つまり、挿抜耐久性を評価する検査ステップS5と、を含む。なお、この検査方法の中で、第2コネクタ81の位置検出方法についても併せて説明する。
【0029】
≪配置ステップS1≫
配置ステップS1では、図6に示すように、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を挿入する。つまり、第2コネクタ81Aに第2コネクタ用マーク5Aを挿入し、第2コネクタ81Bに第2コネクタ用マーク5Bを挿入し、第2コネクタ81Cに第2コネクタ用マーク5Cを挿入する。この際、突き当て部53が突き当たるまで挿入部51を第2コネクタ81へ挿し込み、第2コネクタ用マーク5を第2コネクタ81に対して正しく位置決めする。なお、第2コネクタ81への第2コネクタ用マーク5の挿入は、例えば、ロボット2が行ってもよいし、ロボット2以外の他のロボットが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0030】
≪位置検出ステップS2≫
位置検出ステップS2では、まず、制御装置3は、図7に示すように、撮像装置25の視野内に第2コネクタ用マーク5Aが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第2コネクタ用マーク5Aを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第2コネクタ用マーク5Aの位置を検出し、さらに、第2コネクタ用マーク5Aの位置に基づいて第2コネクタ81Aの位置を検出する。
【0031】
前述したように、第2コネクタ用マーク5Aは、第2コネクタ81Aよりも画像認識され易い構成となっているため、第2コネクタ用マーク5Aの位置を介して第2コネクタ81Aの位置を検出することにより、第2コネクタ81Aの位置を直に検出する場合と比べて第2コネクタ81の位置を精度よく検出することができる。また、前述したように、撮像装置25をロボット2に配置することにより、ロボット2を動かすことで撮像装置25を移動することができ、第2コネクタ81の配置によらず、より確実に第2コネクタ用マーク5Aを撮像することができる。そのため、本ステップをより確実に行うことができる。
【0032】
次に、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第2コネクタ用マーク5Bが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第2コネクタ用マーク5Bを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第2コネクタ用マーク5Bの位置を求め、さらに、第2コネクタ用マーク5Bの位置に基づいて第2コネクタ81Bの位置を求める。
【0033】
次に、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第2コネクタ用マーク5Cが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第2コネクタ用マーク5Cを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第2コネクタ用マーク5Cの位置を求め、さらに、第2コネクタ用マーク5Cの位置に基づいて第2コネクタ81Cの位置を求める。
【0034】
以上のようにして、全ての第2コネクタ81A、81B、81Cの位置を検出する。このように、第2コネクタ用マーク5A、5B、5Cを順番に撮像することにより、第2コネクタ用マーク5A、5B、5Cをそれぞれ画像の中心に配置することができる。画像の中心ほど収差が抑えられるため、画像認識によって、より精度よくその位置を検出することができる。ただし、位置検出ステップS2としては、特に限定されない。例えば、撮像装置25の視野内にすべての第2コネクタ用マーク5A、5B、5Cが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第2コネクタ用マーク5A、5B、5Cを同時に撮像してもよい。これにより、撮像回数が減るため、本ステップをより短時間で行うことができる。
【0035】
≪取り外しステップS3≫
取り外しステップS3では、第2コネクタ81から第2コネクタ用マーク5を引き抜く。つまり、第2コネクタ81Aから第2コネクタ用マーク5Aを引き抜き、第2コネクタ81Bから第2コネクタ用マーク5Bを引き抜き、第2コネクタ81Cから第2コネクタ用マーク5Cを引き抜く。なお、第2コネクタ用マーク5の引き抜きは、例えば、ロボット2が行ってもよいし、ロボット2以外の他のロボットが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0036】
≪挿抜ステップS4≫
挿抜ステップS4では、まず、制御装置3は、図8に示すように、撮像装置25の視野内に第1コネクタ92Aが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1コネクタ92Aを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1コネクタ92Aの位置を検出する。次に、制御装置3は、検出した位置に基づいてロボット2を動かし、ツール23で第1コネクタ92Aの所定位置を把持する。
【0037】
次に、制御装置3は、ロボット2を動かして、第2コネクタ81Aへの第1コネクタ92Aの挿抜を所定回数繰り返す。具体的には、まず、位置検出ステップS2で求めた第2コネクタ81Aの位置と、本ステップで求めた第1コネクタ92Aの位置と、に基づいてロボット2を動かし、第2コネクタ81Aに第1コネクタ92Aを挿入する。次に、制御装置3は、ロボット2を動かして、第1コネクタ92Aをその中心軸に沿って後退させて第2コネクタ81Aから引き抜く。
【0038】
なお、第1コネクタ92Aや第2コネクタ81Aの位置の検出誤差、第1コネクタ92Aの把持位置のずれ等に起因して、挿入時に第1コネクタ92Aが第2コネクタ81Aにぶつかり、それ以上の挿入が阻止される場合もある。そこで、制御装置3は、力覚センサー24が検出する力に基づいて第1コネクタ92Aと第2コネクタ81Aとの接触有無および接触状態を検出し、その検出結果に基づいて第1コネクタ92Aの位置を微調整しつつ本ステップを進める。これにより、第1コネクタ92Aを第2コネクタ81Aにスムーズに、かつ、より高い確率で挿入することができる。また、本ステップ中に、第1コネクタ92Aおよび第2コネクタ81Aに過度な力が加わり難くなり、これらの破損や変形を効果的に抑制することができる。
【0039】
これにより、1回目の挿抜が終了する。2回目の挿抜以降は、例えば、1回目の挿入が完了したときの第1コネクタ92Aの位置と、1回目の引き抜きが完了したときの第1コネクタ92Aの位置の間で第1コネクタ92Aを往復移動させることで挿抜の繰り返しをスムーズに行うことができる。なお、第1コネクタ92Aの挿抜回数は、1回以上であれば、特に限定されない。
【0040】
第2コネクタ81Aに対する第1コネクタ92Aの挿抜を終えると、制御装置3は、第1コネクタ92Aのときと同様に、ツール23で第1コネクタ92Bの所定位置を把持し、第2コネクタ81Bへの第1コネクタ92Bの挿抜を所定回数繰り返す。第2コネクタ81Bに対する第1コネクタ92Bの挿抜を終えると、制御装置3は、第1コネクタ92Aのときと同様に、ツール23で第1コネクタ92Cの所定位置を把持し、第2コネクタ81Cへの第1コネクタ92Cの挿抜を所定回数繰り返す。
【0041】
≪検査ステップS5≫
検査ステップS5では、第2コネクタ81自身の状態や電子機器8の第2コネクタ81を保持する部分の状態を確認して第1コネクタ92の挿抜に対する耐久性を評価する。評価は、例えば、制御装置3が撮像装置25で第2コネクタ81を撮像し、その画像データを画像処理することにより行ってもよいし、他の検査ロボットが行ってもよい。また、作業者が目視で行ってもよい。
【0042】
以上、検査方法について説明した。このような検査方法によれば、第2コネクタ81の位置を簡単かつ精度よく検出することができるため、第2コネクタ81に対する第1コネクタ92の挿抜をスムーズに行うことができる。そのため、検査に要する時間を短縮することができる。
【0043】
以上、本実施形態のロボットシステム1について説明した。このようなロボットシステム1を用いた検査方法は、ロボット2を用いて第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を配置する配置ステップS1と、第2コネクタ用マーク5を撮像装置25で撮像し、得られた画像データに基づいて第2コネクタ81の位置を検出する位置検出ステップS2と、第2コネクタ81から第2コネクタ用マーク5を取り外す取り外しステップS3と、ロボット2で第1コネクタ92を把持し、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを繰り返す挿抜ステップS4と、を含む。このような方法によれば、第2コネクタ用マーク5を画像認識に適した構成とすることにより、第2コネクタ81を直に撮像して得られた画像データに基づいて第2コネクタ81の位置を検出する場合と比べて、識別プログラムの作成やパラメーターの調整作業が容易となる。そのため、プログラム作成スキルを十分に持たない者でも、第2コネクタ81の位置を高精度に検出することができる。
【0044】
また、前述したように、撮像装置25は、ロボット2に配置されている。そのため、ロボット2を動かすことで撮像装置25を移動でき、第2コネクタ81の配置によらず、第2コネクタ81に配置された第2コネクタ用マーク5をより確実に撮像することができる。
【0045】
また、前述したように、第2コネクタ用マーク5は、立体形状のマーク部52を有する。これにより、マーク部52をより精度よく画像認識することができる。
【0046】
また、前述したように、マーク部52の側面は、テーパー状に傾斜している。これにより、マーク部52をより精度よく画像認識することができる。
【0047】
また、前述したように、検査方法では、複数の第2コネクタ81が配置され、配置ステップS1では、複数の第2コネクタ81に対して互いに異なる第2コネクタ用マーク5を挿入する。これにより、挿入された第2コネクタ用マーク5に基づいて複数の第2コネクタ81を判別することができる。
【0048】
また、前述したように、位置検出方法は、第1コネクタ92が挿入される第2コネクタ81の位置を検出する位置検出方法であって、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を配置する配置ステップS1と、第2コネクタ用マーク5を撮像装置25で撮像し、得られた画像データに基づいて第2コネクタ81の位置を検出する位置検出ステップS2と、を含む。このような方法によれば、第2コネクタ用マーク5を画像認識に適した構成とすることにより、第2コネクタ81を直に撮像して得られた画像データに基づいて第2コネクタ81の位置を検出する場合と比べて、識別プログラムの作成やパラメーターの調整作業が容易となる。そのため、プログラム作成スキルを十分に持たない者でも、第2コネクタ81の位置を高精度に検出することができる。
【0049】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
【0050】
本実施形態に係るロボットシステム1は、撮像装置25の配置が異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0051】
図9に示すように、本実施形態のロボットシステム1では、撮像装置25がロボット2に配置されておらず、例えば、作業空間の直上に配置され、所定の位置に固定されている。
【0052】
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0053】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係るロボットシステムで行う検査で用いられる把持治具を示す斜視図である。図11は、図10に示す把持治具の分解斜視図である。図12は、把持治具をツールが把持した状態を示す斜視図である。
【0054】
本実施形態に係るロボットシステム1は、検査をする際、第1コネクタ92に把持治具7を装着すること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0055】
図10に示すように、本実施形態の検査では、ケーブル9に装着する把持治具7を用いる。把持治具7は、第1コネクタ92Aに装着される把持治具7Aと、第1コネクタ92Bに装着される把持治具7Bと、第1コネクタ92Cに装着される把持治具7Cと、を有する。
【0056】
図10および図11に示すように、把持治具7Aは、第1コネクタ92Aを保持する基部72と、基部72と第1コネクタ92Aとの間に介在するスペーサー71と、基部72に挿通する管状のロック部73と、を有する。また、スペーサー71は、スペーサー片711、712に分割されており、基部72は、基部片721、722に分割されている。
【0057】
このような把持治具7Aでは、まず、スペーサー片711、712で第1コネクタ92Aのボディを挟み込んでスペーサー71を組み立てる。スペーサー71は、第1コネクタ92Aの位置決めを行う位置決め部713を有する。これにより、第1コネクタ92Aをスペーサー71に対して所定位置に配置することができると共に、位置決め後のずれを抑制することができる。位置決め部713の構成は、第1コネクタ92Aのボディ形状に応じて適宜設計することができ、本実施形態では、ボディのくびれに係合する凸部を有する構成となっている。
【0058】
次に、基部片721、722でスペーサー71を挟み込んで基部72を組み立てる。基部72は、スペーサー71の位置決めを行う位置決め部723を有する。これにより、スペーサー71を基部72に対して所定位置に配置することができると共に、位置決め後のずれを抑制することができる。位置決め部723の構成は、スペーサー71の形状に応じて適宜設計することがでる。本実施形態の位置決め部723は、基部72の先端部に形成され、スペーサー71が嵌め込まれる凹部を有する構成となっている。
【0059】
次に、基部72にロック部73を挿通することにより、スペーサー71および基部72の組み立て状態が維持される。基部72は、ロック部73の位置決めを行う位置決め部724を有する。これにより、ロック部73を基部72に対して所定位置に配置することができる。位置決め部724の構成は、ロック部73の形状に応じて適宜設計することができ、本実施形態では、ロック部73を突き当てる壁部を有する構成となっている。以上により、把持治具7Aの組み立てが完了する。このような構成によれば、把持治具7Aを第1コネクタ92Aに容易に装着することができる。なお、把持治具7Aを装着した状態では、把持治具7Aの先端から第1コネクタ92Aの先端部、具体的にはオス端子の全体が突出している。
【0060】
また、把持治具7Aは、ロック部73の上面に配置された第1コネクタ用マーク6を有する。第1コネクタ用マーク6は、第2コネクタ用マーク5と同様、画像認識に適した構成となっている。具体的には、第1コネクタ用マーク6は、画像認識され易い色および光沢を有する。また、第1コネクタ用マーク6は、立体形状であり、その側面は、テーパー状に傾斜している。これにより、第1コネクタ用マーク6を精度よく画像認識することができる。このような第1コネクタ用マーク6は、ロック部73と一体形成されていてもよいし、別体形成で接着剤等により接合されていてもよい。
【0061】
また、基部72は、ロボット2のツール23で把持される把持部725を有する。把持部725は、基部72の両側面に形成された一対の切り欠き部によって括れた形状となっている。そして、図12に示すように、挿抜ステップS4において、切り欠き部にツール23の爪部を挿し込んで把持部725を挟持することにより、把持治具7Aを安定した姿勢で把持することができる。
【0062】
また、把持部725は、第1コネクタ用マーク6よりも基端側、つまり、挿入方向の後方に位置している。これにより、ツール23で把持部725を把持したときのツール23と第1コネクタ92Aとの離間距離Dが大きくなり、例えば、ツール23で第1コネクタ92Aを直接把持した場合には第1コネクタ92Aを挿入できない程に奥まった場所にある第2コネクタ81Aに対しても第1コネクタ92Aを挿入することができる。そのため、検査の作業性が向上する。ただし、把持部725の配置は、特に限定されない。
【0063】
以上、把持治具7Aについて説明した。把持治具7Aを第1コネクタ92Aに装着した状態における第1コネクタ用マーク6と把持部725との相対的位置関係(第1コネクタ用マーク6からのオフセット量)と、第1コネクタ用マーク6と第1コネクタ92Aとの相対的位置関係(第1コネクタ用マーク6からのオフセット量)と、が予め既知とされており、これらの関係は制御装置3が有する識別プログラムに保存されている。したがって、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データから第1コネクタ用マーク6の位置を検出することにより、そこから把持部725および第1コネクタ92Aの位置をそれぞれ検出することができる。このように、第1コネクタ用マーク6を用いて把持部725や第1コネクタ92Aの位置を検出することにより、第1コネクタ92Aを直に撮像する場合と比べて鮮明な画像認識が可能となり、その分、把持部725や第1コネクタ92Aの位置を精度よく検出することができる。
【0064】
図10に示すように、把持治具7Bは、把持治具7Aと同様の構成であり、第1コネクタ92Bを保持する基部72と、基部72と第1コネクタ92Bとの間に介在するスペーサー71と、基部72に挿通された管状のロック部73と、ロック部73の上面に配置された第1コネクタ用マーク6と、を有する。また、把持治具7Cは、把持治具7Aと同様の構成であり、第1コネクタ92Cを保持する基部72と、基部72と第1コネクタ92Cとの間に介在するスペーサー71と、基部72に挿通された管状のロック部73と、ロック部73の上面に配置された第1コネクタ用マーク6と、を有する。なお、以下では、説明の便宜上、把持治具7Aが有する第1コネクタ用マーク6を「第1コネクタ用マーク6A」、把持治具7Bが有する第1コネクタ用マーク6を「第1コネクタ用マーク6B」、把持治具7Cが有する第1コネクタ用マーク6を「第1コネクタ用マーク6C」とも言う。
【0065】
前述したように、第1コネクタ92A、92B、92Cは、互いに規格が異なっており、それに応じてボディ形状についても互いに異なっている。そのため、把持治具7A、7B、7Cでは、それに合わせて各部、特にスペーサー71や基部72の形状が互いに異なっている。ただし、把持部725の形状は、把持治具7A、7B、7Cで同じである。これにより、同じツール23で把持治具7A、7B、7Cの両方を適切に把持することができる。そのため、例えば、検査の途中でツール23を交換するといった手間がなく、検査を効率的に行うことができる。
【0066】
また、第1コネクタ用マーク6A、6B、6Cは、互いに異なる立体形状となっている。これにより、画像認識によって第1コネクタ92A、92B、92Cを容易に判別することができる。
【0067】
以上、把持治具7について説明した。ただし、把持治具7の構成としては、第1コネクタ92に装着することができれば、特に限定されない。例えば、スペーサー71を省略してもよい。また、第1コネクタ用マーク6を基部72に配置してもよい。また、把持治具7の構成材料は、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等で構成することができる。
【0068】
本実施形態の検査方法は、前述した第1実施形態と同様に、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を配置する配置ステップS1と、第2コネクタ81の位置を検出する位置検出ステップS2と、第2コネクタ81から第2コネクタ用マーク5を取り外す取り外しステップS3と、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを繰り返す挿抜ステップS4と、第2コネクタ81の状態を検査する検査ステップS5と、を含む。なお、挿抜ステップS4が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様であるため、以下では、挿抜ステップS4についてだけ説明する。
【0069】
≪挿抜ステップS4≫
挿抜ステップS4では、まず、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第1コネクタ用マーク6Aが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1コネクタ用マーク6Aを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1コネクタ用マーク6Aの位置を検出し、さらに、第1コネクタ用マーク6Aの位置から把持部725の位置および第1コネクタ92Aの位置を検出する。次に、制御装置3は、求めた位置に基づいてロボット2を動かし、ツール23で把持治具7Aの把持部725を把持する。あとは、前述した第1実施形態と同様にして、第2コネクタ81Aへの第1コネクタ92Aの挿抜を所定回数繰り返す。
【0070】
次に、制御装置3は、第1コネクタ92Aと同様にして、第2コネクタ81Bへの第1コネクタ92Bの挿抜を所定回数繰り返し、第2コネクタ81Cへの第1コネクタ92Cの挿抜を所定回数繰り返す。
【0071】
このような方法によれば、第1コネクタ用マーク6Aが画像認識に適した構成であるため、第1コネクタ92Aを直に撮像する場合と比べて鮮明な画像認識が可能となり、把持部725や第1コネクタ92Aの位置をより精度よく検出することができる。したがって、検出誤差が小さくなり、本ステップをよりスムーズに行うことができる。
【0072】
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0073】
<第4実施形態>
図13は、第4実施形態に係るロボットシステムで行う検査で用いられる把持治具を示す斜視図である。図14は、検査工程を説明するための図である。
【0074】
本実施形態に係るロボットシステム1は、第1コネクタ用マーク6が第2コネクタ用マーク5を兼ねていること以外は、前述した第3実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0075】
図13に示すように、本実施形態では、第1コネクタ用マーク6が第2コネクタ用マーク5を兼ねている。これにより、検査に用いる部材を削減することができる。また、把持治具7に第2コネクタ用マーク5を兼ねた第1コネクタ用マーク6を配置することにより、第1コネクタ92への第2コネクタ用マーク5の配置が容易となる。
【0076】
本実施形態の検査方法は、前述した第1実施形態と同様に、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を配置する配置ステップS1と、第2コネクタ81の位置を検出する位置検出ステップS2と、第2コネクタ81から第2コネクタ用マーク5を取り外す取り外しステップS3と、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを繰り返す挿抜ステップS4と、第2コネクタ81の状態を検査する検査ステップS5と、を含む。なお、配置ステップS1、位置検出ステップS2および取り外しステップS3が異なること以外は、前述した第3実施形態と同様であるため、以下では、配置ステップS1、位置検出ステップS2および取り外しステップS3についてだけ説明する。
【0077】
≪配置ステップS1≫
配置ステップS1では、まず、第1コネクタ92に把持治具7を装着する。つまり、第1コネクタ92Aに把持治具7Aを装着し、第1コネクタ92Bに把持治具7Bを装着し、第1コネクタ92Cに把持治具7Cを装着する。次に、図14に示すように、第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入する。つまり、第2コネクタ81Aに第1コネクタ92Aを挿入し、第2コネクタ81Bに第1コネクタ92Bを挿入し、第2コネクタ81Cに第1コネクタ92Cを挿入する。なお、第2コネクタ81への第1コネクタ92の挿入は、例えば、ロボット2が行ってもよいし、ロボット2以外の他のロボットが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0078】
≪位置検出ステップS2≫
位置検出ステップS2では、まず、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第1コネクタ用マーク6Aが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1コネクタ用マーク6Aを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1コネクタ用マーク6Aの位置を検出し、第1コネクタ用マーク6Aの位置に基づいて第2コネクタ81Aの位置を検出する。このような方法によれば、第2コネクタ81Aの位置を検出しつつ、第1コネクタ用マーク6Aと第1コネクタ92Aとの位置ずれ(画像認識により検出した位置と実際の位置とのずれ)を補正することができる。
【0079】
次に、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第1コネクタ用マーク6Bが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1コネクタ用マーク6Bを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1コネクタ用マーク6Bの位置を求め、さらに、第1コネクタ用マーク6Bの位置に基づいて第2コネクタ81Bの位置を求める。
【0080】
次に、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第1コネクタ用マーク6Cが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1コネクタ用マーク6Cを撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1コネクタ用マーク6Cの位置を求め、さらに、第1コネクタ用マーク6Cの位置に基づいて第2コネクタ81Cの位置を求める。
【0081】
≪取り外しステップS3≫
取り外しステップS3では、第2コネクタ81から第1コネクタ用マーク6を引き抜く。つまり、第2コネクタ81Aから第1コネクタ92Aを引き抜き、第2コネクタ81Bから第1コネクタ92Bを引き抜き、第2コネクタ81Cから第1コネクタ92Cを引き抜く。なお、第1コネクタ92A、92B、92Cの引き抜きは、例えば、ロボット2が行ってもよいし、ロボット2以外の他のロボットが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0082】
以上のように、本実施形態の配置ステップS1では、第2コネクタ用マーク5を兼ねた第1コネクタ用マーク6を第1コネクタ92に配置し、第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入することにより、第2コネクタ81に第2コネクタ用マーク5を兼ねた第1コネクタ用マーク6を配置する。これにより、第2コネクタ81の位置を検出しつつ、第1コネクタ用マーク6と第1コネクタ92との位置ずれを補正することができる。
【0083】
また、前述したように、第2コネクタ用マーク5を兼ねた第1コネクタ用マーク6は、第1コネクタ92に装着される把持治具7に配置されている。これにより、第1コネクタ92への第1コネクタ用マーク6の配置が容易となる。
【0084】
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0085】
以上、本発明の検査方法および位置検出方法を図示の実施形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物または工程が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…ロボットシステム、2…ロボット、21…ベース、22…ロボットアーム、221…アーム、222…アーム、223…アーム、224…アーム、225…アーム、226…アーム、23…ツール、24…力覚センサー、25…撮像装置、3…制御装置、5…第2コネクタ用マーク、5A…第2コネクタ用マーク、5B…第2コネクタ用マーク、5C…第2コネクタ用マーク、51…挿入部、52…マーク部、53…突き当て部、6…第1コネクタ用マーク、6A…第1コネクタ用マーク、6B…第1コネクタ用マーク、6C…第1コネクタ用マーク、7…把持治具、7A…把持治具、7B…把持治具、7C…把持治具、71…スペーサー、711…スペーサー片、712…スペーサー片、713…位置決め部、72…基部、721…基部片、722…基部片、723…位置決め部、724…位置決め部、725…把持部、73…ロック部、8…電子機器、81…第2コネクタ、81A…第2コネクタ、81B…第2コネクタ、81C…第2コネクタ、9…ケーブル、9A…ケーブル、9B…ケーブル、9C…ケーブル、91…ケーブル本体、92…第1コネクタ、92A…第1コネクタ、92B…第1コネクタ、92C…第1コネクタ、D…離間距離、J1…関節、J2…関節、J3…関節、J4…関節、J5…関節、J6…関節、S1…配置ステップ、S2…位置検出ステップ、S3…取り外しステップ、S4…挿抜ステップ、S5…検査ステップ
図1
図2
図3
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14