(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158164
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電動自転車及びバッテリユニット
(51)【国際特許分類】
B62M 6/90 20100101AFI20241031BHJP
B62M 6/45 20100101ALI20241031BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20241031BHJP
B62J 43/13 20200101ALI20241031BHJP
B62J 50/22 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
B62M6/90
B62M6/45
B62J45/00
B62J43/13
B62J50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073127
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉村 昌也
(72)【発明者】
【氏名】小寺 翔太
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能な表示部を備える電動自転車を提供する。
【解決手段】電動自転車1は、車体10と、車体10に取り付け可能なバッテリ20と、電動モータを含み、バッテリ20から供給される電力に基づいて電動モータを駆動する駆動部30と、バッテリ20から供給される電力で動作するRTC(Real Time Clock)モジュール40と、RTCモジュール40から出力される第1時刻データに基づいて時刻情報を表示する表示部70と、を備える。RTCモジュール40は、バッテリ20に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に取り付け可能なバッテリと、
電動モータを含み、前記バッテリから供給される電力に基づいて前記電動モータを駆動する駆動部と、
前記バッテリから供給される電力で動作するRTC(Real Time Clock)モジュールと、
前記RTCモジュールから出力される第1時刻データに基づいて時刻情報を表示する表示部と、を備え、
前記RTCモジュールは、前記バッテリに設けられている、
電動自転車。
【請求項2】
前記電動自転車に関する操作を受け付ける操作部を備える、
請求項1に記載の電動自転車。
【請求項3】
前記操作部は、前記表示部と一体的に構成されている、
請求項2に記載の電動自転車。
【請求項4】
前記操作部は、前記表示部に表示される時刻情報を変更するための第2時刻データの入力を受け付け、
前記表示部は、前記第2時刻データに基づいて前記時刻情報を更新する、
請求項2又は3に記載の電動自転車。
【請求項5】
端末装置と通信することで、前記端末装置から第2時刻データを取得する通信部を備え、
前記表示部は、前記第2時刻データに基づいて前記時刻情報を更新する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動自転車。
【請求項6】
前記第1時刻データと前記第2時刻データとの差分を示す差分情報を保持する記憶部を備え、
前記表示部は、前記第1時刻データと前記差分情報とに基づいて前記時刻情報を表示する、
請求項5に記載の電動自転車。
【請求項7】
前記第2時刻データが取得された場合に、前記記憶部に保持された前記差分情報を更新する制御部を備える、
請求項6に記載の電動自転車。
【請求項8】
前記RTCモジュールと前記表示部とは、コントローラエリアネットワークを介して通信可能に接続されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動自転車。
【請求項9】
前記駆動部又は前記バッテリに関するエラー情報と前記第1時刻データとを対応付けて記憶する記憶部を備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動自転車。
【請求項10】
車体と、
バッテリが取り付けられる取り付け部と、
電動モータを含み、前記取り付け部を介して前記バッテリから供給される電力に基づいて前記電動モータを駆動する駆動部と、
表示部と、を備え、
前記取り付け部は、前記バッテリから供給される電力で動作する、前記バッテリに設けられたRTC(Real Time Clock)モジュールから出力される時刻データを受ける通信インタフェース部を含み、
前記表示部は、前記通信インタフェース部を介して受けられた時刻データに基づいて時刻情報を表示する、
電動自転車。
【請求項11】
表示部を有する電動自転車の車体に取り付け可能で、前記電動自転車の電動モータを駆動するための電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから供給される電力で動作する、前記バッテリに設けられたRTC(Real Time Clock)モジュールと、を備え、
前記表示部は、前記RTCモジュールから出力される時刻データに基づいて、時刻情報を表示する、
バッテリユニット。
【請求項12】
電動自転車の車体に取り付け可能で、前記電動自転車の電動モータを駆動するための電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから供給される電力で動作する、前記バッテリに設けられたRTC(Real Time Clock)モジュールと、を備える、
バッテリユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自転車及びバッテリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操作盤に時刻表示を行うことが可能な電動自転車が開示されている。操作盤は、時刻表示エリアの表示を制御するマイコン、及び、マイコンに電力を供給する内蔵バッテリを有する。内蔵バッテリの残量が無くなった状態で電動自転車の電源がオンされた場合に、マイコンは、内蔵バッテリの残量が無くなったことを示す情報を時刻表示エリアに表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-43661号公報
【特許文献2】国際公開第2020/255671号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、操作盤が内蔵バッテリを必要とするので、操作盤の小型化が難しい。また、内蔵バッテリの残量が無くなったことをユーザに知らせることができるが、内蔵バッテリの交換が必要であることに変わりない。このため、ユーザの利便性に改善の余地がある。
【0005】
また、特許文献2には、内蔵バッテリを設ける代わりに、通信装置と通信を行うことで、時刻合わせを行う技術が開示されています。しかしながら、通信装置を準備しておく必要があり、ユーザの利便性を悪化させるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能な表示部を備える電動自転車及びバッテリユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電動自転車は、車体と、前記車体に取り付け可能なバッテリと、電動モータを含み、前記バッテリから供給される電力に基づいて前記電動モータを駆動する駆動部と、前記バッテリから供給される電力で動作するRTC(Real Time Clock)モジュールと、前記RTCモジュールから出力される第1時刻データに基づいて時刻情報を表示する表示部と、を備え、前記RTCモジュールは、前記バッテリに設けられている。
【0008】
本発明の別の一態様に係る電動自転車は、車体と、バッテリが取り付けられる取り付け部と、電動モータを含み、前記取り付け部を介して前記バッテリから供給される電力に基づいて前記電動モータを駆動する駆動部と、表示部と、を備え、前記取り付け部は、前記バッテリから供給される電力で動作する、前記バッテリに設けられたRTCモジュールから出力される時刻データを受ける通信インタフェース部を含み、前記表示部は、前記通信インタフェース部を介して受けられた時刻データに基づいて時刻情報を表示する。
【0009】
本発明の一態様に係るバッテリユニットは、表示部を有する電動自転車の車体に取り付け可能で、前記電動自転車の電動モータを駆動するための電力を供給するバッテリと、前記バッテリから供給される電力で動作する、前記バッテリに設けられたRTCモジュールと、を備え、前記表示部は、前記RTCモジュールから出力される時刻データに基づいて、時刻情報を表示する。
【0010】
本発明の別の一態様に係るバッテリユニットは、電動自転車の車体に取り付け可能で、前記電動自転車の電動モータを駆動するための電力を供給するバッテリと、前記バッテリから供給される電力で動作する、前記バッテリに設けられたRTCモジュールと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能な表示部を備える電動自転車及びバッテリユニットを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る電動自転車の側面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る電動自転車の主要な機能を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る電動自転車の入出力ユニットの外観を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る電動自転車による時刻表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態の変形例1に係る電動自転車の主要な機能を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例1に係る電動自転車による時刻表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態の変形例2に係る電動自転車の入出力ユニットの外観を示す平面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例3に係る電動自転車の主要な機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施の形態に係る電動自転車及びバッテリユニットについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0015】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0016】
また、本明細書において、「前方」とは、電動自転車の通常の走行時の進行方向であり、「後方」とはその反対方向である。具体的には、電動自転車のサドルに対してハンドル側が「前方」である。「前後方向」とは、複数の水平方向(地面に平行な任意の方向)のうち、後方から前方に向かう方向、及び、その反対方向を意味する。「左右方向」は、前後方向に対して直交する方向であり、前方を向いたときの左側が「左方」であり、右側が「右方」である。
【0017】
(実施の形態)
[1.構成]
まず、本実施の形態に係る電動自転車の構成について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る電動自転車1の構成を示す側面図である。
図2は、本実施の形態に係る電動自転車1の主要な機能を示すブロック図である。
【0018】
図1に示す電動自転車1は、電動アシスト機能を有する自転車である。電動アシスト機能とは、電動自転車1に乗ったユーザによるペダル17への踏力に基づいて電動自転車1の前進を補助する機能であり、いわゆるアシストモードとして実行される。本実施の形態では、アシストモードの強弱が切り替え可能である。すなわち、アシストモードで電動モータ31が発生させる補助駆動力の大きさを変更可能である。
【0019】
図1に示すように、電動自転車1は、車体10と、バッテリ20と、駆動部30と、RTCモジュール40と、入出力ユニット50と、前照灯80と、を備える。
図2に示すように、入出力ユニット50は、操作部60と、表示部70と、を備える。
【0020】
車体10は、電動自転車1の本体部である。車体10は、フレーム11と、前輪12と、後輪13と、ハンドル14と、サドル15と、クランク16と、ペダル17と、を備える。
【0021】
フレーム11は、電動自転車1の骨組みである。フレーム11は、例えば、金属、カーボン又は合成樹脂等で構成されている。フレーム11は、サスペンション等の緩衝部材を有してもよい。フレーム11は、前輪12、後輪13、ハンドル14、サドル15及びクランク16を支持する。
【0022】
前輪12は、車体10が走行するためのタイヤを有する。前輪12は、前後方向に並ぶ2つの車輪のうちの前側の車輪である。前輪12は、左右方向に延びる軸の周りに回転し得るようにフレーム11によって支持される。なお、前輪12は、駆動部30の電動モータ31から動力の伝達を受けてもよい。
【0023】
後輪13は、車体10が走行するためのタイヤを有する。後輪13は、前後方向に並ぶ2つの車輪のうちの後ろ側の車輪である。後輪13は、左右方向に延びる軸の周りに回転し得るようにフレーム11によって支持される。本実施の形態では、後輪13は、駆動部30の電動モータ31から動力の伝達を受ける。図示されていないが、後輪13は、クランク16が有する前部スプロケットに対して、チェーン及び後部スプロケットを介して接続されている。
【0024】
ハンドル14は、電動自転車1の舵角を変更するために、電動自転車1に乗るユーザによって操作される。ハンドル14は、フレーム11によって回動可能に支持されている。ハンドル14の両端部には、一対のグリップ及び一対のブレーキレバーが設けられている。一対のグリップは、適切な姿勢でユーザが電動自転車1に乗車した場合に、ユーザの手で握られる部分である。一対のグリップは、電動自転車1を押して又は支えて歩く際にも手で握られて、前方への押力等を受ける。一対のブレーキレバーは、例えば、ブレーキ装置を駆動することで、前輪12及び後輪13に対して機械的な制動力を与える。
【0025】
サドル15は、ユーザが座る部分である。サドル15は、フレーム11に対して高さを調整可能に取り付けられている。
【0026】
クランク16は、クランク軸16aと、一対のクランクアーム16bと、前部スプロケット(図示せず)と、を有する。クランクアーム16bは、駆動部30を挟んだ左右両側に1つずつ設けられており、左右方向に延びるクランク軸16aの両端に固定される。クランクアーム16bの一方端がクランク軸16aに回転自在に固定され、クランクアーム16bの他方端には、ペダル17が回転自在に固定される。ペダル17に踏力が加えられた場合、クランクアーム16bがクランク軸16aを中心に回転し、当該回転による人力駆動力が前部スプロケット及びチェーンを介して後輪13に伝達される。電動自転車1がアシストモードで動作する場合には、踏力に基づく人力駆動力と、当該人力駆動力に付加された電動モータ31による補助駆動力とが後輪13に伝達される。前部スプロケットは、クランクアーム16bのクランク軸16aに取り付けられている。前部スプロケットは、ユーザによってペダル17が踏み込まれると、クランクアーム16b及びクランク軸16aを介して回転する。前部スプロケットの回転により、チェーンを介して後部スプロケットが回転するととともに、後輪13が回転する。
【0027】
ペダル17は、電動自転車1に乗るユーザからの踏力が付与される。ペダル17は、各クランクアーム16bの長手方向の端部のうち、クランク軸16a側とは反対側の端部に取り付けられている。ペダル17は、クランクアーム16bに対して、回転可能に取り付けられている。ペダル17の回転軸は、クランク16のクランク軸16aの回転軸と略平行である。
【0028】
バッテリ20は、車体10に取り付け可能に構成されている。具体的には、バッテリ20は、車体10のフレーム11に固定された取り付け部21に取り付けられる。
図2には、取り付け部21を模式的に表している。
図2に示すように、取り付け部21には、バッテリ20から供給される電力及び信号を受けるためのコネクタ22が設けられている。
【0029】
バッテリ20は、駆動部30が有する電動モータ31の駆動用の電力を貯める蓄電池である。バッテリ20は、例えば二次電池であるが、キャパシタなどであってもよい。例えば、バッテリ20は、取り付け部21に取り付けられた場合に、コネクタ22を介して駆動部30に電力を供給する。また、バッテリ20は、駆動部30を介して入出力ユニット50に電力を供給する。また、バッテリ20は、RTCモジュール40に電力を供給する。このように、バッテリ20が貯める電力は、電動モータ31の駆動用以外にも、電動自転車1が備える各構成要素の動作用に利用される。本実施の形態では、バッテリ20は、RTCモジュール40に常に電力を供給している。このため、RTCモジュール40は、バッテリ20から受ける電力を用いて常に動作することができる。
【0030】
なお、コネクタ22は、RTCモジュール40から出力される時刻データを受ける通信インタフェース部の一例である。なお、コネクタ22は、通信専用であってもよく、受電との兼用であってもよい。
【0031】
駆動部30は、電動モータ31を含み、バッテリ20から供給される電力に基づいて電動モータ31を駆動する。駆動部30は、補助駆動力を出力することで、人力駆動力である踏力に補助駆動力を加えて、チェーンを介して後輪13に伝達する。
【0032】
駆動部30は、
図2に示すように、電動モータ31と、制御部32と、を含む。なお、電動モータ31及び制御部32は、フレーム11に固定された筐体(図示せず)の内部に収納されているが、これに限らない。制御部32は、電動モータ31とは別体で設けられていてもよい。
【0033】
電動モータ31は、車体10を走行させるための補助駆動力を付加する。具体的には、電動モータ31の回転トルクが補助駆動力として、チェーンを介して後輪13に伝達され、後輪13が回転することによって車体10を前進させることができる。
【0034】
制御部32は、電動モータ31の動作を制御する。具体的には、制御部32は、操作部60から送信される信号に基づいて、電動モータ31の動作(アシストモード)の開始及び停止、並びに、発生させる補助駆動力を調整する。アシストモードでは、制御部32は、ペダル17への踏力に基づいて電動モータ31が発生させる補助駆動力を調整する。なお、ペダル17への踏力は、図示しない踏力センサによって取得される。
【0035】
制御部32は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現され、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、及び、プログラムを実行するプロセッサ等を含んでいる。あるいは、制御部32は、専用の電子回路で実現されてもよい。
【0036】
なお、図示されていないが、電動自転車1には、踏力センサ以外に、速度センサ、クランク回転センサ、モータ回転センサ等の各種センサが設けられていてもよい。例えば、駆動部30の制御部32は、各種センサが検知した物理量に基づいて電動モータ31が発生させる補助駆動力の大きさを調整してもよい。
【0037】
また、駆動部30は、バッテリ20からの電力を電動自転車1の各部へ供給する。具体的には、駆動部30は、バッテリ20からの電力を、入出力ユニット50及び前照灯80等に供給する。なお、電動自転車1には、バッテリ20からの電力に基づいて動作する他の機器(例えば、尾灯)が設けられてもよい。
【0038】
RTCモジュール40は、バッテリ20から供給される電力に基づいて時刻データを出力する。例えば、RTCモジュール40は、クロック源となる水晶振動子と、当該水晶振動子の発振回路と、日時のカウンタ回路と、を備える。RTCモジュール40は、時刻データを出力できればよく、構成は特に限定されない。時刻データは、第1時刻データの一例であり、カウンタ回路でカウントされた時間単位及び分単位のデータを含むが、秒単位及び/又は日付単位のデータを含んでもよい。
【0039】
本実施の形態では、RTCモジュール40は、バッテリ20に設けられている。RTCモジュール40は、バッテリ20に所定量の電力が蓄電されている限り、バッテリ20から電力の供給を受けて動作し、時刻データを出力することができる。RTCモジュール40は、バッテリ20が取り付け部21に固定された場合に、コネクタ22を介して時刻データを出力する。時刻データは、コントローラエリアネットワーク(CAN)を介して表示部70に出力される。RTCモジュール40は、所定の時間間隔で定期的に時刻データを出力する。時間間隔は、例えば1秒以下であり、0.5秒以下であってもよい。時間間隔が短くなることで、表示部70で表示される時刻のズレを抑制することができる。
【0040】
なお、本実施の形態に係る電動自転車1では、主な構成要素間の情報及びデータの送受信は、CANを介して行われる。具体的には、バッテリ20、駆動部30の制御部32及び入出力ユニット50は、CANを介して通信可能に接続される。例えば、表示部70とRTCモジュール40とは、CANを介して通信可能に接続されている。なお、本明細書でのCANとは、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data rate)をも含む概念である。
【0041】
入出力ユニット50は、操作部60及び表示部70が一体的に構成されたユニットである。入出力ユニット50は、ハンドル14又はフレーム11に固定される。入出力ユニット50は、ケーブル等の有線によって駆動部30と電気的に接続されている。ケーブルは、例えば、フレーム11の内部に挿入されている。
【0042】
以下では、
図3を用いて操作部60及び表示部70の具体的な構成について説明する。
図3は、本実施の形態に係る入出力ユニット50の外観を示す図である。なお、
図3では、操作部60及び表示部70を破線の枠で模式的に表している。
【0043】
操作部60は、電動自転車1に関する操作を受け付ける。具体的には、操作部60は、アシストモードの開始及び停止、並びに、強弱の切り替え、表示部70の表示内容の切り替え、前照灯80の点灯及び消灯などの電動自転車1の電気的な制御に関わる操作を受け付ける。
【0044】
例えば、
図3に示すように、操作部60は、電源ボタン61と、照明ボタン62と、表示切替ボタン63と、モード切替ボタン64と、を含む。これらのボタンの種類及び配置は、一例にすぎず、図示した例には限定されない。電源ボタン61、照明ボタン62、表示切替ボタン63及びモード切替ボタン64の少なくとも1つは、設けられていなくてもよい。また、これらのボタン以外の機能を担うボタンが設けられていてもよい。
【0045】
電源ボタン61は、アシストモードの開始及び停止を切り替えるための操作ボタンである。なお、電源ボタン61は、表示部70の表示開始及び表示終了を切り替えるための操作ボタンであってもよい。
【0046】
例えば、オフ状態である場合に電源ボタン61をユーザが押下したとき、電源ボタン61が押下されたことを示す信号が制御部32に送信される。当該信号を受けて、制御部32は、駆動部30の電動モータ31を動作可能な状態(スタンバイ状態)で待機させ、ペダル17への踏力に応じて電動モータ31を駆動させることができる。また、制御部32は、バッテリ20からの電力を表示部70にも供給させることで、表示部70による表示が開始される。なお、オフ状態とは、アシストモード及び表示が行われていない状態である。
【0047】
また、オン状態である場合に電源ボタン61をユーザが押下したとき、電源ボタン61が押下されたことを示す信号が制御部32に送信される。当該信号を受けて、制御部32は、駆動部30の電動モータ31を停止させて、補助駆動力を発生させない状態にする。また、制御部32は、バッテリ20からの表示部70への電力の供給を停止させることで、表示部70による表示が終了される。なお、オン状態とは、アシストモード及び表示が行われている状態である。
【0048】
照明ボタン62は、前照灯80の点灯及び消灯を切り替えるための操作ボタンである。例えば、前照灯80が消灯状態である場合に照明ボタン62をユーザが押下したとき、照明ボタン62が押下されたことを示す信号が制御部32に送信される。当該信号を受けて、制御部32は、前照灯80を点灯させる。また、前照灯80が点灯状態である場合に照明ボタン62をユーザが押下したとき、照明ボタン62が押下されたことを示す信号が制御部32に送信される。当該信号を受けて、制御部32は、前照灯80を消灯させる。なお、前照灯80は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を光源として含む灯具であるが、特に限定されない。
【0049】
表示切替ボタン63は、表示部70の表示内容を切り替えるための操作ボタンである。
【0050】
モード切替ボタン64は、アシストモードの強弱を切り替えるための操作ボタンである。例えば、アシストモードとして強さ(補助駆動力の大きさ)を複数の段階で設定可能である場合、モード切替ボタン64をユーザが押下する度に、モード切替ボタン64が押下されたことを示す信号が制御部32に送信される。当該信号を受けて、制御部32は、アシストモードの段階を昇順又は降順で順に切り替える。
【0051】
電源ボタン61と、照明ボタン62と、表示切替ボタン63と、モード切替ボタン64とはいずれも、物理的に押下可能なボタンスイッチであるが、これに限らない。電源ボタン61と、照明ボタン62と、表示切替ボタン63と、モード切替ボタン64とは、タクトスイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチなどであってもよい。また、長押し、又は、短期間内での2回連続での押下などの、ボタンの押し方に応じて異なる機能が割り当てられていてもよい。また、入出力ユニット50は、タッチパネルディスプレイで構成されていてもよく、電源ボタン61と、照明ボタン62と、表示切替ボタン63と、モード切替ボタン64とは、表示部70に表示され、ユーザによって操作可能な画像オブジェクトによって実現されてもよい。
【0052】
表示部70は、時刻情報を表示する。具体的には、表示部70は、RTCモジュール40から出力される時刻データに基づいて時刻情報を表示する。表示部70は、例えば、液晶表示装置又は有機EL(Electroluminescence)表示装置などで実現される。
【0053】
本実施の形態では、表示部70は、時刻以外に、電動自転車1に関わる情報を表示することができる。
図3に示すように、表示部70は、残量表示エリア71と、時刻表示エリア72と、モード表示エリア73と、を含む。
【0054】
残量表示エリア71は、バッテリ20の残量を表すインジケータを表示する表示領域である。例えば、表示部70は、バッテリ20からCANを介して残量データを取得し、取得した残量データに基づいてバッテリ20の残量を表すインジケータを残量表示エリア71に表示する。
【0055】
時刻表示エリア72は、時刻情報を表示する表示領域である。表示部70は、バッテリ20に設けられたRTCモジュール40からCANを介して時刻データを取得し、取得した時刻データに基づいて時刻情報を時刻表示エリア72に表示する。時刻情報は、時と分とで表されるが、秒単位で表されてもよい。また、時刻情報は、デジタル表示及びアナログ表示のいずれであってもよい。例えば、表示部70は、時刻データを受ける度に、時刻データに含まれる時間単位及び分単位のデータが表す時刻情報を表示する。
【0056】
モード表示エリア73は、アシストモードに関するモード情報を表示する表示領域である。表示部70は、駆動部30の制御部32からアシストモードに関するデータを取得し、取得したデータに基づいてモード情報をモード表示エリア73に表示する。モード情報は、例えば、アシストモードの強弱に関する情報、及び/又は、車体10の進行速度に関する情報などが含まれる。また、モード情報には、走行距離に関する情報が含まれてもよい。
【0057】
なお、表示部70による表示内容は、
図3に示した例には限定されない。例えば、表示部70は、時刻情報のみを表示する時刻専用の表示装置であってもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、入出力ユニット50がハンドル14に固定される例を示したが、これに限定されない。例えば、入出力ユニット50は、フレーム11に固定されてもよい。
【0059】
[2.動作]
続いて、本実施の形態に係る電動自転車1の時刻表示に関わる処理について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る電動自転車1の時刻表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、まず、操作部60が電源オンの操作を受け付ける(S10)。例えば、オフ状態であるときにユーザが電源ボタン61を押下することで、電源ボタン61が押下されたことを示す信号が駆動部30の制御部32に送信される。これにより、バッテリ20から表示部70に電力が供給される。
【0061】
次に、RTCモジュール40は、時刻データを表示部70に出力する(S12)。表示部70は、RTCモジュール40からの時刻データを受け取り、時刻データに基づいて時刻情報を表示する(S14)。
【0062】
次に、操作部60が電源オフの操作を受け付けることなく(S16でNo)、所定期間が経過した場合(S18でYes)、RTCモジュール40は再び、時刻データを表示部70に出力する(S12)。表示部70は、RTCモジュール40からの時刻データを受け取り、時刻データに基づいて時刻情報を表示する(S14)。このとき、表示時刻に変更がなければ、表示部70は、直前の時刻情報をそのまま表示すればよい。
【0063】
以降、操作部60が電源オフの操作を受け付けるまで、RTCモジュール40からの時刻データの出力(S12)と表示部70による時刻情報の表示(S14)とが、所定期間毎に繰り返し行われる。所定期間は、上述した所定の時間間隔に相当し、例えば1秒以下の期間である。
【0064】
操作部60が電源オフの操作を受け付けた場合(S16でYes)、時刻表示処理が終了する。具体的には、オン状態であるときにユーザが電源ボタン61を押下することで、電源ボタン61が押下されたことを示す信号が駆動部30の制御部32に送信される。これにより、バッテリ20から表示部70への電力の供給が停止されて、表示部70による表示が終了する。
【0065】
本実施の形態では、表示部70には、RTCモジュール40が設けられていない。このため、表示部70には、バッテリ20からの電力が供給されていない場合にRTCモジュール40を動作させるための電力を供給するボタン電池等の電池が不要である。このため、表示部70の小型化が実現可能である。電池交換も不要となるので、ユーザ利便性を高めることができる。
【0066】
なお、表示部70に表示される時刻情報は、RTCモジュール40から出力される時刻データに依存するので、時刻データを取得する時間間隔、すなわち、
図4のステップS18の所定期間を短くすることが望まれる。時間間隔を1秒以下、又は、0.5秒以下にすることで、表示部70に表示される時刻情報の変化が自然なタイミングで行われるので、ユーザに与える違和感を抑えることができる。なお、時刻情報が秒単位で表示される場合には、時間間隔をより短くする(例えば、0.1秒以下)ことで、秒単位の時刻表示の違和感も抑えることができる。
【0067】
[3.変形例]
続いて、実施の形態の変形例について説明する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0068】
[3-1.変形例1]
まず、変形例1について説明する。変形例1に係る電動自転車では、実施の形態に係る電動自転車1と比較して、表示部70に表示される時刻情報に対する変更を外部から受け付け可能である点が相違する。
【0069】
図5は、実施の形態の変形例1に係る電動自転車101の主要な機能を示すブロック図である。
図5に示すように、電動自転車101は、
図2に示した構成と比較して、入出力ユニット50の代わりに、入出力ユニット150を備える点が相違する。なお、電動自転車101及び入出力ユニット150の各々の外観は、
図1及び
図3に示した電動自転車1及び入出力ユニット50と同じであるので、説明を省略する。
【0070】
図5に示すように、入出力ユニット150は、操作部60と、表示部70と、通信部151と、制御部152と、記憶部153と、を備える。操作部60及び表示部70は、実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0071】
通信部151は、端末装置102と通信を行う。通信は、例えばBluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標)等の通信規格に基づいて行われる無線通信である。端末装置102は、例えば、ユーザが所持するスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末である。なお、端末装置102は、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の端末装置であってもよい。また、通信は、有線通信であってもよい。例えば、通信部151は、USB(Universal Serial Bus)コネクタで実現されてもよく、端末装置102に物理的に接続されることで、端末装置102と通信を行ってもよい。
【0072】
通信部151は、端末装置102と通信することで、端末装置102から時刻データを取得する。端末装置102から取得される時刻データは、第2時刻データの一例であり、時間単位及び分単位のデータを含むが、秒単位及び/又は日付単位のデータを含んでもよい。あるいは、第2時刻データは、表示部70に表示された時刻情報との差分を含むデータであってもよい。第2時刻データは、表示部70が表示する時刻情報を変更するために利用される。
【0073】
制御部152は、表示部70を制御することで、通信部151が取得した時刻データに基づいて表示部70に表示される時刻情報を更新させる。具体的には、制御部152は、通信部151が取得した時刻データが表す時刻を示すように、表示部70に表示される時刻情報を変更する。
【0074】
また、制御部152は、通信部151が時刻データを取得した場合に、記憶部153に記憶される差分情報を更新する。差分情報は、RTCモジュール40から受ける第1時刻データと、端末装置102から取得する第2時刻データとの差分を示す情報である。差分情報は、RTCモジュール40から受ける第1時刻データに基づいた時刻情報の表示に利用される。具体的な例については後で説明する。
【0075】
制御部152は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現され、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、及び、プログラムを実行するプロセッサ等を含んでいる。あるいは、制御部152は、専用の電子回路で実現されてもよい。
【0076】
記憶部153は、差分情報を保持するための記憶部である。記憶部153は、例えば、半導体メモリ等の不揮発性メモリで実現される。
【0077】
続いて、本変形例に係る電動自転車101の時刻表示に係わる処理について、
図6を用いて説明する。
図6は、本変形例に係る電動自転車101の時刻表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図6に示すように、まず、操作部60が電源オンの操作を受け付ける(S10)。例えば、オフ状態であるときにユーザが電源ボタン61を押下することで、電源ボタン61が押下されたことを示す信号が駆動部30の制御部32に送信される。これにより、バッテリ20から表示部70に電力が供給される。
【0079】
次に、RTCモジュール40は、時刻データを表示部70に出力する(S12)。表示部70は、RTCモジュール40からの時刻データを受け取り、記憶部153に記憶された差分情報に基づいて時刻を補正する(S23)。表示部70は、補正後の時刻情報を表示する(S14)。記憶部153に差分情報が記憶されていない場合、時刻の補正(S23)は省略される。例えば、RTCモジュール40が出力した時刻データが表す時刻が「15:23」である場合で、差分情報が記憶部153に記憶されていない場合には、表示部70は、「15:23」を時刻情報として表示する。
【0080】
次に、RTCモジュール40以外からの時刻データが取得されない場合(S25でNo)、操作部60が電源オフの操作を受け付けることなく(S16でNo)、所定期間が経過すると(S18でYes)、RTCモジュール40は再び、時刻データを表示部70に出力する(S12)。表示部70は、RTCモジュール40からの時刻データを受け取り、時刻データに基づいて時刻情報を表示する(S14)。このとき、表示時刻に変更がなければ、表示部70は、直前の時刻情報をそのまま表示すればよい。なお、RTCモジュール40以外からの時刻データとは、具体的には、通信部151が取得する第2時刻データである。
【0081】
RTCモジュール40以外からの時刻データが取得された場合(S25でYes)、表示部70は、当該時刻データに基づいて時刻情報を更新して表示する(S26)。本変形例では、通信部151が端末装置102から時刻データを取得した場合に、制御部152は、取得された時刻データが表す時刻を表す時刻情報を表示部70に表示させる。例えば、端末装置102から取得した時刻データが「15:27」である場合、表示部70は、「15:27」を時刻情報として表示する。
【0082】
例えば、本変形例によれば、電源ボタン61をユーザが押下した場合、表示部70には、RTCモジュール40から出力される時刻データに基づいた時刻情報が表示される。ユーザは、表示部70に表示される時刻情報が正確な時刻を表していないと気づいた場合、スマートフォン等の端末装置102と入出力ユニット150とを通信させることで、正確な時刻を示す時刻データを通信部151に取得させることができる。なお、ユーザが意識的に操作することなく、入出力ユニット150の通信部151は、端末装置102とは自動的に通信を開始して時刻データを取得してもよい。
【0083】
そして、制御部152は、記憶部153に記憶された差分情報を更新する(S27)。記憶部153に差分情報が記憶されていない場合、制御部152は、差分情報を生成して記憶部153に記憶させる。例えば、RTCモジュール40からステップS12で出力された第1時刻データが表す時刻が「15:23」であり、通信部151がステップS25で取得した第2時刻データが表す時刻が「15:27」である場合、差分情報は「+4分」になる。すなわち、差分情報は、第2時刻データが表す時刻から、第1時刻データが表す時刻を減算することにより得られる。
【0084】
ここで、差分情報の「+」は、第1時刻データが表す時刻に対する加算、すなわち、時刻を進めることを意味する。差分情報の「-」は、第1時刻データが表す時刻に対する減算、すなわち、時刻を戻すことを意味する。また、差分情報は、表示部70に表示される時刻情報の最小単位(ここでは分単位)で表されるが、当該最小単位より細かい単位で表されてもよい。例えば、差分情報は、秒単位で表されてもよい。
【0085】
以降、操作部60が電源オフの操作を受け付けるまで、RTCモジュール40からの時刻データの出力(S12)と表示部70による時刻情報の表示(S14)とが、所定期間毎に繰り返し行われる。所定期間は、上述した所定の時間間隔に相当し、例えば1秒以下の期間である。また、繰り返しの途中において、RTCモジュール40以外からの時刻データが取得された場合(S25でYes)には、表示部70に表示される時刻情報の更新(S26)と、記憶部153に記憶される差分情報の更新(S27)とが行われる。
【0086】
操作部60が電源オフの操作を受け付けた場合(S16でYes)、時刻表示処理が終了する。具体的には、オン状態であるときにユーザが電源ボタン61を押下することで、電源ボタン61が押下されたことを示す信号が駆動部30の制御部32に送信される。これにより、バッテリ20から表示部70への電力の供給が停止されて、表示部70による表示が終了する。
【0087】
なお、処理の繰り返しでは、記憶部153に差分情報が記憶されているので、RTCモジュール40から出力される時刻データが差分情報に基づいて補正される(S23)。例えば、RTCモジュール40から出力される時刻データが表す時刻が「15:24」である場合において、差分情報が「+4分」を示すとき、表示部70は、補正後の時刻情報として「15:28」を表示する。すなわち、RTCモジュール40から出力される時刻データが表す時刻に、差分情報が示す時間(分、秒)を加算することによって、補正後の時刻情報が得られる。このように、RTCモジュール40以外からの時刻データが1回取得されて時刻情報の更新(補正)が行われると、それ以降は、更新内容(差分情報)に応じて適切な時刻情報が表示部70に表示される。
【0088】
例えば、RTCモジュール40は、温度及び振動などの周囲環境の影響を受けて、出力する時刻データが正確な時刻からズレルおそれがある。本変形例では、表示部70に表示される時刻情報を更新することによって、正確な時刻に近づけることができる。また、差分情報を記憶部153に記憶しておくことで、端末装置102からの時刻データを何度も取得する必要がなく、ユーザ利便性を高めることができる。
【0089】
なお、本変形例において、通信部151、制御部152及び記憶部153の少なくとも一部は、駆動部30又はバッテリ20に設けられていてもよい。
【0090】
[3-2.変形例2]
次に、変形例2について説明する。
【0091】
変形例2に係る電動自転車では、変形例1に係る電動自転車101と比較して、通信部151が第2時刻データを取得する代わりに、操作部が第2時刻データの入力を受け付ける点が相違する。以下では、実施の形態及び変形例1との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0092】
図7は、実施の形態の変形例2に係る電動自転車の入出力ユニット150Aの外観を示す平面図である。
図7に示すように、入出力ユニット150Aは、
図3に示した入出力ユニット50と比較して、時刻調整ボタン165及び166を備える点が相違する。なお、
図3では、操作部160及び表示部70を破線の枠で模式的に表している。
【0093】
時刻調整ボタン165及び166はそれぞれ、操作部160の一例である。時刻調整ボタン165及び166は、表示部70に表示される時刻情報を変更するための第2時刻データの入力を受け付ける。具体的には、時刻調整ボタン165は、時刻情報のうちの「時」を調整するための操作ボタンである。時刻調整ボタン166は、時刻情報のうちの「分」を調整するための操作ボタンである。
【0094】
例えば、ユーザが時刻調整ボタン165を押下する度に、表示部70に表示される時刻情報の「時」が1時間単位で増加(又は減少)する。ユーザが時刻調整ボタン166を押下する度に、表示部70に表示される時刻情報の「分」が1分単位で増加(又は減少)する。ユーザは、時刻調整ボタン165及び/又は166を1回以上押下することによって、表示される時刻を所望の時刻にすることができる。本変形例では、時刻調整ボタン165及び166の各々の押下(操作)によって調整された時刻が、操作部が受け付けた第2時刻データが表す時刻に相当する。
【0095】
本変形例の場合も、変形例1と同様に、RTCモジュール40から出力される時刻データにズレが生じたとしても、表示部70に表示される時刻を正確な時刻に近づけることができる。
【0096】
また、変形例1と同様に、制御部152は、差分情報を記憶部153に記憶してもよい。例えば、時刻調整ボタン165及び166の各々の押下された回数に応じて差分情報を生成することができる。
【0097】
なお、時刻調整ボタン165及び166は、物理的なボタンでなくてもよく、表示部70に表示される画像オブジェクトとして実現されてもよい。また、本変形例に係る入出力ユニット150Aは、変形例1と同様に、端末装置102と通信する通信部151を備えてもよい。
【0098】
[3-3.変形例3]
次に、変形例3について説明する。
【0099】
変形例3に係る電動自転車では、変形例1に係る電動自転車101と比較して、RTCモジュール40から出力される時刻データをエラー検知に利用する点が相違する。以下では、実施の形態並びに変形例1及び2との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0100】
図8は、実施の形態の変形例3に係る電動自転車201の主要な機能を示すブロック図である。
図8に示すように、電動自転車201は、変形例1に係る電動自転車101と比較して、駆動部30の代わりに駆動部230を備える点が相違する。
【0101】
駆動部230は、電動モータ31と、制御部32と、エラー検知部231と、記憶部232と、を備える。電動モータ31及び制御部32は、実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0102】
エラー検知部231は、駆動部230又はバッテリ20に関するエラーを検知する。例えば、駆動部230に関するエラーは、電動モータ31の駆動に関わるエラーであり、例えばトルクエラー等であるが、エラーの種類は特に限定されない。また、バッテリ20に関するエラーは、過充電、過放電等の充放電に関するエラーであるが、エラーの種類は特に限定されない。エラー検知部231は、検知されたエラーに関するエラー情報と、RTCモジュール40から出力される時刻データとを対応付けて記憶部232に記録させる。エラー検知部231は、例えば、電流センサ、トルクセンサ等の各種センサであるが、これに限定されない。
【0103】
記憶部232は、エラー情報と時刻データと対応付けて記憶するためのメモリである。記憶部232は、半導体メモリ等の不揮発性メモリで実現される。
【0104】
このように、本変形例に係る電動自転車201によれば、RTCモジュール40から取得される時刻データをエラー情報との対応付けにも利用することができる。このため、例えば、電動自転車201に関してユーザから不具合の報告があった場合、メンテナンス業者等は、ユーザからの報告とエラー情報に対応付けられた時刻情報とを照らし合わせることができる。ユーザからの報告に応じたエラーを把握しやすくなり、不具合の解消のための作業を行いやすくなる。このように、ユーザだけでなく、メンテナンス業者等の利便性も高めることができる。
【0105】
なお、記憶部232は、差分情報を記憶するための記憶部153と統合されていてもよい。すなわち、物理的には同一の記憶装置に差分情報及びエラー情報等が記憶されてもよい。
【0106】
[4.効果など]
以上のように、本発明の第1態様に係る電動自転車は、例えば、上述した電動自転車1、101又は201のように、車体10と、車体10に取り付け可能なバッテリ20と、電動モータ31を含み、バッテリ20から供給される電力に基づいて電動モータ31を駆動する駆動部30又は230と、バッテリ20から供給される電力で動作するRTCモジュール40と、RTCモジュール40から出力される第1時刻データに基づいて時刻情報を表示する表示部70と、を備える。RTCモジュール40は、バッテリ20に設けられている。
【0107】
これにより、RTCモジュール40はバッテリ20から電力の供給を受けるので、表示部70には、RTCモジュール40を動作させるためのボタン電池又は二次電池等の電池が設ける必要がない。このため、表示部70の小型化が実現される。また、電池交換も不要となるので、ユーザの利便性を高めることができる。このように、ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能な表示部70を備える電動自転車1、101又は201を実現することができる。また、バッテリ20が車体10に取り付けられた場合には、RTCモジュール40から第1時刻データを常に表示部70に送信することも可能である。外部機器との接続作業を必要とすることなく、時刻情報の表示が可能になるので、ユーザ利便性を高めることができる。
【0108】
また、本発明の第2態様に係る電動自転車は、第1態様に係る電動自転車において、当該電動自転車に関する操作を受け付ける操作部60を備える。
【0109】
これにより、例えば、電動アシスト機能のオン及びオフ、アシストモードの強弱の変更、表示部70の表示内容の切り替えなどの様々な操作を行うことができる。
【0110】
また、本発明の第3態様に係る電動自転車では、第2態様に係る電動自転車において、操作部60は、表示部70と一体的に構成されている。
【0111】
これにより、操作部60と表示部70とが一体的に構成されるので、例えば、表示部70に表示される情報を見ながら操作が可能になる。直感的で分かりやすい操作及び表示が可能になるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0112】
また、本発明の第4態様に係る電動自転車では、第2態様又は第3態様に係る電動自転車において、操作部60は、表示部70に表示される時刻情報を変更するための第2時刻データの入力を受け付ける。表示部70は、第2時刻データに基づいて時刻情報を更新する。
【0113】
これにより、仮にRTCモジュール40から出力される時刻データが表す時刻と正確な時刻とにズレが生じたとしても、表示部70に表示される時刻情報を正確な時刻に近づけることができる。ユーザが時刻を間違う可能性を低くすることができるので、ユーザ利便性を高めることができる。
【0114】
また、本発明の第5態様に係る電動自転車では、第1態様~第4態様のいずれか1つに係る電動自転車において、端末装置102と通信することで、端末装置102から第2時刻データを取得する通信部151を備える。表示部70は、第2時刻データに基づいて時刻情報を更新する。
【0115】
これにより、仮にRTCモジュール40から出力される時刻データが表す時刻と正確な時刻とにズレが生じたとしても、表示部70に表示される時刻情報を正確な時刻に近づけることができる。ユーザが時刻を間違う可能性を低くすることができるので、ユーザ利便性を高めることができる。
【0116】
また、本発明の第6態様に係る電動自転車は、第4態様又は第5態様に係る電動自転車において、第1時刻データと第2時刻データとの差分を示す差分情報を保持する記憶部153を備える。表示部70は、第1時刻データと差分情報とに基づいて時刻情報を表示する。
【0117】
これにより、差分情報を記憶部153に記憶しておくことで、RTCモジュール40以外からの時刻データを何度も取得する必要がなく、ユーザ利便性を高めることができる。
【0118】
また、本発明の第7態様に係る電動自転車は、第4態様~第6態様のいずれか1つに係る電動自転車において、第2時刻データが取得された場合に、記憶部153に保持された差分情報を更新する制御部152を備える。
【0119】
これにより、記憶部153に記憶された差分情報を利用することで、RTCモジュール40以外からの時刻データを取得せずに、表示部70に表示される時刻情報を正確な時刻に近づけることができる。
【0120】
また、本発明の第8態様に係る電動自転車では、第1態様~第7態様のいずれか1つに係る電動自転車において、RTCモジュール40と表示部70とは、CANを介して通信可能に接続されている。
【0121】
これにより、CANを利用した通信を行うことで、遅延も少なく、表示される時刻の正確性を高めることができる。
【0122】
また、本発明の第9態様に係る電動自転車は、第1態様~第8態様のいずれか1つに係る電動自転車において、駆動部30若しくは230又はバッテリ20に関するエラー情報と第1時刻データとを対応付けて記憶する記憶部232を備える。
【0123】
これにより、不具合を解消するためのメンテナンスの際に、発生したエラーを具体的に特定しやすくなる。よって、メンテナンスを行うユーザ又は業者の利便性も高めることができる。
【0124】
また、本発明の第10態様に係る電動自転車は、車体10と、バッテリ20が取り付けられる取り付け部21と、電動モータ31を含み、取り付け部21を介してバッテリ20から供給される電力に基づいて電動モータ31を駆動する駆動部30又は230と、表示部70と、を備える。取り付け部21は、バッテリ20から供給される電力で動作する、バッテリ20に設けられたRTCモジュール40から出力される時刻データを受ける通信インタフェース部(コネクタ22)を含む。表示部70は、通信インタフェース部を介して受けられた時刻データに基づいて時刻情報を表示する。
【0125】
これにより、RTCモジュール40はバッテリ20から電力の供給を受けるので、表示部70には、RTCモジュール40を動作させるためのボタン電池又は二次電池等の電池が設ける必要がない。このため、表示部70の小型化が実現される。また、電池交換も不要となるので、ユーザの利便性を高めることができる。このように、ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能な表示部70を備える電動自転車1、101又は201を実現することができる。
【0126】
また、本発明の第11態様に係るバッテリユニットは、表示部70を有する電動自転車1、101又は201の車体10に取り付け可能で、電動自転車1、101又は201の電動モータ31を駆動するための電力を供給するバッテリ20と、バッテリ20から供給される電力で動作する、バッテリ20に設けられたRTCモジュール40と、を備える。表示部70は、RTCモジュール40から出力される時刻データに基づいて、時刻情報を表示する。
【0127】
これにより、RTCモジュール40はバッテリ20から電力の供給を受けるので、表示部70には、RTCモジュール40を動作させるためのボタン電池又は二次電池等の電池が設ける必要がない。このため、表示部70の小型化が実現される。また、電池交換も不要となるので、ユーザの利便性を高めることができる。このように、本態様に係るバッテリユニットによれば、ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能な表示部70を備える電動自転車1、101又は201の実現を支援することができる。
【0128】
また、本発明の第12態様に係るバッテリユニットは、電動自転車1、101又は201の車体10に取り付け可能で、電動自転車1、101又は201の電動モータ31を駆動するための電力を供給するバッテリ20と、バッテリ20から供給される電力で動作する、バッテリ20に設けられたRTCモジュール40と、を備える。
【0129】
これにより、RTCモジュール40はバッテリ20から電力の供給を受けるので、電動自転車1、101又は201に取り付け可能な表示部70には、RTCモジュール40を動作させるためのボタン電池又は二次電池等の電池が設ける必要がない。このため、表示部70の小型化が実現される。また、電池交換も不要となるので、ユーザの利便性を高めることができる。このように、本態様に係るバッテリユニットによれば、ユーザの利便性が高く、かつ、小型化が可能で、かつ、電動自転車1、101又は201に取り付け可能な表示部70の実現を支援することができる。
【0130】
(その他)
以上、本発明に係る電動自転車及びバッテリユニットについて、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0131】
例えば、電動自転車1、101又は201は、押し歩きモードで動作可能であってもよい。押し歩きモードは、電動アシスト機能の1つであり、ユーザが電動自転車1、101又は201を支えて又は押して歩く際に前進を補助する機能を実行する動作モードである。例えば、電動自転車1、101又は201は、アシストモードと押し歩きモードとを切り替えて実行可能である。なお、電動自転車1、101又は201は、押し歩きモードのみを実行可能であってもよい。
【0132】
押し歩きモードにおいても、その強弱が変更可能であってもよい。すなわち、押し歩きモードにおいて、電動モータ31が発生させる補助駆動力の大きさを変更可能であってもよい。あるいは、アシストモード及び押し歩きモードの各々の強弱は変更できなくてもよい。
【0133】
また、例えば、電動自転車1、101又は201は、前輪12及び後輪13の少なくとも一方を複数備えてもよい。すなわち、電動自転車1、101又は201は、二輪車でなくてもよく、三輪車であってもよく、あるいは、四輪以上の車輪を有する自転車であってもよい。
【0134】
また、例えば、操作部60と表示部70とは、別体で構成されてもよい。別体で構成とは、互いに異なる2つ以上の筐体で構成されることである。例えば、操作部60と表示部70とは、ハンドル14の左側及び右側のように、互いに異なる場所に取り付けられてもよい。
【0135】
また、例えば、RTCモジュール40と表示部70との通信は、CANに限定されない。RTCモジュール40と表示部70とは、Bluetooth又はWiFi等の無線通信規格で行われてもよく、イーサネット、電力線通信等の有線の通信規格で行われてもよい。
【0136】
また、バッテリ20は、メインバッテリとサブバッテリとを含んでもよい。この場合に、RTCモジュール40は、メインバッテリからの電力を受けて動作してもよく、サブバッテリからの電力を受けて動作してもよい。
【0137】
また、本発明の一態様は、電動自転車に搭載可能な表示装置として実現されてもよい。当該表示装置は、例えば、上述した表示部70と同じ構成を有する。
【0138】
あるいは、本発明の一態様は、電動自転車の表示部に対する時刻の表示方法として実現されてもよい。具体的には、本態様に係る時刻の表示方法は、車体に取り付け可能なバッテリに設けられたRTCモジュールから出力される第1時刻データに基づいて時刻情報を表示部に表示するステップを含む。RTCモジュール及び表示部はそれぞれ、バッテリから供給される電力で動作する。例えば、本態様に係る時刻の表示方法は、
図4又は
図6に示した各ステップを含んでもよい。
【0139】
また、本発明の一態様は、上記時刻の表示方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。あるいは、本発明の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【0140】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0141】
1、101、201 電動自転車
10 車体
20 バッテリ
21 取り付け部
22 コネクタ
30、230 駆動部
31 電動モータ
32、152 制御部
40 RTCモジュール
50、150、150A 入出力ユニット
60、160 操作部
70 表示部
102 端末装置
151 通信部
153、232 記憶部