(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158169
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】発光アセンブリ及びこれを含む遊技機用周辺機器
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 352F
A63F7/02 352L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073136
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】595112915
【氏名又は名称】株式会社ヤマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 将人
(72)【発明者】
【氏名】草野 健康
(72)【発明者】
【氏名】越野 友春
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
(57)【要約】
【課題】 長手方向の側部からの発光視認性に優れる発光アセンブリの提供。
【解決手段】 導光体からなる長手の発光部を発光させる発光アセンブリである。棒状の透明樹脂からなり長手方向に沿った帯状頂面を発光部として発光させる本体部と、本体部の長手端部に設けられ、帯状頂面と対向し対をなして設けられた本体部の帯状底面へと向けて光源からの光を入射させる光分配部と、帯状底面に設けられ、光分配部からの光の反射方向を帯状頂面の方向へと変更させる底部反射溝と、を有する光学ブロックを含み、帯状底面は、長手方向に沿った第1の帯状底面と、帯状頂面へ近接する側に段差を設けて第1の帯状底面の両側部に沿ってそれぞれ設けられた第2の帯状底面と、からなり、底部反射溝は、第1の帯状底面及び第2の帯状底面のそれぞれに長手方向と垂直な幅方向に延びる三角溝として与えられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光体からなる長手の発光部を発光させる発光アセンブリであって、
棒状の透明樹脂からなり長手方向に沿った帯状頂面を前記発光部として発光させる本体部と、
前記本体部の長手端部に設けられ、前記帯状頂面と対向し対をなして設けられた前記本体部の帯状底面へと向けて光源からの光を入射させる光分配部と、
前記帯状底面に設けられ、前記光分配部からの光の反射方向を前記帯状頂面の方向へと変更させる底部反射溝と、を有する光学ブロックを含み、
前記帯状底面は、前記長手方向に沿った第1の帯状底面と、前記帯状頂面へ近接する側に段差を設けて前記第1の帯状底面の両側部に沿ってそれぞれ設けられた第2の帯状底面と、からなり、
前記底部反射溝は、前記第1の帯状底面及び前記第2の帯状底面のそれぞれに前記長手方向と垂直な幅方向に延びる三角溝として与えられていることを特徴とする発光アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の帯状底面は、前記長手方向に沿った前記帯状頂面の中心線に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1記載の発光アセンブリ。
【請求項3】
前記光分配部は、前記本体部の前記長手端部のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1記載の発光アセンブリ。
【請求項4】
前記光学ブロックは、前記光分配部のそれぞれから連続的に延びる脚部を含み、前記脚部の先端部に光源が配置されていることを特徴とする請求項3記載の発光アセンブリ。
【請求項5】
前記光学ブロックの前記脚部の前記先端部の一方から他方までの外周面は連続した曲面をなすことを特徴とする請求項4記載の発光アセンブリ。
【請求項6】
前記光学ブロックは一体成形された樹脂成形体であることを特徴とする請求項5記載の発光アセンブリ。
【請求項7】
前記透明樹脂はアクリル樹脂であることを特徴とする請求項6記載の発光アセンブリ。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちの1つに記載の発光アセンブリを、前記帯状頂面を外部に露出させてケースに収容させてなることを特徴とする遊技機用周辺機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光体からなる長手の発光部を発光させる発光アセンブリ及びこれを含む遊技機用周辺機器に関し、特に、長手方向側部からの発光視認性に優れる発光アセンブリ及びこれを含む遊技機用周辺機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロット台において、パチンコ球やコインといった遊技媒体を貸し出す台間機(サンド装置)が遊技台の間に設置されている。かかる台間機には、遊技媒体の貸出情報や動作状態の表示、遊技機と連携した演出上の表示を行うための表示ユニットが備えられることもある。そして、表示ユニットでは、側部方向に居ることになる遊技者へ向けた表示を行うため、表示面を遊技機の正面と平行な面から傾斜させて遊技者側へ向けて固定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、傾斜固定された表示ユニットにおいて、突出先端のエッジ部に沿って発光部を与えることで注目度の高い効果的な各種警告表示などを行い得る。そこで、導光体からなる長手の発光部を発光させる発光アセンブリを組み込むことが考慮される。
【0004】
例えば、特許文献2では、アクリル樹脂のような透明材料からなる導光棒の端面に光源を配置し、導光棒の外面に長手方向に沿って帯状の乱反射層を形成させた発光装置を開示している。光源からの光は導光棒の中を拡がりながら乱反射層の長手方向に沿ったそれぞれの位置で乱反射され、導光棒の乱反射層を与えられた側と対面側の面から出射し、導光棒全体が発光して見えるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-164431号公報
【特許文献2】特開2004-226649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
台間機のような遊技機用周辺機器において、導光体からなる長手の発光部を鉛直方向に沿って与えると、遊技者を含む観者はその側方に居ることになり、かかる方向へ向けての発光視認性に優れることが求められる。
【0007】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、導光体からなる長手の発光部を発光させるにあたって、その長手方向の側部からの発光視認性に優れる発光アセンブリ及びこれを含む遊技機用周辺機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による発光アセンブリは、導光体からなる長手の発光部を発光させる発光アセンブリであって、棒状の透明樹脂からなり長手方向に沿った帯状頂面を前記発光部として発光させる本体部と、前記本体部の長手端部に設けられ、前記帯状頂面と対向し対をなして設けられた前記本体部の帯状底面へと向けて光源からの光を入射させる光分配部と、前記帯状底面に設けられ、前記光分配部からの光の反射方向を前記帯状頂面の方向へと変更させる底部反射溝と、を有する光学ブロックを含み、前記帯状底面は、前記長手方向に沿った第1の帯状底面と、前記帯状頂面へ近接する側に段差を設けて前記第1の帯状底面の両側部に沿ってそれぞれ設けられた第2の帯状底面と、からなり、前記底部反射溝は、前記第1の帯状底面及び前記第2の帯状底面のそれぞれに前記長手方向と垂直な幅方向に延びる三角溝として与えられていることを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、長手の発光部の発光視認性、特に、長手方向の側部からの発光視認性にも優れるのである。
【0010】
上記した発明において、前記第2の帯状底面は、前記長手方向に沿った前記帯状頂面の中心線に向けて傾斜していることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、光の反射方向を側部に向けることができて、長手方向側部からの発光視認性にも優れる。
【0011】
上記した発明において、前記光分配部は、前記本体部の前記長手端部のそれぞれに設けられていることを特徴としてもよい。さらに、前記光学ブロックは、前記光分配部のそれぞれから連続的に延びる脚部を含み、前記脚部の先端部に光源が配置されていることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、光源からの光を両側から入射させることで、長手の発光部の発光視認性に優れる。
【0012】
上記した発明において、前記光学ブロックの前記脚部の前記先端部の一方から他方までの外周面は連続した曲面をなすことを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、導光体からの光漏れを抑制できて、長手の発光部の発光視認性に優れる。
【0013】
上記した発明において、前記光学ブロックは一体成形された樹脂成形体であることを特徴としてもよい。また、前記透明樹脂はアクリル樹脂であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、光学ブロックを簡便に得られるとともに、長手の発光部の発光視認性に優れる。
【0014】
また、本発明による遊技機用周辺機器は、上記した発光アセンブリを、前記帯状頂面を外部に露出させてケースに収容させてなることを特徴とする。
【0015】
かかる特徴によれば、長手の発光部の発光視認性に優れることで、例えば、側部の遊技者や島の遠方の遊技場の従業員からの発光視認性に優れるものとし得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】発光アセンブリを組み込んだ台間機の斜視図である。
【
図3】発光アセンブリ周辺部分の一部の部品を取り外した状態の斜視図である。
【
図5】発光アセンブリに用いられる光学ブロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による1つの実施例としての発光アセンブリについて
図1乃至
図7を用いて説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すように、発光アセンブリ10は、遊技機用周辺機器に組み込まれ、ここでは、島設備に取り付けられる台間機1に組み込まれている。台間機1は、例えば、遊技場の島設備としてパチンコ、パチスロ等の遊技台の間に配置される。発光アセンブリ10は、台間機1の手前側に突出する表示部2の突出先端に組み込まれている。台間機1は、その他に、スピーカ4や、カード挿入機5などを備えている。なお、以降、島設備に設置された台間機1に正対したときの方向で上下左右、島設備側を奥又は後、遊技者側を手前又は前として方向を示すこととする。
【0019】
表示部2は、液晶表示装置3を遊技者から視認し易いように斜め側方へ向けて備えており、液晶表示装置3のさらに手前側に発光アセンブリ10を備える。発光アセンブリ10は、導光体からなる光学ブロック11と後述する発光基板12とを含み、表示部2のケース6に収容されつつ、ケース6の前方側の開口部6aから光学ブロック11の一部を外部に露出させている。開口部6aの上下方向の寸法は液晶表示装置3の上下方向の寸法と揃えられており、その結果、光学ブロック11の露出した部分の寸法もこれに揃えられている。
【0020】
図3に示すように、光学ブロック11は、液晶表示装置3の前方で上下に延びつつ液晶表示装置3に干渉しないように後方へ向けて湾曲し、その端部を液晶表示装置3の上下に位置させている。光学ブロック11の端部には、発光基板12が配置される。
【0021】
図4を併せて参照すると、発光基板12は、その上に備えられたLED13を光学ブロック11の先端部に正対するように近接させている。つまり、発光基板12は、光源となるLED13からの光を導光体である光学ブロック11の内部に導くよう配置されている。これにより、発光基板12を介してLED13を制御することで、光学ブロック11に導く光の色、点灯及び消灯を制御することができる。
【0022】
図5に示すように、光学ブロック11は、棒状の透明樹脂からなる導光体である。光学ブロック11は、長手方向に沿った発光部を含む本体部21と、その長手方向の両端部に設けられる光分配部22と、光分配部22のそれぞれから連続的に延びる脚部23とを含む。なお、光学ブロック11は、内部を通して光を導く導光体としての性能を確保しつつ簡便に製造できるようにする上で、一体成形された樹脂成形体とすることが好ましい。また、透明樹脂としてアクリル樹脂を用いることも好ましい。
【0023】
本体部21は、発光部として設けられた帯状頂面30及びこれに対向して対をなす帯状底面31を備える。帯状頂面30及び帯状底面31の詳細については後述する。
【0024】
脚部23の先端部23aには、上記したように光源であるLED13が近接して配置され、光源からの光を光学ブロック11内に導くことができる。
【0025】
光分配部22は、本体部21から見て帯状底面31側へ曲がるように長手方向に湾曲した形状を有し、脚部23から導かれた光源からの光を本体部21の帯状底面31へと向けて入射させるように設けられている。すなわち、光分配部22の湾曲は、光漏れを極力生じないように、導入された光に全反射を繰り返させ得る程度に大きな曲率半径とされる。これによって、光源からの光の拡がりを維持しつつ、長手方向に長く延びる帯状底面31の全面に光を入射させ得る。なお、光分配部22には、光学ブロック11をケース6に固定するための突出部24を備える。突出部24は、光漏れを極力生じないように光分配部22の湾曲の外周面及び内周面を避け、側面のみに接続されるように形成される。また、光学ブロック11の脚部23の先端部23aの一方から他方までの外周面は連続した曲面をなすようにすると、光漏れを抑制し得て好ましい。
【0026】
図6に示すように、帯状底面31は、左右方向中央の最も奥側に位置する第1の帯状底面である中央帯状底面31aと、その左右の第2の帯状底面である左帯状底面31b及び右帯状底面31c(
図7も併せて参照)とを含む。左帯状底面31b及び右帯状底面31cは、中央帯状底面31aから帯状頂面30へ近接する側に段差を設けて中央帯状底面31aの両側部に沿ってそれぞれ設けられる。
【0027】
また、中央帯状底面31a、左帯状底面31b、右帯状底面31cのそれぞれは、表面に多数の底部反射溝32を設けられている。底部反射溝32は、光分配部22からの入射光を反射させ、その反射方向を帯状頂面30で光を全反射させずに外部に向けた出射光を得られる方向へ変更させることができる。具体的には、底部反射溝32は、長手方向と垂直な幅方向(左右方向)に向けて延びる三角溝として与えられる。底部反射溝32の複数を長手方向に連続して並べて帯状底面31の全面を覆うようにすることで、帯状底面31はその全面で光を反射できて、発光部としての帯状頂面30の長手方向の広い領域を発光させることができる。特に、中央帯状底面31aの左右かつ帯状頂面30に近い位置に左帯状底面31b及び右帯状底面31cを設けたことで、帯状頂面30の左右方向に広い範囲を発光させることができる。つまり、発光アセンブリ10の帯状頂面30を長手の発光部として発光視認性に優れるものとすることができ、特に、本体部21の長手方向の側部からの発光視認性にも優れるものとし得る。
【0028】
図7を併せて参照すると、本体部21の断面形状は、前方側となる帯状頂面30の側で略半円形とされ、かかる半円形の端部から後へ向けて平行線を伸ばし、その平行線の間に帯状底面31を配置した形となっている。つまり、帯状底面31(中央帯状底面31a、左帯状底面31b、右帯状底面31c)の左右方向の幅をかかる平行線の間隔と一致させている。そして、左帯状底面31b及び右帯状底面31cは、それぞれ長手方向に沿った帯状頂面30の中心線Lに向けて傾斜している。これによって、左帯状底面31bで反射された反射光は帯状頂面30の右側寄りに、右帯状底面31cで反射された反射光は帯状頂面30の左側寄りに照射される。そのため、反射光による帯状頂面30からの出射光を本体部21の側部に向けることができ、本体部21の長手方向の側部からの発光視認性をさらに優れるものとし得る。
【0029】
なお、帯状頂面30の水平面内での断面形状は略半円形である。この場合、少なくとも左帯状底面31bからの光を帯状頂面30の中心線Lよりも右側に照射させると、出射光OLを右側に屈折させる。右帯状底面31cについても左右を逆にして同様となる。つまり、出射光OLを側部のより広い範囲へ照射させることができ、これによっても本体部21の長手方向の側部からの発光視認性に優れるものとし得る。
【0030】
なお、光分配部22、脚部23、及び、LED13は本体部21の長手端部のうち片側に設けられるようにしてもよいが、上記したように両側に備えることで、光量や発光部の面積を増大させ得て好ましい。
【0031】
また、上記においては、発光アセンブリ10を台間機1に取り付けた実施例について説明したが、他の遊技機用周辺機器に取り付けてもよい。特に、島内の機器であれば、長手方向を上下に向けて発光アセンブリ10を取り付けると、側方からの発光視認性に優れて好ましい。
【0032】
ここまで本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0033】
1 台間機
2 表示部
3 液晶表示装置
10 発光アセンブリ
11 光学ブロック
21 本体部
22 光分配部
23 脚部
30 帯状頂面
31 帯状底面