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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158175
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】簡易トイレ組立キット、簡易トイレ
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/04 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A47K11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073149
(22)【出願日】2023-04-27
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】519309957
【氏名又は名称】株式会社ボウエキ
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(72)【発明者】
【氏名】大下 昌宏
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036HA04
2D036HA12
2D036HA21
2D036HA23
2D036HA26
2D036HA27
2D036HA31
2D036HA41
(57)【要約】
【課題】本発明は、比較的部品点数が少ないにもかかわらず剛性が高い簡易トイレを構築することができる新規な簡易トイレ組立キット、並びに前記簡易トイレ組立キットを用いて構築された新規な簡易トイレを提供することを目的とする。
【解決手段】 段ボールシートからなる部品が組み合わされた簡易トイレ1を構築するための簡易トイレ組立キット10につき、井桁状に組み合わされて便器本体20をなす四枚の矩形の便器本体用部品2と、前記便器本体20の上端において開口端を下方に向けた状態で配されて便座30をなす箱型の便座用部品3と、前記便器本体20内において対角線上に配置されて前記便器本体20の内角を支持する二枚の補強用部品4と、を具備してなるものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートからなる部品が組み合わされた簡易トイレを構築するための簡易トイレ組立キットであって、
井桁状に組み合わされて便器本体をなす四枚の矩形の便器本体用部品と、
前記便器本体の上端において開口端を下方に向けた状態で配されて便座をなす箱型の便座用部品と、
を具備してなり、
更に、前記便器本体内において対角線上に配置されて前記便器本体の内方から支持する二枚の補強用部品を具備してなることを特徴とする簡易トイレ組立キット。
【請求項2】
請求項1に記載の簡易トイレ組立キットにおいて、
前記補強用部品が、
前記便器本体の内角に沿って配置される一対の立板部と、
両立板部の下端を架橋する横板部と、
を具備する略C字状の平面形状となされた簡易トイレ組立キット。
【請求項3】
請求項1に記載の簡易トイレ組立キットにおいて、
前記便器本体内の水平断面形状が長方形となされた簡易トイレ組み立てキット。
【請求項4】
請求項1に記載の簡易トイレ組み立てキットにおいて、
組み立て前の保管時に前記便座用部品内に他の部品が収納され得るように、
前記便座用部品の開口端を閉じる蓋体を更に具備してなる簡易トイレ組み立てキット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の簡易トイレ組立キットを用いて構築されたことを特徴とする簡易トイレ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールシートからなる部品が組み合わされた簡易トイレを構築するための簡易トイレ組立キット、並びに前記簡易トイレ組立キットを用いて構築された簡易トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
台風や地震などの災害時において断水が生じた場合、当然飲み水の確保が最優先の課題となるが、それと同じくらい排泄物を処理するための設備の設置が重要となる。
【0003】
この種の排泄物の処理設備には安価且つ平常時における保管が容易で、しかも使用後の廃棄性に優れる特性が要求される。そのため、現在、災害時における排泄物の処理接部としては段ボールシートを組み合わせて構築される簡易トイレが一般的となっている(例えば、下記特許文献1~4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3179623号公報
【特許文献2】特許第6218907号公報
【特許文献3】特開2007‐209692号公報
【特許文献4】特開2013‐34729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら段ボールシートを組み合わせて構築される簡易トイレに対し、複数回の使用に耐えるに十分な剛性を与えるためには補強のための部品点数が多くなる。部品点数が多くなれば組み立て作業が煩雑になるため、迅速な設置が困難となる。
【0006】
本発明は前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、比較的部品点数が少ないにもかかわらず剛性が高い簡易トイレを構築することができる新規な簡易トイレ組立キット、並びに前記簡易トイレ組立キットを用いて構築された新規な簡易トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決する本発明の簡易トイレ組立キットは、段ボールシートからなる部品が組み合わされた簡易トイレを構築するための簡易トイレ組立キットであって、井桁状に組み合わされて便器本体をなす四枚の矩形の便器本体用部品と、前記便器本体の上端において開口端を下方に向けた状態で配されて便座をなす箱型の便座用部品と、を具備してなり、更に、前記便器本体内において対角線上に配置されて前記便器本体の内方から支持する二枚の補強用部品を具備してなることを特徴とする(以下、「本発明組立キット」と称する。)。
【0008】
前記本発明組立キットにおいては、前記補強用部品が、前記便器本体の内角に沿って配置される一対の立板部と、両立板部の下端を架橋する横板部と、を具備する略C字状の平面形状となされたものが好ましい態様となる。
【0009】
前記本発明組立キットにおいては、前記便器本体内の水平断面形状が長方形となされたものが好ましい態様となる。
【0010】
前記本発明組立キットにおいては、組み立て前の保管時に前記便座用部品内に他の部品が収納され得るように、前記便座用部品の開口端を閉じる蓋体を更に具備してなるものが好ましい態様となる。
【0011】
前記技術的課題を解決する本発明の簡易トイレは、前記本発明組立キットを用いて構築されたことを特徴とする(以下、「本発明トイレ」と称する。)。
【発明の効果】
【0012】
本発明組立キットによれば、比較的部品点数が少ないにもかかわらず剛性が高い本発明トイレを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明トイレの一実施形態を示す斜視図である。
図2図2(a)~(d)は前記本発明トイレを構築する様子を示す斜視図である。
図3図3(a)、(b)は前記本発明トイレに排泄物回収用の袋を取り付ける様子を示す斜視図である。
図4図4(a)~(c)は本発明組立キットの部品を収納する収納箱から部品を取り出す様子を示す斜視図である。
図5図5(a)~(d)は前記収納箱から便座用部品を構築する様子を示す斜視図である。
図6図6(a)は前記本発明組立キットにおける補強用部品を示す正面図であり、図6(b)は前記補強用部品から組み立てた補強用部材を示す斜視図と平面図であり、図6(c)は便器本体内の水平断面形状と前記補強用部材の関係を示す斜視図と平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0015】
[実施形態]
<本発明トイレ1>
図1に本発明トイレ1の一実施形態を示す。図2に示すように、前記本発明トイレ1は、段ボールシートからなる部品(2、3、4)を用いて構築されたものであり、「便器本体(20)」と、「便座(30)」と、を具備する。前記便器本体20は本発明トイレ1の土台的部分であり、前記便座30は用を足す際に使用者が着座する部分である。なお、前記便座30には中央に前記便器本体20内に通じる貫通孔3Hが設けられている。図3に示すように、前記本発明トイレ1は前記貫通孔3Hを通じて処理袋5を前記便器本体20内に挿入し、前記処理袋5の口部分を裏返して前記便座30の周囲に引っ掛けた状態で使用に供される。
【0016】
<本発明組立キット10>
図5に、本発明組立キット10を示す。前記本発明組立キット10は前記本発明トイレ1を構築するためのキットであり、「便器本体用部品(2)」と、「便座用部品(3)」と、「補強用部品(4)」と、を具備する。なお、本実施形態の本発明組立キット10は、保管時において各部品が収納箱(3B)に収納された状態であり、組立時に前記収納箱(3B)から各部品が取り出される仕組みとなされている。
【0017】
‐便器本体用部品2‐
前記便器本体用部品2は、便器本体20をなす役割を有する。本実施形態においては、長方形の平面形状を有する第一便器本体用部品21と、前記第一便器本体用部品21の長辺と同じ長さの辺を有する正方形の平面形状を有する第二便器本体用部品22と、がそれぞれ二枚ずつの都合4枚を前記便器本体用部品2とした。前記便器本体用部品2には互いに平行な二条のスリット(21S、22S)が各々設けられており、前記第一便器本体用部品21のスリット(21S)と前記第二便器本体用スリット(22S)とを咬み合わすことによって、井桁状の便器本体20が構築される仕組みとなされている(図2(a)参照)。
【0018】
‐便座用部品3‐
前記便座用部品3は、箱型の全体形状を有し前記便器本体20の上端において開口端を下方に向けた状態で配されて前記便座30をなす役割を担う。図5に示すように本実施形態においては、前記収納箱(3B)から蓋体31を切り離し、箱本体に予め設けられている切り取り線(CL)に沿って箱本体の底部中央部分32を取り外すことによって、貫通孔(3H)が設けられた前記便座用部品3が構築される仕組みとなされている。
【0019】
‐補強用部品4‐
前記補強用部品4は、前記便器本体20内において対角線上に配置されて前記便器本体20を内方から支持する役割を担う。図6に示すように本実施形態においては、一対の立板部(VP)と、両立板部(VP)の下端を架橋する横板部(HP)と、を具備する略C字状の平面形状となされた第一補強用部品41及び第二補強用部品42を前記補強用部品4とした。前記第一補強用部品41の横板部(HP)の中央下部と、前記第二補強用部品42の横板部(HP)の中央上部には各々スリット(41S、42S)が設けられており、スリット(41S、42S)同士を咬み合わすことによって、前記第一補強用部品41と前記第二補強用部品42とが交差角90度で交わる補強用部材40が構築される仕組みとなされている。なお、本実施形態においては前記便器本体20内の水平断面形状が長方形となっているため、前記補強用部材40を前記便器本体20内において対角線上に配置するにあたっては、前記補強用部材40に応力を加えて前記便器本体20内に挿入し得る形状に変形させる必要がある。
【0020】
前記構成を有する本発明トイレ1は、便器本体20内において前記便器本体20を内方から支持する前記補強用部品(補強用部材40)4が備えられているから、外的応力が加えられても前記便器本体20に変形が生じ難く、その結果、比較的部品点数が少ないにもかかわらず剛性が高いものとなる。
【0021】
ところで、本実施形態においては前記補強用部品4(41、42)につき略C字状の平面形状としているが、前記補強用部品4(41、42)の平面形状は略C字状に限られない。但し、補強用部品4(41、42)の形状を略C字状とすれば、便器本体20の内部空間を大きく確保することができる。
【0022】
又、本実施形態においては前記便器本体20につき水平断面形状を長方形としているが、前記便器本体20の水平断面形状は長方形に限られず、例えば正方形としても良い。但し、前記便器本体20の水平断面形状を長方形とすれば、前記補強用部材40を前記便器本体20内において対角線上に配置するにあたり、前記補強用部材40に応力を加えて前記便器本体20内に挿入し得る形状に変形させる必要がある。そして、変形させた補強用部材40には元の形状に戻ろうとする反発力が生じるため、この反発力が前記便器本体20を内方向から支持する力となり、より一層本発明トイレの剛性が高まる。
【0023】
更に、本実施形態においては前記便座用部品3につき開口端を閉じる蓋体31を備えた構造としているが、前記蓋体31は必須の構成要素ではない。但し、前記便座用部品3につき開口端を閉じる蓋体31を備えた構造とすれば、組み立て前の保管時に前記便座用部品(収納箱(3B))3内に他の部品を収納することができるため、本発明組立キット10の保管性が向上する。
【0024】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、災害時における排泄物処理設備として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0026】
1 本発明トイレ(簡易トイレ)
2 便器本体用部品
21 第一便器本体用部品
22 第二便器本体用部品
3 便座用部品
31 蓋体
4 補強用部品
41 第一補強用部品
42 第二補強用部品
5 処理袋
10 本発明組立キット(簡易トイレ組立キット)
20 便器本体
30 便座
40 補強用部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6