(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158182
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】棚仕切り装置
(51)【国際特許分類】
A47B 57/58 20060101AFI20241031BHJP
A47B 65/00 20060101ALI20241031BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47B57/58 C
A47B65/00 602H
A47B96/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073164
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 愛奈
(57)【要約】
【課題】工具を用いることなく角バーに強固に取り付け可能な棚仕切り装置を提供する。
【解決手段】棚仕切り装置は、棚を仕切るように構成されている。棚は、棚の幅方向に延びる角バーを含む。棚仕切り装置は、仕切り板部と、取付部とを備える。取付部は、仕切り板部の後端部に設けられ、角バーに取り付け可能である。仕切り板部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの前方へ延びている。取付部は、上面押圧部と、下面押圧部とを含む。上面押圧部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの上面を下方へ押圧する。下面押圧部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの下面を上方へ押圧する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚を仕切るように構成された棚仕切り装置であって、
前記棚は、前記棚の幅方向に延びる角バーを含み、
前記棚仕切り装置は、
仕切り板部と、
前記仕切り板部の後端部に設けられ、前記角バーに取り付け可能な取付部とを備え、
前記仕切り板部は、前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態で前記角バーの前方へ延びており、
前記取付部は、
前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態で前記角バーの上面を下方へ押圧する上面押圧部と、
前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態で前記角バーの下面を上方へ押圧する下面押圧部とを含む、棚仕切り装置。
【請求項2】
前記取付部は、
前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態で前記角バーの背面を前方へ押圧する背面押圧部と、
前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態で前記角バーの前面を後方へ押圧する前面押圧部とをさらに含む、請求項1に記載の棚仕切り装置。
【請求項3】
前記上面押圧部、前記下面押圧部、前記背面押圧部及び前記前面押圧部の各々による押圧は、前記取付部の弾性変形に起因する力によって行なわれる、請求項2に記載の棚仕切り装置。
【請求項4】
前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態における前記上面押圧部と前記下面押圧部との間の第1長さは、前記取付部が前記角バーに取り付けられた状態における前記上面押圧部と前記下面及び前記前面の境界の角部との間の第2長さよりも短い、請求項3に記載の棚仕切り装置。
【請求項5】
前記取付部は、弾性域において、前記上面押圧部と前記下面押圧部との間の長さが前記第2長さ以上になるまで変形するように構成されている、請求項4に記載の棚仕切り装置。
【請求項6】
前記下面押圧部は、前記幅方向に延びる丸棒によって構成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の棚仕切り装置。
【請求項7】
前記取付部は、板金によって一体的に構成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の棚仕切り装置。
【請求項8】
前記取付部は、前記下面押圧部よりも下方に位置する弾性変形部をさらに含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の棚仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実公昭61-19723号公報(特許文献1)は、陳列装置における仕切り装置を開示する。この仕切り装置は、陳列装置の横杆に装着される。横杆への装着は、仕切り装置を横杆に引っかけることによって行なわれる。この仕切り装置によれば、工具を用いることなく仕切り装置を横杆に容易に装着することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている仕切り装置が角バーへ取り付けられる場合には、仕切り装置が角バーに引っかけられる。仕切り装置は角バーに引っかけられているだけであるため、仕切り装置の角バーへの固定は強固ではない。したがって、この仕切り装置は、角バーに取り付けられた場合に、例えば、不意に力がかかると意図しない位置へ容易に移動する。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、工具を用いることなく角バーに強固に取り付け可能な棚仕切り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う棚仕切り装置は、棚を仕切るように構成されている。棚は、棚の幅方向に延びる角バーを含む。棚仕切り装置は、仕切り板部と、取付部とを備える。取付部は、仕切り板部の後端部に設けられ、角バーに取り付け可能である。仕切り板部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの前方へ延びている。取付部は、上面押圧部と、下面押圧部とを含む。上面押圧部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの上面を下方へ押圧する。下面押圧部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの下面を上方へ押圧する。
【0007】
この棚仕切り装置においては、取付部が角バーに取り付けられた状態で、上面押圧部が角バーの上面を下方へ押圧し、下面押圧部が角バーの下面を上方へ押圧する。したがって、この棚仕切り装置によれば、取付部による押圧によって棚仕切り装置が角バーに固定されるため、工具を用いることなく棚仕切り装置を角バーに固定することができる。また、この棚仕切り装置によれば、取付部が角バーの上面及び下面の各々を押圧するため、棚仕切り装置を角バーに強固に取り付けることができる。
【0008】
また、上記棚仕切り装置において、取付部は、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの背面を前方へ押圧する背面押圧部と、取付部が角バーに取り付けられた状態で角バーの前面を後方へ押圧する前面押圧部とをさらに含んでもよい。
【0009】
この棚仕切り装置においては、取付部が角バーに取り付けられた状態で、背面押圧部が角バーの背面を前方へ押圧し、前面押圧部が角バーの前面を後方へ押圧する。したがって、この棚仕切り装置によれば、取付部が角バーの背面及び前面の各々をさらに押圧するため、棚仕切り装置を角バーにより強固に取り付けることができる。
【0010】
また、上記棚仕切り装置において、上面押圧部、下面押圧部、背面押圧部及び前面押圧部の各々による押圧は、取付部の弾性変形に起因する力によって行なわれてもよい。
【0011】
この棚仕切り装置によれば、取付部以外の弾性部材を用いることなく、上面押圧部、下面押圧部、背面押圧部及び前面押圧部の各々による押圧を実現することができる。
【0012】
また、上記棚仕切り装置において、取付部が角バーに取り付けられた状態における上面押圧部と下面押圧部との間の第1長さは、取付部が角バーに取り付けられた状態における上面押圧部と下面及び前面の境界の角部との間の第2長さよりも短くてもよい。
【0013】
この棚仕切り装置においては、取付部が角バーに取り付けられた状態における上面押圧部と下面押圧部との間の第1長さが、取付部が角バーに取り付けられた状態における上面押圧部と下面及び前面の境界の角部との間の第2長さよりも短い。したがって、この棚仕切り装置によれば、下面押圧部が角部を乗り越えるために所定以上の力が必要であるため、意図せずに棚仕切り装置が角バーから外れる事態の発生を抑制することができる。
【0014】
また、上記棚仕切り装置において、取付部は、弾性域において、上面押圧部と下面押圧部との間の長さが第2長さ以上になるまで変形するように構成されていてもよい。
【0015】
この棚仕切り装置によれば、取付部が、弾性域において、上面押圧部と下面押圧部との間の長さが第2長さ以上になるまで変形するため、取付部を撓ませるだけで棚仕切り装置を容易に角バーに取り付けることができる。
【0016】
上記棚仕切り装置において、下面押圧部は、幅方向に延びる丸棒によって構成されていてもよい。
【0017】
この棚仕切り装置によれば、棚仕切り装置が大量生産されたとしても、丸棒の形状のばらつきが小さいため、角バーに棚仕切り装置を取り付ける場合に必要な力の棚仕切り装置毎における差を比較的小さくすることができる。
【0018】
上記棚仕切り装置において、取付部は、板金によって一体的に構成されていてもよい。
【0019】
この棚仕切り装置によれば、取付部が複数の部品で構成される場合と比較して部品点数が少ないため、部品コストを抑制することができる。
【0020】
上記棚仕切り装置において、取付部は、下面押圧部よりも下方に位置する弾性変形部をさらに含んでいてもよい。
【0021】
この棚仕切り装置によれば、棚仕切り装置に上方から下方へ向かう力がかかったとしても下面押圧部よりも下方に位置する弾性変形部の変形量が小さいため、意図せずに棚仕切り装置が角バーから外れる事態の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、工具を用いることなく角バーに強固に取り付け可能な棚仕切り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】棚仕切り装置が取り付けられた棚の一部分を模式的に示す斜視図である。
【
図2】棚仕切り装置の一部分を模式的に示す斜視図である。
【
図3】角バーに取り付けられた状態の棚仕切り装置の側面を模式的に示す図である。
【
図4】棚仕切り装置の角バーへの取付け動作を説明するための図である。
【
図5】第1の他の実施の形態に従う棚仕切り装置の一部分を模式的に示す斜視図である。
【
図6】第2の他の実施の形態に従う棚仕切り装置の側面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0025】
[1.概要]
図1は、本実施の形態に従う棚仕切り装置100が取り付けられた棚200の一部分を模式的に示す斜視図である。
図1に示されるように、棚仕切り装置100は、棚200に取り付けられる。棚200は、角バー210と、棚板220とを含んでいる。角バー210は、例えば、金属、樹脂又は木製の棒状部材であり、棚200の後端部において棚200の幅方向に延びている。角バー210の断面形状は、矩形状である。棚板220は、例えば、金属、樹脂又は木製の板状部材であり、棚200の幅方向に延びている。棚板220上には、棚200の収容対象物が配置される。棚仕切り装置100は、棚板220上の領域を複数の領域に仕切るように構成されている。
【0026】
棚仕切り装置100は、仕切り板部110と、取付部120とを含んでいる。仕切り板部110は、例えば、金属又は樹脂製の板状部材であり、棚仕切り装置100が角バー210に取り付けられた状態で角バー210の前方に延びている。平面視において、仕切り板部110と角バー210とによって形成される角度は略90°である。
【0027】
取付部120は、金属又は樹脂製の鉤状部材であり、仕切り板部110の後端部に設けられている。取付部120は、例えば、溶接又は接着剤によって仕切り板部110に固定されている。取付部120は、角バー210に取り付け可能に構成されている。取付部120が角バー210に取り付けられることによって、棚仕切り装置100が角バー210に固定される。
【0028】
仮に取付部120が角バー210に引っかけられているだけである場合には、棚仕切り装置100の角バー210への固定が強固ではない。このような場合には、例えば、棚仕切り装置100に不意に力がかかると、棚仕切り装置100が意図しない位置に簡単に移動する。このような事態の発生を抑制するために、棚仕切り装置100においては、工具を用いることなく棚仕切り装置100を角バー210に強固に取り付け可能とするための工夫が施されている。以下、棚仕切り装置100について詳細に説明する。
【0029】
[2.棚仕切り装置の構成]
図2は、棚仕切り装置100の一部分を模式的に示す斜視図である。
図3は、角バー210に取り付けられた状態の棚仕切り装置100の側面を模式的に示す図である。
図2及び
図3に示されるように、仕切り板部110は、仕切り部111と、固定部112とを含んでいる。仕切り部111と固定部112とによって形成される角度は略90°である。棚仕切り装置100が角バー210に取り付けられた状態で、仕切り板部110のうち仕切り部111が角バー210の前方に延びる。固定部112の上端部には、例えば、溶接又は接着剤によって取付部120が固定されている。
【0030】
取付部120は、角バー210を四方から押圧することによって角バー210を保持するように構成されている。取付部120は、平面部121,123,125,127と、屈曲部122,124,126と、丸棒128とを含んでいる。平面部121,123,125,127及び屈曲部122,124,126は、例えば、一枚の板金に曲げ加工を施すことによって一体的に構成されている。取付部120による角バー210の押圧は、取付部120の弾性変形に起因する力によって行なわれる。
【0031】
平面部121は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の背面部211近傍において略上下方向に延びている。平面部121は、角バー210の背面部211を前方へ押圧するように構成されている。より具体的には、平面部121のうちの背面押圧部P1が、角バー210の背面部211の上端部近傍を前方へ押圧する。背面押圧部P1は、側面視において、平面部121のうちの略中央部分に位置している。
【0032】
屈曲部122は、平面部121と平面部123とを接続している。屈曲部122は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の背面部211及び上面部212の境界の角部近傍に位置している。屈曲部122は、角バー210に沿う方向に屈曲している。屈曲部122における屈曲の角度は鈍角である。
【0033】
平面部123は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の上面部212近傍において略前後方向に延びている。平面部123は、角バー210の上面部212を押圧するように構成されている。より具体的には、平面部123のうちの上面押圧部P2が、角バー210の上面部212を下方へ押圧する。上面押圧部P2は、平面部123と屈曲部124との境界近傍に位置しており、角バー210の上面部212のうち、前後方向における中央部の僅かに前方の位置を押圧する。
【0034】
屈曲部124は、平面部123と平面部125とを接続している。屈曲部124は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の上面部212近傍で弾性変形している。屈曲部124は、角バー210から離れる方向に屈曲している。屈曲部124における屈曲の角度は鈍角である。
【0035】
平面部125は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の上面部212に対して斜め方向に延びている。
【0036】
屈曲部126は、平面部125と平面部127とを接続している。屈曲部126は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の前面部213及び上面部212の境界の角部近傍で弾性変形している。屈曲部126は、角バー210に沿う方向に屈曲している。屈曲部126における屈曲の角度は鋭角である。
【0037】
平面部127は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、角バー210の前面部213近傍において略上下方向に延びている。平面部127は、仕切り板部110の固定部112に固定されている。平面部127は、角バー210の前面部213を後方へ押圧するように構成されている。より具体的には、平面部127のうちの前面押圧部P3が、角バー210の前面部213の下端部近傍を後方へ押圧する。前面押圧部P3は、平面部127のうちの丸棒128が取り付けられている位置の近傍に位置している。
【0038】
丸棒128は、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で棚200の幅方向に延びている。丸棒128は、平面部127の下端部近傍に取り付けられている。丸棒128の平面部127への取付けは、例えば、溶接又は接着剤によって行なわれる。丸棒128は、角バー210の下面部214を上方へ押圧するように構成されている。より具体的には、丸棒128のうちの下面押圧部P4が、角バー210の下面部214の前端部近傍を上方へ押圧する。
【0039】
角部P5は、角バー210の前面部213及び下面部214の境界に位置している。取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、上面押圧部P2と下面押圧部P4との間の長さL1は、上面押圧部P2と角部P5との間の長さL2よりも短い。したがって、棚仕切り装置100によれば、下面押圧部P4(丸棒128)が角部P5を乗り越えるために所定以上の力が必要であるため、意図せずに棚仕切り装置100が角バー210から外れる事態の発生を抑制することができる。
【0040】
このように、棚仕切り装置100においては、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、上面押圧部P2が角バー210の上面部212を下方へ押圧し、下面押圧部P4が角バー210の下面部214を上方へ押圧する。したがって、棚仕切り装置100によれば、取付部120による押圧によって棚仕切り装置100が角バー210に固定されるため、工具を用いることなく棚仕切り装置100を角バー210に固定することができる。また、棚仕切り装置100によれば、取付部120が角バー210の上面部212及び下面部214の各々を押圧するため、棚仕切り装置100を角バー210に強固に取り付けることができる。その結果、棚仕切り装置100に上下から力が加わっても棚仕切り装置100が角バー210から簡単には外れない。また、棚仕切り装置100に左右から力が加わっても棚仕切り装置100が簡単には移動しない。
【0041】
また、棚仕切り装置100においては、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、背面押圧部P1が角バー210の背面部211を前方へ押圧し、前面押圧部P3が角バー210の前面部213を後方へ押圧する。したがって、棚仕切り装置100によれば、取付部120が角バー210の背面部211及び前面部213の各々をさらに押圧するため、棚仕切り装置100を角バー210により強固に取り付けることができる。
【0042】
また、棚仕切り装置100において、背面押圧部P1、上面押圧部P2、前面押圧部P3及び下面押圧部P4の各々による押圧は、取付部120の弾性変形に起因する力によって行なわれる。したがって、棚仕切り装置100によれば、取付部120以外の弾性部材を用いることなく、背面押圧部P1、上面押圧部P2、前面押圧部P3及び下面押圧部P4の各々による押圧を実現することができる。
【0043】
また、棚仕切り装置100において、下面押圧部P4は、棚200の幅方向に延びる丸棒128によって構成されている。棚仕切り装置100によれば、棚仕切り装置100が大量生産されたとしても、丸棒128の形状がばらつきにくいため、角バー210に棚仕切り装置100を取り付ける場合に必要な力の棚仕切り装置100毎における差を比較的小さくすることができる。
【0044】
[3.棚仕切り装置の角バーへの取付け動作]
図4は、棚仕切り装置100の角バー210への取付け動作を説明するための図である。
図4を参照して、取付部120の屈曲部122近傍が角バー210の上端かつ後端の角部(背面部211及び上面部212の境界の角部)に引っかけられた状態で、仕切り板部110が反時計回りの方向に押し込まれる。これにより、取付部120が弾性変形し、丸棒128が角部P5を乗り上げる。その結果、
図3に示されるような状態となり、棚仕切り装置100が角バー210に固定される。
【0045】
再び
図3を参照して、丸棒128が角部P5を乗り上げる場合に、上面押圧部P2と下面押圧部P4との間の長さは長さL2となる。すなわち、取付部120は、弾性域において、上面押圧部P2と下面押圧部P4との間の長さが長さL2以上になるまで変形するように構成されている。したがって、棚仕切り装置100によれば、取付部120を撓ませるだけで棚仕切り装置100を容易に角バー210に取り付けることができる。丸棒128が角部P5を乗り上げる場合の取付部120の弾性変形量が、取付部120が角バー210に固定された状態における取付部120の弾性変形量よりも大きいため、仕切り板部110に時計回りの方向の力が加えられても棚仕切り装置100が角バー210から簡単には外れない。
【0046】
[4.特徴]
以上のように、棚仕切り装置100においては、取付部120が角バー210に取り付けられた状態で、上面押圧部P2が角バー210の上面部212を下方へ押圧し、下面押圧部P4が角バー210の下面部214を上方へ押圧する。したがって、棚仕切り装置100によれば、取付部120による押圧によって棚仕切り装置100が角バー210に固定されるため、工具を用いることなく棚仕切り装置100を角バー210に固定することができる。また、棚仕切り装置100によれば、取付部120が角バー210の上面部212及び下面部214の各々を押圧するため、棚仕切り装置100を角バー210に強固に取り付けることができる。
【0047】
[5.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。例えば、いずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成と、他のいずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成とが組み合わされてもよい。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0048】
<5-1>
上記実施の形態においては、取付部120が、平面部121,123,125,127と、屈曲部122,124,126と、丸棒128とを含んでいた。しかしながら、取付部120の構成はこれに限定されない。取付部120は、例えば、板金によって一体的に構成されていてもよい。
【0049】
図5は、第1の他の実施の形態に従う棚仕切り装置100Aの一部分を模式的に示す斜視図である。
図5に示されるように、棚仕切り装置100Aは、仕切り板部110と、取付部120Aとを含んでいる。取付部120Aは、平面部121,123,125,127Aと、屈曲部122,124,126と、突出部128Aとを含んでいる。平面部121,123,125,127Aと、屈曲部122,124,126と、突出部128Aとは、例えば、一枚の板金に曲げ加工を施すことによって一体的に構成されている。棚仕切り装置100Aにおいては、棚仕切り装置100Aが角バー210に固定された場合に、突出部128Aの上面が下面押圧部P4として機能する。棚仕切り装置100Aによれば、取付部120Aが一部品で構成され、部品点数が少ないため、部品コストを抑制することができる。このような構成が採用されてもよい。
【0050】
<5-2>
上記実施の形態において、取付部120は、主に屈曲部124,126において弾性変形した。しかしながら、取付部120の構成はこれに限定されない。
【0051】
図6は、第2の他の実施の形態に従う棚仕切り装置100Bの側面を模式的に示す図である。
図6に示されるように、棚仕切り装置100Bは、仕切り板部110と、取付部120Bとを含んでいる。取付部120Bは、平面部121B,123B,125B,127B,129B,131B,133Bと、屈曲部122B,124B,126B,128B,130B,132Bとを含んでいる。棚仕切り装置100Bにおいては、屈曲部124B,126Bにおける屈曲が、上記実施の形態に従う棚仕切り装置100の屈曲部124,126における屈曲と比較してそれぞれ緩やかになっている。棚仕切り装置100Bにおいては、屈曲部132Bの上面が、下面押圧部P4として機能し、角バー210の下面部214を上方に押圧している。
【0052】
屈曲部132B(下面押圧部P4)による押圧は、主に屈曲部130B,128Bの弾性変形に起因する力によって行なわれている。屈曲部130B,128Bの各々は、屈曲部132Bよりも下方に位置している。棚仕切り装置100Bによれば、棚仕切り装置100Bに上方から下方へ向かう力がかかったとしても下面押圧部P4として機能する屈曲部132Bよりも下方に位置する屈曲部130B,128Bの弾性変形量が小さいため、意図せずに棚仕切り装置100Bが角バー210から外れる事態の発生を抑制することができる。このような構成が採用されてもよい。
【0053】
<5-3>
上記実施の形態においては、取付部120に丸棒128が設けられた。しかしながら、取付部120に設けられるものは丸棒128に限定されず、例えば、角棒が設けられてもよい。この場合には、角棒が下面押圧部P4として機能してもよい。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0055】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0056】
100,100A,100B 棚仕切り装置、110 仕切り板部、111 仕切り部、112 固定部、120,120A,120B 取付部、121,121B,123,123B,125,125B,127,127A,127B,129B,131B,133B 平面部、122,122B,124,124B,126,126B,128B,130B,132B 屈曲部、128 丸棒、128A 突出部、200 棚、210 角バー、211 背面部、212 上面部、213 前面部、214 下面部、220 棚板、P1 背面押圧部、P2 上面押圧部、P3 前面押圧部、P4 下面押圧部、P5 角部。