(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158184
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ボトムコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20241031BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20241031BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073167
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】苗村 嶺
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB26
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB14
5E223DB25
5E223EA33
5E223EA36
(57)【要約】
【課題】破損を抑制するボトムコネクタを提供する。
【解決手段】リセプタクル10は、メイン基板3pに取り付けられ、メイン基板3pに対面するサブ基板4pに取り付けたプラグ20と篏合できる。リセプタクル10は、メイン基板3pに固定した固定ハウジング11と、固定ハウジング11の内部を移動可能に配置され、プラグ20から突出したヘッダ21hが篏合可能な可動ハウジング12と、固定ハウジング11と可動ハウジング12を連結した複数のコンタクト13と、を備える。複数のコンタクト13は、固定ハウジング11に対して篏合方向と直交する平面上を移動可能に、可動ハウジング12を浮動支持している。又、固定ハウジング11は、可動ハウジング12の底面を支持する補強タブ14を有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン基板に取り付けられ、前記メイン基板に対面するサブ基板に取り付けた相手側コネクタが篏合可能なボトムコネクタであって、
前記メイン基板に固定した固定ハウジングと、
前記固定ハウジングの内部を移動可能に配置され、相手側コネクタから突出したヘッダが篏合可能な可動ハウジングと、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングを連結した複数のコンタクトと、を備え、
複数の前記コンタクトは、前記固定ハウジングに対して篏合方向と直交する平面上を移動可能に、前記可動ハウジングを浮動支持している、ボトムコネクタ。
【請求項2】
前記可動ハウジングは、
前記ヘッダを篏合可能に誘導する凹部と、
前記ヘッダの長手方向の両端部に立設した一対の位置決め柱と篏合可能に誘導する誘導穴と、を有している、請求項1記載のボトムコネクタ。
【請求項3】
前記固定ハウジング及び前記可動ハウジングを補強するC形の補強タブを更に備え、
前記補強タブは、
前記可動ハウジングの底面と対向した前記固定ハウジングの底板を底面から覆う長尺の帯板片と、
前記帯板片の両端部から直角に屈曲し、前記固定ハウジングの両端部に圧入される一対の圧入片と、を有し、
前記圧入片は、前記メイン基板の反実装面とハンダ接合可能に端面を形成している、請求項1又は2記載のボトムコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトムコネクタに関する。特に、メイン基板に取り付けたボトムコネクタであって、メイン基板と対面するサブ基板に取り付けた相手側コネクタと篏合可能なボトムコネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の基板に取り付けたコネクタと、一方の基板と対面する他方の基板に取り付けたコネクタとが着脱自在に篏合可能なコネクタ装置(いわゆる、基板対基板用コネクタ)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図12は、従来技術によるコネクタ装置の構成を示す縦断面図であり、一方のコネクタと他方のコネクタが篏合した状態図である。なお、本願の
図12は、特許文献1の
図9に相当している。
【0005】
図12を参照すると、従来技術によるコネクタ装置Ucは、第1基板T1に取り付けた角形の第1コネクタ70と、第2基板T2に取り付けた角形の第2コネクタ80とで構成している。第1コネクタ70は、第1ハウジング71と複数のL字状の第1コンタクト72を備えている。第1ハウジング71は、直方体状の本体部とこの本体部の外縁に延びる板状のフランジ部を有している。又、第1ハウジング71の本体部は、一対の隔壁72w・72wで囲われたヘッダ72hを構成している。又、ヘッダ72hは、第1基板T1に開口した第1基板穴91aの内部に突出している。
【0006】
図12を参照すると、第1コンタクト72は、その長片部が第1ハウジング71と一体にインサート成形されている。第1コンタクト72の長片部の端部は、第1基板T1の表面Sfにハンダ接合可能なリード部72rを構成している。リード部72rは、第1基板T1の表面(実装面)Sfにハンダ接合されている。又、第1コンタクト72は、その短片部が隔壁72wの内壁に配置され、第2コンタクト82の接点が接触可能な接触部72sを構成している。一対の第1コンタクト72・72は、第1ハウジング71の長手方向に沿って並列配置されている。第1ハウジング71の長手方向とは、第1コネクタ70と第2コネクタ80が篏合するX3方向と直交する図示しないX1方向である。
【0007】
図12を参照すると、第2コネクタ80は、長方形板状の第2ハウジング81と複数のクランク状の第2コンタクト82を備えている。第2ハウジング81は、板状のヘッダ82hを中央部から突出している。又、第2ハウジング81は、その底部が第2基板T2に開口した第2基板穴92aの内部に突出している。
【0008】
図12を参照すると、第2コンタクト82は、その中間部に形成した圧入片82aが第2ハウジング81に圧入されている。又、第2コンタクト82は、そのC字状のクランク部がヘッダ82hの外側の凹部に収容されている。第2コンタクト82のクランク部の先端部は、接触部72sに接触可能な接点を構成している。第2コンタクト82のクランク部の反対側は、第2基板T2の表面(実装面)Sfにハンダ接合可能なリード部82rを構成している。
【0009】
図12を参照すると、従来技術によるコネクタ装置Ucは、第1コネクタ70と第2コネクタ80と篏合方向と直交する平面上に投影した第2コネクタ80の外形が第1基板T1の第1基板穴91aの内部に収容されるように構成しているので、第1基板T1の裏面Srと第2基板Tの表面SfとのギャップGpを小さくでき、これによりコネクタ装置Ucの低背化を可能と、している。
【0010】
図12を参照すると、従来技術によるコネクタ装置Ucは、低背化を可能としているが、第1コネクタ70と第2コネクタ80を篏合するときに、第1基板T1に覆われて、第2コネクタ80の視認が容易でないという問題がある。第1コネクタ70と第2コネクタ80が正しく篏合しないと、第1コネクタ70に押されて、第2コネクタ80が破損される心配がある。
【0011】
メイン基板に取り付けたボトムコネクタが、メイン基板に対面するサブ基板に取り付けた相手側コネクタと篏合する場合に、ボトムコネクタの破損を抑制するボトムコネクタが求められている。そして。以上のことが本発明の課題といってよい。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、メイン基板に取り付けたボトムコネクタが、メイン基板に対面するサブ基板に取り付けた相手側コネクタと篏合する場合に、ボトムコネクタの破損を抑制するボトムコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、メイン基板に取り付けられ、メイン基板に対面するサブ基板に取り付けた相手側コネクタが篏合可能なボトムコネクタであって、メイン基板に固定した固定ハウジング、固定ハウジングの内部を移動可能に配置され、相手側コネクタから突出したヘッダが篏合可能な可動ハウジング、及び、固定ハウジングと可動ハウジングを連結した複数のコンタクトでボトムコネクタを構成し、複数のコンタクトは、固定ハウジングに対して篏合方向と直交する平面上を移動可能に、可動ハウジングを浮動支持することで、ボトムコネクタの破損を抑制できると考え、これにより、以下のような新たなボトムコネクタを発明するに至った。
【0014】
(1)メイン基板に取り付けられ、前記メイン基板に対面するサブ基板に取り付けた相手側コネクタが篏合可能なボトムコネクタであって、前記メイン基板に固定した固定ハウジングと、前記固定ハウジングの内部を移動可能に配置され、相手側コネクタから突出したヘッダが篏合可能な可動ハウジングと、前記固定ハウジングと前記可動ハウジングを連結した複数のコンタクトと、を備え、複数の前記コンタクトは、前記固定ハウジングに対して篏合方向と直交する平面上を移動可能に、前記可動ハウジングを浮動支持している、ボトムコネクタ。
【0015】
(2)前記可動ハウジングは、前記ヘッダを篏合可能に誘導する凹部と、前記ヘッダの長手方向の両端部に立設した一対の位置決め柱と篏合可能に誘導する誘導穴と、を有している、(1)記載のボトムコネクタ。
【0016】
(3)前記固定ハウジング及び前記可動ハウジングを補強するC形の補強タブを更に備え、前記補強タブは、前記可動ハウジングの底面と対向した前記固定ハウジングの底板を底面から覆う長尺の帯板片と、前記帯板片の両端部から直角に屈曲し、前記固定ハウジングの両端部に圧入される一対の圧入片と、を有し、前記圧入片は、前記メイン基板の反実装面とハンダ接合可能に端面を形成している、(1)又は(2)記載のボトムコネクタ。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるボトムコネクタは、メイン基板に固定した固定ハウジングと、固定ハウジングの内部を移動可能に配置され、相手側コネクタから突出したヘッダが篏合可能な可動ハウジングと、固定ハウジングと可動ハウジングを連結した複数のコンタクトと、を備え、複数のコンタクトは、固定ハウジングに対して篏合方向と直交する平面上を移動可能に、可動ハウジングを浮動支持しているので、相手側コネクタと篏合する場合に、ボトムコネクタの破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態によるボトムコネクタを含むコネクタ装置の構成を示す斜視分解組立図である。
【
図2】前記実施形態によるボトムコネクタの構成を示す断面斜視図であり、相手側コネクタが篏合する前の状態図である。
【
図3】前記実施形態によるボトムコネクタの構成を示す斜視図であり、下面側から観た状態図である。
【
図4】前記実施形態によるボトムコネクタの構成を示す斜視図であり、平面側から観た状態図である。
【
図5】前記実施形態によるボトムコネクタの構成を示す斜視分解組立図である。
【
図6】本発明の一実施形態による相手側コネクタの構成を示す斜視図であり、平面側から観た状態図である。
【
図7】前記実施形態による相手側コネクタの構成を示す斜視図であり、下面側から観た状態図である。
【
図8】前記実施形態による相手側コネクタの構成を示す斜視分解組立図である。
【
図9】前記実施形態によるボトムコネクタを含むコネクタ装置の構成を示す縦断面図であり、
図9(A)は、相手側コネクタの縦断面図、
図9(B)は、ボトムコネクタの縦断面図である。
【
図10】前記実施形態によるボトムコネクタの構成を示す縦断面図であり、相手側コネクタがボトムコネクタに篏合した状態図である。
【
図11】変形例による相手側コネクタの構成を示す縦断面図であり、変形例による相手側コネクタがボトムコネクタに篏合した状態図である。
【
図12】従来技術によるコネクタ装置の構成を示す縦断面図であり、一方のコネクタと他方のコネクタが篏合した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0020】
[ボトムコネクタの構成]
(全体構成)
最初に、本発明の一実施形態によるボトムコネクタを含むコネクタ装置の全体構成を説明する。
図1又は
図2及び
図10を参照すると、本発明の一実施形態によるコネクタ装置100は、メイン基板3pに取り付けた角形のボトムコネクタ(以下、リセプタクルという)10と、サブ基板4pに取り付けた角形の相手側コネクタ(以下、プラグという)20とで構成している。メイン基板3pの実装面(以下、表面という)Sfは、サブ基板4pの反実装面(以下、裏面という)Srに対面している。
【0021】
図1又は
図2及び
図10を参照すると、コネクタ装置100は、パネル5pを含んでいる。パネル5pは、サブ基板4pの反実装面Srに接着されている。又、パネル5pは、メイン基板3pとサブ基板4pの間に配置されている。パネル5pは、矩形のパネル穴5hを開口している(
図1参照)。パネル穴5hは、リセプタクル10の外形を逃げるように開口している(
図10参照)。
【0022】
図1を参照すると、メイン基板3pは、リセプタクル10を構成する可動ハウジング12の外形(
図4参照)を逃げる矩形のメイン基板穴3hを開口している。又、サブ基板4pは、プラグ20を構成するハウジング21(
図6参照)を逃げるサブ基板穴4hを開口している。リセプタクル10は、メイン基板穴3hを介して、プラグ20と接続できる。
【0023】
(ボトムコネクタの構成)
次に、実施形態によるボトムコネクタ10の構成を説明する。
図1から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、ボトムコネクタ10は、直方体状の固定ハウジング11、可動ハウジング12、及び、複数のベローズ形のコンタクト13を備えている。ボトムコネクタ10は、固定ハウジング11及び可動ハウジング12を補強するC形の補強タブ14を更に備えている。
【0024】
図1から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、固定ハウジング11は、その内壁に圧入されたコンタクト13のリード部13rがメイン基板3pの裏面Srにハンダ接合されることで、メイン基板3pに固定されている(
図9(B)参照)。
【0025】
図5又は
図9(B)を参照すると、可動ハウジング12は、固定ハウジング11の内部を移動可能に配置されている。又、可動ハウジング12は、プラグ20から突出したヘッダ21hと篏合できる(
図9又は
図10参照)。
【0026】
図9(B)又は
図10を参照すると、複数のコンタクト13は、固定ハウジング11と可動ハウジング12を連結している。複数のコンタクト13は、固定ハウジング11に対して篏合方向(X3方向)と直交する平面上(X1方向及びX2方向を含む平面上)を移動可能に、可動ハウジング12を浮動支持している。
【0027】
(固定ハウジングの構成)
次に、固定ハウジング11の構成を説明する。
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、固定ハウジング11は、横長の凹部11aを中央部に設けている。又、固定ハウジング11は、X2方向に延びる帯状の底板11bを有している。底板11bの幅方向の両側は、X3方向に貫通している。
【0028】
図5を参照すると、固定ハウジング11は、櫛の歯状の溝部11dを対向し合う内壁に形成している。これらの溝部11dには、コンタクト13に形成した第1の圧入部13aを圧入できる。
【0029】
(可動ハウジングの構成)
次に、可動ハウジング12の構成を説明する。
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、可動ハウジング12は、上面から穿設された横長の凹部12aと一対の誘導穴12b・12bを有している(
図5参照)。一対の誘導穴12b・12bは、凹部12aと長手方向に連通している。
【0030】
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、凹部12aは、ヘッダ21h(
図7参照)を篏合可能に誘導できる。一対の誘導穴12b・12bは、ヘッダ21hの長手方向の両端部に立設した一対の位置決め柱21p・21pと篏合可能に誘導できる。
【0031】
図5を参照すると、可動ハウジング12は、櫛の歯状の溝部12dを対向し合う凹部12aの内壁に形成している。これらの溝部12dには、コンタクト13に形成した第2の圧入部13bを圧入できる。
【0032】
(コンタクトの構成)
次に、コンタクト13の構成を説明する。
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、コンタクト13は、一対の接触部13s・13sが所定の間隔を設けて対向配置されている。コンタクト13は、ボトムコネクタ10の長手方向に並列配置されている(
図5参照)。一対のコンタクト13・13は、線対称に配置されている。つまり、複数のコンタクト13は、デュアルインライン形に配置されている。
【0033】
図5又は
図9(B)及び
図10を参照すると、コンタクト13は、リード部13r、第1の圧入部13a、浮動部13f、第2の圧入部13b、接触部13sが屈曲しながら連続している。
図9を参照すると、は、メイン基板3pの裏面Srにハンダ接合できる。リード部13rから略直角に屈曲した直線部は、固定ハウジング11の内壁に形成した溝部11dに圧入される第1の圧入部13aを形成している。
【0034】
図5又は
図9(B)及び
図10を参照すると、第1の圧入部13aからU字状に屈曲した部分は、固定ハウジング11と可動ハウジング12を浮動可能に支持する浮動部13fとしている。浮動部13fは、可動ハウジング12の長手方向(X1方向)及び幅方向(X2方向)及びこれらの方向を合成した方向に移動可能に、固定ハウジング11と可動ハウジング12を弾性支持している。
【0035】
図5又は
図9(B)及び
図10を参照すると、コンタクト13は、浮動部13fから逆方向にU字状に屈曲した直線部が、可動ハウジング12の凹部12aの内部に入り込み、可動ハウジング12の内壁に形成した溝部12dに圧入される第2の圧入部13bを形成している。
【0036】
図5又は
図9(B)及び
図10を参照すると、第2の圧入部13bからU字状に反転して部分は、その頂部がヘッダ21hの側面に配置したコンタクト22(
図6参照)に接触可能な接触部13sを構成している。一対の接触部13s・13sの間にヘッダ21hを挿入すると、コンタクト13(
図5参照)とコンタクト22(
図6参照)を電気的に接続できる。
【0037】
(補強タブの構成)
次に、補強タブ14の構成を説明する。
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、固定ハウジング11は、C形の補強タブ14を備えている。補強タブ14は、固定ハウジング11及び可動ハウジング12を補強できる。補強タブ14は、長尺の帯板片14aと、帯板片14aの両端部から直角に屈曲した一対の圧入片14b・14bを有している(
図5参照)。
【0038】
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、帯板片14aは、可動ハウジング12の底面と対向した固定ハウジング11の底板11bを底面から覆っている(
図9(B)又は
図10を参照)。一対の圧入片14b・14bは、固定ハウジング11の長手方向の両端部に圧入されている。
図5に示すように、圧入片14bの先端側は、二股に分岐している。
【0039】
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、帯板片14aは、固定ハウジング11の底板11bを底面から覆っているので、可動ハウジング12の中央部の撓みを抑制できる。又、一対の圧入片14b・14bの板厚面は、メイン基板3pの裏面Srにハンダ接合できる。これにより、固定ハウジング11とメイン基板3pの接合強度を強化できる。
【0040】
(相手側コネクタの構成)
次に、相手側コネクタであるプラグ20の構成を説明する。
図6から
図8及び
図9(A)又は
図10を参照すると、プラグ20は、帯板状のハウジング21と複数のL字状のコンタクト22を備えている。更に、プラグ20は、一対の補強タブ23・23を備えている。
【0041】
図6から
図8を参照すると、ハウジング21は、長方形板状の基部から立設した板状のヘッダ21hと一対の四角柱状の位置決め柱21p・21pを有している。ヘッダ21hは、可動ハウジング12に形成された凹部12a(
図5参照)に誘導されて、凹部12aと篏合できる(
図10参照)。
【0042】
図6から
図8を参照すると、一対の位置決め柱21p・21pは、ヘッダ21hの長手方向(X1方向)の両端部に立設している。一対の位置決め柱21p・21pは、可動ハウジング12に形成された一対の誘導穴12b・12b(
図5参照)に誘導されて、これらの誘導穴12b・12bと篏合できる。位置決め柱21pの先端部は、誘導穴12bに誘導され易いように、四角錐に形成されている。
【0043】
図6から
図8を参照すると、ハウジング21は、その長手方向に一対のフランジ部21f・21fを突出している。これらのフランジ部21f・21fは、サブ基板4pの表面Sf側に突出している。又、ヘッダ21hの両側面には、コンタクト22の圧入片22aが圧入される櫛の歯状の溝部22dを形成している(
図8参照)。
【0044】
図8を参照すると、コンタクト22は、その長片が圧入片22aを構成し、短片がリード片22bを構成している。圧入片22aは、ヘッダ21hの両側面に固定されている(
図7参照)。ヘッダ21hを可動ハウジング12の凹部12aに挿入すると、圧入片22aを接触部13sに接触できる(
図9(B)参照)。
【0045】
図6又は
図7を参照すると、リード片22bは、ヘッダ21hの基端部から相反する向きに配置されている。リード片22bの先端部は、サブ基板4pの表面Sfにハンダ接合できる(
図9(A)参照)。
【0046】
図6から
図8を参照すると、一対の補強タブ23・23は、ハウジング21の長手方向の両端部に固定されている。補強タブ23は、帯板状の圧入片23aとC字状のリード片23bで構成している(
図8参照)。圧入片23aは、ハウジング21の端部に設けた圧入穴(図示せず)に圧入されている。
【0047】
図6を参照すると、補強タブ23の表面は、ヘッダ21h及びフランジ部21fの表面と略面一に配置されている。リード片23bの幅方向の両端部の裏面は、サブ基板4pの表面Sfにハンダ接合できる(
図1又は
図2参照)。リード片23bをサブ基板4pの表面Sfにハンダ接合することで、プラグ20とサブ基板4pのハンダ接合強度を補強できる。
【0048】
[ボトムコネクタの作用]
次に、リセプタクル10の作用及び効果を説明する。
図1又は
図2を参照して、プラグ20を取り付けたサブ基板4pを、リセプタクル10を取り付けたメイン基板3pに向かって進入すると、メイン基板穴3hを介して、プラグ20のヘッダ21hとリセプタクル10の可動ハウジング12の凹部12aに篏合できる(
図10参照)。
【0049】
実施形態によるリセプタクル10は、メイン基板3pに固定した固定ハウジング11と、固定ハウジング11の内部を移動可能に配置され、プラグ20から突出したヘッダ21hが篏合可能な可動ハウジング12と、固定ハウジング11と可動ハウジング12を連結した複数のコンタクト13と、を備え、複数のコンタクト13は、固定ハウジング11に対して篏合方向と直交する平面上を移動可能に、可動ハウジング12を浮動支持しているので、プラグ20と篏合する場合に、固定ハウジング11との位置ずれを吸収してリセプタクル10の破損を抑制できる。
【0050】
又、
図3から
図10を参照すると、実施形態による可動ハウジング12は、プラグ20のヘッダ21hの長手方向の両端部に立設した一対の位置決め柱21p・21pと篏合可能に誘導する誘導穴12b・12bと、を有しているで、リセプタクル10に配置したコンタクト13とプラグ20に配置したコンタクト22を長手方向に正しく位置合わせできる。
【0051】
更に、
図3から
図5及び
図9(B)又は
図10を参照すると、実施形態によるリセプタクル10は、C形の補強タブ14を更に備え、補強タブ14は、可動ハウジング12の底面と対向した固定ハウジング11の底板11bを底面から覆う長尺の帯板片14aと、帯板片14aの両端部から直角に屈曲し、固定ハウジング11の両端部に圧入される一対の圧入片14b・14bと、を有しているので、補強タブ14は、底板11bの撓みに対して対抗できる。これにより、固定ハウジング11の破損を抑制できる。
【0052】
[相手側コネクタの変形例]
次に、相手側コネクタの変形例について説明する。
図11を参照すると、変形例によるプラグ60は、サブ基板6pに取り付けられている。サブ基板6pは、サブ基板穴4h(
図1参照)を開口していない。リセプタクル10は、
図1から
図10で説明した実施形態と同じものである。
【0053】
図11を参照すると、プラグ60は、帯板状のハウジング61と複数のL字状のコンタクト62を備えている。ハウジング61は、長方形板状の基部から立設した板状のヘッダ61hと一対の四角柱状の位置決め柱(図示せず)を有している。ヘッダ61hは、可動ハウジング12に形成された凹部12a(
図5参照)に誘導されて、凹部12aと篏合できる。図示しない一対の位置決め柱は、
図5に示された一対の誘導穴と篏合できる。
【0054】
図11を参照すると、コンタクト62は、その長片が圧入片62aを構成し、短片がリード片62bを構成している。圧入片62aは、ヘッダ61hの両側面に固定されている。ヘッダ61hを可動ハウジング12の凹部12a(
図5参照)に挿入すると、圧入片62aを
図9(B)に示された接触部13sに接触できる。
【0055】
図11を参照すると、リード片62bは、ヘッダ61hの基端部から相反する向きに配置されている。リード片62bの先端部は、サブ基板6pの裏面Srにハンダ接合できる。
【0056】
図10と
図11を対比すると、実施形態によるプラグ20は、ヘッダ21hがサブ基板穴4h(
図1参照)を介して、サブ基板4pの表面Sfから裏面Sr側に向けて突出しているのに対し、変形例によるプラグ60は、ヘッダ61hがサブ基板6pの裏面Srから直接突出しているという違いがある。
【符号の説明】
【0057】
3p メイン基板
4p サブ基板
10 リセプタクル(ボトムコネクタ)
11 固定ハウジング
12 可動ハウジング
13 コンタクト
20 プラグ(相手側コネクタ)