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特開2024-158191棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース
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  • 特開-棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース 図1
  • 特開-棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース 図2
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  • 特開-棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース 図4
  • 特開-棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース 図5A
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  • 特開-棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース 図6
  • 特開-棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158191
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20241031BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47F3/04 L
A47F5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073178
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】加賀野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 昇一
【テーマコード(参考)】
3B110
3B118
【Fターム(参考)】
3B110AA12
3B110BA05
3B110CA12
3B118BB04
3B118BB13
(57)【要約】
【課題】棚板を所望の高さに変更する作業が容易である棚板支持構造を提供する。
【解決手段】複数の係合孔12が形成された左右一対の棚柱10、左右一対の棚柱10の前面に後端が支持される左右一対の支持アーム11、支持アーム11の後端側に設けられ係合孔12に係止される係止フック13、支持アーム11と棚板3が一体化された棚板アッセンブリ14を有し、棚板アッセンブリ14の状態で左右一対の棚柱10に対して着脱可能な棚板支持構造で、棚板アッセンブリ14は、棚板アッセンブリ14の左右方向および前後方向の移動を規制する左方規制部35、右方規制部36、前方規制部34、後方規制部37とを有し、左右一対の棚柱10は、前方規制部34が挿入可能な開口23が形成されて、開口23から挿入された前方規制部34が開口23よりも上方または下方に配置された棚板アッセンブリ14は、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に伸び前面に複数の係合孔が上下方向に形成される左右一対の棚柱と、
前記左右一対の棚柱の前面に後端が支持される左右一対の支持アームと、
前記支持アームを前記棚柱の前面に支持するために、前記支持アームの後端側に設けられて前記係合孔に前方から係止される係止フックと、
前記支持アームおよび前記支持アーム間に跨って支持される棚板が一体化された棚板アッセンブリと、
を有し、
前記棚板アッセンブリは、前記棚板アッセンブリの状態で前記左右一対の棚柱に対して着脱可能に支持される棚板支持構造であって、
前記支持アームは、前記棚板よりも後方に配置される、
前記棚板アッセンブリの左方への移動を規制する左方規制部と、前記棚板アッセンブリの右方への移動を規制する右方規制部と、前記左方規制部よりも左方もしくは前記右方規制部よりも右方に突出して前記棚板アッセンブリの前方への移動を規制する前方規制部と、を有し、
前記棚板アッセンブリは、前記棚板アッセンブリの後方への移動を規制する後方規制部と、を有し、
前記左右一対の棚柱には、前記前方規制部が挿入可能な左右一対の開口が形成されており、
前記開口に挿入された前記前方規制部が前記開口よりも上方または下方に配置された前記棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であり、
前記係止フックが前記係合孔に係止されることで、前記棚板アッセンブリは前記左右一対の棚柱に対して所定の高さ位置で支持されることを特徴とする棚板支持構造。
【請求項2】
前記左方規制部は前記棚柱の右向き面に右方から当接することにより前記棚板アッセンブリの左方への移動を規制し、
前記右方規制部は前記棚柱の左向き面に左方から当接することにより前記棚板アッセンブリの右方への移動を規制し、
前記前方規制部は、前記棚柱の後向き面に後方から当接することにより前記棚板アッセンブリの前方への移動を規制し、
前記後方規制部は前記棚柱の前向き面に前方から当接し、
前記各規制部が前記棚柱の各面に当接することで、前記棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項3】
前記係止フックは、前記係合孔に係止される状態と前記係合孔から離脱される状態との間で移動可能に前記支持アームに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の棚板支持構造。
【請求項4】
前記係止フックは、前記係合孔に係止される状態に向けて付勢されることを特徴とする請求項3に記載の棚板支持構造。
【請求項5】
前記開口は前記棚柱の前面、上端、下端のいずれかに配置され、
前記左右一対の棚柱それぞれの前面には、前記開口に連通して上下に延在し、前記左方規制部および前記右方規制部が挿入されるスリットが形成され、
前記スリットに挿入された前記左方規制部および前記右方規制部により、前記棚板アッセンブリは左右方向の移動が規制されることを特徴とする請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項6】
前記開口は前記棚柱の前面に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の棚板支持構造。
【請求項7】
前記開口は前記棚柱の上端もしくは下端に配置され、
前記左右一対の棚柱の左右いずれかの側面には、前記開口に連通して上下に延在し、前記前方規制部が挿入される左右一対のスリットが形成され、
前記左右一対のスリットに挿入された前記前方規制部により、前記棚板アッセンブリは前方への移動が規制されることを特徴とする請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項8】
前記係合孔に前記係止フックが係止して、前記棚板アッセンブリが前記左右一対の棚柱に支持された状態で、前記支持アームは前記棚柱の前面に当接するストッパ部を有し、
前記ストッパ部は前記係止フックよりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の棚板支持構造。
【請求項9】
上下方向に伸び前記棚柱の内部に取り付けられるガイド部材を有し、
前記前方規制部が後方から当接する前記棚柱の後向き面は前記ガイド部材の後向き面であって、
前記後方規制部は、前記棚柱の前面よりも前方に配置され、
前記ガイド部材の後向き面と前記棚柱の前面との前後方向の間隔は、前記後方規制部と前記前方規制部との前後方向の間隔よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の棚板支持構造。
【請求項10】
上下方向に伸び前面に複数の係合孔が上下方向に形成される左右一対の棚柱と、
前記左右一対の棚柱の前面に後端が支持される左右一対の支持アームと、
前記支持アームを前記棚柱の前面に支持するために、前記支持アームの後端側に設けられて前記係合孔に前方から係止される係止フックと、
前記支持アームおよび前記支持アーム間に跨って支持される棚板が一体化された棚板アッセンブリと、
を有し、
前記棚板アッセンブリは、前記棚板アッセンブリの状態で前記左右一対の棚柱に対して着脱可能に支持される棚板支持構造であって、
前記支持アームは、前記棚板よりも後方に配置される、
前記棚板アッセンブリの左方への移動を規制する左方規制部と、前記棚板アッセンブリの右方への移動を規制する右方規制部と、前記左方規制部よりも左方もしくは前記右方規制部よりも右方に突出して前記棚板アッセンブリの前方への移動を規制する前方規制部と、を有し、
前記棚板アッセンブリは、前記棚板アッセンブリの後方への移動を規制する後方規制部と、を有し、
前記左右一対の棚柱の上端よりも上方または下端よりも下方のいずれか一方には、前記前方規制部が前記棚柱の前面側から後面側に向けて横断できる空間が設けられ、
前記棚柱の前面側から後面側に向けて前記空間を横断した前記前方規制部が、前記左右一対の棚柱それぞれの上端よりも下方または下端よりも上方に配置された状態で、前記棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であり、
前記係止フックが前記係合孔に係止することで、前記棚板アッセンブリは前記左右一対の棚柱に対して所定の高さ位置で支持されることを特徴とする棚板支持構造。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載された棚板支持構造を備えたショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
棚板支持構造を有するショーケースの一例として、特許文献1に記載されたショーケースが知られている。特許文献1に記載されたショーケースは、前面が開口する商品収納室に商品を陳列する商品棚(棚板)が縦方向に複数段配置され、各商品棚は商品収納室の奥に立設した一対の棚柱に支持されている。各商品棚は商品棚の両側端に沿って延びる棚受け(支持アーム)に支持されており、棚受けの基端には鉤状の係止部が上下2箇所に形成されている。また、棚柱には上下方向に配列された複数の係止孔が設けられ、任意の係止孔を選択してこれに棚受けの各係止部を引掛けることにより、商品棚を所望の高さ位置に取付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-1368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたショーケースにおいては、商品棚を所望の高さ位置に変更する場合、まず、商品棚に陳列された商品を下ろし、棚受けから商品棚を外し、そして、棚柱に支持されている棚受けを棚柱から取り外す作業が必要となる。そして、高さを変更した棚受けに商品棚を支持し、商品を商品棚に陳列する。従って、特許文献1に記載されたショーケースでは、商品棚を所望の高さ位置に変更する作業が容易ではなかった。
【0005】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、棚受けおよび棚受け間に跨って支持される商品棚が一体化された棚板アッセンブリが、棚板アッセンブリの状態で、棚柱に対して着脱可能であり、棚柱に対して所望の高さ位置に変更できる棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上下方向に伸び前面に複数の係合孔が上下方向に形成される左右一対の棚柱と、左右一対の棚柱の前面に後端が支持される左右一対の支持アームと、支持アームを棚柱の前面に支持するために、支持アームの後端側に設けられて係合孔に前方から係止される係止フックと、支持アームおよび支持アーム間に跨って支持される棚板が一体化された棚板アッセンブリと、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの状態で左右一対の棚柱に対して着脱可能に支持される棚板支持構造であって、支持アームは、棚板よりも後方に配置される、棚板アッセンブリの左方への移動を規制する左方規制部と、棚板アッセンブリの右方への移動を規制する右方規制部と、左方規制部よりも左方もしくは右方規制部よりも右方に突出して棚板アッセンブリの前方への移動を規制する前方規制部と、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの後方への移動を規制する後方規制部と、を有し、左右一対の棚柱には、前方規制部が挿入可能な左右一対の開口が形成されており、開口に挿入された前方規制部が開口よりも上方または下方に配置された棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であり、係止フックが係合孔に係止されることで、棚板アッセンブリは左右一対の棚柱に対して所定の高さ位置で支持される棚板支持構造である。
【0007】
本発明の他の態様は、本発明の一態様である棚板支持構造を有するショーケースである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様である棚板支持構造、および、一態様である棚板支持構造を有するショーケースによれば、棚受けおよび棚受け間に跨って支持される商品棚が一体化された棚板アッセンブリが、棚板アッセンブリの状態で、棚柱に対して着脱可能であり、棚柱に対して所望の高さ位置に変更できる棚板支持構造、および、その棚板支持構造を有するショーケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態による棚板支持構造を有するショーケースである。
図2】本発明の第1実施形態による棚板支持構造の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態による棚板支持構造の平面図である。
図4】(a)は、本発明の第1実施形態による棚板支持構造の係止フックの斜視図であり、(b)は、係止フックが棚柱に係止している状態を示す斜視図である。
図5A】本発明の第1実施形態による棚板支持構造の係止フックが係合孔から離脱している状態を示す図である。
図5B】本発明の第1実施形態による棚板支持構造の係止フックが係合孔に係止する状態を示す図である。
図6】は、本発明の第2実施形態による棚板支持構造を示す横断面図である。
図7】は、本発明の第3実施形態による棚板支持構造を示し、(a)は第3実施形態による棚板支持構造の横断面図であり、(b)は第3実施形態による棚板支持構造の左側の棚柱の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。第1実施形態による棚板支持構造100Aを有するショーケース1は、前面が開口する商品収納室2に商品を陳列する棚板3が縦方向に複数段配置されたオープンタイプのショーケースである。
【0011】
図1は、第1実施形態による棚板支持構造100Aを有するショーケース1の前面を右方の上方側から視た斜視図である。図2は、棚板支持構造100Aを示す斜視図である。ショーケース1はスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに設置されるものであり、前面が開口する商品収納室2と商品収納室2の下方に配置された機械室4を有する。商品収納室2は断面略コ字状の図示しない断熱壁と、この断熱壁の左右両側に取り付けられた側板5とを有している。商品収納室2において断熱壁の内側には断熱壁に沿うように図示しないダクトが形成されている。機械室4の内部には公知の冷凍装置が配置され、ダクトには冷凍装置の一部を構成する図示しない蒸発器とファンが配置されている。商品収納室2の前側上部には吹き出し口6が配置され、商品収納室2の前側下部には吸い込み口7が配置されている。吹き出し口6および吸い込み口7はダクトに連通し、ダクト内の蒸発器で冷却された空気が吹き出し口6から吹き出し、吸い込み口7から吸い込まれることで商品収納室2の前面にエアカーテンが形成される。以降において、上方もしくは上側とは、図1における矢印U方向であり、下方もしくは下側とは、図1における矢印U方向の反対方向であり、左方もしくは左側とは、図1における矢印L方向であり、右方もしくは右側とは、図1における矢印L方向の反対方向であり、前方もしくは前側とは、図1における矢印Fr方向であり、後方もしくは後側とは、図1における矢印Fr方向の反対方向を示す。
【0012】
商品収納室2には、商品を陳列する棚板3が縦方向に複数段(第1実施形態においては4段)配置され、棚板3には販売される商品が陳列される。商品収納室2は第1実施形態の特徴である棚板支持構造100Aを有しており、複数段の棚板3それぞれは、棚板支持構造100Aによって上下方向の所定の高さに配置することができる。
【0013】
次に図2を用いて、棚板支持構造100Aについて説明する。図2は、棚板支持構造100Aの前側を右側下方から視た斜視図である。棚板支持構造100Aは、左右一対の棚柱10と、左右一対の棚柱10の前面に後端が支持される左右一対の支持アーム11と、左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3を有している。各棚柱10の前面には、複数の係合孔12が上下方向に沿って所定の間隔を置いて形成されている。係合孔12は縦長の矩形状である。各支持アーム11の後端側には係止フック13が設けられている。係止フック13が棚柱10の前面に形成された係合孔12に係止することで、支持アーム11の後端は棚柱10の前面に支持される。
【0014】
第1実施形態では、左右一対の支持アーム11および左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3が一体化されて棚板アッセンブリ14を構成している。棚板アッセンブリ14は、棚板3が左右一対の支持アーム11に対してスポット溶接されることで一体となっている。ただし、スポット溶接で一体となっている必要はなく、ボルトとナットなどの締結手段により、棚板3と左右一対の支持アーム11とを一体化し、ボルトとナットを外すことで棚板アッセンブリ14は棚板3と左右一対の支持アーム11とに分解される構成としても構わない。また、棚板アッセンブリ14は、棚板3が図示しないスライドレールを介して左右一対の支持アーム11に対して前後方向に移動可能な構成であっても構わない。棚板アッセンブリ14が左右一対の棚柱10の前方に配置され、支持アーム11の後端が棚柱10の前面に支持される。尚、棚板支持構造100Aは左右対称の構造であるため、以降においては特別な場合を除き、棚柱10および支持アーム11を含め棚板支持構造100Aの左側について説明する。
【0015】
図3を用いて、棚柱10について説明する。図3は棚板支持構造100Aの後端側を示す平面図である。棚柱10は板金を折り曲げて形成し上下方向に伸びている。棚柱10の上下方向に垂直な断面(以下、横断面という。)は、左右一対の棚柱10の互いに対向する面が開放されたコ字状である。左側の棚柱10は、前面側の前面部材15、左側の側面部材16、後面側の後面部材17を有している。以降において、左右一対の棚柱10および左右一対の支持アーム11のそれぞれが互いに対向する側を内側、互いに対向する側と反対側を外側として表現する。また、棚柱10の前方を向く面を前向き面、左方を向く面を左向き面、右方を向く面を右向き面、後方を向く面を後向き面として表現する。図2に示すように、棚柱10の上端の近傍であって前面部材15には前面部材15を貫通する矩形状の開口23が形成されている。開口23は、前面部材15に形成されている最上段の係合孔12よりも上方に配置されている。また、前面部材15には、下方から開口23に連通して上下に延在するスリット24が形成されている。スリット24は前面部材15を貫通している。スリット24の下端は棚柱10の下端近傍に配置されている。スリット24は複数の係合孔12よりも外側に配置されて、開口23の外側の縁とスリット24の外側の縁とが連続するように開口23に連通している。開口23には支持アーム11の後述する上部折曲部32が挿入される。従って、開口23の大きさは上部折曲部32が挿入できる大きさとなっている。スリット24には支持アーム11の後述する縦面部材30が挿入される。尚、複数の係合孔12は、前面部材15を貫通している。
【0016】
次に、図2図5を用いて、支持アーム11について説明する。図4の(a)は、支持アーム11の後端側に後述する係止フック13が設けられた状態を示す斜視図であり、図4の(b)は、図2における支持アーム11の後端側を拡大した斜視図である。図5A図5Bは左側の支持アーム11の後端側に後述する係止フック13が設けられた状態を、内側から視た側面図である。図5Aは係止フック13が前側に移動した状態を示し、図5Bは係止フック13が後側に移動した状態を示す。図2に示すように、支持アーム11は、棚柱10の前面に後端が支持された状態で前後方向に長尺であって、縦面部材30と上面部材31とを備えたL字状である。左右一対の支持アーム11が各棚柱10に支持された状態で、互いの上面部材31の内側先端が対向する。左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3は、左右一対の支持アーム11の上面部材31に支持されている。左右一対の支持アーム11の上面部材31の後端は、棚板アッセンブリ14の状態で、棚板3の後端よりも後方側に位置するように設定されている(図3図5A図5B参照)。上面部材31の後端が棚柱10の前面に当接することにより、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制する。上面部材31の後端が、本発明における後方規制部37となる。棚柱10の前面が本発明における棚柱の前向き面となる。図4の(a)、図5A図5Bに示すように、左側の支持アーム11は、縦面部材30の後端から内側(右側)に折り曲げられた上部折曲部32と、上部折曲部32よりも下側で縦面部材30の後端から内側(右側)に折り曲げられた下部折曲部33を有する。上部折曲部32は縦面部材30の右側面から突出している。下部折曲部33は上部折曲部32よりも前方で縦面部材30の後端から折り返されている。前後方向において、下部折曲部33の後向き面と上部折曲部32の前向き面との間には所定の間隔が設けられている。上部折曲部32は棚柱10の前面部材15に形成された開口23に挿入される。右側の支持アーム11も左側の支持アームと同様であるため説明は省略する。
【0017】
上部折曲部32が棚柱10の前面部材15に形成された開口23に挿入され、上部折曲部32の前向き面が後述する棚柱10の内部に取り付けられたガイド部材25の後向き面に当接することにより、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制する。上部折曲部32が本発明における前方規制部34となる。ガイド部材25の後向き面が本発明における棚柱の後向き面となる。下部折曲部33は棚柱10の前面となる棚柱10の前面部材15の前向き面に当接する。前方規制部34と後方規制部37との間にある縦面部材30の左側面がスリット24の右側内周面に当接することにより、棚板アッセンブリ14の左方への移動を規制する。前方規制部34と後方規制部37との間にある縦面部材30の右側面がスリット24の左側内周面に当接することにより、棚板アッセンブリ14の右方への移動を規制する。前方規制部34と後方規制部37との間にある縦面部材30が本発明における左方規制部35となる。スリット24の右側内周面が本発明における棚柱の右向き面となる。また、前方規制部34と後方規制部37との間にある縦面部材30が本発明におけるは右方規制部36となる。スリット24の左側内周面が本発明における棚柱の左向き面となる。
【0018】
図4(a)、図5A図5Bに示すように、支持アーム11の後端側には係止フック13が設けられており、係止フック13は支持アーム11に対して前後方向移動可能に取り付けられている。係止フック13は上下方向で上部折曲部32と同じ高さに配置されている。従って、下部折曲部33は上下方向で係止フック13よりも下方に配置されている。係止フック13は、後端側の係止部40、前端側の把持部41、係止部40と把持部41との間で係止部40と把持部41とに接続する本体部42を有している。係止部40は上面のテーパ面43、下面の水平面44、水平面44の前端から下方へ立設する当接部45を有している。テーパ面43が係合孔12に向けて下方に傾斜し、水平面44が係合孔12に向けて水平に伸びるように、テーパ面43は前方から後端に向けて下方に傾斜し、水平面44は前方から後端に向けて水平に伸びている。係止部40が棚柱10の前面側から係合孔12に向けて挿入された場合、当接部45は棚柱10の前面に当接し、当接部45が棚柱10の前面に当接することで、係合孔12に挿入された係止部40の係合孔12側への移動を所定位置で規制する(図5B参照)。支持アーム11の後端を棚柱10の前面に支持する場合に、係止部40が棚柱10の前面側から係合孔12に向けて挿入されて、水平面44が係合孔12の下面に対して係止することで支持アーム11の後端は棚柱10の前面に支持される。
【0019】
係止フック13は、係止部40が係合孔12に係止される状態と係合孔12から離脱する状態との間で移動可能するように、支持アーム11に対して前後方向移動可能に取り付けられている。本体部42には前後方向に長い長孔48が前後方向に2か所形成されており、2か所の長孔48に挿入された取付ピン46によって、係止フック13は縦面部材30の内側の面に取り付けられている。把持部41は、本体部42の前端から内側に折り曲げられている。係止フック13と支持アーム11との間には、係止フック13と支持アーム11とに接続するバネ部材47が設けられている。バネ部材47の一端は支持アーム11の上面部材31に接続され、バネ部材47の他端は把持部41に接続されている。バネ部材47は引っ張りバネであって、係止フック13が後方に向けて付勢するように設定されている。従って、係止フック13は、係合孔12に係止される状態と係合孔12から離脱する状態との間で移動可能であり、係合孔12に係止される状態に向けて付勢されている。係止フック13が前方に移動した状態で、係止部40が係合孔12から離脱できるように、係止部40の先端は下部折曲部33よりも前方に位置するように設定されている。
【0020】
次に、図3を用いて、棚板アッセンブリ14が左右一対の棚柱10に取り付けられた状態を説明する。左側の棚柱10に形成されたスリット24と右側の棚柱10に形成されたスリット24との左右方向の間隔は、棚板アッセンブリ14の状態における左側の支持アーム11の縦面部材30と右側の支持アーム11の縦面部材30との左右方向の間隔と一致している。また、左側の棚柱10に形成された係合孔12と右側の棚柱10に形成された係合孔12との左右方向の間隔は、棚板アッセンブリ14の状態における左側の支持アーム11に設けられた係止フック13の係止部40と右側の支持アーム11に設けられた係止フック13の係止部40との左右方向の間隔と一致している。尚、図3には示されていないが、左側の棚柱10に形成された開口23と右側の棚柱10に形成された開口23との左右方向の間隔は、棚板アッセンブリ14の状態における左側の支持アーム11の上部折曲部32と右側の支持アーム11の上部折曲部32との左右方向の間隔と一致している。
【0021】
棚柱10の内部にはガイド部材25が配置されている。ガイド部材25は、上部折曲部32(前方規制部34)が当接する後向き面を有している。ガイド部材25は板金を折り曲げて形成し上下方向に伸びている。ガイド部材25は、横断面において外側が開放するコ字状のコ字状部26とコ字状部26の後側端部に接続するフランジ部27とを有している。コ字状部26の前部に位置する前方面部材28の前向き面は、棚柱10の前面部材15の後ろ向き面と対向している。フランジ部27が棚柱10の側面部材16に取り付けられることでガイド部材25は棚柱10に取り付けられる。前方面部材28の後向き面と棚柱10の前面との前後方向の間隔は、支持アーム11における上面部材31の後端(後方規制部37)と上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面との前後方向の間隔よりも小さく設定されている。前方面部材28の上端の上下方向の位置はスリット24の上端の上下方向の位置と同じである。すなわち、前方面部材28の上端の上下方向の位置は、開口23の下側の縁と同じ位置にある(図5A図5B参照)。前方面部材28の上端は上方に向かうほど前方に傾斜するガイド部29が形成されている(図5A図5B参照)。ガイド部材25は前後方向に位置調整可能に棚柱10に取り付けられている。ガイド部材25が前後方向に位置調整可能に棚柱10に取り付けられることで、上面部材31の後端と上部折曲部32の前向き面との前後方向の間隔に合わせて調整することができる。ただし、必ずしも、ガイド部材25は前後方向に位置調整可能に棚柱10に取り付けられていなくても構わない。前方面部材28の後ろ向き面に上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面が当接して、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制する。
【0022】
棚板アッセンブリ14が左右一対の棚柱10に取り付けられた状態は、支持アーム11の後端が棚柱10の前面に支持さる片持ち状態であるため、棚板アッセンブリ14の前端が下がる前下がりの状態になりやすい。しかし、第1実施形態において、支持アーム11は係止フック13よりも下側に位置する下部折曲部33を有する。下部折曲部33は本発明におけるストッパ部であり棚板アッセンブリ14の前下がりを抑制する。下部折曲部33が棚柱10の前面部材15、すなわち、棚柱10の前面に当接することで棚板アッセンブリ14の前下がりを抑制する(図4B図5A図5B参照)。
【0023】
次に、棚板アッセンブリ14の左右一対の棚柱10への取り付けについて説明する。第1実施形態の棚板支持構造100Aは、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10に対して着脱可能であり、また、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14の高さ位置を容易に変更できることを特徴としている。まず、棚板アッセンブリ14の左右一対の支持アーム11における上部折曲部32を左右一対の棚柱10の前面に形成された開口23に前方から挿入する。挿入は、上面部材31の後端(後方規制部37)が棚柱10の前面(前向き面)に当接するまで行う。前方面部材28の後向き面と棚柱10の前面との前後方向の間隔は、支持アーム11における上面部材31の後端(後方規制部37)と上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面との前後方向の間隔よりも小さく設定されているため、上面部材31の後端が棚柱10の前面に当接するまで上部折曲部32を挿入することで、上部折曲部32は前方面部材28の後ろ向き面よりも後方に配置させることができる。これにより、棚板アッセンブリ14は、左右一対の支持アーム11の上部折曲部32(前方規制部34)が左右一対の棚柱10に形成された開口23に挿入された状態で、開口23よりも下方に移動させることが可能となる。尚、縦面部材30の内側面と前方面部材28の外側先端との間にはクリアランスが設けられ、また、上部折曲部32の内側先端とコ字状部26の左向き面との間にもクリアランスが設けられている。
【0024】
次に作業者は、各支持アーム11に設けられた係止フック13の把持部41をバネ部材47の付勢力に抗して前方に引っ張る。こうすることで、係止フック13の係止部40が係合孔12から離脱した状態となる。この状態で、棚板アッセンブリ14をスリット24に沿って開口23よりも下方に移動させる。この状態で、左側の支持アーム11の縦面部材30を左側の棚柱10に形成されたスリット24に合わせ、右側の支持アーム11の縦面部材30を右側の棚柱10に形成されたスリット24に合わせることで、棚板アッセンブリ14を開口23よりも下方に移動させることができる。左側の棚柱10に形成されたスリット24と右側の棚柱10に形成されたスリット24との左右方向の間隔は、棚板アッセンブリ14の状態における左側の支持アーム11の縦面部材30と右側の支持アーム11の縦面部材30との左右方向の間隔と一致しているからである。
【0025】
上部折曲部32を開口23よりも下方に移動させた状態で、上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面が前方面部材28の後ろ向き面と当接して、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制する。また、上面部材31の後端(後方規制部37)が前面部材15の前向き面(棚柱10の前面)に当接することにより、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制する。また、縦面部材30(左方規制部35)の左側面がスリット24の左側内周面(棚柱10の右向き面)に当接することにより、棚板アッセンブリ14の左方への移動を規制する。また、縦面部材30(右方規制部36)の右側面がスリット24の右側内周面(棚柱10の左向き面)に当接することにより、棚板アッセンブリ14の右方への移動を規制する。
【0026】
次に、棚板アッセンブリ14を所望の高さ位置に移動させ、高さ方向で係止部40が係合孔12に一致するよう微調整をした後、把持部41を離すことにより、バネ部材47の付勢力により係止部40は係合孔12に向かって移動し係合孔12に係止される。これにより、棚板アッセンブリ14は左右一対の棚柱10に対して所定の高さ位置で支持される。
【0027】
この状態から、棚板アッセンブリ14を上方に移動させて所望の高さ位置に変更したい場合は、把持部41を前方に引っ張ることなく棚板アッセンブリ14を上方へ移動させるだけで、棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10に対して所定の高さ位置に変更できる。係止部40の上面は前方から後端に向けて下方に傾斜するテーパ面43であり、係止フック13は、係合孔12に係止される状態に向けて付勢されているからである。また、棚板アッセンブリ14を上方に移動させて所望の高さ位置に変更する作業をしているときに誤って、把持部41を離しても、棚板アッセンブリ14の落下を防止することができる。係止部40の下面は前方から後端に向けて水平な水平面44であり、係止フック13は、係合孔12に係止される状態に向けて付勢されているので、係止部40が係合孔12に係止されるからである。
【0028】
上記した第1実施形態の棚板支持構造100Aでは、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10に着脱できるので、棚板3および左右一対の支持アーム11の棚柱10への取り付けおよび取り外し作業が容易である。また、棚板3の高さ位置を変更する場合に、棚板アッセンブリ14の状態で高さ位置を変更することができ、棚板アッセンブリ14を上下方向に移動させる場合に、棚板アッセンブリ14の左右方向への移動と、前後方向への移動が規制されるため、棚板アッセンブリ14を所望の高さ位置に変更する作業が容易である。
【0029】
上記した第1実施形態では、上面部材31の後端が後方規制部37となって棚柱10の前面に前方から当接して、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制したが、これに限定されない。例えば、棚板3の後端が後方規制部37であっても構わない。また、棚柱10の前面ではなく棚柱10の他の部分の前向き面に上面部材31の後端(後方規制部37)が前方から当接するようにしても構わない。
【0030】
上記した第1実施形態では、上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面が棚柱10の前方面部材28の後ろ向き面に後方から当接して、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制したが、これに限定されない。例えば、上部折曲部32の前向き面が前面部材15の後ろ向き面に後方から当接して、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制しても構わない。支持アーム11が、支持アーム11の後端側であって支持アーム11の左右いずれかの側面から突出し、棚柱10のいずれかの後向き面に後方から当接することにより棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制する前方規制部34を有していればよい。
【0031】
上記した第1実施形態では、縦面部材30の左側面がスリット24の左側内周面に当接することにより棚板アッセンブリ14の左方への移動を規制し、縦面部材30の右側面がスリット24の右側内周面に当接することにより棚板アッセンブリ14の右方への移動を規制していたが、これに限定されない。左右一対の支持アーム11が協働することで、棚板アッセンブリ14の左方および右方への移動を規制してもよく、または、左右一対の支持アーム11のいずれか一方だけで、棚板アッセンブリ14の左方および右方への移動を規制してもよい。
【0032】
上記した第1実施形態では、棚柱10の上端の近傍であって前面部材15に開口23が形成されていたが、開口23は棚柱10の上端の近傍ではなく下端の近傍に形成されていても構わない。また、棚柱10の上端の近傍および下端の近傍に形成されていても構わない。その場合、上下に延在するスリット24が開口23に連通していればよい。
【0033】
第1実施形態の棚板支持構造100Aは、上下方向に伸び前面に複数の係合孔が上下方向に形成される左右一対の棚柱と、左右一対の棚柱の前面に後端が支持される左右一対の支持アームと、支持アームを棚柱の前面に支持するために、支持アームの後端側に設けられて係合孔に前方から係止される係止フックと、支持アームおよび支持アーム間に跨って支持される棚板が一体化された棚板アッセンブリと、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの状態で左右一対の棚柱に対して着脱可能に支持される棚板支持構造であって、支持アームは、棚板よりも後方に配置される、棚板アッセンブリの左方への移動を規制する左方規制部と、棚板アッセンブリの右方への移動を規制する右方規制部と、左方規制部よりも左方もしくは右方規制部よりも右方に突出して棚板アッセンブリの前方への移動を規制する前方規制部と、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの後方への移動を規制する後方規制部と、を有し、左右一対の棚柱には、前方規制部が挿入可能な左右一対の開口が形成されており、開口に挿入された前方規制部が開口よりも上方または下方に配置された棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であり、係止フックが係合孔に係止されることで、棚板アッセンブリは左右一対の棚柱に対して所定の高さ位置で支持される棚板支持構造である。
【0034】
また、第1実施形態の棚板支持構造100Aは、上下方向に伸び前面に複数の係合孔が上下方向に形成される左右一対の棚柱と、左右一対の棚柱の前面に後端が支持される左右一対の支持アームと、支持アームを棚柱の前面に支持するために、支持アームの後端側に設けられて係合孔に前方から係止される係止フックと、支持アームおよび支持アーム間に跨って支持される棚板が一体化された棚板アッセンブリと、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの状態で左右一対の棚柱に対して着脱可能に支持される棚板支持構造であって、支持アームは、棚板よりも後方に配置される、棚柱の右向き面に右方から当接することにより棚板アッセンブリの左方への移動を規制する左方規制部と、棚柱の左向き面に左方から当接することにより棚板アッセンブリの右方への移動を規制する右方規制部と、左方規制部よりも左方もしく右方規制部よりも右方に突出し、棚柱の後向き面に後方から当接することにより棚板アッセンブリの前方への移動を規制する前方規制部と、を有し、棚板アッセンブリは、棚柱の前向き面に前方から当接することにより棚板アッセンブリの後方への移動を規制する後方規制部と、を有し、左右一対の棚柱には、前方規制部が挿入可能な左右一対の開口が形成されており、開口から挿入された前方規制部が開口よりも上方または下方に配置された状態で、各規制部が前記棚柱の各面に当接することで、棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であり、係止フックが係合孔に係止することで、棚板アッセンブリは左右一対の棚柱に対して所定の高さ位置で支持される棚板支持構造である。
【0035】
次に、図6を用いて第2実施形態の棚板支持構造100Bについて説明する。棚板支持構造100Bの第1実施形態における棚板支持構造100Aとの相違は、棚板支持構造100Aにおいては、開口23が棚柱10の前面に形成されていたが、棚板支持構造100Bにおいては、開口23が棚柱10の上端に形成されている点である。また、棚板支持構造100Aにおいては、スリット24が棚柱10の前面に形成されていたが、棚板支持構造100Bにおいては、スリット24が棚柱10の外側の側面に形成されている点である。第1実施形態の棚板支持構造100Aと共通する構成については、同じ符号を示す。また、棚板支持構造100Aと共通する構成に関する説明の詳細は省略する。
【0036】
図6は、棚板支持構造100Bの後端側を示す平面図である。棚板支持構造100Bは、左右一対の棚柱10と、左右一対の棚柱10の前面に後端が支持される左右一対の支持アーム11と、左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3を有している。左右一対の支持アーム11および左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3が一体化されて棚板アッセンブリ14を構成している。棚板支持構造100Bの棚板アッセンブリ14は第1実施形態の棚板アッセンブリ14と同じ構成である。棚柱10は板金を折り曲げて形成し上下方向に伸びている。棚柱10の横断面は、左右一対の棚柱10の互いに対向する面と反対側の面が開放されたC字状である。左側の棚柱10は、前面側の前面部材15、左側(外側)の側面部材16、後面側の後面部材、右側(内側)の側面部材18、を有している。前面部材15には、複数の係合孔12が上下方向に沿って所定の間隔を置いて形成されている。棚柱10の上端および下端に開口23が形成されている。棚柱10の外側の側面部材16にスリット24が形成され、スリット24は開口23に連通している。
【0037】
棚板支持構造100Bにおいて、図6には示されていないが、左右一対の棚柱10それぞれの上端よりも上方には、上部折曲部32(前方規制部34)が棚柱の前面側から後面側にスリット24に向けて移動できる空間が設けられている。また、左側の棚柱10の側面部材16の左向き面と右側の棚柱10に形成された側面部材16の右向き面との左右方向の間隔は、棚板アッセンブリ14の状態における左側の支持アーム11の縦面部材30の内側面(右向き面)と右側の支持アーム11の縦面部材30の内側面(左向き面)との左右方向の間隔よりも小さく設定されている。また、下部折曲部33の後向き面と上部折曲部32の前向き面との前後方向の間隔は、前面部材15の前面とスリット24の前側周面(後向き面)との間隔よりも大きく設定されている。棚板支持構造100Bにおいては、下部折曲部33の後向き面が前面部材15の前面(前向き面)に当接して、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制する後方規制部37となる。
【0038】
次に、棚板支持構造100Bにおける、棚板アッセンブリ14の左右一対の棚柱10への取り付けについて説明する。棚板支持構造100Bは、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10へ取り付けでき、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14の高さ位置を容易に変更できることを特徴としている。まず、棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10それぞれの上端よりも上方に設けられた空間の高さまで移動させてから、下部折曲部33の後向き面が前面部材15の前向き面に当接するまで棚板アッセンブリ14後方へ移動させる。下部折曲部33の後向き面を前面部材15の前向き面に当接するまで棚板アッセンブリ14を後方へ移動させると、上部折曲部32はスリット24の上方に配置される。次に、棚柱10の上端に形成された開口23を介して、支持アーム11の上部折曲部32をスリット24に挿入する。開口23から挿入された上部折曲部32(前方規制部34)が開口23よりも下方に配置された状態で、上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面がスリット24の前側周面(後向き面)に当接して、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制する。また、下部折曲部33(後方規制部37)の後向き面が前面部材15の前面に当接して、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制する。また、左側の支持アーム11における縦面部材30(右方規制部36)の右側面が、左側の棚柱10における側面部材16の左向き面に当接して、棚板アッセンブリ14の右方への移動を規制する。また、右側の支持アーム11における縦面部材30(左方規制部35)の左側面が、右側の棚柱10における側面部材16の右向き面に当接して、棚板アッセンブリ14の左方への移動を規制する。
【0039】
尚、第2実施形態の棚板支持構造100Bにおいては、左右一対の棚柱10それぞれの上端よりも上方に、上部折曲部32(前方規制部34)が棚柱の前面側から後面側にスリット24に向けて移動できる空間が設けられていたが、左右一対の棚柱10それぞれの下端よりも下方に、上部折曲部32(前方規制部34)が棚柱の前面側から後面側にスリット24に向けて移動できる空間を設けても構わない。また、左右一対の棚柱10それぞれの上端よりも上方に空間を設ける代わりに、棚柱10の上端と前面部材15と側面部材16で形成されるコーナ部にスリット24に達するまでの切り欠きを設けて、該切り欠きを介して上部折曲部32を開口23に挿入しても構わない。
【0040】
第2実施形態の棚板支持構造100Bでは、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10に着脱できるので、棚板3および左右一対の支持アーム11の棚柱10への取り付けおよび取り外し作業が容易である。また、棚板3の高さ位置を変更する場合に、棚板アッセンブリ14の状態で高さ位置を変更することができ、棚板アッセンブリ14を上下方向に移動させる場合に、棚板アッセンブリ14の左右方向への移動と、前後方向への移動が規制されるため、棚板アッセンブリ14を所望の高さ位置に変更する作業が容易である。
【0041】
次に、図7の(a)、(b)を用いて第3実施形態の棚板支持構造100Cについて説明する。棚板支持構造100Cの第1実施形態における棚板支持構造100Aとの相違は、棚板支持構造100Aにおいては、開口23が棚柱10の前面に形成されていたが、棚板支持構造100Cにおいては、開口23が棚柱10の前面部材15から後面部材17に亘るまで、側面部材16の一部、側面部材16、後面部材17に連続して形成されている点である。また、棚板支持構造100Aにおいては、棚柱10の前面にスリット24が形成されていたが、棚板支持構造100Aにおいては、スリットがない点である。第1実施形態の棚板支持構造100Aと共通する構成については、同じ符号を示す。また、棚板支持構造100Aと共通する構成に関する説明の詳細は省略する。
【0042】
図7の(a)は、棚板支持構造100Cの後端側を示す平面図である。図7の(b)は、棚板支持構造100Cの左側の棚柱10の上部を示す斜視図である。棚板支持構造100Cは、左右一対の棚柱10と、左右一対の棚柱10の前面に後端が支持される左右一対の支持アーム11と、左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3を有している。左右一対の支持アーム11および左右一対の支持アーム11の間に跨って支持される棚板3が一体化されて棚板アッセンブリ14を構成している。棚板支持構造100Cの棚板アッセンブリ14は第1実施形態の棚板アッセンブリ14と同じ構成である。また、棚板支持構造100Cの棚柱10の横断面は棚板支持構造100Aの棚柱10の横断面と略同一である。棚柱10は板金を折り曲げて形成し上下方向に伸びている。棚柱10の横断面は、左右一対の棚柱10の互いに対向する面が開放されたコ字状である。左側の棚柱10は、前面側の前面部材15、左側の側面部材16、後面側の後面部材17を有している。前面部材15の左右方向の幅は後面部材17の左右方向の幅よりも大きく設定されている。また、前面部材15には、複数の係合孔12が上下方向に沿って所定の間隔を置いて形成されている。
【0043】
棚柱10の上端の近傍であって、棚柱10の前面部材15から後面部材17に亘るまで開口23が形成されている。図7の(a)において、ハッチングされた部分が開口23を示している。左側の棚柱10においては、開口23は、前面部材15の左側一部に形成された開口と、側面部材16の前後方向の全域に形成された開口と、後面部材17の左右方向全域に形成された開口とが連続して構成されている。従って、前面部材15の右側(内側)は上下方向に連続している。前面部材15に形成された開口の左右方向の幅は、後面部材17の左右方向の幅と同一である。右側の棚柱10においても同様で、開口23は、前面部材15の右側一部に形成された開口と、側面部材16の前後方向の全域に形成された開口と、後面部材17の左右方向全域に形成された開口とが連続して構成されている。従って、前面部材15の左側(内側)は上下方向に連続している。前面部材15に形成された開口の左右方向の幅は、後面部材17の左右方向の幅と同一である。開口23には支持アーム11の上部折曲部32が挿入される。従って、開口23の大きさは上部折曲部32が挿入できる大きさとなっている。左側の棚柱10の側面部材16の左向き面と右側の棚柱10に形成された側面部材16の右向き面との左右方向の間隔は、棚板アッセンブリ14の状態における左側の支持アーム11の縦面部材30の内側面(右向き面)と右側の支持アーム11の縦面部材30の内側面(左向き面)との左右方向の間隔よりも小さく設定されている。また、棚板3の後端と上部折曲部32の前向き面との前後方向の間隔は、前面部材15の前面(前向き面)と後面部材17の後面(後向き面)との間隔よりも大きく設定されている。棚板支持構造100Cにおいては、棚板3の後端が前面部材15の前向き面に当接して、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制する後方規制部37となっている。尚、本実施形態では、前面部材15の左右方向の幅は後面部材17の左右方向の幅よりも大きく設定されているが、後面部材17の左右方向の幅が前面部材15の左右方向の幅よりも大きくても構わない。その場合、前面部材15と同様に、開口23は、後面部材17の左側一部に形成され、後面部材17の右側(内側)は上下方向に連続している。
【0044】
次に、棚板支持構造100Cにおける、棚板アッセンブリ14の左右一対の棚柱10への取り付けについて説明する。棚板支持構造100Cは、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10に着脱でき、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14の高さ位置を容易に変更できることを特徴としている。まず、棚板アッセンブリ14の左右一対の支持アーム11における上部折曲部32を左右一対の棚柱10に形成された開口23に前方から挿入する。挿入は、棚板3の後端(後方規制部37)が棚柱10の前面(前向き面)に当接するまで行う。後面部材17の後向き面と棚柱10の前面との前後方向の間隔は、棚板3の後端(後方規制部37)と上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面との前後方向の間隔よりも小さく設定されているため、棚板の後端が棚柱10の前面に当接するまで上部折曲部32を挿入することで、上部折曲部32は後面部材17の後ろ向き面よりも後方に配置される。これにより、棚板アッセンブリ14は、左右一対の支持アーム11の上部折曲部32(前方規制部34)が左右一対の棚柱10に形成された開口23に挿入された状態で、開口23よりも下方に移動させることが可能となる。
【0045】
上部折曲部32(前方規制部34)を開口23よりも下方に移動させた状態で、上部折曲部32(前方規制部34)の前向き面が後面部材17の後ろ向き面と当接して、棚板アッセンブリ14の前方への移動を規制する。また、棚板3の後端(後方規制部37)が棚柱10の前向き面に当接して、棚板アッセンブリ14の後方への移動を規制する。また、左側の支持アーム11における縦面部材30(右方規制部36)の右側面が、左側の棚柱10における側面部材16の左向き面に当接して、棚板アッセンブリ14の右方への移動を規制する。また、右側の支持アーム11における縦面部材30(左方規制部35)の左側面が、右側の棚柱10における側面部材16の右向き面に当接して、棚板アッセンブリ14の左方への移動を規制する。
【0046】
尚、第3実施形態の棚板支持構造100Cにおいては、左右一対の棚柱10それぞれに開口23が形成されていたが、棚板支持構造100Cの変型例として、開口23が形成されずに、左右一対の棚柱10それぞれの上端よりも上方に、上部折曲部32(前方規制部34)が棚柱の前面側から後面側に向けて移動できる空間を設けても構わない。左右一対の棚柱10それぞれの上端よりも上方に、上部折曲部32(前方規制部34)が棚柱の前面側から後面側に向けて移動できる空間を設けることにより、棚板アッセンブリ14の状態で上部折曲部32を後面部材17の後ろ向き面よりも後方に配置されることができるからである。
【0047】
上記した第3実施形態の変型例は、棚板支持構造100Cは、上下方向に伸び前面に複数の係合孔が上下方向に形成される左右一対の棚柱と、左右一対の棚柱の前面に後端が支持される左右一対の支持アームと、支持アームを棚柱の前面に支持するために、支持アームの後端側に設けられて係合孔に前方から係止される係止フックと、支持アームおよび支持アーム間に跨って支持される棚板が一体化された棚板アッセンブリと、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの状態で左右一対の棚柱に対して取り外し可能に支持される棚板支持構造であって、支持アームは、棚板よりも後方に配置される、棚板アッセンブリの左方への移動を規制する左方規制部と、棚板アッセンブリの右方への移動を規制する右方規制部と、左方規制部よりも左方もしく右方規制部よりも右方に突出して棚板アッセンブリの前方への移動を規制する前方規制部と、を有し、棚板アッセンブリは、棚板アッセンブリの後方への移動を規制する後方規制部と、を有し、左右一対の棚柱の上端よりも上方または下端よりも下方のいずれか一方には、前方規制部が棚柱の前面側から後面側に向けて横断できる空間が設けられ、棚柱の前面側から後面側に向けて空間を横断した前方規制部が、左右一対の棚柱それぞれの上端よりも下方または下端よりも上方に配置された状態で、棚板アッセンブリは、前後方向および左右方向の移動が規制されながら上下方向に移動可能であり、係止フックが係合孔に係止することで、棚板アッセンブリは左右一対の棚柱に対して所定の高さ位置で支持される構成であればよい。
【0048】
第3実施形態の棚板支持構造100Cでは、棚板アッセンブリ14の状態で棚板アッセンブリ14を左右一対の棚柱10に着脱できるので、棚板3および左右一対の支持アーム11の棚柱10への取り付けおよび取り外し作業が容易である。また、棚板3の高さ位置を変更する場合に、棚板アッセンブリ14の状態で高さ位置を変更することができ、棚板アッセンブリ14を上下方向に移動させる場合に、棚板アッセンブリ14の左右方向への移動と、前後方向への移動が規制されるため、棚板アッセンブリ14を所望の高さ位置に変更する作業が容易である。
【0049】
上記した実施形態では、商品収納室2の内部を冷却するショーケース1に使用される棚板支持構造100A~100Cについて説明したが、必ずしもこれに限定されない。棚板支持構造100A~100Cは、商品収納室2の内部を冷却しないショーケース1に使用されても構わない。また、棚板支持構造100A~100Cは、ショーケース1に使用されずに、店舗の壁などに棚板支持構造100A~100C単独で設置されても構わない。また、上記した実施形態では、ショーケース1の商品収納室2に一組の棚板支持構造100A~100Cが配置された場合について説明したが、必ずしもこれに限定されない。ショーケース1の商品収納室2に複数組の棚板支持構造100A~100Cが並列して配置され、または、二組の棚板支持構造100A~100Cの後面側同士を対向させるように配置されても構わない。また、上記した実施形態では、オープンタイプのショーケースを示したが、オープンタイプのショーケースに限定されず、正面の開口を透明な扉で開閉するスライド式又は回動式のショーケースにも適用することができる。
【0050】
上記した実施形態では、係止フック13は、係合孔12に係止される状態と係合孔12から離脱される状態との間で移動可能に支持アーム11に取り付けられているが、必ずしもこれに限定されない。係止フック13は移動可能せずに支持アーム11に固定されていても構わない。
【0051】
以上、本発明のいくつかの実施形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内においてさらに各種の変形および変更が可能であることを付言する。
【符号の説明】
【0052】
1 ショーケース
2 商品収納室
3 棚板
4 機械室
5 側板
6 吹き出し口
7 吸い込み口
10 棚柱
11 支持アーム
12 係合孔
13 係止フック
14 棚板アッセンブリ
15 前面部材
16 側面部材
17 後面部材
18 側面部材
23 開口
24 スリット
25 ガイド部材
26 コ字状部
27 フランジ部
28 前方面部材
29 ガイド部
30 縦面部材
31 上面部材
32 上部折曲部
33 下部折曲部
34 前方規制部
35 左方規制部
36 右方規制部
37 後方規制部
40 係止部
41 把持部
42 本体部
43 テーパ面
44 水平面
45 当接部
46 取付ピン
47 バネ部材
48 長孔
100A 棚板支持構造
100B 棚板支持構造
100C 棚板支持構造
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7