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特開2024-158200空調方法、プログラム、及び、空調システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158200
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】空調方法、プログラム、及び、空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20241031BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20241031BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20241031BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20241031BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20241031BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20241031BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F11/64
F24F11/74
F24F11/79
F24F11/80
F24F11/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073191
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 純矢
(72)【発明者】
【氏名】松浪 弘貴
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA02
3L260BA07
3L260BA08
3L260BA41
3L260CA12
3L260CA15
3L260CB63
3L260CB66
3L260FA07
3L260FA08
(57)【要約】
【課題】複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる空調方法を提供する。
【解決手段】空調方法は、第一エリア61に設けられた空調機器1~3を暖房運転または送風運転することで空調機器1~3から第一温度の空気を吹き出し、かつ、第一エリア61に隣接する第二エリア62に設けられた空調機器4~6を暖房運転または送風運転することで空調機器4~6から、第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すステップを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される、第一エリアを暖房するための空調方法であって、
前記第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すステップを含む
空調方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第一空調機器は、前記第一エリアの天井、または、前記第一エリアの壁面の天井寄りの位置に設けられ、
前記少なくとも1つの第二空調機器は、前記第二エリアの天井、または、前記第二エリアの壁面の天井寄りの位置に設けられる、
請求項1に記載の空調方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第一空調機器は、水平方向よりも鉛直方向下向きに近い向きに前記第一温度の空気を吹き出し、
前記少なくとも1つの第二空調機器は、鉛直方向下向きよりも水平方向に近い向きに前記第二温度の空気を吹き出す
請求項2に記載の空調方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第一空調機器は、送風運転により前記第一温度の空気を吹き出し、
前記少なくとも1つの第二空調機器は、暖房運転により前記第二温度の空気を吹き出す
請求項3に記載の空調方法。
【請求項5】
コンピュータによって実行される、第一エリアを冷房するための空調方法であって、
前記第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出すステップを含む
空調方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第一空調機器は、前記第一エリアの床面、または、前記第一エリアの壁面の床面寄りの位置に設けられ、
前記少なくとも1つの第二空調機器は、前記第二エリアの床面、または、前記第二エリアの壁面の床面寄りの位置に設けられる
請求項5に記載の空調方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第一空調機器は、水平方向よりも鉛直方向上向きに近い向きに前記第一温度の空気を吹き出し、
前記少なくとも1つの第二空調機器は、鉛直方向上向きよりも水平方向に近い向きに前記第二温度の空気を吹き出す
請求項6に記載の空調方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第一空調機器は、送風運転により前記第一温度の空気を吹き出し、
前記少なくとも1つの第二空調機器は、冷房運転により前記第二温度の空気を吹き出す
請求項7に記載の空調方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第一空調機器の空調能力の合計は、前記少なくとも1つの第二空調機器の空調能力の合計よりも少ない
請求項1に記載の空調方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の空調方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器と、
前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器と、
前記少なくとも1つの第一空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記少なくとも1つの第二空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すことにより、前記第一エリアを暖房する制御装置とを備える
空調システム。
【請求項12】
第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器と、
前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器と、
前記少なくとも1つの第一空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記少なくとも1つの第二空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出すことにより、前記第一エリアを冷房する制御装置とを備える
空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調方法、プログラム、及び、空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のユーザに快適環境を提供し、省エネに貢献する空調制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-32479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる空調方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る空調方法は、コンピュータによって実行される、第一エリアを暖房するための空調方法であって、前記第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すステップを含む。
【0006】
本発明の一態様に係る空調方法は、コンピュータによって実行される、第一エリアを冷房するための空調方法であって、前記第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出すステップを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記空調方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の一態様に係る空調システムは、第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器と、前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器と、前記少なくとも1つの第一空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記少なくとも1つの第二空調機器を暖房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すことにより、前記第一エリアを暖房する制御装置とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係る空調システムは、第一エリアに設けられた少なくとも1つの第一空調機器と、前記第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器と、前記少なくとも1つの第一空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、前記少なくとも1つの第二空調機器を冷房運転または送風運転することで前記少なくとも1つの第二空調機器から、前記第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出すことにより、前記第一エリアを冷房する制御装置とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る空調方法等は、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態に係る空調システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、空調機器の外観図である。
図3図3は、室内空間のエリア分けの一例を示す図である。
図4図4は、発明者らが行った実験結果(温度の推移)を示す図である。
図5図5は、実施例1に係る空調方法を説明するための図である。
図6図6は、比較例に係る空調方法、及び、実施例1に係る空調方法を行った場合の室内空間の各エリアの温度の推移を示す図である。
図7図7は、実施例2に係る空調方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る空調システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る空調システムの機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示されるように、空調システム10は、オフィス空間などの室内空間60において使用される空調システムである。空調システム10は、複数の空調機器20と、複数の照明機器30と、制御装置40と、入退管理装置50と、人検知装置70とを備える。なお、空調システム10は、複数の空調機器20と、制御装置40とを少なくとも備えていればよく、その他の装置を備えていなくてもよい。
【0016】
空調機器20は、暖房運転、冷房運転、及び、送風運転が可能な空調機器である。暖房運転は、室内空間60の空気を取り込み、取り込んだ空気を温めて室内空間60に吹き出す運転方式を意味し、冷房運転は、室内空間60の空気を取り込み、取り込んだ空気を冷却して室内空間60に吹き出す運転方式を意味する。送風運転は、室内空間60の空気を取り込み、取り込んだ空気を温度調整せずにそのまま室内空間60に吹き出す運転方式を意味する。
【0017】
空調機器20は、例えば、図2のような外観を有する。図2は、空調機器20の外観図である。図2に示されるように、空調機器20は、室内空間60の天井に設けられ、水平面に沿う4方向に空気を吹き出すことができる。また、空調機器20は、4方向に対応する4つの吹き出し口のそれぞれにフラップ(ルーバ)を備え、空気を吹き出す方向を変更することができる。空調機器20は、図2の(a)のように水平方向またはこれに近い方向に空気を吹き出すことができ、図2の(b)のように鉛直方向下向きまたはこれに近い方向に空気を吹き出すこともできる。また、空調機器20は、図2の(a)と図2の(b)の中間の状態を取り、斜め方向に空気を吹き出すこともできる。
【0018】
なお、空調機器20は、図2のような外観を有する空調機器に限定されない。例えば、空調機器20は、室内空間60の壁面の天井寄りの位置に設けられる空調機器であってもよい。
【0019】
照明機器30は、室内空間60の天井に設けられ、室内空間60を照明する。照明機器30は、例えば、LEDなどの半導体発光素子によって実現される。照明機器30は、例えば、ベースライトであるが、ダウンライトまたはスポットライトなどのその他の照明機器であってもよい。
【0020】
制御装置40は、複数の空調機器20、及び、複数の照明機器30を制御する装置である。制御装置40は、例えば、室内空間60に設けられる装置であるが、クラウドサーバなど室内空間60から離れた場所に設けられる装置であってもよい。制御装置40は、具体的には、通信部41と、制御部42と、記憶部43とを備える。
【0021】
通信部41は、制御装置40が、複数の空調機器20、複数の照明機器30、入退管理装置50、及び、人検知装置70と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。制御装置40が室内空間60に設けられる場合、通信部41は、局所通信ネットワークを通じて複数の空調機器20、及び、複数の照明機器30と通信を行う。制御装置40が室内空間60から離れた場所に設けられる場合、通信部41は、インターネットなどの広域通信ネットワークを通じて複数の空調機器20、及び、複数の照明機器30と通信を行う。通信部41によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0022】
制御部42は、複数の空調機器20、及び、複数の照明機器30を制御するための情報処理を行う。制御部42は、具体的には、通信部41を用いて空調機器20へ制御信号を送信することにより、空調機器20の運転モード、設定温度、及び、フラップの角度(空気を吹き出す方向。言い換えれば、風向き)を制御することができる。また、制御部42は、通信部41を用いて照明機器30へ制御信号を送信することにより、照明機器30を点灯、消灯、または、調光することができる。制御部42は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。制御部42の機能は、例えば、制御部42を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等(ハードウェア)が記憶部43に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0023】
記憶部43は、複数の空調機器20、及び、複数の照明機器30を制御するために必要な情報、及び、制御部42が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、半導体メモリによって実現されるが、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されてもよい。
【0024】
入退管理装置50は、室内空間60の利用者数を管理し、利用者数を制御装置40へ提供(送信)する。入退管理装置50は、例えば、利用者のICカードを読み取るICカードリーダなどによって実現される。
【0025】
人検知装置70は、室内空間60に位置する人(室内空間60の利用者)の在不在を検知する。人検知装置70は、例えば、人の体から発せられる赤外線を検知する1つ以上の焦電センサによって実現されるが、カメラ(画像センサ)または熱画像カメラ(熱画像センサ)などによって実現されてもよい。人検知装置70は、室内空間60に位置する人の数をカウントする機能を備えていてもよい。つまり、人検知装置70は、室内空間60の利用者数をカウントしてもよい。
【0026】
なお、図1の例では、空調システム10は、室内空間60の利用者数を管理するために、入退管理装置50及び人検知装置70を併用しているが、入退管理装置50だけを使用して利用者数を管理してもよいし、人検知装置70だけを使用して利用者数を管理してもよい。空調システム10は、入退管理装置50及び人検知装置70の少なくとも一方を使用して利用者数を管理すればよい。
【0027】
[室内空間の一部のエリアを暖房する一般的な空調方法]
近年、在宅勤務を取り入れる企業は増加しており、オフィスへ出社する人の数は、日によって増減する。そこで、室内空間60を複数のエリアに区分し、室内空間60の利用者数に応じて、複数のエリア一部のみを利用可能エリアとすることで、室内空間60における消費電力の低減を図ることができる。図3は、室内空間60のエリア分けの一例を示す図であり、図3の(a)は、室内空間60を上方から見た図(平面図)であり、図3の(b)は、室内空間60を側方から見た図である。なお、図3では、空調機器20の配置も図示されており、図3中の数字(1~8)は、空調機器20を意味する。
【0028】
図3の例では、室内空間60は、第一エリア61、第二エリア62、及び、第三エリア63の3つのエリアに分割されている。空調機器1~3は、第一エリア61に設けられており、空調機器4~6は、第二エリア62に設けられており、空調機器7~8は、第三エリア63に設けられている。例えば、制御装置40は、入退管理装置50または人検知装置70から提供される利用者数が閾値よりも少ないときには、第一エリア61に設けられた照明機器30を明るく発光させ、第二エリア62及び第三エリア63に設けられた照明機器30は消灯するか、または、暗く発光させる。言い換えれば、制御装置40は、第一エリア61だけを利用可能エリアとする。これにより、空調システム10は、第一エリア61に利用者を誘導し、第一エリア61に設けられた空調機器20だけを暖房運転することで、室内空間60における消費電力の抑制を図ることができる。
【0029】
利用可能エリアは、利用者が増えるほど拡大され、例えば、第一エリア61、第一エリア61+第二エリア62、第一エリア61+第二エリア62+第三エリア63、というように利用者に増加に応じて拡大される。なお、利用可能エリアは、空調システム10の管理者等がユーザインターフェース(図示せず)へ手動操作を行うことによって直接的に指定されてもよい。
【0030】
[室内空間の一部のエリアを暖房する一般的な空調方法の課題]
発明者らは、室内空間60のうち一部のエリアに設けられた空調機器20だけを暖房運転させたときの室内空間60の温度分布を把握するために、第一エリア61、第二エリア62、及び、第三エリア63のそれぞれにおいて、各エリアの計測点(図3の(b)に図示)における、温度を計測する実験を行った。図4は、発明者らが行った実験結果(温度の推移)を示す図である。
【0031】
図4の縦軸は、計測点において計測された温度(単位:℃)を示す。実験では、第一エリア61、第二エリア62、及び、第三エリア63のそれぞれにおいて、高さ190cmの位置、高さ110cmの位置、高さ60cmの位置、及び、高さ15cmの位置の4点の温度が計測された。図4の横軸は、時刻(時間)を示している。
【0032】
実験において、制御装置40は、当初は、室内空間60の空調機器1~8全てを設定温度25℃で暖房運転した。つまり、制御装置40は、室内空間60に設けられた全ての空調機器20を設定温度25℃で暖房運転した。なお、暖房運転時の風向きは、図2の(b)のように鉛直方向下向きまたはこれに近い方向である。
【0033】
その後、制御装置40は、空調機器7~8の暖房を停止して空調機器1~6を設定温度25℃で暖房運転した。つまり、制御装置40は、第一エリア61及び第二エリア62に設けられた空調機器20のみを設定温度25℃で暖房運転した。最後に、制御装置40は、空調機器4~8の暖房を停止して空調機器1~3を設定温度27℃で暖房運転した。つまり、制御装置40は、第一エリア61に設けられた空調機器20のみを設定温度27℃で暖房運転した。
【0034】
図4に示されるように、空調機器20の運転台数を減らすと、高さ方向(上下方向)の温度差が大きくなる。この傾向は、空調機器20が暖房運転しているエリアにおいて顕著である。空調機器20の暖房運転時に風向きを下向きに設定しても暖気は上昇し、天井近くに滞留しやすい。このため、空調機器20の運転台数を減らすと、運転している空調機器20の近くの天井付近に滞留する暖気が横方向に流れ、高さ方向の温度差が大きくなっていると考えられる。
【0035】
この結果から、例えば、室内空間60のうち第一エリア61だけを利用可能エリアとしたときに、第一エリア61に設けられた空調機器1~3だけを暖房運転すると、第一エリア61の高さ方向の温度差が大きくなってしまうことが課題となる。第一エリア61では、具体的には、利用者は足元が寒く感じてしまう。つまり、利用者の快適性が損なわれる。
【0036】
[実施例1:室内空間の一部のエリアを暖房する空調方法]
そこで、発明者らは第一エリア61における高さ方向の温度差を低減するための空調方法を見出した。図5は、このような実施例1に係る空調方法を説明するための図(室内空間60を側方から見た図)である。
【0037】
図5に示されるように、制御装置40は、室内空間60のうち第一エリア61のみを暖房したい場合、第一エリアに隣接する第二エリア62に設けられた空調機器4~6を暖房運転し、これと並行して、第一エリア61に設けられた空調機器1~3を送風運転する。このとき、空調機器1~3は、水平方向よりも鉛直方向下向きに近い向き(例えば、図2の(b)のような向き)に第一温度の空気を吹き出し、空調機器4~6は、鉛直方向下向きよりも水平方向に近い向き(例えば、図2の(a)のような向き)に、第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出す。
【0038】
このような空調方法によれば、第二エリア62の空調機器4~6の暖房運転により、天井付近に暖気を滞留させ、第一エリア61の天井付近に流れ込んできた暖気を、空調機器1~3の下向きの送風で攪拌することで、高さ方向の温度差の低減を図ることができる。
【0039】
図6は、比較例に係る空調方法、及び、実施例1に係る空調方法のそれぞれを行った場合の各エリアの温度の推移を示す図である。
【0040】
図6の縦軸は、図5の計測点において計測された温度(単位:℃)を示す。図6のグラフを得るために、第一エリア61、第二エリア62、及び、第三エリア63のそれぞれにおいて、高さ190cmの位置、高さ110cmの位置、高さ60cmの位置、及び、高さ15cmの位置の4点の温度が計測された。図6の横軸は、時刻(時間)を示している。
【0041】
制御装置40は、図6の前半の期間においては、上記の第一エリア61のみを暖房する一般的な空調方法(図6では、比較例と記載)を行った。つまり、制御装置40は、空調機器4~8の暖房を停止して空調機器1~3を設定温度27℃で暖房運転した。
【0042】
その後、制御装置40は、実施例1に係る空調方法を行った。つまり、制御装置40は、空調機器1~3を送風運転(風向き:下向き)し、空調機器4~6を暖房運転(風向き:横向き、設定温度:28℃)した。
【0043】
図6に示されるように、比較例に係る空調方法では、第一エリア61における高さ方向の温度差が比較的大きいが、実施例1に係る空調方法では、第一エリア61における高さ方向の温度差が低減されている。このように、実施例1に係る空調方法によれば、高さ方向の温度差を低減することで、利用者の快適性を向上することができる。
【0044】
なお、実施例1に係る空調方法においては、制御装置40は、空調機器1~3を送風運転し、空調機器4~6を暖房運転した。このように、空調機器1~3が吹き出す空気の第一温度が空調機器4~6が吹き出す空気の第二温度よりも低いことで、空調システム10は、第一エリア61を効率的に暖房することができる。しかしながら、制御装置40は、空調機器1~3を暖房運転してもよいし、空調機器4~6を送風運転してもよい。制御装置40は、空調機器1~3を送風運転または暖房運転し、空調機器4~6を送風運転または暖房運転すればよい。
【0045】
ここで、空調機器1~3、及び、空調機器4~6をいずれも暖房運転しつつ、空調機器1~3が吹き出す空気の第一温度を空調機器4~6が吹き出す空気の第二温度よりも低くする場合、制御装置40は、例えば、空調機器1~3の設定温度、及び、空調機器4~6の設定温度を制御(調整)する。しかしながら、制御装置40は、空調機器1~3の空気の吹き出し口の温度、及び、空調機器4~6の空気の吹き出し口の温度をモニタして、空調機器1~3、及び、空調機器4~6のそれぞれの熱交換器等を制御することにより、第一温度を第二温度よりも低くしてもよい。
【0046】
[実施例2:室内空間の一部のエリアを冷房する空調方法]
空調システム10が備える複数の空調機器20が室内空間60の床面、または、室内空間60の壁面の床面寄りの位置に設けられる場合も考えられる。このような場合、室内空間60のうち第一エリア61のみを冷房するときに、第一エリア61における高さ方向の温度差を低減するための空調方法について説明する。図7は、このような実施例2に係る空調方法を説明するための図(室内空間60を側方から見た図)である。
【0047】
図7に示されるように、制御装置40は、室内空間60のうち第一エリア61のみを冷房したい場合、第一エリアに隣接する第二エリア62に設けられた空調機器4~6を冷房運転し、これと並行して、第一エリア61に設けられた空調機器1~3を送風運転する。このとき、空調機器1~3は、水平方向よりも鉛直方向上向きに近い向きに第一温度の空気を吹き出し、空調機器4~6は、鉛直方向上向きよりも水平方向に近い向きに、第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出す。
【0048】
このような空調方法によれば、第二エリア62の空調機器4~6の冷房運転により、床面付近に冷気を滞留させ、第一エリア61の床面付近に流れ込んできた冷気を、空調機器1~3の上向きの送風で攪拌することで、高さ方向の温度差の低減を図ることができる。このように、実施例2に係る空調方法によれば、高さ方向の温度差を低減することで、利用者の快適性を向上することができる。
【0049】
なお、実施例2に係る空調方法においては、制御装置40は、空調機器1~3を送風運転し、空調機器4~6を冷房運転した。このように、空調機器1~3が吹き出す空気の第一温度が空調機器4~6が吹き出す空気の第二温度よりも高いことで、空調システム10は、第一エリア61を効率的に冷房することができる。しかしながら、制御装置40は、空調機器1~3を冷房運転してもよいし、空調機器4~6を送風運転してもよい。制御装置40は、空調機器1~3を送風運転または冷房運転し、空調機器4~6を送風運転または冷房運転すればよい。
【0050】
ここで、空調機器1~3、及び、空調機器4~6をいずれも冷房運転しつつ、空調機器1~3が吹き出す空気の第一温度を空調機器4~6が吹き出す空気の第二温度よりも高くする場合、制御装置40は、例えば、空調機器1~3の設定温度、及び、空調機器4~6の設定温度を制御(調整)する。しかしながら、制御装置40は、空調機器1~3の空気の吹き出し口の温度、及び、空調機器4~6の空気の吹き出し口の温度をモニタして、空調機器1~3、及び、空調機器4~6のそれぞれの熱交換器等を制御することにより、第一温度を第二温度よりも高くしてもよい。
【0051】
[変形例]
上記実施の形態では、暖房または冷房の対象となる第一エリア61、及び、これに隣接する第二エリア62は、いずれも大きさが固定されたエリアであるとして説明されたが、第一エリア61、及び、第二エリア62は、大きさが変動するエリアであってもよい。例えば、室内空間60の利用者の数に応じて、暖房または冷房の対象となる第一エリア61の大きさを2段階以上に変更するようなケースが考えられる。この場合、第一エリア61の大きさが決定された後、第二エリア62の大きさをどのように決定するかについては検討の余地がある。
【0052】
第二エリア62の大きさは、例えば、空調能力(例えば、空調機器20の冷房能力または暖房能力の設計値など。単位:kW)を考慮して決定される。例えば、第一エリア61に設けられた全ての空調機器20(送風運転を行う空調機器20)の空調能力の合計が、第二エリア62に設けられた全ての空調機器20(暖房運転または冷房運転を行う空調機器20)の空調能力の合計よりも少なくなるように決定される。これにより、第一エリア61の暖房または冷房を効果的に行うことができる。なお、第一エリア61、及び、第二エリア62のそれぞれには、少なくとも1つの空調機器20が設けられていればよい。
【0053】
また、実施例1または実施例2において、第一エリア61を目標温度にするために、第二エリア62に設けられた空調機器20の設定温度をどのような値にするかは、第二エリア62に設けられた空調機器20の空調能力等を考慮して、経験的または実験的に定められればよい。
【0054】
[効果等]
本明細書の開示内容から導き出される発明は、例えば以下のような発明である。以下、本明細書の開示内容から導き出される発明について、当該発明によって得られる効果等と合わせて説明する。
【0055】
発明1は、制御装置40などのコンピュータによって実行される、第一エリア61を暖房するための空調方法であって、第一エリア61に設けられた少なくとも1つの第一空調機器を暖房運転または送風運転することで少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、第一エリア61に隣接する第二エリア62に設けられた少なくとも1つの第二空調機器を暖房運転または送風運転することで少なくとも1つの第二空調機器から、第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すステップを含む、空調方法である。第一空調機器は、第一エリア61に設けられた空調機器20であり、第二空調機器は、第二エリア62に設けられた空調機器20である。
【0056】
このような空調方法は、第一エリア61に設けられた第一空調機器、及び、第二エリア62に設けられた第二空調機器を用いて、第一エリア61の暖房を行うことができる。つまり、空調方法は、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器20を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる。
【0057】
発明2は、少なくとも1つの第一空調機器は、第一エリア61の天井、または、第一エリア61の壁面の天井寄りの位置に設けられ、少なくとも1つの第二空調機器は、第二エリア62の天井、または、第二エリア62の壁面の天井寄りの位置に設けられる、発明1の空調方法である。
【0058】
このような空調方法は、第一エリア61の天井側に設けられた第一空調機器、及び、第二エリア62の天井側に設けられた第二空調機器を用いて、第一エリア61の暖房を行うことができる。
【0059】
発明3は、少なくとも1つの第一空調機器は、水平方向よりも鉛直方向下向きに近い向きに第一温度の空気を吹き出し、少なくとも1つの第二空調機器は、鉛直方向下向きよりも水平方向に近い向きに第二温度の空気を吹き出す、発明2の空調方法である。
【0060】
このような空調方法は、第二エリア62から第一エリア61の天井付近に流れ込んできた暖気を、第一空調機器の下向きの送風で攪拌させることで、第一エリア61における高さ方向の温度差の低減を図ることができる。
【0061】
発明4は、少なくとも1つの第一空調機器は、送風運転により第一温度の空気を吹き出し、少なくとも1つの第二空調機器は、暖房運転により第二温度の空気を吹き出す、発明3の空調方法である。
【0062】
このような空調方法は、第一エリア61における高さ方向の温度差の低減を効率的に実現することができる。
【0063】
発明5は、コンピュータによって実行される、第一エリア61を冷房するための空調方法であって、第一エリア61に設けられた少なくとも1つの第一空調機器を冷房運転または送風運転することで少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、第一エリアに隣接する第二エリアに設けられた少なくとも1つの第二空調機器を冷房運転または送風運転することで少なくとも1つの第二空調機器から、第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出すステップを含む、空調方法である。
【0064】
このような空調方法は、第一エリア61に設けられた第一空調機器、及び、第二エリア62に設けられた第二空調機器を用いて、第一エリア61の冷房を行うことができる。つまり、空調方法は、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器20を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる。
【0065】
発明6は、少なくとも1つの第一空調機器は、第一エリアの床面、または、第一エリアの壁面の床面寄りの位置に設けられ、少なくとも1つの第二空調機器は、第二エリアの床面、または、第二エリアの壁面の床面寄りの位置に設けられる、発明5の空調方法である。
【0066】
このような空調方法は、第一エリア61の床面側に設けられた第一空調機器、及び、第二エリア62の床面側に設けられた第二空調機器を用いて、第一エリア61の冷房を行うことができる。
【0067】
発明7は、少なくとも1つの第一空調機器は、水平方向よりも鉛直方向上向きに近い向きに第一温度の空気を吹き出し、少なくとも1つの第二空調機器は、鉛直方向上向きよりも水平方向に近い向きに第二温度の空気を吹き出す、発明6の空調方法である。
【0068】
このような空調方法は、第二エリア62から第一エリア61の床面付近に流れ込んできた冷気を、第一空調機器の上向きの送風で攪拌させることで、第一エリア61における高さ方向の温度差の低減を図ることができる。
【0069】
発明8は、少なくとも1つの第一空調機器は、送風運転により第一温度の空気を吹き出し、少なくとも1つの第二空調機器は、冷房運転により第二温度の空気を吹き出す、発明7の空調方法である。
【0070】
このような空調方法は、第一エリア61における高さ方向の温度差の低減を効率的に実現することができる。
【0071】
発明9は、少なくとも1つの第一空調機器の空調能力の合計は、少なくとも1つの第二空調機器の空調能力の合計よりも少ない、発明1~8のいずれかの空調方法。
【0072】
このような空調方法は、第一エリア61の温度調整を効率的に実現することができる。
【0073】
発明10は、発明1~9のいずれかの空調方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0074】
このようなプログラムによれば、コンピュータは、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器20を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる。
【0075】
発明11は、第一エリア61に設けられた少なくとも1つの第一空調機器と、第一エリア61に隣接する第二エリア62に設けられた少なくとも1つの第二空調機器と、少なくとも1つの第一空調機器を暖房運転または送風運転することで少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、少なくとも1つの第二空調機器を暖房運転または送風運転することで少なくとも1つの第二空調機器から、第一温度よりも高い第二温度の空気を吹き出すことにより、第一エリア61を暖房する制御装置40とを備える、空調システム10である。
【0076】
このような空調システム10は、第一エリア61に設けられた第一空調機器、及び、第二エリア62に設けられた第二空調機器を用いて、第一エリア61の暖房を行うことができる。つまり、空調システム10は、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器20を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる。
【0077】
発明12は、第一エリア61に設けられた少なくとも1つの第一空調機器と、第一エリア61に隣接する第二エリア62に設けられた少なくとも1つの第二空調機器と、少なくとも1つの第一空調機器を冷房運転または送風運転することで少なくとも1つの第一空調機器から第一温度の空気を吹き出し、かつ、少なくとも1つの第二空調機器を冷房運転または送風運転することで少なくとも1つの第二空調機器から、第一温度よりも低い第二温度の空気を吹き出すことにより、第一エリア61を冷房する制御装置40とを備える、空調システム10である。
【0078】
このような空調システム10は、第一エリア61に設けられた第一空調機器、及び、第二エリア62に設けられた第二空調機器を用いて、第一エリア61の冷房を行うことができる。つまり、空調システム10は、複数のエリアのそれぞれに設けられた空調機器20を用いて、複数のエリアのうち一部のエリアの温度を調整することができる。
【0079】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0080】
例えば、上記実施の形態では、空調システムは、複数の装置によって実現された。このように空調システムが複数の装置によって実現される場合、空調システムが備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0081】
また、空調システムは、単一の装置として実現されてもよい。例えば、空調システムは、制御装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ゲートウェイ装置など)が介在してもよい。
【0083】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0085】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0086】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実
現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0087】
例えば、本発明は、上記実施の形態の制御装置として実現されてもよい、また、本発明は、上記実施の形態の空調システム(制御装置)などのコンピュータが実行する空調方法として実現されてもよいし、空調方法をコンピュータに実行させるためのプログラム(言い換えれば、コンピュータプログラムプロダクト)として実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0088】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
10 空調システム
20 空調機器
30 照明機器
40 制御装置
41 通信部
42 制御部
43 記憶部
50 入退管理装置
60 室内空間
61 第一エリア
62 第二エリア
63 第三エリア
70 人検知装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7