(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158246
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】駐輪場管理プログラム及び駐輪場管理装置
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241031BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241031BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241031BHJP
G06V 10/764 20220101ALI20241031BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G07B15/00 N
G06Q50/10
G06T7/00 350B
G06V10/764
E04H6/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073282
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】521369507
【氏名又は名称】Fusion Cubic株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515212747
【氏名又は名称】株式会社GOURIKIコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】張 遠瑞
(72)【発明者】
【氏名】朱 疆
(72)【発明者】
【氏名】曹 チン尭
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 智博
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA11
3E127CA20
3E127CA21
3E127CA41
3E127EA04
5L049CC13
5L050CC13
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA02
5L096DA01
5L096DA02
5L096GA34
5L096HA02
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】設備コストを低減できると共に、メンテナンス費用を低減できる駐輪場管理プログラム及び駐輪場管理装置を提供する。
【解決手段】入場コード123456が与えられた自転車(123456)の画像については、日時ts、t1、…、t2、t3に間欠的に動画として記録され、この場合、ヒト画像も記録される。自転車(123456)が駐輪する日時t3では、自転車(123456)の画像は、静止画像となる。この場合、ヒト画像は通常存在せず、駐輪位置が記録される。つまり、自転車(123456)の入場から駐輪までの画像が記録される。次いで、日時t1’…、t2’、teでも自転車(123456)は間欠的に動画として記録され、この場合も、ヒト画像も記録される。つまり、自転車(123456)の脱駐輪から退場までの画像が記録される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐輪位置を有する駐輪管理をするための駐輪場管理プログラムであって、
前記駐輪場の全体画像データを取得する全体画像取得手順と、
二輪車画像及びヒト画像を入力教師データとしかつ二輪車情報及びヒト情報を出力教師データとして機械学習済みの第1の学習制御モデルを用いて前記全体画像データを入力データとして二輪車画像及びヒト画像を推定して抽出する二輪車画像/ヒト画像推定抽出手順と、
前記二輪車画像が動画画像ときには該二輪車画像及び該二輪車画像と接触する前記ヒト画像を日時と共に記録し、前記二輪車画像が前記動画画像から静止画像に変化したときには前記二輪車画像が存在する前記駐輪位置と共に該静止画像を日時と共に記録する第1の記録手順と
をコンピュータに実行させるための駐輪場管理プログラム。
【請求項2】
さらに、二輪車/ヒト接触画像を入力教師データとしかつ二輪車/ヒト接触情報を出力教師データとして機械学習済みの第2の学習制御モデルを用いて前記全体画像データを入力データとして二輪車/ヒト接触画像を推定して抽出する二輪車/ヒト接触画像推定抽出手順をコンピュータにより実行させるようにし、
前記第1の記録手順は前記二輪車/ヒト接触画像の有無によって前記二輪車画像と該二輪車画像と接触している前記ヒト画像とが非接触と判別されたときのみ前記二輪車画像の前記静止画像を記録する請求項1に記載のコンピュータに実行させるための駐輪場管理プログラム。
【請求項3】
さらに、
前記駐車場の出入口画像データを取得する出入口画像取得手順と、
前記出入口画像データを入力データとして前記第1の学習制御モデルを用いて出入口二輪車画像及び出入口ヒト画像を推定して抽出する出入口二輪車画像/出入口ヒト画像推定抽出手順とをコンピュータに実行させるようにし、
前記第1の記録手順は前記出入口二輪車画像及び前記出入口ヒト画像を前記二輪車画像及びヒト画像の入場画像又は退場画像として記録する請求項1に記載のコンピュータに実行させるための駐輪場管理プログラム。
【請求項4】
さらに、前記推定抽出されたヒト画像を日時と共に記録する第2の記録手順をコンピュータによって実行させるための請求項1に記載の駐輪場管理プログラム。
【請求項5】
前記第2の記録手順は、前記ヒト画像が静止画像のときには、前記ヒト画像が動画画像から前記静止画像に変化したときのみ記録する請求項4に記載のコンピュータに実行させるための駐輪場管理プログラム。
【請求項6】
複数の駐輪位置を有する駐輪管理をするための駐輪場管理装置であって、
前記駐輪場の全体画像データを取得する全体画像取得手段と、
二輪車画像及びヒト画像を入力教師データとしかつ二輪車情報及びヒト情報を出力教師データとして機械学習済みの第1の学習制御モデルを用いて前記全体画像データを入力データとして二輪車画像及びヒト画像を推定して抽出する二輪車画像/ヒト画像推定抽出手段と、
前記二輪車画像が動画画像ときには該二輪車画像及び該二輪車画像と接触する前記ヒト画像を日時と共に記録し、前記二輪車画像が前記動画画像から静止画像に変化したときには前記二輪車画像が存在する前記駐輪位置と共に該静止画像を日時と共に記録する第1の記録手段と
を具備する駐輪場管理装置。
【請求項7】
さらに、二輪車/ヒト接触画像を入力教師データとしかつ二輪車/ヒト接触情報を出力教師データとして機械学習済みの第2の学習制御モデルを用いて前記全体画像データを入力データとして二輪車/ヒト接触画像を推定して抽出する二輪車/ヒト接触画像推定抽出手段を具備し、
前記第1の記録手段は前記二輪車/ヒト接触画像の有無によって前記二輪車画像と該二輪車画像と接触していたヒト画像とが非接触と判別されたときのみ前記二輪車画像の前記静止画像を記録する請求項6に記載の駐輪場管理装置。
【請求項8】
さらに、
前記駐車場の出入口画像データを取得する出入口画像取得手段と、
前記出入口画像データを入力データとして前記第1の学習制御モデルを用いて出入口二輪車画像及び出入口ヒト画像を推定抽出する出入口二輪車画像/出入口ヒト画像推定抽出手段と
を具備し、
前記第1の記録手段は前記出入口二輪車画像及び前記出入口ヒト画像を前記二輪車画像及びヒト画像の入場画像又は退場画像として記録する請求項6に記載の駐輪場管理装置。
【請求項9】
さらに、前記推定抽出されたヒト画像を日時と共に記録する第2の記録手段を具備する請求項6に記載の駐輪場管理装置。
【請求項10】
前記第2の記録手段は、前記ヒト画像が静止画像のときには、前記ヒト画像が動画画像から前記静止画像に変化したときのみ記録する請求項9に記載の駐輪場管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自転車等の二輪車を駐輪させる複数の駐輪位置を有する駐輪場を管理するための駐輪場管理プログラム及び駐輪場管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の駐輪場においては、複数の自転車を駐輪させるための複数の駐輪位置に、それぞれ、駐輪機を設けている。各駐輪機は、盗難防止のために自転車の車輪をロック/アンロックするロック/アンロック機構と、自転車の入輪を検出してロック/アンロック機構をロック状態にし、自転車の課金精算を検出してロック/アンロック機構をアンロック状態にする制御部とによって構成される(参照:特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の駐輪場において、各駐輪位置にロック/アンロック機構等よりなる駐輪機を設ける必要があり、この結果、設備コストが高くかつメンテナンス費用も高いという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明に係る駐輪場管理プログラムは、複数の駐輪位置を有する駐輪管理をするための駐輪場管理プログラムであって、駐輪場の全体画像データを取得する全体画像取得手順と、二輪車画像及びヒト画像を入力教師データとしかつ二輪車情報及びヒト情報を出力教師データとして機械学習済みの第1の学習制御モデルを用いて全体画像データを入力データとして二輪車画像及びヒト画像を推定して抽出する二輪車画像/ヒト画像推定抽出手順と、二輪車画像が動画画像ときには該二輪車画像及び該二輪車画像と接触するヒト画像を日時と共に記録し、二輪車画像が動画画像から静止画像に変化したときには二輪車画像が存在する駐輪位置と共に該静止画像を日時と共に記録する第1の記録手順とをコンピュータに実行させるものである。
【0006】
また、本発明に係る駐輪場管理装置は、複数の駐輪位置を有する駐輪管理をするための駐輪場管理装置であって、駐輪場の全体画像データを取得する全体画像取得手段と、二輪車画像及びヒト画像を入力教師データとしかつ二輪車情報及びヒト情報を出力教師データとして機械学習済みの第1の学習制御モデルを用いて全体画像データを入力データとして二輪車画像及びヒト画像を推定して抽出する二輪車画像/ヒト画像推定抽出手段と、二輪車画像が動画画像ときには該二輪車画像及び該二輪車画像と接触するヒト画像を日時と共に記録し、二輪車画像が動画画像から静止画像に変化したときには二輪車画像が存在する駐輪位置と共に該静止画像を日時と共に記録する第1の記録手段とを具備するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、各駐輪位置にロック/アンロック機構等よりなる駐輪機を設けることなく、各駐輪位置における自転車等の入場/出場を管理できるので、設備コストを低減できると共に、メンテナンス費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る駐輪場管理装置の実施の形態を含む駐輪場を示す図である。
【
図2】
図1の駐輪場管理装置の詳細なブロック回路図である。
【
図3】
図2の中央処理ユニットによって実行される入場/退場処理ルーチンを説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図3のフローチャートを補足説明するための図である。
【
図5】
図3の入場処理ステップの詳細なフローチャートである。
【
図6】
図5のフローチャートを補足説明するための図である。
【
図7】
図3の退場処理ステップの詳細なフローチャートである。
【
図8】
図7のフローチャートを補足説明するための図である。
【
図9】
図2の中央処理ユニットによって実行されるメインルーチンを説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図9のフローチャートを補足説明するための図である。
【
図11】
図3、
図5、
図7、
図9のフローチャートによって得られ、
図2のフラッシュメモリに記録された自転車の軌跡画像を示す図である。
【
図12】
図9のステップ914によって得られ、
図2のフラッシュメモリに記録されたヒトの軌跡画像を示す図である。
【
図13】
図2の駐輪場管理装置の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明に係る駐輪場管理装置の実施の形態を含む駐輪場を示す図である。
【0010】
図1において、駐輪場1内には枠マークが付けられたたとえば9つの駐輪位置11-A、11-B、…、11-Iが設けられ、駐輪位置11-A、11-B、…、11-Iは駐輪場管理装置12によって管理される。たとえば、駐輪位置11-A、11-B、11-D、11-F、11-H、11-Iは駐輪状態にあり、他方、駐輪位置11-C、11-E、11-Gは空輪状態にある。このため、駐車場1には出入口G近傍の出入口監視カメラ(たとえば単眼カメラ)13及び全体監視カメラ(たとえば単眼カメラ)14が設けられている。出入口監視カメラ13及び全体監視カメラ14は駐輪場管理装置2に接続される。
【0011】
出入口G近傍には二次元コード(たとえばQRコード(登録商標))看板15、タッチパネル16及び駐輪場が満輪状態か空輪状態かを示す満空看板17が設けられている。タッチパネル16及び満空看板17は駐輪場管理装置12に接続されている。
【0012】
また、駐輪場管理装置12はインターネット2を介して情報端末3、決済用サーバ4等に接続される。操作者は情報端末3を介して又は直接的に駐輪場管理装置12を操作できる。
【0013】
図2は
図1の駐輪場管理装置12の詳細なブロック回路図である。
【0014】
図2において、駐輪場管理装置12は、コンピュータによって構成される。詳細は、中央処理ユニット(CPU)121、プログラム等を格納するリードオンメモリ(ROM)122、一時的データ等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)123,画像等を記憶するためのフラッシュメモリ124,満空看板16、タッチパネル17等に接続された入出力(I/O)インターフェイス124、出入口監視カメラ13及び全体監視カメラ14に接続された画像インターフェイス126、インターネット2に接続された通信インターフェイス127、学習制御モデル128、129等によって構成される。
【0015】
学習制御モデル128、129は入力層、複数の中間層及び出力層よりなるディープラーニングによるニューラルネットワークである。
【0016】
学習制御モデル128は、多数の自転車画像たとえば大人用自転車、子供用自転車、籠付き自転車、後輪が2つの自転車、前輪が2つの自転車、電動アシスト自転車等の画像を入力教師データとすると共に自転車情報を出力教師データとするディープランニング(機械学習)によって学習させる。また、学習制御モデル128は、多数のヒト画像たとえば男性大人、女性大人、男性子供、女性子供、荷物を持った人、傘をさした人、これら人の正面、側面、後面等を入力教師データとすると共にヒト情報を出力教師データとするディープランニング(機械学習)によって学習させる。これらの学習は予め駐輪場1の外部で行い学習結果を操作者が情報端末3を用いて学習制御モデル128にストールすればよい。但し、駐輪場管理装置12内で学習してもよい。
【0017】
学習制御モデル129は、自転車をヒトが押し歩いている前方画像、後方画像、斜め画像、自転車の上にヒトが騎乗している前方画像、後方画像、斜め画像等の自転車/ヒト接触画像を入力教師データとし、自転車/ヒト接触情報を出力教師データとするディープランニング(機械学習)によって学習させる。この学習も、予め駐輪場1の外部で行い、学習結果を操作者が情報端末3を用いて学習制御121にストールすればよい。但し、駐輪場管理装置12内で学習してもよい。
【0018】
図3は
図2のCPU121によって実行される入場/退場処理ルーチンを説明するためのフローチャートである。このフローチャートはROM122又はフラッシュメモリ124に格納される。
図3のルーチンは入場者又は退場者が2次元コード看板15を走査することによってスタートする割り込みルーチンである。すなわち、
図4の(A)に示す2次元コード看板15を入場者又は退場者がスマートフォン等の情報端末で走査した場合、駐輪場管理装置12のCPU121はインターネット2を介してこれを検知することによって
図3に示すルーチンをスタートさせる。
【0019】
ステップ301にて、駐輪場管理装置12のCPU121はタッチパネル16に
図4の(B)に示す画像を表示する。この結果、入場者が「入場」をタッチすると、入場処理ステップ302に進み、他方、退場者が「退場」をタッチすると、退場処理ステップ303に進む。
【0020】
尚、
図3の入場/退場ルーチンは2次元コード看板15を走査することによって割込みスタートさせるようにしたが、入場処理ステップ302、退場処理ステップ303を独立の入場処理プログラム、退場処理プログラムとし、タッチパネル16の「入場」タッチによって入場処理プログラムを割込みスタートさせ、他方、タッチパネル16の「退場」タッチによって退場処理プログラムを割込みスタートさせてもよい。
【0021】
図5は
図3の入場処理ステップ302の詳細なフローチャートである。
【0022】
始めに、ステップ501にて、
図6の(A)に示す出入口監視カメラ13の画像データを取得する。
【0023】
次に、ステップ502にて出入口監視カメラ13の複数の画像データたとえば9個画像データに対して学習済みの学習制御モデル128を用いて自転車画像及びヒト画像を推定して抽出する。
【0024】
次に、ステップ503にて、タッチパネル16に
図6の(B)に示すごとく9枚の自転車画像/ヒト画像を表示し、入場者にそのうち1枚を選択させる。
【0025】
次に、ステップ504にて、自転車管理番号としての入場コードを自転車に対して付与し、
図6の(C)に示すごとく、タッチパネル16上に発行する。尚、入場コードを入場者に設定させてもよい。
【0026】
次に、ステップ505にて、日時たとえばtsと共に、選択された自転車/ヒト画像を入場画像とし、
図11に示すごとく、フラッシュメモリ124の入場コードで規定される所定領域に書込む。これにより、自転車の軌跡記録が開始する。尚、入場画像の記録は入場時のトラブルの防止に役立つ。
【0027】
そして、ステップ506にて
図5のルーチンは終了する。
【0028】
図7は
図3の退場処理ステップ303の詳細なフローチャートである。
【0029】
始めに、ステップ701にて、退場者は入場コードをタッチパネル16に入力する。この結果、
図8の(A)に示す表示がタッチパネル16にされる。
【0030】
次に、ステップ702にて、
図8の(B)に示すように、当該入場コードiに対する駐輪位置の自転車の静止画像をタッチパネル16に表示すると共に、利用料金を表示する。
【0031】
次に、ステップ703にて、課金処理が終了したか否かを判別する。課金処理は現金納付、決済用サーバ4を利用した電子決済等のいずれでも可能である。課金処理が終了した時にステップ704に進む。
【0032】
次に、ステップ704にて、入場コードiに対する駐輪位置に自転車画像が現在存在するか否かを全体監視カメラ14の画像で判別する。この結果、自転車画像が存在すれば、課金処理(料金精算)が先行し、自転車の移動が後行と判別し、ステップ705にて当該入場コードiの課金処理終了フラグF(i)をセットする。この課金処理終了フラグF(i)は後述の
図9のメインルーチンで用いられる。つまり、この時点では、自転車(i)の軌跡の退場記録は行われない。逆に、自転車画像が存在しなければ、自転車の移動が先行し、課金処理(料金精算)が後行と判別し、ステップ706、707、708に進む。
【0033】
ステップ706、707、708について説明する。すなわち、ステップ706にて
図8の(C)に示す出入口監視カメラ13の画像データを取得する。次に、ステップ707にて出入口監視カメラ13の画像データに対して学習済みの学習制御モデル128を用いて自転車及びヒトを推定して抽出する。次に、ステップ708にて、日時、たとえばteと共に、ステップ707にて推定抽出された自転車画像/ヒト画像を退場画像とし、
図11に示すごとく、フラッシュメモリ124の入場コードiで規定される所定領域に書込む。これにより、入場コードiの自転車(i)の軌跡の退場記録は終了する。尚、退場画像の記録は退場時のトラブルの防止に役立つ。
【0034】
そして、ステップ709にて
図7のルーチンは終了する。
【0035】
図9は
図2のCPU121によって実行されるメインルーチンを説明するためのフローチャートである。このフローチャートはROM122又はフラッシュメモリ124に格納される。
【0036】
始めに、ステップ901にて、全体監視カメラ14の画像データを取得する。
【0037】
次に、ステップ902にて、全体監視カメラ14の画像データに対して学習済の学習制御モデル128を用いて自転車画像及びヒト画像を推定して抽出する。
【0038】
次に、ステップ903にて、入場コードiの自転車(i)が移動状態か静止状態か、つまり、自転車(i)の位置が前回値と異なるか同一かを判別する。この結果、自転車(i)が移動状態であれば、つまり、自転車(i)の移動軌跡が延長していれば、ステップ904~910に進む。この場合、自転車画像にはヒト画像が必ず接触している。他方、自転車(i)が静止状態であれば、つまり、自転車(i)の移動軌跡が延長停止していれば、ステップ911、912、913に進む。
【0039】
ステップ904~910について説明する。
【0040】
ステップ904では、時刻たとえばt1、t2:t1’、t2’と共に、ステップ902にて推定抽出された接触状態の自転車画像/ヒト画像を動画画像とし、
図11に示すごとく、フラッシュメモリ124の入場コードiで規定された所定領域に書込む。これにより、入場コードiの自転車(i)の軌跡が記録される。
【0041】
次に、ステップ905では、入場コードiについて課金処理(料金精算)が先行しているか否かを課金処理終了フラグF(i)が“1”か否かで判別する。課金処理が既に終わっていれば(F(i)=“1”)、ステップ906にて、自転車(i)が全体監視カメラ14の監視外か否かを判別する。通常、全体監視カメラ14の監視外かつ出入口監視カメラ13の監視内にある。この場合、
図7のステップ706、707、708と同一のステップ907、908、909にて自転車(i)の軌跡記録を終了する。そして、ステップ910にて、課金処理終了フラグF(i)をリセットする。他方、課金処理が終了していなければ(F(i)=“0”)、又は課金処理が終了していても、全体監視カメラ14の監視内にあればステップ914に直接進む。
【0042】
ステップ911、912、913について説明する。
【0043】
ステップ911では、ステップ902にて推定抽出された自転車画像及びヒト画像に対して学習済の学習制御モデル129を用いて自転車とヒトとの接触状態を推定して抽出する。
【0044】
次に、ステップ912では、自転車とヒトとが
図10の(A)に示す接触状態から
図10の(B)に示す非接触状態へ変化したか否かを判別する。この結果、自転車とヒトとの接触状態から非接触状態へ変化したときのみ、ステップ913に進む。
【0045】
ステップ913では、日時たとえばt3及び駐輪位置と共に、ステップ902にて推定された自転車画像を静止画像とし、
図11に示すごとく、フラッシュメモリ124の入場コードiで規定された所定位置に書込む。但し、自転車が駐輪位置でない意図しない位置に静止した場合は、駐輪位置は書込まれない。これにより、入場コードiの自転車(i)の軌跡が停止される。
【0046】
このように、たとえば入場コード123456の自転車/ヒト画像の入場軌跡は時刻t1、…、t2、t3で動画として変化し、時刻t3で静止画像となり、自転車(i)はある駐輪位置たとえば11-Aに駐輪する。次いで、自転車(i)は時刻t1’で駐輪位置より離れて時刻t1’…、t2’で再び動画として変化し、時刻teで自転車(i)は駐輪場1から退場する。この場合、課金時間Tはたとえば時刻t3~t1’で計測できる。つまり、駐輪場1の管理は出入口監視カメラ13の画像及び全体監視カメラ14の画像のみを用いて行うことができる。
【0047】
さらに、ステップ914では、ヒトのみの軌跡を管理する。つまり、駐輪場1のセキュリティのために、自転車に関係なく、駐輪場1内に立入るヒトすべての軌跡を管理する。この場合、全体監視カメラ14の画像データに対してヒトの動画、静止を含めた軌跡を記録する。すなわち、各ヒトにヒトコードH0001、H0002、…を与え、時刻t1、t2、…と共に、ステップ902にて推定されたヒト画像を
図12に示すごとく、フラッシュメモリ124のヒトコードH0001、H0002、…で規定された所定領域に書込む。これにより、ヒトコードH0001、H0002、…のヒト軌跡が記録され、セキュリティの確保ができる。この場合も、ヒトが移動している場合のみヒト軌跡を記録するようにすれば、フラッシュメモリ124の記憶容量を小さくできる。
【0048】
さらに、ステップ915では、駐輪位置11-A、11-B、…、11-Iが自転車で満輪状態か少なくとも1つの空輪状態かを判別し、これに応じて満空看板17を制御する。
【0049】
そして、ステップ901に戻る。
【0050】
図11は
図3、
図5、
図7、
図9のフローチャートによって得られ、
図2のフラッシュメモリ124に記録された自転車の軌跡画像を示す図である。
【0051】
図11に示すように、たとえば、入場コード123456が与えられた自転車(123456)の画像については、日時ts、t1、…、t2、t3に間欠的に動画として記録され、この場合、ヒト画像も記録される。自転車(123456)が駐輪する日時t3では、自転車(123456)の画像は、静止画像となる。この場合、ヒト画像は通常存在せず、駐輪位置が記録される。但し、自転車の静止位置が駐輪位置でない意図しない位置に駐輪した場合には、駐輪位置は記録されない。このようにして、自転車(123456)の入場から駐輪までの画像が記録される。次いで、日時t1’…、t2’、teでも自転車(123456)は間欠的に動画として記録され、この場合も、ヒト画像も記録される。このようにして、自転車(123456)の脱駐輪から退場までの画像が記録される。尚、駐輪時間(課金時間)はt3~t1’である。このように、自転車の管理及び課金を行うことができる。また、自転車の画像は入場から退場まで記録されるので、自転車をロック、アンロックせずとも、自転車のセキュリティ(盗難防止)も向上できる。
【0052】
図12は
図9のステップ914によって得られ、
図2のフラッシュメモリ124に記録されたヒトの軌跡画像を示す図である。
【0053】
図12に示すように、駐輪場1に入ったヒトが動画として記録される。この場合のヒトは、駐輪場1の利用者、非利用者、駐輪場1の単なる通過者、駐輪場1への悪意の侵入者等のすべて含む。ヒト画像には自転車画像も混入することもある。すなわち、たとえば、ヒトコードH0001が与えられたヒト(H0001)の画像については、日時ts、t1、…、t2、t3に間欠的に動画として記録され、この場合、ヒト画像も記録される。ヒト(H0001)が一時停止する日時t3では、ヒト(H0001)の画像は、静止画像となる。再び、ヒト(H0001)が移動すると、日時t1’…、t2’、teでもヒト(H0001)は間欠的に動画として記録される。このようにして、ヒト(H0001)の入場から退場までの画像が記録される。これにより、駐輪場1全体のセキュリティは向上する。
【0054】
図2の駐輪場管理装置は
図13に示すハードウェアで構成することもできる。尚、
図13においては、自転車にバイク等を加えて二輪車とする。
【0055】
図13に示す複数の駐輪位置を有する駐輪管理をするための駐輪場管理装置は、駐輪場の全体画像データを取得する全体画像取得手段1301と、二輪車画像及びヒト画像を入力教師データとしかつ二輪車情報及びヒト情報を出力教師データとして機械学習済みの第1の学習制御モデル1302を用いて全体画像データを入力データとして二輪車画像及びヒト画像を推定して抽出する二輪車画像/ヒト画像推定抽出手段1303と、二輪車画像が動画画像ときには該二輪車画像及び該二輪車画像と接触するヒト画像を日時と共に記録し、二輪車画像が動画画像から静止画像に変化したときには二輪車画像が存在する駐輪位置と共に該静止画像を日時と共に記録する第1の記録手段1304とを具備する。
【0056】
さらに、駐輪場管理装置は、二輪車/ヒト接触画像を入力教師データとしかつ二輪車/ヒト接触情報を出力教師データとして機械学習済みの第2の学習制御モデル1305を用いて全体画像データを入力データとして二輪車/ヒト接触画像を推定して抽出する二輪車/ヒト接触画像推定抽出手段1306を具備し、第1の記録手段1304は二輪車/ヒト接触画像の有無によって二輪車画像と該二輪車画像と接触していたヒト画像とが非接触と判別されたときのみに二輪車画像の静止画像を記録する。
【0057】
さらに、駐輪場管理装置は、駐車場の出入口画像データを取得する出入口画像取得手段1307と、出入口画像データを入力データとして第1の学習制御モデル1302を用いて出入口二輪車画像及び出入口ヒト画像を推定抽出する出入口二輪車画像/出入口ヒト画像推定抽出手段1308とを具備し、第1の記録手段1304は出入口二輪車画像及び出入口ヒト画像を二輪車画像及びヒト画像の入場画像又は退場画像として記録する。
【0058】
さらに、駐輪場管理装置は、推定抽出されたヒト画像を日時と共に記録する第2の記録手段1309を具備する。この第2の記録手段1309は、ヒト画像が静止画像のときには、ヒト画像が動画画像から静止画像に変化したときのみ記録する。
【0059】
尚、上述の実施の形態においては、記録される自転車の静止状態の画像データ数は少ないが、記録される自転車の動画状態の画像の数はメインルーチンの実行サイクル時間に依存する。メインルーチンの実行サイクル時間を長くするために、ダミーステップ又は遅延ステップを導入して動画状態の画像データ数を少なくでき、フラッシュメモリ124の記憶容量を小さくできる。
【0060】
また、出入口監視カメラ13、全体監視カメラ14を設けているが、全体監視カメラ14で出入口G近傍も撮像できるようにすれば、全体監視カメラ14は不要となる。すなわち、監視カメラは少なくとも1つ必要であり、適宜増加させることができる。
【0061】
さらに、駐輪場1は 出入口Gを設けているが、出入口Gを設けなくともよい。
【0062】
さらにまた、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内でいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る駐輪場管理装置は自転車に加えてバイク等の二輪車等にも利用できる。
【符号の説明】
【0064】
1:駐輪場
11-A、11-B、…、11-I:駐輪位置
12:駐輪場管理装置
13:出入口監視カメラ
14:全体監視カメラ
15:2次元コード看板
16:タッチパネル
17:満空看板
2:インタネット
3:情報端末
4:決済用サーバ
121:CPU
122:ROM
123:RAM
124:フラッシュメモリ
125:入出力インタフェイス
126:画像インタフェイス
127:通信インタフェイス
128、129:学習制御モデル
F:課金処理終了フラグ