(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158269
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】継電器
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20241031BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241031BHJP
H01H 45/12 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
H05K7/20 E
H01H45/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073330
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】辻 真也
(72)【発明者】
【氏名】小川 翔
(72)【発明者】
【氏名】小川 伊彦
(72)【発明者】
【氏名】綾戸 陽希
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB08
5E322FA04
5F136BA04
5F136BC05
5F136BC07
5F136DA41
5F136EA66
5F136FA01
5F136FA12
(57)【要約】
【課題】小型化可能な継電器を提供すること。
【解決手段】継電器が、板状の放熱部材を含むハウジングと、ハウジングの内部に収容され、第1方向に沿って放熱部材と並んで位置する発熱部材とを備える。放熱部材は、第1方向が厚さ方向となるように位置している。放熱部材の第1方向における一方側に位置する第1面が発熱部材に対向し、放熱部材の第1方向における第1面の反対側に位置する第2面が外部に露出している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の放熱部材を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容され、第1方向に沿って前記放熱部材と並んで位置する発熱部材と
を備え、
前記放熱部材は、前記第1方向が厚さ方向となるように位置しており、
前記放熱部材の前記第1方向における一方側に位置する第1面が、前記発熱部材に対向し、
前記放熱部材の前記第1方向における前記第1面の反対側に位置する第2面が、外部に露出している、継電器。
【請求項2】
前記放熱部材が、
前記第1面および前記第2面を有する板状の第1放熱部と、
前記第1面の前記第1方向に交差する第2方向における一方の端部から前記第1方向に沿って前記第1面から離れる方向に延びる第2放熱部と
を有する、請求項1に記載の継電器。
【請求項3】
前記ハウジングの内部に収容され、前記第1方向において前記発熱部材に対する前記放熱部材の反対側に位置する第1放熱シート部を備える、請求項1または2に記載の継電器。
【請求項4】
前記第1放熱シート部が、
前記発熱部材の前記第1方向において前記放熱部材に対向する面の反対側に位置する第3面のみに接触する第1シートと、
前記第1方向において前記第1シートよりも前記発熱部材から離れた位置に位置し、前記第1シートに接触すると共に、前記発熱部材の前記第3面および前記第3面に交差する第4面の一部を覆う第2シートと
を有する、請求項3に記載の継電器。
【請求項5】
前記発熱部材および前記放熱部材の前記第1面との間に位置する第2放熱シート部を備え、
前記第2放熱シート部が、
セラミックプレートと、
前記第1方向において前記セラミックプレートおよび前記発熱部材の間に位置する第3シートと
を有し、
前記セラミックプレートが前記第1面に接触し、前記第3シートが前記発熱部材に接触する、請求項1または2に記載の継電器。
【請求項6】
前記発熱部材が、
前記第1方向が厚さ方向となるように位置する基板と、
前記基板に設けられた発熱部と
を有し、
前記発熱部が、前記基板の第1方向において前記放熱部材に対向する面に位置している、請求項1または2に記載の継電器。
【請求項7】
前記発熱部がMOSFETである、請求項6に記載の継電器。
【請求項8】
前記ハウジングが金属で形成され、前記発熱部材で発生した熱を前記ハウジング全体で外部に放出可能に構成されている、請求項1または2に記載の継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ソリッドステートリレー装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のソリッドステートリレー装置は、小型化するという観点において改善の余地がある。
【0005】
本開示は、小型化可能な継電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の継電器は、
板状の放熱部材を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容され、第1方向に沿って前記放熱部材と並んで位置する発熱部材と
を備え、
前記放熱部材は、その厚さ方向が前記第1方向となるように位置しており、
前記放熱部材の前記第1方向における一方側に位置する第1面が、前記発熱部材に対向し、
前記放熱部材の前記第1方向における前記第1面の反対側に位置する第2面が、外部に露出している。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、小型化可能な継電器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図1の継電器の第1シート部を説明するための第1の斜視図。
【
図5】
図1の継電器の第1シート部を説明するための第2の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物および本開示の用途を制限することを意図するものではない。添付図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0010】
本開示の一実施形態の継電器1は、
図1および
図2に示すように、放熱部材20を含むハウジング10と、ハウジング10の内部に収容された発熱部材30とを備える。
図2に示すように、放熱部材20および発熱部材30は、第1方向(例えば、X方向)に沿って並んで位置している。
【0011】
本実施形態では、ハウジング10は、略直方体形状を有し、熱伝導性の高い金属で形成されている。ハウジング10は、放熱部材20を有する第1ハウジング部11と、放熱部材20を有していない第2ハウジング部12とで構成されている。第2ハウジング部12は、電線(図示せず)が接続される接続部13を複数有しており、第1ハウジング部11の第1方向Xに交差する第2方向(例えば、Z方向)における一方の端部に接続されている。第1ハウジング部11の第2方向Zにおける他方の端部には、継電器1をDINレール等の支持部材に取り付けるための取付部14が設けられている。
【0012】
放熱部材20は、例えば、ヒートシンクであり、略矩形の板状を有している。放熱部材20は、第1方向Xが厚さ方向となるように位置している。放熱部材20の第1方向Xにおける一方側に位置する第1面21が、発熱部材30に対向している。放熱部材20の第1方向Xにおける第1面21の反対側に位置する第2面22が、外部に露出している。第2面22には、複数の凹部23が設けられている。
【0013】
本実施形態では、放熱部材20は、
図2および
図3に示すように、第1放熱部201と第2放熱部202とを有している。第1放熱部201は、第1方向Xに沿って見た場合に略矩形の板状で、第1面21および第2面22を有している。第2放熱部202は、第2方向Zに沿って見た場合に略矩形の板状で、取付部14を保持可能に構成されている。第2放熱部202は、第1面21の第2方向Zにおける一方の端部から第1方向Xに沿って第1面21から離れる方向に延びている。第1放熱部201および第2放熱部202は、一体に形成されており、ハウジング10を構成する他の部材と共に、発熱部材30が収容されているハウジング10の内部空間16を画定している。
【0014】
発熱部材30は、
図2に示すように、基板31と、基板31に設けられた発熱部32とを有する。基板31は、例えば、第1方向Xに沿って見た場合に略矩形の板状で、第1方向Xが厚さ方向となるように位置している。発熱部32は、電子部品(例えば、MOSFET)であり、継電器1の内部回路の一部を構成している。本実施形態では、発熱部材30は、複数の発熱部32を有し、複数の発熱部32が、基板31の第1方向Xにおいて放熱部材20に対向する面311に位置している。
【0015】
図4に示すように、発熱部材30は、フレーム15を介してハウジング10に保持されている。フレーム15は、放熱部材20および基板31の間に位置している。つまり、各発熱部32は、フレーム15、放熱部材20および基板31で囲まれている。
【0016】
本実施形態では、継電器1は、ハウジング10の内部に収容された第1放熱シート部40および第2放熱シート部50を備える。第1放熱シート部40は、第1方向Xにおいて発熱部材30に対する放熱部材20の反対側に位置している。第2放熱シート部50は、発熱部材30および放熱部材20の第1面21との間に位置している。
【0017】
第1放熱シート部40は、一例として、絶縁性材料で形成されている。第1放熱シート部40は、
図2に示すように、第1シート41と第2シート42とを有する。
【0018】
第1シート41は、
図2および
図4に示すように、発熱部材30の第1方向Xにおいて放熱部材20に対向する面311の反対側に位置する第3面33のみに接触するように位置している。本実施形態では、第3面33は、基板31の第1方向Xの両側に位置する面のうち、面311とは反対側の面である。
【0019】
第2シート42は、
図2および
図5に示すように、第1方向Xにおいて第1シート41よりも発熱部材30から離れて位置している。第2シート42は、第1シート41に接触すると共に、第3面33と、第3面33に交差する第4面34の一部を覆っている。本実施形態では、第2シート42は、第4面34のうち、第1方向Xおよび第2方向Zに広がる面を覆っている。
【0020】
第2放熱シート部50は、一例として、絶縁性材料で形成されている。第2放熱シート部50は、
図2に示すように、セラミックプレート51と第3シート52とを有する。セラミックプレート51は、例えば、ファインセラミックスで形成され、放熱部材20の第2面22に接触している。第3シート52は、第1方向Xにおいてセラミックプレート51および発熱部材30の間に位置し、発熱部材30の発熱部32に接触する。
【0021】
継電器1は、次の効果を発揮できる。
【0022】
継電器1が、板状の放熱部材20を含むハウジング10と、ハウジング10の内部に収容され、第1方向に沿って放熱部材20と並んで位置する発熱部材30とを備える。放熱部材20は、第1方向が厚さ方向となるように位置している。放熱部材20の第1方向における一方側に位置する第1面21が、発熱部材30に対向し、放熱部材20の第1方向における第1面21の反対側に位置する第2面22が、外部に露出している。このような構成により、継電器1の第1方向のサイズを抑制しつつ、放熱性能を確保できるので、小型化可能な継電器1を実現できる。
【0023】
放熱部材20が、第1面21および第2面22を有する板状の第1放熱部201と、第1面21の第2方向における一方の端部から第1方向に沿って第1面21から離れる方向に延びる第2放熱部202とを有する。このような構成により、小型化可能な継電器1をより確実に実現できる。
【0024】
継電器1が、ハウジング10の内部に収容され、第1方向において発熱部材30に対する放熱部材20の反対側に位置する第1放熱シート部40を備える。このような構成により、継電器1の放熱性能を高めることができる。
【0025】
第1放熱シート部40が、第1シート41と第2シート42とを有する。第1シート41は、発熱部材30の第1方向において放熱部材20に対向する面311の反対側に位置する第3面33のみに接触する。第2シート42は、第1方向において第1シート41よりも発熱部材30から離れた位置に位置し、第1シート41に接触すると共に、発熱部材30の第3面33および第3面33に交差する第4面34の一部を覆う。このような構成により、継電器1の放熱性能をより確実に高めることができる。
【0026】
継電器1が、発熱部材30および放熱部材20の第1面21との間に位置する第2放熱シート部50を備える。第2放熱シート部50が、セラミックプレート51と、第1方向においてセラミックプレート51および発熱部材30の間に位置する第3シート52とを有する。セラミックプレート51が放熱部材20の第1面21に接触し、第3シート52が発熱部材30に接触する。このような構成により、継電器1の放熱性能を高めることができる。
【0027】
発熱部材30が、第1方向が厚さ方向となるように位置する基板31と、基板31に設けられた発熱部32とを有する。発熱部32が、基板31の第1方向において放熱部材20に対向する面311に位置している。このような構成により、継電器1の放熱性能を高めることができる。
【0028】
発熱部32がMOSFETである。このような構成により、発熱部材30から発生する熱量を抑制できる。
【0029】
ハウジング10が金属で形成され、発熱部材30で発生した熱をハウジング10全体で外部に放出可能に構成されている。このような構成により、継電器1の放熱性能を高めることができる。
【0030】
継電器1は、次のように構成することができる。
【0031】
ハウジング10は、前記実施形態に限らず、板状の放熱部材を含み、内部に発熱部材を収容可能な任意の構成を採用できる。
【0032】
放熱部材20は、第1放熱部201および第2放熱部202を有する場合に限らない。例えば、放熱部材20は、第1放熱部201のみで構成されていてもよい。
【0033】
発熱部材30は、基板31と発熱部32とを有する場合に限らず、他の任意の構成を採用できる。例えば、発熱部32が放熱部材20に対向する面311ではなく、第3面33に位置していてもよい。
【0034】
発熱部32は、MOSFETに限らず、サイリスタ等の他の電子部品であってもよい。
【0035】
ハウジング10は、金属で形成されている場合に限らず、他の材料で形成されていてもよい。
【0036】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。以下の説明では、一例として、参照符号を添えて記載する。
【0037】
本開示の第1態様の継電器1は、
板状の放熱部材20を含むハウジング10と、
前記ハウジング10の内部に収容され、第1方向に沿って前記放熱部材20と並んで位置する発熱部材30と
を備え、
前記放熱部材20は、前記第1方向が厚さ方向となるように位置しており、
前記放熱部材20の前記第1方向における一方側に位置する第1面21が、前記発熱部材30に対向し、
前記放熱部材20の前記第1方向における前記第1面21の反対側に位置する第2面22が、外部に露出している。
【0038】
本開示の第2態様の継電器1は、第1態様の継電器1において、
前記放熱部材20が、
前記第1面21および前記第2面22を有する板状の第1放熱部201と、
前記第1面21の前記第1方向に交差する第2方向における一方の端部から前記第1方向に沿って前記第1面21から離れる方向に延びる第2放熱部202と
を有する。
【0039】
本開示の第3態様の継電器1は、第1態様または第2態様の継電器1において、
前記ハウジング10の内部に収容され、前記第1方向において前記発熱部材30に対する前記放熱部材20の反対側に位置する第1放熱シート部40を備える。
【0040】
本開示の第4態様の継電器1は、第3態様の継電器1において、
前記第1放熱シート部40が、
前記発熱部材30の前記第1方向において前記放熱部材20に対向する面311の反対側に位置する第3面33のみに接触する第1シート41と、
前記第1方向において前記第1シート41よりも前記発熱部材30から離れた位置に位置し、前記第1シート41に接触すると共に、前記発熱部材30の前記第3面33および前記第3面33に交差する第4面34の一部を覆う第2シート42と
を有する。
【0041】
本開示の第5態様の継電器1は、第1~第4態様のいずれかの継電器1において、
前記発熱部材30および前記放熱部材20の前記第1面21との間に位置する第2放熱シート部50を備え、
前記第2放熱シート部50が、
セラミックプレート51と、
前記第1方向において前記セラミックプレート51および前記発熱部材30の間に位置する第3シート52と
を有し、
前記セラミックプレート51が前記第1面21に接触し、前記第3シート52が前記発熱部材30に接触する。
【0042】
本開示の第6態様の継電器1は、第1態様~第5態様のいずれかの継電器1において、
前記発熱部材30が、
前記第1方向が厚さ方向となるように位置する基板31と、
前記基板31に設けられた発熱部32と
を有し、
前記発熱部32が、前記基板31の第1方向において前記放熱部材20に対向する面311に位置している。
【0043】
本開示の第7態様の継電器1は、第6態様の継電器1において、
前記発熱部32がMOSFETである。
【0044】
本開示の第8態様の継電器1は、第1態様~第7態様のいずれかの継電器1において、
前記ハウジング10が金属で形成され、前記発熱部材30で発生した熱を前記ハウジング10全体で外部に放出可能に構成されている。
【0045】
本開示は、前述の様々な実施形態および変形例のうち、任意の実施形態および/または変形例を適宜組み合わせることができる。実施形態および/または変形例の組み合わせには、実施形態に含まれる構成および/または実施例に含まれる構成の組み合わせも含まれる。
【0046】
本開示は、添付図面を参照しながら前述の実施形態および/または変形例を通して充分に記載されているが、前述の実施形態および/または変形例は、本開示の全てを網羅したものではない。本開示の技術分野における当業者であれば、多くの修正および変形が可能である。このような変形および修正は、本開示の範囲から外れない限りにおいて、本開示に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示の継電器は、例えば、SSR(ソリッドステートリレー)として使用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 継電器
10 ハウジング
11 第1ハウジング部
12 第2ハウジング部
13 接続部
14 取付部
15 フレーム
16 内部空間
20 放熱部材
201 第1放熱部
202 第2放熱部
21 第1面
22 第2面
23 凹部
30 発熱部材
31 基板
311 面
32 発熱部
33 第3面
34 第4面
40 第1放熱シート部
41 第1シート
42 第2シート
50 第2放熱シート部
51 セラミックプレート
52 第3シート