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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158313
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】収縮ラベル用樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/00 20060101AFI20241031BHJP
   C09D 11/106 20140101ALI20241031BHJP
   G09F 3/04 20060101ALI20241031BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20241031BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20241031BHJP
   C08K 5/3412 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
C08L33/00
C09D11/106
G09F3/04 C
C08L83/04
C08L63/00 Z
C08K5/3412
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073427
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000105947
【氏名又は名称】サカタインクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 彰人
(72)【発明者】
【氏名】田淵 太基
(72)【発明者】
【氏名】北瀬 輝
(72)【発明者】
【氏名】木嶋 郁哉
(72)【発明者】
【氏名】北村 祐基
【テーマコード(参考)】
4J002
4J039
【Fターム(参考)】
4J002BB081
4J002BC041
4J002BF021
4J002BF031
4J002BG011
4J002CD013
4J002CD133
4J002CH023
4J002CP052
4J002DA027
4J002DA037
4J002DE097
4J002DE107
4J002DE117
4J002DE137
4J002DE147
4J002DE196
4J002DE246
4J002DF006
4J002DF036
4J002EC076
4J002EG046
4J002EU016
4J002FD097
4J002FD143
4J002FD146
4J002GG02
4J002GH01
4J002HA07
4J039AD09
4J039BE01
4J039BE12
4J039BE16
4J039BE19
4J039BE23
4J039BE25
4J039BE28
4J039CA06
4J039EA36
4J039FA02
4J039GA03
4J039GA09
(57)【要約】
【課題】得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる収縮ラベル用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】水性アクリル系樹脂エマルジョンと、カルボキシル基含有シリコーン化合物と、水性媒体とを含み、カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.1~1.1質量%である、収縮ラベル用樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性アクリル系樹脂エマルジョンと、カルボキシル基含有シリコーン化合物と、水性媒体とを含み、
前記カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.1~1.1質量%である、収縮ラベル用樹脂組成物。
【請求項2】
さらに顔料を含む、請求項1記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【請求項3】
さらに架橋剤を含む、請求項1または2記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【請求項4】
前記架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.5~6.5質量%である、請求項3記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【請求項5】
前記架橋剤は、エポキシ系架橋剤またはアジリジン系架橋剤のうち少なくともいずれか一方である、請求項3記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収縮ラベル用樹脂組成物に関する。より詳細には、本発明は、得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる収縮ラベル用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
収縮ラベルは、熱収縮性を有するプラスチックフィルムであり、熱収縮性を有するポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルムまたはポリオレフィン系フィルムなどを基材フィルムとする積層フィルムである。収縮ラベルは、様々な商品(例えば、PETボトル飲料、酒類、日用品、医薬品、食品飲料など)の容器に装着され、その商品の情報や意匠などを表示するラベルとして、広く使用されている。
【0003】
収縮ラベルは、熱収縮性を有するフィルムを容器に巻き付け、それを加熱することによって当該フィルムをシュリンク(熱収縮)させて、フィルムを容器に密着させることにより、容器に装着される。加熱方法は、蒸気式と熱風式とが知られている。蒸気式で行われる場合、収縮ラベルは、耐熱水性(蒸気などの熱水に曝されてもブロッキングが生じないこと)が求められる。
【0004】
近年、環境問題への対応のため、収縮ラベル用樹脂組成物は、ニス組成物として使用される場合、従来の溶剤性ニス組成物だけでなく水性ニス組成物が要望されている。一般に、水性ニスの塗膜は、溶剤性ニスの塗膜と比べて耐熱水性が低位となる傾向がある。そのため、水性ニス組成物は、収縮ラベル用途で使用する場合には、耐熱水性を向上させるために架橋剤を添加(2液化)して解決する技術が提案されている(たとえば、特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2020-501935号公報
【特許文献2】特許第7122482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1~2に記載のインキは、耐熱水性を向上させるために架橋剤を多く含む。そのため、得られる塗膜は、柔軟性が低下し、熱収縮後の白化が起こる。したがって、耐熱水性と白化性との両方が優れた性能を有する収縮ラベル用樹脂組成物は、いまだ知られていない。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる収縮ラベル用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。
【0009】
(1)水性アクリル系樹脂エマルジョンと、カルボキシル基含有シリコーン化合物と、水性媒体とを含み、前記カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.1~1.1質量%である、収縮ラベル用樹脂組成物。
【0010】
このような構成によれば、得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる。
【0011】
(2)さらに顔料を含む、(1)記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【0012】
このような構成によれば、収縮ラベル用樹脂組成物がインク組成物である場合において、得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる。
【0013】
(3)さらに架橋剤を含む、(1)または(2)記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【0014】
このような構成によれば、得られる塗膜の耐熱水性と白化性とのバランスが優れる。
【0015】
(4)前記架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.5~6.5質量%である、(3)記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【0016】
このような構成によれば、得られる塗膜の耐熱水性と白化性とのバランスが、より優れる。
【0017】
(5)前記架橋剤は、エポキシ系架橋剤またはアジリジン系架橋剤のうち少なくともいずれか一方である、(3)または(4)記載の収縮ラベル用樹脂組成物。
【0018】
このような構成によれば、得られる印刷物は、室温付近のマイルドな環境でエージングを行っても、高い耐性を発現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる収縮ラベル用樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<収縮ラベル用樹脂組成物>
本発明の一実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物は、水性アクリル系樹脂エマルジョンと、カルボキシル基含有シリコーン化合物と、水性媒体とを含む。カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.1~1.1質量%である。このような本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物は、得られる塗膜の接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる。そのため、収縮ラベル用樹脂組成物は、たとえば、上記特性を有する塗膜を形成し得るニス組成物として有用である。また、収縮ラベル用樹脂組成物は、適宜の顔料を含むことにより、上記特性を有する塗膜を形成し得るインク組成物として有用である。以下、それぞれについて説明する。
【0021】
(水性アクリル系樹脂エマルジョン)
水性アクリル系樹脂エマルジョンは、水性アクリル系樹脂が粒子状に乳濁安定化した状態の樹脂液をいう。水性アクリル系樹脂エマルジョンは特に限定されない。一例を挙げると、水性アクリル系樹脂エマルジョンは、エチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸誘導体共重合体エマルジョン、エチレン/(メタ)アクリル酸誘導体共重合体エマルジョン、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体エマルジョン、スチレン/(メタ)アクリル酸誘導体共重合体エマルジョン、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸誘導体エマルジョンなどを用いることができる。(メタ)アクリル酸誘導体は、アクリル酸および/またはメタクリル酸、これらのエステルなどの酸誘導体等である。
【0022】
(メタ)アクリル酸誘導体は、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。
【0023】
水性アクリル系樹脂エマルジョンが配合されることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、ニス組成物として使用される際に、オーバーコート層の接着性が優れる。また、収縮ラベル用樹脂組成物は、インク組成物として使用される際に、印刷層の接着性と耐ブロッキング性のバランスが優れる。
【0024】
水性アクリル系樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分の酸価は特に限定されない。一例を挙げると、酸価は、10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、酸価は、180mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であることにより、水性媒体へのエマルジョンの分散性と、収縮ラベル用樹脂組成物の安定性のバランスが優れる。なお、本実施形態において、酸価は、水性アクリル系樹脂エマルジョンを合成するために用いる単量体の組成に基づいて、水性アクリル系樹脂エマルジョン1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
【0025】
水性アクリル系樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、-30~150℃であることが好ましく、-25~120℃であることがより好ましい。Tgが上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、ニス組成物として使用される際に、オーバーコート層の耐熱性、接着性、柔軟性のバランスが優れる。また、収縮ラベル用樹脂組成物は、インク組成物として使用される際に、耐熱性、接着性、柔軟性のバランスが優れる。
【0026】
水性アクリル系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、水性アクリル系樹脂エマルジョンは、公知の製造方法により得られ、例えば、乳化剤の存在下に、重合開始剤を用いて、水または含水溶媒中で合成樹脂の原料となる重合性モノマーを乳化重合する方法などにより製造することができる。
【0027】
乳化剤は特に限定されない。一例を挙げると、乳化剤は、アニオン性、ノニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤やポリビニルアルコール等の保護コロイド等である。
【0028】
ニス組成物中に含まれる水性アクリル系樹脂エマルジョンの固形分量は特に限定されない。一例を挙げると、水性アクリル系樹脂エマルジョンの固形分量は、ニス組成物中、10.0~40.0質量%であることが好ましく、15.0~35.0質量%であることがより好ましい。水性アクリル系樹脂エマルジョンの固形分量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、ニス組成物として使用される際に、オーバーコート層の接着性と耐ブロッキング性とのバランスが優れる。また、収縮ラベル用樹脂組成物は、インク組成物として使用される際に、印刷層の接着性と耐ブロッキング性のバランスが優れる。
【0029】
(その他の水性樹脂エマルジョン)
本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物は、上記した水性アクリル系樹脂エマルジョンの一部を、適宜、その他の水性エマルジョンに置き換えてもよい。
【0030】
その他の水性樹脂エマルジョンは特に限定されない。一例を挙げると、その他の水性樹脂エマルジョンは、水性ウレタン系樹脂エマルジョン、水性アクリルウレタン系エマルジョン等である。
【0031】
水性ウレタン系樹脂エマルジョンとは、水性ウレタン系樹脂が粒子状に乳濁安定化した状態の樹脂液をいう。一例を挙げると、水性ウレタン系樹脂エマルジョンは、ポリエステル系ウレタン、ポリエーテル系ウレタン、ポリカーボネート系ウレタン等の樹脂エマルジョンである。
【0032】
水性ウレタン系樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分の酸価は特に限定されない。一例を挙げると、酸価は、10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、酸価は、60mgKOH/g以下であることが好ましく、50mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であることにより、水性媒体へのエマルジョンの分散性と、収縮ラベル用樹脂組成物の安定性のバランスが優れる。
【0033】
収縮ラベル用樹脂組成物中に含まれる水性ウレタン系樹脂エマルジョンの固形分量は特に限定されない。一例を挙げると、水性ウレタン系樹脂エマルジョンの固形分量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、10.0~40.0質量%であることが好ましく、15.0~35.0質量%であることがより好ましい。水性ウレタン系樹脂エマルジョンの固形分量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、ニス組成物として使用される際に、オーバーコート層の接着性と耐ブロッキング性とのバランスが優れる。また、収縮ラベル用樹脂組成物は、インク組成物として使用される際に、印刷層の接着性と耐ブロッキング性のバランスが優れる。
【0034】
水性アクリルウレタン系樹脂エマルジョンとは、水性アクリルウレタン系樹脂が粒子状に乳濁安定化した状態の樹脂液をいう。水性アクリルウレタン系樹脂とは、アクリル樹脂部とウレタン樹脂部とを含む樹脂である。アクリル樹脂部とウレタン樹脂部とを含む樹脂とは、アクリルユニットとウレタンユニットとの交互共重合体であってもよく、主鎖を構成するアクリル樹脂に側鎖としてウレタン樹脂が結合していてもよく、主鎖を構成するウレタン樹脂に側鎖としてアクリル樹脂が結合してもよい。例えば特開平4-103614号公報、特開平10-139839号公報等に記載の方法を参照して製造することができる。
【0035】
水性アクリルウレタン系樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分の酸価は特に限定されない。一例を挙げると、酸価は、5mgKOH/g以上であることが好ましく、25mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、酸価は、100mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であることにより、水性媒体へのエマルジョンの分散性と、収縮ラベル用樹脂組成物の安定性のバランスが優れる。
【0036】
収縮ラベル用樹脂組成物中に含まれる水性アクリルウレタン系樹脂エマルジョンの固形分量は特に限定されない。一例を挙げると、水性アクリルウレタン系樹脂エマルジョンの固形分量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、10.0~40.0質量%であることが好ましく、15.0~35.0質量%であることがより好ましい。水性アクリルウレタン系樹脂エマルジョンの固形分量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、ニス組成物として使用される際に、オーバーコート層の接着性と耐ブロッキング性とのバランスが優れる。また、収縮ラベル用樹脂組成物は、インク組成物として使用される際に、印刷層の接着性と耐ブロッキング性とのバランスが優れる。
【0037】
(カルボキシル基含有シリコーン化合物)
カルボキシル基含有シリコーン化合物は、ジメチルシリコーンオイルの側鎖の一部や、両末端または片末端のメチル基を、カルボキシル基を含む基により置換した化合物である。本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物は、シリコーン化合物の中でも、特にカルボキシル基含有シリコーン化合物を含む。これにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、得られる塗膜の耐熱水性、レベリング性が優れる。
【0038】
カルボキシル基含有シリコーン化合物の粘度は、25mm2/s以上であることが好ましく、50mm2/s以上であることがより好ましい。また、カルボキシル基含有シリコーン化合物の粘度は、3000mm2/s以下であることが好ましく、2500mm2/s以下であることがより好ましい。粘度が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、耐熱水性と白化性とのバランスが優れる。なお、本実施形態において、粘度は、キャノン-フェンスケ粘度計を用いて、JIS Z 8803:2011に基づいて、25℃にて測定することができる。
【0039】
カルボキシル基含有シリコーン化合物の比重は、0.92以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましい。また、カルボキシル基含有シリコーン化合物の比重は、1.03以下であることが好ましく、1.00以下であることがより好ましい。比重が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、印刷物の経時安定性が優れる。なお、本実施形態において、比重は、浮秤計を用いて、JIS Z 8804に基づいて測定することができる。
【0040】
カルボキシル基含有シリコーン化合物の屈折率は、1.37以上であることが好ましく、1.40以上であることがより好ましい。また、カルボキシル基含有シリコーン化合物の屈折率は、1.45以下であることが好ましく、1.42以下であることがより好ましい。屈折率が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、印刷物の経時安定性が優れる。なお、本実施形態において、屈折率は、デジタル屈折率計という装置(型番:RX-5000、販売者名:(株)アタゴ)を用いて、JIS K 0062に基づいて測定することができる。
【0041】
カルボキシル基含有シリコーン化合物の官能基当量は、500g/mol以上であることが好ましく、1000g/mol以上であることがより好ましい。また、カルボキシル基含有シリコーン化合物の官能基当量は、6000g/mol以下であることが好ましく、5000g/mol以下であることがより好ましい。官能基当量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、耐熱水性と適正な滑り性とを両立できる。
【0042】
カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.1質量%以上であればよく、0.2質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、1.1質量%以下であればよく、1.0質量%以下であることが好ましく、0.9質量%以下であることがより好ましい。カルボキシル基含有シリコーン化合物の含有量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、得られる塗膜の耐熱水性、白化性が優れる。なお、カルボキシル基含有シリコーン化合物は、GPCにより低分子量成分を採取し、1H-NMR分析、13C-NMR分析、LC-MS、GC-MSなどを組み合わせることにより、定量することができる。
【0043】
(水性媒体)
水性媒体は特に限定されない。一例を挙げると、水性媒体は、水、各種水溶性有機溶剤等である。
【0044】
水溶性有機溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性有機溶媒は、アルコールおよび多価アルコール系溶剤等であり、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジピロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジピロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等である。
【0045】
水性媒体の含有量は、ニス組成物中、50.0質量%以上であることが好ましく、60.0質量%以上であることがより好ましい。また、水性媒体の含有量は、ニス組成物中、90.0質量%以下であることが好ましく、80.0質量%以下であることがより好ましい。水性媒体の含有量が上記範囲内であることにより、ニス組成物は、洗浄性と乾燥性とのバランスが優れる。
【0046】
(任意成分)
本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物は、架橋剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、ワックス、粘度調整剤、重合禁止剤、溶剤、アンチブロッキング剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、増粘剤(チキソトロピー剤)、抗菌・防黴剤等を含んでもよい。
【0047】
(架橋剤)
架橋剤は特に限定されない。一例を挙げると、架橋剤は、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤、シランカップリング剤等である。これらの中でも、架橋剤は、エポキシ系架橋剤またはアジリジン系架橋剤のうち少なくともいずれか一方であることが好ましい。これにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、優れた耐熱水性と耐摩擦性を有する塗膜が得られる。
【0048】
架橋剤が配合される場合、架橋剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、架橋剤の固形分含有量は、架橋剤の種類によって適宜決定され得る。一例を挙げると、架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、6.5質量%以下であることが好ましく、6.0質量%以下であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、耐熱水性と白化性とのバランスが優れる。
【0049】
アジリジン系架橋剤は特に限定されない。一例を挙げると、アジリジン系架橋剤は、トリメチロールプロパントリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3-(1-(2-メチル)アジリジニルプロピオネート)]等である。
【0050】
アジリジン系架橋剤が用いられる場合、アジリジン系架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、アジリジン系架橋剤の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、4.5質量%以下であることが好ましく、4.0質量%以下であることがより好ましい。アジリジン系架橋剤の含有量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、耐熱水性と白化性とのバランスが優れる。
【0051】
エポキシ系架橋剤は特に限定されない。一例を挙げると、エポキシ系架橋剤は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するもの等であり、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等である。
【0052】
エポキシ系架橋剤が用いられる場合、エポキシ系架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、1.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。また、エポキシ系架橋剤の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、6.5質量%以下であることが好ましく、6.0質量%以下であることがより好ましい。エポキシ系架橋剤の含有量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、耐熱水性と白化性とのバランスが優れる。
【0053】
金属キレート系架橋剤は特に限定されない。一例を挙げると、金属キレート系架橋剤は、ジルコニウムキレート系、チタンキレート系、アルミニウムキレート系等である。これらの中でも、金属キレート系架橋剤は、ZrOCl2、ZrO(NO322ZrO(CO32、K2Zr(CO32(OH22、(NH42ZrO(CO32、(NH42Zr(CO32(OH22、ZrO(C2322、Zr(C2324、Zr(C5724、Zr(O-n-C493(C572)等のジルコニウムキレート系架橋剤であることが好ましい。
【0054】
ジルコニウムキレート系架橋剤が用いられる場合、ジルコニウムキレート系架橋剤の固形分含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、2.5質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。また、ジルコニウムキレート系架橋剤の含有量は、収縮ラベル用樹脂組成物中、6.5質量%以下であることが好ましく、6.0質量%以下であることがより好ましい。ジルコニウムキレート系架橋剤の含有量が上記範囲内であることにより、収縮ラベル用樹脂組成物は、耐熱水性と白化性とのバランスが優れる。
【0055】
(顔料)
顔料は、収縮ラベル用樹脂組成物がインク組成物である場合に、好適に配合される。顔料は特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、各種有機顔料、無機顔料である。有機顔料は、染料レーキ顔料、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジコ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料、フラバンスロン系顔料、キノフタロン系顔料、ピランスロン系顔料、インダンスロン系顔料等である。
【0056】
無機顔料は、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等である。
【0057】
顔料は、公知の表面処理剤により表面処理されたものであってもよい。
【0058】
イエロー顔料は、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、108、109、114、120、128、129、138、139、150、151、155、166、180、184、185、213等である。
【0059】
マゼンタ顔料は、C.I.Pigment Red 5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57、57:1、63:1、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、209、224、242、254、255、270、C.I.Pigment Violet 19等である。
【0060】
シアン顔料は、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、22、27、29、60等である。
【0061】
ブラック顔料は、カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7)等である。
【0062】
ホワイト顔料は、酸化チタン、酸化アルミニウム等である。ホワイト顔料は、アルミナ、シリカなどの種々の材料で表面処理されていてもよい。
【0063】
顔料の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、顔料の含有量は、インク組成物中、0.5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、顔料の含有量は、インク組成物中、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
【0064】
<収縮ラベル用樹脂組成物の調製方法>
本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、収縮ラベル用樹脂組成物は、各成分を全て添加して攪拌装置で攪拌混合して調製することができる。
【0065】
<シュリンクフィルム>
本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物が付与されるシュリンクフィルム(収縮性プラスチックフィルム)は特に限定されない。一例を挙げると、シュリンクフィルムは、収縮性ポリプロピレンフィルム、収縮性ポリ塩化ビニルフィルム、収縮性ポリエチレンフタレートフィルム等である。
【0066】
<収縮ラベル用樹脂組成物の印刷方法>
本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物を、シュリンクフィルムに印刷して印刷物を作製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、印刷物は、好ましくはグラビア印刷機もしくはフレキソ印刷機を用いることにより、収縮ラベル用樹脂組成物を、被印刷体である上記シュリンクフィルムに、印刷することによって得られる。印刷条件は、従来公知の条件が適宜採用される。
【0067】
印刷物には、本実施形態の収縮ラベル用樹脂組成物の塗膜が形成される。塗膜は、シュリンクフィルムに対する接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性が優れる。
【実施例0068】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。以下の実施例、比較例で使用した材料は次の通りである。表中の各成分および合計に関する欄の数値の単位は「質量%」である。
【0069】
本実施例で使用した原材料を以下に示す。
(アクリル樹脂A)
酸価50mgKOH/g、Tg=0℃、固形分37.0質量%
<アクリル樹脂Aの調製>
アクリル酸、メタクリル酸メチル、スチレンで構成された共重合体をアンモニア水で溶解させた水溶液を高分子乳化剤として得た。次いで、コア部を形成するために、メタクリル酸メチル、2-エチルヘキシルアクリレート、ジアセトンアクリルアミドを添加し、常法により乳化重合した。その後、得られたアクリル系エマルジョン溶液に、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)を1質量%添加することにより、アクリル系エマルジョン液(アクリル樹脂A)を調製した。
(水溶性アクリル樹脂)
Joncryl HPD 196:BASF社製、酸価200mgKOH/g、固形分36.0質量%
ハイロス-X DL-4036:星光PMC(株)製、酸価80mgKOH/g、固形分20.7質量%
(シリコーン化合物)
・カルボキシル基含有シリコーン化合物
X-22-162C:信越化学工業(株)製、両末端変性、粘度(25℃):220mm2/s、比重:0.98、屈折率:1.406、官能基当量:2300g/mol
X-22-3701E:信越化学工業(株)製、側鎖変性、粘度(25℃):2000mm2/s、比重:0.98、屈折率:1.409、官能基当量:4000g/mol
X-22-3710:信越化学工業(株)製、片末端変性、粘度(25℃):60mm2/s、比重:0.97、屈折率:1.412、官能基当量:1450g/mol
・アミノ変性シリコーン化合物
KF-865:信越化学工業(株)製、側鎖変性、粘度(25℃):110mm2/s、比重:0.97、屈折率:1.405、官能基当量:5000g/mol
(架橋剤)
デナコールEX-614B:エポキシ系架橋剤、ナガセケムテックス(株)製、固形分100質量%
SU-125F:アジリジン系架橋剤、明成化学工業(株)製、固形分20質量%
(その他)
サーフィノール104E:レベリング剤、日信化学工業社製、固形分50質量%
TEGO Foamex825:消泡剤、EVONIK社製、固形分20質量%
ケミパールW-401:ワックス、三井化学(株)製、固形分40質量%
SNシックナー601:粘度調整剤、サンノプコ(株)製、固形分40質量%
【0070】
<実施例1~15、比較例1~9>
(収縮ラベル用樹脂組成物の調製)
表1~表2に示される処方にしたがって、各材料を攪拌混合し、それぞれの収縮ラベル用樹脂組成物を調製した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
得られた収縮ラベル用樹脂組成物を用いて印刷物サンプルを作製し、以下の評価を行った。結果を表1~表2に示す。
【0074】
<印刷物サンプルの作製>
収縮性PETフィルム(東洋紡(株)製、SP809#40μm)に、それぞれの収縮ラベル用樹脂組成物を、プルーファーにてWet塗布量で4.0g/m2となるよう塗布し、乾燥して、印刷物サンプルを作製した。
【0075】
<接着性>
印刷物サンプルのオーバーコート層(ニス面)にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときのオーバーコート層の剥離する度合いから、以下の評価基準に沿って接着性を評価した。
(評価基準)
○:オーバーコート層の基材フィルムからの剥離割合は、面積比率で5%未満であった。
△:オーバーコート層の基材フィルムからの剥離割合は、面積比率で5%以上30%未満であった。
×:オーバーコート層の基材フィルムからの剥離割合は、面積比率で30%以上であった。
<耐摩擦性>
印刷物サンプルのオーバーコート層(ニス面)を、摩擦子にKライナーを用い、学振試験機(大栄科学精機製作所)にて荷重500gで1000回往復し、オーバーコート層の脱落した度合いから耐摩擦性を評価した。
(評価基準)
○:オーバーコート層の脱落がなかった。
△:オーバーコート層の脱落が、面積比率で50%未満であった。
×:オーバーコート層の脱落が、面積比率で50%以上であった。
<耐熱水性>
印刷面が外面になるように印刷物サンプルを市販PETボトル(500ml角ボトル)に巻き付け、90℃の熱水に曝して印刷物サンプルを収縮させることでボトルに装着した。印刷物サンプルを装着したPETボトルの内部に90℃の熱水を充填し、水で濡れているPETボトル同士を密着させた状態で積み上げた。その状態で30分間自然冷却した後、内容物の水を除去し、40℃オーブン中にて乾燥させた。乾燥後、印刷物のブロッキングの有無で、耐熱水性を評価した。
(評価基準)
○:ブロッキングが全く確認されなかった。
△:ブロッキングが一部確認された。
×:かなりのブロッキングが認められた。
<白化性>
印刷物サンプルの両端をステンレス板に固定し、90℃熱水に20秒浸漬して、収縮、乾燥させた。ヘイズメーターを使用して50%収縮させた印刷物のヘイズ値を測定し、白化性を評価した。
(評価基準)
○:ヘイズ値が50未満であった。
△:ヘイズ値が50以上70未満であった。
×:ヘイズ値が70以上であった。
<滑り性>
(株)島津製作所製オートグラフAGS-500Bを使用し、静止、動摩擦係数を測定した。200gの錘に1つの印刷物サンプルを印刷面が外側を向くように装着し、試験台に別の印刷物サンプルを印刷面が外側を向くように固定した。錘を試験台上に穏やかに置き、試験機を始動させ、引張り速度100mm/minで引いた。静止摩擦力は始動直後に記録された最大値として、動摩擦力は錘が動いている間の記録値の平均値として観測した。静止および動摩擦係数は、観測された静止および動摩擦力を用いて以下の式で計算し、滑り性を評価した。
(摩擦係数)=(摩擦力)/(錘の重さ)
(評価基準)
○:静止および動摩擦係数の値が0.20以上0.30未満であった。
△:静止および動摩擦係数の値が0.15以上0.20未満または0.30以上0.50未満であった。
×:静止および動摩擦係数の値が0.15未満または0.50以上であった。
<レベリング性>
印刷物サンプルを観察し、塗布部においてニスが滑らかに広がっていないことによる印刷ムラを評価した。
(評価基準)
○:ムラが全く確認されなかった。
△:わずかなムラが確認された。
×:かなりのムラが確認された。
【0076】
表1に示されるように、本発明の実施例1~15の収縮ラベル用樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、優れた接着性、耐摩擦性、耐熱水性、白化性、滑り性およびレベリング性を示した。