(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158318
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】無線通信制御装置および無線通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0453 20230101AFI20241031BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20241031BHJP
H04M 1/72457 20210101ALI20241031BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241031BHJP
【FI】
H04W72/0453
G08G1/123 A
H04M1/72457
H04W84/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073433
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100183760
【弁理士】
【氏名又は名称】山鹿 宗貴
(72)【発明者】
【氏名】関澤 哲
【テーマコード(参考)】
5H181
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF10
5H181FF27
5H181FF33
5K067AA21
5K067CC02
5K067EE02
5K067EE16
5K067JJ04
5K127AA21
5K127BA03
5K127BA10
5K127DA12
5K127GA26
5K127HA11
5K127JA14
(57)【要約】
【課題】使用が許可された周波数帯域が異なる地域間を移動する場合にも、無線通信部の使用帯域を適切に設定すること。
【解決手段】使用する電波信号の周波数帯域を切換えて通信を行なうことが可能な無線通信部を制御する無線通信制御装置であって、複数の地域のそれぞれについて使用が許可された周波数帯域の情報を記憶する周波数帯域記憶部と、異なる地域への無線通信部の移動を推定する推定部と、推定部による推定結果に基づいて、周波数帯域記憶部に記憶された周波数帯域のなかから、無線通信部で使用する使用帯域を設定する設定部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用する電波信号の周波数帯域を切換えて通信を行なうことが可能な無線通信部とともに移動し、前記無線通信部を制御する無線通信制御装置であって、
複数の地域のそれぞれについて使用が許可された周波数帯域の情報を記憶する周波数帯域記憶部と、
異なる前記地域への前記無線通信部の移動を推定する推定部と、
前記推定部による推定結果に基づいて、前記周波数帯域記憶部に記憶された周波数帯域のなかから、前記無線通信部で使用する使用帯域を設定する設定部と、を備える、
無線通信制御装置。
【請求項2】
前記無線通信部が、現在属する第1の前記地域から、前記第1の地域と隣接する第2の前記地域へ移動すると推定されると、前記設定部は、前記使用帯域を、前記第1の地域と前記第2の地域の両方で使用可能な共通帯域に設定する、
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項3】
前記無線通信部が前記第1の地域から前記第2の地域へ移動すると推定されたとき、前記使用帯域を前記共通帯域に設定するか否かをユーザに問合せる問合せ部を更に備え、
前記設定部は、前記問合せに対するユーザ操作に応じて前記使用帯域を設定する、
請求項2に記載の無線通信制御装置。
【請求項4】
前記使用帯域を前記共通帯域に設定した後に前記第1の地域から前記第2の地域へ移動したと推定されると、前記設定部は、前記第2の地域で使用が許可された周波数帯域のなかから任意の周波数帯域を、前記使用帯域として設定する、
請求項2に記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
前記無線通信部が、現在属する第1の前記地域から、前記第1の地域と隣接する第2の前記地域へ移動したと推定されると、前記設定部は、前記使用帯域を、前記第2の地域で使用が許可された周波数帯域に設定する、
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項6】
前記地域の境界を示す情報を記憶する境界記憶部と、
目的地までの経路の情報を取得する経路取得部と、を更に備え、
前記経路が、前記無線通信部の現在位置が属する第1の地域から、前記境界を跨いで前記第1の地域と隣接する第2の前記地域へ延びる場合、前記推定部は、前記無線通信部が前記第1の地域から前記第2の前記地域へ移動すると推定する、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の無線通信制御装置。
【請求項7】
前記地域の境界を示す情報を記憶する境界記憶部と、
前記無線通信部の移動方向を取得する移動方向取得部と、を更に備え、
前記推定部は、前記無線通信部の現在位置が属する第1の地域から前記境界を跨いで前記第1の地域と隣接する第2の前記地域へ移動することを、前記現在位置および前記移動方向を用いて算出される前記現在位置と前記境界との距離に基づいて推定する、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の無線通信制御装置。
【請求項8】
使用する電波信号の周波数帯域を切換えて通信を行なうことが可能な無線通信部とともに移動する装置で実行され、前記無線通信部を制御するための無線通信制御プログラムであって、
複数の地域のそれぞれについて使用が許可された周波数帯域の情報を記憶する周波数帯域記憶部を含むコンピュータに、
異なる前記地域への前記無線通信部の移動を推定し、
推定結果に基づいて、前記周波数帯域記憶部に記憶された周波数帯域のなかから、前記無線通信部で使用する使用帯域を設定する、処理を実行させる、
無線通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信制御装置および無線通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外での使用が許可された無線LAN(Wi-Fi(登録商標))の周波数帯域が国または地域によって異なる。無線通信を屋外で行うにあたり、その国または地域のレギュレーションに違反しないように、適切な周波数帯域を設定する必要がある。
【0003】
例えば特許文献1に、適切な周波数帯域を設定可能な無線通信装置の具体的構成が記載されている。特許文献1に記載の無線通信装置は、現在属する国を特定し、特定された国をキーとしてデータベースを検索し、その国で使用が許可された周波数帯域の情報を取得し、取得された周波数帯域で無線通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような無線通信装置を搭載した車両等の移動体が国境を跨いで移動することがある。この場合に、もともと居た国で使用していた周波数帯域を無線通信装置が越境後も継続して使用すると、その国のレギュレーションに違反することがある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑み、使用が許可された周波数帯域が異なる地域間を移動する場合にも、無線通信装置の使用帯域を適切に設定することができる無線通信制御装置および無線通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る無線通信制御装置は、使用する電波信号の周波数帯域を切換えて通信を行なうことが可能な無線通信部を制御する装置であり、複数の地域のそれぞれについて使用が許可された周波数帯域の情報を記憶する周波数帯域記憶部と、異なる地域への無線通信部の移動を推定する推定部と、推定部による推定結果に基づいて、周波数帯域記憶部に記憶された周波数帯域のなかから、無線通信部で使用する使用帯域を設定する設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、使用が許可された周波数帯域が異なる地域間を移動する場合にも、無線通信部の使用帯域を適切に設定することができる無線通信制御装置および無線通信制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車載器の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る車載器に記憶された周波数帯域DB(Data Base)の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る車載器の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態において車載器が実行する周波数帯域設定処理1のフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態において車載器が実行する周波数帯域設定処理2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、本発明の一実施形態に係る無線通信制御装置および無線通信制御プログラムに関する。なお、共通の、または対応する要素については、同一または類似の符号を付して、重複する説明を適宜簡略または省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る車載器1の構成を示すブロック図である。車載器1は、使用する電波信号の周波数帯域を切換えて通信を行なうことが可能な無線通信部17(後述)を制御する無線通信制御装置の一例である。また、車載器1は、本発明の一実施形態に係る無線通信制御方法および無線通信制御プログラムを実行するコンピュータの一例である。
【0012】
車載器1は、移動体の一例である車両に搭載されており、例えばIVI(In-Vehicle Infotainment)の一部をなす。なお、本発明の一実施形態に係る無線通信制御装置は、移動体に設置された装置に限らない。無線通信制御装置は、スマートフォン、モバイル型無線LAN(Local Area Network)ルータなど、無線LANの親機として動作可能なモバイル装置であってもよい。
【0013】
図1に示されるように、車載器1は、メインECU(Engine Control Unit)10、記憶部11、操作部12、表示部13、音声部14、通信インタフェース15、TCU(Telematics Control Unit)16、無線通信部17、ナビゲーション部20を含む。
【0014】
メインECU10は、例えば、LSI(Large Scale Integration)として構成されており、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備える。
【0015】
メインECU10は、RAMのワークエリアに展開されたプログラムを実行する。メインECU10により実行されるプログラムには、メインECU10に組み込まれた周波数帯域設定プログラム100が含まれる。
【0016】
メインECU10は、例えばシングルプロセッサまたはマルチプロセッサであり、少なくとも1つのCPUを含む。複数のCPUを含む構成とした場合、メインECU10は、単一の装置としてパッケージ化されたものであってもよく、車載器1内で物理的に分離した複数の装置で構成されてもよい。
【0017】
記憶部11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置やフラッシュメモリである。記憶部11には、周波数帯域設定プログラム100を含む、メインECU10により実行される様々なプログラムデータ113のほか、地図データ111、周波数帯域DB112が記憶される。
【0018】
地図データ111は、例えば、緯度および経度に基づいて地球全土をメッシュで分割した地域メッシュのデータ構造を持つ。各メッシュは、属性情報として、当該メッシュが位置する「地域」の情報を含む。なお、地図データ111に、海のデータは含まれなくてもよいが、フェリーでの移動を想定して、領海や排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)に関するデータを含んでもよい。
【0019】
本実施形態において、「地域」は、例えば、屋外での使用が許可された無線LANの周波数帯域が完全に同じエリア全体を示す。以下では、便宜上「屋外での使用が許可された無線LANの周波数帯域の取り決め」を「レギュレーション」と記す。
【0020】
すなわち、地球全土をレギュレーションが同じエリア毎に区画したものが「地域」である。したがって、例えば、1つの国が1つの地域をなす場合があり、また、レギュレーションが同じで隣接する2以上の国(例えば複数のEU(European Union)加盟国)が1つの地域をなす場合もある。
【0021】
香港、台湾なども一つの地域を構成する。但し、本実施形態では、「地域」は、あくまで、地球全土をレギュレーションが同じエリア毎に区画したものであり、政治または行政上の領域とは明確に区別される。
【0022】
隣接する2つのメッシュにおいて、属性情報として異なる地域が付加される場合、これらのメッシュの境界に対応する緯度・経度の情報が地域の境界(一例として国境)を示す。言い換えると、このようなメッシュの境界は、レギュレーションが異なる地域の境界を示す。
【0023】
なお、地域の境界を示す情報は、リンクとノードで構成されてもよい。
【0024】
このように、記憶部11は、地域の境界を示す情報を記憶する境界記憶部の一例である。
【0025】
図2は、周波数帯域DB112の一例を示す。周波数帯域DB112には、複数の地域のそれぞれについて屋外での使用が許可された無線LANの周波数帯域の情報が登録される。
図2中、「〇」は、当該地域において、その周波数帯域の屋外での使用が許可されていることを示す。「×」は、当該地域において、その周波数帯域の屋外での使用が許可されていないことを示す。一例として、地域Aのレコードには、6GHz以外の周波数帯域の屋外での使用が許可されていることを示す情報が登録される。
【0026】
このように、記憶部11は、複数の地域のそれぞれについて屋外での使用が許可された周波数帯域の情報を記憶する周波数帯域記憶部の一例である。
【0027】
操作部12は、メカニカル方式、静電容量無接点方式、メンブレン方式等のスイッチ、ボタン、ノブ、ホイール等の操作子を含む。ユーザは、操作部12を介して車載器1を操作することができる。
【0028】
表示部13は、各種画面を表示する装置であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイを含む。表示部13は、タッチパネルを含む構成としてもよい。ユーザは、タッチパネルを介して車載器1を操作することができる。この場合、タッチパネルが操作部12の一部をなす。
【0029】
音声部14は、例えばスピーカ等の出力部を含む。音声部14は、例えばナビゲーション用の音声を出力する。
【0030】
通信インタフェース15は、メインECU10とTCU16とを接続する。
【0031】
TCU16は、メインECU10からのリクエストに応じて車載器1と外部ネットワークとをモバイルデータ通信網を介して接続する。TCU16を用いた無線通信により、メインECU10は、インターネットにアクセスすることができ、例えば、ニュースや音楽などのインフォテイメントをユーザに提供したり、事故発生時に車両緊急通報システムを利用して位置情報などを救急センタに送ったり、OTA(Over The Air)技術を用いてメインECU10のファームウェア、記憶部11の地図データ111、周波数帯域DB112、プログラムデータ113などを更新したりする。
【0032】
無線通信部17は、無線LANの親機であり、子機との間で無線LAN規格に準拠した無線通信を行う。無線通信部17と通信可能な子機は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、携帯ゲーム機などの各種モバイル装置である。また、無線通信部17は、子機になることもできるように構成してもよい。その場合、無線通信部17は、TCU16を介さずに、別途外部ネットワークへのアクセス手段を有する他の親機と接続することができる。また、本実施形態では、無線通信部17は、1つの車載器1の一部となっているが、1つの装置として構成されていてもよい。
【0033】
ユーザは、無線通信部17と接続されたモバイル装置を用いて、例えば外部ネットワークにアクセスすることができる。ユーザは、操作部12またはタッチパネルを操作して、無線通信部17の無線通信機能を有効または無効に設定することができる。
【0034】
ナビゲーション部20は、ナビゲーションECU21、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部22、車両情報取得部23を含む。
【0035】
GNSS受信部22は、複数のGNSS衛星より受信したGNSS信号に基づいて、無線通信部17を含む車両の現在位置を測定するモジュールである。GNSS受信部22は、所定の時間間隔(例えば1秒間毎)で現在位置を測定し、測定結果をナビゲーションECU21に出力する。
【0036】
このように、GNSS受信部22は、無線通信部17を搭載した車載器1の現在位置を検知する位置検知部の一例である。
【0037】
ナビゲーションECU21は、メインECU10と協働して、記憶部11に記憶された地図データ111をレンダリングして地図を表示部13に表示させるとともにGNSS受信部22より測定された現在位置を取得し、自車位置を示すマークを、取得された現在位置であって、表示部13に表示されている地図の道路上の位置に重ねる(マップマッチングする)。
【0038】
車両情報取得部23は、例えば、車両の水平面における方位に関する角速度を計測するジャイロセンサ、車両の左右の駆動輪の回転速度を検出する車速センサなどのDR(Dead Reckoning)センサを含む。車両情報取得部23は、ナビゲーション部20ではなく他の車載装置に設けられてもよい。車両情報取得部23は、他の車載装置から車両の通信インタフェースを介して、車速情報やセンサデータを取得してもよい。
【0039】
ナビゲーションECU21は、車両情報取得部23より取得される情報から現在位置を推定することもできる。ナビゲーションECU21は、GNSS受信部22より取得される現在位置と、車両情報取得部23より取得される情報に基づいて推定された現在位置の両方を比較したうえで、最終的な現在位置を決定してもよい。
【0040】
ナビゲーションECU21は、地図データ111にアクセスして、現在位置からユーザ操作により設定された目的地までの経路を例えばダイクストラ法で探索し、探索された経路を設定する。ナビゲーションECU21は、経路案内の実行時、表示部13に表示されている地図内の経路を強調表示させる。ナビゲーションECU21は、現在位置を定期的に取得し、取得された現在位置とマッチする地図を表示部13に表示させるとともに、経路案内用の音声信号を音声部14で適時に再生させる。現在位置が経路から外れた場合、ナビゲーションECU21は、経路の再探索および再設定を行う。
【0041】
ナビゲーション部20は、1つの車載器1の一部となっているが、1つの別の装置として構成されてもよい。この場合、地図データ111もナビゲーション部20に設けられた記憶部に置かれる。メインECU10は、別途設けられた通信手段およびナビゲーションECU21を介して地図データ111にアクセスすることになる。
【0042】
また、ナビゲーションECU21は、例えば、TCU16を用いた無線通信により、インターネット上の所定の地図サーバに定期的に接続し、最新の地図データ111をダウンロードすることができる。
【0043】
車載器1は、
図1に示されていない他の構成を備えていてもよい。また、
図1の例では、メインECU10とナビゲーションECU21が別個独立したECUとして構成されるが、別の実施形態では、メインECU10とナビゲーションECU21は、単一のECUとして構成されてもよい。また、ナビゲーション部20は、そこで実行されるプログラムを記憶する記憶部(図示しない)を有する。この記憶部は、ナビゲーションECU21内にあってもよい。すなわち、無線通信制御装置の一例である車載器1の態様には自由度があり、各種の設計変更が可能である。
【0044】
周波数帯域設定プログラム100は、複数の地域のそれぞれについて屋外での使用が許可された無線LANの周波数帯域の情報を記憶する記憶部11(周波数帯域DB112)を含むコンピュータの一例である車載器1に、異なる地域への無線通信部17の移動を推定し、推定結果に基づいて、周波数帯域DB112に記憶された周波数帯域のなかから、無線通信部17で使用する使用帯域を設定する、という一連の処理を実行させる。これにより、例えば車両が国境を跨いで移動する場合にも、無線通信部17は、それぞれの国で、それぞれの国のレギュレーションに適合した周波数帯域で無線通信を行うことができる。
【0045】
各地域のレギュレーションは、法整備に伴い変わることがある。そこで、メインECU10は、TCU16を用いた無線通信により、外部ネットワーク上の所定のサーバに定期的に接続して最新のレギュレーションをダウンロードし、周波数帯域DB112を適宜更新してもよい。これにより、レギュレーションに変更があった場合にも、無線通信部17は、それぞれの国で、それぞれの国のレギュレーションに適合した周波数帯域で無線通信を行うことができる。
【0046】
なお、TCU16を介さずに、無線通信部17を子機に切換えて他の親機と接続することにより、当該他の親機を介して最新のレギュレーションをダウンロードしてもよい。
【0047】
図3は、車載器1の機能ブロック図である。車載器1は、
図3に示されるように、機能ブロックとして、経路取得部110、移動方向取得部120、移動推定部130、設定問合せ部140、移動問合せ部150、使用帯域設定部160を含む。各機能ブロックは、メインECU10が記憶部11から読み出した周波数帯域設定プログラム100(プログラムデータ113に含まれる)を実行することにより実現される。各機能ブロックは、一部または全部が専用の論理回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0048】
経路取得部110は、ナビゲーションECU21により探索された目的地までの経路の情報を取得する。経路の情報は、例えばノードとリンクで構成される。
【0049】
移動方向取得部120は、無線通信部17の移動方向を取得する。この移動方向は、ナビゲーションECU21が、GNSS測位結果とDRセンサによる測位結果の少なくとも一方に基づいて検知する。例示的には、ナビゲーションECU21は、直近で取得した所定数の現在位置の時系列での並び順から、無線通信部17を含む車両の移動方向を検知したり、ジャイロセンサの測定値に基づいて、この移動方向を検知したりできる。
【0050】
移動推定部130は、異なる地域への無線通信部17の移動を推定する推定部の一例である。
【0051】
例示的には、経路取得部110により取得された経路が、現在位置が属する地域(第1の地域の一例)から、国境などの境界を跨いで第1の地域と隣接する地域(第2の地域の一例)へ延びる場合、移動推定部130は、無線通信部17が第1の地域から第2の地域へ移動すると推定する。
【0052】
また、移動推定部130は、第1の地域から境界を跨いで第2の地域へ移動することを、無線通信部17を含む車両の現在位置と、第1の地域と第2の地域との境界と、の距離に基づいて、推定することもできる。この距離は、後に例示を説明するが、ナビゲーションECU21より取得した現在位置と無線通信部17の移動方向を用いて算出される。
【0053】
設定問合せ部140は、問合せ部の一例であり、無線通信部17が第1の地域から第2の地域へ移動すると推定されたとき、無線通信部17で使用する使用帯域を、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域に設定するか否かをユーザに問合せる。なお、設定問合せ部140は省略してもよい。設定の変更をユーザに問い合わせることなく、そのまま設定の変更を行ってもよい。
【0054】
例えば車両が国境付近で国境方面に走行(言い換えると、第1の地域に属する車両が第2の地域との境界付近で第2の地域に向かって走行)する場合でも、ユーザが国境手前の街に用事があるなど、ユーザが越境を予定しているとは限らない。
【0055】
このようなケースに鑑み、設定問合せ部140は、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域の設定の可否、言い換えると、ユーザに越境の意思があるか否かを問合せる。これにより、無線通信部17で使用する使用帯域が不用意に設定変更されることが防がれ、また、現在属する第1の地域で使用するのに最適な周波数帯域が使用帯域として設定されやすくなる。
【0056】
移動問合せ部150は、無線通信部17の使用帯域を第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域に設定後、無線通信部17を含む車両が第2の地域に居続けるか否かをユーザに問合せる。移動問合せ部150は、車両が第2の地域へ移動したか否かを問合せてもよい。
【0057】
電波状況によっては、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域では十分な伝送速度を確保できない場合がある。そこで、移動問合せ部150は、第2の地域への車両の移動が完了したか否かをユーザに問合せる。車両が第2の地域へ移動したことをユーザが回答した場合、例えば、第2の地域での使用が許可された周波数帯域のなかから任意の周波数帯域(例えば最も速い伝送速度を確保できる周波数帯域)を無線通信部17の使用帯域として設定することができる。
【0058】
使用帯域設定部160は、移動推定部130による推定結果に基づいて、記憶部11に記憶された周波数帯域のなかから、無線通信部17で使用する使用帯域を設定する設定部の一例である。これにより、例えば車両が国境を跨いで移動する場合にも、無線通信部17は、それぞれの国で、それぞれの国のレギュレーションに適合した周波数帯域で無線通信を行うことができる。
【0059】
図4、5のそれぞれに、本発明の一実施形態においてメインECU10が実行する周波数帯域設定プログラム100により実現される周波数帯域設定処理1、2のフローチャートを示す。
【0060】
無線通信部17の無線通信機能が有効でかつナビゲーションECU21により目的地までの経路が設定されると、
図4の周波数帯域設定処理1の実行が開始される。無線通信部17の無線通信機能が有効でかつナビゲーションECU21により目的地までの経路が設定されていない状態では、
図5の周波数帯域設定処理2の実行が開始される。これらの周波数帯域設定処理は、例えば、車載器1の動作中、定期的に実行される。
【0061】
【0062】
周波数帯域設定処理1において、メインECU10は、ナビゲーションECU21により探索された目的地までの経路の情報を取得する(ステップS101)。
【0063】
このように、ステップS101において、メインECU10は、目的地までの経路の情報を取得する経路取得部110として動作する。
【0064】
メインECU10は、異なる地域への無線通信部17の移動を推定する(ステップS102)。
【0065】
具体的には、メインECU10は、ナビゲーションECU21により測定された現在位置を取得する。メインECU10は、取得された現在位置が属するメッシュに付加された地域の属性情報を参照し、無線通信部17を含む車両が現在属する地域を特定する。
【0066】
ステップS101で取得された経路が、現在位置が属する第1の地域から、国境などの境界を跨いで第1の地域と隣接する第2の地域へ延びる場合、メインECU10は、無線通信部17が第1の地域から第2の地域へ移動すると推定する(ステップS102:YES)。この場合、ステップS103の処理に進む。
【0067】
ステップS101で取得された経路が、現在位置が属する第1の地域から隣接する何れの地域にも延びない場合、メインECU10は、無線通信部17が第1の地域から移動しないと推定する(ステップS102:NO)。この場合、本フローチャートの処理が終了する。もしくは
図5のチャートへ遷移してもよい。
【0068】
このように、ステップS102において、メインECU10は、異なる地域への無線通信部17の移動を推定する移動推定部130として動作する。
【0069】
ステップS103において、メインECU10は、周波数帯域DB112に登録された第1の地域および第2の地域のレコードを参照して、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域を検知する。
【0070】
例えばステップS101で取得された経路が地域Aから地域Bへ延びる場合を説明する。この場合、メインECU10は、周波数帯域DB112に登録された地域Aと地域Bのレコードを参照して、2.4GHzと5.6GHzを両地域の共通帯域として検知する(ステップS103:YES)。
【0071】
共通帯域が検知されると(ステップS103:YES)、メインECU10は、無線通信部17で使用する使用帯域を、ステップS103で検知された共通帯域に設定する(ステップS104)。
【0072】
共通帯域が複数検知された場合、例えば、電波干渉がより少なく、また、伝送速度がより速い共通帯域が無線通信部17の使用帯域として設定される。一例として、2.4GHzと5.6GHzが共通帯域として検知されると、メインECU10は、5.6GHzを無線通信部17の使用帯域として設定する。なお、5.6GHzの電波状況が悪くなって伝送速度が所定値未満に低下すると、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を、もう一つの共通帯域である2.4GHzに切り替えてもよい。
【0073】
メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域(例えば5.6GHz)に設定したことをユーザに報知する(ステップS105)。
【0074】
例示的には、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を共通帯域に設定したことを表示部13に表示させたり音声部14で再生したりする。
【0075】
共通帯域が検知されない場合(ステップS103:NO)、メインECU10は、ナビゲーションECU21により測定された現在位置に基づいて、無線通信部17が第1の地域から境界を越えて第2の地域へ移動したか否かを検知する(ステップS106)。
【0076】
無線通信部17が第2の地域へ移動したことが検知されると(ステップS106:YES)、メインECU10は、周波数帯域DB112に登録された第2の地域のレコードを参照して、無線通信部17で使用する使用帯域を設定する(ステップS107)。
【0077】
例示的には、第2の地域で屋外での使用が許可された周波数帯域のなかから、電波干渉がより少なく、また、伝送速度がより速い周波数帯域が使用帯域として設定される。
【0078】
メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を、第2の地域で屋外での使用が許可された周波数帯域に設定したことをユーザに報知する(ステップS105)。
【0079】
このように、ステップS104およびS107において、メインECU10は、使用帯域設定部160として、ステップS102の推定結果に基づいて、周波数帯域DB112に登録された該当地域の周波数帯域のなかから、無線通信部17で使用する使用帯域を設定する。
【0080】
附言するに、第1の地域と隣接する第2の地域への移動が推定されると、ステップS104において、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域に設定する。これにより、車両が国境などの境界を越えて第2の地域に入った場合にも、無線通信部17は、それぞれの国で、それぞれの国のレギュレーションに適合した周波数帯域で無線通信を行うことができる。
【0081】
なお、ステップS101で取得された経路が3以上の地域に亘って延びる場合、メインECU10は、経路が延びる3つ以上の地域の全てで共通する共通帯域を検知し、これを使用帯域として設定してもよい。この場合、一度の設定で、無線通信部17は、3つ以上の全ての地域でレギュレーションに適合した周波数帯域で無線通信を行うことができる。
【0082】
また、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域がない場合でも、ナビゲーションECU21により測定された現在位置に基づいて、無線通信部17を含む車両が第1の地域から第2の地域へ移動したと推定されると、ステップS107において、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を、第2の地域での使用が許可された周波数帯域に設定する。これにより、無線通信部17は、第2の地域においても引き続き、レギュレーションに適合した周波数帯域で無線通信を行うことができる。
【0083】
【0084】
周波数帯域設定処理2において、メインECU10は、ナビゲーションECU21により測定された、無線通信部17を含む車両の現在位置を取得する(ステップS201)。
【0085】
メインECU10は、ナビゲーションECU21により測定された、無線通信部17を含む車両の移動方向を取得する(ステップS202)。
【0086】
このように、ステップS202において、メインECU10は、無線通信部17の移動方向を取得する移動方向取得部120として動作する。
【0087】
メインECU10は、無線通信部17を含む車両の現在位置が第2の地域(現在位置が属する第1の地域と隣接する地域)との境界に近いか否かを判定する(ステップS203)。
【0088】
例示的には、メインECU10は、ステップS201で取得された現在位置の座標と、この現在位置からステップS202で取得された移動方向に延びた直線と第2の地域との境界との交点の座標と、の距離が、所定距離未満か否かを判定する。当該距離が所定距離未満であれば、メインECU10は、車両の現在位置が第2の地域との境界に近いと判定する(ステップS203:YES)。当該距離が所定距離以上であれば、メインECU10は、車両の現在位置が第2の地域との境界に近くないと判定する(ステップS203:NO)。
【0089】
無線通信部17を含む車両の現在位置が第2の地域との境界に近い場合(ステップS203:YES)、車両が、現在位置が属する第1の地域から境界を跨いで第1の地域と隣接する第2の地域へ移動するものと推定される。
【0090】
このように、メインECU10は、無線通信部17を含む車両が、現在位置が属する第1の地域から境界を跨いで第1の地域と隣接する第2の地域へ移動することを、現在位置および移動方向を用いて算出される、現在位置と境界との距離に基づいて推定する。
【0091】
車両の現在位置が第2の地域との境界に近い場合(ステップS203:YES)、メインECU10は、周波数帯域DB112に登録された第1の地域および第2の地域のレコードを参照して、第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域を検知する(ステップS204)。
【0092】
第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域が検知されると(ステップS204:YES)、メインECU10は、ユーザに越境の意思があるか否かを確認するため、無線通信部17で使用する使用帯域を共通帯域に設定するか否かをユーザに問合せる(ステップS205)。なお、この問合せは省略することができる。設定の変更をユーザに問い合わせることなく、そのまま、共通で使用できる帯域に設定してもよい。
【0093】
例示的には、メインECU10は、使用帯域を共通帯域に設定するか否かをユーザに問合せる画面を表示部13に表示させる。
【0094】
このように、メインECU10は、無線通信部17が第1の地域から第2の地域へ移動すると推定されたとき、使用帯域を共通帯域に設定するか否かをユーザに問合せる設定問合せ部140として動作する。
【0095】
無線通信部17の使用帯域を共通帯域に設定する旨の回答が入力(例えば問合せ画面に表示された「YES」アイコンがタッチ操作)されると(ステップS205:YES)、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を共通帯域に設定し(ステップS206)、使用帯域を共通帯域に設定したことを表示部13または音声部14を用いてユーザに報知する(ステップS207)。
【0096】
使用帯域を共通帯域に設定する旨の回答が入力されない場合(ステップS205:NO)、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を変更しない。
【0097】
このように、メインECU10は、問合せに対するユーザ操作に応じて使用帯域を設定する。
【0098】
問合せに対する回答に応じて無線通信部17の使用帯域を設定することで、無線通信部17の使用帯域が不用意に設定変更されることが防がれ、また、現在属する第1の地域で使用するのに最適な周波数帯域が使用帯域として引き続き設定される。なお、この問合せは省略することもできる。その場合は、自動的に使用帯域が共通帯域に設定される。
【0099】
メインECU10は、ナビゲーションECU21により測定された現在位置に基づいて、無線通信部17を含む車両が第1の地域から境界を越えて第2の地域へ移動したか否かを検知する(ステップS208)。
【0100】
メインECU10は、車両が第1の地域から第2の地域へ移動したか否かをユーザに問合せてもよい。例示的には、メインECU10は、車両が第1の地域から第2の地域へ移動したか否かをユーザに問合せる画面を表示部13に表示させる。この場合、車両が第1の地域から第2の地域へ移動した旨の回答が入力(例えば問合せ画面に表示された「YES」アイコンがタッチ操作)されると、メインECU10は、車両が第1の地域から境界を越えて第2の地域へ移動したことを検知する(ステップS208:YES)。
【0101】
このように、ステップS208において、メインECU10は、無線通信部17の使用帯域を第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域に設定後、無線通信部17を含む車両が第2の地域へ移動したか否かをユーザに問合せる移動問合せ部150として動作する。
【0102】
第2の地域への車両の移動が検知されると(ステップS208:YES)、メインECU10は、第2の地域での使用が許可された周波数帯域のなかから、任意の周波数帯域を無線通信部17の使用帯域として設定し(ステップS209)、設定した使用帯域を表示部13または音声部14を用いてユーザに報知する(ステップS210)。なお、ステップS210は省略してもよい。
【0103】
例示的には、メインECU10は、周波数帯域DB112に登録された第2の地域のレコードを参照して、第2の地域での使用が許可された周波数帯域のなかで伝送速度が最も速い周波数帯域を、無線通信部17の使用帯域として設定する。
【0104】
このように、無線通信部17の使用帯域を共通帯域に設定した後に第1の地域から第2の地域へ移動したと推定されると、メインECU10は、第2の地域での使用が許可された周波数帯域のなかから任意の周波数帯域を使用帯域として設定する。
【0105】
第1の地域と第2の地域の両方で使用可能な共通帯域が検知されない場合(ステップS204:NO)、メインECU10は、ステップS205からS207をスキップして、無線通信部17を含む車両が第1の地域から境界を越えて第2の地域へ移動したか否かを検知する(ステップS208)。
【0106】
第2の地域への車両の移動が検知されると(ステップS208:YES)、メインECU10は、第2の地域での使用が許可された周波数帯域のなかから、任意の周波数帯域を使用帯域として設定し(ステップS209)、設定した使用帯域を表示部13または音声部14を用いてユーザに報知する(ステップS210)。
【0107】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等または自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
【0108】
図5のステップS203において、メインECU10は、車両の現在位置から車両の進行方向に位置する隣接地域の境界までの距離が所定距離未満か否かで、車両が隣接地域へ移動するか否かを推定しているが、隣接地域への移動の推定方法はこれに限らない。
【0109】
メインECU10は、例えば隣接地域の境界までの到達時間が所定時間未満か否かで、車両が隣接地域へ移動するか否かを推定してもよい。隣接地域の境界までの到達時間は、ステップS203で算出される距離と車速センサにより測定される車速を用いて算出してもよいし、GNSS受信部22や車両情報取得部23より得られる情報から算出してもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 :車載器
10 :メインECU
11 :記憶部
12 :操作部
13 :表示部
14 :音声部
15 :通信インタフェース
16 :TCU
17 :無線通信部
20 :ナビゲーション部
21 :ナビゲーションECU
22 :GNSS受信部
23 :車両情報取得部
100 :周波数帯域設定プログラム
110 :経路取得部
120 :移動方向取得部
130 :移動推定部
140 :設定問合せ部
150 :移動問合せ部
160 :使用帯域設定部