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特開2024-158362性能情報サーバ、画像アプリケーション、情報の取得方法、情報の提供方法、及び情報取得システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158362
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】性能情報サーバ、画像アプリケーション、情報の取得方法、情報の提供方法、及び情報取得システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241031BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20241031BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073508
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 俊介
【テーマコード(参考)】
5B050
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA08
5B050BA09
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】ジブ組み付け作業の可否の判断を、正確に行うことができる技術を提供する。
【解決手段】作業情報サーバは、クレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションから、クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを取得するリクエスト取得部と、クレーン及びジブの諸元データを記憶する記憶部と、リクエストに含まれる作業に関する情報と諸元データとに基づいて、作業においてクレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、生成した領域画像に関する情報を含むレスポンスを、画像アプリケーションに提示する制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションから、前記クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを取得するリクエスト取得部と、
クレーン及びジブの諸元データを記憶する記憶部と、
前記リクエストに含まれる前記作業に関する情報と前記諸元データとに基づいて、前記作業において前記クレーン及び前記ジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、生成した前記領域画像に関する情報を含むレスポンスを、前記画像アプリケーションに提示する制御部と、を備える、
作業情報サーバ。
【請求項2】
前記作業に関する情報は、
前記クレーンの機種に関する情報である機種情報、
前記クレーンの姿勢に関する情報である姿勢情報、
前記ジブに関する情報であるジブ情報、
前記作業の種類に関する情報である作業種類情報、及び
前記作業の作業段階に関する情報である作業段階情報を含み、
前記制御部は、前記機種情報、前記姿勢情報、前記ジブ情報、前記作業種類情報、前記作業段階情報、及び前記諸元データに基づいて、前記領域画像に関する情報を生成する、
請求項1に記載の作業情報サーバ。
【請求項3】
前記制御部は、
前記作業に関する情報に基づいて、前記作業の手順に関する情報を生成し、
前記作業の手順に関する情報を含む前記レスポンスを、前記画像アプリケーションに提示する、
請求項1に記載の作業情報サーバ。
【請求項4】
前記制御部は、
前記作業に関する情報に基づいて、前記作業の可否を判定し、
判定の結果を含む前記レスポンスを、前記画像アプリケーションに提示する、
請求項1に記載の作業情報サーバ。
【請求項5】
表示部にクレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションであって、
前記端末は、前記画像アプリケーションを実行することにより、
前記クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを生成し、
前記端末にネットワークを介して接続された作業情報サーバに、前記リクエストを送信し、
前記作業情報サーバから、前記作業において前記クレーン及び前記ジブが使用する領域画像に関する情報を含むレスポンスを取得し、
前記領域画像に関する情報に基づいて、前記表示部に、前記クレーンの画像とともに前記領域画像を表示する、
画像アプリケーション。
【請求項6】
前記端末は、前記画像アプリケーションを実行することにより、
前記クレーンの姿勢が変わる毎に、前記リクエストを送信し、
取得した前記領域画像に関する情報に基づいて、前記表示部に、前記クレーンの画像とともに前記領域画像を表示する、
請求項5に記載の画像アプリケーション。
【請求項7】
前記端末は、前記画像アプリケーションを実行することにより、
前記表示部に前記クレーンの画像を表示した状態で、前記作業情報サーバに、前記リクエストを送信し、
前記作業の全工程において前記クレーン及び前記ジブが使用する領域画像に関する情報を含むレスポンスを取得し、
取得した前記領域画像に関する情報に基づいて、前記表示部に、前記クレーンの画像とともに前記領域画像を表示する、
請求項5に記載の画像アプリケーション。
【請求項8】
前記端末は、前記画像アプリケーションを実行することにより、
前記領域画像に関する情報と前記表示部に表示された画像とに基づいて、前記作業の可否を判定し、
判定結果を前記表示部に表示する、
請求項5に記載の画像アプリケーション。
【請求項9】
表示部にクレーンの画像を表示可能な画像アプリケーションが動作する端末に接続された作業情報サーバにおいて実行される情報の提供方法であって、
クレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションから、前記クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを取得し、
予め記憶したクレーン及びジブの諸元データと、前記リクエストに含まれる前記作業に関する情報とに基づいて、前記作業において前記クレーン及び前記ジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、
生成した前記領域画像に関する情報を含むレスポンスを、前記画像アプリケーションに提示する、
情報の提供方法。
【請求項10】
表示部にクレーンの画像を表示可能な画像アプリケーションが動作する端末において実行される情報の取得方法であって、
前記クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを生成し、
前記端末にネットワークを介して接続された作業情報サーバに、前記リクエストを送信し、
前記作業情報サーバから、前記作業において前記クレーン及び前記ジブが使用する領域画像に関する情報を含むレスポンスを取得し、
前記領域画像に関する情報に基づいて、前記表示部に、前記クレーンの画像とともに前記領域画像を表示する、
情報の取得方法。
【請求項11】
表示部にクレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションと、
前記端末に接続される作業情報サーバと、を備える情報取得システムであって、
前記画像アプリケーションは、
前記クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを、前記端末にネットワークを介して接続された作業情報サーバに送信し、
前記作業情報サーバは、
予め記憶したクレーン及びジブの諸元データと、前記画像アプリケーションから取得した前記リクエストに含まれる前記作業に関する情報とに基づいて、前記作業において前記クレーン及び前記ジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、
生成した前記領域画像に関する情報を含むレスポンスを、前記画像アプリケーションに提示する、
情報取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性能情報サーバ、画像アプリケーション、情報の取得方法、情報の提供方法、及び情報取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、建設業界において、建物の設計や作業計画に、3D-CAD(Computer AidedDesign)やBIM(Building Information Modeling)等のアプリケーションが利用されている(特許文献1参照)。このようなアプリケーションは、建物や作業機の3D画像を生成し表示部に表示する。特にBIMは、例えば、クレーン、ブルドーザ、及びトラックを用いる作業計画の作成時にも活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-318112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際の建築現場において、クレーンにより作業を行う場合、クレーンにジブを組み付ける作業(以下、「ジブ組み付け作業」と称する。)が必要となる。このため、作業計画の作成時に、BIMのオペレータは、ジブ組み付け作業の可否の判断を行うことがある。
【0005】
従来、BIMのオペレータは、ジブ組み付け作業の可否の判断を、BIMが動作する端末の表示部に表示されたクレーン及びクレーンの周辺に配置された部材の画像を見て判断していた。ところが、このような方法では、ジブ組み付け作業の可否の判断を、正確に行うことができない可能性があった。
【0006】
本発明は、上述のような状況に鑑みなされたものであり、ジブ組み付け作業の可否の判断を、正確に行うことができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る性能情報サーバの一態様は、
クレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションから、クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを取得するリクエスト取得部と、
クレーン及びジブの諸元データを記憶する記憶部と、
リクエストに含まれる作業に関する情報と諸元データとに基づいて、作業においてクレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、生成した領域画像に関する情報を含むレスポンスを、画像アプリケーションに提示する制御部と、を備える。
【0008】
本発明に係る画像アプリケーションの一態様は、
表示部にクレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションであって、
端末は、画像アプリケーションを実行することにより、
クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを生成し、
端末にネットワークを介して接続された性能情報サーバに、リクエストを送信し、
性能情報サーバから、クレーンにジブを組み付ける作業においてクレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を含むレスポンスを取得し、
領域画像に関する情報に基づいて、表示部に、クレーンの画像とともに領域画像を表示する。
【0009】
本発明に係る情報の提供方法の一態様は、
表示部にクレーンの画像を表示可能な画像アプリケーションが動作する端末に接続された性能情報サーバにおいて実行される情報の提供方法であって、
クレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションから、クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを取得し、
予め記憶したクレーン及びジブの諸元データと、リクエストに含まれる作業に関する情報とに基づいて、クレーンにジブを組み付ける作業においてクレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、
生成した領域画像に関する情報を含むレスポンスを、画像アプリケーションに提示する。
【0010】
本発明に係る情報の取得方法の一態様は、
表示部にクレーンの画像を表示可能な画像アプリケーションが動作する端末において実行される情報の取得方法であって、
クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを生成し、
端末にネットワークを介して接続された性能情報サーバに、リクエストを送信し、
性能情報サーバから、クレーンにジブを組み付ける作業においてクレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を含むレスポンスを取得し、
領域画像に関する情報に基づいて、表示部に、クレーンの画像とともに領域画像を表示する。
【0011】
本発明に係る情報取得システムの一態様は、
表示部にクレーンの画像を表示可能な端末において動作する画像アプリケーションと、
端末に接続される性能情報サーバと、を備える情報取得システムであって、
画像アプリケーションは、
クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報を含むリクエストを、端末にネットワークを介して接続された性能情報サーバに送信し、
性能情報サーバは、
予め記憶したクレーン及びジブの諸元データと、画像アプリケーションから取得したリクエストに含まれる作業に関する情報とに基づいて、クレーンにジブを組み付ける作業においてクレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を生成し、
生成した領域画像に関する情報を含むレスポンスを、画像アプリケーションに提示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ジブ組み付け作業の可否の判断を、正確に行うことができる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係るBIM支援システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態1に係るBIM支援システムの機能ブロック図である。
図3図3は、クライアント端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、作業機とサーバとの間におけるデータの流れを示す図である。
図5図5は、実施形態1に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、BIM支援システムの動作(領域画像取得動作)の一例を示すフローチャートである。
図7A図7Aは、領域画像取得動作において表示部に表示された画像の一例を示す図である。
図7B図7Bは、領域画像取得動作において表示部に表示された画像の一例を示す図である。
図8A図8Aは、図7Bにおける矢印Aが示す方向から見た領域画像を示す図である。
図8B図8Bは、図7Bにおける上方から見た領域画像を説明するための図である。
図8C図8Cは、図7Bにおける斜め上方から見た領域画像を説明するための図である。
図9A図9Aは、クレーンに2個目のジブを組み付ける際の領域画像を説明するための図である。
図9B図9Bは、クレーンに2個目のジブを組み付ける際の領域画像を説明するための図である。
図10A図10Aは、縦組み方式により、クレーンに2個目のジブを組み付ける際の領域画像を説明するための図である。
図10B図10Bは、縦組み方式により、クレーンに2個目のジブを組み付ける際の領域画像を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下、図面を適宜参照して、本実施形態について説明する。本明細書の全体を通じて同一要素には、特に断らない限り、同一符号を付す。添付の図面と共に以下に記載される事項は、例示的な実施形態を説明するためのものであり、唯一の実施形態を示すためのものではない。例えば、実施形態において動作の順序が示された場合、動作の順序は、全体的な動作として矛盾が生じない範囲で、適宜変更されてもよい。
【0015】
[実施形態]
図1は、実施形態に係るBIM支援システムBSの構成を示す図である。図2は、実施形態に係るBIM支援システムBSの構成を示すブロック図である。
【0016】
以下、図1及び図2を参照して本実施形態に係るBIM支援システムBSのシステム構成について説明する。BIM支援システムBSは、情報取得システムの一例に該当する。
【0017】
BIM支援システムBSは、ハードウェア構成として、クライアント端末T及び複数のサーバS1~S4を有する。サーバS1~S4はそれぞれ、作業情報サーバの一例に該当する。
【0018】
尚、本実施形態のBIM支援システムBSは、クライアント端末TとサーバS1~S4とがネットワークNを介して接続された、クライアント・サーバ型のBIM支援システムである。BIM支援システムBSにおけるクライアント端末及びサーバの数は、図示の場合に限定されない。
【0019】
クライアント端末Tには、BIMアプリケーションAがインストールされている。BIMアプリケーションAは、画像アプリケーションの一例に該当する。BIMアプリケーションAには、画像アプリケーション支援モジュールM(以下、単に「支援モジュールM」)がアドインされている。尚、BIMアプリケーションAと支援モジュールMとを合わせたアプリケーションを、画像アプリケーションと捉えることもできる。
【0020】
BIMアプリケーションAは、BIMに特化したソフトウェアである。BIMアプリケーションAは、建設物(建物又はインフラ等)の計画、設計、構築、及び/又は管理等を行うことができる、BIMのための種々のソフトウェアであってよい。
【0021】
尚、本発明に係る画像アプリケーションは、BIMに特化したソフトウェアに限定されず、例えば、コンストラクション・インフォメーション・モデリング(CIM)、建築物の設計のための2D-CAD、及び3D-CADであってもよい。又、画像アプリケーションは、クレーン等の作業機のシミュレーションを、仮想的な空間において行うVRシミュレータ(Virtual Reality Simulator)であってもよい。尚、CIMは、BIMに含まれると捉えてもよい。
【0022】
支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、表示部12に表示されたクレーンにジブを組み付ける作業において、クレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報を取得する。
【0023】
以下の説明において、表示部12に表示されたクレーンの画像を、単に「クレーンの画像」と称することもある。表示部12に表示されたクレーンの姿勢を、単に「クレーンの姿勢」と称することもある。クレーンの姿勢を定義する姿勢条件を、単に「クレーンの姿勢条件」と称することもある。
【0024】
又、支援モジュールMは、表示部12に表示する作業機(例えば、クレーン)の画像を生成するBIMアプリケーションAと連携して動作する。このような支援モジュールMは、リクエスト-レスポンス型の通信プロトコル(例えば、HTTPSプロトコル)を利用して、サーバS1~S4から、表示部12に表示された作業機に関する種々の情報を取得する。そして、支援モジュールMは、サーバS1~S4から取得した情報を、表示部12の表示に反映する。
【0025】
具体的には、支援モジュールMの処理に着目して見ると、支援モジュールMは、サーバS1~S4から特定した1つのサーバ(以下、「特定サーバ」と称することもある。)に、領域画像に関する情報を取得するためのリクエスト(以下、単に「領域画像リクエスト」と称することもある。)を送る。領域画像は、クレーンにジブを組み付ける作業において、クレーン及びジブが使用する領域を示す画像である。
【0026】
支援モジュールMは、クレーンの画像に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報を領域画像リクエストに含めることにより、領域画像リクエストを送信するサーバを特定してもよい。サーバ特定情報は、例えば、サーバのURI(Uniform Resource Identifier)である。
【0027】
領域画像リクエストは、クレーンにジブを組み付ける作業に関する情報(以下、「ジブ組み付け作業に関する情報」と称することもある。)を含む。クレーンにジブを組み付ける作業を、ジブ組み付け作業と称することもある。
【0028】
ジブ組み付け作業に関する情報は、機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報を含む。機種情報は、表示部12に表示されたクレーンの機種を示す情報である。具体的には、機種情報は、表示部12に表示されたクレーンであって、ジブ組み付け作業の対象となるクレーンの機種を示す情報である。
【0029】
姿勢情報は、表示部12に表示されたクレーンの姿勢を示す情報である。換言すれば、姿勢情報は、ジブ組み付け作業において、表示部12に表示されたクレーンが取り得る姿勢を示す情報である。具体的には、姿勢情報は、ブームの起伏角、ブームの長さ、及びブームの旋回角のうちの少なくとも一つを含む。又、姿勢情報は、アウトリガに関する情報(具体的には、アウトリガの張出幅)を含んでもよい。
【0030】
ジブ情報は、ジブ組み付け作業の対象となるジブ(以下、「対象ジブ」と称することもある。)に関する情報である。具体的には、ジブ情報は、対象ジブの種類(例えば、識別番号)を特定するための情報である。
【0031】
作業種類情報は、ジブ組み付け作業の種類に関する情報である。具体的には、ジブ組み付け作業は、所謂「縦組み方式」と呼ばれる方式と、所謂「平組み方式」と呼ばれる方式がある。
【0032】
詳細な説明は省略するが、縦組み方式は、ブームを起仰した状態で、クレーンにジブを組み付ける方法である。一方、平組み方式は、ブームを倒伏した状態で、クレーンにジブを組み付ける方法である。尚、何れの方式でも、ブームの先端に1個目のジブ要素を組み付ける作業は、ブームを倒伏させた状態で行われる。
【0033】
作業種類情報は、ジブ組み付け作業が、「縦組み方式」及び「平組み方式」のうちの何れの方式であるか、を示す情報と捉えてよい。尚、ジブ組み付け作業の種類は、「縦組み方式」及び「平組み方式」に限定されない。又、ジブ組み付け作業の呼び方も、「縦組み方式」及び「平組み方式」に限定されない。
【0034】
作業段階情報は、ジブ組み付け作業の作業段階に関する情報である。作業段階情報は、ジブ組み付け作業において、次に実施する作業段階を示す情報と捉えてよい。
【0035】
ジブ組み付け作業は、複数の段階に分かれている。ジブは、複数のジブ要素を有する。ジブ組み付け作業では、複数のジブを順に、クレーンに組み付ける。
【0036】
ジブ要素の数が三個の場合、一個目のジブをブームに組み付ける作業は、ジブ組み付け作業における第一段階目の作業である。又、二個目のジブをブームに組み付ける作業は、ジブ組み付け作業における第二段階目の作業である。そして、三個目のジブをブームに組み付ける作業は、ジブ組み付け作業における第三段階目の作業である。
【0037】
支援モジュールMは、上述のようなリクエストを特定サーバ(例えば、サーバS1)に送ることにより、特定サーバから領域画像に関する情報を取得する。そして、支援モジュールMは、特定サーバから取得した領域画像に関する情報を、表示部12の表示に反映する。
【0038】
一方、サーバS1~S4の処理に着目してみると、サーバS1~S4はそれぞれ、支援モジュールMから領域画像リクエストを取得する。サーバS1~S4は、支援モジュールMから取得した領域画像リクエストに基づいて、表示部12に表示されたクレーンにジブを組み付ける作業において、クレーン及びジブが使用する領域画像に関する情報(以下、単に「領域画像に関する情報」と称する。)を取得する。そして、サーバS1~S4は、領域画像リクエストを受けた支援モジュールMに、領域画像に関する情報を含むレスポンスを提示する。
【0039】
サーバS1~S4は、領域画像に関する情報を取得するために、クレーン及びジブの諸元データを予め記憶している。
【0040】
サーバS1~S4は、境界画像リクエストに含まれる作業に関する情報と、記憶したクレーン及びジブの諸元データとに基づいて、領域画像に関する情報を生成する。
【0041】
作業に関する情報が、上述の機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報を含む場合、サーバS1~S4は、支援モジュールMから取得した機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報と、記憶したクレーン及びジブの諸元データとに基づいて、領域画像に関する情報を生成する。
【0042】
そして、サーバS1~S4は、生成した領域画像に関する情報を含むレスポンスを、支援モジュールM(つまり、クライアント端末T)に提示する。
【0043】
このようにBIMアプリケーションAのオペレータ(以下、単に「オペレータ」と称する。)は、BIMアプリケーションAにおいて、ジブ組み付け作業においてクレーン及びジブが使用する領域を確認することができる。この結果、ジブ組み付け作業の可否を含めた詳細な施工計画を行うことができる。
【0044】
以上、BIM支援システムBSの機能について、簡単に説明した。以下、BIM支援システムBSの構成について説明する。
【0045】
次に、クライアント端末Tの構成例について説明する。図2は、BIM支援システムBSの構成の一例を示す機能ブロック図である。図3は、クライアント端末Tのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。クライアント端末Tは、BIMアプリケーションが組み込まれた端末の一例に該当する。
【0046】
クライアント端末Tは、入力部11、表示部12、通信部13、記憶部14、及び制御部15等を備える。
【0047】
入力部11は、オペレータから入力された情報等の入力を受け付ける。オペレータによる入力情報は、入力部11によって受け付けられて制御部15に送られる。入力部11が受け付ける情報の一例を以下に説明する。
【0048】
入力部11は、領域画像要求の入力を受け付ける。オペレータは、サーバS1~S4に領域画像に関する情報を要求する際、入力部11に領域画像要求を入力する。
【0049】
入力部11は、建築物の画像を表示部12に表示するための指示を受け付ける。以下、建築物の画像を、単に「建築物画像」と称する。又、建築物画像を表示部12に表示するための指示を、単に「建築物画像の表示指示」と称する。オペレータは、表示部12に建築物画像を表示したい場合に、入力部11に建築物画像の表示指示を入力する。
【0050】
入力部11は、作業機画像を表示部12に表示する指示を受け付ける。以下、作業機画像を表示部12に表示する指示を、単に「作業機画像の表示指示」と称する。特に、作業機画像としてクレーンの画像を表示部12に表示する指示を、単に「クレーン画像の表示指示」と称する。
【0051】
作業機画像の表示指示には、表示部12に表示する作業機(例えば、クレーン)の機種を特定するための情報が含まれる。以下、作業機の機種を特定するための情報を、単に「機種情報」と称する。
【0052】
又、作業機画像の表示指示には、作業機画像の配置に関する情報が含まれてもよい。作業機画像の配置に関する情報は、例えば、座標及び/又は方向(方位)を含む。
【0053】
機種情報は、作業機ID(型式、スペック番号、及び/又は製造番号)、及びメーカー名等のうちの少なくとも一つを含む。
【0054】
入力部11は、表示部12に表示された画像の操作を受け付ける。以下、表示部12に表示された画像の操作を、単に「画像操作」と称することもある。
【0055】
画像操作には、表示部12に表示された建築物画像及び/又は作業機画像に関する操作が含まれる。以下、表示部12に表示された建築物画像及び/又は作業機画像を、単に「表示画像」と称することもある。又、表示画像における建築物画像は、単に「表示建築物画像」とも称される。又、表示画像における作業機画像は、単に「表示作業機画像」とも称される。又、作業機画像がクレーンの画像の場合、表示画像におけるクレーンの画像は、単に「表示クレーン画像」とも称される。
【0056】
画像操作として、表示建築物画像の姿勢を変更する操作、サイズを変更する操作(拡大操作又は縮小操作)、及び、配置を変更する操作等のうち少なくとも一つが挙げられる。又、画像操作として、表示作業機画像の姿勢を変更する操作、サイズを変更する操作(拡大操作又は縮小操作)、及び配置を変更する操作等のうち少なくとも一つが挙げられる。
【0057】
オペレータは、表示部12に表示された設定画面に数値を入力することによって、画像操作を行う。又、オペレータは、表示建築物画像や表示作業機画像をドラッグ操作することによって、画像操作を行ってもよい。
【0058】
オペレータは、表示部12に表示された設定画面(不図示)において、表示作業機画像の姿勢条件(具体例は、後述する)を変更することによって、表示作業機画像の姿勢を変更する。或いは、オペレータは、表示作業機画像をドラッグ操作することによって、表示作業機画像の姿勢を変更してもよい。
【0059】
表示部12は、情報等を表示する。表示部12に表示される情報は、記憶部14に記憶された情報でもよいし、制御部15によって生成された情報でもよい。
【0060】
尚、入力部11と表示部12とは、個別のデバイスによって構成されてもよいし、タッチパネルディスプレイのように、情報の入力と出力(表示)とを並行して行えるデバイスに一体化されてもよい。
【0061】
通信部13は、ネットワークNを介してサーバS1~S4と通信する。そのために、通信部13は、情報の送信部及び受信部(図示省略)を備える。サーバS1~S4との通信は、例えば、制御部15によって制御される。
【0062】
又、通信部13は、サーバS1~S4に向けて後述のリクエストを送信し、このリクエストに対するレスポンスをサーバS1~S4から受信する。通信部13は、取得したレスポンスを制御部15(具体的には、第二制御部17の支援制御部172)に送る。
【0063】
記憶部14は、第一記憶部141、第二記憶部142、及び第三記憶部143等を有する。尚、第一記憶部141、第二記憶部142、及び第三記憶部143は、一つのハードウェア(主記憶装置)により構成されている。但し、第一記憶部141、第二記憶部142、及び第三記憶部143は、複数のハードウェアにより構成されてもよい。
【0064】
第一記憶部141は、建築物画像データベースであって、建築物画像に関する情報を記憶する。建築物を構成する部材の三次元画像に関する情報が、第一記憶部141に記憶されている。以下、建築物を構成する部材の三次元画像を、単に「建築物画像」と称する。建築物を構成する部材として、柱、窓、配管、ドア、床、天井、及び壁等のうちの少なくとも一つが挙げられる。
【0065】
又、第一記憶部141は建築物画像以外に、例えば、建築現場や工事現場等の作業現場の構成要素の画像に関する情報を記憶してもよい。以下、作業現場の構成要素の画像を、単に「作業現場構成画像」と称する。作業現場構成画像は、例えば、道路(歩道、車道)、木、電線、電柱、車、及び人のうちの少なくとも一つの画像を含んでよい。
【0066】
第二記憶部142は、作業機画像データベースであって、作業機画像に関する情報を記憶する。例えば、作業機及び/又は作業機を構成する部材の三次元画像に関する情報が、第二記憶部142に記憶されている。以下、作業機を構成する部材の二次元画像又は三次元画像を、単に「作業機画像」と称する。
【0067】
作業機画像として、例えば、クレーン、ブルドーザ、油圧ショベルカー、コンクリートポンプ車、高所作業車、ダンプトラック、トレーラ、及びリフターのうちの少なくとも一つの作業機画像が挙げられる。作業機画像は、これら各作業機の構成部材の三次元画像を含んでもよい。
【0068】
作業機がクレーンの場合、クレーンとして、移動式クレーン(ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、クローラクレーン)、及びタワークレーン等が挙げられる。クレーンの構成部材として、例えば、ブーム、ジブ、アウトリガ、車両、フック、及びマストのうちの少なくとも一つが挙げられる。
【0069】
作業機画像とともに、各作業機画像と対応付けられた属性情報が、第二記憶部142に記憶されてもよい。
【0070】
作業機画像の属性情報は、作業機画像における作業機の機種情報及び/又は作業機画像の姿勢情報を含む。作業機画像の属性情報は、作業機を構成する部材に関する情報を含んでもよい。以下、作業機を構成する部材に関する情報を、単に「構成部材情報」と称する。
【0071】
姿勢情報は、ブームの起伏角、ブームの長さ、及びブームの旋回角のうちの少なくとも一つを含む。又、姿勢情報は、アウトリガに関する情報(具体的には、アウトリガの張出幅)を含んでもよい。
【0072】
構成部材情報は、作業機を構成する部材の種類に関する情報を含む。作業機を構成する部材は、例えば、ブーム、ジブ、フック、及びワイヤである。以下、作業機を構成する部材の種類に関する情報を、単に「構成部材の種類情報」と称する。
【0073】
第三記憶部143は、リクエストを送るサーバを特定する情報を記憶する。サーバを特定する情報は、サーバ特定情報とも称される。サーバ特定情報は、作業機画像に対応付けて、第三記憶部143に記憶されている。
【0074】
第三記憶部143は、作業機画像の属性情報のうちの機種情報から、作業機画像に対応するサーバを特定できる形式で、サーバ特定情報を記憶している。
【0075】
具体的には、第三記憶部143は、複数の作業機画像の属性情報に含まれる機種情報と、これら各機種情報に対応するサーバ(サーバ特定情報)と、を対応付けるアドレステーブルを記憶している。
【0076】
制御部15は、上述したエレメント11~14それぞれの動作を制御してクライアント端末Tの全体的な動作を制御する。BIM支援システムBSの機能に着目した場合、制御部15は、第一制御部16及び第二制御部17等を備える。
【0077】
第一制御部16は、BIMアプリケーションAの機能を実現する。第一制御部16は、表示部12に表示された作業機画像の挙動を制御する画像アプリケーションの操作制御部の一例に該当する。
【0078】
第一制御部16は、入力部11から、上述の建築物画像の表示指示に関する情報を取得する。そして、第一制御部16は、建築物画像の表示指示に関する情報によって特定される建築物画像に関する情報を、記憶部14から取得する。第一制御部16は、取得した建築物画像に関する情報を、表示部12に送る。
【0079】
第一制御部16は、入力部11から、上述の作業機画像の表示指示に関する情報を取得する。そして、第一制御部16は、取得した作業機画像の表示指示に含まれる機種情報によって特定される作業機画像に関する情報を、記憶部14から取得する。第一制御部16は、取得した作業機画像に関する情報を、表示部12に送る。
【0080】
第一制御部16は、入力部11から、画像操作に関する情報を取得する。第一制御部16は、取得した画像操作に関する情報を、表示部12に表示された画像に反映させる。
【0081】
具体的には、第一制御部16は、取得した画像操作に関する情報(例えば、座標、寸法、及び/又は姿勢条件)を、表示画像(例えば、表示作業機画像)に反映することにより、取得した画像操作に関する情報を表示部12に表示された画像に反映する。
【0082】
第二制御部17は、通信制御部171、支援制御部172、及び領域画像処理部176、等を有する。第二制御部17は、支援モジュールMの機能を実現する。
【0083】
通信制御部171は、通信部13を介した、クライアント端末TとサーバS1~S4との通信を制御する。
【0084】
支援制御部172は、入力部11から領域画像要求を取得した場合に、領域画像に関する情報をサーバS1~S4から取得するために必要な情報を、第一制御部16から取得する。支援制御部172が取得する情報は、境界画像リクエストのパラメータを構成する。
【0085】
具体的には、支援制御部172は、入力部11から領域画像要求を取得した場合に、第一制御部16から、ジブ組み付け作業に関する情報を取得する。
【0086】
ジブ組み付け作業に関する情報は、上述のように、機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報を含む。
【0087】
支援制御部172は、第一制御部16から取得した機種情報に基づいて、この機種情報に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報を、第三記憶部143から取得する。
【0088】
そして、支援制御部172は、取得したサーバ特定情報、領域画像要求、及びジブ組み付け作業に関する情報を含む、リクエストを生成する。尚、ジブ組み付け作業に関する情報は、リクエストのパラメータを構成する。
【0089】
リクエストは、例えば、HTTPSプロトコルのリクエストメッセージの形式である。リクエストで使用されるHTTPメソッドは、例えば、GETメソッドである。
【0090】
支援制御部172は、通信制御部171から取得したレスポンスを解析し、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果を、表示部12の表示に反映させる。支援制御部172は、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果を、第一制御部16に送り、表示部12に表示する画像又は表示部12の表示された画像に反映させる。
【0091】
支援制御部172は、レスポンスに含まれる領域画像に関する情報を、領域画像処理部176に送る。
【0092】
支援制御部172は、領域画像処理部176から取得した領域画像を、第一制御部16に送り、表示部12の表示に反映させる。尚、領域画像は、レスポンスに含まれるサーバS1~S4の演算結果(つまり、領域画像に関する情報)が反映された画像である。領域画像は、サーバS1~S4により生成されてもよい。
【0093】
領域画像処理部176は、支援制御部172から取得した領域画像に関する情報に基づいて、領域画像を生成する。そして、領域画像処理部176は、生成した領域画像を支援制御部172に送る。
【0094】
尚、領域画像は、表示部12に表示されたクレーンがジブ組み付けを実施する際、クレーン及びジブが使用する領域を示す画像である。より具体的には、領域画像は、表示部12に表示されたクレーンがジブ組み付けを実施する際、クレーン及びクレーンに組み付けられた部材が使用する領域を示す画像である。領域画像は、二次元画像であってもよいし、三次元画像であってもよい。
【0095】
尚、以上のようなクライアント端末Tに組み込まれたBIMアプリケーションA及び支援モジュールMは、クラウドサーバ(不図示)に組み込まれて、実行されてもよい。クラウドサーバは、ネットワークNを介して、サーバS1~S4に接続される。
【0096】
又、クラウドサーバは、ビューアが組み込まれたクライアント端末(不図示)にネットワークNを介して接続されている。ビューアは、クラウドサーバで実行されるBIMアプリケーションAが生成する画像を表示するアプリケーションである。
【0097】
オペレータは、クライアント端末のビューアを介して、BIMアプリケーションAが生成する画像を操作する。このようなシステムは、クラウド型のBIM支援システムの一例に該当する。クラウド型のBIM支援システムにおいて、クラウドサーバは、画像生成アプリケーションが組み込まれた端末の一例に該当する。
【0098】
図3に示すように、クライアント端末Tは、デスクトップ型コンピュータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーション等)、ラップトップ型コンピュータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーション等)、タブレット端末、又はスマートフォン等のモバイル装置等である。
【0099】
クライアント端末Tは、ハードウェア構成に着目した場合、一般的なデスクトップ型コンピュータ又はラップトップ型コンピュータが備えるプロセッサ1001、入力装置1002、出力装置1003、メモリ1004、及びストレージ1005等を備える。
【0100】
又、クライアント端末Tは、通信インタフェース(IF)1006及び電源回路1007を備える。これらのエレメント1001~1007は、例えば、バス1008によって接続されてよい。
【0101】
プロセッサ1001は、クライアント端末Tの動作を制御する。プロセッサ1001は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。プロセッサ1001には、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、及びGPU(graphics processing unit)の少なくとも1つが用いられてよい。
【0102】
入力装置1002は、図2に示した入力部11を含んでよい。入力装置1002は、クライアント端末Tに対する情報の入力に用いられるデバイス、例えば、キーボード、タッチパネル、及びマウスの少なくとも1つを含んでよい。入力装置1002を通じて、プロセッサ1001に情報が入力されてよい。
【0103】
出力装置1003は、図2に示した表示部12を含んでよい。具体的には、出力装置1003は、表示部12に相当するディスプレイ又はモニタを含んでよい。ディスプレイは、タッチパネル式のディスプレイであってよい。タッチパネル式のディスプレイは、入力装置1002及び出力装置1003の双方に該当すると捉えてよい。
【0104】
メモリ1004は、例えば、プロセッサ1001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。メモリ1004には、RAM(random access memory)及びROM(read only memory)が含まれる。RAMは、プロセッサ1001のワークメモリに用いられてよい。「プログラム」は、「ソフトウェア」或いは「アプリケーション」と称される。
【0105】
ストレージ1005は、プロセッサ1001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。ストレージ1005に、既述の建築物画像に関する情報、作業機画像に関する情報、及びサーバ特定情報等のBIM支援システムBSに関連した情報が記憶される。
【0106】
ストレージ1005は、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)といった半導体ドライブ装置を含む。半導体ドライブ装置の追加で又は代替で、フラッシュメモリのような不揮発性メモリが、ストレージ1005に含まれてもよい。メモリ1004及びストレージ1005が、図2の記憶部14に該当する。
【0107】
プログラムには、既述のようなBIMアプリケーションA及び支援モジュールMを具現するプログラム(以下「BIMプログラム」と称する。)が含まれる。BIMプログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部に組み込まれてよい。
【0108】
プログラム及び/又はデータは、プロセッサ1001による読み取りが可能な記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、ブルーレイディスク、及びポータブルハードディスクが挙げられる。又、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の半導体メモリも記録媒体の一例である。
【0109】
又、プログラム及び/又は情報は、アプリケーションサーバ(不図示)からネットワークNを介してクライアント端末Tに提供(ダウンロード)されてもよい。通信IF1006を通じてプログラム及び/又は情報がクライアント端末Tに提供されて、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてよい。又、プログラム及び/又はデータは、入力装置1002を通じてクライアント端末Tに提供されて、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてもよい。
【0110】
通信IF1006は、図2の通信部13に該当し、ネットワークNと通信するためのインタフェースである。通信IF1006は、無線通信のための無線インタフェースを備えてよい。又、通信IF1006は、有線通信のための有線インタフェースを備えてもよい。
【0111】
プロセッサ1001が、記憶部14に記憶されたBIMプログラムを読み出して実行することにより、クライアント端末Tは、既述のようなBIMアプリケーションA及び支援モジュールMの機能を実現する表示処理装置の一例として機能する。
【0112】
プロセッサ1001がBIMプログラムを実行することによって、図2に例示した制御部15(具体的には、第一制御部16及び第二制御部17)の機能が具現される。
【0113】
電源回路1007は、図3に示した各エレメント1001~1006が動作するための電力を各エレメント1001~1006のそれぞれに供給する。
【0114】
図1に示すBIM支援システムBSは、例示的に、複数のサーバS1~S4を備える。図1には、非限定的な一例として、4台のサーバS1~S4が例示されている。サーバの数は、1以上且つ3以下でもよいし5以上でもよい。
【0115】
サーバS1~S4は、例えば、作業機メーカー毎に設けられる。サーバS1は、例えば、作業機メーカーM1に対応するサーバである。又、サーバS2~S4はそれぞれ、作業機メーカーM2~M4に対応するサーバである。以下、サーバS1~S4のうちサーバS1について説明する。尚、サーバS2~S4の構成は、サーバS1と同様であるため省略する。
【0116】
サーバS1は、通信部21、記憶部22、及び制御部23等を有する。
【0117】
通信部21は、ネットワークNを介して、クライアント端末Tと通信する。そのため、通信部21は、情報の送信部及び受信部(図示省略)等を備える。クライアント端末Tとの通信は、制御部23によって制御される。尚、通信部21は、ネットワークNを介してサーバS2~S4と通信する。
【0118】
本実施形態の場合、サーバS1は、インターネットを介してクライアント端末Tと接続されている。サーバS1とクライアント端末Tとは、HTTPSプロトコル等のTCP/IPプロトコルを用いて通信する。尚、サーバS1とクライアント端末Tとの通信プロトコルは、HTTPSプロトコルに限定されず、所謂リクエスト-レスポンス型の種々の通信プロトコルであってもよい。
【0119】
通信部21は、クライアント端末Tから受信したリクエストを、制御部23に送る。又、通信部21は、制御部23から取得したレスポンスを、クライアント端末Tに送信する。
【0120】
記憶部22は、演算部232が行う演算で使用される演算式(不図示)を記憶する。演算式は、クライアント端末Tからのリクエストにより要求される領域画像の演算に使用される。
【0121】
記憶部22が記憶する情報は、クレーンの諸元データ及びジブの諸元データを含む。記憶部22は、クレーンの機種情報に対応付けてクレーンの諸元データを記憶する。つまり、制御部23は、クレーンの機種情報に基づいて、当該機種情報に対応するクレーンの諸元データを、記憶部22から取得できる。クレーンの諸元データは、クレーンの構成に関する形状、配置、及び寸法等の情報を含む。
【0122】
又、記憶部22は、ジブの種類を示すジブ情報に対応付けてジブの諸元データを記憶する。つまり、制御部23は、ジブ情報に基づいて、当該ジブ情報に対応するジブの諸元データを、記憶部22から取得できる。ジブの諸元データは、ジブの構成に関する形状、配置、及び寸法等の情報を含む。
【0123】
尚、クレーンの諸元データ及びジブの諸元データは、上述の例に限定されない。
【0124】
制御部23は、リクエスト取得部231、演算部232、及びレスポンス発行部233等を有する。
【0125】
リクエスト取得部231は、通信部21から取得したリクエストの解析を行う。本実施形態の場合、リクエストは、HTTPSプロトコルのHTTPメッセージの形式である。リクエストで使用されているHTTPメソッドは、GETメソッドである。
【0126】
具体的には、リクエスト取得部231は、リクエストから領域画像要求及びパラメータを抽出する。パラメータは、領域画像要求に対応するパラメータであって、ジブ組み付け作業に関する情報を含む。ジブ組み付け作業に関する情報は、上述のように、機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報を含む。
【0127】
リクエスト取得部231は、リクエストから抽出した情報を演算部232に送る。尚、リクエスト取得部231の処理は、演算部232により実施されてもよい。
【0128】
演算部232は、リクエスト取得部231から取得した情報と、記憶部22から取得した情報とに基づいて、領域画像に関する情報を演算する。
【0129】
演算部232は、領域画像に関する情報を演算するために必要な情報を、リクエストに含まれるジブ組み付け作業に関する情報に基づいて、記憶部22から取得する。
【0130】
そして、演算部232は、ジブ組み付け作業に関する情報に含まれる機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、作業段階情報、クレーンの諸元データ、及びジブの諸元データに基づいて、領域画像に関する情報を生成する。
【0131】
具体的には、演算部232は、ジブ組み付け作業に関する情報に含まれる機種情報に基づいて、当該機種情報に対応するクレーンを特定する。ここで特定されたクレーンを、対象クレーンと称することもある。演算部232は、機種情報に基づいて、対象クレーンの諸元データを、記憶部22から取得する。
【0132】
又、演算部232は、ジブ組み付け作業に関する情報に含まれるジブ情報に基づいて、ジブ組み付け作業で使用するジブを特定する。ここで特定されたジブを、対象ジブと称することもある。演算部232は、ジブ情報に基づいて、対象ジブの諸元データを、記憶部22から取得する。
【0133】
又、演算部232は、ジブ組み付け作業に関する情報に含まれる姿勢情報と対称クレーンの諸元データとに基づいて、対象クレーンの姿勢を特定する。ここで特定されたクレーンの姿勢を、対象姿勢と称することもある。
【0134】
又、演算部232は、ジブ組み付け作業に関する情報に含まれる作業種類情報に基づいて、ジブ組み付け作業の方式を特定する。ここで特定されたジブ組み付け作業の方式を、対象方式と称することもある。
【0135】
又、演算部232は、ジブ組み付け作業に関する情報に含まれる作業段階情報に基づいて、ジブ組み付け作業の段階を特定する。ここで特定されたジブ組み付け作業の段階を、対象段階と称することもある。
【0136】
そして、演算部232は、対象クレーンに関する、領域画像に関する情報を算出する。この際、対象クレーンの姿勢は、演算部232により特定された対象姿勢である。又、対象クレーンに組み付けられるジブは、演算部232により特定された対象ジブである。又、ジブ組み付け作業の方式は、演算部232により特定された対象方式(例えば、縦組み方式又は平組み方式)である。更に、実施されるジブ組み付け作業の段階は、演算部232により特定された対象段階である。
【0137】
そして、演算部232は、演算結果を、レスポンス発行部233に送る。
【0138】
レスポンス発行部233は、演算部232から取得した演算結果(具体的には、領域画像に関する情報)を含む、レスポンスを生成する。レスポンス発行部233は、生成したレスポンスを、通信部21に送る。
【0139】
レスポンスは、例えば、HTTPSプロトコルのレスポンスメッセージの形式である。レスポンスのメッセージボディーには、演算結果が記載される。そして、レスポンス発行部233は、通信部21を介して、レスポンスをクライアント端末Tに送る。
【0140】
ここで、図4を参照しつつ、クライアント端末TとサーバS1との間のデータの流れについて説明する。図4は、クライアント端末TとサーバS1との間におけるデータの流れを簡易的に示す図である。
【0141】
図4に示すように、先ず、クライアント端末Tは、リクエスト31をサーバS1に送信する。リクエスト31は、サーバS1を特定するためのサーバ特定情報32、領域画像要求33、及びパラメータ34を含む。
【0142】
パラメータ34は、ジブ組み付け作業に関する情報を含む。具体的には、パラメータ34は、機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報を含む。尚、パラメータ34は、少なくとも、サーバS1における領域画像に関する情報の算出に必要な情報を含めばよい。
【0143】
サーバS1は、クライアント端末Tから取得したリクエスト31に含まれるパラメータ34、サーバS1の記憶部22から取得した諸元データ36に基づいて、領域画像に関する情報を算出する。諸元データ36は、クレーンの諸元データ及びジブの諸元データを含む。尚、サーバS1は、領域画像に関する情報を算出する際、演算式を使用する。サーバS1は、このような演算式を記憶している。
【0144】
そして、サーバS1は、演算結果(領域画像に関する情報37)を含むレスポンス38をクライアント端末Tに送信する。レスポンス38には、領域画像に関する情報37とともに、クライアント端末Tを特定する端末特定情報が含まれる。
【0145】
次に、サーバS1のハードウェアの構成について説明する。図5に示すように、サーバS1はそれぞれ、ハードウェア構成に着目した場合、プロセッサ2001、メモリ2002、及びストレージ2003等を備える。
【0146】
又、サーバS1は、通信IF2004及び電源回路2005等を備える。更に、サーバS1は、入力装置(不図示)及び出力装置(不図示)等を備えてもよい。これらのエレメント2001~2005は、例えば、バス2006によって接続されている。
【0147】
エレメント2001~2005の構成は、既述のクライアント端末Tのエレメント1001~1007(図3参照)とほぼ同様である。このため、エレメント2001~2005の説明は、エレメント1001~1007の説明を適宜援用してよい。又、サーバS2~S4の機能構成及びハードウェア構成は、サーバS1の機能構成及びハードウェア構成と同等でよい。
【0148】
以下、BIM支援システムBSの動作の一例について、説明する。本動作は、クライアント端末Tの表示部12に表示されたクレーン(つまり、クレーン画像)が、ジブ組み付け作業を実施する際、当該クレーン及びジブが使用する領域を、サーバS1~S4から取得するための動作である。このような動作を、領域画像取得動作と称することもある。以下、領域画像取得動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6は、領域画像取得動作のフローチャートである。
【0149】
(領域画像動作)
領域画像取得動作において、オペレータは、表示部12に表示されたクレーン(つまり、対象クレーン)の姿勢を決定した後、サーバS1~S4から特定した一つのサーバ(つまり、特定サーバ)に対して、領域画像を要求する。つまり、オペレータは、入力部11から領域画像要求を入力する。
【0150】
尚、領域画像要求は、オペレータの入力によるものでなくてもよい。つまり、領域画像要求は、クライアント端末Tの制御部15により自動生成されてもよい。ここでは、特定サーバを、サーバS1とする。サーバS1は、表示部12に表示された対象クレーンに対応するサーバである。
【0151】
オペレータは、サーバS1から取得した領域画像に関する情報により、対象クレーンがジブ組み付け作業を実施する際に、対象クレーン及びジブが使用する領域を知ることができる。この結果、オペレータは、対象クレーンがジブ組み付け作業を実施できるか否かを判定できる。
【0152】
先ず、図6のステップS100において、表示部12には、図7Aに示す建築物画像G1のみが表示されている。つまり、ステップS100において、図7Aに示すクレーン画像G2は、表示部12に表示されていない。建築物画像G1は、BIMアプリケーションAを用いてオペレータが作成した画像であってもよいし、記憶部14に記憶された情報を読み出して表示した画像であってもよい。
【0153】
ステップS100において、オペレータは、表示部12にクレーン画像G2を表示させるために、作業機画像の表示指示を入力部11から入力する。
【0154】
ステップS100において、入力部11が作業機画像の表示指示を受け付けると、第一制御部16は、クレーン画像の表示指示により指定された機種情報で特定されるクレーン(つまり、対象クレーン)のクレーン画像G2を表示部12に表示させる。
【0155】
ステップS100において、第一制御部16は、クレーン画像を、第二記憶部142から取得する。具体的には、第一制御部16は、クレーン画像の表示指示により指定された機種情報に対応するクレーン画像を、第二記憶部142から取得する。第二記憶部142から取得したクレーン画像の姿勢は、クレーン画像の基本姿勢である。
【0156】
又、オペレータは、ステップS100において、表示部12に表示するクレーン画像の姿勢条件を決定する。尚、図示は省略するが、オペレータがクレーン画像の姿勢条件を決定する前に、基本姿勢のクレーン画像が、表示部12に表示されている。オペレータは、表示部12表示された基本姿勢のクレーン画像を見ながら、クレーン画像の姿勢条件を決定する。
【0157】
ステップS100において、オペレータが決定するクレーン画像の姿勢条件は、ブームに関する姿勢条件(具体的には、ブームの起伏角、ブームの長さ、及びブームの旋回角)を含む。又、ステップS100において、オペレータが決定するクレーン画像の姿勢条件は、アウトリガに関する姿勢条件(具体的には、アウトリガの張出幅)を含んでもよい。
【0158】
ステップS100において、クレーン画像の姿勢条件が決定されると、第一制御部16は、表示部12に表示された基本姿勢のクレーン画像に、決定された姿勢条件を反映する。すると、表示部12には、図7Aに示されるようなクレーン画像G2が表示される。
【0159】
次に、ステップS101において、オペレータは、ステップS100において姿勢条件が決定されたクレーン画像G2に関する領域画像を求めるための操作を行う。例えば、オペレータは、表示部12にポップアップ表示された入力画面から、領域画像要求を入力する。
【0160】
尚、クレーン画像G2に関する領域画像を求めるためのオペレータの操作は、ステップS101で終了する。以後の処理は、クライアント端末TとサーバS1~S4との間で自動的に行われる。つまり、領域画像取得動作において、オペレータが、BIMアプリケーションAを介して領域画像要求を入力すると、領域画像が自動的に表示部12に表示される。
【0161】
又、ステップS101において、入力部11が領域画像要求を受け付けると、第二制御部17の支援制御部172は、取得した領域画像要求に対応するパラメータ(具体的には、ジブ組み付け作業に関する情報)を、第一制御部16から取得する。
【0162】
ステップS101において、支援制御部172が第一制御部16から取得するパラメータは、少なくとも、サーバS1~S4において領域画像の演算に必要なパラメータである。具体的には、ステップS101において、支援制御部172は、第一制御部16から、上述の機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、及び作業段階情報を取得する。
【0163】
尚、領域画像取得動作において機種情報は、表示部12に表示されたクレーンの機種に関する情報である。機種情報は、入力部11を介してオペレータから入力される情報であってよい。
【0164】
又、領域画像取得動作において姿勢情報は、ステップS100において決定された表示部12に表示されたクレーンの姿勢条件である。姿勢情報は、入力部11を介してオペレータから入力される情報であってよい。
【0165】
又、領域画像取得動作においてジブ情報は、ジブ組み付け作業において使用されるジブの種類(例えば、識別番号)を特定するための情報である。ジブ情報は、入力部11を介してオペレータから入力される情報であってよい。
【0166】
又、領域画像取得動作において作業種類情報は、ジブ組み付け作業の種類(方式)を特定するための情報でる。作業種類情報は、入力部11を介してオペレータから入力される情報であってよい。オペレータは、ステップS101において、入力部11を介して領域画像要求を要求する際、作業種類情報を入力してよい。
【0167】
又、領域画像取得動作において作業段階情報は、ジブ組み付け作業の作業段階に関する情報を特定するための情報である。作業段階情報は、ステップS101において、入力部11を介してオペレータから入力される情報であってよい。或いは、作業段階情報は、表示部12に表示されたクレーン及びクレーンに組み付けられたジブの状態(換言すれば、ジブ要素の個数)に基づいて、第一制御部16が取得した情報であってもよい。
【0168】
ステップS102において、第二制御部17の支援制御部172は、取得した機種情報で特定されるクレーン画像(つまり、図7Aのクレーン画像G2)に対応するサーバを特定するためのサーバ特定情報(例えば、サーバのURI)を、第三記憶部143から取得する。
【0169】
次に、第二制御部17の支援制御部172は、取得したサーバ特定情報、領域画像要求、及びパラメータを含むリクエストを生成する。そして、第二制御部17(具体的には、支援制御部172)は、生成したリクエストを通信制御部171に送る。リクエストは、通信部13を介して、サーバ特定情報で特定されるサーバ(例えば、サーバS1)に送信される。
【0170】
尚、ステップS102において生成されるリクエストは、HTTPSプロトコルのリクエストメッセージの形式である。このようなリクエストは、先頭から順に、URI、領域画像要求、及びパラメータを含む。
【0171】
リクエストのうち、URIは、ステップS102において、支援制御部172が、第三記憶部143から取得したサーバ特定情報である。又、リクエストのうち、領域画像要求は、ステップS102においてオペレータから入力された、領域画像要求である。更に、リクエストのうち、パラメータは、ステップS102において、支援制御部172が取得したパラメータである。
【0172】
以下、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理について説明する。
【0173】
ステップS103において、通信部21は、リクエストを受信する。そして、通信部21は、リクエストをリクエスト取得部231に送る。
【0174】
ステップS104において、リクエスト取得部231は、取得したリクエストからパラメータを抽出する。そして、リクエスト取得部231は、抽出した情報を演算部232に送る。
【0175】
ステップS105において、演算部232は、リクエスト取得部231から取得したパラメータに含まれる機種情報によって特定されるクレーンに関する諸元データを、記憶部22から取得する。
【0176】
又、ステップS105において、演算部232は、リクエスト取得部231から取得したパラメータに含まれるジブ情報によって特定されるジブに関する諸元データを、記憶部22から取得する。
【0177】
ステップS106において、演算部232は、ステップS104においてリクエスト取得部231から取得したパラメータ、及び、ステップS105において記憶部22から取得した諸元データに基づいて、領域画像に関する情報を生成する。
【0178】
換言すれば、ステップS106において、演算部232は、機種情報、姿勢情報、ジブ情報、作業種類情報、作業段階情報、クレーンに関する諸元データ、及びジブに関する諸元データに基づいて、領域画像に関する情報を生成する。そして、演算部232は、生成した領域画像に関する情報をレスポンス発行部233に送る。
【0179】
ステップS107において、レスポンス発行部233は、演算部232から取得した領域画像に関する情報を含むレスポンスを生成する。そして、レスポンス発行部233は、生成したレスポンスを、通信部21を介して、クライアント端末Tに送信する。
【0180】
以上が、クライアント端末Tからのリクエストを受信したサーバS1の処理である。次に、サーバS1からレスポンスを受信したクライアント端末T(支援モジュールM)の処理について説明する。
【0181】
ステップS108において、通信部13は、サーバS1からのレスポンスを受信する。そして、通信部13は、受信したレスポンスを第二制御部17(具体的には、支援制御部172)に送る。支援制御部172は、レスポンスから領域画像に関する情報を抽出する。そして、支援制御部172は、領域画像に関する情報を領域画像処理部176に送る。
【0182】
ステップS109において、領域画像処理部176は、支援制御部172から取得した領域画像に関する情報に基づいて、領域画像を生成する。そして、領域画像処理部176は、生成した領域画像を支援制御部172に送る。
【0183】
ステップS110において、支援制御部172は、領域画像処理部176から取得した領域画像を、表示部12の表示に反映させる。
【0184】
例えば、支援制御部172は、図7Bに示す領域画像G3を、表示部12に表示させる。図7Bにおいて領域画像G3は、ハッチングが付された画像である。図7Bにおいて領域画像G3に付されたハッチングは、説明の便宜のために付したものであるため、省略されてもよい。
【0185】
領域画像G3は、クレーンCのマストC-1、C-2に掛け渡されたテンションリンクC-21、C-22、C-23により囲まれた領域を示す領域画像G30及びジブ(具体的には、第一ジブ要素)の外形により囲まれた領域を示す領域画像G31を含む。領域画像G30は、領域画像G3において粗いハッチングが付された領域である。領域画像G31は、領域画像G3において細かいハッチングが付された領域である。
【0186】
尚、図7Bに示されたクレーン画像G2に対応するクレーンCは、一対のマストC-1、C-2と、テンションリンクC-21、C-22、C-23と、を有する。一対のマストC-1、C-2の基端部は、ブームC-3の先端部に接続されている。
【0187】
テンションリンクC-21、C-22、C-23は、クレーンCの後端部から、一対のマストC-1、C-2の先端部を介して、ジブC-4に掛け渡されている。
【0188】
テンションリンクC-21の基端部は、クレーンCの後端部に接続されている。テンションリンクC-21の先端部は、テンションリンクC-22の基端部に接続されている。テンションリンクC-22の先端部は、テンションリンクC-23の基端部に接続されている。
【0189】
テンションリンクC-23の先端部は、ジブC-4に接続されている。このような一対のマストC-1、C-2及びテンションリンクC-21、C-22、C-23は、ジブC-4の起伏状態を維持するためのものである。
【0190】
領域画像G3は、視認性を良くする観点から、クレーン本体の外形により囲まれる領域を含んでいない。但し、領域画像G3は、クレーン本体の外形により囲まれる領域を含んでもよい。この場合、クレーン本体の外形により囲まれる領域は、オペレータが視認し易い表示態様で示されると好ましい。
【0191】
図7Bに示す領域画像G3は、図7Aに示すクレーン画像G2が、図7Aに示す状態で、平組み方式によりジブ組み付け作業を実施した場合に、クレーン及びジブが使用する領域を示す画像である。よって、リクエストに含まれる作業種類情報は、「平組み方式」を示す情報である。
【0192】
又、図7Bに示す領域画像G3は、ジブ組み付け作業において、クレーンに1個目のジブ要素を組み付ける際の、領域画像である。よって、リクエストに含まれる作業段階情報は、「1段階」を示す情報である。よって、図7Bに示す領域画像G3は、クレーンのマスト(不図示)の外形及び1個目のジブ要素(第一ジブ要素とも称する。)の外形により囲まれた領域を示す画像と捉えてよい。
【0193】
領域画像G3は、三次元画像として、表示部12に表示される。図8A図8Cは、領域画像G3が三次元画像であることを説明するための図である。
【0194】
図8Aは、図7Bにおける矢印Aが示す方向から見た領域画像G3を示す図である。オペレータは、図8Aを見ることで、領域画像G3と、クレーン画像G2の周囲に配置された建築物画像G1(図7A参照)とが、水平方向において干渉しているか否かを判定できる。
【0195】
図8Bは、図7Bにおける上方から見た領域画像G3を示す図である。オペレータは、図8Bを見ることで、領域画像G3と、クレーン画像G2の周囲に配置された建築物画像G1(図7A参照)とが、上下方向及び水平方向(図8Bにおける左右方向)において干渉しているか否かを判定できる。
【0196】
図8Cは、図7Bにおける斜め上方から見た領域画像G3を示す図である。オペレータは、図8Cを見ることで、領域画像G3と、クレーン画像G2の周囲に配置された建築物画像G1(図7A参照)とが、上下方向及び水平方向において干渉しているか否かを判定できる。尚、図8Cにおいて、領域画像G3を示すハッチングは省略されている。
【0197】
尚、図9Aに示す領域画像G3Aは、ジブ組み付け作業において、クレーンに2個目のジブ要素を組み付ける際の、領域画像である。図9Aに示す領域画像G3Aは、図7Bに示す領域画像G3に、2個目のジブ要素に対応する領域画像G32が追加されている。
【0198】
図9Aに示す領域画像G3Aは、図7Aに示すクレーン画像G2が、図7Aに示す状態で、平組み方式によりジブ組み付け作業の第二段階目の作業を実施した場合に、クレーン及びジブが使用する領域を示す画像である。
【0199】
換言すれば、図9Aに示す領域画像G3Aは、平組み方式のジブ組み付け作業において、クレーンに2個目のジブ要素を組み付ける際の、領域画像である。よって、リクエストに含まれる作業種類情報は、「平組み方式」を示す情報である。又、リクエストに含まれる作業段階情報は、「2段階」を示す情報である。
【0200】
図9Aに示す領域画像G3Aは、クレーンのマスト(不図示)の外形、1個目のジブ要素(第一ジブ要素とも称する。)の外形、及び2個目のジブ要素(第二ジブ要素)により囲まれた領域を示す画像と捉えてよい。ジブ組み付け作業の作業段階は、ジブ要素の数に応じて決定される。領域画像G3Aは、図9Bに示すような三次元画像であってよい。
【0201】
又、図10Aに示す領域画像G3Bは、縦組み方式によりジブ組み付け作業を実施した場合に、クレーン及びジブが使用する領域を示す画像である。よって、リクエストに含まれる作業種類情報は、「縦組み方式」を示す情報である。
【0202】
又、図10Aに示す領域画像G3Bは、ジブ組み付け作業において、クレーンに2個目のジブ要素を組み付ける際の、領域画像である。このため、リクエストに含まれる作業段階情報は、「2段階」を示す情報である。よって、図10Aに示す領域画像G3Bは、クレーンのマスト(不図示)の外形及び1個目のジブ要素(第一ジブ要素とも称する。)の外形、及び2個目のジブ要素(第二ジブ要素とも称する。)の外形により囲まれた領域を示す画像と捉えてよい。
【0203】
領域画像G3Bは、クレーンのマスト(不図示)の外形を示す領域画像G33、第一ジブ要素の外形により囲まれた領域を示す領域画像G34、及び第二ジブ要素の外形により囲まれた領域を示す領域画像G35を含む。尚、縦組み方式の場合、第一ジブ要素をクレーンに組み付ける作業は、平組み方式と同様に、ブームを倒伏した状態で行われる。よって、縦組み方式における第一段階の作業に関する領域画像は、図7B図8Cに示す領域画像G3とほぼ同様である。
【0204】
(本実施形態の作用・効果)
以上のような本実施形態によれば、オペレータは、例えば、図7B図8Cに示す領域画G3を見ることにより、ジブ組み付け作業の可否の判断を正確に行うことができる。この結果、オペレータは、ジブ組み付け作業を考慮しつつ、より詳細な施工計画作業を行うことができる。
【0205】
又、オペレータは、作業計画作業において、ジブ組み付け作業の可否を判断することができる。よって、ジブ組み付け作業の可否の判断を効率よく行うことができる。オペレータがジブ組み付け作業を行うことができないと判断した場合には、オペレータは、クレーンの姿勢の変更、クレーンの設置場所の変更、及び/又はクレーンの機種変更等を行い、再検討することにより、最適な作業状態を効率よく決定できる。
【0206】
(動作例の付記)
尚、上述の領域画像取得動作において、サーバS1は、ジブ組み付け作業の手順に関する情報を取得してもよい。この場合、サーバS1は、取得したジブ組み付け作業の手順に関する情報を含むレスポンスを生成してよい。そして、サーバS1は、生成したレスポンスを、クライアント端末Tに送ってよい。
【0207】
ジブ組み付け作業の手順に関する情報は、例えば、ジブ組み付け作業の全工程の手順に関する情報であってよい。又、ジブ組み付け作業の手順に関する情報は、例えば、ジブ組み付け作業において、次に実行される工程の手順に関する情報であってよい。サーバS1は、次に実行される工程を、リクエストに含まれる作業段階情報に基づいて特定してよい。又、ジブ組み付け作業の手順に関する情報は、例えば、次に実行される工程におけるクレーンの姿勢に関する情報を含んでよい。クライアント端末Tは、サーバS1から提示されたジブ組み付け作業の手順に関する情報を表示部12に表示する。オペレータは、表示部12に表示されたジブ組み付け作業の手順に関する情報を見て、ジブ組み付け作業を実行する。
【0208】
又、上述の動作例では、オペレータは、ジブ組み付け作業の作業段階毎に、領域画像要求を行っている。但し、オペレータは、サーバS1に対する1度の領域画像要求により、ジブ組み付け作業の全工程に関する作業領域を要求することもできる。この場合、サーバS1は、ジブ組み付け作業の全工程に関する領域画像に関する情報を生成する。サーバS1は、ジブ組み付け作業の全工程に関する領域画像に関する情報を含む1つのレスポンスを生成する。そして、サーバS1は、当該レスポンスを、クライアント端末Tに送る。クライアント端末Tは、サーバS1から提示されたジブ組み付け作業の全工程の領域画像に関する情報を表示部12に表示する。このような方法によれば、オペレータは、1度の領域画像要求のみで、ジブ組み付け作業の全工程に関する領域画像に関する情報を確認できる。
【0209】
上述の動作例では、オペレータが、表示部12に表示された領域画像を見ることで、ジブ組み付け作業の可否を判断している。但し、ジブ組み付け作業の可否の判定は、クライアント端末Tにより実行されてもよい。この場合、クライアント端末Tは、判定結果を、表示部12に表示してよい。或いは、ジブ組み付け作業の可否の判定は、サーバS1により実行されてもよい。この場合、サーバS1は、判定結果を、クライアント端末Tに送るレスポンスに含めてよい。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明は、例えば、クレーン等の作業機の作業を考慮した、建築物の設計及び作業計画に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0211】
BS BIM支援システム
A BIMアプリケーション
M 支援モジュール
M1、M2、M3、M4 メーカー
T クライアント端末
11 入力部
12 表示部
13 通信部
14 記憶部
141 第一記憶部
142 第二記憶部
143 第三記憶部
15 制御部
16 第一制御部
17 第二制御部
171 通信制御部
172 支援制御部
176 領域画像処理部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 リクエスト取得部
232 演算部
233 レスポンス発行部
31 リクエスト
32 サーバ特定情報
33 領域画像要求
34 パラメータ
36 諸元データ
37 領域画像に関する情報
38 レスポンス
1001、2001 プロセッサ
1002 入力装置
1003 出力装置
1004、2002 メモリ
1005、2003 ストレージ
1006、2004 通信インタフェース
1007、2005 電源回路
1008、2006 バス
C クレーン
C-1、C-2 マスト
C-21、C-22、C-23 テンションリンク
C-3 ブーム
C-4 ジブ
G1 建築物画像
G2 クレーン画像
G3、G3A、G3B 領域画像
G30、G31、G32 領域画像
G33、G34、G35 領域画像
S1、S2、S3、S4 サーバ
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B