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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158377
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】チューブプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/42 20060101AFI20241031BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20241031BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B41J11/42
B41J2/32 Z
B41J3/407
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073529
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】立原 祐司
(72)【発明者】
【氏名】米沼 政広
(72)【発明者】
【氏名】國井 慎也
【テーマコード(参考)】
2C058
2C065
【Fターム(参考)】
2C058AB04
2C058AC06
2C058AE01
2C058AF23
2C058AF31
2C058AF51
2C058GB05
2C058GB14
2C058GB26
2C058GB32
2C058GB48
2C058GB54
2C058GE17
2C065AB03
2C065AD07
2C065AF01
(57)【要約】
【課題】
チューブの終端を誤検知して記録動作が停止するのを抑制できるチューブプリンタを提供すること。
【解決手段】
チューブプリンタは、チューブを搬送するローラの駆動源となるステッピングモータと、検出位置におけるチューブの有無を検出するチューブ検出手段と、ローラとの間でチューブに記録を行うニップを形成するサーマルヘッドと、ステッピングモータとサーマルヘッドとを制御する制御手段と、を備え、制御手段は、ステッピングモータを駆動してチューブを検出位置からニップの位置まで搬送するのに必要なパルス数に基づいて予め設定された閾値を用いて、チューブへの記録動作中にチューブ検出手段がチューブを検出しなくなってから次にチューブを検出するまでにステッピングモータに入力されたパルス数が閾値以下の場合には、ステッピングモータによるチューブの搬送とサーマルヘッドによる記録を継続する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブを搬送するローラの駆動源となるステッピングモータと、
発光部と受光部とを有し、前記受光部の出力に基づいて検出位置におけるチューブの有無を検出するチューブ検出手段と、
前記ローラとの間でニップを形成し、前記チューブ検出手段を通過したチューブに前記ニップで記録を行うサーマルヘッドと、
前記ステッピングモータと前記サーマルヘッドとを制御する制御手段と、
を備えるチューブプリンタであって、
前記制御手段は、
前記ステッピングモータを駆動してチューブを前記検出位置から前記ニップの位置まで搬送するのに必要なパルス数に基づいて予め設定された閾値を用いて、
チューブへの記録動作中に前記チューブ検出手段がチューブを検出しなくなってから次にチューブを検出するまでに前記ステッピングモータに入力されたパルス数が前記閾値を超えた場合には、前記ステッピングモータによるチューブの搬送と前記サーマルヘッドによる記録とを停止し、
チューブへの記録動作中に前記チューブ検出手段がチューブを検出しなくなってから次にチューブを検出するまでに前記ステッピングモータに入力されたパルス数が前記閾値以下の場合には、前記ステッピングモータによるチューブの搬送と前記サーマルヘッドによる記録を継続する
ことを特徴とするチューブプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ状の記録媒体に記録を行うチューブプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1が示すように、電線やホース、パイプなど、可撓性を有するチューブ状の記録媒体(以下、チューブと称する。)に画像を形成できる記録装置が存在する。記録装置は、ローラでチューブを搬送し、サーマルヘッドでチューブに画像を記録し、切断機でチューブを切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-313410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブへの記録は、サーマルヘッドとチューブを搬送するローラとで形成するニップでチューブとインクリボンとを挟持して行われる。チューブがない状態でインクリボンだけをニップして搬送が行われると、インクリボンが切れるおそれがある。そのため、チューブに記録を行うときは、チューブの終端が記録を行うニップに到達する前に記録動作を停止する必要がある。従来のチューブプリンタでは、チューブの搬送経路でサーマルヘッドより上流側となる位置にフォトインタラプタを配置し、フォトインタラプタの出力に基づいてチューブの終端を検出していた。しかしながら従来のチューブプリンタではフォトインタラプタの受光部が発光部からの光を受光した時点でチューブの終端と判定していた。
【0005】
らせん状に巻かれた状態や折り畳まれた状態で保管されたチューブには、巻き癖や折り癖がつくことがある。このような癖のついたチューブを記録に用いると、チューブが浮き上がってフォトインタラプタの光軸から外れてチューブの終端と誤認することがあった。チューブ終端の誤認が発生すると、本来は記録動作の継続が可能であるにもかかわらずチューブプリンタの記録動作が停止してしまうという課題があった。本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的はチューブ終端の誤検知による記録動作の停止を抑制できるチューブプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るチューブプリンタは、チューブを搬送するローラの駆動源となるステッピングモータと、発光部と受光部とを有し、前記受光部の出力に基づいて検出位置におけるチューブの有無を検出するチューブ検出手段と、前記ローラとの間でニップを形成し、前記チューブ検出手段を通過したチューブに前記ニップで記録を行うサーマルヘッドと、前記ステッピングモータと前記サーマルヘッドとを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記ステッピングモータを駆動してチューブを前記検出位置から前記ニップの位置まで搬送するのに必要なパルス数に基づいて予め設定された閾値を用いて、チューブへの記録動作中に前記チューブ検出手段がチューブを検出しなくなってから次にチューブを検出するまでに前記ステッピングモータに入力されたパルス数が前記閾値を超えた場合には、前記ステッピングモータによるチューブの搬送と前記サーマルヘッドによる記録とを停止し、チューブへの記録動作中に前記チューブ検出手段がチューブを検出しなくなってから次にチューブを検出するまでに前記ステッピングモータに入力されたパルス数が前記閾値以下の場合には、前記ステッピングモータによるチューブの搬送と前記サーマルヘッドによる記録を継続する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チューブ終端の誤検知による記録動作の停止を抑制できるチューブプリンタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】チューブプリンタの全体構成図である。
図2】チューブプリンタのブロック図である。
図3】チューブプリンタの記録部周辺の拡大図である。
図4】チューブプリンタの記録部周辺の拡大図であり、チューブをカットしている状態を示す図である。
図5】チューブ検出部の拡大図である。
図6】チューブ検出部の拡大図である。
図7】チューブ検出部の断面図である。
図8】チューブ終端を判定するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
本明細書において、「記録媒体」は、その上に記録により文字、図形、記号等の有意の情報を形成するもののみならず、特段の意味を有しない画像、模様、パターン等を形成するものも含む。
【0010】
本明細書において、「記録」は、記録媒体上に文字、図形、記号等の有意の情報を形成するもののみならず、特段の意味を有しない画像、模様、パターン等を形成するものも含む。
【0011】
図1は本発明に係る記録装置としてのチューブプリンタの全体構成図である。チューブプリンタ1は、記録媒体としてのチューブTを記録位置に導くガイドユニット2、記録に使用するインクリボンを内部に収容したリボンカセット7を取り付け可能である。チューブプリンタ1は、ユーザがキー操作を行うキーボード6、ユーザがキーボード6から入力した記録内容や記録設定を表示可能なディスプレイ8、を備えている。チューブプリンタ1は、記録部3においてチューブTに記録を行うとともに、カット部4においてチューブのカットを行う。
【0012】
図2はチューブプリンタ1の制御ブロック図である。CPU60は、記録部3による記録動作の制御、ディスプレイ8における表示の制御など、チューブプリンタ1における各部の動作、処理を制御する。各要素の詳細な説明は後述する。
【0013】
キーボード6は、ユーザの操作によりチューブTへの記録内容や記録JOB数、カット手段によるカット方法等、チューブプリンタ1に対して種々の設定の入力を行う。
【0014】
メインモータ61は、主にチューブTの搬送を行うための駆動を担っており、本発明における一実施形態においてはステッピングモータを採用している。チューブTの搬送量は、メインモータ61に入力されるパルス数で管理される。チューブTのフォワードフィードおよびバックフィードの切り替えは、ステッピングモータの正回転、逆回転により行っている。メインモータ61の駆動はリボンカセット7の巻取りスプールにも連結しており、チューブTへの記録が終了したインクリボンの巻き取りも、メインモータ61の駆動により行う。
【0015】
サブモータ62はチューブTをカットするカット部4の駆動を担っており、本発明における一実施形態においては、ステッピングモータを採用している。チューブTのカット動作は、サブモータ62の正逆転駆動により行っている。また、サブモータ62を駆動する際のパルス数を調整することにより、チューブTのカット深さを調整できるようにしている。
【0016】
サーマルヘッド21は、記録部3に設けられている。サーマルヘッドの発熱素子の発熱制御を行うことにより、インクリボンのインクをチューブTに転写して記録を行う。
【0017】
[キーボード]
キーボード6は、コンピュータ等とほぼ同様に、シフトキー、文字・数字・記号キー、スペースキー、変換キー、十字方向キー、エンターキー等を有しており、ユーザはこれらのキーを操作することで、記録媒体の種類やサイズ、記録する文字や記録する数量、カットの有無等を入力し、記録条件及びカット条件を設定することができる。
【0018】
[ディスプレイ]
ディスプレイ8は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)が用いられ、記録モードや記録数量、カット条件等を表示する記録情報表示エリア、キーボード6から入力された文字、数字、記号等を表示する文字情報表示エリア、文字サイズやページ数等を表示するパラメータ表示エリア等に分割されており、ユーザは記録する詳細条件をディスプレイ8で確認することができる。
【0019】
[ガイドユニット]
ユーザがチューブプリンタ1にチューブTをセットする際、ユーザはガイドユニット2を通過させてセットする。ガイドユニット2は、記録媒体の搬送方向において記録部よりも上流側に配置されている。ガイドユニット2はセットされたチューブTを記録部3に導く役割を担っている。
【0020】
[記録部]
記録部3は、図3に示すように、サーマルヘッド21と、サーマルヘッド21に対向するように配置されたプラテンローラ20と、プラテンローラ20の下流側にプラテンローラ20と対向するように配置された搬送ローラ23を有している。サーマルヘッド21とプラテンローラ20との間にはインクリボンが介在している。インクリボンは、図1に示すリボンカセット7の供給スプールから供給され、巻取りスプールによって巻き取られる。プラテンローラ20、搬送ローラ23及びリボンカセット7の巻取りスプールは図示しない駆動ギヤ列で連結され、図示しないメインモータ61によって回転駆動させている。また、サーマルヘッド21は、プラテンローラ20との間で記録媒体を挟持しインクリボンを介してチューブTに当接する当接位置と、プラテンローラ20から離れた位置である離間位置との間を移動可能である。
【0021】
チューブプリンタ1は、巻き取ってあるインクリボンの長さが異なるリボンカセット7を装着して使用することが可能である。例えばリボンカセット7に収容されているインクリボンの長さとしては、40m、85m、150mのものを装着可能である。チューブプリンタ1に装着されているリボンカセット7のインクリボンの長さは、リボンカセット7に設けられた不図示のICチップの内容をCPU60が読み取ることで判別する。
【0022】
記録を行う際、チューブTはプラテンローラ20とインクリボンの間に挟まれ、サーマルヘッド21によってインクリボン側からプラテンローラ20側へ押圧されながら、搬送経路に沿って搬送される。そして、ユーザが入力した記録データに従ってサーマルヘッド21の発熱素子が加熱され、その熱でインクリボンのインクが溶融してチューブTに転写され、チューブT上に文字や記号が記録される。つまり、プラテンローラ20とサーマルヘッド21で形成されるニップで記録が行われる。
【0023】
[カット部]
図3図4を用いて記録媒体をカットするカット部4についての説明を行う。カット部4は、図3示すようにカッター30と刃受31で構成されており、記録されたチューブTを所定の長さにハーフカット(半切り)もしくはフルカット(全切り)できる。図3におけるカッター30の位置は退避位置であり、図4におけるカッター30の位置はカット位置である。チューブTのカットを行う場合、不図示のサブモータ62によってカッター30を退避位置からカット位置に移動させ、刃受31とカッター30でチューブTを挟んでカットする。ハーフカットとフルカットの切り替えは、刃受31を回転させてカッター30と対向する面を切り替えることで行う。刃受31のハーフカットを行うときに使用する面は、カッター31のチューブTに対する進入量を調整するための段差を有しており、ハーフカットを行ったときにチューブTの一部がつながった状態とすることができる。
【0024】
[排出部]
排出部5には、図3に示すような排出ガイド33が備えられている。排出ガイド33は、カット部4でカットされるチューブTの浮き上がりを防止する役割と、カット処理中にユーザが誤って排出口から指を入れてもカッター30まで指が届かないようにする怪我防止の役割を担っている。
【0025】
[チューブ検出部]
図5から図7を用いてチューブ検出部70の説明を行う。
【0026】
図5においてチューブ検出部70は、搬送経路において記録部3よりも上流側に位置する。すなわち、記録動作においてチューブTはチューブ検出部70を通過してから記録部3に到達する。チューブ検出部70はフォトインタラプタ71を備えている。フォトインタラプタ71は図示しない発光素子と受光素子とを備えている。発光素子と受光素子の間に検出物がある場合、受光素子は発光素子が発した光を検出しなくなる。光軸72は発光素子から発せられた光を模式的に示したものである。チューブTが検出位置すなわち光軸72の位置にあるときには発光素子から発せられた光は遮られて受光素子に届かず、チューブTが検出位置に無い時には発光素子から発せられた光は受光素子に到達する。そのため、受光素子の出力から検出位置におけるチューブTの有無を判定することが可能である。
【0027】
図7は、図6のB-B断面を矢印方向から見た図である。発光素子の光は発光窓73から発せられる。図7はチューブTが波打った状態でチューブ検出部70に到達した状態を示している。リールに巻き取られた状態で保存されていた場合、チューブTに巻き癖がつくことがある。チューブTの巻き癖がついた部分がチューブ検出部70に到達すると、図7のようにチューブTがチューブ検出部70の発光窓73を跨いで通過することがある。従来のチューブ終端検出制御においては、記録動作の開始後にチューブ検出部70で受光素子が発光素子からの光を検出するとすぐにチューブTの終端と判断して記録動作やチューブTの搬送動作を停止していた。そのため、チューブTがまだ残っているにもかかわらず、記録動作が停止されることがあった。
【0028】
<実施例>
図8は本発明の実施例に係るチューブの終端検知制御のフローチャートである。終端検知制御はCPU60によって実行される。
【0029】
CPU60は、ステップS101においてユーザの指示によってチューブTへの記録動作を開始する。CPU60は記録動作を開始してからステップS102においてチューブ検出部70のフォトインタラプタ71で受光素子が受光しているか否かの検出を行う。なお、PIはフォトインタラプタ(Photo Interrupter)の略称である。
【0030】
フォトインタラプタ71の受光素子が受光していない場合はチューブ有りとしてステップ106に進む。CPU60はステップ106において、チューブT記録すべき内容がすべて記録済みであるかを判定し、記録済みであればYesに進み記録動作を終了する。まだ記録すべき内容が残っている場合にはNoに進み、ステップS104に戻る。
【0031】
ステップS102においてフォトインタラプタ71の受光素子が受光している場合、チューブ無しとしてステップ103に進み、CPU60はメインモータ61に入力されるパルス数の計測を開始する。
【0032】
ステップ103でのパルス数の計測開始後、CPU60はステップS104においてフォトインタラプタ71の状態を監視する。そして受光素子が受光していない場合はチューブ有りとしてステップS106に進む。図7で示したように、チューブTの巻き癖がついた部分がチューブ検出部70を通過する場合に、ステップS102において「チューブ無し」と判定されてからステップ104で「チューブ有り」と判定される。
【0033】
ステップS104において受光素子が受光している場合は、チューブ無しとしてステップS105に進む。CPU60はステップS105において、メインモータ61に入力されたパルス数が閾値を超えたかどうかを判定する。閾値を超えていない場合はNoとしてステップS104に戻り、フォトインタラプタ71を監視する。ステップS104において閾値を超えている場合は、Yesに進んでCPU60はステップS107でメインモータ61によるチューブTの搬送と記録部3におけるチューブTへの記録を停止し、ステップS108でディスプレイ8にユーザに報知する表示を行う。
【0034】
次に、ステップS105で用いる閾値の設定の仕方について、図5を用いて説明する。図5において、光軸72はチューブ検出部70においてチューブTの有無を検出している位置である。光軸72の位置は、フォトインタラプタ71の発光部と受光部の位置と同じである。
【0035】
そして、記録位置74はプラテンローラ20とサーマルヘッド21とで形成されるニップでサーマルヘッド21がインクリボンを介してチューブTと当接し、チューブTに記録を行う位置である。
【0036】
チューブプリンタ1の記録動作中にチューブTの終端が記録位置74を通過すると、サーマルヘッド21がインクリボンを介してプラテンローラ20に当接する。この状態になると、プラテンローラにインクリボンのインクが付着して汚れたり、インクリボンが切れたりする。このような事態を避けるため、チューブ終端が記録位置74を通過する前に記録動作を停止する必要がある。一方、従来のようにチューブ検出部70で「チューブ無し」を検出した時点で記録動作を停止すると、チューブTの波打った部分が光軸72の位置に到達したときに、チューブ終端の誤検出が発生してしまう。
【0037】
そこで本実施例では、光軸74を通過したチューブTが記録位置74に到達するのに要するメインモータ61のパルス数に基づいて、図8のステップS105で用いる閾値を設定する。これにより、チューブTの終端が記録位置74に到達したときに、記録動作を停止することができる。
【0038】
なお、部品のばらつきなどによって、メインモータ61に入力したパルス数が同じでもチューブTの搬送量が大きくなる場合がある。具体的には、チューブTの搬送を行うプラテンローラ20の外径寸法の公差やCPU60が記録動作を停止してから実際にチューブTの移動が停止するまでの移動距離などで、理論的に求めたチューブTの搬送量に対して実際の搬送量が大きくなる場合がある。このような場合、チューブTの終端が記録位置74を通過してしまうおそれがある。そのため、チューブTの搬送量が増加する方向に影響する要因を積み上げ、公差上でチューブTの搬送量が最も大きくなるケースにおいて、光軸74を通過したチューブTが記録位置74に到達するのに要するパルス数を閾値として用いてもよい。
【0039】
以上、説明したように、本実施例に係るチューブプリンタによれば、チューブ終端を誤検知して記録動作が停止するのを抑制することが可能となる。
【0040】
なお、チューブプリンタ1は記録媒体としてチューブの他に記名板と呼ばれるプラスチック製の連続した薄板を記録媒体として使用することも可能である。ユーザが記録媒体として記名板を使用する場合、ユーザがキーボード6に記録媒体の種類を入力することで設定される。チューブプリンタ1の記録媒体として記名板を使用するとき、記録に使用するリボンカセット7のインクリボンの長さが長いと、インクリボンの巻き取り不良などの不具合が生じることがある。そのため、記録媒体として記名板が設定されているときには、チューブプリンタ1に装着されているリボンカセット7の種類に応じて報知を行ってもよい。具体的には、85mまたは150mのインクリボンが収容されたリボンカセット7が装着された状態で記名板への記録がユーザにより指示された場合に、記録を継続するか中止するかを問う表示をディスプレイ8に表示し、ユーザからの入力に応じて記録を継続するかあるいは中止する。
【符号の説明】
【0041】
1 チューブプリンタ
2 ガイドユニット
3 記録部
4 カット部
5 排出部
6 キーボード
7 リボンカセット
8 ディスプレイ
10 アタッチメント
11 供給ローラ
12 供給コロ
20 プラテンローラ
21 サーマルヘッド
22 インクリボン
23 搬送ローラ
30 カッター
31 刃受
33 排出ガイド
60 CPU
61 メインモータ
62 サブモータ
70 チューブ検出部
71 フォトインタラプタ
72 光軸
73 発光窓
74 記録位置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8