(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158379
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電動モータにおける制御装置
(51)【国際特許分類】
H02P 21/22 20160101AFI20241031BHJP
H02P 27/06 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02P21/22
H02P27/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073531
(22)【出願日】2023-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 太志
(72)【発明者】
【氏名】菊地 拓也
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505AA16
5H505BB04
5H505DD03
5H505DD08
5H505EE41
5H505GG04
5H505HB01
5H505JJ03
5H505JJ04
5H505JJ17
5H505LL45
(57)【要約】
【課題】乗り心地や、操縦安定性を向上することが可能な電動モータにおける制御装置を提供する。
【解決手段】電動モータにおける制御装置は、永久磁石または巻線の一方が配置されたロータと、永久磁石または巻線の他方が配置されたステータと、を備えた電動モータにおける制御装置であって、電動モータの起動時に、巻線の温度が所定温度未満である場合、巻線の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、d軸電流による回転トルクがロータに発生する場合、回転トルクの方向と反対の方向であって、回転トルクと同じ大きさの回転トルクが前記ロータに発生するようにq軸電流を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石または巻線の一方が配置されたロータと、
前記永久磁石または前記巻線の他方が配置されたステータと、
を備えた電動モータにおける制御装置であって、
前記電動モータの起動時に、前記巻線の温度が所定温度未満である場合、前記巻線の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、前記d軸電流による回転トルクが前記ロータに発生する場合、前記回転トルクの方向と反対の方向であって、前記回転トルクと同じ大きさの回転トルクが前記ロータに発生するようにq軸電流を制御する制御部と、
を備える、
電動モータにおける制御装置。
【請求項2】
前記d軸電流、前記q軸電流および前記回転トルクのそれぞれの相互の関係を表す数式に基づいて前記q軸電流の電流値を算出する算出部をさらに備える、
請求項1に記載の電動モータにおける制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、以下の数式に基づいて、前記q軸電流の電流値を算出する、
T=Pn*Ψa*iq+Pn(Lq-Ld)id*iq
ここで、Tは回転トルク、Pnは極対数、Ψaは鎖交磁束、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流である、
請求項2に記載の電動モータにおける制御装置。
【請求項4】
前記算出部は、予め定られた前記d軸電流の電流値に基づいて、前記q軸電流の電流値を算出する、
請求項2または3に記載の電動モータにおける制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動モータにおける制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両(EV)はその走行に動力源として電動モータを用いる。電動モータは、永久磁石または巻線の一方が配置されたロータと、永久磁石または巻線の他方が配置されたステータとを備えている。このような電動モータでは、その巻線温度が所定温度未満である場合、起動させることができない。そこで、d軸に電流を流して、巻線温度を起動可能温度まで上昇させることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、d軸電流の指令値を変更することにより、モータの温度を上昇させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電動モータにおいて、例えば、巻線に発生するN極と、永久磁石のS極とが対向していない状態で、d軸電流が流れると、N極とS極とが対向するように、ロータが回転する。これにより、停車中の車両がロータの回転に応じて急激に動くため、乗り心地や、操縦安定性に大きな影響を与えるという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、乗り心地や、操縦安定性を向上することが可能な電動モータにおける制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示における電動モータにおける制御装置は、
永久磁石または巻線の一方が配置されたロータと、
前記永久磁石または前記巻線の他方が配置されたステータと、
を備えた電動モータにおける制御装置であって、
前記電動モータの起動時に、前記巻線の温度が所定温度未満である場合、前記巻線の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、前記d軸電流による回転トルクが前記ロータに発生する場合、前記回転トルクの方向と反対の方向であって、前記回転トルクと同じ大きさの回転トルクが前記ロータに発生するようにq軸電流を制御する制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、乗り心地や、操縦安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は本開示の実施の形態におけるIPMモータの断面図である。
【
図2】
図2は本開示の実施の形態におけるIPMモータの等価モデルを示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す3相(u,v,w)座標系を直流の2相(d,q)座標系で表したモータの概念図である。
【
図4】
図4は本開示の実施の形態におけるIPMモータにおける制御装置の一例を機能的に示すブロック図である。
【
図5】
図5は本開示の実施の形態におけるIPMモータにおける制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態におけるIPMモータの断面図である。
IPMモータ1は、ロータ10(回転子)とステータ20(固定子)とを有し、ステータ20の内側にロータ10が配されたインナーロータ型のモータである。IPMモータ1は4極を有する。
【0011】
(ロータ10)
ロータ10は、シャフト11とロータコア12とを有している。
【0012】
シャフト11は、円柱状の部材を有し、
図1の紙面の奥行方向に延在している。
【0013】
ロータコア12は、円筒状の部材を有し、軸線の方向(奥行方向)に沿うように軸孔12aを有している。軸孔12aにはシャフト11が嵌め込まれている。これにより、ロータコア12は、シャフト11と軸回りに一体的に回転する。
【0014】
(永久磁石30)
本実施の形態では、ロータ10は、同一形状の4個の永久磁石30を有している。4個の永久磁石30は、永久磁石30の対が軸線に関して均等な角度間隔で配置されている。永久磁石30は、いずれもラジアル対向配置されており、N極を有するN極磁石30Aと、S極を有するS極磁石30Bとが軸線回りに交互に配置されている。
【0015】
(ステータ20)
ステータ20は、円筒状のステータコア21を有している。ステータコア21は、ロータ10の外周を囲むように配置されている。
【0016】
ステータコア21の内周側には複数(ここでは、24個)の巻線22(コイル)が配置されている。複数の巻線22は、ロータ10の軸線に関して均等な角度間隔で配置されている。インバータ回路(不図示)から複数の巻線22にU相、V相およびW相の3相交流電圧が印加されると、ステータコア21の内側に磁界が発生する。
【0017】
図2は本開示の実施の形態におけるIPMモータの等価モデルを示す図である。
図2に、3相(U相、V相、W相)巻線に基づくモデルを示す。
図2において、iuはu相電気子電流、ivはv相電気子電流、iwはw相電気子電流、θは、U相からの永久磁石30(回転子)の進み角、Raは各相の電機子抵抗である。Muvはu相v相間相互インダクタンス、Mvwはv相w相間相互インダクタンス、Mwuはw相u相間相互インダクタンス、Luはu相自己インダクタンス、Lvはv相自己インダクタンス、Lwはw相自己インダクタンスである。
【0018】
3相巻線に基づくモデルにおいて、3相電圧はαβ座標系電圧に変更可能である。さらに、αβ軸をステータ20(固定子)から見た回転座標系のdq軸へ変換し、ロータ10(回転子)の永久磁石30の磁束方向をd軸、それと直交方向をq軸に設定可能である。
図3は、
図2に示す3相座標系を直流の2相(d,q)座標系で表したモータの概念図である。
図3において、idはd軸電機子電流、iqはq軸電機子電流、Raは各相電機子の抵抗、Ldはd軸自己インダクタンス、Lqはq軸自己インダクタンスである。なお、
図3に示す2相座標系では、ロータ10の永久磁石の磁束(N極)方向にd軸を定め、d軸から正方向に90度進んだ方向をq軸とする。
【0019】
IPMモータ1の基本トルクTは、以下の数式(1)で表すことができる。
T=Pn{Ke-(Lq-Ld)id}iq…(1)
ここで、Pnは極対数、Keは誘導起電圧定数、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流である。
【0020】
なお、IPMモータ1の起動時に巻線温度が所定温度未満である場合、起動させることができない。そこで、d軸に電流を流して、巻線温度を起動可能温度まで上昇させる。ところで、IPMモータ1において、例えば、巻線22に発生するN極と、永久磁石30のS極(S極磁石30B)とが対向していない状態で、d軸電流が流れると、N極とS極とが対向するように、ロータ10(回転子)に回転トルクが発生する。これにより、停車中の車両がロータ10の回転に応じて急激に動くため、乗り心地や、操縦安定性に大きな影響を与えるという問題がある。
【0021】
本実施の形態では、d軸電流による回転トルクがロータ10に発生しても、停車中の車両が動かないように、回転トルクの方向と反対の方向であって、回転トルクと同じ大きさの回転トルクがロータ10に発生するようにq軸電流を制御する。
【0022】
図4は、本開示の実施の形態におけるIPMモータにおける制御装置の一例を機能的に示すブロック図である。制御装置40は、制御部41と記憶部45とを備える。
図4において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図4に示していないデータの流れがあってもよい。
図4において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図4に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、コントローラエリアネットワーク(CANバス)等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0023】
記憶部45は、制御装置40を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や制御装置40の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。
【0024】
また、記憶部45は、所定温度を格納する。所定温度は、IPMモータ1の性能や、構成等に応じており、実験やシミュレーションにより設定される。本実施の形態において、所定温度は、IPMモータ1が動作可能な温度範囲の下限値である。なお、所定温度は、温度センサの検出精度に応じて検出誤差が生じるため、所定温度は、所定の温度範囲を有してもよい。
【0025】
制御部41は、制御装置40のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部45に記憶されたプログラムを実行することによって取得部42、判定部43及び算出部44として機能する。
【0026】
なお、
図4に示す制御装置40が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、制御装置40は、例えば複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部41を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0027】
取得部42は、温度検出部(不図示)から巻線22の温度を取得する。
【0028】
判定部43は、巻線22の温度が所定温度未満であるか否かを判定する。
【0029】
制御部41は、IPMモータ1の起動時に、巻線22の温度が所定温度未満である場合、巻線22の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、d軸電流による回転トルクがロータ10に発生する場合、回転トルクの方向と反対の方向であって、回転トルクと同じ大きさの回転トルクがロータ10に発生するようにq軸電流を制御する。
【0030】
算出部44は、d軸電流による回転トルクの方向と反対の方向であって、回転トルクと同じ大きさの回転トルクがロータ10に発生するようにq軸電流の電流値を算出する。
【0031】
算出部44は、d軸電流、q軸電流および回転トルクのそれぞれの相互の関係を表す数式(2)に基づいてq軸電流の電流値を算出する。なお、数式(2)は、上記の数式(1)から導くことができる。
【0032】
T=Pn*Ψa*iq+Pn(Lq-Ld)id*iq…(2)
ここで、Tは回転トルク、Pnは極対数、Ψaは鎖交磁束、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流である。なお、d軸電流の電流値は、巻線22の温度に応じた電流値でもよく、また、巻線22の温度に拘わらず、予め定められた電流値でもよい。
【0033】
次に、本開示の実施の形態におけるIPMモータにおける制御装置の動作の一例について説明する。
図5は本開示の実施の形態におけるIPMモータにおける制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。本フローは、IPMモータ1の起動時に開始される。
【0034】
先ず、ステップS110において、取得部42は、巻線22の温度を取得する。
【0035】
次に、ステップS120において、判定部43は、巻線22の温度が所定温度未満であるか否かを判定する。巻線22の温度が所定温度未満である場合(ステップS120:YES)、処理はステップS130に遷移する。巻線22の温度が所定温度以上である場合(ステップS120:NO)、本フローは終了する。
【0036】
ステップS130において、算出部44は、d軸電流の電流値を取得する。
【0037】
次に、ステップS140において、算出部44は、d軸電流の電流値に基づいて、上記数式(2)を参照してq軸電流の電流値を算出する。
【0038】
次に、ステップS150において、制御部41は、d軸電流の電流値、および、q軸電流の電流値に基づいてIPMモータ1を制御する。
【0039】
上記実施の形態におけるIPMモータ1の制御装置40は、永久磁石30または巻線22の一方が配置されたロータ10と、永久磁石30または巻線22の他方が配置されたステータ20と、を備えた電動モータにおける制御装置であって、IPMモータ1の起動時に、巻線22の温度が所定温度未満である場合、巻線22の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、d軸電流による回転トルクがロータ10に発生する場合、回転トルクの方向と反対の方向であって、回転トルクと同じ大きさの回転トルクがロータ10に発生するようにq軸電流を制御する制御部41と、を備える。
【0040】
上記構成によれば、d軸電流を巻線22に流すことにより、巻線22の温度が上昇し、IPMモータ1を起動することが可能となる。また、q軸電流を巻線22に流すことにより、d軸電流による回転トルクとq軸電流による回転トルクとが相殺されて、ロータ10に回転トルクが発生しないため、停車中の車両がロータの回転に応じて急激に動くことがなく、乗り心地や、操縦安定性を向上することが可能となる。
【0041】
また、上記実施の形態におけるIPMモータ1の制御装置40では、d軸電流、q軸電流および回転トルクのそれぞれの相互の関係を表す数式に基づいてq軸電流の電流値を算出する算出部44をさらに備える。これにより、d軸電流による回転トルクとq軸電流による回転トルクとを確実に相殺することが可能となる。
【0042】
また、上記実施の形態におけるIPMモータ1の制御装置40では、算出部44は、以下の数式に基づいて、q軸電流の電流値を算出する。
T=Pn*Ψa*iq+Pn(Lq-Ld)id*iq
ここで、Tは回転トルク、Pnは極対数、Ψaは鎖交磁束、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流である。
上記構成により、算出部44は、d軸電流(id)を上記の数式に代入することで、q軸電流の電流値を直接的に算出することが可能となる。
【0043】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本開示は、乗り心地や、操縦安定性を向上することが要求される電動モータにおける制御装置を備えた電動車両に好適に利用される。
【符号の説明】
【0045】
1 IPMモータ
10 ロータ(回転子)
11 シャフト
12 ロータコア
12a 軸孔
20 ステータ(固定子)
21 ステータコア
22 巻線
30 永久磁石
30A N極磁石
30B S極磁石
40 制御装置
41 制御部
42 取得部
43 判定部
44 算出部
45 記憶部
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石または巻線の一方が配置されたロータと、
前記永久磁石または前記巻線の他方が配置されたステータと、
を備え、車両に搭載される電動モータにおける制御装置であって、
前記電動モータの起動時に、前記巻線の温度が所定温度未満である場合、前記巻線の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、前記d軸電流による回転トルクが前記ロータに発生する場合、前記発生した前記回転トルクにより停車中の前記車両が動かないように、前記回転トルクの方向と反対の方向であって、前記回転トルクと同じ大きさの回転トルクが前記ロータに発生するようにq軸電流を制御する制御部と、
を備える、
電動モータにおける制御装置。
【請求項2】
前記d軸電流、前記q軸電流および前記回転トルクのそれぞれの相互の関係を表す数式に基づいて前記q軸電流の電流値を算出する算出部をさらに備える、
請求項1に記載の電動モータにおける制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、以下の数式に基づいて、前記q軸電流の電流値を算出する、
T=Pn*Ψa*iq+Pn(Lq-Ld)id*iq
ここで、Tは回転トルク、Pnは極対数、Ψaは鎖交磁束、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流である、
請求項2に記載の電動モータにおける制御装置。
【請求項4】
前記算出部は、予め定られた前記d軸電流の電流値に基づいて、前記q軸電流の電流値を算出する、
請求項2または3に記載の電動モータにおける制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示における電動モータにおける制御装置は、
永久磁石または巻線の一方が配置されたロータと、
前記永久磁石または前記巻線の他方が配置されたステータと、
を備え、車両に搭載される電動モータにおける制御装置であって、
前記電動モータの起動時に、前記巻線の温度が所定温度未満である場合、前記巻線の温度が上がるようにd軸電流を制御し、かつ、前記d軸電流による回転トルクが前記ロータに発生する場合、前記発生した前記回転トルクにより停車中の前記車両が動かないように、前記回転トルクの方向と反対の方向であって、前記回転トルクと同じ大きさの回転トルクが前記ロータに発生するようにq軸電流を制御する制御部と、
を備える。