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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158402
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/06 20060101AFI20241031BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L27/06 311C
H01L27/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073568
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】田中 公徳
(72)【発明者】
【氏名】山路 将晴
【テーマコード(参考)】
5F038
5F048
【Fターム(参考)】
5F038BH07
5F038BH15
5F038BH18
5F038EZ01
5F038EZ02
5F038EZ20
5F048AC03
5F048BA14
5F048BA15
5F048BE02
5F048BE09
5F048CC09
5F048CC13
5F048CC18
(57)【要約】
【課題】保護素子が接続された端子の電圧が急峻に上昇した際に、保護素子の誤動作を防止することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1導電型の半導体基体と、半導体基体の上部に設けられた第2導電型の第1ウェル領域と、第1ウェル領域に設けられ、互いに短絡した担体供給領域及びゲート電極をそれぞれ有する複数段のトランジスタを含む保護素子5と、半導体基体の上面側に設けられたVCCパッド4と、半導体基体の上面側に設けられたAGNDパッド2と、を備え、保護素子5に含まれる最前段のトランジスタの担体受領領域がVCCパッド4に接続され、保護素子5に含まれる最後段のトランジスタの担体供給領域及びゲート電極がAGNDパッド2に第1配線6を介して接続されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体基体と、
前記半導体基体の上部に設けられた第2導電型の第1ウェル領域と、
前記第1ウェル領域に設けられ、互いに短絡した担体供給領域及びゲート電極をそれぞれ有する複数段のトランジスタを含む保護素子と、
前記半導体基体の上面側に設けられた第1パッドと、
前記半導体基体の上面側に設けられた第2パッドと、
を備え、
前記保護素子に含まれる最前段の前記トランジスタの担体受領領域が前記第1パッドに接続され、前記保護素子に含まれる最後段の前記トランジスタの前記担体供給領域及び前記ゲート電極が前記第2パッドに第1配線を介して接続されている、
半導体装置。
【請求項2】
前記半導体基体の上部に設けられ、前記第2パッドに第2配線を介して接続された第1導電型の基板コンタクト領域を更に備える
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1配線が、前記第2配線と同層で平行に延伸する部分を有する
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1配線が、前記第2配線と異なる層で重なる部分を有する
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体基体の上面側に設けられ、前記第2パッドに電気的に接続された第3パッドを更に備える
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1パッドが、前記第2パッドよりも前記保護素子の近くに設けられている
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、入力保護素子において、被保護素子の入力側に接続された入力端子と電源ラインの間に、PチャンネルMOS型トランジスタからなる保護素子と、NチャンネルMOS型トランジスタからなる保護素子とを直列接続した構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-32260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスイッチング制御回路は、静電気放電(ESD)等のサージや高電圧から内部回路を保護する保護素子を備える。しかし、保護素子が接続された端子に印加される電圧が急峻に上昇すると、保護素子が誤動作し、大電流が流れる可能性がある。
【0005】
上記問題に鑑み、本開示は、保護素子が接続された端子の電圧が急峻に上昇した際に、保護素子の誤動作を防止することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、第1導電型の半導体基体と、半導体基体の上部に設けられた第2導電型の第1ウェル領域と、第1ウェル領域に設けられ、互いに短絡した担体供給領域及びゲート電極をそれぞれ有する複数段のトランジスタを含む保護素子と、半導体基体の上面側に設けられた第1パッドと、半導体基体の上面側に設けられた第2パッドと、を備え、保護素子に含まれる最前段のトランジスタの担体受領領域が第1パッドに接続され、保護素子に含まれる最後段のトランジスタの担体供給領域及びゲート電極が第2パッドに第1配線を介して接続されている半導体装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、保護素子が接続された端子の電圧が急峻に上昇した際に、保護素子の誤動作を防止することができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の回路図である。
図2】第1実施形態に係る保護素子の回路図である。
図3】第1実施形態に係る保護素子の他の回路図である。
図4】第1実施形態に係る駆動用レギュレータの回路図である。
図5】第1実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図6図5の領域Aを拡大した平面図である。
図7図6のA-A´線で切断した断面図である。
図8】比較例に係る半導体装置の平面図である。
図9図8のA-A´線で切断した断面図である。
図10図6のA-A´線で切断した他の断面図である。
図11】第1実施形態に係る半導体装置及び比較例に係る半導体装置のタイミングチャートである。
図12】第2実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の第1及び第2実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は実際のものとは異なる場合がある。また、図面相互間においても寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。また、以下に示す第1及び第2実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。
【0010】
本明細書において、「担体供給領域」とは、電界効果トランジスタ(FET)又は静電誘導トランジスタ(SIT)のソース領域、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)のエミッタ領域等の主電流を構成する多数キャリアを供給する半導体領域を意味する。また、ダイオード、静電誘導(SI)サイリスタ又はゲートターンオフ(GTO)サイリスタにおいてはアノード領域が担体供給領域となる。また、「担体受領領域」とは、FET又はSITのドレイン領域、IGBTのコレクタ領域等の主電流を構成する多数キャリアを受領する半導体領域を意味する。ダイオード、SIサイリスタ又はGTOサイリスタにおいてはカソード領域が担体受領領域として機能する。
【0011】
また、本明細書において、上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本開示の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。
【0012】
また、本明細書において、第1導電型がp型、第2導電型がn型の場合について例示的に説明する。しかし、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をn型、第2導電型をp型としても構わない。また「n」や「p」に付す「+」や「-」は、「+」及び「-」が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。ただし同じ「n」と「n」とが付された半導体領域であっても、それぞれの半導体領域の不純物濃度が厳密に同じであることを意味するものではない。更に、以下の説明で「第1導電型」及び「第2導電型」の限定を加えた部材や領域は、特に明示の限定がなくても半導体材料からなる部材や領域を意味する。
【0013】
(第1実施形態)
<半導体装置の回路>
第1実施形態に係る半導体装置(半導体集積回路)として、所定の入力電圧から目的レベルの出力電圧を負荷に生成するLCC電流共振型の電源回路であるスイッチング電源回路を一例として説明する。第1実施形態に係る半導体装置は、図1に示すように、スイッチング素子S1,S2と、トランス118と、スイッチング制御回路(制御回路)100とを備える。
【0014】
なお、第1実施形態に係る半導体装置は、図1に示した構成のすべてを含んでもよく、図1に示した構成の一部のみを含んでもよい。例えば、第1実施形態に係る半導体装置は、スイッチング素子S1,S2及びトランス118を備えず、制御回路100を備える構成としてもよい。或いは、第1実施形態に係る半導体装置は、トランス118を備えず、スイッチング素子S1,S2及び制御回路100を備える構成としてもよい。
【0015】
スイッチング素子S1は、高電位側(ハイサイド側)のパワートランジスタである。スイッチング素子S2は、低電位側(ローサイド側)のパワートランジスタである。図1では、スイッチング素子S1,S2がnチャネルMOSFETで構成されている場合を例示するが、pチャネルMOSFETやIGBTで構成されていてもよい。スイッチング素子S1,S2は互いに直列接続されて、ハーフブリッジ回路を構成している。スイッチング素子S1のドレインには入力電位が印加される。スイッチング素子S1のソースにはスイッチング素子S2のドレインが接続されている。スイッチング素子S2のソースは接地されている。
【0016】
トランス118は、1次コイルL1と、1次コイルL1に同極性で電磁結合した補助コイルL2を含む。1次コイルL1の一端は、スイッチング素子S1のソースとスイッチング素子S2のドレインとの接続点に接続されている。1次コイルL1の他端は、コンデンサC14を介してスイッチング素子S2のソースに接続されると共に、接地されている。1次コイルL1の両端の電圧は、スイッチング素子S1,S2のスイッチング動作により変化する。
【0017】
補助コイルL2は、1次コイルL1の両端の電圧の変化に応じて電圧を発生させる。図1では図示を省略するが、トランス118は、1次コイルL1に異極性で電磁結合された2次コイルを更に含む。2次コイルは、1次コイルL1の両端の電圧の変化に応じて電圧を発生させる。
【0018】
制御回路100は、スイッチング素子S1,S2のスイッチング動作を制御する。制御回路100は、VB端子111、HO端子112、VS端子113、LO端子114、REG端子115、VCC端子116及びGND端子117を備える。
【0019】
VB端子111は、電源電位VBが印加される端子である。VB端子111には、コンデンサC11の一端が接続されている。コンデンサC11は、電源電位VBを安定化させる機能を有する。更に、VB端子111には、ダイオードD11のカソードが接続されている。
【0020】
HO端子112は、ハイサイド側のスイッチング素子S1を駆動する駆動信号HOが出力される端子である。HO端子112には、スイッチング素子S1のゲートが接続されている。
【0021】
VS端子113は、電源電位VBよりも低い基準電位VSが印加される端子である。スイッチング素子S2がオンすると、基準電位VSとして接地電位が印加され、スイッチング素子S1がオンすると、基準電位VSとして入力電位が印加される。VS端子113には、スイッチング素子S1のソースとスイッチング素子S2のドレインとの接続点、及びコンデンサC11の他端が接続されている。
【0022】
LO端子114は、ローサイド側のスイッチング素子S2を駆動する駆動信号LOが出力される端子である。LO端子114には、スイッチング素子S2のゲートが接続されている。
【0023】
REG端子115は、電源電位VBよりも低い電源電位REGを出力する端子である。REG端子115には、コンデンサC12の一端と、ダイオードD11のアノードが接続されている。コンデンサC12は、電源電位REGを安定化させる機能を有する。ダイオードD11は、スイッチング素子S2がオンし、基準電位VSが接地電圧となる場合に、電源電位REGに基づいてコンデンサC11を充電する。
【0024】
VCC端子116は、補助コイルL2からの電圧に応じた、電源電位VBよりも低い電源電位VCCが印加される端子である。VCC端子116には、ダイオードD12のカソード及びコンデンサC13の一端が接続されている。ダイオードD12のアノードには、補助コイルL2の一端が接続されている。コンデンサC13の他端には、コンデンサC12の他端及び補助コイルL2の他端が接続されると共に、接地されている。
【0025】
GND端子117は、電源電位VB、電源電位REG、電源電位VCC及び基準電位VSよりも低い接地電位GNDが印加される端子である。GND端子117は、例えば制御回路100が設けられる装置の筐体等に接続される。
【0026】
制御回路100は、出力段素子T11,T12と、出力段素子T11,T12を駆動する高電位側駆動回路(ハイサイドドライバ)101を備える。出力段素子T11がpチャネルMOSFETで構成され、出力段素子T12がnチャネルMOSFETで構成されて、出力段素子T11,T12がCMOS回路を構成する。
【0027】
出力段素子T11のゲートは、ハイサイドドライバ101に接続されている。出力段素子T11のソースは、VB端子111及びハイサイドドライバ101に接続されている。出力段素子T11のドレインは、HO端子112及び出力段素子T12のドレインに接続されている。出力段素子T12のゲートは、ハイサイドドライバ101に接続されている。出力段素子T12のソースは、VS端子113及びハイサイドドライバ101に接続されている。
【0028】
ハイサイドドライバ101は、VS端子113に印加される基準電位VSを基準電位とし、VB端子111に印加される電源電位VBを電源電位として動作する。ハイサイドドライバ101は、出力段素子T11,T12を駆動する駆動信号を出力段素子T11,T12のゲートに出力する。
【0029】
更に、第1実施形態に係る半導体装置は、出力段素子T21,T22と、出力段素子T21,T22を駆動する低電位側駆動回路(ローサイドドライバ)102を備える。出力段素子T21がpチャネルMOSFETで構成され、出力段素子T22がnチャネルMOSFETで構成されて、出力段素子T21,T22がCMOS回路を構成する。
【0030】
出力段素子T21のゲートは、ローサイドドライバ102に接続されている。出力段素子T21のソースは、REG端子115及びローサイドドライバ102に接続されている。出力段素子T21のドレインは、LO端子114及び出力段素子T22のドレインに接続されている。出力段素子T22のゲートは、ローサイドドライバ102に接続されている。出力段素子T22のソースは、接地されている。
【0031】
ローサイドドライバ102は、GND端子117に印加される接地電位を基準電位とし、REG端子115に印加される電源電位REGを電源電位として動作する。ローサイドドライバ102は、出力段素子T21,T22を駆動する駆動信号を出力段素子T21,T22のゲートに出力する。
【0032】
更に、第1実施形態に係る半導体装置は、保護素子110と、ローサイドドライバ102用のレギュレータ(駆動用レギュレータ)103と、内部電源用のレギュレータ(内部電源用レギュレータ)104を備える。
【0033】
保護素子110の一端は、VCC端子116、駆動用レギュレータ103及び内部電源用レギュレータ104に接続され、保護素子110の他端は、接地されている。保護素子110は、VCC端子116にESD等のサージや高電圧が印加された際に、サージや高電圧を引き抜くことにより、駆動用レギュレータ103及び内部電源用レギュレータ104等のVCC端子116に接続されている内部回路を保護する機能を有する。
【0034】
保護素子110は、図2に示すように、互いに直列接続された複数段(5段)のダイオードD1~D5を含む。保護素子110を構成するダイオードの数(段数)は限定されず、少なくとも2段以上あればよい。ダイオードの数(段数)が多いほど、耐圧が高くなる。最前段(1段目)のダイオードD1のカソードがVCC端子116に接続されている。最後段(5段目)のダイオードD5のアノードが接地されている。
【0035】
保護素子110を構成するダイオードD1~D5は、図3に示すように、複数段(5段)のトランジスタT1~T5で構成されている。トランジスタT1~T5は、nチャネルMOSFETで構成されている。トランジスタT1~T5のそれぞれにおいて、ゲートとソースが短絡されているため、図2に示したダイオードD1~D5として機能する。
【0036】
最前段(1段目)のトランジスタT1のドレインがVCC端子116に接続されている。1段目のトランジスタT1のソースが2段目のトランジスタT2のドレインに接続されている。2段目のトランジスタT2のソースが3段目のトランジスタT3のドレインに接続されている。3段目のトランジスタT3のソースが4段目のトランジスタT4のドレインに接続されている。4段目のトランジスタT4のソースが5段目のトランジスタT5のドレインに接続されている。5段目のトランジスタT5のソースが接地されている。
【0037】
図1に示した駆動用レギュレータ103は、REG端子115、出力段素子T21のソース及びローサイドドライバ102に接続されている。更に、駆動用レギュレータ103は、VCC端子116、内部電源用レギュレータ104及び保護素子110に接続されている。
【0038】
駆動用レギュレータ103は、電源電位VCCを電圧降下させて電源電位VCCよりも低い電源電位REGを出力する。駆動用レギュレータ103は、図4に示すように、オペアンプ105と、トランジスタT41,T42と、抵抗R1~R3を含む。トランジスタT41,T42は、例えばpチャネルMOSFETで構成されている。
【0039】
オペアンプ105は、抵抗R1,R2の接続点の電位Vdivが、反転入力に印加される電位Vrefとなるように、トランジスタT41のゲート電位を出力する。オペアンプ105は、非反転入力に印加される電位Vdivに基づいて、トランジスタT41のゲート電位を出力する。
【0040】
トランジスタT41は、オペアンプ105からのゲート電位に基づいて、電源電位VCCを電圧降下させた電源電位REGを出力する。抵抗R1,R2は、互いに直列接続され、一端に電源電位REGが印加され、他端は接地される。抵抗R1,R2は、抵抗R1,R2の接続点において電位Vdivを出力する。
【0041】
トランジスタT42は、トランジスタT41に流れる電流に応じた電流を流す。トランジスタT42のゲートにはトランジスタT41のゲート電位が印加される。トランジスタT42のソースには抵抗R3を介して電源電位VCCが印加される。トランジスタT42のドレインには電源電位REGが印加される。
【0042】
図1に示した内部電源用レギュレータ104は、電源電位VCCを電圧降下させて、電源電位VCCよりも低い内部電源回路用の電源電圧を出力する。内部電源用レギュレータ104は、図4に示した駆動用レギュレータ103と同様の構成であってよい。
【0043】
<半導体装置の構造>
図5は、第1実施形態に係る半導体装置の制御回路100の要素を1チップに集積した半導体チップ1の平面レイアウトを示す。半導体チップ1は、略矩形の平面パターンを有する。半導体チップ1は、アナログ接地パッド(AGNDパッド)2、パワー接地パッド(PGNDパッド)3、基準電位パッド(VCCパッド)4及び保護素子5を備える。図5では便宜的に、AGNDパッド2、PGNDパッド3、VCCパッド4及び保護素子5以外の要素の図示を省略している。
【0044】
また、図5の例では、半導体装置が図1で示したスイッチング素子S1,S2及びトランス118を備えず、制御回路100を備える構成である。この場合、図1で示した制御回路100のVB端子111、HO端子112、VS端子113、LO端子114、REG端子115、VCC端子116及びGND端子117等の端子は、半導体装置のパッケージに取り付けられる外部出力端子となる。図5では、制御回路100の外部接続端子のうち、VCC端子116及びGND端子117のみを示している。また、図5ではパッケージは図示を省略している。
【0045】
PGNDパッド3は、ローサイドドライバ102専用の接地用パッドである。PGNDパッド3には、図1に示したローサイドドライバ102が接続されている。PGNDパッド3は、ボンディングワイヤ36を介してGND端子117に電気的に接続され、接地電位GNDが印加される。
【0046】
AGNDパッド2は、PGNDパッド3の近傍に、PGNDパッド3から離間して設けられている。AGNDパッド2は、ローサイドドライバ102以外の制御回路100の要素(回路)用の接地用パッドである。ローサイドドライバ102以外の回路としては、例えば5V耐圧MOS等の低耐圧トランジスタや抵抗である。AGNDパッド2は、ボンディングワイヤ35を介してGND端子117に電気的に接続され、接地電位GNDが印加される。AGNDパッド2は、AGNDパッド2とGND端子117とを接続するボンディングワイヤ35、GND端子117、及びGND端子117とPGNDパッド3とを接続するボンディングワイヤ36を介して、PGNDパッド3に電気的に接続されている。
【0047】
VCCパッド4は、AGNDパッド2及びPGNDパッド3から離間して、AGNDパッド2及びPGNDパッド3よりも保護素子5の近くに設けられている。VCCパッド4は、VCC端子116にボンディングワイヤ37を介して電気的に接続され、電源電位VCCが印加される。
【0048】
保護素子5は、図1に示した保護素子110に対応する。保護素子5は、配線6を介してAGNDパッド2に接続され、配線32を介して、VCCパッド4に接続されている。配線6は、半導体チップ1の外周に沿って延伸するように設けられている。AGNDパッド2には、配線7が接続されている。配線7は、半導体チップ1の外周に沿って、配線6と並列して延伸し、保護素子5の近傍まで設けられている。配線6、配線7及び配線32は、銅(Cu)又はアルミニウム(Al)等の金属配線(メタル配線)で構成されている。
【0049】
図6は、図5の保護素子5を囲む領域Aを拡大した平面図であり、メタル配線のうち、配線6及び配線7のみを示している。図7は、図6のA-A´線で切断した部分を含む断面図であり、AGNDパッド2及びPGNDパッド3も図示している。
【0050】
半導体チップ1は、第1導電型(p型)の半導体基体11を備える。半導体基体11は、図1に示したGND端子117に接続されて接地電位GNDで固定されていてよい。半導体基体11は、例えばシリコン(Si)基板で構成されている。なお、半導体基体11は、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)、ガリウムヒ素(GaAs)、ダイヤモンド等の半導体基板で構成されていてもよい。また、半導体基体11は、半導体基板と、半導体基板上に設けられたp型のエピタキシャル層とで構成されていてもよい。
【0051】
図7では、半導体基体11の上面よりも上方の部材の配置は、A-A´線の位置から適宜変更している。また、図6及び図7では、図3に示した保護素子5を構成する5段のトランジスタT1~T5のうち、1段目のトランジスタT1から3段目のトランジスタT3に対応するトランジスタが設けられた領域を省略し、4段目のトランジスタT4に対応するトランジスタ21と、5段目のトランジスタT5に対応するトランジスタ22を示している。
【0052】
図6及び図7に示すように、半導体基体11の上面側(上部)には、第2導電型(n型)のウェル領域12が設けられている。図6で模式的に示すように、半導体基体11及びウェル領域12により寄生容量C1が形成されている。図7に示すように、ウェル領域12は、略矩形の平面パターンを有する。
【0053】
図6及び図7に示すように、ウェル領域12の上面側(上部)には、p型のウェル領域15a,15bが互いに離間して設けられている。図6で模式的に示すように、ウェル領域15a及びウェル領域12により寄生容量C2が形成され、ウェル領域15b及びウェル領域12により寄生容量C3が形成されている。図7に示すように、ウェル領域15a,15bは、略矩形の平面パターンを有する。
【0054】
図6及び図7に示すように、ウェル領域15aには、4段目のトランジスタ21が設けられている。トランジスタ21は、ウェル領域15aの上面側(上部)に設けられたn型の担体受領領域(ドレイン領域)16a、n型の担体供給領域(ソース領域)17a及びp型のコンタクト領域18aを備える。ドレイン領域16aは、ソース領域17a及びコンタクト領域18aから離間して設けられている。ソース領域17a及びコンタクト領域18aは互いに接している。図7で模式的に示すように、ソース領域17a、ウェル領域15aに及びウェル領域12により、寄生npnバイポーラトランジスタT31が形成されている。
【0055】
ドレイン領域16a及びソース領域17aに挟まれたウェル領域15aの上面側には、ゲート絶縁膜19aを介してゲート電極20aが設けられている。図7に示すように、ドレイン領域16a、ソース領域17a、コンタクト領域18a及びゲート電極20aは、互いに平行に延伸する略直線状の平面パターンを有する。
【0056】
図6に示すように、半導体基体11の上面側には絶縁膜23が設けられている。4段目のトランジスタ21のドレイン領域16aには、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア10aを介して、絶縁膜23の内部に設けられた配線10が接続されている。配線10には、図示を省略するが、3段目のトランジスタのゲート電極、ソース領域及びコンタクト領域が接続されている。
【0057】
4段目のトランジスタ21のゲート電極20a、ソース領域17a及びコンタクト領域18aには、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア8a~8cを介して、絶縁膜23の内部に設けられた配線8の一端が接続されている。4段目のトランジスタ21のゲート電極20a、ソース領域17a及びコンタクト領域18aは、ビア8a~8c及び配線8を介して互いに短絡している。配線8の他端には、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア8dを介して、5段目のトランジスタ22のドレイン領域16bが接続されている。図7では、絶縁膜23、ビア10a、配線10、ビア8a~8d、配線8の図示を省略している。
【0058】
図6及び図7に示すように、ウェル領域15bには、5段目のトランジスタ22が設けられている。トランジスタ22は、ウェル領域15bの上面側(上部)に設けられたn型の担体受領領域(ドレイン領域)16b、n型の担体供給領域(ソース領域)17b及びp型のコンタクト領域18bを備える。ドレイン領域16bは、ソース領域17b及びコンタクト領域18bから離間して設けられている。ソース領域17b及びコンタクト領域18bは互いに接している。図7で模式的に示すように、ソース領域17b、ウェル領域15bに及びウェル領域12により、寄生npnバイポーラトランジスタT32が形成されている。
【0059】
ドレイン領域16b及びソース領域17bに挟まれたウェル領域15bの上面側には、ゲート絶縁膜19bを介してゲート電極20bが設けられている。図7に示すように、ドレイン領域16b、ソース領域17b、コンタクト領域18b及びゲート電極20bは、互いに平行に延伸する略直線状の平面パターンを有する。
【0060】
図6及び図7に示すように、5段目のトランジスタ22のゲート電極20b、ソース領域17b及びコンタクト領域18bには、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア6a~6cを介して、絶縁膜23の内部に設けられた下層配線層61の一端が接続されている。5段目のトランジスタ22のゲート電極20b、ソース領域17b及びコンタクト領域18bは、ビア6a~6c及び下層配線層61を介して、互いに短絡している。下層配線層61の他端には、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア6dを介して、絶縁膜23の内部で下層配線層61よりも上層に設けられた上層配線層62の一端が接続されている。上層配線層62の他端には、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア6eを介して、AGNDパッド2が接続されている。
【0061】
下層配線層61及び上層配線層62により配線6が構成されている。なお、配線6としては、互いに異なる高さの下層配線層61及び上層配線層62を設けずに、ビア6a~6cに一端が接続され、ビア6eに他端が接続された単層の配線で構成してもよい。
【0062】
図6及び図7に示すように、ウェル領域12の上面側(上部)には、ウェル領域12よりも高不純物濃度の第2導電型(n型)のウェル領域13a~13cが互いに離間して設けられている。ウェル領域13a,13bは、ウェル領域15aを挟むように設けられている。ウェル領域13b,13cは、ウェル領域15bを挟むように設けられている。図7に示すように、ウェル領域13a~13cは、互いに平行に延伸する略直線状の平面パターンを有する。ウェル領域13a~13cの上面側には、ウェル領域13a~13cよりも高不純物濃度の第2導電型(n型)のコンタクト領域(ピックアップ領域)14a~14cが設けられている。コンタクト領域14a~14cには、図1に示したVCC端子116が接続され、電源電位VCCが印加される。
【0063】
なお、図示を省略するが、ウェル領域15aのウェル領域15bが設けられた側とは反対側には、1~3段目のトランジスタがそれぞれ設けられた3つのn型のウェル領域が設けられている。1~3段目のトランジスタは、4段目のトランジスタ21及び5段目のトランジスタ22と同様の構成を有する。1段目のトランジスタのドレイン領域(不図示)には、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア(不図示)を介して、絶縁膜23の内部に設けられた図5に示した配線32を介して、VCCパッド4が接続されている。図示を省略するが、VCCパッド4は、半導体基体11の上面側に絶縁膜を介して設けられている。
【0064】
また、1~3段目のトランジスタのそれぞれを挟むように、ウェル領域13a~13cと同様のn型のウェル領域が設けられ、ウェル領域の上面側にはn型のコンタクト領域が設けられている。n型のコンタクト領域には、図1に示したVCC端子116が接続され、電源電位VCCが印加される。
【0065】
図6及び図7に示すように、半導体基体11の上面側(上部)には、ウェル領域12から離間して、半導体基体11よりも高不純物濃度のp型の基板コンタクト領域18が設けられている。基板コンタクト領域18には、5V耐圧MOS等の低耐圧トランジスタや抵抗等も接続されている。基板コンタクト領域18には、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア7aを介して、絶縁膜23の内部に設けられた配線7が接続されている。配線7は、絶縁膜23のコンタクトホールに設けられたビア7bを介してAGNDパッド2に接続されている。
【0066】
図6では、配線7は、下層配線層61と同層に設けられている場合を例示するが、上層配線層62と同層に設けられていてもよい。例えば、配線7及び上層配線層62が互いに同層に設けられ、水平方向において離間して平行に延伸する部分を有していてよい。
【0067】
図5及び図7に示すように、半導体基体11の上面側に絶縁膜9を介してAGNDパッド2及びPGNDパッド3が設けられている。AGNDパッド2はボンディングワイヤ35及びボンディングワイヤ36を介してPGNDパッド3と接続されている。
【0068】
<比較例>
図8に、比較例に係る半導体装置の半導体チップ1の平面レイアウトを示し、図9に、図8のA-A´線で切断した断面を示す。図8及び図9に示すように、比較例に係る半導体装置では、保護素子5の5段目のトランジスタ22のゲート電極20b、ソース領域17b及びコンタクト領域18bの接続先がAGNDパッド2ではなく、p型の基板コンタクト領域18である点が、図5図7に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。5段目のトランジスタ22のゲート電極20b、ソース領域17b及びコンタクト領域18bには、ビア6a~6cを介して、配線6xの一端が接続されている。配線6xの他端には、ビア6yを介して、基板コンタクト領域18が接続されている。このように比較例では、5段目のトランジスタ22のゲート電極20b、ソース領域17b及びコンタクト領域18bは、基板コンタクト領域18を介してAGNDパッド2に接続されている。
【0069】
比較例に係る半導体装置において、VCC端子116に印加される電源電位VCCがESD等のサージや高電圧により急峻に上昇したタイミングと、出力段素子T22がオン状態となるタイミングが重なると、保護素子5の5段目のトランジスタ22のソース電位が持ち上がり、保護素子5が誤動作でオンしてしまい、大電流が流れて破壊に至る可能性がある。
【0070】
具体的には、VCC端子116に印加される電源電位VCCが急峻に上昇すると、図9に示すように、半導体基体11に変位電流I1が流れる。変位電流I1が流れると、半導体基体11の抵抗R3により、半導体基体11の基板電位が持ち上がる。半導体基体11の基板電位の持ち上がりが、基板コンタクト領域18に伝わる。電源電位VCCが急峻に上昇すると、寄生容量C3を通じて変位電流が寄生npnバイポーラトランジスタT32のベースに流れ込み、寄生npnバイポーラトランジスタT32がオンする。
【0071】
一方、図1に模式的に図示するように、出力段素子T22がオン状態であるときに瞬間的に電流I0が流れ、PGNDパッド3の接地電位GNDが持ち上がる。PGNDパッド3とAGNDパッド2がボンディングワイヤ35、ボンディングワイヤ36及びGND端子117を介して低インピーダンスで接続されているので、AGNDパッド2に接続されている基板コンタクト領域18が持ち上がる。
【0072】
VCC端子116に印加される電源電位VCCの急峻な上昇と、出力段素子T22の電流I0のタイミングが重なると、基板コンタクト領域18に接続されている5段目のトランジスタ22が設けられているウェル領域15bの電位が持ち上がり、5段目のトランジスタ22のドレイン領域16bとウェル領域15bとの接合障壁を乗り越える。また、この時、電源電位VCCが急峻に上昇すると、寄生容量C2を通じて変位電流が寄生npnバイポーラトランジスタT31のベースに流れ込み、寄生npnバイポーラトランジスタT31がオンする。
【0073】
寄生npnバイポーラトランジスタT31がオンすると、4段目のトランジスタ21のソース電位が持ち上がり、ウェル領域15bとドレイン領域16bとで構成されるダイオードD6が逆回復状態となる。これにより、寄生npnバイポーラトランジスタT32に対して逆回復電流I2で大きなベース電流が注入され、寄生npnバイポーラトランジスタT32に大電流I3が流れて破壊に至る。
【0074】
これに対して、第1実施形態に係る半導体装置によれば、図10に示すように、5段目のトランジスタ21のゲート電極20a、ソース領域17a及びコンタクト領域18aを、基板コンタクト領域18を介さずに、配線6を介してAGNDパッド2に直接的に接続(直結)している。これにより、VCC端子116に印加される電源電位VCCが急峻に上昇し、且つ出力段素子T22のオン状態が重なった場合でも、変位電流I1による半導体基体11の基板電位の持ち上がりが5段目のトランジスタ22のソース領域17bに伝わらず、PGNDパッド3のPGND電位の持ち上がり分しか5段目のトランジスタ22のソース領域17bに伝わらない。このため、5段目のトランジスタ21のドレイン領域16bとウェル領域15bの接合障壁を乗り越えることがなくなる。よって、保護素子5の誤動作による大電流の発生を防止することができ、破壊を防止することができる。
【0075】
次に、図11のタイミングチャートを参照して、第1実施形態に係る半導体装置及び比較例に係る半導体装置の動作を説明する。図11中の「LO」、「PGND,AGND」、「VCC」、「Vsub」は、第1実施形態に係る半導体装置及び比較例に係る半導体装置で共通である。「LO」は、LO端子114に印加される駆動信号LOに対応する。「PGND,AGND」は、PGNDパッド3の接地電位GND及びAGNDパッド2の接地電位GNDの持ち上がり分に対応する。「VCC」は、VCC端子116に印加される電源電位VCCに対応する。「Vsub」は、半導体基体11の基板電位の持ち上がり分に対応する。
【0076】
図11中の「VS1」は、比較例に係る半導体装置の5段目のトランジスタ22のソース領域17bの電位(ソース電位)に対応し、「VS1」の上側の「Φ」は5段目のトランジスタ21のドレイン領域16bとウェル領域15bの接合障壁に対応する。図11中の「VS2」は、第1実施形態に係る半導体装置の5段目のトランジスタ22のソース領域17bの電位(ソース電位)に対応し、「VS2」の上側の「Φ」は5段目のトランジスタ21のドレイン領域16bとウェル領域15bの接合障壁に対応する。
【0077】
時刻t0の直前に「VCC」が急峻に上昇すると、「Vsub」が持ち上がる。時刻t0において、「LO」がローレベルになると、「PGND,AGND」が持ち上がる。比較例に係る半導体装置では、「VS1」が、「Vsub」と「PGND,AGND」の持ち上がり分を合わせた分だけ持ち上がり、「Φ」の接合障壁を超えている。一方、第1実施形態に係る半導体装置では、「VS2」は、「Vsub」の持ち上がりの影響は受けず、「PGND,AGND」の持ち上がり分だけ持ち上がるため、「Φ」の接合障壁未満となる。
【0078】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置は、図12に示すように、保護素子5の5段目のトランジスタ22のゲート電極20b、ソース領域17b及びコンタクト領域18bに電気的に接続される配線6の上層配線層62が、p型の基板コンタクト領域18に電気的に接続される配線7と重なるように設けられた部分を有する点が、図6に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0079】
第2実施形態に係る半導体装置によれば、第1実施形態に係る半導体装置と同様に、VCC端子116に印加される電源電位VCCが急峻に上昇し、且つ出力段素子T22のオン状態が重なった場合でも、保護素子5の誤動作を防止することができる。更に、第2実施形態に係る半導体装置によれば、上層配線層62及び配線7を互いに重なるように設けることにより、半導体チップ1のサイズを小さくすることができる。
【0080】
なお、配線7及び下層配線層61が互いに同層に設けられており、上層配線層62が配線7及び下層配線層61よりも上層に設けられていてもよい。また、配線7が上層配線層62よりも上層に設けられていてもよい。
【0081】
(その他の実施形態)
上記のように、本開示は第1及び第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本開示を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0082】
例えば、第1及び第2実施形態に係る半導体装置として、スイッチング電源回路を一例として例示したが、スイッチング電源回路以外の回路にも適用可能である。
【0083】
また、第1及び第2実施形態がそれぞれ開示する構成を、矛盾の生じない範囲で適宜組み合わせることができる。このように、本開示はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本開示の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0084】
1…半導体チップ
2…AGNDパッド
3…PGNDパッド
4…VCCパッド
5…保護素子
6,6x…配線
6a~6e,6y…ビア
7…配線
7a,7b…ビア
8…配線
8a~8d…ビア
9…絶縁膜
10…配線
10a…ビア
11…半導体基体
12,13a~13c,15a,15b…ウェル領域
14a~14c…コンタクト領域(ピックアップ領域)
16a,16b…担体受領領域(ドレイン領域)
17a,17b…担体供給領域(ソース領域)
18…基板コンタクト領域
18a,18b…コンタクト領域
19a,19b…ゲート絶縁膜
20a,20b…ゲート電極
21,22…トランジスタ
23…絶縁膜
35,36,37…ボンディングワイヤ
32…配線
61…下層配線層
62…上層配線層
100…スイッチング制御回路(制御回路)
101…高電位側駆動回路(ハイサイドドライバ)
102…低電位側駆動回路(ローサイドドライバ)
103…レギュレータ(駆動用レギュレータ)
104…レギュレータ(内部電源用レギュレータ)
105…オペアンプ
110…保護素子
111…VB端子
112…HO端子
113…VS端子
114…LO端子
115…REG端子
116…VCC端子
117…GND端子
118…トランス
C1~C3…寄生容量
C11~C14…コンデンサ
D1~D6,D11,D12…ダイオード
L1…1次コイル
L2…補助コイル
R1~R3…抵抗
S1,S2…スイッチング素子
T1~T5…トランジスタ
T11,T12,T21,T22 出力段素子
T31,T31…寄生npnバイポーラトランジスタ
T41,T42…トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12