(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158412
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】株取引システム、株取引方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073586
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】501044644
【氏名又は名称】楽天証券株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 祥子
(72)【発明者】
【氏名】土居 裕明
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB52
5L055BB52
(57)【要約】
【課題】株取引を促進する。
【解決手段】株取引システム(1)の株数取得部(103)は、株式の注文における株数を取得する。単元株注文実行部(104)は、株数が注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、単元株に関する単元株注文を実行する。単元未満株注文実行部(105)は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する。混在注文実行部(106)は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、単元株注文及び単元未満株注文が混在する混在注文を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
株式の注文における株数を取得する株数取得部と、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記単元株に関する単元株注文を実行する単元株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部と、
を含む株取引システム。
【請求項2】
前記注文は、前記株式の積立における注文であり、
前記株数は、前記積立における株数であり、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記積立における積立日に前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記積立日に前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記積立日に前記混在注文を実行する、
請求項1に記載の株取引システム。
【請求項3】
前記株数取得部は、前記積立における積立金額と、前記積立日における前記銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、前記株数として、前記積立金額で購入が可能な購入可能株数を取得する、
請求項2に記載の株取引システム。
【請求項4】
前記株取引システムは、
前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文が約定された場合に、前記積立金額と、前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文の約定結果と、に基づいて、前記銘柄に関する追加注文が可能か否かを判定する追加注文判定部と、
前記追加注文が可能であると判定された場合に、前記追加注文を実行する追加注文実行部と、
を更に含む請求項3に記載の株取引システム。
【請求項5】
前記株取引システムは、ユーザにより指定された、前記追加注文の要否に関する設定を保存する設定保存部を更に含み、
前記追加注文実行部は、前記設定に基づいて、前記追加注文を実行する、
請求項4に記載の株取引システム。
【請求項6】
前記株取引システムは、
前記銘柄の株主優待に関する株主優待情報を取得する株主優待情報取得部と、
前記積立日と、前記株主優待情報と、に基づいて、前記株主優待に必要な必要積立量を計算する必要積立量計算部と、
前記積立における設定の入力を受け付ける注文画面に、前記必要積立量を表示させる表示制御部と、
を更に含む請求項2~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項7】
前記注文は、前記株式のスポット取引における注文であり、
前記株数取得部は、ユーザにより指定された前記株数を取得し、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記スポット取引における前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記スポット取引における前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記スポット取引における前記混在注文を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項8】
前記単元株注文実行部は、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記単元株注文に関する単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、相対取引システムに対し、前記単元未満株注文に関する単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記混在注文を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項9】
前記混在注文実行部は、前記単元株注文に関する条件と、前記単元未満株注文に関する条件と、の少なくとも一部が異なる前記混在注文を実行可能である、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項10】
前記株取引システムは、
前記銘柄が前記単元未満株注文に対応しているか否かを判定する対応判定部と、
前記対応判定部の判定結果に基づいて、ユーザのユーザ端末に、前記注文に関する条件の入力を受け付ける画面を表示させる表示制御部と、
を更に含む請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項11】
前記株取引システムは、前記銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで前記単元未満株が取引されるリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、前記取引時間内に一括で前記単元未満株が取引される一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する銘柄判定部を更に含み、
前記単元未満株注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行し、
前記混在注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項12】
株式の注文における株数を取得する株数取得ステップと、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記単元株に関する単元株注文を実行する単元株注文実行ステップと、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行ステップと、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行ステップと、
を含む株取引方法。
【請求項13】
株式の注文における株数を取得する株数取得部、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記単元株に関する単元株注文を実行する単元株注文実行部、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、株取引システム、株取引方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、株取引では、ユーザが注文可能な株数の単位(例えば、10株又は100株)が予め定められている。以降、この単位を、単元株という。この単位は、1単元、単元株数、取引単位、又はその他の名前で呼ばれることもある。例えば、特許文献1には、複数の銘柄の各々の単元株等の情報がデータベースに格納されており、単元株の整数倍の株数の注文を受け付ける株取引システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の株取引システムは、単元株の整数倍の株数の注文しか受け付けることができないので、株取引を十分に促進することができなかった。単元未満株の注文を受け付ける株取引システムも知られているが、従来の株取引システムは、単元株又は単元未満株の何れか一方の注文だけを一度に受け付けることしかできないので、ユーザの利便性を十分に高めることができず、株取引を十分に促進することができなかった。
【0005】
本開示の目的の1つは、株取引を促進することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る株取引システムは、株式の注文における株数を取得する株数取得部と、前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記単元株に関する単元株注文を実行する単元株注文実行部と、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部と、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、株取引を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】株取引システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】ユーザが銘柄を検索するための銘柄検索画面と、ユーザが積立設定を指定するための積立設定画面と、の一例を示す図である。
【
図3】ユーザが金額指定を選択した場合の積立設定画面の一例を示す図である。
【
図4】ユーザが株数指定を選択した場合の積立設定画面の一例を示す図である。
【
図6】株取引システムで実現される機能の一例を示す図である。
【
図8】積立設定データベースの一例を示す図である。
【
図12】スポット取引の注文画面の一例を示す図である。
【
図13】第2実施形態の株取引システムで実行される処理の一例を示す図である。
【
図14】変形例の株取引システムで実現される機能の一例を示す図である。
【
図15】変形例3における積立設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.第1実施形態]
本開示に係る株取引システムの実施形態の一例である第1実施形態を説明する。
【0010】
[1-1.株取引システムのハードウェア構成]
図1は、株取引システムのハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、株取引システム1は、インターネット又はLAN等のネットワークNを介して、証券取引システム2、私設取引システム3、相対取引システム4、及びユーザ端末50の各々と通信可能に接続される。なお、証券取引システム2、私設取引システム3、相対取引システム4、及びユーザ端末50のうちの少なくとも1つは、株取引システム1に含まれてもよい。
【0011】
例えば、株取引システム1は、証券会社のシステムである。株取引システム1は、株取引サーバ10を含む。株取引サーバ10は、サーバコンピュータである。株取引サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
【0012】
なお、記憶部12に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介して、株取引サーバ10に供給されてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)、又は、外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)を介して、株取引サーバ10に供給されてもよい。
【0013】
また、株取引システム1は、少なくとも1つのコンピュータを含めばよい。株取引システム1のハードウェア構成は、
図1の例に限られない。例えば、株取引システム1は、株取引サーバ10と、他のコンピュータと、を含んでもよい。株取引システム1は、株取引サーバ10を含まずに、他のコンピュータだけを含んでもよい。例えば、他のコンピュータは、株取引サーバ10以外の他のサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット、又はスマートフォンである。
【0014】
例えば、証券取引システム2は、証券取引所のシステムである。証券取引システム2は、証券取引サーバ20を含む。証券取引サーバ20は、サーバコンピュータである。証券取引サーバ20は、制御部21、記憶部22、及び通信部23を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。記憶部22に記憶されるプログラムがネットワークN等を介して証券取引サーバ20に供給されてもよい点と、証券取引システム2が少なくとも1つのコンピュータを含めばよい点と、も株取引システム1と同様であってよい。
【0015】
例えば、私設取引システム3は、私設取引所のシステムである。私設取引システム3は、私設取引サーバ30を含む。私設取引サーバ30は、サーバコンピュータである。私設取引サーバ30は、制御部31、記憶部32、及び通信部33を含む。制御部31、記憶部32、及び通信部33のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。記憶部32に記憶されるプログラムがネットワークN等を介して私設取引サーバ30に供給されてもよい点と、私設取引システム3が少なくとも1つのコンピュータを含めばよい点と、も株取引システム1と同様であってよい。
【0016】
例えば、相対取引システム4は、相対取引を取り扱う業者又は証券会社のシステムである。相対取引システム4は、相対取引サーバ40を含む。相対取引サーバ40は、サーバコンピュータである。相対取引サーバ40は、制御部41、記憶部42、及び通信部43を含む。制御部41、記憶部42、及び通信部43のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。記憶部42に記憶されるプログラムがネットワークN等を介して相対取引サーバ40に供給されてもよい点と、相対取引システム4が少なくとも1つのコンピュータを含めばよい点と、も株取引システム1と同様であってよい。
【0017】
例えば、ユーザ端末50は、ユーザのコンピュータである。例えば、ユーザ端末50は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又はウェアラブル端末である。例えば、ユーザ端末50は、制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54、及び表示部55を含む。制御部51、記憶部52、及び通信部53の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。記憶部52に記憶されるプログラムがネットワークN等を介してユーザ端末50に供給されてもよい点も株取引システム1と同様であってよい。操作部54は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力デバイスである。表示部55は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイである。
【0018】
[1-2.第1実施形態の概要]
第1実施形態では、証券会社は、ユーザに対し、株式の積立に関する積立サービスを提供する。積立サービスでは、ユーザが指定した設定に応じた注文が繰り返し自動的に実行される。以降、この設定を積立設定という。例えば、積立サービスの利用を希望するユーザは、ユーザ端末50を操作して株取引サーバ10にアクセスして積立設定を指定する。
【0019】
図2は、ユーザが銘柄を検索するための銘柄検索画面と、ユーザが積立設定を指定するための積立設定画面と、の一例を示す図である。例えば、ユーザが証券会社のウェブサイトにログインすると、
図2の左側に示すように、銘柄検索画面SC1が表示部55に表示される。ユーザが、入力フォームF10に対し、銘柄名等の検索条件を入力して検索を実行すると、検索条件を満たす銘柄の一覧が、銘柄検索画面SC1に表示される。ユーザは、ボタンB11,B12を選択することによって、スポット取引の注文内容を入力できる。スポット取引は、後述の第2実施形態で説明する。
【0020】
例えば、ユーザがボタンB13を選択すると、
図2の右側に示すように、積立設定画面SC2が表示部55に表示される。ユーザがプルダウンフォームF200を選択すると、ユーザが株主優待を受けるための情報が積立設定画面SC2に表示される。ユーザは、ボタンB201を選択することによって、毎月の積立日を指定できる。積立日は、積立が実行される日である。ユーザは、ボタンB202を選択することによって、毎週の積立日を指定できる。積立日の周期は、月又は週以外の他の周期であってもよい。例えば、積立日の周期は、隔月、隔週、10日ごと、又は20日ごとといった他の周期であってもよい。ユーザが積立日を指定するのではなく、積立日が予め固定されていてもよい。
【0021】
例えば、ユーザは、入力フォームF203に対し、積立日を入力する。
図2の例では、積立日の周期が月なので、ユーザは、積立日として日付を指定する。積立日の周期が週の場合には、ユーザは、積立日として曜日を指定する。ユーザは、ボタンB204,B205を選択することによって、積立の対象となる株式の買付方法を選択できる。買付方法は、積立の対象となる株式の発注方法ということもできる。
【0022】
第1実施形態では、買付方法として、金額指定及び株数指定が用意されている。金額指定は、ユーザが1回の注文における積立金額を指定して、当該積立金額以内でユーザが買える株数を証券会社が発注する買付方法である。株数指定は、ユーザが1回の注文における株数を指定して、当該株数を証券会社が発注する買付方法である。例えば、ユーザがボタンB206を選択すると、積立設定画面SC2が次のページに遷移する。
【0023】
図3は、ユーザが金額指定を選択した場合の積立設定画面SC2の一例を示す図である。例えば、ユーザが金額指定を選択してボタンB206を選択すると、積立設定画面SC2は、
図3の左側の状態になる。ユーザは、入力フォームF207に対し、1回の注文における積立金額を入力する。第1実施形態では、ユーザが入力可能な積立金額には、最低金額が設定されているものとする。ユーザは、入力フォームF207に対し、最低金額以上の数値を入力する。ユーザがボタンB208を選択すると、積立金額が所定額だけ増える。ユーザがボタンB209を選択すると、積立金額が所定額だけ減る。
【0024】
例えば、ユーザは、ボタンB210を選択することによって、ユーザが特定の月に積立金額を増やすためのボーナス設定を指定できる。ユーザは、ボタンB211を選択することによって、ボーナス設定を指定しないようにすることもできる。第1実施形態では、ユーザがボーナス設定を指定しないものとする。ユーザは、ボタンB212~B214の何れかを選択することによって、特定、一般、及びNISAの中から口座区分を指定できる。
【0025】
例えば、ユーザは、プルダウンフォームF215を選択することによって、ユーザが電子商取引サービス等の他のサービスで獲得したポイントの利用有無を指定できる。積立設定画面SC2には、ユーザが入力中の積立設定と、現在の株価と、に基づいて計算された参考積立株数、参考積立金額、及び手数料が表示される。ユーザがボタンB216を選択すると、積立設定画面SC2は、
図2の右側の状態に戻る。ユーザがボタンB217を選択すると、積立設定画面SC2は、
図3の右側の状態になる。
図3の右側の積立設定画面SC2には、ユーザが指定した積立設定の詳細が表示される。
【0026】
例えば、ユーザは、ボタンB218を選択することによって、積立日及び買付方法の少なくとも一方を修正できる。ユーザは、ボタンB219を選択することによって、積立金額、ボーナス設定、口座区分、及びポイント利用の少なくとも1つを修正できる。積立設定画面SC2には、初回の買付予定日と、参考積立株数と、が表示される。
図3の例では、積立金額が7万円であり、現在の株価が650円なので、参考積立株数は、7万円で注文可能な107株が参考積立株数として表示される。参考積立株数は、後述する値幅の上限値に基づいて計算されてもよい。
【0027】
例えば、積立の対象となる銘柄の単元株が100株だったとすると、107株の注文は、単元株と、単元未満株と、が混在する注文が実行される。先述したように、単元株は、ユーザが注文可能な株数の単位である。この単位は、1単元、単元株数、取引単位、又はその他の名前で呼ばれることもある。単元株は、株式発行企業の定款によって定められており、100株とすることが多いが理論上はそれに限られない。単元株は、1~99株又は101株以上であってもよい。なお、ETF(上場投資信託)の取引単位は口であるが、最低取引単位が単元株と同等となる。ETFの最低取引単位が1口でない場合、例えば100口や10口の場合、最低取引単位に満たない口数が単元未満株と同様の扱いとなる。単元未満株は、1単元に満たない株式である。以降、単元株の注文を、単元株注文という。単元未満株の注文を、単元未満株注文という。単元株注文と単元未満株注文が混在する注文を混在注文という。
【0028】
例えば、積立設定画面SC2には、単元株及び単元未満株の各々の株数、ボーナス株数、市場、注文方法、手数料、概算約定金額、及び概算受取金額といった情報が表示される。第1実施形態では、単元株の注文は、株取引システム1から証券取引システム2又は私設取引システム3に対して行われる。単元未満株の注文は、株取引システム1から相対取引システム4に対して行われる。なお、証券取引所又は私設取引所が単元未満株の取引に対応していれば、単元未満株の注文が証券取引システム2、私設取引システム3又は相対取引システム4に対して、予め定められた回送先決定条件に従って行われることも可能である。例えば、ユーザは、入力フォームF220に対し、暗証番号を入力する。ユーザがボタンB221を選択すると、積立設定画面SC2は、
図3の左側の状態に戻る。ユーザがボタンB222を選択すると、積立設定が完了する。
【0029】
図4は、ユーザが株数指定を選択した場合の積立設定画面SC2の一例を示す図である。例えば、ユーザが株数指定を選択してボタンB206を選択すると、積立設定画面SC2は、
図4の左側の状態になる。
図4の積立設定画面SC2は、
図3の積立設定画面SC2と概ね同様であるが、入力フォームF207に対して積立金額ではなく株数が入力される点で異なる。
【0030】
例えば、ユーザがボタンB208を選択すると、株数が所定数(例えば、1又は単元株と同じ株数)だけ減る。ユーザがボタンB209を選択すると、株数が所定数(例えば、1又は単元株と同じ株数)だけ増える。積立設定画面SC2に表示される情報は、入力フォームF207に対して入力された株数指定に応じた情報となる。
図4の例では、入力フォームF207に対して125株と入力されているので、単元株と、単元未満株と、が混在する混在注文が実行される。
【0031】
第1実施形態では、株取引サーバ10は、積立日における株式市場の開始時間の所定時間前に、注文内容を作成する。例えば、積立日が毎月10日とすると、株取引サーバ10は、毎月10日における株式市場の開始時間の所定時間前、又は、毎月10日の前日若しくは数日前に、注文内容を作成する。毎月10日が株式市場の取引時間外である月は、その前又は後に株式市場で取引が行われる日が積立日になる。
【0032】
例えば、7万円の積立金額が買付方法として指定されている場合、株取引サーバ10は、積立日又はその前日における銘柄の値幅の上限値に基づいて、株数を計算する。上限値が620円だったとすると、株取引サーバ10は、7万円を620円で割った値の小数点以下を切り捨てた112株を、株数として計算する。この場合、100株分の単元株注文と、12株分の単元未満株注文と、が混在する混在注文が実行されてもよいが、単元株の値幅と、単元未満株の値幅と、が異なる可能性があるので、第1実施形態では、株取引サーバ10は、単元未満株の株数を別途計算する。
【0033】
例えば、株取引サーバ10は、620円に100株をかけた値を7万円から引いた8千円を残金として計算する。単元未満株の値幅の上限値が615円だったとすると、株取引サーバ10は、残金の8千円を615円で割った値の小数点以下を切り捨てた13株を、単元未満株の株数として計算する。この場合、100株分の単元株注文と、13株分の単元未満株注文と、が混在する混在注文が実行される。
【0034】
例えば、125株の株数が買付方法として指定されている場合、100株分の単元株注文と、25株分の単元未満株注文と、が混在する混在注文が実行される。以上説明した処理が、積立日が訪れるたびに実行される。ユーザは、積立サービスの利用状況を、任意の時に確認できる。例えば、ユーザが証券会社のウェブサイトにログインして積立設定の詳細を確認するための操作をすると、積立設定の詳細を示す詳細画面が表示部55に表示される。
【0035】
図5は、詳細画面の一例を示す図である。例えば、詳細画面SC3には、現状の積立設定が表示される。ユーザは、ボタンB30を選択することによって、積立設定を変更できる。ユーザは、ボタンB31を選択することによって、積立設定を解除できる。詳細画面SC3には、過去の積立履歴も表示される。執行中(約定前)の注文については、ユーザは、ボタンB32を選択することによって、積立設定を訂正できる。ユーザは、ボタンB33を選択することによって、注文を取り消すこともできる。
【0036】
以上のように、株取引システム1は、単元株注文及び単元未満株注文だけではなく、単元株注文及び単元未満株注文が混在する混在注文を実行可能である。これにより、ユーザは単元株を意識することなく、自身が希望する積立設定を指定できるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。その結果、株取引システム1は、ユーザに対し、株取引の動機付けを与えることができるので、株取引を促進できる。以降、株取引システム1の詳細を説明する。
【0037】
[1-3.株取引システムで実現される機能]
図6は、株取引システム1で実現される機能の一例を示す図である。例えば、株取引サーバ10は、データ記憶部100、対応判定部101、表示制御部102、株数取得部103、単元株注文実行部104、単元未満株注文実行部105、及び混在注文実行部106を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。対応判定部101、表示制御部102、株数取得部103、単元株注文実行部104、単元未満株注文実行部105、及び混在注文実行部106の各々は、制御部11により実現される。
【0038】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、株取引に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、銘柄データベースDB1、積立設定データベースDB2、及び注文データベースDB3を記憶する。
【0039】
図7は、銘柄データベースDB1の一例を示す図である。銘柄データベースDB1は、株取引の対象となる銘柄に関する各種情報が格納されたデータベースである。例えば、銘柄データベースDB1には、銘柄コード、分類情報、及び銘柄情報が格納される。銘柄データベースDB1には、銘柄に関する何らかの情報が格納されるようにすればよい。銘柄データベースDB1に格納される情報は、
図7の例に限られない。例えば、銘柄データベースDB1には、銘柄検索画面SC1、積立設定画面SC2、及び詳細画面SC3の各々に表示される情報が格納されてもよい。
【0040】
銘柄コードは、コンピュータが銘柄を識別するための銘柄識別情報の一例である。このため、銘柄コードと記載した箇所は、銘柄識別情報と読み替えることができる。銘柄識別情報は、銘柄コード以外の他の情報であってもよい。例えば、銘柄名が銘柄識別情報に相当してもよい。
【0041】
分類情報は、銘柄の分類に関する情報である。第1実施形態では、全ての銘柄が単元未満株注文に対応しているわけではなく、一部の銘柄だけが単元未満株注文に対応している場合を例に挙げる。分類情報は、銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かを示す。例えば、分類情報は、銘柄が単元未満株注文に対応していることを意味する第1の値、又は、銘柄が単元未満株注文に対応していないことを意味する第2の値の何れかを示す。分類情報は、証券会社の担当者によって設定される。
【0042】
なお、分類情報は、第1実施形態の例に限られない。分類情報は、銘柄の何らかの分類に関する情報であればよい。例えば、全ての銘柄が積立サービスに対応しているわけではなく、一部の銘柄だけが積立サービスに対応している場合には、分類情報は、銘柄が積立サービスに対応しているか否かを示してもよい。他にも例えば、後述の変形例4のように、分類情報は、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを示してもよい。
【0043】
銘柄情報は、銘柄の詳細に関する情報である。銘柄情報は、静的な情報(銘柄の基本情報)だけではなく、株式市場の取引状況に応じて変化する動的な情報を含んでもよい。例えば、銘柄情報は、銘柄名、単元株(第1実施形態では、全ての銘柄の単元株が100株とする)、決算日、出来高、及び現在値を示す。銘柄情報は、
図7の例に限られず、他の情報を含んでもよい。例えば、銘柄情報は、株主優待に関する情報を含んでもよい。
【0044】
図8は、積立設定データベースDB2の一例を示す図である。積立設定データベースDB2は、ユーザが指定した積立設定が格納されたデータベースである。例えば、積立設定データベースDB2には、ユーザIDと、積立設定と、が格納される。積立設定データベースDB2には、積立設定に関する何らかの情報が格納されるようにすればよい。積立設定データベースDB2に格納されるデータは、
図8の例に限られない。例えば、積立設定データベースDB2には、積立設定が有効であるか否かを示す情報が格納されてもよい。
【0045】
ユーザIDは、コンピュータがユーザを識別するためのユーザ識別情報の一例である。ユーザ識別情報は、ユーザID以外の他の情報であってもよい。例えば、メールアドレス又は電話番号がユーザ識別情報に相当してもよい。積立設定は、積立に関する設定である。例えば、積立設定は、銘柄コード、積立日、買付方法、積立金額、ボーナス設定、口座区分、及びポイント利用の設定の少なくとも1つを示す。積立設定は、積立の詳細を示せばよく、他の情報を含んでもよい。
【0046】
図9は、注文データベースDB3の一例を示す図である。注文データベースDB3は、ユーザの注文に関する各種情報が格納されたデータベースである。例えば、注文データベースDB3には、注文ID、ユーザID、注文情報、及び取引情報が格納される。注文データベースDB3には、注文に関する何らかの情報が格納されるようにすればよい。注文データベースDB3に格納される情報は、
図9の例に限られない。例えば、注文データベースDB3には、ユーザが直接的に行った注文ではなく、証券会社の担当者を介して行われた注文に関する情報が格納されてもよい。
【0047】
注文IDは、コンピュータが個々の注文を識別するための注文識別情報の一例である。注文識別情報は、注文ID以外の他の情報であってもよく、例えば、IDではなく番号と呼ばれる情報であってもよい。注文情報は、注文内容に関する情報である。例えば、注文情報は、銘柄コード、銘柄名、株数、価格(指値又は成行)、手数料、執行条件、及び口座を示す。注文情報は、注文の受付日時等の他の情報を含んでもよい。注文情報自体は、公知の情報であってよい。
【0048】
第1実施形態では、単元株注文の注文情報である単元株注文情報、単元未満株の注文情報である単元未満株注文情報、及び混在注文の注文情報である混在注文情報の3つが存在するが、これらを区別しない時は、単に注文情報という。混在注文情報は、単元株注文情報及び単元未満株注文情報のペアである。単元株注文情報及び単元未満株注文情報のデータフォーマットは、互いに同じであってもよいし異なってもよい。注文情報は、注文が執行前であるか否かを示す情報、又は、注文が執行されずにキャンセルされたか否かを示す情報を含んでもよい。
【0049】
取引情報は、約定された注文に関する情報である。注文情報に示された注文が約定されると、当該約定された注文に対応する取引情報が生成されて注文データベースDB3に格納される。例えば、取引情報は、注文の約定日時、株数、価格、及び手数料を示す。取引情報自体は、公知の情報であってよい。
【0050】
なお、データ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。データ記憶部100は、株取引に必要なデータを記憶すればよい。例えば、データ記憶部100は、個々のユーザに関する各種情報が格納されたデータベース、証券会社に開設された証券口座に関する各種情報が格納されたデータベース、又は証券会社と連携するマーケットメーカーに関する各種情報が格納されたデータベースを記憶してもよい。これらのデータベースに格納される情報自体は、公知の情報であってよい。
【0051】
[対応判定部]
対応判定部101は、銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かを判定する。第1実施形態では、対応判定部101による判定対象となる銘柄は、積立設定に銘柄コードが示された銘柄である。第1実施形態では、銘柄データベースDB1に分類情報が格納されているので、対応判定部101は、銘柄データベースDB1を参照し、判定対象となる銘柄の分類情報を取得する。対応判定部101は、当該取得された分類情報に基づいて、銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かを判定する。例えば、対応判定部101は、分類情報が第1の値であれば、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定する。対応判定部101は、分類情報が第2の値であれば、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定する。
【0052】
なお、対応判定部101の判定方法は、本実施形態の例に限られない。対応判定部101は、予め定められた判定方法に基づいて、銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かを判定すればよい。例えば、単元未満株注文に対応している銘柄にのみ分類情報が銘柄データベースDB1に格納されている場合、対応判定部101は、分類情報が銘柄データベースDB1に存在する場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定する。対応判定部101は、分類情報が銘柄データベースDB1に存在しない場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定する。
【0053】
上記とは逆に、単元未満株注文に対応していない銘柄にのみ分類情報が銘柄データベースDB1に格納されている場合に、対応判定部101は、分類情報が銘柄データベースDB1に存在する場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定する。対応判定部101は、分類情報が銘柄データベースDB1に存在する場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定する。
【0054】
他にも例えば、分類情報を利用することなく、対応判定部101による判定が実行されてもよい。単元未満株注文に対応している銘柄の銘柄コードだけが銘柄データベースDB1に格納されている場合には、対応判定部101は、銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在する場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定する。対応判定部101は、銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在しない場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定する。
【0055】
上記とは逆に、単元未満株注文に対応していない銘柄の銘柄コードだけが銘柄データベースDB1に格納されている場合には、対応判定部101は、銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在する場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定する。対応判定部101は、銘柄の銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在しない場合に、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定する。
【0056】
[表示制御部]
表示制御部102は、各種画面をユーザ端末50に表示させる。表示制御部102は、表示対象の画面の表示データをユーザ端末50に送信することによって、当該画面をユーザ端末50に表示させる。表示データは、何らかの画面をユーザ端末50に表示させるためのデータであればよく、任意のデータ形式であってよい。例えば、ブラウザが利用される場合、表示データは、HTMLデータである。証券会社が配信する専用のアプリケーションが利用される場合、表示データは、アプリケーションで対応している形式のデータ(例えば、JPEG等の画像データ)であればよい。
【0057】
第1実施形態では、表示制御部102は、対応判定部101の判定結果に基づいて、ユーザ端末50に、積立設定画面SC2を表示させる。積立設定画面SC2は、注文に関する条件の入力を受け付ける画面の一例である。このため、積立設定画面SC2と記載した箇所は、当該画面と読み替えることができる。当該画面は、積立設定画面SC2以外の他の画面であってもよく、第2実施形態で説明する注文画面SC4であってもよい。
【0058】
例えば、表示制御部102は、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定された場合、銘柄が単元未満株注文に対応していることを示す画像を、積立設定画面SC2に表示させる。
図2の例であれば、表示制御部102は、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定された場合、「単元未満可」の画像を、積立設定画面SC2に表示させる。表示制御部102は、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定された場合、「単元未満可」の画像を、積立設定画面SC2に表示させない。銘柄が単元未満株注文に対応していることを示す画像は、任意の画像であってよく、例えば、何らかのアイコン又は文字列であってもよい。
【0059】
なお、表示制御部102は、ボタンB208,B209が選択された場合の株数の変化量を、対応判定部101の判定結果に基づいて決定してもよい。例えば、表示制御部102は、銘柄が単元未満株注文に対応していると判定された場合には、ボタンB208,B209が選択された場合の株数の変化量が1となる積立設定画面SC2を表示させる。表示制御部102は、銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定された場合には、ボタンB208,B209が選択された場合の株数の変化量が単元株(例えば、100株)となる積立設定画面SC2を表示させる。他にも例えば、表示制御部102は、対応判定部101の判定結果に基づいて、積立設定画面SC2のレイアウトを変えてもよい。
【0060】
[株数取得部]
株数取得部103は、株式の注文における株数を取得する。第1実施形態の注文は、株式の積立における注文なので、株数は、積立における株数である。例えば、ユーザが買付方法として株数指定を選択した場合には、積立設定に株数が含まれるので、株数取得部103は、積立設定データベースDB2に格納された積立設定を参照することによって、株数を取得する。即ち、株数取得部103は、ユーザが指定した株数を取得する。
【0061】
例えば、ユーザが買付方法として金額指定を選択した場合には、積立設定に株数が含まれないので、株数取得部103は、積立設定に含まれる積立金額に基づいて、株数を計算する。第1実施形態では、株数取得部103は、積立における積立金額と、積立日における銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、株数として、積立金額で購入が可能な購入可能株数を取得する。
【0062】
値幅は、銘柄の価格が変化する範囲である。値幅自体は、公知の方法によって決定されてよい。値幅は、銘柄データベースDB1に格納されていてもよいし、証券取引サーバ20又は私設取引サーバ30から取得されてもよい。例えば、株数取得部103は、積立金額を上限値で割った値の小数点以下を切り捨てた値を、株数として取得する。株式取得部は、当該値よりも小さい値を、株数として取得してもよい。
【0063】
第1実施形態では、株数取得部103は、積立金額と、単元株の値幅の上限値と、に基づいて、単元株の整数倍の株数を計算する。例えば、株数取得部103は、積立金額を、単元株の値幅の上限値で割った値のうち、単元株の整数倍とはならない桁を切り捨てる。積立金額が7万円であり、単元株の値幅の上限値が620円だったとすると、株数取得部103は、7万円を620円で割った値のうち、単元株の整数倍とはならない桁(十の桁以下)を切り捨てた100株を、単元株の整数倍の株数として計算する。
【0064】
例えば、株数取得部103は、単元株の値幅の上限値と、単元株の整数倍の株数と、をかけた値を積立金額から引いた残金と、単元未満株の値幅の上限値と、に基づいて、単元未満株の株数を計算する。株数取得部103は、620円に100株をかけた値を7万円から引いた8千円を残金として計算する。単元未満株の値幅の上限値が615円だったとすると、株数取得部103は、残金の8千円を615円で割った値の小数点以下を切り捨てた13株を、単元未満株の株数として計算する。
【0065】
なお、買付方法が金額指定である場合の株数の取得方法は、上記の例に限られない。例えば、株数取得部103は、単元株の値幅の上限値と、単元未満株の値幅の上限値と、を区別せずに株数を計算してもよい。例えば、実際の積立金額が積立設定の積立金額よりも多くなる可能性があることにユーザが同意している場合には、株数取得部103は、値幅の上限値よりも低い値に基づいて、株数を計算してもよい。上限値よりも低い値は、現在の価格、高値、安値、又は他の値であってもよい。
【0066】
第1実施形態では、株数取得部103は、株数が単元株の整数倍であるか否かを判定する。株数取得部103は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ないか否かを判定する。株数取得部103は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多いか否かを判定する。これらの一連の判定は、株数取得部103以外の他の機能により実行されてもよい。
【0067】
[単元株注文実行部]
単元株注文実行部104は、株数が注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、単元株に関する単元株注文を実行する。株数が負の値になることはなく、株数が0の場合には注文が行われないので、ここでの整数倍は、自然数倍(1以上の倍数)を意味する。このため、整数倍と記載した箇所は、自然数倍と読み替えることができる。単元株注文を実行するとは、単元株注文に必要な処理を実行することである。単元株注文の処理自体は、公知の種々の処理を利用可能である。
【0068】
第1実施形態では、ユーザが積立サービスを利用するので、単元株注文実行部104は、株数が単元株の整数倍である場合に、積立における積立日に単元株注文を実行する。例えば、単元株注文実行部104は、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文に関する単元株注文情報を送信することによって、単元株注文を実行する。単元株注文実行部104は、積立設定データベースDB2に格納された積立設定に基づいて、単元株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、当該単元株注文情報を送信する。単元株注文実行部104は、相対取引システム4又は他のシステムに対し、単元株注文情報を送信してもよい。この点は、後述の混在注文実行部106も同様である。
【0069】
[単元未満株注文実行部]
単元未満株注文実行部105は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する。単元未満株注文を実行するとは、単元未満株注文に必要な処理を実行することである。単元未満株注文の処理自体は、公知の種々の処理を利用可能である。
【0070】
第1実施形態では、ユーザが積立サービスを利用するので、単元未満株注文実行部105は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、積立日に単元未満株注文を実行する。例えば、単元未満株注文実行部105は、相対取引システム4に対し、単元未満株の発注に関する単元未満株注文情報を送信することによって、単元未満株注文を実行する。単元未満株注文実行部105は、積立設定データベースDB2に格納された積立設定に基づいて、単元未満株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、相対取引システム4に対し、当該単元未満株注文情報を送信する。単元未満株注文実行部105は、証券取引システム2、私設取引システム3、又は他のシステムが単元未満株注文に対応しているのであれば、これらの何れかに対し、単元未満株注文情報を送信してもよい。この点は、後述の混在注文実行部106も同様である。
【0071】
[混在注文実行部]
混在注文実行部106は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、単元株注文及び単元未満株注文が混在する混在注文を実行する。混在注文を実行するとは、混在注文に必要な処理を実行することである。混在注文は、単元株注文と、単元未満株注文と、の組み合わせである。混在注文実行部106は、ユーザが、単元株注文のための操作と、単元未満株注文のための操作と、を別々に行わずに、混在注文のための操作を行った場合に、混在注文を実行する。即ち、混在注文実行部106は、単元株注文及び単元未満株注文を一連の処理として実行することによって、混在注文を実行する。
【0072】
第1実施形態では、ユーザが積立サービスを利用するので、混在注文実行部106は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、積立日に混在注文を実行する。例えば、混在注文実行部106は、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信し、相対取引システム4に対し、単元未満株注文情報を送信することによって、混在注文を実行する。混在注文実行部106は、積立設定データベースDB2に格納された積立設定に基づいて、単元株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、当該単元株注文情報を送信する。混在注文実行部106は、積立設定データベースDB2に格納された積立設定に基づいて、単元未満株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、相対取引システム4に対し、当該単元未満株注文情報を送信する。
【0073】
第1実施形態では、混在注文実行部106は、単元株注文に関する条件と、単元未満株注文に関する条件と、の少なくとも一部が異なる混在注文を実行可能である。ここでの条件とは、注文の詳細(注文情報に含まれる個々の項目)である。例えば、混在注文実行部106は、単元株注文における価格と、単元未満株注文における価格と、が異なる混在注文を実行可能である。混在注文実行部106は、単元株注文の注文方法(例えば、指値)と、単元未満株注文における注文方法(例えば、成行)と、が異なる混在注文を実行可能である。混在注文実行部106は、単元株注文における有効期間と、単元未満株注文における有効期間と、が異なる混在注文を実行可能である。なお、混在注文実行部106は、単元株注文に関する条件と、単元未満株注文に関する条件と、が同じ混在注文を実行することもできる。
【0074】
[1-4.第1実施形態の株取引システムで実行される処理]
次に、第1実施形態の株取引システム1で実行される処理の一例を説明する。第1実施形態では、株取引サーバ10が積立設定を保存するための積立設定保存処理と、株取引サーバ10が積立設定に基づいて注文を実行するための注文実行処理と、を説明する。
【0075】
[積立設定保存処理]
図10は、積立設定保存処理の一例を示す図である。積立設定保存処理は、制御部11,21が、それぞれ記憶部12,22に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。
【0076】
図10のように、株取引サーバ10及びユーザ端末50は、ユーザが証券会社のウェブサイトにログインするためのログイン処理を実行する(S100)。株取引サーバ10及びユーザ端末50は、銘柄検索画面SC1を表示部55に表示させる(S101)。ユーザ端末50は、銘柄検索画面SC1の中からユーザが任意の銘柄のボタンB13を選択すると、株取引サーバ10に対し、当該銘柄の銘柄コードを送信する(S102)。
【0077】
株取引サーバ10は、銘柄コードを受信すると(S103)、銘柄データベースDB1に基づいて、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かを判定する(S104)。ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していると判定された場合(S104:Y)、株取引サーバ10は、ユーザ端末50に対し、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していることを示す積立設定画面SC2の表示データを送信する(S105)。ユーザ端末50は、表示データを受信すると(S106)、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していることを示す積立設定画面SC2を表示部55に表示させる(S107)。
【0078】
S104において、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定された場合(S104:N)、株取引サーバ10は、ユーザ端末50に対し、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していないことを示す積立設定画面SC2の表示データを送信する(S108)。ユーザ端末50は、表示データを受信すると(S109)、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していないことを示す積立設定画面SC2を表示部55に表示させる(S110)。
【0079】
株取引サーバ10及びユーザ端末50は、ユーザが指定した積立設定を保存するための処理を実行し(S111)、積立設定保存処理は終了する。S111では、ユーザ端末50は、株取引サーバ10に対し、ユーザが積立設定画面SC2に対して入力した積立設定を送信する。株取引サーバ10は、ユーザのユーザIDと、ユーザ端末50から受信した積立設定と、を関連付けて積立設定データベースDB2に格納する。
【0080】
[注文実行処理]
図11は、注文実行処理の一例を示す図である。注文実行処理は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。株取引サーバ10は、積立サービスの注文情報を生成する生成タイミングが訪れたか否かを判定する(S200)。例えば、生成タイミングは、株式市場の取引時間の開始時間の所定時間だけ前の時点(例えば、午前4時)である。生成タイミングは、株式市場が開いている日であれば、毎日訪れるものとする。生成タイミングが訪れたと判定されない場合(S200:N)、S200の処理に戻る。
【0081】
S200において、生成タイミングが訪れたと判定された場合(S200:N)、株取引サーバ10は、積立設定データベースDB2の中から、積立日が現在の日である積立設定を取得する(S201)。以降、S201で取得された積立設定ごとに、S202以降の処理が実行される。S202以降の処理の対象となる積立設定を、処理対象の積立設定という。
【0082】
株取引サーバ10は、処理対象の積立設定が示す銘柄の分類情報に基づいて、当該銘柄が単元未満株の対象となる銘柄であるか否かを判定する(S202)。処理対象の積立設定が示す銘柄が単元未満株の対象となる銘柄ではないと判定された場合(S202:N)、株取引サーバ10と、処理対象の積立設定に基づいて、単元株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信する(S203)。
【0083】
S202において、処理対象の積立設定が示す銘柄が単元未満株の対象となる銘柄であると判定された場合(S202:Y)、株取引サーバ10は、処理対象の積立設定が示す買付方法を参照する(S204)。買付方法が金額指定である場合(S204:金額指定)、株取引サーバ10は、処理対象の積立設定が示す積立金額と、処理対象の積立設定が示す銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、注文における株数を取得し、当該株数が単元株以上であるか否かを判定する(S205)。S205では、株取引サーバ10は、積立金額を上限値で割った値の小数点以下を切り捨てた値が単元株以上であるか否かを判定する。
【0084】
S205において、株数が単元株よりも少ないと判定された場合(S205:N)、株取引サーバ10は、処理対象の積立設定が示す積立金額と、単元未満株の値幅の上限値と、に基づいて、注文における株数を取得し、株数が1以上であるか否かを判定する(S206)。S206では、株取引サーバ10は、積立金額を上限値で割った値の小数点以下を切り捨てた値が1以上であるか否かを判定する。株数が0であると判定された場合(S206:N)、株取引サーバ10は、注文情報を生成せずに、後述のS212の処理に移行する。この場合、積立設定に基づく注文が発生しない。ユーザに対し、注文が行われない旨の通知が送信されてもよい。
【0085】
株数が1以上であると判定された場合(S206:Y)、株取引サーバ10は、単元未満株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、相対取引システム4に対し、単元未満株注文情報を送信する(S207)。
【0086】
S205において、株数が単元株以上であると判定された場合(S205:Y)、株取引サーバ10は、処理対象の積立設定が示す積立金額、注文可能な単元株の整数倍の株数、単元株の値幅の上限値、及び単元未満株の値幅の上限値に基づいて、注文可能な単元未満株の株数を取得し、注文可能な単元未満株の株数が1以上であるか否かを判定する(S208)。S208では、株取引サーバ10は、注文可能な単元株の整数倍の株数と、単元株の値幅の上限値と、をかけた値を、積立金額から引くことによって差額を計算する。株取引サーバ10は、単元未満株の値幅の上限値で差額を割った値の小数点以下を切り捨てることによって、注文可能な単元未満株の株数を計算する。
【0087】
S208において、注文可能な単元未満株の株数が0であると判定された場合(S208:N)、S203の処理に移行する。この場合、単元未満株注文は行われずに、単元株注文だけが実行される。S208において、注文可能な単元未満株の株数が1以上であると判定された場合(S208:Y)、株取引サーバ10は、株取引サーバ10と、処理対象の積立設定に基づいて、単元株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信する(S209)。株取引サーバ10は、単元未満株注文情報を生成して注文データベースDB3に格納し、相対取引システム4に対し、単元株注文情報を送信する(S210)。S209及びS210の一連の処理が混在注文に相当する。
【0088】
S204において、買付方法が株数指定である場合(S204:株数指定)、株取引サーバ10は、処理対象の積立設定が示す株数を参照する(S211)。株取引サーバ10は、株数が単元株の整数倍である場合(S211:単元株注文)、S203の処理に移行する。株取引サーバ10は、株数が単元株の整数倍ではなく、且つ、株数が単元株よりも少ない場合(S211:単元未満株注文)、S207の処理に移行する。株取引サーバ10は、株数が単元株の整数倍ではなく、且つ、株数が単元株よりも多い場合(S211:混在注文)、S209の処理に移行する。
【0089】
株取引サーバ10は、全ての処理対象の積立設定の処理が完了したか否かを判定する(S212)。まだ注文情報が生成されていない処理対象の積立設定が存在すると判定された場合(S212:N)、S201の処理に戻り、次の処理対象の積立設定が取得されてS202以降の処理が実行される。全ての処理対象の積立設定の注文情報が生成されたと判定された場合(S212:Y)、本処理は、終了する。積立日又はその後日には、積立サービスにおける結果がユーザに通知されてもよい。
【0090】
[1-5.第1実施形態のまとめ]
本実施形態の株取引システム1は、株式の注文における株数が単元株の整数倍である場合に、単元株注文を実行する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、単元未満株注文を実行する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、混在注文を実行する。これにより、ユーザは単元株を意識することなく、自身が希望する注文内容を指定できるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。ユーザは、単元株注文と単元未満株注文を別々に行う必要がなくなるので、手軽に注文を行うことができる。その結果、株取引システム1は、ユーザに対し、株取引の動機付けを与えることができるので、株取引を促進できる。
【0091】
また、株取引システム1は、株数が単元株の整数倍である場合に、積立における積立日に単元株注文を実行する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、積立日に単元未満株注文を実行する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、積立日に混在注文を実行する。これにより、ユーザは単元株を意識することなく、自身が希望する積立設定を指定できるので、株取引システム1は、積立サービスにおける株取引を促進できる。株取引システム1は、単元株の整数倍だけではなく、端数となる単元未満株の注文も可能とすることによって、ユーザが指定した積立金額に近い約定金額にすることができるので、ユーザの利便性が高まる。
【0092】
また、株取引システム1は、積立における積立金額と、積立日における銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、株数として、積立金額で購入が可能な購入可能株数を取得する。これにより、株取引システム1は、約定金額が積立金額を上回ってしまうことを防止できる。
【0093】
また、株取引システム1は、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信することによって、単元株注文を実行する。株取引システム1は、相対取引システム4に対し、単元未満株の発注に関する単元未満株注文情報を送信することによって、単元未満株注文を実行する。株取引システム1は、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信し、相対取引システム4に対し、単元未満株注文情報を送信することによって、混在注文を実行する。これにより、株取引システム1は、単元株注文を実行するために通信する相手と、単元未満株注文を実行するために通信する相手と、が互いに異なったとしても、一連の流れで混在注文を実行できる。
【0094】
また、株取引システム1は、単元株注文に関する条件と、単元未満株注文に関する条件と、の少なくとも一部が異なる混在注文を実行可能である。これにより、株取引システム1は、ユーザに対し、柔軟な株取引を提供できる。
【0095】
また、株取引システム1は、銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かの判定結果に基づいて、ユーザ端末50に、注文に関する条件の入力を受け付ける積立設定画面SC2を表示させる。これにより、ユーザは、今から注文しようとしている銘柄が単元未満株注文に対応しているか否かを容易に理解できるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。
【0096】
[2.第2実施形態]
次に、株取引システム1の別実施形態である第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様の点については、説明を省略する。第1実施形態で説明した注文は、積立サービスにおける注文であるが、第2実施形態の注文は、株式のスポット取引における注文である。第2実施形態では、スポット取引における買い注文を例に挙げるが、スポット取引における売り注文も同様の処理が実行される。
【0097】
第2実施形態の株取引システム1は、スポット取引における混在注文を実行可能である。スポット取引は、第1実施形態で説明した積立サービスのように自動的に繰り返し実行されるのではなく、原則として1度きりの注文である。スポット取引は、ユーザが注文の操作を行うたびに実行される。スポット取引は、買い又は売りの何れであってもよい。例えば、ユーザが銘柄検索画面SC1のボタンB11を選択すると、スポット取引の注文画面が表示部55に表示される。
【0098】
図12は、スポット取引の注文画面の一例を示す図である。例えば、ユーザは、入力フォームF400に対し、表示中の銘柄を注文する市場を入力する。ユーザは、入力フォームF401に対し、スポット取引の注文における株数を入力する。ユーザは、単元株に関係なく、任意の数値を入力可能である。単元株が100株だったとすると、ユーザは、入力フォームF401に対し、100株の整数倍だけではなく、1以上の任意の数値を入力可能である。例えば、ユーザは、入力フォームF401に対し、1~99の数値、又は、101以上の数値を入力可能である。単元未満株注文に対応していない銘柄については、ユーザは、単元株の整数倍の株数の入力だけが入力可能であってもよい。
【0099】
図12の例では、ユーザは、入力フォームF401に対し、株数として123を入力している。ユーザがボタンB402を選択すると、株数が所定数(例えば、1)だけ増える。ユーザがボタンB403を選択すると、数量が所定数(例えば、1)だけ減る。単元未満株注文に対応していない銘柄については、ボタンB406,B407が選択された場合に、数量が単元株だけ変化してもよい。
【0100】
例えば、ユーザは、ボタンB404を選択することによって、注文方法として指値を指定できる。ユーザが指値を指定した場合には、ユーザは、入力フォームF405に対し、価格を入力する。ユーザがボタンB406を選択すると、指値の価格が所定数(例えば、1)だけ増える。ユーザがボタンB407を選択すると、指値の価格が所定数(例えば、1)だけ減る。ユーザは、ボタンB408を選択することによって、注文方法として成行を指定できる。ユーザは、入力フォームF409に対し、注文の有効期間を入力する。ユーザは、ボタンB410~B412を選択することによって、口座区分を指定できる。ユーザは、ボタンB413又はボタンB414を選択することによって、セット注文の有無を指定できる。
【0101】
例えば、ユーザは、入力フォームF415に対し、暗証番号を入力する。ユーザがボタンB416を選択すると、銘柄検索画面SC1に戻る。ユーザがボタンB417を選択すると、ユーザ端末50は、株取引サーバ10に対し、注文画面SC4に入力された注文内容を送信する。
図12の例では、単元株が100株だったとすると、株取引システム1は、100株分の単元株注文と、23株分の単元未満株注文と、が混在する混在注文を実行する。
【0102】
以上のように、第2実施形態の株取引システム1は、スポット取引の注文において、単元株の整数倍の株数の株が取引される単元株注文と、単元株よりも少ない株数の株が取引される単元未満株注文と、が混在する混在注文を実行する。これにより、ユーザは単元株を意識することなく、スポット取引における注文を指定できるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。その結果、株取引システム1は、ユーザに対し、株取引の動機付けを与えることができるので、株取引を促進できる。以降、第2実施形態の詳細を説明する。
【0103】
[2-1.第2実施形態の株取引システムで実現される機能]
第2実施形態の株取引システム1は、第1実施形態と概ね同様の機能を含むが、スポット取引のための機能を含む点で第1実施形態とは異なる。
【0104】
第2実施形態の株数取得部103は、ユーザにより指定された株数を取得する。例えば、株数取得部103は、スポット取引の注文における株数を取得する。
図12の例であれば、株数取得部103は、入力フォームF401に入力された株数を取得する。なお、第1実施形態の金額指定と同様に、スポット取引でも、株数ではなく金額の指定が可能であってもよい。この場合、株数取得部103は、第1実施形態と同様にして、ユーザが指定した金額と、スポット取引の対象となる銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、株数を計算してもよい。
【0105】
第2実施形態の単元株注文実行部104は、株数が単元株の整数倍である場合に、スポット取引における単元株注文を実行する。例えば、単元株注文実行部104は、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、スポット取引における単元株の発注に関する単元株注文情報を送信することによって、単元株注文を実行する。スポット取引における単元株注文の処理自体は、公知の種々の処理を利用可能である。ユーザがスポット取引の有効期限又は実行時期を指定した場合には、単元株注文実行部104は、当該有効期限又は当該実行式に、スポット取引における単元株注文を実行する。
【0106】
第2実施形態の単元未満株注文実行部105は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、スポット取引における単元未満株注文を実行する。例えば、単元未満株注文実行部105は、相対取引システム4に対し、スポット取引における単元未満株の発注に関する単元未満株注文情報を送信することによって、単元未満株注文を実行する。スポット取引における単元未満株注文の処理自体は、公知の種々の処理を利用可能である。ユーザがスポット取引の有効期限又は実行時期を指定した場合には、単元未満株注文実行部105は、当該有効期限又は当該実行時期に、スポット取引における単元未満株注文を実行する。
【0107】
第2実施形態の混在注文実行部106は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、スポット取引における混在注文を実行する。例えば、混在注文実行部106は、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、スポット取引における単元株の発注に関する単元株注文情報を送信し、相対取引システム4に対し、スポット取引における単元未満株の発注に関する単元未満株注文情報を送信することによって、混在注文を実行する。ユーザがスポット取引の有効期限又は実行時期を指定した場合には、混在注文実行部106は、当該有効期限又は当該実行時期に、スポット取引における混在注文を実行する。
【0108】
[2-2.第2実施形態の株取引システムで実行される処理]
図13は、第2実施形態の株取引システム1で実行される処理の一例を示す図である。S300及びS301の処理は、S100及びS101の処理と同様である。ユーザが任意の銘柄のボタンB11又はB12を選択すると、株取引サーバ10に対し、当該銘柄の銘柄コードを送信する(S302)。続くS303の処理は、S103の処理と同様である。
【0109】
S304において、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していると判定された場合(S304:Y)、株取引サーバ10は、ユーザ端末50に対し、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していることを示す注文画面SC4の表示データを送信する(S305)。ユーザ端末50は、表示データを受信すると(S306)、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していることを示す注文画面SC4を表示部55に表示させる(S307)。
【0110】
S304において、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していないと判定された場合(S304:N)、株取引サーバ10は、ユーザ端末50に対し、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していないことを示す注文画面SC4の表示データを送信する(S308)。ユーザ端末50は、表示データを受信すると(S309)、ユーザが選択した銘柄が単元未満株注文に対応していないことを示す注文画面SC4を表示部55に表示させる(S310)。
【0111】
株取引サーバ10及びユーザ端末50の間で、ユーザがスポット取引の注文を受け付けるための処理が実行される(S311)。S311では、銘柄検索画面SC1及び注文画面SC4が表示部55に表示される。ユーザ端末50は、株取引サーバ10に対し、ユーザが入力した注文内容を送信する。
【0112】
株取引サーバ10は、スポット取引の注文においてユーザが入力した株数を取得する(S312)。株数が単元株の整数倍である場合(S312:単元株注文)、株取引サーバ10は、単元株注文情報を生成し、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信し(S313)、本処理は終了する。株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合(S312:単元未満株注文)、株取引サーバ10は、単元未満株注文情報を生成し、相対取引システム4に対し、単元未満株注文情報を送信し(S314)、本処理は終了する。
【0113】
株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合(S312:混在注文)、株取引サーバ10は、単元株注文情報を生成し、証券取引システム2又は私設取引システム3に対し、単元株注文情報を送信し(S315)、単元未満株注文情報を生成し、相対取引システム4に対し、単元未満株注文情報を送信し(S316)、本処理は終了する。なお、証券取引所又は私設取引所が単元未満株の取引に対応していれば、単元未満株の注文が証券取引システム2、私設取引システム3又は相対取引システム4に対して、予め定められた回送先決定条件に従って行われることも可能である。
【0114】
[2-3.第2実施形態のまとめ]
第2実施形態の株取引システム1は、スポット取引における注文でユーザにより指定された株数を取得する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍である場合に、スポット取引における単元株注文を実行する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも少ない場合に、スポット取引における単元未満株注文を実行する。株取引システム1は、株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、株数が単元株よりも多い場合に、スポット取引における混在注文を実行する。これにより、ユーザは単元株を意識することなく、スポット取引における注文を指定できるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。ユーザは、単元株注文と単元未満株注文を別々に行う必要がなくなるので、ユーザは、手軽に注文を行うことができる。その結果、株取引システム1は、ユーザに対し、株取引の動機付けを与えることができるので、株取引を促進できる。
【0115】
[3.変形例]
なお、本開示は、以上に説明した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0116】
図14は、変形例の株取引システム1で実現される機能の一例を示す図である。以降説明する変形例の株取引システム1では、追加注文判定部107、追加注文実行部108、設定保存部109、株主優待情報取得部110、必要積立量計算部111、及び銘柄判定部112が実現される。追加注文判定部107、追加注文実行部108、設定保存部109、株主優待情報取得部110、必要積立量計算部111、及び銘柄判定部112の各々は、制御部11により実現される。
【0117】
[3-1.変形例1]
例えば、第1実施形態の積立サービスにおいて、ユーザが買付方法として金額指定を選択した場合に、第1実施形態のように値幅の上限値で株数が計算されると、実際の約定金額(実際の積立金額)は、原則として、ユーザが指定した積立金額よりも少なくなる。この場合、ユーザが指定した積立金額までにまだ余裕がある場合には、追加の注文が実行されてもよい。
【0118】
変形例1の株取引システム1は、追加注文判定部107及び追加注文実行部108を含む。追加注文判定部107は、単元株注文、単元未満株注文、又は混在注文が約定された場合に、積立金額と、単元株注文、単元未満株注文、又は混在注文の約定結果と、に基づいて、銘柄に関する追加注文が可能か否かを判定する。例えば、追加注文判定部107は、単元株注文、単元未満株注文、又は混在注文の実行結果に基づいて、当該実行された取引における約定金額を取得する。追加注文判定部107は、ユーザが指定した積立金額と、当該取得された約定金額と、の差額を計算する。
【0119】
例えば、追加注文判定部107は、当該計算された差額と、積立の対象となる銘柄の株価と、に基づいて、追加注文が可能か否かを判定する。追加注文判定部107は、差額で注文可能な株数が閾値以上であるか否かを判定する。この判定で参照される株価は、銘柄の値幅の上限値であってもよいし、株価の現在の価格であってもよい。閾値は、任意の値であってよく、例えば、1であってもよいし、2以上であってもよい。ユーザが閾値を指定可能であってもよい。追加注文判定部107は、差額で注文可能な株数が閾値未満であると判定された場合には、追加注文が可能とは判定せず、差額で注文可能な株数が閾値以上であると判定された場合に、追加注文が可能と判定する。
【0120】
追加注文実行部108は、追加注文が可能であると判定された場合に、追加注文を実行する。例えば、追加注文実行部108は、上記差額と、積立の対象となる銘柄の株価と、に基づいて、追加注文における株数を計算する。追加注文実行部108は、追加注文における株数が単元株の整数倍である場合に、追加注文として、単元株注文を実行する。単元株注文の実行方法は、単元株注文実行部104と同様である。
【0121】
追加注文実行部108は、追加注文における株数が単元株の整数倍よりも少ない場合に、追加注文として、単元未満株注文を実行する。単元未満株注文の実行方法は、単元未満株注文実行部105と同様である。追加注文実行部108は、追加注文における株数が単元株の整数倍ではなく、かつ、追加注文における株数が単元株よりも多い場合に、追加注文として、混在注文を実行する。混在注文の実行方法は、混在注文実行部106と同様である。
【0122】
変形例1の株取引システム1は、単元株注文、単元未満株注文、又は混在注文が約定された場合に、積立金額と、単元株注文、単元未満株注文、又は混在注文の約定結果と、に基づいて、追加注文が可能か否かを判定する。株取引システム1は、追加注文が可能であると判定された場合に、追加注文を実行する。これにより、株取引システム1は、ユーザが指定した積立金額に、より近い金額を積み立てることができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0123】
[3-2.変形例2]
例えば、変形例1で説明した追加注文の要否は、ユーザが自由に指定できる積立設定の1つであってもよい。変形例2の株取引システム1は、設定保存部109を含む。設定保存部109は、ユーザにより指定された、追加注文の要否に関する設定を保存する。例えば、ユーザは、積立設定画面SC2から追加注文の要否を指定する。積立設定のうち、追加注文の要否を示す部分は、追加注文が必要であることを示す第1の値、又は、追加注文が必要ではないことを示す第2の値の何れかとなる。設定保存部109は、当該部分を含む積立設定を、積立設定データベースDB2に格納する。
【0124】
変形例2の追加注文実行部108は、設定保存部109により保存された設定に基づいて、追加注文を実行する。追加注文実行部108は、追加注文が必要ではないことを当該設定が示す場合(当該設定が第1の値である場合)には、追加注文を実行せず、追加注文が必要であることを当該設定が示す場合(当該設定が第1の値である場合)に、追加注文を実行する。追加注文の実行方法は、変形例1で説明した通りである。
【0125】
変形例2の株取引システム1は、ユーザにより指定された、追加注文の要否に関する設定を保存する。株取引システム1は、当該設定に基づいて、追加注文を実行する。これにより、ユーザが追加注文の要否を自由に指定できるようになるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。
【0126】
[3-3.変形例3]
例えば、第1実施形態では、ユーザがプルダウンフォームF200を選択すると、ユーザが株主優待を受けるための情報が積立設定画面SC2に表示される場合を例に挙げた。この点、積立サービスの利用を検討するユーザは、株主優待を受けるために必要な積立金額を指定したいと考えることがある。そこで、変形例3の積立設定画面SC2には、株主優待を受けるために必要な積立金額に関する情報が表示される。
【0127】
変形例3の株取引システム1は、株主優待情報取得部110及び必要積立量計算部111を含む。株主優待情報取得部110は、銘柄の株主優待に関する株主優待情報を取得する。変形例3では、株主優待情報が銘柄データベースDB1に格納されているものとするが、株主優待情報は、銘柄データベースDB1以外の他のデータベースに格納されていてもよい。株主優待情報取得部110は、銘柄データベースDB1又は他のデータベースを参照し、株主優待情報を取得する。株主優待情報には、ユーザが株主優待を受けるために必要な株数と、ユーザが株主優待を受けるために株を保有する必要がある割当基準月と、が示されている。
【0128】
必要積立量計算部111は、積立日と、株主優待情報と、に基づいて、株主優待に必要な必要積立量を計算する。必要積立量は、株主優待に必要な積立金額又は株数である。例えば、必要積立量計算部111は、現在の日付から直近の割当基準月までの期間、ユーザが株主優待を受けるために必要な株数、及び積立の対象となる銘柄の現在の価格に基づいて、必要積立量を計算する。ここでの直近とは、最も近い将来であることを意味する。
【0129】
図15は、変形例3における積立設定画面SC2の一例を示す図である。
図15の例では、現在の日付が2023年4月4日であるものとする。積立日が毎月10日であるものとする。直近の割当基準月が2023年の9月であるものとする。ユーザが株主優待を受けるために必要な株数が500株であるものとする。この場合、初回買付予定日は、
図3,4のように、2023年4月10日となる。ユーザは、4月~9月の6ヶ月の間に、最低でも500株を買う必要がある。
【0130】
変形例3の表示制御部102は、積立設定の入力を受け付ける積立設定画面SC2に、必要積立量を表示させる。
図15の左側には、ユーザが買付方法として金額指定を選択した場合の積立設定画面SC2が示されている。表示制御部102は、必要積立量として、ユーザが株主優待を受けるために必要な積立金額を、積立設定画面SC2に表示させる。例えば、積立の対象となる銘柄の現在の価格が650円だったとすると、必要積立量計算部111は、当該銘柄の現在の価格である650円に、ユーザが株主優待を受けるために必要な500株を、割当基準月までの6ヶ月で割った値の小数点以下を切り上げた84株をかけた54600円を、必要積立量として計算する。表示制御部102は、必要積立量として計算された54600円を、積立設定画面SC2に表示させる。ユーザは、必要積立量を参考にして、積立金額を入力する。なお、必要積立量計算部111は、銘柄の現在の価格ではなく、本日の高値、本日の安値、又は過去の一定の期間における平均価格といった何らか基準となる価格に基づいて、必要積立量を計算すればよい。
【0131】
図15の右側には、ユーザが買付方法として株数指定を選択した場合の積立設定画面SC2が示されている。表示制御部102は、必要積立量として、ユーザが株主優待を受けるために必要な毎周期における株数を、積立設定画面SC2に表示させる。例えば、必要積立量計算部111は、ユーザが株主優待を受けるために必要な500株を、割当基準月までの6ヶ月で割った値の小数点以下を切り上げた84株を、必要積立量として計算する。表示制御部102は、必要積立量として計算された84株を、積立設定画面SC2に表示させる。ユーザは、必要積立量を参考にして、積立株数を入力する。
【0132】
変形例3の株取引システム1は、積立日と、株主優待情報と、に基づいて、株主優待に必要な必要積立量を計算する。株取引システム1は、積立金額の入力を受け付ける注文画面に、必要積立量を表示させる。これにより、ユーザが株主優待を受けるために必要な積立金額又は積立株数を判断しやすくなるので、株取引システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。
【0133】
[3-4.変形例4]
例えば、単元未満株注文として、リアルタイム取引及び一括取引が用意されていてもよい。リアルタイム取引は、取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引する取引方法である。別の言い方をすれば、リアルタイム取引は、ユーザごとに、約定のタイミングが異なる可能性がある取引方法である。リアルタイム取引は、寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前の取引である。寄付は、最初に成立した取引である。引けは、最後に成立した取引である。リアルタイム取引における価格は、始値及び終値の少なくとも一方と偶然同じになる可能性はあるが、原則として、始値及び終値とは異なる。
【0134】
例えば、リアルタイム取引の価格が成行である場合、リアルタイム取引の価格は、寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前の期間内においてリアルタイムに決まる。複数のユーザの各々のリアルタイム取引が、偶然同じタイミングで実行される可能性はあるが、原則として、複数のユーザの各々のリアルタイム取引は、一括ではなく互いに独立して実行される。リアルタイム取引は、ある日の取引時間内にユーザが注文すると、この日の取引時間内の約定が可能である。本実施形態では、リアルタイム取引は、成行注文だけが可能である場合を例に挙げるが、指値注文が可能であってもよい。
【0135】
一括取引は、取引時間内に一括で単元未満株を取引する取引方法である。別の言い方をすれば、一括取引は、複数のユーザで、約定のタイミングが同じになる取引方法である。複数のユーザの各々の一括取引は、一括で実行される。即ち、複数のユーザの各々の一括取引は、互いに連続した一連の処理として実行される。リアルタイム取引は、約定のタイミングをユーザ側である程度は指定できるのに対し、一括取引は、約定のタイミングが予め固定されている。
【0136】
例えば、一括取引は、前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つである。前場は、午前の取引時間である。後場は、午後の取引時間である。一括取引の価格が成行である場合、一括取引の価格は、始値又は終値である。一括取引は、1日に1回だけであってもよいし、互いに異なるタイミングで1日に複数回実行されてもよい。例えば、ある1日の中で、前場の寄付と、後場の寄付と、の合計2回の一括取引が実行されてもよい。本実施形態では、一括取引は、成行注文だけが可能である場合を例に挙げるが、指値注文が可能であってもよい。
【0137】
変形例4の分類情報は、銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れに分類されるかを示す。例えば、分類情報は、リアルタイム銘柄を意味する第1の値、又は、一括銘柄を意味する第2の値の何れかを示す。分類情報は、個々の銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを識別可能な情報であればよく、本実施形態の例に限られない。例えば、リアルタイム銘柄にだけ分類情報が格納されてもよいし、一括銘柄にだけ分類情報が格納されてもよい。
【0138】
変形例4の株取引システム1は、銘柄判定部112を含む。銘柄判定部112は、銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで単元未満株が取引されるリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、取引時間内に一括で単元未満株が取引される一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する。銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定することは、銘柄がリアルタイム銘柄であるか否かを判定すること、及び、銘柄が一括銘柄であるか否かを判定することの少なくとも一方と同じ意味である。
【0139】
変形例4では、銘柄データベースDB1に分類情報が格納されているので、銘柄判定部112は、銘柄データベースDB1に格納された銘柄の分類情報に基づいて、銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する。例えば、銘柄判定部112は、銘柄の銘柄コードに関連付けられた分類情報が第1の値であれば、銘柄がリアルタイム銘柄であると判定する。銘柄判定部112は、銘柄の銘柄コードに関連付けられた分類情報が第2の値であれば、銘柄が一括銘柄であると判定する。なお、銘柄判定部112の判定方法は、本実施形態の例に限られない。銘柄判定部112は、予め定められた判定方法に基づいて、銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定すればよい。
【0140】
変形例4の混在注文実行部106は、銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合には、混在注文における単元未満株注文として、リアルタイム取引を実行する。リアルタイム取引の実行とは、リアルタイム取引に必要な情報処理を実行することである。本実施形態では、株取引サーバ10を管理する証券会社と連携する他のコンピュータ(例えば、相対取引サーバ40)と株取引サーバ10の協働により、リアルタイム取引が実行される場合を例に挙げるが、株取引サーバ10だけでリアルタイム取引の実行が完結してもよい。
【0141】
変形例4では、(1A)ユーザ端末50からリアルタイム取引の注文情報を受信し、(2A)注文情報を注文データベースDB3に格納し、(3A)個々のユーザの注文情報に基づいて注文の実行条件が満たされるか否かを判定し、(4A)実行条件が満たされた場合に他のサーバコンピュータと通信して注文を執行し、(5A)注文が執行された場合に取引情報を注文データベースDB3に格納する、といった一連の処理を実行することが、リアルタイム取引を実行することに相当する場合を例に挙げる。
【0142】
なお、リアルタイム取引自体は、公知の処理を利用可能であり、本実施形態の例に限られない。例えば、処理1A~処理5Aの一部だけがリアルタイム取引を実行することに相当してもよい。この場合、株取引サーバ10側で実行されない処理は、株取引サーバ10以外の他のコンピュータで実行される。例えば、処理3A~処理5Aが、株取引サーバ10以外の他のコンピュータで実行される場合には、リアルタイム取引実行部105は、他のコンピュータに対し、処理3A~処理5Aの実行を依頼する。この依頼が、リアルタイム取引の実行に相当してもよい。
【0143】
また、処理1A~処理5A以外の他の処理がリアルタイム取引を実行することに相当してもよい。他の処理としては、リアルタイム取引の注文を受け付けたことをユーザ端末50に通知する処理、リアルタイム取引の注文が執行されたことをユーザ端末50に通知する処理、リアルタイム取引の執行に応じてユーザの証券口座の残高を更新する処理、又はリアルタイム取引の執行に応じてユーザが保有する株数を更新する処理が例として挙げられる。
【0144】
変形例4の混在注文実行部106は、銘柄が一括銘柄であると判定された場合には、混在注文における単元未満株注文として、一括取引を実行する。一括取引の実行とは、一括取引に必要な情報処理を実行することである。本実施形態では、株取引サーバ10を管理する証券会社と連携する他のコンピュータ(例えば、相対取引サーバ40)と株取引サーバ10の協働により、一括取引が実行される場合を例に挙げるが、株取引サーバ10だけで一括取引の実行が完結してもよい。
【0145】
変形例4では、(1B)ユーザ端末50から一括取引の注文情報を受信し、(2B)注文情報を注文データベースDB3に格納し、(3B)条件が同じ日の複数のユーザの各々の注文情報に基づいて注文の実行条件が満たされるか否かを判定し、(4B)実行条件が満たされた場合に他のサーバコンピュータと通信して複数のユーザの各々の注文を一度にまとめて執行し、(5B)注文が執行された場合に取引情報を注文データベースDB3に格納する、といった一連の処理を実行することが、一括取引を実行することに相当する場合を例に挙げる。
【0146】
なお、一括取引自体は、公知の処理を利用可能であり、本実施形態の例に限られない。例えば、処理1B~処理5Bの一部だけが一括取引を実行することに相当してもよい。この場合、株取引サーバ10側で実行されない処理は、株取引サーバ10以外の他のコンピュータで実行される。例えば、処理3B~処理5Bが、株取引サーバ10以外の他のコンピュータで実行される場合には、混在注文実行部106は、他のコンピュータに対し、処理3B~処理5Bの実行を依頼する。この依頼が、一括取引の実行に相当してもよい。
【0147】
また、処理1B~処理5B以外の他の処理が一括取引を実行することに相当してもよい。他の処理としては、一括取引の注文を受け付けたことをユーザ端末50に通知する処理、一括取引の注文が執行されたことをユーザ端末50に通知する処理、一括取引の執行に応じてユーザの証券口座の残高を更新する処理、又は一括取引の執行に応じてユーザが保有する株数を更新する処理が例として挙げられる。
【0148】
変形例4の株取引システム1は、銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する。株取引システム1は、銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合には、単元未満株注文として、リアルタイム取引を実行する。株取引システム1は、銘柄が一括銘柄であると判定された場合には、単元未満株注文として、一括取引を実行する。株取引システム1は、銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合には、混在注文における単元未満株注文として、リアルタイム取引を実行する。株取引システム1は、銘柄が一括銘柄であると判定された場合には、混在注文における単元未満株注文として、一括取引を実行する。これにより、株取引システム1は、リアルタイム銘柄及び一括銘柄の両方に対応できるので、株取引を促進できる。
【0149】
[3-5.その他の変形例]
例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
【0150】
例えば、実施形態では、証券会社がいわゆるネット証券である場合を例に挙げたが、ユーザが証券会社の実店舗を利用する株取引にも株取引システム1を適用可能である。例えば、単元株注文及び単元未満株注文の各々では、指値に応じた株数が指定されてもよい。例えば、株取引サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、株取引システム1における少なくとも1つのコンピュータにより実現されるようにすればよい。
【0151】
[3-6.株取引以外の変形例]
例えば、株取引システム1は、株以外の他の商品(いわゆる金融商品)の取引に適用してもよい。この場合、株と記載した箇所は、金・プラチナ、投資信託、投信積立、国債、為替、又は暗号資産といった他の商品に読み替えることができる。他の商品は、ユーザの投資の対象となる商品であればよい。他の商品の取引を仲介する取引システムも、本開示の範囲に含まれる。即ち、株取引を促進するといった課題以外にも、上記他の商品の取引を促進するといった課題を解決する構成も、本開示の範囲に含まれる。株式及び他の商品の両方の取引を仲介する取引システムも、本開示の範囲に含まれる。取引システムのハードウェア構成は、株取引システム1と同様であってよい。他の商品の一例として、金・プラチナを説明する。例えば、金・プラチナの取引単位が1グラムだったとすると、取引システムは、1グラム未満の金・プラチナの取引を仲介してもよい。株及び銘柄と記載した箇所を、金・プラチナといった取引対象に読み替えればよい。
【0152】
以上説明した取引システムは、1グラムの整数倍の金・プラチナの取引と、1グラム未満の金・プラチナの取引と、が混在する混在注文を実行することによって、金・プラチナの取引を促進できる。金・プラチナ以外の他の商品も同様である。例えば、投資信託、投信積立、国債、為替、又は暗号資産といった他の商品の取引単位が定められており、かつ、取引単位未満の他の商品の取引を可能とする場合に、取引システムは、混在注文を実行することによって、他の商品の取引を促進できる。取引システムは、スポット取引及び先物取引といった種々の取引に適用可能である。
【0153】
[4.付記]
例えば、本開示に係る株取引システムは、下記のような構成も可能である。
(1)
株式の注文における株数を取得する株数取得部と、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記単元株に関する単元株注文を実行する単元株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、単元未満株に関する単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部と、
を含む株取引システム。
(2)
前記注文は、前記株式の積立における注文であり、
前記株数は、前記積立における株数であり、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記積立における積立日に前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記積立日に前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記積立日に前記混在注文を実行する、
(1)に記載の株取引システム。
(3)
前記株数取得部は、前記積立における積立金額と、前記積立日における前記銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、前記株数として、前記積立金額で購入が可能な購入可能株数を取得する、
(2)に記載の株取引システム。
(4)
前記株取引システムは、
前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文が約定された場合に、前記積立金額と、前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文の約定結果と、に基づいて、前記銘柄に関する追加注文が可能か否かを判定する追加注文判定部と、
前記追加注文が可能であると判定された場合に、前記追加注文を実行する追加注文実行部と、
を更に含む(3)に記載の株取引システム。
(5)
前記株取引システムは、ユーザにより指定された、前記追加注文の要否に関する設定を保存する設定保存部を更に含み、
前記追加注文実行部は、前記設定に基づいて、前記追加注文を実行する、
(4)に記載の株取引システム。
(6)
前記株取引システムは、
前記銘柄の株主優待に関する株主優待情報を取得する株主優待情報取得部と、
前記積立日と、前記株主優待情報と、に基づいて、前記株主優待に必要な必要積立量を計算する必要積立量計算部と、
前記積立における設定の入力を受け付ける注文画面に、前記必要積立量を表示させる表示制御部と、
を更に含む(2)~(5)の何れかに記載の株取引システム。
(7)
前記注文は、前記株式のスポット取引における注文であり、
前記株数取得部は、ユーザにより指定された前記株数を取得し、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記スポット取引における前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記スポット取引における前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記スポット取引における前記混在注文を実行する、
(1)~(6)の何れかに記載の株取引システム。
(8)
前記単元株注文実行部は、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記単元株注文に関する単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、相対取引システムに対し、前記単元未満株注文に関する単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記混在注文を実行する、
(1)~(7)の何れかに記載の株取引システム。
(9)
前記混在注文実行部は、前記単元株注文に関する条件と、前記単元未満株注文に関する条件と、の少なくとも一部が異なる前記混在注文を実行可能である、
(1)~(8)の何れかに記載の株取引システム。
(10)
前記株取引システムは、
前記銘柄が前記単元未満株注文に対応しているか否かを判定する対応判定部と、
前記対応判定部の判定結果に基づいて、ユーザのユーザ端末に、前記注文に関する条件の入力を受け付ける画面を表示させる表示制御部と、
を更に含む(1)~(9)の何れかに記載の株取引システム。
(11)
前記株取引システムは、前記銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで前記単元未満株が取引されるリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、前記取引時間内に一括で前記単元未満株が取引される一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する銘柄判定部を更に含み、
前記単元未満株注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行し、
前記混在注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行する、
(1)~(10)の何れかに記載の株取引システム。
【符号の説明】
【0154】
1 株取引システム、2 証券取引システム、3 私設取引システム、4 相対取引システム、N ネットワーク、10 株取引サーバ、11,21,31,41,51 制御部、12,22,32,42,52 記憶部、13,23,33,43,53 通信部、20 証券取引サーバ、30 私設取引サーバ、40 相対取引サーバ、50 ユーザ端末、54 操作部、55 表示部、100 データ記憶部、101 対応判定部、102 表示制御部、103 株数取得部、104 単元株注文実行部、105 単元未満株注文実行部、106 混在注文実行部、107 追加注文判定部、108 追加注文実行部、109 設定保存部、110 株主優待情報取得部、111 必要積立量計算部、112 銘柄判定部、SC1 銘柄検索画面、SC2 積立設定画面、SC3 詳細画面、SC4 注文画面、DB1 銘柄データベース、DB2 積立設定データベース、DB3 注文データベース。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
株式の注文における株数を取得する株数取得部と、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記注文を行うユーザが望む時に、前記単元株に関する単元株注文のための単元株注文情報を前記注文ごとに生成し、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行する単元株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記ユーザが望む時に、単元未満株に関する単元未満株注文のための単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記ユーザが望む時に、前記単元株注文情報及び前記単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、前記証券取引システム又は前記私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部と、
を含む株取引システム。
【請求項2】
前記注文は、前記株式の積立における注文であり、
前記株数は、前記積立における株数であり、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記積立における積立日に前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記積立日に前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記積立日に前記混在注文を実行する、
請求項1に記載の株取引システム。
【請求項3】
前記株数取得部は、前記積立における積立金額と、前記積立日における前記銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、前記株数として、前記積立金額で購入が可能な購入可能株数を取得する、
請求項2に記載の株取引システム。
【請求項4】
前記株取引システムは、
前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文が約定された場合に、前記積立金額と、前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文の約定結果と、に基づいて、前記銘柄に関する追加注文が可能か否かを判定する追加注文判定部と、
前記追加注文が可能であると判定された場合に、前記追加注文を実行する追加注文実行部と、
を更に含む請求項3に記載の株取引システム。
【請求項5】
前記株取引システムは、ユーザにより指定された、前記追加注文の要否に関する設定を保存する設定保存部を更に含み、
前記追加注文実行部は、前記設定に基づいて、前記追加注文を実行する、
請求項4に記載の株取引システム。
【請求項6】
前記株取引システムは、
前記銘柄の株主優待に関する株主優待情報を取得する株主優待情報取得部と、
前記積立日と、前記株主優待情報と、に基づいて、前記株主優待に必要な必要積立量を計算する必要積立量計算部と、
前記積立における設定の入力を受け付ける注文画面に、前記必要積立量を表示させる表示制御部と、
を更に含む請求項2~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項7】
前記注文は、前記株式のスポット取引における注文であり、
前記株数取得部は、ユーザにより指定された前記株数を取得し、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記スポット取引における前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記スポット取引における前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記スポット取引における前記混在注文を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項8】
前記混在注文実行部は、前記単元株注文に関する条件と、前記単元未満株注文に関する条件と、の少なくとも一部が異なる前記混在注文を実行可能である、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項9】
前記株取引システムは、
前記銘柄が前記単元未満株注文に対応しているか否かを判定する対応判定部と、
前記対応判定部の判定結果に基づいて、ユーザのユーザ端末に、前記注文に関する条件の入力を受け付ける画面を表示させる表示制御部と、
を更に含む請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項10】
前記株取引システムは、前記銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで前記単元未満株が取引されるリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、前記取引時間内に一括で前記単元未満株が取引される一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する銘柄判定部を更に含み、
前記単元未満株注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行し、
前記混在注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項11】
株式の注文における株数を取得する株数取得ステップと、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記注文を行うユーザが望む時に、前記単元株に関する単元株注文のための単元株注文情報を前記注文ごとに生成し、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行する単元株注文実行ステップと、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記ユーザが望む時に、単元未満株に関する単元未満株注文のための単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行ステップと、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記ユーザが望む時に、前記単元株注文情報及び前記単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、前記証券取引システム又は前記私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行ステップと、
を含む株取引方法。
【請求項12】
株式の注文における株数を取得する株数取得部、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記注文を行うユーザが望む時に、前記単元株に関する単元株注文のための単元株注文情報を前記注文ごとに生成し、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行する単元株注文実行部、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記ユーザが望む時に、単元未満株に関する単元未満株注文のための単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記ユーザが望む時に、前記単元株注文情報及び前記単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、前記証券取引システム又は前記私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
株式の注文における株数を取得する株数取得部と、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記注文を行うユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、前記単元株に関する単元株注文のための単元株注文情報を前記注文ごとに生成し、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行する単元株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記ユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、単元未満株に関する単元未満株注文のための単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部と、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記ユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、前記単元株注文情報及び前記単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、前記証券取引システム又は前記私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部と、
を含む株取引システム。
【請求項2】
前記注文は、前記株式の積立における注文であり、
前記株数は、前記積立における株数であり、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記積立における積立日に前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記積立日に前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記積立日に前記混在注文を実行する、
請求項1に記載の株取引システム。
【請求項3】
前記株数取得部は、前記積立における積立金額と、前記積立日における前記銘柄の値幅の上限値と、に基づいて、前記株数として、前記積立金額で購入が可能な購入可能株数を取得する、
請求項2に記載の株取引システム。
【請求項4】
前記株取引システムは、
前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文が約定された場合に、前記積立金額と、前記単元株注文、前記単元未満株注文、又は前記混在注文の約定結果と、に基づいて、前記銘柄に関する追加注文が可能か否かを判定する追加注文判定部と、
前記追加注文が可能であると判定された場合に、前記追加注文を実行する追加注文実行部と、
を更に含む請求項3に記載の株取引システム。
【請求項5】
前記株取引システムは、ユーザにより指定された、前記追加注文の要否に関する設定を保存する設定保存部を更に含み、
前記追加注文実行部は、前記設定に基づいて、前記追加注文を実行する、
請求項4に記載の株取引システム。
【請求項6】
前記株取引システムは、
前記銘柄の株主優待に関する株主優待情報を取得する株主優待情報取得部と、
前記積立日と、前記株主優待情報と、に基づいて、前記株主優待に必要な必要積立量を計算する必要積立量計算部と、
前記積立における設定の入力を受け付ける注文画面に、前記必要積立量を表示させる表示制御部と、
を更に含む請求項2~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項7】
前記注文は、前記株式のスポット取引における注文であり、
前記株数取得部は、ユーザにより指定された前記株数を取得し、
前記単元株注文実行部は、前記株数が前記整数倍である場合に、前記スポット取引における前記単元株注文を実行し、
前記単元未満株注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記スポット取引における前記単元未満株注文を実行し、
前記混在注文実行部は、前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記スポット取引における前記混在注文を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項8】
前記混在注文実行部は、前記単元株注文に関する条件と、前記単元未満株注文に関する条件と、の少なくとも一部が異なる前記混在注文を実行可能である、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項9】
前記株取引システムは、
前記銘柄が前記単元未満株注文に対応しているか否かを判定する対応判定部と、
前記対応判定部の判定結果に基づいて、ユーザのユーザ端末に、前記注文に関する条件の入力を受け付ける画面を表示させる表示制御部と、
を更に含む請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項10】
前記株取引システムは、前記銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで前記単元未満株が取引されるリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、前記取引時間内に一括で前記単元未満株が取引される一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する銘柄判定部を更に含み、
前記単元未満株注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行し、
前記混在注文実行部は、前記銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記リアルタイム取引を実行し、前記銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合には、前記混在注文における前記単元未満株注文として、前記一括取引を実行する、
請求項1~5の何れかに記載の株取引システム。
【請求項11】
株式の注文における株数を取得する株数取得ステップと、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記注文を行うユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、前記単元株に関する単元株注文のための単元株注文情報を前記注文ごとに生成し、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行する単元株注文実行ステップと、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記ユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、単元未満株に関する単元未満株注文のための単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行ステップと、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記ユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、前記単元株注文情報及び前記単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、前記証券取引システム又は前記私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行ステップと、
を含む株取引方法。
【請求項12】
株式の注文における株数を取得する株数取得部、
前記株数が前記注文における銘柄の単元株の整数倍である場合に、前記注文を行うユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、前記単元株に関する単元株注文のための単元株注文情報を前記注文ごとに生成し、証券取引システム又は私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信することによって、前記単元株注文を実行する単元株注文実行部、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも少ない場合に、前記ユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、単元未満株に関する単元未満株注文のための単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元未満株注文を実行する単元未満株注文実行部、
前記株数が前記整数倍ではなく、かつ、前記株数が前記単元株よりも多い場合に、前記ユーザが望む注文内容の前記注文を処理する時に、前記単元株注文情報及び前記単元未満株注文情報を前記注文ごとに生成し、前記証券取引システム又は前記私設取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元株注文情報を送信し、前記相対取引システムに対し、前記注文ごとに生成された前記単元未満株注文情報を送信することによって、前記単元株注文及び前記単元未満株注文が混在する混在注文を実行する混在注文実行部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。