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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158422
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】テーブル、卓球台及び卓球セット
(51)【国際特許分類】
   A47B 7/00 20060101AFI20241031BHJP
   A47B 9/14 20060101ALI20241031BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20241031BHJP
   A47B 25/00 20060101ALI20241031BHJP
   A63B 67/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47B7/00 Z
A47B9/14
A47B13/08 B
A47B25/00
A63B67/04 B
A63B67/04 C
A63B67/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073610
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】523160531
【氏名又は名称】双葉教育株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 和磨
(72)【発明者】
【氏名】岸本 愛華
(72)【発明者】
【氏名】永浜 博子
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053QA06
3B053QB01
3B053UD04
(57)【要約】
【課題】複数台を組み合わせるだけて、テーブル相互の位置ずれを起こしにくい卓球台を構成可能とする。
【解決手段】テーブル1は、天板2と、天板の下面に設けられた支持脚3と、天板の少なくとも隣合う二辺の周側面13のうち、天板の上面11との接続部分を除く箇所に設けられたゴム部15と、を備える。複数台のテーブル1を組み合わせることで、卓球台を構成する。支持脚の長さが調節自在とされることで、天板の高さが可変とされており、支持脚に天板の高さを示す目盛り5が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および下面と、前記上面と前記下面とを接続する周側面とを有する平面視長方形の天板と、
前記下面に設けられて前記天板を支持する支持脚と、
前記周側面のうち、少なくとも隣合う二辺において、前記上面との接続部分を除く箇所に設けられたゴム部と、
を備えた、
テーブル。
【請求項2】
前記支持脚は、床面に設置された際の前記床面から前記天板までの高さを調整可能に構成された、
請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記支持脚は、スライド構造を有する、
請求項2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記天板の高さを表示する表示部が、前記支持脚に設けられた、
請求項2に記載のテーブル。
【請求項5】
前記表示部として、前記天板の高さが何歳児用であるかを表示する目盛りが設けられた、
請求項4に記載のテーブル。
【請求項6】
前記表示部として、前記テーブルの用途に応じた複数種類の目盛りが設けられた、
請求項5に記載のテーブル。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のテーブルを複数台組み合わせた卓球台。
【請求項8】
請求項7に記載の卓球台と、
打球板部と、前記打球板部に接続されたハンドル部と、前記打球板部の表裏面に貼り合わされたラバーと、を有し、前記ラバーの外周縁が前記打球板部の外周縁よりも外側に延びたラケットと、
を備えた、
卓球セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル、卓球台及び卓球セットに関する。
【背景技術】
【0002】
保育園や幼稚園あるいは学校などの子どもの生活する施設では、時に狭いスペースを有効に利用しながら様々な活動を円滑に行えるようにすることが要求される。このような施設において、子どもたちの運動に卓球を取り入れることが考えられている。
【0003】
ところが、通常の国際規格の公式卓球台は、天板の寸法が縦274cm×幅152.5cmと大きいものであるため、セパレート型(二分割型)であっても、設置するのに場所をとるという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1に記載されているように、小さいサイズのテーブルを複数台寄せ集めることで、球技に必要な大きさの卓球台を作ることが提案されている。このような小さいサイズのテーブルを利用する場合は、狭いスペースであっても、設置、保管、取り扱いが容易である上に、単独で利用できるのは勿論、複数台を組み合わせて卓球台としても利用できるため、汎用性が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録3227840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述のように小さいサイズのテーブルを組み合わせて卓球台を構成する場合、寄せ集めたテーブルが動いて位置がずれてしまう問題がある。テーブル同士を容易に動かないように固定するための機構を設けることも考えられるが、構成が複雑になる上に取り扱いが面倒になる。また、幼児等の子どもが生活する施設においては、安全性が重視されるため、1台のテーブルを使用する際に不要な機構を設けることは、好ましくない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、複数台を組み合わせるだけで、テーブル相互の位置ずれを起こしにくい卓球台を作ることのできるテーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係るテーブルは、下記を特徴としている。
上面および下面と、前記上面と前記下面とを接続する周側面とを有する平面視長方形の天板と、
前記下面に設けられて前記天板を支持する支持脚と、
前記周側面のうち、少なくとも隣合う二辺において、前記上面との接続部分を除く箇所に設けられたゴム部と、
を備えた、
テーブル。
【0009】
また、本発明に係る卓球台は、下記を特徴としている。
上記テーブルを複数台組み合わせた卓球台。
【0010】
さらに、本発明に係る卓球セットは、下記を特徴としている。
上記卓球台と、
打球板部と、前記打球板部に接続されたハンドル部と、前記打球板部の表裏面に貼り合わされたラバーと、を有し、前記ラバーの外周縁が前記打球板部の外周縁よりも外側に延びたラケットと、
を備えた、
卓球セット。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、天板の周側面にゴム部が設けられていることにより、複数のテーブルを隣接配置して周側面同士を密着させた場合に、ゴム部同士の接触により滑りを阻止して、テーブル相互の位置ずれを防止することができる。また、周側面のうち上面との接続部分には敢えてゴム部が設けられていないので、このテーブルを複数台組み合わせて卓球台として使用した際に、2台のテーブルの合わせ目に卓球ボールが当たった場合であっても、ゴムに当たったときのような異様な反発を生じないようにすることができる。従って、違和感のない球技を行うことが可能になる。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態のテーブルの斜視図およびその部分拡大図である。
図2図2は、図1に示したテーブルを4台組み合わせて卓球台を構成した場合の平面図である。
図3図3は、卓球台を構成した場合の隣り合うテーブルの天板の合わせ部分のゴム部とボールの当たる位置の関係を示す拡大断面図である。
図4図4は、テーブルの天板の合わせ端面(周端面)の上下端縁が大きなアール面取りで構成されている場合の合わせ部分のゴム部とボールの当たる位置の関係を示す拡大断面図である。
図5図5は、支持脚の具体的な構成例を示す側面図である。
図6図6は、テーブル高さの目盛りの例を示す図である。
図7図7は、テーブル高さの目盛りの他の例を示す図である。
図8図8は、支持脚の他の例を示す側面図である。
図9図9は、卓球台とともに使用される卓球ラケットの例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態のテーブルの斜視図およびその部分拡大図、図2は、図1に示したテーブルを4台組み合わせて卓球台を構成した場合の平面図である。図3は、卓球台を構成した場合の隣り合うテーブルの天板の合わせ部分のゴム部とボールの当たる位置の関係を示す拡大断面図である。図4は、テーブルの天板の合わせ端面(周端面)の上下端縁が大きなアール面取りで構成されている場合の合わせ部分のゴム部とボールの当たる位置の関係を示す拡大断面図である。
【0015】
国際規格の公式の卓球台のサイズは、縦Y=274cm、横X=152.5cm、高さH=76cmである。そこで、図1および図2に示すように、本実施形態のテーブル1は、公式サイズの卓球台Tを縦横に4分割したサイズ(縦Y1=137cm、横X1=76.25cm)の天板2を有する小型の独立したテーブルとして構成されている。従って、このテーブル1を縦に2台、横に2台の計4台を互いに隣接配置することにより組み合わせると、公式サイズの卓球台を構成することができる。
【0016】
このテーブル1は、保育園や幼稚園などの子どもの生活する施設に提供されることを目的とするものであり、子どもの身体が接触したときの安全性確保のために、平面視長方形の天板2の4つの角2aが一定半径のアール(R)で丸められている。また、天板2の下面に、天板2を水平に支持する、高さ調節可能な支持脚3が設けられている。
【0017】
図1に示すように、天板2は、上面11および下面12と周側面(周端面)13とを有する平坦な板体であり、天板2の周側面13の全てにゴム部15が設けられている。周側面13は、上面11と下面12とを接続する。天板2の周側面13と上面11および下面12との接続部分、即ち、天板2の厚み方向の上下周縁の角13a、13bは、図3に示すように、アール面取りされている。以下、厚み方向の上下周縁の角をアール面取り部13a、13bということもある。下端のアール面取り部13bはゴム部15で覆われているが、上端のアール面取り部13aは、上面11に近い部分が敢えてゴム部15で覆われていない設定になっている。即ち、テーブル1は、乳幼児を対象に含むテーブルであるため、安全性の確保が重要であり、そのために、天板2の4つの角部2aが全て丸められて、かつ角部2aが全てゴム部15でカバーされている。特に、テーブル1は、アール面取り部13a(丸められた角部)が全周にわたってゴム部15で覆われており、かつ、テーブル1同士をつなげた(組み合わせた)時にボールがゴム部15に当たらない構造とされている。さらに、ゴム部15は、角部2aにおいて、アール面取り部13bを広く覆い、アール面取り部13aに関しては、角部2aを、上面11に届かないように覆っている。
【0018】
このように、天板2の平面視長方形の4つの角2aをアール(R)で丸めたこと、天板2の厚み方向の上下周縁の角13a、13bをアール面取りしたこと、更に天板2の周側面13の全てにゴム部15を設けたことにより、子どもが利用した際の安全性を高めることができる。特に子どもは、屈んだ状態から上半身を起こしたときに、注意が行き届かないことにより、天板2の周側面13の下端縁に頭をぶつけるおそれがある。この点、テーブル1は、天板2の周側面13の下端縁にはアール面取り部13bがあり、しかもその部分がクッション効果の高いゴム部15で覆われていることにより、安全性を高めることができる。
【0019】
また、天板2の周側面13にゴム部15が設けられていることにより、図2に示すように、4台のテーブル1を隣接配置して天板2の周側面13同士を密着させて卓球台Tを構成できる。図2中の符号Nはコートを分けるネットを示す。4台のテーブル1を隣接配置する際、ゴム部15(図1参照)同士の接触により互いの滑りを阻止することができるので、複数のテーブル1の相互の位置ずれを防ぐことができる。例えば、図2において、13T、13Sで示す天板2の長辺と短辺の側面が互いに密着するため、その密着面に介在するゴム部15の滑り防止効果により、テーブル1の位置ずれが防止される。
【0020】
図3に示す本実施形態の例では、アール面取り部13a、13bの半径r1が天板2の板厚tの1/2よりも小さく設定されている。このため、周側面13の高さ方向中央部に、天板2の上面11および下面12と垂直な平面部ができ、2つの天板2の周側面13同士を突き合わせた際にそれら平面部と平面部が合わさることで、安定した接触面を作ることができる。しかも、これらの平面部にはゴム部15が設けられているので、ゴム部15同士が広い面積で密着することになり、ゴム部15による滑り阻止効果が高くなる。
【0021】
一方、図4に示す他の例(別の実施形態)では、周側面13のアール面取り部13cの半径r2が天板2の板厚tのちょうど1/2に設定されている。このため、周側面13の高さ方向中央部に、図3の例のように、天板2の上面11および下面12と垂直な平面部ができない。その結果、2つのテーブル1の周側面13同士を突き合わせた際の接触面が狭くなり、ゴム部15同士の密着面積が小さくなることで、ゴム部15による滑り阻止効果は若干低くなると考えられる。しかしながら、この例の場合、アール面取り部13cの半径r2の半径が大きくなることで、子どもがぶつかったときの衝撃緩和効果が高くなる利点が得られる。
【0022】
また、図3および図4に示すように、天板2の周側面13と上面11との接続部分は、敢えてゴム部15で覆われていない設定になっている。このことにより、テーブル1を複数台組み合わせて卓球台Tとして使用した際に、2台のテーブル1、1の天板2の合わせ目に卓球ボール100が当たった場合であっても、卓球ボール100はゴム部15に当たらなくなる。従って、卓球ボール100がゴムに当たったときのような異様な反発を生じないようにすることができる。即ち、合わせ目に滑り防止のゴム部15が介在しながら、違和感のない球技を行うことが可能になる。また、アール面取り部13a及びアール面取り部13cは、テーブル1の合わせ目において、卓球ボール100が嵌まり込まないサイズに設定されている。尚、天板2の周側面13は、天板2の厚み方向の上下周縁の角が、アール面取りされていればよく、その形状は、図3及び図4に示した例に限定されない。例えば、図4に示した例では、周側面13のアール面取り部13cの断面が半径r2の半円形状を有していたが、アール面取り部13cの断面が半楕円形状を有していてもよい。
【0023】
なお、ゴム部15は、薄いゴムシートを貼り付けて構成してもよいし、ゴム性の塗料や発泡剤などを塗布あるいは吹き付けて構成してもよい。ゴム部15の素材としては、ゴムまたはビニール状のものであって、軟性のある樹脂素材を利用できる。ゴム部15は、例えば、乳幼児用玩具についての食品衛生法等の安全基準を満たした素材のように、安全性に配慮した素材であって、かつ、ゴム部15同士が押圧接触することによりテーブル1間の位置固定が可能な素材が望ましい。また、このテーブル1は、子どもたちの給食や工作等の作業に使用されることを考慮して、天板2の表面には安全性や衛生面を考慮してメラミン樹脂塗装が施されてもよい。また、卓球台として利用することを前提にして、必要箇所に白線を描いてもよい。
【0024】
また、成長期の子どもは、年齢差によって体格の差が大きいことから、年齢に応じた適切な対応が必要である。そのために、本実施形態においては、図1に示すように、テーブル1の支持脚3は、天板2の高さHを調整可能に構成されている。
【0025】
本実施形態では、支持脚3の長さHaを調整することで、天板2の高さHを調整できるようになっている。具体的な構成例としては、例えば、支持脚3を、天板2の下面12に垂直に固定された上半部の固定脚部3aと、固定脚部3aに対してスライド自在に嵌合する下半部の可動脚部3bとの組み合わせで構成している。このように支持脚3がスライド構造を有することにより、可動脚部3bの固定脚部3aに対するスライド位置を変えることで、支持脚3を伸縮可能とし、支持脚3の長さHaを調整することができる。このように、支持脚3の長さHaが調節自在とされていることで、床面から天板2の上面までの高さHが可変となっている。
【0026】
図5は、テーブル1の高さを調節可能とする支持脚3の具体的な構成例を示す側面図、図6は、前記支持脚に設けた目盛りの構成例を示す図である。
【0027】
図5に示す例では、支持脚3は、天板2の下面12に垂直に固定された上半部の固定脚部3aと、固定脚部3aに対してスライド自在に嵌合する下半部の可動脚部3bとの組み合わせで構成されている。固定脚部3aは、円形あるいは角形のパイプで構成され、その固定脚部3aの内部に、同じくひとまわり小さいサイズのパイプで構成された可動脚部3bがスライド可能に挿入されている。そして、可動脚部3bは、段階的な高さ位置に調節した状態で、ネジ部6により固定できる。
【0028】
固定の仕方は、例えば、固定脚部3aと可動脚部3bに設けた貫通孔に、ネジ部6を通して締め込むことで、固定脚部3aに対して可動脚部3bを固定することができる。ネジ部6は、オス側ネジ6aとメス側ネジ6bとの組み合わせで構成される。テーブル1の使用時には、高さ方向に適当な間隔で設けられた可動脚部3b側の複数の貫通孔の一つを選んでネジ部6を通すことで、調節した高さに支持脚3を固定できる。
【0029】
この場合、可動脚部3bには、調節した天板2の高さを示すための目盛り5が設けられている。この目盛り5としては、調整したテーブルの高さが何センチであるかが分かるように、例えば1~数cmの刻みで設けるのもよいが、図6に示すように、年齢や小学校の学年に応じた最適なテーブル高さであることが分かるように、年齢や学年の間隔(刻み)で設けてもよい。即ち、支持脚3に、何歳児用であるかを表示する目盛りを設けてもよい。
【0030】
卓球は、これまで、乳幼児がスポーツとして行うことを想定しておらず、年齢にあった適切な高さの卓球台で行うことが考慮されていなかった。乳幼児が、スポーツとして卓球を行う場合、身長に対して高すぎる卓球台で卓球を行うことは、期待する運動効果や教育効果が得られないか、寧ろ阻害される可能性もある。しかしながら、これまで、成長に応じて、卓球台の高さをどのように変更していけばいいか、といった具体的な構成は提案されていなかった。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、支持脚3に、何歳児用であるかを表示する目盛り5を設けることで、年齢児ごとのテーブル1(天板2)の高さ調整が可能となり、乳幼児が卓球そのものをスポーツとして、より効果的に行うことを可能としている。利用者(乳幼児)の年齢に応じて、テーブル1の高さを適切に変更していくことで、無理なく成長に応じた運動をすることが可能となる。そして、年齢に応じた高さに調整したテーブル1を用いて卓球を行うことで、卓球の打法等を、フォームを崩すことなく成長に応じて継続的に習得していくことが可能である。具体的には、目盛り5に示された年齢は何歳児用であるかを示す。年齢とテーブル1の高さとの対応は、0歳児32cm、1歳児36cm、2歳児40cm、3歳児44cm、4歳児48cm、5歳児52cm、小1(小学1年生を意味する。以下同様。)56cm、小2 60cm、小3 64cm、小4 68cm、小5 72cm、大人76cmである。小6以上は、大人の高さで行う。目盛り5は、学校年度の初日である4月1日における年齢を指す。例えば3歳児は、4月1日に3歳になっている子どものことを指しており、幼稚園であれば年少の学年児のことを指しており、4歳になった年の3月31日までが3歳児に該当する。即ち、4月1日から1年間、同じ学年の間、同じ目盛り5の高さを使用する。テーブル1は、何歳児用であるかを表示する目盛り5を備えるので、乳幼児が卓球を行う際に、乳幼児の年齢に応じた高さに調節することが容易である。年齢(学年)の異なる二人が対戦する場合には、基本的に低い年齢(学年)に合わせることで、テーブル1の高さ調節を容易に行うことができる。なお、最大の天板2の高さ(大人76cm)は、国際規格の高さに相当するので、公式戦用の練習に活用でき、保育者等の大人も卓球台として利用できる。
【0031】
また、給食時のテーブルとして利用するか卓球で利用するか等の利用形態に応じて、同じ年齢や学年であっても、異なるテーブル高さに設定したい場合は、図7に示すように、系統を分けた複数列の目盛りを設けることも望ましい。図7中の目盛り5aは、給食や作業などの机として利用するときのテーブル高さを示す目盛りの列を示している。図7中の目盛り5bは、卓球に利用するときのテーブル高さを示す目盛りの列を示している。このように、支持脚3に、テーブル1の用途に応じた複数種類の目盛り5a、5bを設けることで、利用形態に応じたテーブル1の高さ調節を容易に行うことができる。
【0032】
図5に示すように、支持脚3の固定脚部3aの下端には、固定脚部3aと可動脚部3bとの段差を目隠しするための樹脂製の保護カバー7が被せてあり、この保護カバー7が、固定脚部3aの下端エッジに身体が直接当たらないように保護している。また、この保護カバー7の下端縁7aが、目盛り5を読み取る際の基準位置に設定されており、保護カバー7の下端縁7aの目盛り5を読み取ることで、そのときの天板2の上面11の高さが分かるように設定されている。
【0033】
このように目盛り5を設けた場合は、目盛り5を見ながら、身長差に応じた天板2の高さ設定を容易に行うことができる。従って、天板2の高さを変えることにより、子供から大人まで、身長差によらずに、食事や卓球等の遊びや作業などに利用することができる。
【0034】
図8は、テーブルの天板の下面の高さ可変の支持脚の他の例を示す側面図である。
この支持脚30は、同じ高さ寸法(例えば4cm)の複数の短ブロック32や、短ブロック32の複数個分の高さを有する長ブロック33を適当に組み合わせて、天板2の下面の固定ブロック31に連結することで、必要な高さの支持脚30を得られるようにしたものである。例えば、一定高さの短ブロック32を5個と、短ブロック32の6個分の高さを有する長ブロック33を任意個数組み合わせることで、0~11通りの高さを設定することができる。例えば、短ブロック32の1個分の高さを1歳児分の身長差の2分の1とカウントすれば、0歳児から11歳児に対応する高さ調整が可能になる。短ブロック32に1と記載し、短ブロック32のn倍の長さのブロックにnと記載することで、支持脚30に使用したブロックの数字の合計数が、適応する年齢児となる。合計数は11が最大となり、11歳児以上は高さの変更はなくなり、大人サイズとなる。
【0035】
なお、支持脚3は、折り畳み可能に構成することもでき、そうすれば更に保管に有利となる。また、目盛り15の代わりになる表示部を設けてもよい。
また、上記実施形態では、天板2の周側面の全てにゴム部15を設けた場合を例示したが、図2に示すように4台のテーブル1を隣接配置したときに互いに接する周側面13S、13T(隣合う二辺の周側面)だけに、ゴム部15を設けてもよい。
【0036】
図9は、上述した実施形態のテーブル1を組み合わせて卓球台を構成した際に、卓球セットとして、卓球台とともに使用するのに好適なラケットの例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【0037】
図9(a)、(b)に示すように、このラケット60は、打球板部61と、打球板部61に接続されたハンドル部62と、を有する。打球板部61は、打球板部本体61aと、打球板部本体61aの表裏面に貼り合わされた表ラバー61b及び裏ラバー61bと、を有する。ラケット60は、シェークハンドタイプであり、打球板部本体61a及びハンドル部62は、運動効果を考慮して、木製とされている。打球板部本体61aは、一般的なシェークハンドラケットの打球板部において、側面を全て丸く加工した形状を有する。即ち、打球板部本体61aの外周縁部は厚み方向にアール面取りされている。この形状により、乳幼児が使用する際の安全性を高めている。打球板部61及びハンドル部62のサイズは、外周が一般的な卓球ラケットのコンパクトサイズと同等である。打球板部本体61aの表裏面に貼り合わされた表ラバー61b及び裏ラバー61bの外周縁は打球板部本体61aの外周縁よりも外側に延びている。打球板部61は、打球板部本体61aの表裏面に貼り付けた表ラバー61bと裏ラバー61bの外周縁部61cを共に外側に延長して、延長した外周縁部61c同士を貼り合わせて構成される。この構成により、ラケット60は、打球板部61の外周縁部の略全周を表ラバー61b及び裏ラバー61bで保護している。即ち、打球板部本体61aの外周縁部のうち、ハンドル部62との接続箇所を除いた箇所が、表ラバー61bと裏ラバー61bの外周縁部61cに覆われる。表ラバー61b及び裏ラバー61bは、外周縁部61c同士を2ミリ程度重ねて貼り合わされている。表ラバー61b及び裏ラバー61bは、外周縁部61c同士を1ミリ以上3ミリ以下程度重ねて貼り合わせることで、打球板部本体61aを確実に覆うので、乳幼児への安全性をさらに高められる。表ラバー61b及び裏ラバー61bとして、公知の卓球ラバーを使用できる。このように、打球板部本体61aの略全周をラバーで覆うことにより、子どもが使用した際の安全性を高めることができる。
【0038】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0039】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るテーブル、卓球台及び卓球セットの特徴をそれぞれ以下[1]~[8]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 上面(11)および下面(12)と、前記上面と前記下面とを接続する周側面(13)とを有する平面視長方形の天板(2)と、
前記下面に設けられて前記天板を支持する支持脚(3)と、
前記周側面のうち、少なくとも隣合う二辺において、前記上面との接続部分を除く箇所に設けられたゴム部(15)と、
を備えた、
テーブル(1)。
【0040】
上記[1]の構成のテーブルによれば、天板(2)の周側面(13)にゴム部(15)が設けられている。この構成により、複数のテーブル(1)を隣接配置して周側面同士を密着させた場合に、ゴム部同士の接触により滑りを阻止して、テーブル相互の位置ずれを無くすことができる。また、周側面(13)のうち上面(11)との接続部分にはゴム部(15)が設けられていない。これにより、このテーブル(1)を複数台組み合わせて卓球台(T)として使用した際に、2台のテーブルの合わせ目に卓球ボール(100)が当たった場合であっても、ゴムに当たった場合のような異様な反発を生じないようにすることができる。従って、違和感のない球技を行うことが可能になる。
【0041】
[2] 前記支持脚(3)は、床面に設置された際の前記床面から前記天板(2)までの高さを調整可能に構成された、
上記[1]に記載のテーブル。
【0042】
上記[2]の構成のテーブルによれば、床面から天板までの高さを変えることができるので、子供から大人まで、身長差によらずに、食事や卓球等の遊びや作業などに利用することができる。
【0043】
[3] 前記支持脚(3)は、スライド構造を有する、
上記[2]に記載のテーブル。
【0044】
上記[3]の構成のテーブルによれば、支持脚がスライド構造を有することにより、床面から天板までの高さを容易に変えることができる。
【0045】
[4] 前記天板の高さを表示する表示部(目盛り5)が、前記支持脚に設けられた、
上記[1]に記載のテーブル。
【0046】
上記[4]の構成のテーブルによれば、表示部を見ながら、天板の高さを容易に調整できる。
【0047】
[5] 前記表示部として、前記天板の高さが何歳児用であるかを表示する目盛りが設けられた、
上記[4]に記載のテーブル。
【0048】
上記[5]の構成のテーブルによれば、目盛りを見ながら、子どもの年齢に応じた天板の高さ設定を容易に行うことができる。
【0049】
[6] 前記表示部として、前記テーブルの用途に応じた複数種類の目盛りが設けられた、
上記[5]に記載のテーブル。
【0050】
上記[6]の構成のテーブルによれば、目盛りを見ながら、用途に応じたテーブルの高さ調節を容易に行うことができる。
【0051】
[7] 上記[1]から[6]のいずれか1つに記載のテーブルを複数台組み合わせた卓球台。
【0052】
上記[7]の構成の卓球台によれば、天板(2)の周側面(13)にゴム部(15)が設けられている。この構成により、複数のテーブル(1)を隣接配置して周側面同士を密着させた場合に、ゴム部同士の接触により滑りを阻止して、テーブル相互の位置ずれを無くすことができる。また、周側面(13)のうち上面(11)との接続部分にはゴム部(15)が設けられていない。これにより、このテーブル(1)を複数台組み合わせて卓球台(T)として使用した際に、2台のテーブルの合わせ目に卓球ボール(100)が当たった場合であっても、ゴムに当たった場合のような異様な反発を生じないようにすることができる。従って、違和感のない球技を行うことが可能になる。
【0053】
[8] 上記[7]に記載の卓球台(T)と、ラケット(60)と、を備え、
前記ラケット(60)は、
打球板部(61)と、前記打球板部に接続されたハンドル部(62)と、を有し、
前記打球板部が、打球板部本体(61a)と、打球板部本体(61a)の表裏面に貼り合わされたラバー(表ラバー61b、裏ラバー61b)と、を有し、前記ラバーの外周縁が前記打球板部本体の外周縁よりも外側に延びたものである、
卓球セット。
【0054】
上記[8]の構成の卓球セットによれば、ラケットの打球板部本体の外周縁がラバーで覆われるので、子どもが使用した際の安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 テーブル
2 天板
3 支持脚
5 目盛り(表示部)
11 上面
12 下面
13 周側面
15 ゴム部
T 卓球台
100 卓球ボール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9