(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158423
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】自律移動体装置、経路計算方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241031BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G05D1/02 S
G05D1/02 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073612
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】中西 伶奈
(72)【発明者】
【氏名】木村 駿介
(72)【発明者】
【氏名】内藤 拡也
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG29
5H301HH01
5H301HH04
5H301HH15
(57)【要約】
【課題】自律移動体装置がユーザを同伴して移動する場合に対応して適切に移動できるようにする。
【解決手段】自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を測定する位置測定部と、測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出部と、前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出部と、前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出部と、前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出部と、前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画部とを備えて自律移動体装置を構成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に移動する自律移動体装置に対して所定以内の距離を保ちながら前記自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を測定する位置測定部と、
前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出部と、
前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出部と、
前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出部と、
前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出部と、
前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画部と
を備える自律移動体装置。
【請求項2】
前記位置測定部は、前記同伴移動体の位置として、人である前記同伴移動体の足の位置を測定する
請求項1に記載の自律移動体装置。
【請求項3】
前記第1基準点算出部は、所定の期間において前記位置測定部により測定して得られた複数の足の位置による測定位置群に基づいて、人である前記同伴移動体の基準位置を算出する
請求項2に記載の自律移動体装置。
【請求項4】
前記位置測定部は、人である前記同伴移動体の右足の位置と左足の位置のそれぞれを測定し、
前記第1基準点算出部は、所定の期間において前記位置測定部により測定して得られた左足の測定位置群と右足の測定位置群とに基づいて、人である前記同伴移動体の基準位置を算出する
請求項3に記載の自律移動体装置。
【請求項5】
前記第3基準点算出部は、前記第1基準点と前記自律移動体装置に対応する第2基準点とに基づいて、前記第3基準点を算出する
請求項1から4のいずれか一項に記載の自律移動体装置。
【請求項6】
自律移動体装置が移動する経路を計算する経路計算方法であって、
位置測定部が、自律的に移動する自律移動体装置に対して所定以内の距離を保ちながら前記自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を、センサを用いて測定する位置測定ステップと、
第1基準点算出部が、前記位置測定ステップにより測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出ステップと、
第1占有範囲算出部が、前記位置測定ステップにより測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出ステップと、
第3占有範囲算出部が、前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出ステップと、
第3基準点算出部が、前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出ステップと、
経路計画部が、前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画ステップと
を備える経路計算方法。
【請求項7】
コンピュータを、
自律的に移動する自律移動体装置に対して所定以内の距離を保ちながら前記自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を測定する位置測定部、
前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出部、
前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出部、
前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出部、
前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出部、
前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律移動体装置、経路計算方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被案内者が案内用ロボットに設けられた把手部を把持しながら、当該把手部を三軸方向に力を与えるように操作を行うことで、案内用ロボットを移動させることが可能なようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自律的に移動が可能な自律移動体装置に被案内者が同伴して移動することで目的地に案内するにあたっては、例えば自律移動体装置だけでなく被案内者も周囲の障害物に接触しないように、自律移動体装置の近傍に被案内者が存在している状況に応じて適切に移動できるようにすることが求められる。
【0005】
本発明は、上記に記載した課題を考慮して、自律移動体装置がユーザを同伴して移動する場合に対応して適切に移動できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、自律的に移動する自律移動体装置に対して所定以内の距離を保ちながら前記自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を測定する位置測定部と、前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出部と、前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出部と、前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出部と、前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出部と、前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画部とを備える自律移動体装置である。
【0007】
本発明の一態様は、自律移動体装置が移動する経路を計算する経路計算方法であって、位置測定部が、自律的に移動する自律移動体装置に対して所定以内の距離を保ちながら前記自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を、センサを用いて測定する位置測定ステップと、第1基準点算出部が、前記位置測定ステップにより測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出ステップと、第1占有範囲算出部が、前記位置測定ステップにより測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出ステップと、第3占有範囲算出部が、前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出ステップと、第3基準点算出部が、前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出ステップと、経路計画部が、前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画ステップとを備える経路計算方法である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピュータを、自律的に移動する自律移動体装置に対して所定以内の距離を保ちながら前記自律移動体装置とともに移動する同伴移動体の位置を測定する位置測定部、前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、同伴移動体に対応する第1基準点を算出する第1基準点算出部、前記位置測定部により測定された同伴移動体の位置に基づいて、前記同伴移動体に対応する第1占有範囲を算出する第1占有範囲算出部、前記第1占有範囲と前記自律移動体装置に対応する第2占有範囲とに基づいて、前記同伴移動体とともに前記自律移動体装置が移動する際の第3占有範囲を算出する第3占有範囲算出部、前記第3占有範囲に対応する第3基準点を算出する第3基準点算出部、前記第3占有範囲と前記第3基準点とに基づいて、自律移動体装置の経路を計画する経路計画部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自律移動体装置がユーザを同伴して移動する場合に対応して適切に移動できるようになるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態における自律移動体装置の外観例を示す図である。
【
図2】本実施形態における自律移動体装置の外観例を示す図である。
【
図3】本実施形態における自律移動体装置が、自己について定められた移動体占有範囲と移動体基準点とに基づいて計画した経路の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における同伴対応占有範囲と同伴対応基準点の設定手法例を説明する図である。
【
図5】本実施形態における自律移動体装置が同伴対応経路に沿って移動する態様例を示す図である。
【
図6】本実施形態における自律移動体装置の機能構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態における自律移動体装置が同伴対応経路の計画に関連して実行する処理手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
[自律移動体装置の外観]
以下、本実施形態の自律移動体装置について説明する。以下の説明において、本実施形態の自律移動体装置は、例えば、美術館、病院等をはじめとする各種の施設において、視覚障がい者であるユーザを施設の所望の目的地に案内するのに用いられる場合を例に挙げる。
本実施形態の自律移動体装置は、把手形状の把手部を有する。ユーザは、把手部を持つことで、目的に移動する自律移動体装置の移動に伴って歩行することで、自律移動体装置に目的地まで案内してもらうことができる。
【0012】
図1、
図2を参照して、本実施形態の自律移動体装置100の外観例について説明する。
図1は、自律移動体装置100を左側前方からみた斜視図である。
図2は、自律移動体装置100を左側後方方からみた斜視図である。
【0013】
自律移動体装置100の本体の右側側面に把手部150が設けられる。把手部150は、案内を受けようとするユーザが把持する部位であり、ユーザは、把手部150を、例えば左手で把持するようにされる。ユーザは、把手部150を把持していることで、自律移動体装置100の移動に追従して歩行することができる。
【0014】
また、把手部150には力覚センサが備えられることで、ユーザが把手部150を前後左右に力を加える操作が可能とされている。また、把手部150には、所定数のボタンが設けられてよい。ユーザは、把手部150を前後左右における所定の方向に力を加えたり、ボタンを押下したりすることで、自律移動体装置100に所定の動作を実行させることができる。
【0015】
同図の自律移動体装置100には、車輪として、左右それぞれに対応する2つの前輪131-L、131-Rと、左右それぞれに対応する2つの後輪132-L、132-Rとが備えられる。この場合において、前輪131-L、131-Rと後輪132-L、132-Rとのうち、操舵輪が前輪131-L、131-Rで、後輪132-L、132-Rが駆動輪とされてよい。
【0016】
また、自律移動体装置100には、スピーカ131が設けられる。自律移動体装置100は、スピーカ131からユーザに向けて音声や電子音を出力させることにより各種の報知を行うことができる。
【0017】
また、自律移動体装置100には、2次元センサ111-1、111-2が設けられる。2次元センサ111-1は、自律移動体装置100の左前方に設けられ、2次元センサ111-2は、自律移動体装置100の右後方に設けられる。つまり、2次元センサ111-1、111-2は、自律移動体装置100の平面方向において対角に設けられる。
【0018】
自律移動体装置100の左前方に設けられた2次元センサ111-1は、自律移動体装置100の左横方向から前方にかけての周囲の2次元形状を検出する。また、自律移動体装置100の右後方に設けられた2次元センサ111-2は、自律移動体装置100の右横方向から後方にかけての周囲の2次元形状を検出する。
【0019】
2次元センサ111-1、111-2には、LiDAR(Light Detection and Ranging)が用いられてよい。つまり、2次元センサ111-1、111-2は、それぞれ、レーザ光の照射部と、反射されたレーザ光を受光する受光部とを備え、パルス状のレーザ光を照射部で周囲に照射してから、反射光が受光部で受光されるまでの時間に基づいて距離を計測する。自律移動体装置100は、測定結果を用いて周囲環境の形状を示す周囲環境データを生成し、例えばエリアマップ上での自己位置を推定する。エリアマップは、例えば自律移動体装置100が移動する施設やビルなどのロボット用マップである。
【0020】
また、自律移動体装置100には、前方の左右のそれぞれに超音波センサ112-L、112-Rが設けられる。超音波センサ112-L、112-Rは、超音波を周囲に照射し、照射した超音波が反射して戻ってくるまでの時間を計測し、計測した時間に基づいて周囲の物体までの距離を測定する。
超音波センサ112-L、112-Rは、2次元センサ111-1、111-2による周囲の2次元形状の検出を補助する。つまり、LiDARによる2次元センサ111-1、111-2では周囲において光を透過する箇所の形状を検出することが困難である。そこで、光を透過する箇所の形状を超音波センサ112-L、112-Rにより検出するようにされる。
2次元センサ111-1、111-2により検出された2次元形状を、超音波センサ112-L、112-Rにより検出された2次元形状により補正することで、光を透過しない箇所に加え光を透過する箇所も含む周囲の2次元形状を的確に把握できる。
【0021】
また、自律移動体装置100には、3次元センサ113が設けられている。3次元センサ113は、周囲の物体の3次元形状を検出する。3次元センサ113にもLiDAR(Light Detection and Ranging)が用いられてよい。3次元センサ113も周囲環境の形状の検出を補助するように利用されてよい。
【0022】
また、自律移動体装置100には、深度カメラ114が設けられている。深度カメラ114は、例えば周囲環境における段差の検出に用いることができる。
【0023】
[自律移動体装置の経路計画について]
本実施形態の自律移動体装置100は、エリアマップを記憶しており、エリアマップ上での現在位置から目的地までの経路を計画する。
図3は、自律移動体装置100が自己について定められた移動体占有範囲BD1と移動体基準点p1とに基づいて計画した経路RTを示している。移動体占有範囲BD1は、経路計画にあたり、自律移動体装置100が占有するものとして扱われる、平面上における領域範囲である。
この場合、自律移動体装置100は、移動体占有範囲BD1が周囲の物体に接触しないように経路RTを計画する。この場合の経路RTは、自律移動体装置100の移動に際して、当該自律移動体装置100の移動体基準点p1と一致させるべき軌跡に相当する。同図においては、壁WLに接触しないように経路RTが計画された例を示している。
【0024】
自律移動体装置100がユーザUを伴うことなく自律的に移動する場合には、
図3のように経路RTを計画しても特に支障はない。
一方、自律移動体装置100がユーザUを同伴して移動する場合、ユーザUは、自律移動体装置100の右側面に設けられた把手部150を、例えば左手で把持して自律移動体装置100の近傍に位置する。この場合において、
図3のように計画された経路RTでは、ユーザUに対応して定まるユーザ占有範囲BD2が壁WLと重複する。ユーザ占有範囲BD2が壁WLと重複することは、自律移動体装置100に同伴されて移動するユーザUが壁WLと接触する可能性のあること示す。つまり、
図3のように計画された経路RTでは、適切にユーザUを案内することが難しい。
そこで、本実施形態の自律移動体装置100は、ユーザUが周囲の物体に接触しないようにされた経路を計画可能に構成される。
以降において、ユーザUが周囲の物体に接触しないように計画された経路については、同伴対応経路とも呼ぶ。
【0025】
[同伴対応占有範囲と同伴対応基準点の設定手法例]
自律移動体装置100は、同伴対応経路を策定するにあたり、自律移動体装置100の占有範囲とユーザUの占有範囲とを含む同伴対応占有範囲と、当該同伴対応占有範囲に対応する同伴対応基準点とを設定する。
自律移動体装置100は、同伴対応占有範囲が周囲の物体と接触しないように、同伴対応基準点が通過すべき同伴対応経路を計画する。つまり、同伴対応経路を計画するには、同伴対応占有範囲と同伴対応基準点とが適切に定められればよい。
【0026】
図4を参照して、同伴対応占有範囲と同伴対応基準点の設定手法例について説明する。同伴対応占有範囲と同伴対応基準点の設定として、自律移動体装置100は、案内に先立って、キャリブレーションのため、ユーザUが把手部150を把持して同伴した状態で、ユーザUの足の位置について一定数のサンプルが得られるように、所定時間あるいは所定の距離を移動するようにされてよい。キャリブレーションに際しての移動は直線的であることが好ましい。
あるいは、自律移動体装置100は、例えば案内のためユーザUを同伴して移動中とされているときに、ユーザUの足の位置を計測して同伴対応占有範囲と同伴対応基準点を設定するようにされてもよい。
以下の説明では、案内に先立って、自律移動体装置100が、ユーザUを同伴した状態で所定時間あるいは所定の距離を移動してキャリブレーションを行うようにされた場合を例に挙げる。
【0027】
自律移動体装置100は、矢印Aで示す方向に、ユーザUを同伴した状態で所定時間あるいは所定の距離を移動している期間において、2次元センサ111-2を用いて、自律移動体装置100に同伴しながら歩行しているユーザUの右足と左足の位置を測定する。
図4においては、測定された左足の位置の集合である測定位置群fp-Lと測定された右足の位置の集合である測定位置群fp-Rとが示されている。
自律移動体装置100は、測定位置群fp-Lに含まれる左足の位置に基づいて、左足の基準として扱われる左足対応基準点p11-Lを算出する。左足対応基準点p11-Lは、例えば測定位置群fp-Lに含まれる左足の位置の重心を算出するようにされてよい。
また、自律移動体装置100は、測定位置群fp-Rにおける右足の位置に基づいて、右足の基準として扱われる右足対応基準点p11-Rを算出する。右足対応基準点p11-Rは、例えば測定位置群fp-Rに含まれる右足の位置の重心を算出するようにされてよい。
【0028】
次に、自律移動体装置100は、算出した左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rに基づいてユーザUに対応するユーザ基準点p12を算出する。
図4の例では、自律移動体装置100が、左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rとを結ぶ直線の中点をユーザ基準点p12として算出する例が示されている。
【0029】
また、自律移動体装置100は、算出した左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rに基づいて、ユーザUの占有範囲(ユーザ占有範囲)BD2を算出する。
図4の例では、自律移動体装置100が、左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rに基づいて上記のように算出されたユーザ基準点p12を中心とし、左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rとを含む円周により囲まれる範囲を、ユーザ占有範囲BD2としている。
【0030】
自律移動体装置100は、自律移動体装置100の移動体占有範囲BD1とユーザUのユーザ占有範囲BD2とを含む同伴対応占有範囲を算出する。自律移動体装置100の移動体占有範囲BD1は、自律移動体装置100の平面方向のサイズに応じて予め定められており、自律移動体装置100が記憶していてよい。なお、移動体占有範囲BD1は、複数の異なる設定内容を用意しておき、例えば自律移動体装置100の利用環境等に応じて選択してもよい。
図4においては、それぞれが円周による移動体占有範囲BD1とユーザ占有範囲BD2とに対する2本の共通接線Ln-1、Ln-2を設定したうえで、移動体占有範囲BD1における円弧と、ユーザ占有範囲BD2における円弧と、共通接線Ln-1、Ln-2とにより形成される外郭による範囲を同伴対応占有範囲とした例が示されている。
【0031】
また、自律移動体装置100は、同伴対応占有範囲に対応する同伴対応基準点を算出する。
図4においては、自律移動体装置100が、自律移動体装置100の移動体基準点p1とユーザUのユーザ基準点p12とを結ぶ直線の中点を同伴対応基準点p21として算出した例を示している。
【0032】
なお、同伴対応基準点p21の算出手法は、同図の例に限定されない。例えば、自律移動体装置100は、同伴対応占有範囲について求めた重心等を、同伴対応基準点p21として算出してもよい。また、同伴対応占有範囲の形状については特に限定されず、多角形や円として設定されてもよく、同伴対応占有範囲の形状に応じて、同伴対応基準点p21の算出手法も適宜変更されてよい。
【0033】
自律移動体装置100は、このように算出した同伴対応占有範囲と同伴対応基準点p21とに基づいて、自律移動体装置100が目的地に到達するまでの経路(同伴対応経路)を計画する。つまり、自律移動体装置100は、算出した同伴対応占有範囲が周囲の物体から一定以上の距離が確保されるように、移動に際して同伴対応基準点p21の軌跡と一致させるべき線としての同伴対応経路を計算する。
【0034】
図5は、上記のようにして設定された同伴対応経路RT2により、自律移動体装置100が、
図3と同じ場所を移動する際の様子を示している。同図では、自律移動体装置100の移動に際して、同伴するユーザUに対応するユーザ占有範囲BD2が壁WLから一定以上の距離を隔てた状態が確保されている。つまり、同図においては、自律移動体装置100に同伴するユーザUが周囲の物体と接触しないように、自律移動体装置100の同伴対応経路RT2が設定されている。
【0035】
また、本実施形態においては、同伴対応経路RT2を計画するにあたり、同伴するユーザUが自律移動体装置100に同伴して移動している際に計測した足の位置の情報を利用している。このように計測される足の位置の情報は、体格、体型や歩き方等によりユーザUごとに異なる。このために、本実施形態においては、実際に自律移動体装置100に同伴して歩行するユーザUに応じて適切とされる同伴対応経路RT2を計画することが可能になる。
【0036】
[自律移動体装置の機能構成例]
図6は、自律移動体装置100の機能構成例を示している。同図に示される自律移動体装置100としての機能は、ハードウェアとしての自律移動体装置100が備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
同図の自律移動体装置100は、センサ部101、移動機構部102、ユーザインターフェース部103、制御部104、及び記憶部105を備える。
【0037】
センサ部101は、周囲の物体や障害物を検知したり、自己位置を推定したりするための情報を検知する所定のセンサを含むものである。
図1、
図2との対応では、センサ部101は、2次元センサ111-1、111-2、超音波センサ112-L、112-Rを含む。さらにセンサ部101は、3次元センサ113、深度カメラ114等を含んでよい。
【0038】
移動機構部102は、自律移動体装置100の移動を可能とする駆動機構である。移動機構部102は、ユーザインターフェース部103や制御部104から入力された情報に基づき、自律移動体装置100を前進、または後進の他、左右への方向に転換させることも可能に構成されてよい。
【0039】
ユーザインターフェース部103は、ユーザが操作を行うことが可能な入力デバイスに関する部位を含む。具体的に、ユーザインターフェース部103は、把手部150と力覚センサにより把手部150に前後左右に力を加える操作が可能にされた構成を含む。また、ユーザインターフェース部103は、把手部150や自律移動体装置100の本体等に備えられたボタン等の操作子を含む。
また、ユーザインターフェース部103は、ユーザに情報を出力する部位を含む。具体的に、ユーザインターフェース部103は、ユーザに情報を出力する部位としてスピーカ131(
図1)と当該スピーカに音を出力させる部位とを含む。
【0040】
制御部104は、自律移動体装置100における各種の制御を実行する。制御部104は、位置測定部141、第1基準点算出部142、第1占有範囲算出部143、第3占有範囲算出部144、第3基準点算出部145、経路計画部146、および移動制御部147を備える。
【0041】
位置測定部141は、同伴対応占有範囲と同伴対応基準点の設定に際して、2次元センサ111-2(および超音波センサ112-R)が検出した物体の位置に基づいて、ユーザU(同伴移動体の一例)の左足、右足それぞれの位置(同伴移動体の位置の一例)を測定する。具体的に、このように位置測定部141により測定された左足の位置と右足の位置は、それぞれ測定位置群fp-L、fp-R(
図4)として得られる。
【0042】
第1基準点算出部142は、位置測定部141により測定された測定位置群fp-L、fp-Rに基づいて、ユーザUのユーザ基準点p12(第1基準点の一例)を算出する。
図4の例との対応では、第1基準点算出部142は、まず位置測定部141により測定された測定位置群fp-L、fp-Rのそれぞれに対応する2つの左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rを算出する。第1基準点算出部142は、算出した左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rとを結ぶ直線の中点をユーザ基準点p12として算出する。
【0043】
第1占有範囲算出部143は、位置測定部141により測定された測定位置群fp-L、fp-Rに基づいて、ユーザUに対応するユーザ占有範囲BD2(第1占有範囲の一例)を算出する。
図4の例との対応では、第1占有範囲算出部143は、ユーザ基準点p12を中心とし、左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rを含む円周を占有範囲DB2として求めるようにされる。
【0044】
第3占有範囲算出部144は、同伴対応占有範囲(第3占有範囲の一例)を算出する。
図4の例との対応では、第3占有範囲算出部144は、第1占有範囲算出部143により算出されたユーザUに対応するユーザ占有範囲BD2と、既知である自律移動体装置100に対応する移動体占有範囲BD1とに対して共通接線Ln-1、Ln-2設定して形成される外郭を同伴対応占有範囲として算出する。自律移動体装置100に対応する移動体占有範囲BD1は、装置パラメータ記憶部151が装置パラメータの1つとして記憶してよい。
【0045】
第3基準点算出部145は、同伴対応基準点p21(第3基準点の一例)を算出する。具体的に、
図4の例との対応では、第3基準点算出部145は、第1基準点算出部142により算出されたユーザUのユーザ基準点p12と既知の自律移動体装置100の移動体基準点p1(第2基準点の一例)とを結ぶ直線の中点を同伴対応基準点p21として算出する。
【0046】
経路計画部146は、ユーザUを同伴して移動する自律移動体装置100の目的地までの経路を計画する。経路計画部146は、センサ部101の検出出力に基づいて生成した周囲環境データが示す周囲の物体に同伴対応占有範囲が重複しないように自律移動体装置100が移動する際に同伴対応基準点p21の軌跡となるべき線としての経路RTを計算する。
【0047】
移動制御部147は、経路計画部146が計画した経路RTを同伴対応基準点p21がトレースするように、自律移動体装置100を移動させるように制御する。この際、移動制御部147は、自律移動体装置100の基準点(移動体基準点)p1と同伴対応基準点p21との距離に基づいて、経路計画部146が計画した同伴対応基準点p21対応の経路RTを、移動体基準点p1対応の経路に変換し、変換後の移動体基準点p1対応の経路を移動体基準点p1がトレースするように自律移動体装置100の移動を制御してよい。
【0048】
記憶部105は、自律移動体装置100に対応する各種の情報を記憶する。記憶部105は、装置パラメータ記憶部151とエリアマップ記憶部152とを備える。
【0049】
装置パラメータ記憶部151は、自律移動体装置100の自律移動制御に用いられる自律移動体装置100に関する所定のパラメータ(装置パラメータ)を記憶する。装置パラメータには、自律移動体装置100に対応する移動体基準点p1と、自律移動体装置100に対応する移動体占有範囲BD1とを含む。
【0050】
エリアマップ記憶部152は、自律移動体装置100が移動するエリアを示すエリアマップを記憶する。
【0051】
[処理手順例]
図7のフローチャートを参照して、
図6の構成による自律移動体装置100が同伴対応経路の計画に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0052】
ステップS100:同伴対応経路の計画のためのキャリブレーションに際しては、前述のように、自律移動体装置100がユーザUを同伴した状態で所定距離を直線的に移動するようにされる。キャリブレーションでの移動中において、位置測定部141は、2次元センサ111-2が検出した物体の位置に基づいて、ユーザUの左足、右足それぞれの位置を測定することで、測定位置群fp-L、fp-R(
図4)を得る。
ステップS102:第1基準点算出部142は、ステップS100により測定して得られた測定位置群fp-L、fp-Rをそれぞれ利用して、左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rを算出する。
ステップS104:第1基準点算出部142は、ステップS102により算出した左足対応基準点p11-Lと右足対応基準点p11-Rとを利用して、ユーザ基準点p12を算出する。
ステップS106:第1占有範囲算出部143は、ステップS100により測定された測定位置群fp-L、fp-Rに基づいて、ユーザUに対応するユーザ占有範囲BD2を算出する。
ステップS108:第3占有範囲算出部144は、装置パラメータ記憶部151から移動体占有範囲BD1を取得する。
ステップS110:第3占有範囲算出部144は、ステップS108により算出されたユーザ占有範囲BD2とステップS108により取得した移動体占有範囲BD1とに基づいて、同伴対応占有範囲を算出する。
ステップS112:第3基準点算出部145は、装置パラメータ記憶部151から移動体基準点p1を取得する。
ステップS114:第3基準点算出部145は、ステップS104により算出されたユーザ基準点p12とステップS112により取得した移動体基準点p1とに基づいて、同伴対応基準点p21を算出する。
【0053】
ステップS116:経路計画部146は、ステップS110により算出された同伴対応占有範囲とステップS114により算出された同伴対応基準点とに基づいて、同伴対応経路を計画する。
【0054】
[補足説明]
本実施形態の自律移動体装置100は、例えば移動対象エリアにおける施設配備情報等を記憶部105に記憶してよい。そのうえで、自律移動体装置100は、ユーザUを同伴して目的地に移動している際に、各種の案内をスピーカ131から音声により出力してよい。
例えば、自律移動体装置100は、目的地あるいは目的地の途中における経由地点等までの距離を所定のタイミングにより音声で案内してよい。また、自律移動体装置100は、目的地あるいは経由地点に到達したことを音声で案内してよい。
また、自律移動体装置100は、同伴対応経路の移動に際して右折、左折等の必要のある場合には、右折、左折等を音声で案内してよい。右左折時に把手部150に搭載した振動ロータを動作させて、ユーザに伝達しても良い。また、前方に障害物が存在することの報知などを音声により行ってよい。また、トイレなどの特定の設備の近傍を通過する際に、設備のあることの案内を音声により出力してよい。
【0055】
また、以下に、自律移動体装置100に同伴するユーザUが可能な操作と操作に応じた自律移動体装置100の動作例について説明する。以下の説明にあたり、把手部150が前後左右の4方向に力を加える操作が可能とされ、把手部150のユーザUが把持する部位には、第1ボタンと第2ボタンとの2つの操作子が設けられている場合を例に挙げる。
自律移動体装置100は、自律移動モードと目的地選択モードと手動走行モードとの間で遷移可能とされている。自律移動モードでは、自律移動体装置100は、ユーザUが第1ボタンを押下している状態のときに移動(走行)し、第1ボタンを押下している状態が解除されると停止する。また、自律移動モードでは、自律移動体装置100は、移動中において、把手部150を前後方向に力を加える操作に応じて移動速度を変更する。
【0056】
また、自律移動体装置100は、自律移動モードにて停止している状態のもとで把手部150を左右のいずれかに力を加える操作が行われたことに応じて、目的地選択モードに遷移する。目的地選択モードは、ユーザの操作に応じて目的地を設定するモードである。
目的地選択モードにおいて、自律移動体装置100は、把手部150を左右に力を加える操作が行われるごとに、予め用意された複数の目的地候補を順に音声により出力する。目的地候補の情報は、記憶部105が記憶してよい。
ユーザUは、把手部150を左右に力を加える操作を行って音声により出力される目的地候補を切り替えていくことができる。ユーザUは、所望の目的地が目的地候補として音声により出力されると、第1ボタンを操作する。第1ボタンが操作されたことに応じて、自律移動体装置100は、第1ボタンが操作されたタイミングに応じて音声により出力していた目的地候補を目的地として設定し、自律移動モードに遷移する。
【0057】
また、自律移動体装置100は、目的地選択モードにて第2ボタンが操作されたことに応じて、手動走行モードに遷移する。手動走行モードでは、ユーザUが第1ボタンと把手部150とを操作して、自律移動体装置100を移動させることができる。
具体的に、手動走行モードでは、第1ボタンが押下されている状態において自律移動体装置100が走行(移動)するようにされる。
手動走行モードでは、自律移動体装置100は、ユーザUが第1ボタンを押下しながら、把手部150の前方に力を加えたことに応じて前方に走行し、把手部150の後方に力を加えたことに応じて後方に走行する。
また、自律移動体装置100は、ユーザUが第1ボタンを押下せずに、左方向に力を加えたことに応じて左に旋回し、右方向に力を加えたことに応じて右に旋回する。第1ボタンを押下しながら左方向に力を加えると、前進しながら左に旋回し、右方向に力を加えると前進しながら右に旋回する。
自律移動体装置100は、手動走行モードで停止しているときに第2ボタンが操作されると、目的地選択モードに遷移する。
【0058】
<変形例>
図4では、位置測定部141により測定したユーザUの左右の足の位置に基づいて、ユーザ占有範囲BD2を算出していた。ユーザ占有範囲BD2の算出手法は、
図4の例に限定されない。例えば、自律移動体装置100は、例えば3次元センサ113により検出したユーザUの3次元形状に基づいて、ユーザUの平面面積が最も大きい高さ位置を特定し、特定した高さ位置におけるユーザUの平面面積に基づいてユーザ占有範囲BD2を算出してよい。
【0059】
図4の例では、移動体占有範囲BD1とユーザ占有範囲BD2のそれぞれが平面方向において円形である例を示した。移動体占有範囲BD1とユーザ占有範囲BD2の形状については特に限定されるものでなく、例えば楕円形、方形等であってもよい。
【0060】
本実施形態において、自律移動体装置100に関して管理する移動体管理サーバ(移動体管理装置)を設けてもよい。移動体管理サーバと自律移動体装置100とは通信可能に接続される。この場合において、移動体管理サーバは、同伴対応経路の計画に対応して
図7に示されるステップのうちの少なくとも1つを実行する機能を有してよい。
【0061】
本実施形態の構成は、同伴移動体としてユーザUは、例えば把手部150を把持することなく、自律移動体装置100から離れないように一定以内の距離を保つようにして、自律移動体装置100に追随して歩行する場合にも適用されてよい。この場合、把手部150は省略されてよく、同伴対象となるユーザUは視覚障がい者に限定されない。
また、同伴移動体は、人に限定されず、例えば動物や、ともに移動するようにされた他の自律移動体装置等であってよい。
【0062】
なお、上述した実施形態における自律移動体装置100の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、SSD等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0063】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施形態に係る自律移動体制御システムは、このSDGsの17の目標のうち、例えば「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0064】
100 自律移動体装置、101 センサ部、102 移動機構部、103 ユーザインターフェース部、104 制御部、105 記憶部、111-1 2次元センサ、111-2 2次元センサ、112-L 超音波センサ、112-R 超音波センサ、113 3次元センサ、114 深度カメラ、131 スピーカ、141 位置測定部、142 第1基準点算出部、143 第1占有範囲算出部、144 第3占有範囲算出部、145 第3基準点算出部、146 経路計画部、147 移動制御部、150 把手部、151 装置パラメータ記憶部、152 エリアマップ記憶部