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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158429
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】自動取引装置及び自動取引システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/18 20120101AFI20241031BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073619
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】名和 臣
【テーマコード(参考)】
3E141
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E141BA07
3E141BA09
3E141CB04
3E141EA01
5L020AA39
5L055AA39
(57)【要約】
【課題】 ATMの改修を最小限にしつつ、10万円を超える現金振込等ATM単独で取り扱えない取引を円滑に処理できる自動取引システムを提供する。
【解決手段】 本発明、自動取引装置と、サーバと、第1の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、前記第1の情報処理装置は、10万円を超える現金の振込取引を所望する顧客の本人確認をした結果である本人確認記録データを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記第1の情報処理装置から受信した前記本人確認記録データを保持し、前記自動取引装置は、装置単独では実行できない取引を複数の装置を用いて実現するためのモードとして機能する自動取引装置であり、前記取引選択画面から前記振込取引が選択された場合、10万円を超える現金の制限を解除した前記振込取引に係る処理を実行する取引処理部を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置単独では実行できない取引を当該自動取引装置を含む複数の装置を用いて実現するためのモードである第1のモード又は通常の取引のみを実行するためのモードである第2のモードに移行するためのモード設定情報を記憶する記憶部と、
前記モード設定情報が前記第1のモードの場合、所定の番号の入力を受け付けるための番号入力画面を表示部に表示し、当該番号入力画面に前記番号の入力後、前記第1のモード専用の取引選択画面を前記表示部に表示するモード設定部と
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
自動取引装置と、サーバと、第1の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、
前記第1の情報処理装置は、10万円を超える現金の振込取引を所望する顧客の本人確認をした結果である本人確認記録データを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1の情報処理装置から受信した前記本人確認記録データを保持し、
前記自動取引装置は、請求項1に記載の前記第1のモードとして機能する自動取引装置であり、10万円を超える現金の振込制限を解除した前記振込取引に係る処理を実行する
ことを特徴とする自動取引システム。
【請求項3】
前記振込取引で取り扱う金額が前記自動取引装置が1度の取引で扱える限度額を超えていた場合、当該自動取引装置を操作して一旦入出金のみを行う専用の口座である集中口座に複数の入金取引で入金を行った後、当該集中口座を用いた振込取引を行うことで、10万円を超える現金の振込取引を実現することを特徴とする請求項2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
自動取引装置と、サーバと、情報入力装置と、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、
前記自動取引装置は、請求項1に記載の前記第1のモードとして機能する自動取引装置であり、
前記情報入力装置は、納付書に記載の情報の入力を受け付け、入力情報を前記サーバに送信し、
前記第1の情報処理装置は、当該自動取引装置を操作して入出金のみを行う専用の口座である集中口座に入金取引で前記納付書に記載の金額分の入金がされた後、前記集中口座から税公金収納のために使用される別段口座に資金移動を行うことを依頼する資金移動依頼通知を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記情報入力装置から送信された情報を記憶する記憶部と、
前記資金移動依頼通知を受けると、ホストコンピュータと連携して前記集中口座から前記別段口座に資金移動を行う制御部とを備え、
前記第2の情報処理装置は、前記別段口座を用いて税公金収納に係る処理を実行する
ことを特徴とする自動取引システム。
【請求項5】
自動取引装置と、サーバと、情報入力装置と、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、
前記情報入力装置は、通帳に記載の顧客の口座情報及び出金額の入力を受け付け、入力情報を前記サーバに送信し、
前記第1の情報処理装置は、前記通帳と出金伝票との印鑑照合又は本人確認書類による本人確認が行われた後、顧客口座から入出金のみを行う専用の口座である集中口座に資金移動を行うことを依頼する資金移動依頼通知を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記情報入力装置から送信された情報を記憶する記憶部と、
前記資金移動依頼通知を受けると、ホストコンピュータと連携して前記顧客口座から一旦別段口座に前記出金額の入金をした後、前記別段口座から前記集中口座に入金を行う制御部とを備え、
前記自動取引装置は、
請求項1に記載の前記第1のモードとして機能する自動取引装置であり、前記サーバによって前記集中口座に入金された金額分の出金取引を行う
ことを特徴とする自動取引システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置及び自動取引システムに関し、例えば、納付書を使用した税公金収納、伝票を使用した出金、10万円を超える現金振込等、ATM(Auto Teller Machine)単独で取り扱えない取引を、ATM、既存営業店端末等の複数の装置の組み合わせで円滑に実現するシステムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関等に設置されるATM(Auto Teller Machine)において、顧客が、入金、出金、振込等の各種取引を行うことにより、金融機関窓口における窓口担当者による負担を低減している。
【0003】
しかしながら、納付書を使用した税公金収納、伝票を使用した出金、10万円を超える現金振込などの取引は、ATM単独では行うことができないため、これらの取引は窓口で対応をする必要があった。
【0004】
この問題に対して、例えば、特許文献1では、キャッシュカードを用いてATMが本人確認を行うことにより、10万円を超える現金振込をATMで実現する例を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-176501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、既存ATMの基本的なプログラム(振込処理のプログラム等)を改修する必要があるため、既存ATMの品質に悪影響を及ぼす問題がある。ATMの安定性を考えた場合、新機能搭載によるATMの改修は最小限に留めるべきである。
【0007】
また、特許文献1に記載の技術では、顧客がキャッシュカードを保持していなければ、本人確認を行うことができないため、10万円を超える現金振込をATMで行うことができない。現金振込を行う顧客は、通常、キャッシュカード(口座)を保持しないケースが大多数であるため、窓口業務の負荷を軽減するには実効性に乏しい。
【0008】
そのため、自動取引装置の改修を最小限にしつつ、10万円を超える現金振込等自動取引装置単独で取り扱えない取引を円滑に処理できる自動取引装置及び自動取引システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明の自動取引装置は、自動取引装置単独では実行できない取引を当該自動取引装置を含む複数の装置を用いて実現するためのモードである第1のモード又は通常の取引のみを実行するためのモードである第2のモードに移行するためのモード設定情報を記憶する記憶部と、前記モード設定情報が前記第1のモードの場合、所定の番号の入力を受け付けるための番号入力画面を表示部に表示し、当該番号入力画面に前記番号の入力後、前記第1のモード専用の取引選択画面を前記表示部に表示するモード設定部とを有する。
【0010】
第2の本発明は、自動取引装置と、サーバと、第1の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、前記第1の情報処理装置は、10万円を超える現金の振込取引を所望する顧客の本人確認をした結果である本人確認記録データを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記第1の情報処理装置から受信した前記本人確認記録データを保持し、前記自動取引装置は、請求項1に記載の前記第1のモードとして機能する自動取引装置であり、10万円を超える現金の振込制限を解除した前記振込取引に係る処理を実行することを特徴とする。
【0011】
第3の本発明は、自動取引装置と、サーバと、情報入力装置と、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、前記自動取引装置は、請求項1に記載の前記第1のモードとして機能する自動取引装置であり、前記情報入力装置は、納付書に記載の情報の入力を受け付け、入力情報を前記サーバに送信し、前記第1の情報処理装置は、当該自動取引装置を操作して入出金のみを行う専用の口座である集中口座に入金取引で前記納付書に記載の金額分の入金がされた後、前記集中口座から税公金収納のために使用される別段口座に資金移動を行うことを依頼する資金移動依頼通知を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記情報入力装置から送信された情報を記憶する記憶部と、前記資金移動依頼通知を受けると、ホストコンピュータと連携して前記集中口座から前記別段口座に資金移動を行う制御部とを備え、前記第2の情報処理装置は、前記別段口座を用いて税公金収納に係る処理を実行することを特徴とする。
【0012】
第4の本発明は、自動取引装置と、サーバと、情報入力装置と、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有する自動取引システムであって、前記情報入力装置は、通帳に記載の顧客の口座情報及び出金額の入力を受け付け、入力情報を前記サーバに送信し、前記第1の情報処理装置は、前記通帳と出金伝票との印鑑照合又は本人確認書類による本人確認が行われた後、顧客口座から入出金のみを行う専用の口座である集中口座に資金移動を行うことを依頼する資金移動依頼通知を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記情報入力装置から送信された情報を記憶する記憶部と、前記資金移動依頼通知を受けると、ホストコンピュータと連携して前記顧客口座から一旦別段口座に前記出金額の入金をした後、前記別段口座から前記集中口座に入金を行う制御部とを備え、前記自動取引装置は、請求項1に記載の前記第1のモードとして機能する自動取引装置であり、前記サーバによって前記集中口座に入金された金額分の出金取引を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動取引装置の改修を最小限にしつつ、10万円を超える現金振込等自動取引装置単独で取り扱えない取引を円滑に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
図2】第1の実施形態に係るATMの制御系の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るATMの外観構成を示す外観斜視図である。
図4】第1の実施形態に係るATMの特徴動作(スマートATM移行処理)を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態に係る係員番号入力画面の一例を示す説明図である。
図6】第1の実施形態に係るATM(スマート窓口取引ATM)の取引選択画面の一例を示す説明図である。
図7】第1の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(10万円を超える現金振込のスマート窓口取引)を示すシーケンス図(その1)である。
図8】第1の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(10万円を超える現金振込のスマート窓口取引)を示すシーケンス図(その2)である。
図9】第2、第3の実施形態に係る自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
図10】第2、第3の実施形態に係るスマート窓口サーバの制御系の構成を示すブロック図である。
図11】第2の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(納付書を使用した税公金収納のスマート窓口取引)を示すシーケンス図である。
図12】第3の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(出金伝票を用いた出金のスマート窓口取引)を示すフローチャートである。
図13】第3の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(通帳を用いた出金のスマート窓口取引)を示すフローチャートである。
図14】第3の実施形態に係る振込額入力画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の自動取引装置及び自動取引システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(A-1)第1の実施形態の構成
(A-1-1)全体構成
図1は、第1の実施形態に係る自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。図1において、自動取引システム1000は、ATM1、ホストコンピュータ2、スマート窓口サーバ3、及び行員PC4を有して構成される。
【0017】
図1において、ATM1は、金融ネットワークNを介してホストコンピュータ2と接続されるが、ATM1とスマート窓口サーバ3とは直接接続されない(言い換えれば、ATM1とスマート窓口サーバ3との間の直接の連携はない)。行員PC4とスマート窓口サーバ3とは、所定のネットワークインターフェースで接続される。
【0018】
自動取引システム1は、ATM単独では行えない10万円を超える現金振り込みの取引を行員PC4、スマート窓口サーバ3等の複数の装置を利用して、円滑に処理するシステム(スマート窓口システム)である。以下では、従来ATM単独では行えない取引を、自動取引システム1で実行する際、これらの取引を「スマート窓口取引」と呼ぶものとする。スマート窓口取引の各動作の詳細は、後述する動作の項で述べるものとする。
【0019】
金融ネットワークNは、金融取引に関するデータを通信することができる通信網であり、例えば、専用網を適用することができる。
【0020】
ATM1は、例えば、金融機関の営業店に設けられている現金自動預け払い装置(ATM)である。ATM1は、金融ネットワークNを介して、ホストコンピュータ2と通信可能であり、例えば、振り込み取引、預け入れ取引(入金取引)、引き出し取引(出金取引)等の各種金融取引を行うものである。なお、図1では、説明を容易にするために、1台のATM1のみ図示している。しかし、実際には、複数台のATM1のそれぞれが、ネットワークNを介して、ホストコンピュータ2と接続する。
【0021】
第1の実施形態ATM1は、後述するように、行員(係員)の認証(係員番号の入力)により、10万円以上の現金振込を実行可能な(振込額の上限を解除した)ATM(以下、「スマート窓口ATM」と呼ぶ)に移行することができる。
【0022】
スマート窓口サーバ3は、顧客が10万円を超えるの現金振込取引(スマート窓口取引)を行う場合に、窓口で本人確認を行ったデータ(本人確認記録データ)を保持するサーバである。
【0023】
行員PC4は、金融機関の営業店の窓口担当の行員が使用する情報端末である。行員PC4は、スマート窓口サーバ3にアクセス可能であり、スマート窓口サーバ3に上述の本人確認記録データの送信を行う。
【0024】
ホストコンピュータ2は、金融機関のホストコンピュータであり、ATM1から取引に関する情報を取得すると、取得した取引に関する情報に基づいて、顧客が行なった取引の内容を管理するものである。
【0025】
集中口座21は、入出金用に営業店(支店)ごとにホストコンピュータ2に開設される金融機関専用の口座である。第1の実施形態の集中口座21の利用方法としては、行員がATM1(スマート窓口ATM)が扱える現金の限度額(この実施形態では、「200万円」)を超える場合に、一旦現金(振込用の現金)をプールする場合に利用される。上述したようにATM1は、スマート窓口サーバ3等の他の装置と直接連携はしないが、この集中口座21(及び第2、第3の実施形態で使用される別段口座22)を介して入出金のやりとりを行うことにより、スマート窓口取引を実現することになる。
【0026】
(A-1-2)ATM1の詳細な構成
図3は、第1の実施形態に係るATMの外観構成を示す外観斜視図である。
【0027】
図3において、ATM1は、操作表示部12、カード入出口13、紙幣入出口14、硬貨入出口15、通帳入出口16、及びレシート排出口17を有する。
【0028】
操作表示部12は、例えば、取引種類の選択メニュー画面、各取引の操作画面、取引内容の確認画面等を表示したり、顧客が入力した入力情報を取り込んだりするものである。操作表示部12は、例えば、タッチパネル方式の操作表示部を適用することができる。なお、操作表示部12は、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル方式のものに限らず、操作部と表示部とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
【0029】
カード入出口13は、利用者がキャッシュカードを挿入したり又はキャッシュカードを取り出したりするものである。
【0030】
紙幣入出口14は、顧客が紙幣を挿入したり又は紙幣を取り出したりするものである。紙幣入出口14は、例えば、開閉可能な開閉体を有するバケットタイプのものを用いても良いし、若しくは、開閉体を有しないバケットタイプのものを用いることができる。顧客が紙幣を投入するときには、例えば、開閉体を有するバケットタイプの場合、開閉体がバケットの開口部を開けた後、顧客はバケットの開口部に紙幣を投入し、その後ATM1は、開閉体が閉じて投入された紙幣を取り込む。またATM1が紙幣を返却するときには、ATM1はバケットに紙幣を繰り出し、その後、開閉体が開放する。なお、紙幣入出口14は、紙幣を投入する紙幣入口と紙幣を放出する紙幣出口とが一体となったものに限らず、紙幣入口と紙幣出口とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
【0031】
硬貨入出口15は、顧客が硬貨を投入したり又は硬貨を取り出したりするものである。硬貨入出口15も、例えば、開閉体が開口部を開閉可能なバケットタイプのものを用いても良いし、若しくは、開閉体を有しないバケットタイプのものを用いても良い。この場合も、紙幣入出口14と同様に、顧客が硬貨を投入するときには、例えば、開閉体を有するバケットタイプの場合、開閉体がバケットの開口部を開けた後、顧客はバケットの開口部に硬貨を投入し、その後ATM1は、開閉体を閉じて投入された硬貨を取り込む。またATM1が硬貨を返却するときには、ATM1はバケットに硬貨を繰り出し、その後、開閉体が開放する。なお、硬貨入出口15は、硬貨を投入する硬貨入口と硬貨を放出する硬貨出口とが一体となったものに限らず、硬貨入口と硬貨出口とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
【0032】
通帳入出口16は、顧客が通帳を挿入したり又は通帳を取り出したりするものである。
【0033】
レシート排出口17は、取引内容を印刷した明細票(レシート)を排出するものである。
【0034】
図2は、第1の実施形態に係るATMの制御系の構成を示すブロック図である。図2において、ATM1は、制御部10、記憶部20、通信部25、操作表示制御部40、カード処理部50、通帳処理部60、紙幣入出金部70、硬貨入出金部80、及び明細票発行部90を有する。
【0035】
制御部10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部20から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引、収納処理や出金取引等の種々の処理を行う。
【0036】
制御部10が備える取引処理部11は、ホストコンピュータ2と連携して、各取引に係る処理を行う機能部である。
【0037】
制御部10が備えるATMモード設定部18は、ATMのモード(通常のATM又はスマート窓口ATM)を設定する機能部である。ATMのモードは、保守員などにより予め設定されるものである。第1の実施形態では、ATM1は、スマート窓口ATMのモードを適用することが予め内部に設定されていることを前提とする。スマート窓口ATMは、通常のATMとは異り、10万円を超える現金振り込みの制限を行っていないことに特徴が存在する。
【0038】
予め設定するATMモードの管理方法は、特に限定されるものではないが、この実施形態では、フラグ(ATMモードフラグF)で管理するものとする。例えば、ATMモードフラグFが「0」の場合、通常のATMであることを示し、ATMモードフラグFが「1」の場合、スマート窓口ATMであることを示すものとする。
【0039】
記憶部20は、制御部10が実行する処理プログラム等を記憶するものあり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等により構成される。記憶部20には、利用者が行なった取引の情報である取引情報、発生した障害の内容を示す情報、ジャーナルデータ等が記憶される。
【0040】
通信部25は、金融ネットワークNを介して、ホストコンピュータ2と接続するためのネットワークインタフェースである。
【0041】
操作表示制御部40は、制御部10の制御の下、操作表示部12の動作を制御するものである。操作表示制御部40は、制御部10から画面情報に基づいて、操作表示部12に画面を表示させたり、又は操作表示部12から入力された情報を制御部10に与えたりするものである。
【0042】
カード処理部50は、制御部10の制御の下、カード入出口13からキャッシュカードを取り込んだり又は排出したりするものである。また、カード処理部50は、カード入出口13から挿入されたキャッシュカードの格納部(例えば、磁気格納部やICチップ等)に格納されているカード情報を読み取り、そのカード情報を制御部10に与えるものである。
【0043】
通帳処理部60は、制御部10の制御の下、通帳入出口16から通帳を取り込んだり又は排出したりするものである。また、通帳処理部60は、通帳入出口16から挿入された通帳の格納部(例えば、磁気データ格納部やICチップ等)に格納されている通帳情報(例えば、磁気ストライプデータ)を読み取り、その通帳情報を制御部10に与えるものである。
【0044】
紙幣入出金部70は、制御部10の制御の下、紙幣を金種別に収納・管理するものである。
【0045】
硬貨入出金部80は、制御部10の制御の下、硬貨を金種別に収納・管理するものである。
【0046】
明細票発行部90は、制御部10の制御の下、取引明細票に取引結果を印刷して、レシート排出口17から発行(排出)を行うものである。
【0047】
(A-2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の自動取引システム1000の動作の説明を行う。以下では、ATM1の電源ON時のスマート窓口取引ATMに移行する動作(A-2-1)を示した後、システム全体のスマート窓口取引の動作(A-2-2)について述べるものとする。
【0048】
(A-2-1)ATM1の電源ON時の処理
図4は、第1の実施形態に係るATMの特徴動作(スマートATM移行処理)を示すフローチャートである。
【0049】
ATM1(ATMモード設定部18)は、電源が投入(電源ON)されると、ATMモードフラグFを参照し、ATMモードフラグFに「1」(「1」はスマート窓口ATMを示している)が設定されているか確認する(S1)。
【0050】
ATMモード設定部18は、ATMモードフラグFに「1」が設定されている場合、操作表示部12にスマート窓口ATMを取り扱う行員を確認するための画面(以下、「係員番号入力画面」とも呼ぶ)を表示する(S2)。
【0051】
図5に示す係員番号入力画面100には、係員番号の入力を取り消す(中止する)ための取消ボタン101と、係員番号を入力するための「0」~「9」の数字ボタンを含む入力ボタン102と、入力ボタン102で入力された係員番号が表示される係員番号表示欄103とが示されている。なお、図5の係員番号入力画面は一例であって、画面内の構成は限定されるものではない。
【0052】
ATMモード設定部18は、係員番号入力画面100を介して、正当な係員番号が入力されると、ATM1をスマート窓口ATMとして起動する。
【0053】
ATM1は、スマート窓口ATMとして起動すると、初期状態(顧客待ち状態)として、操作表示部12に、取引の種類を選択することが可能な操作画面(以下、「取引選択画面」と呼ぶ)を表示する(例えば、図6に示すような取引選択画面200を表示する)。
【0054】
一方、上述のステップS1で、ATMモードフラグFに「0」が設定されている場合、通常のATMとして起動して、操作表示部12には、通常の取引選択画面を表示する。例えば、窓口以外のATMは、既存のATMの通常プログラムを立ち上げることになる。言い換えれば、窓口以外のATMは、本発明の影響を受けることはないので、従来と同様の安定性を有する。
【0055】
また、上記では、電源が投入する際の例を示したが、上記の処理を実行するタイミングは特に限定されるものではない。例えば、何らかの取引終了後、上記処理を常に実行するようにしても良い。この場合、ATM1がスマート取引窓口ATMの場合、係員番号入力画面100に正当な係員番号の入力がなければ、取引選択画面100が表示されないため、顧客が誤ってATM1を操作することを防止できる。
【0056】
(A-2-2)10万円を超える現金振込処理(200万円以下)
図7は、第1の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(10万円を超える現金振込のスマート窓口取引)を示すシーケンス図(その1)である。なお、第1の実施形態ではATM1が一度に取り扱える金額(取扱限度額)を200万円である例を示しているが、この取扱限度額は特に限定されるものではない。
【0057】
窓口において、受付番号が記載された受付番号札と、入力項目に情報(振込金額、振込先の口座情報等)が記載された振込伝票とを保持する顧客から10万円を超える現金振込の申し出を受けると(S101)、行員は顧客の本人確認を行う(S102)。例えば、行員は顧客の免許書等で本人確認を行う。同時に、行員はマネーロンダリングチェックシート等を用いて現金振込みが不正な用途でないことの確認を行う。
【0058】
上述のS102で行員が確認した情報(マネーロンダリングチェックシートの結果を含む本人確認記録データ)は、行員PC4を介して、スマート窓口サーバ3に送信される(S103)。
【0059】
スマート窓口サーバ3は、行員PC4から送信された本人確認記録データを内部に保持する(S104)。
【0060】
顧客は、スマート窓口ATMとして機能するATM1を操作して、振込伝票に基づき振込先Pに10万円の上限を解除した現金振り込み(200万円以下)を行う(S105)。ATM1の現金振り込みの流れは既存の処理と同一のため詳しい説明は省略する。ただし、ホストコンピュータ2に送信する電文(振込電文)には、10万円の上限を解除した旨を示す情報が含れるものとする。
【0061】
ホストコンピュータ2は、振込電文に10万円の上限を解除した旨を示す情報が含まれていることを確認後、既存と同一の手法で振込先口座4に指定金額を振りむ処理を行う(S106)。
【0062】
(A-2-3)10万円を超える現金振込処理(200万円超)
図8は、第1の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(10万円を超える現金振込のスマート窓口取引)を示すシーケンス図(その2)である。図8は、200万円を超えるスマート窓口取引を示している。なお、図8において、上述の図7のシーケンスと同一又は対応する処理については、同一符号を付して示している。また、図7のシーケンスと同一又は対応する処理の詳細な説明は、重複するため省略する。
【0063】
上述のS104の後、200万円を超える現金振込を行う場合、行員は、ATM1を操作して集中口座21のキャッシュカードを用いて、集中口座21に対して200万円単位で入金取引を行う(S111、S112)。この入金取引の処理自体は既存の処理と同一である。行員は複数の入金取引で、集中口座21に対して振込伝票に記載された振込金額分の入金が完了した場合には、次の処理を実行する。
【0064】
続けて、行員は、ATM1を操作して、上述のステップS111及び上述のS112の処理で入金された集中口座21から振込先Pに入金した金額(明細票に記載された金額)分の振り込みを行う(S113、S114)。
【0065】
(A-3)第1の実施形態の効果
以上のように第1の実施形態によれば、行員PC4やスマート窓口ATMとして機能するATM1等を使用することにより、10万円を超える現金振込を円滑に実行できる。
【0066】
(B)第2の実施形態
以下では、本発明の自動取引装置及び自動取引システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。第2の実施形態では、スマート窓口取引として納付書を用いた税公金収納の例を示すものとする。
【0067】
(B-1)第2の実施形態の構成
図9は、第2、第3の実施形態に係る自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。図9において、自動取引システム1000Aは、上述のATM1、上述のホストコンピュータ2A、スマート窓口サーバ3A、上述の行員PC4、及び情報入力端末5を有して構成される。以下では、第1の実施形態で説明した構成については重複するため説明を省略するものとする。
【0068】
情報入力端末5は、納付書に記載の税公金収納に係る情報(金額等)を入力する端末であって、例えば、タブレット端末が適用される。情報入力端末5に入力された情報はスマート窓口サーバ3Aに送信される。
【0069】
営業店端末6は、バックオフィスで使用される端末であって、税公金オペレーションや印鑑照合等の従来から存在する処理を実行可能な端末である。
【0070】
ホストコンピュータ2Aに上述の集中口座21に加えて、金融機関の営業店が管理する別段口座22も開設されている。別段口座22は、集中口座21と振替可能な口座であり、税公金オペレーションを実行する際に利用される。なお、図9中の顧客出金口座23は、別段口座22と振替可能な口座であるが(集中口座21との直通の振替は不可)、この口座の利用方法は第3の実施形態で述べるものとする。
【0071】
図10は、第2、第3の実施形態に係るスマート窓口サーバの制御系の構成を示すブロック図である。図10において、スマート窓口サーバ3は、制御部30、記憶部31、及び通信部32を有する。
【0072】
制御部30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部20から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御してスマート窓口取引に係る各処理を行う。
【0073】
制御部10は、ホストコンピュータ2と連携してスマート窓口取引に係る処理を行う機能部である。制御部10は、残高照会API33と資金移動API34とを備える。残高照会API33は、既存のATMで行っている残高照会と同様の機能を備えるAPI(Application Programming Interface)である。また、資金移動API34は、集中口座21と別段口座22との間の資金移動(振替)を行うAPIである。スマート窓口サーバ3Aは、これらのAPIを使用することでホストコンピュータ2(各口座)にアクセスすることができる。
【0074】
通信部25は、金融ネットワークNを介してホストコンピュータ2と接続するためのネットワークインタフェースである。
【0075】
(B-2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態の自動取引システム1000の動作(納付書を使用した税公金収納のスマート窓口取引)を説明する。
【0076】
図11は、第2の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(納付書を使用した税公金収納のスマート窓口取引)を示すシーケンス図である。なお、ここでの納付書(税公金の納付書)は、顧客に返却される領収書部(以下、単に「控え」とも呼ぶ)と、金融機関が保管する領収済通知部(以下、単に「済通」と呼ぶ)とを有していることを前提とする。
【0077】
情報入力端末5は、顧客から受付番号、納付書の金額、及び電話番号(電話番号は税公金オペレーションで使用)の入力を受け付けると、入力情報をスマート窓口サーバ3Aに送信する(ステップS201~ステップS203)。
【0078】
スマート窓口サーバ3Aは、情報入力端末5から送信された情報を受付番号と紐づけて(関連付けて)記憶部31に記憶する(ステップS204)。
【0079】
続けて、窓口に移動した顧客から受付番号が記載された受付番号札と、納付書を受け取ると(ステップS205)、行員は行員PC4-1を用いて受付番号をキーとしてスマート窓口サーバ3Aの記憶部31を検索して、受付番号に紐づく入力金額を取得し、当該入力金額と、納付書の金額の一致を確認する(ステップS206)。
【0080】
上述のステップS106で両者の金額の一致を確認した後、行員は、ATM1を操作して集中口座21に対して納付書の金額分の入金取引を行う(S207、S208)。なお、第1の実施形態と同様に入金額が200万円を超える場合には、複数の入金取引を行う。
【0081】
行員PC4-1は、現在行っているスマート窓口取引についてスマート窓口サーバ3Aに入金済みを登録する(ステップS209)。
【0082】
行員PC4-1は、現在行っているスマート窓口取引についてスマート窓口サーバ3Aに残高照会依頼と資金移動依頼を行う(ステップS210、ステップS212)。
【0083】
スマート窓口サーバ3Aは、残高照会APIを用いて集中口座21に対して残高照会を行った後(S211)、資金移動APIを用いて集中口座21から別段口座22に資金移動を行う(S213、S214)。
【0084】
行員は、上述のステップS207の入金取引の明細票(ATM控え)の取引金額(入金額)と、納付書の金額との一致を確認する(S215)。
【0085】
行員は、押印した納付書の控えを顧客に返却すると共に(S216)、店舗控えの済通に店番と受付番号を転記して、当該済通をバックオフィスに移動する(S217)。
【0086】
バックオフィスの行員は、営業店端末6を用いて、済通とATMの控えを参照して税公金オペレーションを実施する(S218)。この税公金オペレーションは既存の処理と同一であるので詳細は省略する。税公金オペレーションの実施により、最終的に別段口座22から決済額(納付書に記載の金額)が引き落とされる。
【0087】
行員PC4-2は、税公金オペレーション実施後、スマート窓口サーバ3Aの記憶部31に記憶される当該受付番号に係るデータの消込を行う(S219)。なお、消込は、当該受付番号に係るデータを完全には削除せず、税公金オペレーション実施済みであることの情報を登録して、所定期間データを保持しても良い。
【0088】
(B-3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、納付書を使用した税公金収納の取引を情報入力端末5、行員PC4、スマート窓口サーバ3A、営業店端末6を使用して実現することができる。また、行員PC4にて顧客のタブレット入力内容の確認ができるため、ペーパーレスも実現可能である。
【0089】
(C)第3の実施形態
以下では、本発明の自動取引装置及び自動取引システムの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。第3の実施形態では、出金伝票又は通帳を用いた出金の例を示すものとする。
【0090】
(C-1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態の自動取引システムの構成については、第2の実施形態と同様に上述の図9を用いて説明することができる。第3の実施形態における図9の各構成の特徴については動作の項で述べるものとする。
【0091】
(C-2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第3の実施形態の自動取引システム1000Aの動作(出金伝票又は通帳を用いた出金のスマート窓口取引)の説明を行う。
【0092】
(C-2-1)出金伝票を用いた出金のスマート窓口取引
図12は、第3の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(出金伝票を用いた出金のスマート窓口取引)を示すフローチャートである。
【0093】
情報入力端末5は、顧客から受付番号の入力と口座情報(出金口座の店番、科目、口座番号)及び金額(出金金額)の入力を受け付けると、入力情報をスマート窓口サーバ3Aに送信する(ステップS301、ステップS302)。
【0094】
スマート窓口サーバ3Aは、情報入力端末5から送信された情報を受付番号と紐づけて(関連付けて)記憶部31に記憶する(ステップS303)。
【0095】
続けて、窓口に移動した顧客から受付番号が記載された受付番号札と、出金伝票と、通帳を受け取ると(ステップS304)、行員は行員PC4-1を用いて受付番号をキーとしてスマート窓口サーバ3Aの記憶部31を検索して、受付番号に紐づく口座番号を取得し、当該口座番号と、通帳の口座番号の一致を確認する(ステップS305)。
【0096】
窓口の行員は、バックオフィスの行員に出金伝票を渡し、通帳の印影と出金伝票の印影との印鑑照合を依頼する(ステップS306)。
【0097】
バックオフィスの行員は、営業店端末6を用いて印鑑照合を行い(ステップS307)、その照合結果を窓口の行員に知らせる(ステップS308)。ここでは、印鑑照合結果は正当であることを前提として、以下説明を継続する。
【0098】
行員PC4-1は、現在行っているスマート窓口取引について、確認完了を登録する(ステップS309)。
【0099】
行員PC4-1は、現在行っているスマート窓口取引についてスマート窓口サーバ3Aに資金移動依頼を行う(ステップS310)。
【0100】
スマート窓口サーバ3Aは、資金移動依頼を受け付けると(ステップS311)、顧客口座(出金口座)から別段口座22へ資金移動を行う(ステップS312、ステップS313)。
【0101】
続けて、スマート窓口サーバ3Aは、別段口座22から集中口座21へ資金移動を行う(ステップS314、ステップS315)。
【0102】
スマート窓口サーバ3Aは、行員PC4-1に資金移動完了通知を送信する(ステップS316)。
【0103】
上述のS316の後、行員は、ATM1を操作して、入金した集中口座21から出金取引を行う(S317、S318)。ここでの出金取引は既存の出金取引と同様のため詳細は省略する。なお、ATM1から出金された現金は、行員が一旦保持しても良いし、行員を介さずに顧客が直接受け取っても良い。
【0104】
続けて、行員は、ATM1を操作して通帳の記帳を行う(S319)。通帳記帳の取引自体も既存の通帳記帳の取引と同様である。
【0105】
上述のステップS319の後、行員PC4-1は、現在行っているスマート窓口取引について出金済み登録を行う(ステップS320)。
【0106】
行員PC4-1は、現在行っているスマート窓口取引について残高照会依頼を行う(ステップS321)。スマート窓口サーバ3Aは、残高照会依頼を受けると、残高照会APIを用いて集中口座21に対して残高照会を行う(S322)。
【0107】
行員は、通帳記帳した金額(出金額)と明細票の取引金額の一致を確認する(ステップS323)。
【0108】
上述のステップS323の確認後、通帳を顧客に返却する(ステップS324)。
【0109】
(C-2-2)通帳を用いたスマート窓口取引(出金)
図13は、第3の実施形態に係る自動取引システムの特徴動作(通帳を用いた出金のスマート窓口取引)を示すフローチャートである。なお、図13の処理の内、上述の図12のフローチャートと同一符号に係る処理は、基本的に同一又は類似する処理のため、詳しい説明を省略する。
【0110】
上述のステップS303の後、窓口に移動した顧客から受付番号が記載された受付番号札と、本人確認書類と、通帳を受け取ると(ステップS401)、行員は、免許書等の本人確認書類に基づき、顧客の本人確認を行う(ステップS402)。本人確認後、上述のステップS305及びステップS309以下の処理が実行される。
【0111】
(C-3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、伝票又は通帳を使用した出金を情報入力端末5、行員PC4、ATM1、及び営業店端末6を使用して実現できる。また、行員PCにて、顧客の端末入力内容の確認が出来るため、ペーパーレスも実現できる。また、行員は直接現金を計数する必要がないので、経験に乏しい行員でも窓口業務を円滑に行うことができる。
【0112】
(D)他の実施形態
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0113】
(D-1)上記各実施形態では、スマート窓口ATMとして機能するATM1での専用口座への入出金は基本的に行員が操作する例を示したが、変形例として、顧客の取引金額や振込先などの入力間違いを防止するため、「確認ボタン」を顧客に押下させることや、確認ボタンの色・文言を通常のボタンと異なるものにして、分かりやすくするにしても良い。
【0114】
例えば、上述の図8を用いて示した10万円を超える現金振込処理(200万円超)は、200万円未満の場合と異なり、ATM1を用いての振込取引は基本的に行員が行うとしていたが、振込額を入力して確認する場合には、ATM1は、図14に示すような振込額入力画面を操作表示部12に表示して、振込額の最終的な確認は顧客が行っても良い。
【0115】
図14に示す振込額入力画面300には、振込取引を取り消す(中止する)ための取消ボタン301と、振込金額を入力するための「0」~「9」の数字ボタンを含む入力ボタン302と、入力ボタン302で入力された取引金額が表示される取引金額表示欄304を含む取引情報表示欄303と、取引金額を確認(確定)するための確認ボタン305と、確認ボタン305の押下は顧客自身が行うことを促すメッセージを表示するメッセージ欄306とが示されている。なお、図14の振込額入力画面は一例であって、画面内の構成は特に限定されるものではない。
【0116】
(D-2)また、上記(D-1)の変形例を適用する場合、ATM1(取引処理部11)は、顧客が確認した履歴については、ジャーナルデータとして記憶部20に記録しても良い。
【0117】
(D-3)変形例として、ATM1は、上記実施形態及び(D-1)~(D-2)で述べた変形例の構成及び/又は機能の全部又は一部を組み合わせて使用しても良い。また、ATM1は、上記各実施形態及び(D-1)~(D-2)で述べた変形例の構成及び/又は機能のうち少なくとも一部を省略しても良い。
【符号の説明】
【0118】
1…自動取引システム、2、2A…ホストコンピュータ、3、3A…スマート窓口サーバ、4…振込先口座、5…情報入力端末、6…営業店端末、10…制御部、11…取引処理部、12…操作表示部、13…カード入出口、14…紙幣入出口、15…硬貨入出口、16…通帳入出口、17…レシート排出口、18…ATMモード設定部、20…記憶部、21…集中口座、22…別段口座、23…顧客出金口座、25…通信部、30…制御部、31…記憶部、32…通信部、33…残高照会API、34…資金移動API、40…操作表示制御部、50…カード処理部、60…通帳処理部、70…紙幣入出金部、80…硬貨入出金部、90…明細票発行部、100…係員番号入力画面、101…取消ボタン、102…入力ボタン、103…係員番号表示欄、200…取引選択画面、300…振込額入力画面、301…取消ボタン、302…入力ボタン、303…取引情報表示欄、304…取引金額表示欄、305…確認ボタン、306…メッセージ欄、1000…自動取引システム、1000A…自動取引システム、、B…明細票格納庫、F…ATMモードフラグ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14