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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158434
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】焼物調理装置
(51)【国際特許分類】
   F23L 7/00 20060101AFI20241031BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20241031BHJP
   F23D 14/10 20060101ALI20241031BHJP
   F24C 3/04 20210101ALI20241031BHJP
   F24C 15/24 20060101ALI20241031BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F23L7/00 C
F23D14/22 J
F23D14/10 C
F24C3/04 K
F24C15/24 C
F24C1/00 380B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073633
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】林 周作
(72)【発明者】
【氏名】林 竜之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 建次
(72)【発明者】
【氏名】中島 徹也
(72)【発明者】
【氏名】片岡 孝生
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋行
【テーマコード(参考)】
3K017
3K019
3K023
4B040
【Fターム(参考)】
3K017AB07
3K017AB10
3K017AC01
3K017AE03
3K019BA04
3K019BA05
3K019CA03
3K023JA02
3K023JB06
3K023JC01
3K023JC07
4B040AA08
(57)【要約】
【課題】バーナ4とこのバーナの上方に設けられる食材載置部2とを備える焼物調理装置を、食材載置部に載置される食材からの余分の脂分や塩分の流し落とし効果を更に向上できるように構成する。
【解決手段】バーナに供給する燃料ガスを水素ガスとして、食材載置部の下方に湯気及び水蒸気の少なくとも一方からなる水分を放出する水分放出部61を有する水分放出手段6を設ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナとこのバーナの上方に設けられる食材載置部とを備え、当該バーナに供給する燃料ガスを水素ガスとした焼物調理装置において、
食材載置部の下方に湯気及び水蒸気の少なくとも一方からなる水分を放出する水分放出部を有する水分放出手段を更に備えることを特徴とする焼物調理装置。
【請求項2】
前記水分放出部が前記バーナの下方に配置され、
当該バーナの炎孔から噴出する水素ガスの燃焼で形成される火炎に向けて、前記水分放出部から放出される水分を導く導流板を更に備えることを特徴とする請求項1記載の焼物調理装置。
【請求項3】
請求項2記載の焼物調理装置であって、
水平な直交2方向をX軸方向及びY軸方向とし、前記バーナが、X軸方向に長手で且つY軸方向に間隔を置いて配置される複数の直管部を有すると共に各直管部に前記炎孔の複数個が夫々列設される管状バーナであるものにおいて、
前記水分放出部が、Y軸方向に隣接する直管部の間を下方へと投影した面上に位置させて配置され、
前記導流板が、前記管状バーナのY軸方向両側で上下方向に夫々のびる第1導流板部と、水分放出部の上方を覆うように配置される第2導流板部とを有することを特徴とする焼物調理装置。
【請求項4】
請求項2記載の焼物調理装置であって、
水平な直交2方向をX軸方向及びY軸方向とし、前記バーナが、X軸方向に長手で且つY軸方向に間隔を置いて配置される複数の直管部を有すると共に各直管部に前記炎孔の複数個が夫々列設される管状バーナであるものにおいて、
前記水分放出部が、直管部の直下に位置させて配置され、
前記導流板が、前記管状バーナの両側で上下方向に夫々のびる第1導流板部を有することを特徴とする焼物調理装置。
【請求項5】
前記食材載置部の下方に位置する前記バーナの部分を内包する筐体を備え、
前記水分放出部が貯水可能に構成され、当該水分放出部を筐体及び食材載置部の少なくとも一方に連結して、筐体及び食材載置部の少なくとも一方からの伝熱で水分放出部に貯水された水を加熱可能に構成したことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の焼物調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナとこのバーナの上方に設けられる食材載置部とを備える焼物調理装置に関し、より詳しくは、バーナに供給する燃料ガスを水素ガスとしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーナとこのバーナの上方に設けられる食材載置部とを備える焼物調理装置として例えば特許文献1に記載のものが知られている。このものでは、天然ガスやLPガスといった炭化水素を主成分とする燃料ガスに空気を混合してなる、空気過剰率が1.0~1.2程度の混合気をバーナに供給し、バーナの炎孔から噴出する混合気の燃焼で火炎を形成して、食材載置部に載置される肉や魚といった食材を焼物調理するようにしている。
【0003】
ところで、水素を燃焼させた水素燃焼ガスは、炭化水素を燃焼させた燃焼ガスよりも単位熱量当りの水蒸気量が多いことが知られている。そこで、バーナに供給する燃料ガスを水素ガスとし、バーナの炎孔から噴出する水素ガスを拡散燃焼させ、これにより生成される水素燃焼ガスを食材載置部の食材に接触させれば、食材に含まれる脂分や塩分を水素燃焼ガスに含まれる水分で流し落とすことが可能になる。そして、近年の健康志向の高まりから、余分の脂分や塩分の流し落とし効果を更に向上させたいとの要望もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-229519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、余分の脂分や塩分の流し落とし効果を更に向上できるようにした焼物調理装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、バーナとこのバーナの上方に設けられる食材載置部とを備え、当該バーナに供給する燃料ガスを水素ガスとした本発明の焼物調理装置は、食材載置部の下方に湯気及び水蒸気の少なくとも一方からなる水分を放出する水分放出部を有する水分放出手段を更に備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、上記従来例のように炭化水素を主成分とする燃料ガスを用い、バーナの炎孔から噴出する混合気の燃焼で火炎を形成した場合に、当該火炎に水蒸気が触れると、水蒸気の比熱の高さから火炎の温度が低下して燃焼不良が発生し、場合によっては、失火してしまう。一方、水素ガスはその燃焼速度が速く、燃焼不良になり難いという特性を持つ。これに着目して、本願発明者らが鋭意研究を重ねたところ、水素を燃焼させた火炎に湯気及び水蒸気の少なくとも一方からなる水分が触れても燃焼安定性が高いことを知見するのに至った。このような知見を基に、本発明では、バーナに供給する燃料ガスを上記のように水素ガスとして、食材載置部の下方に湯気及び水蒸気の少なくとも一方からなる水分を放出する水分放出手段の水分放出部を設ける構成を採用し、水分放出部から放出される水分の影響で燃焼不良が発生しないようにしている。
【0008】
本発明によれば、水素燃焼ガスの食材への接触による脂分や塩分の流し落とし効果に、食材への水分の接触による脂分や塩分の流し落とし効果が加わることで、余分の脂分や塩分の流し落とし効果を更に向上させることができる。また、調理中には、食材に水分が常時供給された状態になることで食材の炭化速度を低下させることができる。これにより、焼物調理を行う際により繊細に食材の調理状態を調整することが可能になる。しかも、食材から生ずる炭化物も減少することで、食材載置部に炭化物が付着する量も減少し、清掃の頻度及び負担を低減することができる。
【0009】
本発明においては、前記水分放出部が前記バーナの下方に配置され、当該バーナの炎孔から噴出する水素ガスの燃焼で形成される火炎に向けて、前記水分放出部から放出される水分を導く導流板を更に備える構成を採用することができる。これによれば、水分が火炎で加熱される。そして、水分が加熱されることで食材に浸透し易くなり、余分の脂分や塩分の流し落とし効果をより一層向上させることができる。
【0010】
また、本発明においては、水平な直交2方向をX軸方向及びY軸方向とし、前記バーナが、X軸方向に長手で且つY軸方向に間隔を置いて配置される複数の直管部を有すると共に各直管部に前記炎孔の複数個が夫々列設される管状バーナである場合、前記水分放出部が、Y軸方向に隣接する直管部の間を下方へと投影した面上に位置させて配置され、前記導流板が、前記管状バーナのY軸方向両側で上下方向に夫々のびる第1導流板部と、水分放出部の上方に間隔を存して配置される第2導流板部とを有する構成とすればよい。これにより、水分放出部から放出される水分が第2導流板部の下面に衝突して拡散し、この拡散したものが第1導流板に沿って案内されることで、水分を確実に火炎に向けて供給することができる。しかも、調理時には、食材から生ずる油などが水分放出部に付着することが防止でき、有利である。他方で、前記水分放出部が、直管部の直下に位置させて配置され、前記導流板が、前記管状バーナの両側で上下方向に夫々のびる第1導流板部を有する構成を採用することもできる。これにより、部品を追加することなく、食材から生ずる油などが水分放出部に付着することを防止することができる。
【0011】
更に、本発明においては、前記食材載置部の下方に位置する前記バーナの部分を内包する筐体を備え、前記水分放出部が貯水可能に構成され、当該水分放出部を筐体及び食材載置部の少なくとも一方に連結して、筐体及び食材載置部の少なくとも一方からの伝熱で水分放出部に貯水された水を加熱可能に構成してもよい。これにより、バーナの燃焼により生ずる廃熱を有効利用して水分を火炎に向けて供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の焼物調理装置の斜視図。
図2図1のII-II線に沿う断面図。
図3図2のIII-III線に沿う断面図。
図4図3に対応する、他の実施形態の焼物調理装の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、バーナを管状バーナとし、バーナの炎孔から噴出する水素ガスの燃焼で形成される火炎に向けて、湯気及び水蒸気の少なくとも一方からなる水分を導く導流板を設けたものを例に焼物調理装置GRの実施形態を説明する。なお、本発明にいう「水素」は、純水素に限定されるものではなく、例えば、水素ガスが40%以上含まれる燃料ガスや、臭い付けのための付臭剤を少量で添加するような場合も含む。
【0014】
図1乃至図3を参照して、本実施形態の焼物調理装置GRは、水平な直交2方向をX軸方向及びY軸方向として、X軸方向に長手で平面視矩形の天板1を備える。天板1の中央部には、X軸方向に長手で平面視矩形の開口11が開設されている。天板1上面には、開口11を囲うようにして4枚のフード板12が立設され、後述のバーナ4にその上方から余分な二次空気が供給されないようにしている。フード板12には、その上端から下方にのびる複数のスリット12aが形成されている。そして、開口11の上方に位置させて食材載置部としての焼き網2が設置されている。焼き網2には、Y軸方向両側のフード板12のスリット12aに挿通される支持棒部2aが突設され、支持棒部2aを介して焼き網2がスリット12aの下端で支持されると共に、スリット12aを通して上方に抜き取り自在である。
【0015】
天板1には、開口11の内縁部から下方にのびる、下面を開口した筐体13が吊設されている。筐体13は、焼き網2の下方に位置するバーナ4の直管部4aの部分を内包する。X軸方向両側に位置する筐体13の側壁13a,13aの外方には、断熱性を持つ一対の支持板14が夫々設けられている。各支持板14には格納箱15,15が夫々取り付けられ、これら支持板14と格納箱15,15とで天板1のX軸方向両側が支持される。一方の格納箱15内には、特に図示して説明しないが、その外面に設けた操作摘み(図示せず)で操作される水素用のガスコックを含むバルブユニット、イグナイタやコントローラといったバーナ4を燃焼させるために必要な公知の部品が夫々格納されている。また、両支持板14の間には、筐体13の下端から下方に間隔を置いて汁受皿3がY軸方向に抜き差し自在に収納されている。なお、図1中の符号16は、各支持板14の間を橋渡すように取り付けられる断熱板であり、また、図3中の符号17は、汁受皿3の支持台である。そして、側壁13a,13aに夫々設けた透孔(図示せず)に挿通させてバーナ4が設けられている。
【0016】
バーナ4は、X軸方向に長手の直管部4a,4aをY軸方向に間隔を置いて2本並設した管状バーナである。筐体13内に位置して開口11を臨む各直管部4a,4aの部分には、上向きに開口する炎孔41がX軸方向に間隔を存して多数形成されている。X軸方向一方の側壁13aと支持板14とを通して一方の格納箱15内に突出する各直管部4a,4aの一端には、特に図示して説明しないが、ノズルが夫々嵌着され、各直管部4a,4aにノズルを介して水素を供給し、炎孔41から噴出する水素を拡散燃焼させるようにしている。各直管部4a,4aの上方には、側壁13a,13aに夫々支持させて上方に凸の円弧状に湾曲した赤外線放射部材5,5が設けられ、各炎孔41から噴出する水素ガスの燃焼で形成される火炎により赤外線放射部材5,5を加熱赤熱させることで、赤外線放射部材5,5から放射される赤外線により焼き網2に載置される食材(図示せず)が焼物調理される。そのとき、水素を燃焼させた水素燃焼ガスが赤外線放射部材5,5の下から溢れ出て上昇し、焼き網2に載置される食材の加熱に寄与すると共に、水素燃焼ガスの食材への接触によって脂分や塩分を流し落とすことができる。
【0017】
ここで、水素ガスはその燃焼速度が速く、燃焼不良になり難いという特性を持つ。そのため、水素を燃焼させた火炎に水分が触れても火炎の燃焼安定性が高い。そこで、本実施形態では、焼き網2の下方に水分を放出する水分放出手段6を設けた。水分放出手段6は、直管部4a,4aの下方に配置される水分放出部としての放出管61と、放出管61の連結される連結管62と、連結管62にホース63aを介して接続される加湿器63とを備える。放出管61は、各直管部4aの間を下方へと投影した面上に位置するように配置され、そのX軸方向両端が側壁13a,13aに突設した支持片13b,13bで支持されている。放出管61にはまた、上向きに開口するX軸方向に長手の放出孔61aと、下向きに開口する水抜き孔61bとが夫々形成され、水抜き孔61bにより放出管61内で結露した水が汁受皿3にたれ落ちるようにしている。連結管62は、その一端が放出管61のX軸方向中央部にて横向きに開口する連結孔61cに挿入され、その他端が後述の第1導流板部を挿通して外方に突出している。なお、加湿器63としては、既存のものが利用できるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0018】
筐体13内には、水素ガスの燃焼で形成される火炎に向けて放出管61の放出孔61aから放出される水分を導く導流板7が配置されている。導流板7は、各直管部4aのY軸方向両側で上下方向に夫々のびる第1導流板部71と、放出管61の上方に間隔を存して配置される第2導流板部72とを有する。第1導流板部71は、その上端がバーナ4,4と赤外線放射部材5,5との間に位置し、その下端が放出管61の放出孔61aの下方までのびて支持片13b,13bに達するように形成されている。第2導流板部72は、平面視矩形の輪郭を有し、Y軸方向の両辺が第1導流板部71から所定距離離れ、第2導流板部72のY軸方向両端が側壁13a,13aに夫々固定されている。これにより、放出管61の放出孔61aから放出される水分が第2導流板部72の下面に衝突して拡散し、この拡散したものが第1導流板部71に沿って案内されることで、水分を確実に火炎に向けて供給することができる。しかも、調理時には、第2導流板部72が食材から生ずる油などが放出管61に付着することを防止できる。
【0019】
以上の焼物調理装置GRによれば、焼き網2の下方に水分を放出する放出管61を設けたため、調理中には、水素燃焼ガスの食材への接触による脂分や塩分の流し落とし効果に、放出管61からの水分の食材への接触による脂分や塩分の流し落とし効果や、水蒸気が火炎で加熱されることで食材に浸透し易くなる効果が加わることで、余分の脂分や塩分の流し落とし効果を更に向上させることができる。また、調理中には、食材に水分が常時供給された状態になることで食材の炭化速度を低下させることができる。これにより、焼物調理を行う際により繊細に食材の調理状態を調整することが可能になる。しかも、食材から生ずる炭化物も減少することで、焼き網2に炭化物が付着する量も減少し、清掃の頻度及び負担を低減することができる。
【0020】
次に、図4を参照して、他の実施形態の焼物調理装置GRについて説明する。図4においては、上記実施形態と同様の部材、部位には上記と同一の符号を付している。焼物調理装置GRは、バーナ4の燃焼により生ずる廃熱を有効利用し、加湿器63を用いることなく、水分を供給できる構成を有している。具体的には、筐体13内には、上記実施形態と同様に、水素ガスの燃焼で形成される火炎に向けて水分を導く第1の導流板70が設けられている。第1の導流板70の下端には、Y軸方向に屈曲させたフランジ部70aが形成され、フランジ部70aには、熱伝導の良い金属製の板材を略直方体状に成形して構成される伝熱体8が接合されている。
【0021】
伝熱体8のY軸方向の外側面は筐体13の壁面に接合され、Y軸方向内側面には水分放出手段60の放出管610,610が夫々連結されている。この場合、筐体13の内壁面には、赤外線放射部材5,5の上方までのびる受熱板部81が連結され、燃料時にバーナ4からの受熱面積が増加するようにしている。また、放出管610,610は、筐体13内に位置する各直管部4a,4aの部分の直下に夫々位置させて2本設けられている。この場合、放出管610,610には、上記実施形態とは異なり、放出孔610aが夫々形成されているが、水抜き孔が形成されておらず、調理前に貯水可能となっている。そして、調理中には、筐体13や第1の導流板70からの伝熱で放出管610,610に貯水された水が夫々加熱可能となっている。
【0022】
以上の焼物調理装置GRによれば、バーナ4の燃焼により生ずる廃熱を有効利用して水分を火炎に向けて供給することができる。しかも、放出管610,610を直管部4a,4aの部分の直下に位置させたことで、部品を追加することなく、食材から生ずる油などが放出管610,610に付着することを防止することができる。なお、焼き網2もまた、調理中には加熱されることから、放出管610,610を焼き網2に伝熱可能に接続するようにしてもよい。
【0023】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない限り、種々の変形が可能である。上記焼物調理装置GRでは、バーナ4の下方に放出管61を配置して、加湿器63により放出管61に水蒸気を供給するものを例に説明したが、焼き網2の下方に水分を放出できるものであれば、これに限定されるものではない。例えば、公知のボイラで発生する湯気を放出管61に供給するようにしてもよく、また、バーナ4,4と赤外線放射部材5,5との間の空間を臨む筐体13の側壁に水分放出部を設けて、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方から火炎に向けて水分を供給するようにしてもよい。
【0024】
また、上記焼物調理装置GR,GRでは、バーナ4として、独立した2本の直管部4a,4aを有するものを例に説明したが、これに限定されるものではない。直管部4a,4aの数は3以上とすることができ、また、各直管部4a,4aの一端を互いに連結したものや、円形の輪郭を持つバーナにも本発明は適用することができる。また、食材載置部として焼き網2を用いるものを例に説明したが、上下方向に貫通するスリット孔が形成される金属プレートで食材載置部を構成することもできる。
【符号の説明】
【0025】
GR,GR…焼物調理装置、13…筐体、2…焼き網(食材載置部)、4…バーナ、4a…直管部、41…炎孔、6,60…水分放出手段、61,610…放出管(水分放出部)、7…導流板、71…第1導流板、72…第2導流板。

図1
図2
図3
図4