(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158440
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス用ホルダ
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20241031BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20241031BHJP
F16B 5/12 20060101ALI20241031BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20241031BHJP
F16B 19/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02G3/30
B60R16/02 623D
F16B5/12 K
F16B5/10 C
F16B19/00 J
F16B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073647
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 慶恭
(72)【発明者】
【氏名】安藤 大吾
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 雅士
(72)【発明者】
【氏名】白木 貴士
(72)【発明者】
【氏名】栗田 真通
【テーマコード(参考)】
3J001
3J036
5G363
【Fターム(参考)】
3J001FA19
3J001JC02
3J001JC06
3J001JD15
3J036AA03
3J036DA03
3J036DA12
3J036DB04
3J036DB05
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】異なる場所にワイヤハーネス用ホルダを取り付ける場合でも、同じ形状のものを用いることができるワイヤハーネス用ホルダを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス用ホルダ100は、車両に配索されるワイヤハーネスを保持するホルダ100であって、車両に取り付けられるベース部10と、ベース部10に取り付けられるとともにワイヤハーネスを保持する保持部20と、を備え、ベース部10は、車両に設けられた取付孔に挿入される取付部12と、保持部20が固定される第1固定部19と、を備え、保持部20は、第1固定部19に固定される第2固定部25を備え、第1固定部19は、ベース部10において複数設けられており、第2固定部25は、複数の第1固定部19のいずれか1つに対して選択的に固定可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に配索されるワイヤハーネスを保持するホルダであって、
前記車両に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に取り付けられるとともに前記ワイヤハーネスを保持する保持部と、
を備え、
前記ベース部は、前記車両に設けられた取付孔に挿入される取付部と、前記保持部が固定される第1固定部と、を備え、
前記保持部は、前記第1固定部に固定される第2固定部を備え、
前記第1固定部は、前記ベース部において複数設けられており、
前記第2固定部は、複数の前記第1固定部のいずれか1つに対して選択的に固定可能である、
ワイヤハーネス用ホルダ。
【請求項2】
前記ベース部と、前記保持部と、を接続する接続部を備え、
前記接続部は、可撓性を有しており、前記ベース部及び前記保持部と一体に形成される、
請求項1に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【請求項3】
前記ベース部は、直線状に延びるレール部を備え、
前記レール部は、前記第1固定部に隣接しており、
前記レール部が延びる方向を延伸方向とすると、
前記保持部は、前記レール部に嵌合した状態で前記延伸方向にスライド可能な嵌合部を備え、
前記第2固定部は、前記ベース部において、前記嵌合部が前記延伸方向にスライドしたときに前記第1固定部が位置する部分に設けられている、
請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【請求項4】
前記ベース部の前記レール部と、前記保持部の前記嵌合部と、が嵌合した状態において、
前記嵌合部は、前記ベース部に向かって延びる第1部分と、前記第1部分の先端から前記延伸方向及び前記第1部分の延びる方向の両方に直交する方向に向かって屈曲する第2部分と、を備え、
前記レール部は、前記延伸方向に延びるとともに当該延伸方向に沿って対向する一対の側壁を備え、
一対の前記側壁のうち一方の前記側壁の先端には、他方の前記側壁に向かって屈曲するとともに前記第2部分に引っ掛かる屈曲部が設けられている、
請求項3に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【請求項5】
前記レール部には、ストッパが設けられており、
前記保持部には、前記ベース部の前記レール部と、前記保持部の前記嵌合部と、が嵌合した状態において、前記ストッパに接触する接触部が設けられており、
前記嵌合部が前記延伸方向に沿ってスライドして前記レール部に嵌合した後に、前記接触部が前記ストッパに接触することで前記嵌合部のスライドが規制されるよう構成される、
請求項3に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス用ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給電用のハーネスクランプが開示されている。ハーネスクランプは、車両のボディからスライドドアにわたって配索されるワイヤハーネスを保持している。また、ハーネスクランプは、車両のボディにおける車幅方向の左右両側の乗降口の下部に1つずつ取り付けられる。2つのハーネスクランプは、互いに左右対称の形状である。すなわち、2つのハーネスクランプの形状は、異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したハーネスクランプでは、ハーネスクランプを取り付ける場所によって異なる形状のハーネスクランプを用いる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのワイヤハーネス用ホルダの各態様を記載する。
[態様1]車両に配索されるワイヤハーネスを保持するホルダであって、前記車両に取り付けられるベース部と、前記ベース部に取り付けられるとともに前記ワイヤハーネスを保持する保持部と、を備え、前記ベース部は、前記車両に設けられた取付孔に挿入される取付部と、前記保持部が固定される第1固定部と、を備え、前記保持部は、前記第1固定部に固定される第2固定部を備え、前記第1固定部は、前記ベース部において複数設けられており、前記第2固定部は、複数の前記第1固定部のいずれか1つに対して選択的に固定可能である、ワイヤハーネス用ホルダ。
【0006】
上記構成によれば、ワイヤハーネス用ホルダを取り付ける場所によって、作業者が第2固定部を固定させる第1固定部を選択できる。したがって、異なる場所にワイヤハーネス用ホルダを取り付ける場合でも、同じ形状のワイヤハーネス用ホルダを用いることができる。
【0007】
[態様2]前記ベース部と、前記保持部と、を接続する接続部を備え、前記接続部は、可撓性を有しており、前記ベース部及び前記保持部と一体に形成される、[態様1]に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【0008】
上記構成によれば、ワイヤハーネス用ホルダを車両に取り付ける際に、作業者が誤って保持部から手を放してしまっても、接続部を介して保持部がベース部に接続されているため、保持部の落下を抑制できる。したがって、ワイヤハーネス用ホルダの取付作業の効率を上げることができる。
【0009】
[態様3]前記ベース部は、直線状に延びるレール部を備え、前記レール部は、前記第1固定部に隣接しており、前記保持部は、前記レール部に嵌合した状態で前記レール部の延伸方向にスライド可能な嵌合部を備え、前記第2固定部は、前記ベース部において、前記嵌合部が前記延伸方向にスライドしたときに前記第1固定部が位置する部分に設けられている、[態様1]または[態様2]に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【0010】
上記構成によれば、嵌合部がレール部に嵌合することで、保持部がレール部の延伸方向に直交する方向にずれにくい。したがって、より強固に保持部をベース部に取り付けることが可能であり、ガタつきを効果的に抑制できる。
【0011】
[態様4]前記ベース部の前記レール部と、前記保持部の前記嵌合部と、が嵌合した状態において、前記嵌合部は、前記ベース部に向かって延びる第1部分と、前記第1部分の先端から前記延伸方向及び前記第1部分の延びる方向の両方に直交する方向に向かって屈曲する第2部分と、を備え、前記レール部は、前記延伸方向に延びるとともに当該延伸方向に沿って対向する一対の側壁を備え、一対の前記側壁のうち一方の前記側壁の先端には、他方の前記側壁に向かって屈曲するとともに前記第2部分に引っ掛かる屈曲部が設けられている、[態様3]に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【0012】
上記構成によれば、嵌合部の第2部分とレール部の屈曲部とが引っ掛かることで、保持部が第1部分の延びる方向にずれにくい。したがって、より強固に保持部をベース部に取り付けることができる。
【0013】
[態様5]前記レール部には、ストッパが設けられており、前記保持部には、前記ベース部の前記レール部と、前記保持部の前記嵌合部と、が嵌合した状態において、前記ストッパに接触する接触部が設けられており、前記嵌合部が前記延伸方向に沿ってスライドして前記レール部に嵌合した後に、前記接触部が前記ストッパに接触することで前記嵌合部のスライドが規制されるよう構成される、[態様3]または[態様4]に記載のワイヤハーネス用ホルダ。
【0014】
上記構成によれば、嵌合部がレール部に嵌合した後に、保持部がレール部の延伸方向にずれにくい。したがって、より強固に保持部をベース部に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、異なる場所にワイヤハーネス用ホルダを取り付ける場合でも、同じ形状のワイヤハーネス用ホルダを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るワイヤハーネス及びホルダの斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る取外状態におけるホルダの斜視図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る取外状態におけるベース部の斜視図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る取外状態における保持部の斜視図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る嵌合部を幅方向の一側のレール部に嵌合させたホルダの斜視図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る嵌合部を幅方向の他側のレール部に嵌合させたホルダの斜視図である。
【
図8】
図8は、同実施形態に係る取外状態におけるホルダの正面図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係るホルダを取外状態から取付状態に変位させる過程を示す正面図である。
【
図10】
図10は、同実施形態に係る取付状態におけるホルダの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図13を参照して、一実施形態について説明する。
図1に示すように、ワイヤハーネス用ホルダ100(以下、ホルダ100という)は、車両に配索されるワイヤハーネス40を保持するとともに車両のボディ50に設けられた取付孔51に取り付けられる。
【0018】
ワイヤハーネス40は、複数の電線を含む電線群41と、電線群41の外周を覆う筒状部材42と、コネクタ43とを備える。電線群41の先端部分は筒状部材42に覆われておらず、露出している。電線群41の先端は、コネクタ43に接続されている。コネクタ43には、図示しない他のワイヤハーネスが接続される。
【0019】
図1及び
図2に示すように、ホルダ100は、ボディ50に取り付けられるベース部10と、ワイヤハーネス40を保持するとともにベース部10に対して脱着可能な保持部20と、ベース部10及び保持部20を接続する接続部30とを備える。保持部20は、ベース部10において接続部30の接続箇所とは異なる箇所でベース部10に対して脱着可能に構成されている。ベース部10、保持部20、及び接続部30は、樹脂製である。
【0020】
以下、保持部20がベース部10から取り外された状態(以下、取外状態という)における各構成の説明をする。
<ベース部10>
図1~
図3に示すように、ベース部10は、ベース本体11と、ボディ50の取付孔51に挿入される取付部12と、2つのレール部14と、保持部20が固定される2つの第1固定部19とを備える。
【0021】
(ベース本体11)
ベース本体11は、板状の部材である。なお、以降において、ベース本体11は長手方向Lと、長手方向Lに直交する幅方向Wに延びているものとする。また、長手方向L及び幅方向Wに直交する方向を高さ方向Zとする。
【0022】
(取付部12)
取付部12は、ベース本体11における長手方向Lの一側(
図3の右側)に設けられている。そして、取付部12は、ベース本体11から高さ方向Zの一側(
図3の下側)に突出している。取付部12は、取付孔51に引っ掛かる爪部13を備える。爪部13は、取付部12における幅方向Wの両側に設けられている。
【0023】
(レール部14)
図3に示すように、2つのレール部14は、ベース本体11における長手方向Lの他側(
図3の左側)に設けられている。
【0024】
図2に示すように、2つのレール部14は、ベース本体11における幅方向Wの中心線Cから幅方向Wの一側(
図2の左側)及び他側(
図2の右側)に直線状に延びている。2つのレール部14は、中心線Cを含み、幅方向Wに対して直交する仮想平面を基準とする面対称の形状を有している。このため、幅方向Wの一側のレール部14の説明をすることで、幅方向Wの他側のレール部14の説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、レール部14は、幅方向Wに延びるとともに長手方向Lの一側及び他側において対向する一対の側壁を備える。以降において、長手方向Lの一側の側壁を第1側壁15とし、長手方向Lの他側の側壁を第2側壁17とする。
【0026】
図2に示すように、第1側壁15における幅方向Wの他側の先端には、高さ方向Zの他側(
図3の上側)に突出するストッパ16が設けられている。
図3に示すように、第2側壁17における高さ方向Zの他側の先端には、第1側壁15に向かって屈曲する屈曲部18が設けられている。
【0027】
(第1固定部19)
図2に示すように、2つの第1固定部19は、幅方向Wの一側のレール部14における幅方向Wの一側の先端と、幅方向Wの他側のレール部14における幅方向Wの他側の先端にそれぞれ隣接している。2つの第1固定部19は、上記仮想平面に対して面対称であるため、幅方向Wの一側の第1固定部19の説明をすることで、幅方向Wの他側の第1固定部19の説明を省略する。
【0028】
図3に示すように、第1固定部19は、第1側壁15の長手方向Lの一側に位置している。
図2に示すように、第1固定部19は、ベース本体11から高さ方向Zの他側に突出するアーチ形状をなしている。すなわち、第1固定部19は、長手方向Lに貫通する固定孔19aを有する。
【0029】
<保持部20>
図1、
図2、及び
図5に示すように、保持部20は、コネクタ43が固定されるコネクタ固定部21と、2つの第1固定部19に固定される2つの第2固定部25と、2つのレール部14に嵌合する2つの嵌合部26と、接触部29とを備える。
【0030】
(コネクタ固定部21)
図2に示すように、コネクタ固定部21は、第1壁22、第2壁23、及び第3壁24を備える。第1壁22は、コネクタ固定部21における長手方向Lの一側に位置するとともに幅方向W及び高さ方向Zに延びている。第1壁22には、複数のスリット22aが高さ方向Zに沿って設けられている。スリット22aにワイヤハーネス40のコネクタ43が嵌合することで、ワイヤハーネス40が保持部20に保持される。第2壁23は、第1壁22の幅方向Wの一側から長手方向Lの他側に延びている。第3壁24は、第1壁22の幅方向Wの他側から長手方向Lの他側に延びている。
【0031】
(接触部29)
コネクタ固定部21の高さ方向Zの一側の部分には、接触部29が形成されている。接触部29は、高さ方向Zの一側に向かうにつれて幅方向Wにおける大きさが小さくなる。
【0032】
(第2固定部25)
接触部29の幅方向Wの両側には、それぞれ第2固定部25が設けられている。第2固定部25は、高さ方向Zの他側ほど長手方向Lの一側に突出する爪形状である。
【0033】
(嵌合部26)
図4に示すように、2つの嵌合部26は、接触部29の幅方向Wの両端に沿って設けられる。すなわち、2つの嵌合部26は、高さ方向Zの一側に延びるにつれて幅方向Wにおいて互いに近づく。
【0034】
なお、
図5及び
図6に示すように、幅方向Wの一側の嵌合部26は、幅方向Wの一側のレール部14に嵌合し、幅方向Wの他側の嵌合部26は、幅方向Wの他側のレール部14に嵌合可能に構成されている。
【0035】
また、
図2に示すように、嵌合部26は、接触部29よりも長手方向Lの他側に位置している。
図5及び
図6に示すように、保持部20がベース部10に取り付けられた状態(以下、取付状態という)における嵌合部26の説明をする。
【0036】
図5に示すように、幅方向Wの一側の嵌合部26が幅方向Wの一側のレール部14に嵌合する場合の取付状態について説明する。そして、保持部20は、上記仮想平面に対して面対称であるため、
図6に示すように、幅方向Wの他側の嵌合部26が幅方向Wの他側のレール部14に嵌合する場合の取付状態の説明は省略する。
【0037】
図7に示すように、嵌合部26は、ベース本体11に向かって延びる第1部分27と、第1部分27の先端から長手方向Lの他側に向かって屈曲する第2部分28とを備える。レール部14の屈曲部18が嵌合部26の第2部分28の高さ方向Zの他側に位置することで、屈曲部18が第2部分28に引っ掛かっている。
【0038】
<接続部30>
図2、
図5、及び
図6に示すように、接続部30は、可撓性を有する棒状の部材である。接続部30は、ベース部10及び保持部20と一体に形成されている。詳しくは、接続部30の基端31はベース部10における2つのレール部14の間の部分に接続されている。また、接続部30の先端32は保持部20における2つの嵌合部26の間に接続されている。
【0039】
なお、本実施形態における幅方向Wが、「課題を解決するための手段」に記載の延伸方向に対応する。
本実施形態の作用について説明する。
【0040】
図5~
図10を用いて、ホルダ100を取外状態から取付状態にする手順及び取付状態におけるホルダ100について説明する。
最初に、
図8の矢印Aに示すように、取外状態における保持部20を接続部30の基端31を中心にして幅方向Wの一側に回転させる。
【0041】
次に、
図9の矢印Bに示すように、保持部20を幅方向Wの他側にスライドさせる。スライドに伴って、接続部30が撓む。
このとき、
図7に示すように、嵌合部26がレール部14に嵌合した状態で保持部20をスライドさせる。
【0042】
そして、
図10に示すように、ベース部10の第1固定部19の固定孔19aに保持部20の第2固定部25が嵌合することで、保持部20がベース部10に固定される。また、ベース部10のストッパ16に保持部20の接触部29が接触することで嵌合部26のスライドが規制される。
【0043】
なお、ホルダ100は、上記仮想平面に対して面対称であるため、幅方向Wの他側の嵌合部26を幅方向Wの他側のレール部14に嵌合させることで保持部20をベース部10に取り付ける手順についても同様である。
【0044】
本実施形態の効果について説明する。
(1)
図5及び
図6に示すように、第2固定部25は、2つの第1固定部19のいずれかに対して選択的に固定可能である。したがって、ボディ50の他の場所にホルダ100を取り付ける場合でも、同じホルダ100を用いることができる。
【0045】
(2)接続部30は、ベース部10及び保持部20と一体に形成される。
同構成によれば、ホルダ100の取付作業中に保持部20が落下することを抑制できる。
【0046】
(3)嵌合部26は、レール部14に嵌合した状態で幅方向Wにスライド可能に構成されている。そして、第2固定部25は、ベース部10において、嵌合部26が幅方向Wにスライドしたときに第1固定部19が位置する部分に設けられている。
【0047】
同構成によれば、保持部20が長手方向Lにずれにくい。したがって、より強固に保持部20をベース部10に取り付けることができる。
(4)嵌合部26は、第2部分28を備える。レール部14は、第2部分28に引っ掛かる屈曲部18を備える。
【0048】
同構成によれば、保持部20が高さ方向Zにずれにくい。したがって、より強固に保持部20をベース部10に取り付けることができる。
(5)レール部14には、ストッパ16が設けられている。保持部20には、接触部29が設けられている。ホルダ100は、嵌合部26が幅方向Wに沿ってスライドしてレール部14に嵌合した後に、接触部29がストッパ16に接触することで嵌合部26のスライドが規制されるよう構成されている。
【0049】
同構成によれば、嵌合部26がレール部14に嵌合した後に、保持部20が幅方向Wにずれにくい。したがって、より強固に保持部20をベース部10に取り付けることができる。
【0050】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0051】
・ワイヤハーネス40は、複数の電線を含むものに限定されず、1本の電線を含んでいてもよい。
・幅方向Wの一側のレール部14について、取付状態において接触部29がストッパ16に接触することで保持部20のスライドが規制されれば、ストッパ16が設けられる位置は、第1側壁15における幅方向Wの他側の端部に限定されない。例えば、ストッパ16を第1側壁15における幅方向Wの一側にずらしてもよい。また、幅方向Wの他側のレール部14についても同様である。
【0052】
・接触部29及びストッパ16を省略してもよい。
・第2部分28を第1部分27の先端から長手方向Lの一側に屈曲させてもよい。これに伴って、屈曲部18を第1側壁15における高さ方向Zの他側の先端から長手方向Lの他側に屈曲するように設けてもよい。
【0053】
・レール部14は、一対の側壁を備えるものに限定されない。例えば、
図13に示すように、レール部14が高さ方向Zの他側に突出するとともに、当該他側の端部が長手方向Lに広がる形状であり、嵌合部26が当該端部を長手方向Lの両側から保持する形状でもよい。
【0054】
・レール部14の数は2つに限定されない。例えば、
図11に示すように、接続部30の基端31を中心として、長手方向Lに対称にレール部14を2つ追加してもよい。なお、
図11は、ホルダ100の各構成を模式的に表現している。
【0055】
・レール部14は、幅方向Wに延びる形状に限定されない。例えば、
図12に示すように、幅方向Wの一側のレール部14を、幅方向Wの一側から長手方向Lの一側に向かって延びる形状にして、幅方向Wの他側のレール部14を、幅方向Wの他側から長手方向Lの一側に向かって延びる形状にしてもよい。なお、
図12は、ホルダ100の各構成を模式的に表現している。
【0056】
・レール部14及び嵌合部26を省略してもよい。
・取付状態において幅方向Wの一側の第1固定部19と第2固定部25とが固定されれば、第1固定部19は、レール部14の幅方向Wの一側の端部に隣接しなくてもよい。例えば、第1固定部19を第1側壁15における幅方向Wの他側にずらしてもよい。また、幅方向Wの他側の第1固定部19についても同様である。
【0057】
・接続部30を省略して、ベース部10と保持部20とを別体に形成してもよい。また、この場合、ベース部10及び保持部20は、樹脂製に限定されず、例えば、金属製であってもよい。
【0058】
・レール部14及び第1固定部19は、上記仮想平面に対して面対称でなくてもよい。例えば、幅方向Wの他側のレール部14が、長手方向Lに沿って設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…ベース部
11…ベース本体
12…取付部
13…爪部
14…レール部
15…第1側壁(側壁)
16…ストッパ
17…第2側壁(側壁)
18…屈曲部
19…第1固定部
19a…固定孔
20…保持部
21…コネクタ固定部
22…第1壁
22a…スリット
23…第2壁
24…第3壁
25…第2固定部
26…嵌合部
27…第1部分
28…第2部分
29…接触部
30…接続部
31…基端
32…先端
40…ワイヤハーネス
41…電線群
42…筒状部材
43…コネクタ
50…ボディ
51…取付孔
100…ホルダ(ワイヤハーネス用ホルダ)
C…中心線