特開 2024-158441 ワイヤハーネスの取付構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024158441

(43)【公開日】2024-11-08

(54)【発明の名称】ワイヤハーネスの取付構造

(51)【国際特許分類】

   H01R 13/585 20060101AFI20241031BHJP

   H02G 3/16 20060101ALI20241031BHJP

   H02G 3/14 20060101ALI20241031BHJP

   H05K 7/00 20060101ALI20241031BHJP

   H01R 11/12 20060101ALI20241031BHJP

【ＦＩ】

H01R13/585

H02G3/16

H02G3/14

H05K7/00 L

H01R11/12 D

H01R11/12 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023073648

(22)【出願日】2023-04-27

(71)【出願人】

【識別番号】000110321

【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社

(71)【出願人】

【識別番号】000183406

【氏名又は名称】住友電装株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(72)【発明者】

【氏名】真木 紀一

(72)【発明者】

【氏名】村瀬 慶恭

(72)【発明者】

【氏名】岡本 陽介

(72)【発明者】

【氏名】前川 貴宏

【テーマコード（参考）】

4E352

5E021

5G361

【Ｆターム（参考）】

4E352AA09

4E352AA18

4E352BB02

4E352BB10

4E352BB15

4E352CC04

4E352CC07

4E352CC12

4E352CC52

4E352CC53

4E352DD05

4E352DR02

4E352DR13

4E352DR25

4E352DR33

4E352DR37

4E352DR38

4E352DR50

4E352GG12

4E352GG18

4E352GG20

5E021FA02

5E021FC32

5E021GA05

5G361AA06

5G361AB12

5G361AC13

5G361AD01

5G361BA06

5G361BB01

5G361BC01

(57)【要約】

【課題】取付作業の効率を上げることができるワイヤハーネスの取付構造を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス１０の取付構造は、ワイヤハーネス１０を取付対象に取り付ける構造であって、ワイヤハーネス１０は、ワイヤハーネス本体１１と、ワイヤハーネス本体１１の端部に設けられるとともに取付対象に取り付けられる挿通部１６を有する端子１５と、を備え、取付対象は、ワイヤハーネス本体１１を保持する保持部と、端子１５の挿通部１６に挿通されることで端子１５と電気的に接続される軸部５１と、を備え、保持部は、ワイヤハーネス本体１１が接触する傾斜面４１を備え、ワイヤハーネス１０の延伸方向Ｌにおける傾斜面４１の両端部のうち、軸部５１から遠い端部４３は、軸部５１に近い端部４２に対して軸部５１の突出方向と反対側に位置する。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ワイヤハーネスを取付対象に取り付けるワイヤハーネスの取付構造であって、
前記ワイヤハーネスは、ワイヤハーネス本体と、前記ワイヤハーネス本体の端部に設けられるとともに前記取付対象に取り付けられる挿通部を有する端子と、を備え、
前記取付対象は、前記ワイヤハーネス本体を保持する保持部と、前記端子の前記挿通部に挿通されることで当該端子と電気的に接続される軸部と、を備え、
前記保持部は、前記ワイヤハーネス本体が接触する傾斜面を備え、
前記ワイヤハーネスの延伸方向における前記傾斜面の両端部のうち、前記軸部から遠い端部は、前記軸部に近い端部に対して前記軸部の突出方向と反対側に位置する、
ワイヤハーネスの取付構造。

【請求項2】

前記保持部は、隙間を有して対向する一対の側壁を備え、
前記隙間に前記ワイヤハーネス本体が配索され、
前記隙間は、前記軸部から遠ざかるほど大きい、
請求項１に記載のワイヤハーネスの取付構造。

【請求項3】

前記ワイヤハーネス本体は、径が部分的に大きい凸部を備え、
前記取付対象は、前記凸部に嵌合する嵌合部を備える、
請求項１または請求項２に記載のワイヤハーネスの取付構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ワイヤハーネスの取付構造に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、車両に搭載される電気接続箱及びワイヤハーネスが開示されている。
電気接続箱は、ワイヤハーネスが接続されるスタッドボルトと、ワイヤハーネスを電気接続箱の外部に導出する配索材導出部とを備える。また、配索材導出部は、ワイヤハーネスを略水平に通すことができる向きに形成されている。

【0003】

ワイヤハーネスの端部には、スタッドボルトに接続されるＬＡ端子（丸形端子）が設けられている。
ＬＡ端子をスタッドボルトに接続する際には、まず、ＬＡ端子にスタッドボルトを挿通することでワイヤハーネスを配索材導出部に仮置きする。その後、スタッドボルトにナットを取り付けることでＬＡ端子をスタッドボルトに締結する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０２１－４８７３６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

配索の状態によっては、ワイヤハーネスは、スタッドボルトの突出方向とは反対側に曲げられる場合がある。この場合、以下のような問題が生じる。すなわち、ワイヤハーネスを配索材導出部に仮置きしている状態では、ワイヤハーネスが、ワイヤハーネスと配索材導出部との接触箇所を支点としてＬＡ端子がスタッドボルトの先端から抜けるように回転する。その結果、ワイヤハーネスの仮置きを維持できなくなる。これにより、ワイヤハーネスの取付作業の効率が下がる。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するためのワイヤハーネスの取付構造の各態様を記載する。
［態様１］ワイヤハーネスを取付対象に取り付けるワイヤハーネスの取付構造であって、前記ワイヤハーネスは、ワイヤハーネス本体と、前記ワイヤハーネス本体の端部に設けられるとともに前記取付対象に取り付けられる挿通部を有する端子と、を備え、前記取付対象は、前記ワイヤハーネス本体を保持する保持部と、前記端子の前記挿通部に挿通されることで当該端子と電気的に接続される軸部と、を備え、前記保持部は、前記ワイヤハーネス本体が接触する傾斜面を備え、前記ワイヤハーネスの延伸方向における前記傾斜面の両端部のうち、前記軸部から遠い端部は、前記軸部に近い端部に対して前記軸部の突出方向と反対側に位置する、ワイヤハーネスの取付構造。

【0007】

上記構成によれば、ワイヤハーネスが取付対象に取り付けられている状態において、ワイヤハーネス本体が軸部の突出方向とは反対方向に曲がった場合、以下のような作用効果を奏する。すなわち、ワイヤハーネスの剛性によって、ワイヤハーネスは傾斜面における軸部側の端部を支点として、端子が軸部の先端から抜けるように回転する。要するに、保持部においてワイヤハーネス本体が接触する面が傾斜していない場合と比較して、端子の回転の軌跡である円弧の曲率半径が小さくなる。したがって、端子が回転したときに端子が軸部に引っ掛かりやすくなる。このため、端子が軸部の先端から抜けにくい。その結果、ワイヤハーネスの取付作業の効率が上がる。

【0008】

［態様２］前記保持部は、隙間を有して対向する一対の側壁を備え、前記隙間に前記ワイヤハーネス本体が配索され、前記隙間は、前記軸部から遠ざかるほど大きい、［態様１］に記載のワイヤハーネスの取付構造。

【0009】

上記構成によれば、ワイヤハーネス本体が突出方向に対して直交する方向に曲がったとしても、ワイヤハーネス本体が側壁に接触しにくい。したがって、側壁に接触したワイヤハーネス本体がさらに曲がることによって、ワイヤハーネス本体における、側壁との接触部分と非接触部分との境目の箇所でワイヤハーネス本体が折れ曲がるといった状況が生じにくい。その結果、ワイヤハーネス本体に負荷がかかることを抑制できる。

【0010】

さらに、同構成によれば、軸部から遠ざかるほど隙間が大きくなることで、ワイヤハーネス本体を隙間に配索しやすい。したがって、ワイヤハーネスの取付作業の効率が上がる。

【0011】

［態様３］前記ワイヤハーネス本体は、径が部分的に大きい凸部を備え、前記取付対象は、前記凸部に嵌合する嵌合部を備える、［態様１］または［態様２］に記載のワイヤハーネスの取付構造。

【0012】

上記構成によれば、ワイヤハーネス本体の凸部に嵌合部を嵌合させることで、ワイヤハーネスを正確に位置決めできる。

【発明の効果】

【0013】

本発明によれば、ワイヤハーネスの取付作業の効率を上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】図１は、一実施形態に係る取付状態におけるワイヤハーネス及び取付対象の斜視図である。

【図2】図２は、同実施形態に係るワイヤハーネス及び取付対象の分解斜視図である。

【図3】図３は、同実施形態に係る取付状態におけるワイヤハーネス及び取付対象の平面図である。

【図4】図４は、図２の４－４線に沿った断面図である。

【図5】図５は、図３の５－５線に沿った断面図である。

【図6】図６は、比較例に係る図３の５－５線に沿った断面図である。

【図7】図７は、変更例に係る端子の平面図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、図１～図６を参照して、ワイヤハーネスの取付構造の一実施形態について説明する。
図１に示すように、車両に配索されるワイヤハーネス１０は、車両の取付対象２０に取り付けられる。

【0016】

以下、各構成について説明する。
＜ワイヤハーネス１０＞
図２に示すように、ワイヤハーネス１０は、ワイヤハーネス本体１１と、端子１５とを備える。

【0017】

ワイヤハーネス本体１１は、電線を収容する収容部１２と、収容部１２の外周を覆う外装部材１４とを備える。収容部１２の端部は、外装部材１４に覆われておらず、露出している。収容部１２の端部には、径が部分的に大きい凸部１３が設けられている。

【0018】

端子１５は、収容部１２の端部に設けられる。端子１５には、挿通部としての挿通孔１６が設けられている。
ワイヤハーネス１０の他方の端部は、図示しない電子機器に接続されている。

【0019】

なお、端子１５は、ワイヤハーネス１０における延伸方向Ｌの一側（図２の上側）に設けられているとする。
＜取付対象２０＞
図１～図３に示すように、取付対象２０は、ワイヤハーネス本体１１を保持する保持部４０と、端子１５が接続される接続部５０と、凸部１３が嵌合する嵌合部６０と、保持部４０及び接続部５０を収容するケース部３０とを備える。保持部４０、嵌合部６０、及びケース部３０は、樹脂製である。接続部５０は、金属製である。

【0020】

（ケース部３０）
図２に示すように、ケース部３０は、底部３１と、第１側部３２と、第２側部３３とを備える。以降において、底部３１は、延伸方向Ｌ及び延伸方向Ｌに直交する幅方向Ｗに延びるものとし、延伸方向Ｌ及び幅方向Ｗに直交する方向を高さ方向Ｚとする。

【0021】

第１側部３２は、底部３１における幅方向Ｗの一側（図２の左側）の端部に接続されるとともに高さ方向Ｚの一側（図２の手前側）に延びている。
第２側部３３は、底部３１における幅方向Ｗの他側（図２の右側）の端部に接続されるとともに高さ方向Ｚの一側に延びている。

【0022】

（保持部４０）
保持部４０は、底部３１の延伸方向Ｌの他側（図２の下側）に設けられている。保持部４０は、傾斜面４１と、第１側壁４４と、第２側壁４６とを備える。

【0023】

傾斜面４１は、延伸方向Ｌ及び幅方向Ｗに延びている。
図５に示すように、傾斜面４１の延伸方向Ｌにおける両端部のうち、一側の端部４２は、他側の端部４３に対して高さ方向Ｚの一側に位置する。また、傾斜面４１は、平面である。

【0024】

図２に示すように、第１側壁４４は、傾斜面４１の幅方向Ｗの一側の端部に接続されるとともに延伸方向Ｌ及び高さ方向Ｚの一側に延びている。第１側壁４４における幅方向Ｗの他側の表面には、幅方向Ｗの他側に突出する第１規制部４５が設けられている。第１規制部４５は、延伸方向Ｌに延びている。第１規制部４５は、ワイヤハーネス本体１１の収容部１２の外周に沿って幅方向Ｗの一側に向かって窪んでいる。

【0025】

図３及び図４に示すように、第１規制部４５の延伸方向Ｌの一側の部分は、延伸方向Ｌの他側の部分に対して幅方向Ｗの他側に位置する。なお、図４では、第１側壁４４及び第２側壁４６のみが記載されている。

【0026】

図２に示すように、第２側壁４６は、傾斜面４１の幅方向Ｗの他側の端部に接続されるとともに延伸方向Ｌ及び高さ方向Ｚの一側に延びている。すなわち、第２側壁４６は、幅方向Ｗにおいて第１側壁４４に対向している。第２側壁４６の幅方向Ｗの一側の表面には、幅方向Ｗの一側に突出する第２規制部４７が設けられている。第２規制部４７は、延伸方向Ｌに延びている。第２規制部４７は、ワイヤハーネス本体１１の収容部１２の外周に沿って幅方向Ｗの他側に向かって窪んでいる。

【0027】

図３及び図４に示すように、第２規制部４７の延伸方向Ｌの一側の部分は、延伸方向Ｌの他側の部分に対して幅方向Ｗの一側に位置する。
図４に示すように、第１側壁４４と第２側壁４６との間には、隙間Ｓが設けられている。隙間Ｓは、延伸方向Ｌの他側ほど大きい。

【0028】

（接続部５０）
図２に示すように、接続部５０は、底部３１の延伸方向Ｌの一側に設けられている。接続部５０は、図示しない電子機器に接続されている。接続部５０は、高さ方向Ｚの一側に突出するスタッドボルト５１を備える。

【0029】

（嵌合部６０）
図２及び図３に示すように、嵌合部６０は、第１突部６１及び第２突部６３を備える。第１突部６１及び第２突部６３は、第２側部３３の高さ方向Ｚの一側に設けられるとともに幅方向Ｗの一側に突出している。なお、第１突部６１及び第２突部６３は、延伸方向Ｌにおいて保持部４０と接続部５０との間に位置する。さらに、第１突部６１は、第２突部６３よりも延伸方向Ｌの一側に位置する。

【0030】

第１突部６１の幅方向Ｗの一側の端部には、延伸方向Ｌの他側に屈曲する第１屈曲部６２が設けられている。
第２突部６３の幅方向Ｗの一側の端部には、延伸方向Ｌの一側に屈曲する第２屈曲部６４が設けられている。

【0031】

図１及び図３に示すように、ワイヤハーネス１０が取付対象２０に取り付けられている取付状態では、ワイヤハーネス本体１１の収容部１２が取付対象２０の保持部４０に保持される。詳しくは、第１規制部４５及び第２規制部４７が弾性変形することで、収容部１２が隙間Ｓに入り込む。そして、第１規制部４５及び第２規制部４７によって、収容部１２が保持される。

【0032】

また、図５に示すように、収容部１２は、傾斜面４１の端部４２に接触している。
そして、図１及び図３に示すように、ワイヤハーネス本体１１の凸部１３が第１屈曲部６２と第２屈曲部６４との間に入り込むことで、凸部１３と嵌合部６０とが嵌合する。

【0033】

さらに、端子１５の挿通孔１６にスタッドボルト５１が挿通されるとともに端子１５が接続部５０に接触することで、端子１５と接続部５０とが電気的に接続される。
なお、本実施形態における挿通孔１６が「課題を解決するための手段」に記載の挿通部に対応する。また、本実施形態におけるスタッドボルト５１が「課題を解決するための手段」に記載の軸部に対応する。また、本実施形態における高さ方向Ｚが「課題を解決するための手段」に記載の突出方向に対応する。

【0034】

本実施形態の作用について説明する。
図５に示すように、取付状態において、ワイヤハーネス本体１１が高さ方向Ｚの他側（図５の下側）に曲がった場合、以下のようにワイヤハーネス１０が動く。すなわち、ワイヤハーネス本体１１の剛性によって、ワイヤハーネス１０は幅方向Ｗの一側の端部４２を支点として、端子１５がスタッドボルト５１の先端から抜けるように高さ方向Ｚの一側に回転する。そして、収容部１２が傾斜面４１全体に接触することでワイヤハーネス１０の回転が止まる。

【0035】

なお、直線Ａ１は、回転後の収容部１２及び端子１５における高さ方向Ｚの他側の部分の位置を示す。また、点Ｐ１は、回転前の挿通孔１６の中心の位置を示す。また、点Ｑ１は、回転後の挿通孔１６の中心の位置を示す。そして、円弧Ｂ１は、端部４２を中心として、点Ｐ１及び点Ｑ１を通る円弧であり、挿通孔１６の軌跡を示す。

【0036】

一方で、図６の比較例に示すように、傾斜面４１の延伸方向Ｌにおける両端部が高さ方向Ｚにおいて同じ位置に設けられる場合、ワイヤハーネス１０は、以下のように動く。すなわち、ワイヤハーネス１０は幅方向Ｗの他側の端部４３を支点として、端子１５がスタッドボルト５１の先端から抜けるように高さ方向Ｚの一側に回転する。

【0037】

なお、直線Ａ２は、回転後の収容部１２及び端子１５における高さ方向Ｚの他側の部分の位置を示す。また、点Ｐ２は、回転前の挿通孔１６の中心の位置を示す。また、点Ｑ２は、回転後の挿通孔１６の中心の位置を示す。そして、円弧Ｂ２は、端部４３を中心として、点Ｑ１及び点Ｑ２を通る円弧であり、挿通孔１６の軌跡を示す。

【0038】

ここで、図５及び図６に示すように、本実施形態におけるワイヤハーネス１０の回転の支点となる端部４２は、比較例におけるワイヤハーネス１０の回転の支点となる端部４３よりも回転の作用点となる端子１５の挿通孔１６に近い。すなわち、本実施形態における挿通孔１６の軌跡である円弧Ｂ１の曲率半径Ｒ１は、比較例における挿通孔１６の軌跡である円弧Ｂ２の曲率半径Ｒ２よりも小さい。すなわち、円弧Ｂ１の曲率は、円弧Ｂ２の曲率よりも大きい。したがって、本実施形態における端子１５の挿通孔１６は、比較例における端子１５の挿通孔１６と比較してスタッドボルト５１の突出方向である高さ方向Ｚからずれて延伸方向Ｌの他側に移動しやすい。その結果、本実施形態における端子１５は、比較例における端子１５よりもスタッドボルト５１に引っ掛かりやすい。

【0039】

また、曲率半径Ｒ１は、曲率半径Ｒ２よりも小さいため、本実施形態及び比較例においてワイヤハーネス１０が同じ角度だけ回転した場合、本実施形態における挿通孔１６の軌跡は、比較例における挿通孔１６の軌跡よりも短い。したがって、本実施形態における端子１５は、比較例における端子１５よりもスタッドボルト５１から抜けにくい。

【0040】

加えて、収容部１２及び凸部１３を取付対象２０に取り付ける前に予めスタッドボルト５１を端子１５の挿通孔１６に挿通させることにより、ワイヤハーネス１０を位置決めしやすい。そのため、取付作業の効率が上がる。

【0041】

本実施形態の効果について説明する。
（１）保持部４０は、取付状態において収容部１２が接触する傾斜面４１を備える。傾斜面４１における延伸方向Ｌの他側の端部４３は、延伸方向Ｌの一側の端部４２に対してスタッドボルト５１の突出方向と反対側に位置する。

【0042】

同構成によれば、上記作用を奏することから、端子１５がスタッドボルト５１の先端から抜けにくい。その結果、ワイヤハーネス１０の取付作業の効率が上がる。
（２）隙間Ｓは、スタッドボルト５１から遠ざかるほど大きい。

【0043】

同構成によれば、収容部１２が幅方向Ｗに曲がったとしても、収容部１２が第１側壁４４及び第２側壁４６に接触しにくい。したがって、第１側壁４４及び第２側壁４６に接触した収容部１２がさらに曲がることによって、収容部１２における、第１側壁４４及び第２側壁４６との接触部分と非接触部分との境目の箇所で収容部１２が折れ曲がるといった状況が生じにくい。その結果、収容部１２に負荷がかかることを抑制できる。

【0044】

さらに、同構成によれば、スタッドボルト５１から遠ざかるほど隙間Ｓが大きくなることで、収容部１２を隙間Ｓに配索しやすい。さらに、隙間Ｓは、スタッドボルト５１に近づくほど小さいため、収容部１２は、第１規制部４５及び第２規制部４７における延伸方向Ｌの一側の部分によって保持される。したがって、収容部１２が保持部４０から外れることを抑制できる。以上のことから、ワイヤハーネス１０の取付作業の効率の向上と、ワイヤハーネス１０が保持部４０から外れることの抑制とを両立できる。

【0045】

（３）ワイヤハーネス本体１１は、凸部１３を備える。取付対象２０は、凸部１３に嵌合する嵌合部６０を備える。
同構成によれば、ワイヤハーネス本体１１の凸部１３に嵌合部６０を嵌合させることで、ワイヤハーネス１０を正確に位置決めできる。

【0046】

＜変更例＞
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

【0047】

・傾斜面４１は、平面に限定されず、曲面でもよい。
・ケース部３０の第１側部３２及び第２側部３３を省略してもよい。
・第１屈曲部６２及び第２屈曲部６４を省略して、幅方向Ｗの一側に延びる第１突部６１及び第２突部６３によってワイヤハーネス本体１１の凸部１３を嵌合させてもよい。

【0048】

・嵌合部６０を第１側部３２に設けてもよい。
・凸部１３及び嵌合部６０を省略してもよい。
・第１規制部４５及び第２規制部４７を省略してもよい。

【0049】

・第１規制部４５と第２規制部４７とが延伸方向Ｌにおいて平行でもよい。すなわち、隙間Ｓが、延伸方向Ｌにおいて一定の大きさでもよい。
・第１側壁４４及び第２側壁４６を省略してもよい。

【0050】

・軸部は、スタッドボルト５１に限定されず、棒状の導電性部材であればよい。
・挿通部は、挿通孔１６に限定されない。例えば、図７に示すように、端子１５に幅方向Ｗに延びる挿通部としての切欠き１７を設けてもよい。

【0051】

・ワイヤハーネス１０を以下の手順で取付対象２０に取り付けてよい。すなわち、端子１５の挿通孔１６にスタッドボルト５１を挿通させた後、凸部１３を嵌合部６０に嵌合させ、最後に収容部１２を保持部４０に取り付けてよい。また、収容部１２を保持部４０に取り付けてから凸部１３を嵌合部６０に嵌合させ、最後に端子１５の挿通孔１６にスタッドボルト５１を挿通させてもよい。

【符号の説明】

【0052】

１０…ワイヤハーネス
１１…ワイヤハーネス本体
１２…収容部
１３…凸部
１４…外装部材
１５…端子
１６…挿通孔（挿通部）
１７…切欠き（挿通部）
２０…取付対象
３０…ケース部
３１…底部
３２…第１側部
３３…第２側部
４０…保持部
４１…傾斜面
４２…端部
４３…端部
４４…第１側壁（側壁）
４５…第１規制部
４６…第２側壁（側壁）
４７…第２規制部
５０…接続部
５１…スタッドボルト（軸部）
６０…嵌合部
６１…第１突部
６２…第１屈曲部
６３…第２突部
６４…第２屈曲部
Ａ１，Ａ２…直線
Ｂ１，Ｂ２…円弧
Ｐ１，Ｐ２…点
Ｑ１，Ｑ２…点
Ｒ１，Ｒ２…曲率半径
Ｓ…隙間

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】