(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158451
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241031BHJP
H02S 50/00 20140101ALI20241031BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241031BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02S50/00
H02J3/38 130
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073663
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 平理
【テーマコード(参考)】
5F251
5G064
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5F251KA10
5G064AA04
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA02
5G066HA13
5G066HB06
5L049AA04
(57)【要約】
【解決手段】 敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得部と、前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定部と、を備え、前記取得部は、前記敷地内の複数の位置のそれぞれについて、前記日照に応じた値を取得し、前記特定部は、前記複数の位置のそれぞれでの前記取得部による取得結果に基づいて、当該複数の位置のそれぞれに設置される前記ソーラーパネルの発電量を算出する算出部と、前記算出部により算出された、各位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となる位置の組み合わせを検出する検出部と、を有する装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得部と、
前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定部と、
を備える装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記敷地内の複数の位置のそれぞれについて、前記日照に応じた値を取得し、
前記特定部は、
前記複数の位置のそれぞれでの前記取得部による取得結果に基づいて、当該複数の位置のそれぞれに設置される前記ソーラーパネルの発電量を算出する算出部と、
前記算出部により算出された、各位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となる位置の組み合わせを検出する検出部と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記複数の位置についての前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、前記複数の位置とは異なる位置に設置される前記ソーラーパネルの発電量の推測値をさらに算出する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記特定部により特定された組み合わせに含まれる各位置について、当該位置を示す情報を表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により表示された、前記組み合わせに含まれる各位置のうち、何れかの位置を指定する指定部と、
をさらに備え、
前記検出部は、前記指定部により何れかの位置が指定されることに応じて、前記算出部により算出された、各位置での発電量のうち、前記指定部による指定位置以外の位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となる位置の組み合わせを新たに検出する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記敷地内の前記少なくとも1つの位置に設置された測定装置から、当該位置について前記日照に応じた値を取得する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記測定装置は、ソーラーパネルであり、
前記日照に応じた値は、前記ソーラーパネルの発電量である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記測定装置は、日射計であり、
前記日照に応じた値は、日射量である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記測定装置は、日照計であり、
前記日照に応じた値は、日照時間である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記少なくとも1つの位置に対し、少なくとも1つの方位または少なくとも1つの傾斜角で設置された前記測定装置から、位置、方位および傾斜角の複数種類のセッティングについて前記日照に応じた値を取得し、
前記特定部は、
前記複数種類のセッティングそれぞれでの前記取得部による取得結果に基づいて、当該セッティングに応じた位置、方位および傾斜角で設置される前記ソーラーパネルの発電量を算出する算出部と、
前記算出部により前記敷地内の位置毎に最も大きく算出された、各セッティングでの発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを検出する検出部と、
を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記算出部は、前記複数種類のセッティングについての前記取得部による取得結果に基づいて、前記複数種類のセッティングとは異なる位置、方位および傾斜角のセッティングで設置される前記ソーラーパネルの発電量の推測値をさらに算出する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記敷地を上方から撮影した画像から、前記敷地内の各位置の日照に応じた値を取得する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得段階と、
前記取得段階による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定段階と、
を備える方法。
【請求項13】
コンピュータを、
敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得部と、
前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「…太陽電池パネルの設置位置、傾斜角度及び傾斜方向を含む設置情報を入力する設置情報入力処理部と、前記設置情報に基づいて日射量データを取得する日射量データ取得処理部と、…前記設置情報と前記日射量データとに基づいて前記太陽電池パネルの発電量の予測値を算出する発電量算出処理部と、…を備えている太陽電池パネルの発電量シミュレータ…」(請求項1)と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2017-49866号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得部と、前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定部と、を備える装置が提供される。
【0004】
上記の装置においては、前記取得部は、前記敷地内の複数の位置のそれぞれについて、前記日照に応じた値を取得し、前記特定部は、前記複数の位置のそれぞれでの前記取得部による取得結果に基づいて、当該複数の位置のそれぞれに設置される前記ソーラーパネルの発電量を算出する算出部と、前記算出部により算出された、各位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となる位置の組み合わせを検出する検出部と、を有してよい。
【0005】
上記の装置においては、前記算出部は、前記複数の位置についての前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、前記複数の位置とは異なる位置に設置される前記ソーラーパネルの発電量の推測値をさらに算出してよい。
【0006】
特定部が検出部を有する上記何れかの装置においては、前記特定部により特定された組み合わせに含まれる各位置について、当該位置を示す情報を表示させる表示制御部と、前記表示制御部により表示された、前記組み合わせに含まれる各位置のうち、何れかの位置を指定する指定部と、をさらに備え、前記検出部は、前記指定部により何れかの位置が指定されることに応じて、前記算出部により算出された、各位置での発電量のうち、前記指定部による指定位置以外の位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となる位置の組み合わせを新たに検出してよい。
【0007】
上記何れかの装置においては、前記取得部は、前記敷地内の前記少なくとも1つの位置に設置された測定装置から、当該位置について前記日照に応じた値を取得してよい。
【0008】
前記日照に応じた値を測定装置から取得する上記の装置においては、前記測定装置は、ソーラーパネルであり、前記日照に応じた値は、前記ソーラーパネルの発電量であってよい。
【0009】
前記日照に応じた値を測定装置から取得する上記の装置においては、前記測定装置は、日射計であり、前記日照に応じた値は、日射量であってよい。
【0010】
前記日照に応じた値を測定装置から取得する上記の装置においては、前記測定装置は、日照計であり、前記日照に応じた値は、日照時間であってよい。
【0011】
前記日照に応じた値を測定装置から取得する上記何れかの装置においては、前記取得部は、前記少なくとも1つの位置に対し、少なくとも1つの方位または少なくとも1つの傾斜角で設置された前記測定装置から、位置、方位および傾斜角の複数種類のセッティングについて前記日照に応じた値を取得し、前記特定部は、前記複数種類のセッティングそれぞれでの前記取得部による取得結果に基づいて、当該セッティングに応じた位置、方位および傾斜角で設置される前記ソーラーパネルの発電量を算出する算出部と、前記算出部により前記敷地内の位置毎に最も大きく算出された、各セッティングでの発電量を上位側から順に積算して、積算結果が前記基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを検出する検出部と、を有してよい。
【0012】
上記の装置においては、前記算出部は、前記複数種類のセッティングについての前記取得部による取得結果に基づいて、前記複数種類のセッティングとは異なる位置、方位および傾斜角のセッティングで設置される前記ソーラーパネルの発電量の推測値をさらに算出してよい。
【0013】
上記何れかの装置においては、前記取得部は、前記敷地を上方から撮影した画像から、前記敷地内の各位置の日照に応じた値を取得してよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得段階と、前記取得段階による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定段階と、を備える方法が提供される。
【0015】
本発明の第3の態様においては、コンピュータを、敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する取得部と、前記取得部による取得結果に基づいて、前記敷地内の各位置のうち、ソーラーパネルが設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する特定部として機能させるプログラムが提供される。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る設置支援システム1を示す。
【
図3】第2実施形態に係る設置支援システム1Aを示す。
【
図5】敷地に仮設置されるソーラーパネル2を示す。
【
図7】発電量の合計が基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを示す。
【
図8】発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを示す。
【
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(1.第1実施形態)
(1.1.設置支援システム1)
図1は、本実施形態に係る設置支援システム1を示す。設置支援システム1は、予め定められた敷地内へのソーラーパネル2の設置を支援するものであり、ソーラーパネル2と、装置3とを備える。敷地は、ソーラーパネル2による発電電力を使用する設備の敷地であってよい。設備は、本実施形態では一例として植物プラントである。設備は化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等であってもよい。
【0020】
(1.1.1.ソーラーパネル2)
ソーラーパネル2は、測定装置の一例であってよく、敷地内の少なくとも1つの位置に設置(仮設置とも称する)され、当該位置について、日照に応じた値を測定してよい。ソーラーパネル2の設置位置は任意に設定されてよい。日照に応じた値は、本実施形態においては一例として、ソーラーパネル2の発電量であってよい。ソーラーパネル2は、測定した発電量を装置3に供給してよい。ソーラーパネル2は、瞬時的な発電量をリアルタイムに装置3に供給してもよいし、基準期間(一例として一日間)ごとに当該基準期間内の発電量、つまり、ソーラーパネル2によって基準期間に生成された電力量を装置3に供給してもよい。ソーラーパネル2は、発電した電力そのものを装置3に供給してもよい。
【0021】
ソーラーパネル2は、後述の装置3により特定される敷地内の位置に本設置されてよく、敷地内の設備などに電力を供給してよい。本設置されたソーラーパネル2は装置3に電力を供給しなくてよい。
【0022】
(1.1.2.装置3)
装置3は、入力部31と、取得部32と、学習処理部33と、特定部34と、表示制御部35とを有する。
【0023】
(1.1.2―1.入力部31)
入力部31は、ユーザから種々の入力操作を受ける。
【0024】
例えば、入力部31には、測定装置としてのソーラーパネル2の設置状況を示す設置情報が入力されてよい。設置情報には、ソーラーパネル2が設置された位置を示す情報が含まれてよい。位置を示す情報は、緯度および経度で示されてもよいし、敷地内の一点を原点として設定される直交座標系の座標で示されてもよい。位置を示す情報は、当該位置の高さ(一例として標高、原点からの高さ方向の距離)をさらに示してもよい。位置を示す情報は、当該位置に落ち葉が落ちることがあるか否かをさらに示してもよい。設置情報には、ソーラーパネル2を設置して発電量を測定させた月を示す情報がさらに含まれてもよい。入力部31は、入力された設置情報を取得部32に供給してよい。
【0025】
入力部31には、敷地の位置や広さを示す敷地情報が入力されてもよい。敷地情報には、敷地内の各位置の高さを示す情報が含まれてもよい。敷地情報には、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2を設置可能な位置を示す情報が含まれてもよい。入力部31は、敷地情報を特定部34に供給してよい。
【0026】
入力部31には、敷地内での発電量の基準を示す基準発電量が入力されてもよい。基準発電量は、任意に設定されてよく、一例として、敷地内に本設置される複数のソーラーパネル2の全体に対して期待される発電量の下限値であってよい。入力部31は、基準発電量を示す情報を特定部34に供給してよい。
【0027】
(1.1.2-2.取得部32)
取得部32は、敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する。取得部32は、敷地内に設置された測定装置としてのソーラーパネル2から、当該位置の日照に応じた値として、ソーラーパネル2の発電量を取得してよい。取得部32は、敷地内の複数の位置のそれぞれについて発電量を取得してよい。ソーラーパネル2から取得される発電量は基準期間の発電量であってよい。
【0028】
取得部32は、基準期間の発電量から、一年間の発電量を算出してよい。一例として、取得部32は、ソーラーパネル2から取得した一日間の発電量と、発電量を測定した日の属する月の日数とを乗算することにより、同じ設置位置での一か月間の発電量の推測値を算出してよく、この算出結果と、月ごとの日射量の平均値の相対比、および、月ごとの日数比とから、各月の発電量の推測値、ひいては一年間の発電量の推測値を算出してよい。月ごとの日射量の平均値は、予め取得部32に記憶されてよく、一例として、産業技術総合開発機構(NEDO)等により公表されている全国各地の月平均斜面日射量のデータから取得されてよい。取得される日射量の平均値は、全国各地の測定位置のうち、敷地に最も近い位置(基準位置とも称する)での日射量の平均値であってよい。
【0029】
取得部32は、各設置位置について算出した一年間の発電量を、当該設置位置について入力部31から取得した設置情報と合わせて学習処理部33に供給してよい。
【0030】
(1.1.2-3.学習処理部33)
学習処理部33は、後述の特定部34におけるモデル343の学習処理を行う。モデル343は、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2が設置される位置を示す情報が入力されることに応じて、当該位置でのソーラーパネル2の発電量の推測値を出力してよい。モデル343から出力される発電量は、一年間の発電量であってよい。
【0031】
学習処理部33は、取得部32から供給される、ソーラーパネル2の設置情報と、当該ソーラーパネル2の発電量とを含む学習データを用いてモデル343の学習処理を行ってよい。学習アルゴリズムは、従来より公知の任意のアルゴリズムであってよく、例えばニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などであってよい。
【0032】
(1.1.2-4.特定部34)
特定部34は、取得部32による取得結果に基づいて、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2が設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する。特定部34は、算出部341と、検出部342とを有する。
【0033】
(1.1.2-4(1).算出部341)
算出部341は、複数の位置のそれぞれでの取得部32による取得結果に基づいて、当該複数の位置のそれぞれに設置されるソーラーパネル2の発電量を算出する。
【0034】
算出部341は、取得部32により発電量が取得されていない位置についても、ソーラーパネル2の発電量をさらに算出してよい。例えば、算出部341は、敷地内の複数の位置についての取得部32による取得結果に基づいて、敷地内の各位置のうち、取得結果の取得位置とは異なる位置に設置されるソーラーパネル2の発電量の推測値をさらに算出してよい。算出部341は、ソーラーパネル2の一年間の発電量の推測値を算出してよい。
【0035】
算出部341は、取得部32による取得結果を用いて学習されたモデル343を有してよく、当該モデル343を用いて発電量の推測値を算出してよい。本実施形態では一例として算出部341は、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2が設置される位置を示す情報をモデル343に入力し、発電量(本実施形態では一例として一年間の発電量)の推測値を当該モデル343から出力させてよい。算出部341は、算出した発電量を検出部342に供給してよい。
【0036】
(1.1.2-4(2).検出部342)
検出部342は、算出部341により算出された、各位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせを検出する。
【0037】
検出部342は、入力部31から供給される敷地情報によって示される敷地内の各位置を示す情報を逐次、算出部341に供給してモデル343に入力させ、各位置の発電量を取得してよい。
【0038】
検出部342は、取得した発電量を上位側から積算する毎に、入力部31から供給された基準発電量と、積算結果とを比較することで、積算結果が基準発電量以上となる最少の位置同士の組み合わせを検出してよい。最少の位置同士の組み合わせとは、組み合わせに含まれる位置の数が最も少ない組み合わせであってよい。検出部342は、検出した位置同士の組み合わせの内容を表示制御部35に供給してよい。
【0039】
(1.1.2-5.表示制御部35)
表示制御部35は、特定部34により特定された組み合わせに含まれる各位置について、当該位置を示す情報を表示させる。例えば、表示制御部35は、敷地内をメッシュ状に区分し、特定された組み合わせに含まれる各位置を識別表示させてよい。これに加えて、または、これに代えて、表示制御部35は、敷地内の各位置を示す情報を、当該位置での発電量と対応付けて表形式などで表示し、特定された組み合わせに含まれる各位置の対応部分を識別表示させてよい。
【0040】
以上の装置3によれば、敷地内の少なくとも1つの位置について取得される、日照に応じた値(本実施形態では一例として基準期間の発電量)に基づいて、当該敷地内の各位置のうち、発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせが特定される。従って、敷地内の各位置にソーラーパネル2を設置して試行錯誤することなく、基準発電量以上の発電量を得られる位置の組み合わせを得ることができる。よって、組み合わせに含まれる各位置にソーラーパネル2を本設置することにより、基準発電量以上の発電量を確実に得ることができる。
【0041】
また、敷地内の少なくとも1つの位置に設置された測定装置(本実施形態では一例としてソーラーパネル2)から、当該位置について日照に応じた値が取得されるので、敷地内での実際の測定によって、日照に応じた値を取得することができる。
【0042】
また、測定装置はソーラーパネル2であり、日照に応じた値はソーラーパネル2の発電量であるので、基準発電量以上の発電量を得られる位置の組み合わせを容易に特定することができる。
【0043】
また、複数の位置のそれぞれでの取得値(本実施形態では一例として基準期間の発電量)に基づいて、当該複数の位置のそれぞれに設置されるソーラーパネル2の発電量(本実施形態では一例として一年間の発電量)が算出され、各位置での発電量が上位側から順に積算されて、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせが検出される。従って、確実に基準発電量以上の発電量を得られる位置の組み合わせを得ることができる。また、発電量の大きい位置が優先して組み合わせに含まれるので、組み合わせに含まれる位置の数を減らすことができる。
【0044】
また、複数の位置についての発電量に基づいて当該複数の位置とは異なる位置に設置されるソーラーパネル2の発電量がさらに算出される。従って、発電量を取得した位置とは異なる位置も含めて、基準発電量以上の発電量を得られる位置の組み合わせを取得することができる。
【0045】
(1.2.動作)
図2は設置支援システム1の動作を示す。設置支援システム1は、ステップS11~S23の処理によりソーラーパネル2の設置を支援する。
【0046】
ステップS11において取得部32は、敷地内の少なくとも1つの位置に設置されたソーラーパネル2の設置情報を、入力部31を介して取得する。ソーラーパネル2は任意の位置に設置されてよい。設置されるソーラーパネル2は1つでもよいし、複数個でもよい。設置情報は、現時点が何月であるかを示す情報を含んでよい。
【0047】
ステップS13において取得部32は、敷地内の少なくとも1つの位置について、日照に応じた値を取得する。取得部32は、敷地内に設置されたソーラーパネル2から基準期間(本実施形態では一例として一日間)の発電量を取得してよい。なお、ステップS11,S13の処理は、ソーラーパネル2の設置位置を変えて、繰り返し実行されてよい。
【0048】
ステップS15において学習処理部33は、モデル343の学習処理を行う。学習処理部33は、取得部32から供給される、各設置位置でのソーラーパネル2の設置情報と、当該設置位置での発電量とを含む学習データを複数用いてモデル343の学習処理を行ってよい。
【0049】
ステップS17において特定部34は、入力部31を介して入力された基準発電量を取得する。特定部34は、入力部31を介して入力された敷地情報をさらに取得してよい。
【0050】
ステップS19において特定部34は、ステップS13での取得部32による取得結果に基づいて、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2が設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを特定する。特定部34は、取得部32により取得された基準期間の発電量に基づいて位置の組み合わせを特定してよい。特定部34は、ステップS15において学習されたモデル343を用いて組み合わせを特定してよい。
【0051】
ステップS21において表示制御部35は、特定部34により特定された組み合わせに含まれる各位置について、当該位置を示す情報を表示させる。
【0052】
ステップS23において、特定部34は、表示制御部35により表示された組み合わせに含まれる各位置のうち、何れかの位置を指定する操作が入力部31に入力されるか否かを判定する。この場合、入力部31は指定部の一例であってよい。位置の指定操作は、当該位置を組み合わせから除外する旨の操作であってよい。ステップS23において何れかの位置について除外指定が行われたと判定された場合(ステップS23;Yes)には、ステップS19に処理が移行してよい。これにより、特定された組み合わせにおける何れかの位置が指定されることに応じてステップS19の処理が改めて実行される。この場合には、ステップS19の処理において特定部34の検出部342は、算出部341により算出された、各位置での発電量のうち、入力部31による指定位置以外の位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせを新たに検出してよい。一方、ステップS23において何れの位置についても除外指定が行われないと判定された場合(ステップS23;No)には、動作が終了してよい。
【0053】
以上の動作によれば、発電量の合計が基準発電量以上となる組み合わせに含まれる各位置のうち、何れかの位置が指定されることに応じて、各位置について算出された発電量のうち指定位置以外の位置での発電量が上位側から順に積算され、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせが新たに検出される。従って、指定位置を除外して、発電量が基準発電量以上となる位置の組み合わせを取得することができる。
【0054】
(2.第2実施形態)
(2.1.設置支援システム1A)
図3は、本実施形態に係る設置支援システム1Aを示す。なお、本変形例に係る設置支援システム1Aにおいて、
図1に示された構成と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0055】
本実施形態においてソーラーパネル2は、任意の方位、および、傾斜角で設置されてよい。ソーラーパネル2の方位とは、基準方位に対するソーラーパネル2の向きであってよく、一例として角度で示されてよい。本実施形態では一例として、ソーラーパネル2の方位は、磁気子午線に対する、ソーラーパネル2の法線の向き(磁針方位とも称する)であってよい。ソーラーパネル2の傾斜角は、水平面に対するソーラーパネル2の向きであってよい。
【0056】
本実施形態に係る設置支援システム1Aは、装置3Aを備える。装置3Aは、入力部31Aと、取得部32Aと、学習処理部33Aと、特定部34Aと、表示制御部35Aとを有する。
【0057】
(2.1.1.入力部31A)
入力部31Aは、第1実施形態における入力部31と同様の入力操作を受けてよい。入力部31Aに入力される設置情報には、ソーラーパネル2が設置された位置、方位および傾斜角のセッティングの内容を示す情報(セッティング情報とも称する)が含まれてよい。
【0058】
(2.1.2.取得部32A)
取得部32Aは、敷地内の少なくとも1つの位置に対し、少なくとも1つの方位または少なくとも1つの傾斜角で設置された測定装置から、位置、方位および傾斜角の複数種類のセッティングについて、日照に応じた値を取得する。本実施形態では一例として、取得部32Aは、測定装置としてのソーラーパネル2から、日照に応じた値として、ソーラーパネル2の発電量を取得してよい。取得部32Aは、複数のセッティングのそれぞれについて発電量を取得してよい。ソーラーパネル2から取得される発電量は基準期間の発電量であってよい。
【0059】
取得部32Aは、上述の第1実施形態における取得部32と同様にして、基準期間の発電量から、一年間の発電量を算出してよい。取得部32Aは、各セッティングについて算出した一年間の発電量を、当該セッティングについて入力部31Aから取得した設置情報と合わせて学習処理部33Aに供給してよい。
【0060】
(2.1.3.学習処理部33A)
学習処理部33Aは、後述の特定部34Aにおけるモデル343Aの学習処理を行う。モデル343Aは、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2が設置される位置、方位および傾斜角のセッティングを示す情報が入力されることに応じて、当該セッティングに応じて設置されるソーラーパネル2の発電量の推測値を出力してよい。モデル343Aから出力される発電量は、一年間の発電量であってよい。
【0061】
学習処理部33Aは、上述の第1実施形態における学習処理部33と同様にして、取得部32Aから供給される、ソーラーパネル2の設置情報と、当該ソーラーパネル2の発電量とを含む学習データを用いてモデル343Aの学習処理を行ってよい。
【0062】
(2.1.4.特定部34A)
特定部34Aは、ソーラーパネル2が設置される位置、方位および傾斜角の各セッティングについての取得部32Aによる取得結果に基づいて、ソーラーパネル2が設置される場合の発電量の合計が基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを特定する。特定部34Aは、算出部341Aと、検出部342Aとを有する。
【0063】
(2.1.4(1).算出部341A)
算出部341Aは、ソーラーパネル2が設置された位置、方位および傾斜角についての複数種類のセッティングそれぞれでの取得部32Aによる取得結果に基づいて、当該セッティングに応じた位置、方位および傾斜角で設置されるソーラーパネル2の発電量を算出する。
【0064】
算出部341Aは、取得部32Aにより発電量が取得されていないセッティングについても、ソーラーパネル2の発電量をさらに算出してよい。例えば、算出部341Aは、複数種類のセッティングについての取得部32Aによる取得結果に基づいて、複数種類のセッティングとは異なる位置、方位および傾斜角のセッティングで設置されるソーラーパネルの発電量の推測値を算出してよい。算出部341Aは、ソーラーパネル2の一年間の発電量の推測値を算出してよい。
【0065】
算出部341Aは、取得部32Aによる取得結果を用いて学習されたモデル343Aを有してよく、当該モデル343Aを用いて発電量の推測値を算出してよい。本実施形態では一例として算出部341Aは、敷地内の各位置のうち、ソーラーパネル2が設置される位置でのセッティングを示す情報をモデル343Aに入力し、発電量(本実施形態では一例として一年間の発電量)の推測値を当該モデル343Aから出力させてよい。算出部341Aは、算出した発電量を検出部342Aに供給してよい。
【0066】
(2.1.4(2).検出部342A)
検出部342Aは、算出部341Aにより敷地内の位置毎に最も大きく算出された、各セッティングでの発電量を上位側から順に積算して、積算結果が基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを検出する。
【0067】
検出部342Aは、敷地内の各位置、各方位および各傾斜角を示すセッティング情報を逐次、算出部341Aに供給してモデル343Aに入力させ、各セッティングでの発電量を取得してよい。
【0068】
検出部342Aは、取得した発電量を上位側から積算する毎に、入力部31Aから供給された基準発電量と、積算結果とを比較することで、積算結果が基準発電量以上となる最少のセッティング同士の組み合わせを検出してよい。最少のセッティング同士の組み合わせとは、組み合わせに含まれるセッティングの数が最も少ない組み合わせであってよい。検出部342Aは、検出したセッティング同士の組み合わせの内容を表示制御部35Aに供給してよい。
【0069】
(2.1.5.表示制御部35A)
表示制御部35Aは、特定部34Aにより特定された組み合わせに含まれる各位置を示す情報を表示させる。表示制御部35Aは、特定された組み合わせに含まれる位置、方位および傾斜角のセッティングの内容を表示させてもよい。
【0070】
以上の装置3Aによれば、敷地内の少なくとも1つの位置に対し、少なくとも1つの方位または少なくとも1つの傾斜角で設置されたソーラーパネル2から、位置、方位および傾斜角の複数種類のセッティングについて発電量が取得され、複数種類のセッティングそれぞれでの取得値(本実施形態では一例として基準期間の発電量)に基づいて、当該セッティングに応じた位置、方位および傾斜角で設置されるソーラーパネルの発電量(本実施形態では一例として一年間の発電量)が算出される。そして、敷地内の位置毎に最も大きく算出された、位置、方位および傾斜角の各セッティングでの発電量が上位側から順に積算されて、積算結果が基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせが検出される。従って、確実に基準発電量以上の発電量を得られるセッティング同士の組み合わせを得ることができる。また、発電量の大きいセッティングが優先して組み合わせに含まれるので、組み合わせに含まれるセッティングの数、ひいては組み合わせに含まれる位置の数を減らすことができる。
【0071】
また、複数種類のセッティングについての発電量に基づいて、複数種類のセッティングとは異なるセッティングで設置されるソーラーパネルの発電量が算出される。従って、発電量を取得したセッティングとは異なるセッティングも含めて、基準発電量以上の発電量を得られるセッティング同士の組み合わせを取得することができる。
【0072】
(2.2.動作)
図4は設置支援システム1Aの動作を示す。設置支援システム1Aは、ステップS31~S43の処理によりソーラーパネル2の設置を支援する。
【0073】
ステップS31において取得部32Aは、敷地内の少なくとも1つの位置に設置されたソーラーパネル2の設置情報を、入力部31Aを介して取得する。ソーラーパネル2は任意の位置に設置されてよく、任意の方位および傾斜角で設置されてよい。設置されるソーラーパネル2は1つでもよいし、複数個でもよい。設置情報は、ソーラーパネル2の位置、方位および傾斜角のセッティングの内容を示すセッティング情報を含んでよく、現時点が何月であるかを示す情報をさらに含んでもよい。
【0074】
ステップS33において取得部32Aは、敷地内の少なくとも1つの位置を含む複数種類のセッティングについて、日照に応じた値を取得する。取得部32Aは、敷地内に設置されたソーラーパネル2から基準期間(本実施形態では一例として一日間)の発電量を取得してよい。なお、ステップS31,S33の処理は、ソーラーパネル2のセッティングを変えて、繰り返し実行されてよい。
【0075】
ステップS35において学習処理部33Aは、モデル343Aの学習処理を行う。学習処理部33Aは、取得部32Aから供給される、各セッティングでのソーラーパネル2Aの設置情報と、当該セッティングでの発電量とを含む学習データを複数用いてモデル343Aの学習処理を行ってよい。
【0076】
ステップS37において特定部34Aは、入力部31Aを介して入力された基準発電量を取得する。特定部34Aは、入力部31Aを介して入力された敷地情報をさらに取得してよい。
【0077】
ステップS39において特定部34Aは、ステップS33での取得部32Aによる取得結果に基づいて、発電量の合計が基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを特定する。特定部34Aは、ステップS35において学習されたモデル343Aを用いて組み合わせを特定してよい。
【0078】
ステップS41において表示制御部35Aは、特定部34Aにより特定された組み合わせに含まれる各位置を示す情報を表示させる。例えば、表示制御部35Aは、敷地内をメッシュ状に区分し、特定された組み合わせに含まれる各位置を識別表示させてよい。これに加えて、または、これに代えて、表示制御部35Aは、敷地内の位置毎に最も大きく算出された、各セッティングの内容を、当該セッティングでの発電量と対応付けて表形式などで表示し、特定された組み合わせに含まれる各セッティングの対応部分を識別表示させてよい。
【0079】
ステップS43において、特定部34Aは、上述のステップS23と同様にして、表示制御部35Aにより表示された組み合わせに含まれる各位置のうち、何れかの位置を指定する操作が入力部31Aに入力されるか否かを判定する。ステップS43において何れかの位置について除外指定が行われたと判定された場合(ステップS43;Yes)には、ステップS39に処理が移行してよい。これにより、特定された組み合わせにおける何れかの位置が指定されることに応じてステップS39の処理が改めて実行される。この場合には、ステップS39の処理において特定部34Aの検出部342Aは、算出部341Aにより算出された、各セッティングでの発電量のうち、入力部31による指定位置を含まないセッティングでの発電量を上位側から順に積算して、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせを新たに検出してよい。一方、ステップS43において何れの位置についても除外指定が行われないと判定された場合(ステップS43;No)には、動作が終了してよい。
【0080】
(2.3.動作例)
図5は、敷地に仮設置されるソーラーパネル2を示す。上述のステップS31においては複数のソーラーパネル2が敷地内の複数の位置に設置されてよい。なお、本図では、植物工場の敷地における位置A~Uにソーラーパネル2が設置されている。
【0081】
図6は、ソーラーパネル2の設置情報を示す。上述のステップS31においては、本図に示される内容の設置情報が取得されてよい。なお、図中の位置IDは、位置の識別情報であり、
図5における位置A~Uの何れかを示す。
【0082】
図7は、発電量の合計が基準発電量以上となるセッティング同士の組み合わせを示す。本図の各段には、
図5における位置A~U以外の位置も含め、敷地内の位置毎に最も大きく算出されたセッティングでの発電量が上位側から順に示されている。上述のステップS39においては、各段の発電量が上位側から順に積算されて、積算結果が基準発電量以上となる組み合わせが特定されてよい。そして、上述のステップS41においては、本図に示される内容が表示されてよく、各段のセッティングのうち、積算結果が基準発電量(本図では一例として12万kWh/年)以上となる組み合わせに含まれるセッティングの対応部分が網掛けや、チェックボックスのチェックによって識別表示されてよい。さらに、組み合わせに含まれる何れかのセッティングに対して指定操作(一例としてチェックを外す操作)が行われると、当該セッティングで含まれる位置が除外されて、改めて各段の発電量が上位側から順に積算されて、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせが検出されてよい。
【0083】
図8は、発電量の合計が基準発電量以上となる位置の組み合わせを示す。図中の各ブロックは、位置A~U等の敷地内の位置を示し、網掛けで識別表示されたブロックは、ステップS39で特定された組み合わせに含まれる位置を示す。上述のステップS41においては、
図7の内容に加えて、または、
図7の内容に代えて、本図に示される内容が表示されてよい。
【0084】
(3.変形例)
なお、上記の第1実施形態および第2実施形態においては、取得部32,32Aは測定装置としてのソーラーパネル2から、日照に応じた値として発電量を取得することとして説明したが、他の測定装置から、日照に応じた他の値を取得してもよい。
【0085】
例えば、取得部32,32Aは、測定装置としての日射計から、日照に応じた値として日射量(一例として一日間の全天日射量)を取得してよく、取得した日射量から一年間の発電量を算出してよい。例えば、取得部32,32Aは、一日間の日射量と、日射量を測定した日の属する月の日数とを乗算することにより一月間の積算日射量を算出してよく、この算出結果と、月ごとの日射量の平均値の相対比、および、月ごとの日数比とから各月の積算日射量の推測値を算出してよい。取得部32,32Aは、各月の積算日射量と、ソーラーパネル2の特性とから、各月の発電量、ひいては一年間の発電量の推測値を算出してよい。日射量から一年間の発電量の推測値を算出する手法としては、例えばJISC8907:2005の手法を用いてよい。取得部32,32Aは、各設置位置について算出した一年間の発電量を、当該設置位置について入力部31,31Aから取得した設置情報と合わせて学習処理部33,33Aに供給してよい。学習処理部33Aに供給される設置情報には、日射計を設置した設置面の傾斜角が含まれてよく、傾斜角は日射計の設置時に任意に調整されてよい。この場合には、特定部34Aは、発電量の合計が基準発電量以上となる、位置および傾斜角のセッティング同士の組み合わせを特定してよい。
【0086】
これに代えて、取得部32,32Aは、測定装置としての日照計から、日照に応じた値として日照時間を取得してよく、取得した日照時間から一年間の発電量を算出してよい。日照時間とは、一日のうち、0.12kW/m2以上の日射量が当たる時間幅であってよい。取得部32,32Aは、気象庁により公表されている全国各地の気象データから、敷地に最も近い位置(基準位置とも称する)の日照時間と、月ごとの日射量の平均値とを取得してよい。基準位置の日照時間は、測定位置での測定日と同日の日照時間であってよい。取得部32,32Aは、測定位置の日照時間と基準位置の日照時間との相対比を算出し、基準位置での各月の日射量の平均値に対して当該相対比をそれぞれ乗算することにより、各月の積算日射量の推測値を算出してよい。取得部32,32Aは、各月の積算日射量と、ソーラーパネル2の特性とから、各月の発電量、ひいては一年間の発電量の推測値を算出してよい。取得部32,32Aは、各設置位置について算出した一年間の発電量を、当該設置位置について入力部31,31Aから取得した設置情報と合わせて学習処理部33,33Aに供給してよい。学習処理部33Aに供給される設置情報には、日照計を設置した設置面の傾斜角が含まれてよく、傾斜角は日照計の設置時に任意に調整されてよい。この場合には、特定部34Aは、発電量の合計が基準発電量以上となる、位置および傾斜角のセッティング同士の組み合わせを特定してよい。
【0087】
また、取得部32は、敷地内の少なくとも1つの位置に設置された測定装置から、当該位置について日照に応じた値を取得することとして説明したが、敷地を上方から撮影した画像(敷地画像とも称する)から、敷地内の各位置の日照に応じた値を取得してもよい。敷地画像は人工衛星から撮影されてもよいし、航空機(一例として飛行機、飛行船、ヘリコプター、無人航空機など)から撮影されてもよいし、ビルや塔などの構造物から撮影されてもよい。敷地画像は一日のなかで複数回、撮影されてよく、例えば基準インターバル(一例として15分)ごとに撮影されてよい。取得部32は、敷地に日の当たらない時間帯に撮影された一の敷地画像と、敷地の少なくとも一部に日の当たる時間帯に撮影された各敷地画像とを比較することで、撮影時間における日照の有無を敷地内の各位置について判定してよい。取得部32は、敷地に対して上方からレーザー光を照射して取得される、敷地の3次元データ(一例としてLiDARデータ)から、敷地の各位置の高さを算出し、敷地の各位置のうち、日の当たり得る位置のみについて日照の有無を判定してもよい。取得部32は、各時間の敷地画像を用いた判定結果から、敷地内の各位置の日照時間を算出し、特定部34の算出部341に供給してよい。算出部341は、測定装置として日照計が用いられる場合に取得部32が行う上述の手法と同様にして、敷地内の各位置について、日照時間から一年間の発電量を算出してよい。特定部34の検出部342は、算出部341により算出された、各位置での発電量を上位側から順に積算して、積算結果が基準発電量以上となる位置の組み合わせを検出してよい。この場合には、装置3は学習処理部33およびモデル343を有しなくてもよい。
【0088】
また、装置3は入力部31と、学習処理部33と、表示制御部35とを有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。同様に、装置3Aは入力部31Aと、学習処理部33Aと、表示制御部35Aとを有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。装置3,3Aが入力部31,31Aを有しない場合には、測定装置(一例としてソーラーパネル2)によって設置情報が取得されて取得部32,32Aに供給されてよい。装置3,3Aが学習処理部33,33Aを有しない場合には、算出部341,341Aは、敷地内の各位置について取得される、日照に応じた値に基づいて、一年間の発電量の推測値を算出してよい。算出部341,341Aは、取得部32,32Aが行う上述の手法と同様にして、敷地内の各位置について、日照に応じた値から一年間の発電量の推測値を算出してよい。
【0089】
また、特定部34,34Aにより特定される組み合わせに含まれる何れかの位置が指定されることに応じて、指定位置の発電量が除外されて組み合わせが再特定されることとして説明したが、指定位置の対応部分の識別表示が解除されて表示内容が更新されてもよい。
【0090】
また、第2実施形態においては、ソーラーパネル2のセッティングを設置の位置、方位および傾斜角に関するものとして説明したが、位置と、方位および傾斜角の何れか一方とに関するものとしてもよい。
【0091】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0092】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0093】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0094】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0095】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0096】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0097】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0098】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0099】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0100】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0101】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0102】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0103】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0104】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0105】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0106】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0107】
1 設置支援システム
2 ソーラーパネル
3 装置
31 入力部
32 取得部
33 学習処理部
34 特定部
35 表示制御部
341 算出部
342 検出部
343 モデル
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード