(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158458
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】吐出器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20241031BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20241031BHJP
【ＦＩ】
B65D47/34 200
F04B9/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023073677
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】先曽 洋一
(72)【発明者】
【氏名】砂川 貴之
【テーマコード（参考）】
3E084
3H075
【Ｆターム（参考）】
3E084AB01
3E084AB10
3E084BA02
3E084DB09
3E084DB12
3E084JA20
3E084KA20
3E084LC01
3E084LD22
3E084LD26
3E084LD30
3H075AA01
3H075BB03
3H075BB22
3H075CC26
3H075CC36
3H075DA03
3H075DA04
3H075DA09
3H075DB14
3H075DB40
(57)【要約】
【課題】操作レバーを有する吐出器において、操作性を向上させる。
【解決手段】吐出器１は、容器本体Ｗ内の内容物が貯留される上下方向に延びるシリンダ１１と、シリンダ１１内に上下摺動可能に嵌合されたピストン１５と、吐出ヘッド１４と、ピストン１５を付勢する付勢部材１６と、シリンダ１１に対して上下方向に直交する横方向に延びるレバー回動軸線Ｐを中心に回動可能に設けられ、レバー回動軸線Ｐ回りの第１方向の回動に伴いピストン１５を押圧する操作レバー１８と、操作レバー１８を横方向の両側から挟むように配置され、上下方向に沿って延びるガイド溝４６が形成された一対の側板４４ａと、ガイド溝４６に挿入されてガイド溝４６に沿って上下方向に変位可能な被ガイド部６３、および使用者の指を支持する支持面６１を有し、操作レバー１８の上方から操作レバー１８に当接して下降時に操作レバー１８を第１方向に回動させる押下部６０と、を備える。
【選択図】図１
【解決手段】吐出器１は、容器本体Ｗ内の内容物が貯留される上下方向に延びるシリンダ１１と、シリンダ１１内に上下摺動可能に嵌合されたピストン１５と、吐出ヘッド１４と、ピストン１５を付勢する付勢部材１６と、シリンダ１１に対して上下方向に直交する横方向に延びるレバー回動軸線Ｐを中心に回動可能に設けられ、レバー回動軸線Ｐ回りの第１方向の回動に伴いピストン１５を押圧する操作レバー１８と、操作レバー１８を横方向の両側から挟むように配置され、上下方向に沿って延びるガイド溝４６が形成された一対の側板４４ａと、ガイド溝４６に挿入されてガイド溝４６に沿って上下方向に変位可能な被ガイド部６３、および使用者の指を支持する支持面６１を有し、操作レバー１８の上方から操作レバー１８に当接して下降時に操作レバー１８を第１方向に回動させる押下部６０と、を備える。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延びるシリンダと、
前記貯留空間を上下方向に拡縮するように前記シリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、
前記貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、
前記ピストンを、前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、
前記容器本体内と前記貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、
前記シリンダに対して上下方向に直交する横方向に延びるレバー回動軸線を中心に回動可能に設けられ、前記レバー回動軸線回りの第１方向の回動に伴い前記貯留空間を上下方向に縮小する向きに前記ピストンを押圧する操作レバーと、
前記操作レバーを前記横方向の両側から挟むように配置され、上下方向に沿って延びるガイド溝が形成された一対の側板と、
前記ガイド溝に挿入されて前記ガイド溝に沿って上下方向に変位可能な被ガイド部、および使用者の指を支持する支持面を有し、前記操作レバーの上方から前記操作レバーに当接して下降時に前記操作レバーを前記第１方向に回動させる押下部と、
を備える吐出器。
前記貯留空間を上下方向に拡縮するように前記シリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、
前記貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、
前記ピストンを、前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、
前記容器本体内と前記貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、
前記シリンダに対して上下方向に直交する横方向に延びるレバー回動軸線を中心に回動可能に設けられ、前記レバー回動軸線回りの第１方向の回動に伴い前記貯留空間を上下方向に縮小する向きに前記ピストンを押圧する操作レバーと、
前記操作レバーを前記横方向の両側から挟むように配置され、上下方向に沿って延びるガイド溝が形成された一対の側板と、
前記ガイド溝に挿入されて前記ガイド溝に沿って上下方向に変位可能な被ガイド部、および使用者の指を支持する支持面を有し、前記操作レバーの上方から前記操作レバーに当接して下降時に前記操作レバーを前記第１方向に回動させる押下部と、
を備える吐出器。
【請求項2】
前記被ガイド部は、前記一対の側板に対する回転を規制されている、
請求項１に記載の吐出器。
請求項１に記載の吐出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献１に示されるように、容器本体内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延びるシリンダと、貯留空間を上下方向に拡縮するようにシリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、ピストンを、貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、容器本体内と貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、シリンダに対してピストンを上方に向けて移動させる操作レバーと、を備える吐出器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０２１－２４５８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吐出器では、操作レバーが上下方向に直交する方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられているので、ピストンの移動距離の大きさに応じて操作レバーの傾きが変化する。このため、使用者が操作レバーを操作して内容物を吐出させる際に、使用者の指が操作レバーに追従しにくい。したがって、従来の吐出器においては、操作レバーの操作性に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、操作レバーを有する吐出器において、操作性を向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第１の態様に係る吐出器は、容器本体内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延びるシリンダと、前記貯留空間を上下方向に拡縮するように前記シリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、前記貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、前記ピストンを、前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、前記容器本体内と前記貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、前記シリンダに対して上下方向に直交する横方向に延びるレバー回動軸線を中心に回動可能に設けられ、前記レバー回動軸線回りの第１方向の回動に伴い前記貯留空間を上下方向に縮小する向きに前記ピストンを押圧する操作レバーと、前記操作レバーを前記横方向の両側から挟むように配置され、上下方向に沿って延びるガイド溝が形成された一対の側板と、前記ガイド溝に挿入されて前記ガイド溝に沿って上下方向に変位可能な被ガイド部、および使用者の指を支持する支持面を有し、前記操作レバーの上方から前記操作レバーに当接して下降時に前記操作レバーを前記第１方向に回動させる押下部と、を備える。
を備える。
を備える。
【0007】
第１の態様によれば、押下部の支持面に指を置いた状態で、指により押下部を下方に向けて押し込むと、被ガイド部がガイド溝に案内されることで押下部がグリップ部に対して下方に変位する。この押下部の下降により操作レバーを第１方向に回動させて、付勢部材による付勢力に抗して貯留空間を縮小する向きにピストンを変位させると、貯留空間内が正圧になり、下部弁体が弁座面に押し付けられることで、供給孔が閉塞された状態に保たれ、貯留空間内の内容物が吐出孔から吐出される。
押下部を解放して操作レバーの復元移動を許容すると、ピストンが付勢部材により復元移動させられ、貯留空間内が負圧になり、下部弁体が弁座面から離れて供給孔が開放され、容器本体内の内容物が供給孔を通過して貯留空間内に供給される。
操作レバーを第１方向に回動させる際、押下部を操作レバーの姿勢変化に合わせて上下方向に沿って変位させることができる。これにより、操作レバーを直接指で押圧する構成とは異なり、操作レバーの回動角度によらず、押下部が指を支持しやすい姿勢を保つことができる。したがって、内容物を吐出させる際の操作性を向上させることができる。
押下部を解放して操作レバーの復元移動を許容すると、ピストンが付勢部材により復元移動させられ、貯留空間内が負圧になり、下部弁体が弁座面から離れて供給孔が開放され、容器本体内の内容物が供給孔を通過して貯留空間内に供給される。
操作レバーを第１方向に回動させる際、押下部を操作レバーの姿勢変化に合わせて上下方向に沿って変位させることができる。これにより、操作レバーを直接指で押圧する構成とは異なり、操作レバーの回動角度によらず、押下部が指を支持しやすい姿勢を保つことができる。したがって、内容物を吐出させる際の操作性を向上させることができる。
【0008】
本発明の第２の態様に係る吐出器は、上記第１の態様に係る吐出器において、前記被ガイド部は、前記一対の側板に対する回転を規制されていてもよい。
【0009】
第２の態様によれば、操作レバーの回動角度によらず、支持面の傾斜を一定にすることができる。したがって、操作レバーを回動させる際に、押下部が指を支持しやすい状態（例えば支持面が上方を向く状態）を保つことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作レバーを有する吐出器において、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0013】
（第１実施形態）
図１から図３を参照して、第１実施形態について説明する。
図１に示すように、第１実施形態の吐出器１は、シリンダ１１と、閉塞壁１２と、吐出弁１３と、吐出ヘッド１４と、ピストン１５と、付勢部材１６と、下部弁体１７と、操作レバー１８と、グリップ部４４と、押下部６０と、を備え、内容物が充填された容器本体Ｗの口部Ｗ１に、装着キャップＣを介して取付けられる。内容物としては、例えば、衣料用液体洗剤、柔軟剤、若しくは自動食洗機用液体洗剤等が挙げられる。なお、吐出器１は、閉塞壁１２を備えなくてもよい。
図１から図３を参照して、第１実施形態について説明する。
図１に示すように、第１実施形態の吐出器１は、シリンダ１１と、閉塞壁１２と、吐出弁１３と、吐出ヘッド１４と、ピストン１５と、付勢部材１６と、下部弁体１７と、操作レバー１８と、グリップ部４４と、押下部６０と、を備え、内容物が充填された容器本体Ｗの口部Ｗ１に、装着キャップＣを介して取付けられる。内容物としては、例えば、衣料用液体洗剤、柔軟剤、若しくは自動食洗機用液体洗剤等が挙げられる。なお、吐出器１は、閉塞壁１２を備えなくてもよい。
【0014】
シリンダ１１、ピストン１５、および付勢部材１６は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。以下、共通軸Ｏに沿う方向を上下方向といい、上下方向から見て、共通軸Ｏに交差する方向を径方向といい、共通軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。
【0015】
シリンダ１１は、上下方向に延びる筒状に形成されている。シリンダ１１は、内容物が貯留される貯留空間Ａを有している。貯留空間Ａは、口部Ｗ１の上方に位置している。シリンダ１１の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。シリンダ１１は、有底筒状の本体筒２１と、本体筒２１より小径に形成されるとともに、本体筒２１の底壁を上下方向に貫く供給筒２２と、を備えている。
【0016】
本体筒２１は、口部Ｗ１から上方に向けて突出している。本体筒２１の下端部は、口部Ｗ１内に挿入されている。本体筒２１に、径方向の外側に突出したフランジ部が形成されている。フランジ部が容器本体Ｗの口部Ｗ１の上端開口縁と装着キャップＣとにより上下方向に挟まれることで、吐出器１が口部Ｗ１に固定される。
【0017】
供給筒２２の上部は、本体筒２１の底壁から上方に突出している。供給筒２２の上部は、本体筒２１の上端部より下方に位置している。供給筒２２の上部の内周面に、上下方向の全長にわたって連続して延びる縦溝２２ｂが形成されている。供給筒２２の下部は、本体筒２１の底壁から下方に突出している。供給筒２２の上部の直径は、供給筒２２の下部の直径より大きくなっている。供給筒２２のうち、本体筒２１の底壁との接続部分には、供給筒２２内と容器本体Ｗ内とを連通する外気導入孔２２ａが形成されている。
【0018】
閉塞壁１２は、貯留空間Ａの上端開口を閉塞している。閉塞壁１２の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。閉塞壁１２の外周縁部には、下方に向けて延び、シリンダ１１の本体筒２１に外嵌された外嵌筒２４が形成されている。外嵌筒２４は、下端部同士が連結され、かつ上端が開口した二重筒状に形成されている。
【0019】
閉塞壁１２には、上下方向に貫き、貯留空間Ａに連通する流出孔２３が形成されている。流出孔２３は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。流出孔２３の内周面には、上方に向かうに従い流出孔２３の内径を大きくする第１弁座面２３ａが形成されている。第１弁座面２３ａは、流出孔２３の内周面のうちの上部に形成され、流出孔２３の内周面の下部は、上下方向に真直ぐ延びている。閉塞壁１２における径方向の中央部（以下、隆起筒１２ｂという）は、上方に向けて隆起した有頂筒状に形成されており、その頂壁に流出孔２３が形成されている。
【0020】
閉塞壁１２には、閉塞壁１２の下面が上方に向けて窪み、かつ頂壁が流出孔２３より上方に位置する有頂筒状のエア貯留部１２ａが形成されている。なお、閉塞壁１２にエア貯留部１２ａを形成しなくてもよい。エア貯留部１２ａ内の上部には、貯留空間Ａ内に内容物が充填された状態でも、空気を残留させておくことが可能になり、後述のように操作レバー１８を操作してピストン１５を上昇させ、貯留空間Ａの内圧を上昇させる際、エア貯留部１２ａ内の空気が圧縮することにより、操作レバー１８の初動時の操作荷重を低減することができる。
【0021】
吐出ヘッド１４は、有頂筒状に形成され、外嵌筒２４に嵌合されている。吐出ヘッド１４は、閉塞壁１２の上面を覆っている。吐出ヘッド１４の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。吐出ヘッド１４には、流出孔２３からの内容物を吐出する吐出孔２５が形成されている。吐出孔２５は、径方向のうち、共通軸Ｏに対してエア貯留部１２ａが位置している側の反対側に向けて開口している。
以下、径方向のうち、吐出孔２５が開口する向きを前方といい、この逆向きを後方といい、上下方向から見て、前後方向に直交する方向を左右方向（横方向）という。
以下、径方向のうち、吐出孔２５が開口する向きを前方といい、この逆向きを後方といい、上下方向から見て、前後方向に直交する方向を左右方向（横方向）という。
【0022】
吐出ヘッド１４には、閉塞壁１２の隆起筒１２ｂに外嵌され、かつ吐出孔２５に連通した連結筒１４ａが形成されている。連結筒１４ａは、吐出ヘッド１４の頂壁の下面から下方に向けて延びている。
【0023】
吐出ヘッド１４の頂壁の下面において、連結筒１４ａの内側に位置する部分に、下方に向けて突出した規制突起１４ｂが形成されている。規制突起１４ｂには、上昇端位置に達した吐出弁１３が突き当たる。規制突起１４ｂは、表裏面が周方向を向く板状に形成されている。規制突起１４ｂは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。規制突起１４ｂは、連結筒１４ａの内周面に連結されている。規制突起１４ｂのうち、径方向の外側部分は、径方向の内側部分より下方に向けて突出している。規制突起１４ｂのうち、径方向の外側部分は連結筒１４ａに連結され、径方向の内側部分は吐出弁１３と上下方向で対向している。
【0024】
ピストン１５は、貯留空間Ａを上下方向に拡縮するようにシリンダ１１の本体筒２１内に上下摺動可能に嵌合されるとともに、貯留空間Ａの下端開口を閉塞している。ピストン１５の材質は、例えばポリエチレンが好ましい。ピストン１５には、上下方向に貫いて容器本体Ｗ内に連通する供給孔２６が形成されている。ピストン１５において、貯留空間Ａの内面を画成する部分における供給孔２６の開口周縁部に、供給孔２６に向かうに従い下方に向けて延びる第２弁座面３１ａが形成されている。図示の例では、ピストン１５は、下方に向かうに従い縮径した多段の筒状に形成され、ピストン１５のうち最も下方に位置する下筒部３１は有底筒状に形成されている。ピストン１５において、シリンダ１１の内周面を摺動する摺動筒部２７は、最も上方に位置している。
【0025】
下筒部３１の底壁には、下方に向けて延びる外側シール筒３２および内側シール筒３３が形成されている。外側シール筒３２は、内側シール筒３３の上部を径方向の外側から囲っている。内側シール筒３３の下部は、外側シール筒３２より下方に位置している。外側シール筒３２は、供給筒２２の上部内に上下摺動可能に嵌合され、内側シール筒３３は、供給筒２２の下部内に上下摺動可能に嵌合されている。
【0026】
供給孔２６は、下筒部３１の底壁を上下方向に貫き、容器本体Ｗ内と貯留空間Ａ内とを連通する。第２弁座面３１ａは、下筒部３１の底壁の上面における供給孔２６の開口周縁部に形成され、径方向の内側に向かうに従い下方に向けて延びている。下筒部３１の底壁の上面のうち、第２弁座面３１ａの外周縁に連なる外周縁部は、上方を向く平坦面となっている。
【0027】
下部弁体１７は、供給孔２６を閉塞し、貯留空間Ａ内の負圧時に供給孔２６を開放する。下部弁体１７は、第２弁座面３１ａに上方に向けて離反可能に着座した球体となっている。下部弁体１７は、ピストン１５を形成する材料の比重より高い比重の材料で形成されている。下部弁体１７の材質は、例えばステンレス等の金属材料、若しくはポリプロピレン等の合成樹脂材料が好ましい。下部弁体１７の上部は、下筒部３１の底壁の上面の外周縁部より上方に位置している。下部弁体１７は、下筒部３１の上端部より下方に位置している。
【0028】
ピストン１５には、支持部材３４が設けられている。支持部材３４の材質は、例えばポリプロピレン等が好ましい。なお、支持部材３４は、ピストン１５と一体に形成されてもよい。
【0029】
支持部材３４は、ピストン１５内において、摺動筒部２７と下筒部３１との間に位置する部分に嵌合された有頂筒状の装着部３５と、装着部３５の頂壁３５ａから上方に向けて延びる有頂筒状の案内部３６と、装着部３５の頂壁３５ａから下方に向けて延びる抜け止め突起３４ａと、を備えている。
【0030】
装着部３５および案内部３６それぞれの周壁には、径方向のうちの一方向に貫く連通開口が形成されている。図示の例では、連通開口は、装着部３５および案内部３６それぞれの周壁を左右方向に貫いている。案内部３６の頂壁３６ａは環状に形成されている。案内部３６の頂壁３６ａの内周縁部は、案内部３６の周壁の内周面より径方向の内側に張り出している。
【0031】
抜け止め突起３４ａは、ピストン１５の下筒部３１内に挿入されている。抜け止め突起３４ａは、上下方向から見て十字状を呈する。抜け止め突起３４ａと、下筒部３１の内周面と、の間の径方向の隙間は、下部弁体１７の直径より小さくなっている。抜け止め突起３４ａに、第２弁座面３１ａから上方に離反した下部弁体１７が突き当たることで、下部弁体１７が下筒部３１内から離脱することが規制される。なお、抜け止め突起３４ａは、下筒部３１より上方に位置してもよい。抜け止め突起３４ａに下部弁体１７が突き当たった状態で、下部弁体１７の下端部、および下筒部３１の底壁の上面の外周縁部それぞれの上下方向の位置が互いに同等になる。
【0032】
付勢部材１６は、ピストン１５を下方付勢状態で上方移動可能に支持している。付勢部材１６は、コイルスプリングとなっている。付勢部材１６の材質は、例えばステンレス等の金属材料、若しくはポリアセタールコポリマー等の合成樹脂材料が好ましい。付勢部材１６の上端部は、閉塞壁１２の隆起筒１２ｂ内に挿入され、かつ閉塞壁１２の下面に当接している。付勢部材１６の下部内に、支持部材３４の案内部３６が挿入されている。付勢部材１６の下端部が、支持部材３４における装着部３５の頂壁３５ａの上面に当接している。
【0033】
吐出弁１３は、閉塞壁１２の流出孔２３に挿入された状態で上下動可能に設けられ、流出孔２３を開閉する。吐出弁１３は、軸部３７および弁本体３８を備え、共通軸Ｏと同軸に配設されている。吐出弁１３は、有底筒状に形成されている。なお、吐出弁１３は、中実の棒体であってもよい。吐出弁１３の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。
【0034】
軸部３７は、上下方向に延び、支持部材３４の案内部３６内に上下動可能に挿入されている。軸部３７には、案内部３６の頂壁３６ａの内周縁部に、この頂壁３６ａの下方から当接した係止突起３７ａが形成されている。吐出弁１３は、係止突起３７ａおよび案内部３６を介して付勢部材１６により下方に付勢されている。
【0035】
弁本体３８は、閉塞壁１２の第１弁座面２３ａに対して上下方向に接近、および離反可能に設けられている。 弁本体３８の外周面は、上方に向かうに従い外径が大きくなる円錐面状に形成されている。弁本体３８の外周面に、全周にわたって連続して延び、第１弁座面２３ａに当接する突条状のシール突起が設けられている。弁本体３８の外周面における下端部は、流出孔２３の内周面より径方向の内側に位置している。弁本体３８の外周面、および流出孔２３の内周面それぞれの下端部は、径方向で対向している。
【0036】
弁本体３８の上端部に、上方に向けて突出した環状突起３９が設けられている。環状突起３９の上端開口縁は、閉塞壁１２における隆起筒１２ｂの頂壁の上面より上方に位置している。環状突起３９の上端開口縁は、吐出弁１３が上昇端位置に位置したときに、吐出ヘッド１４の規制突起１４ｂに突き当たる。
【0037】
操作レバー１８は、グリップ部４４の内側に配置されている。操作レバー１８は、シリンダ１１内において貯留空間Ａの外側に位置する部分に差し込まれ、ピストン１５を押し上げる。操作レバー１８の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。操作レバー１８は、シリンダ１１に対して左右方向に延びるレバー回動軸線Ｐを中心に回動可能に設けられている。
【0038】
操作レバー１８は、グリップ部４４に軸支された左右一対の回動軸４１と、シリンダ１１内において貯留空間Ａより下方に位置する部分に差し込まれ、ピストン１５を押し上げる押上部４２と、押上部４２に連結されるとともに、シリンダ１１内から突出したレバー部４３と、を備える。回動軸４１は、レバー回動軸線Ｐを中心とする円柱状に形成されている。
【0039】
押上部４２は、シリンダ１１の本体筒２１内において、貯留空間Ａより下方に位置する部分に前後方向に差し込まれ、ピストン１５を押し上げる。押上部４２は、本体筒２１の後端部を前後方向に貫いている。押上部４２は、ピストン１５において、摺動筒部２７と下筒部３１との間に位置する部分に形成された、上下方向を向く段壁１５ａの下面に当接している。操作レバー１８の回動軸４１回りの回動に伴い、押上部４２およびピストン１５が互いに係合した状態で、ピストン１５が上下動する。
【0040】
レバー部４３は、シリンダ１１の本体筒２１内から閉塞壁１２の外嵌筒２４の後方に突出している。レバー部４３は、後方に向かうに従い上方に延びている。レバー部４３の後端部は、レバー回動軸線Ｐよりも上方に位置する。
【0041】
レバー部４３には、リブ４３ａが突設されている。リブ４３ａは、レバー部４３から前方に突出している。リブ４３ａは、表裏面を左右方向に向けて配置されている。リブ４３ａは、グリップ部４４の一対の側板４４ａの間に位置する。リブ４３ａは、外嵌筒２４の後方から外嵌筒２４に当接している。これにより、リブ４３ａは、レバー部４３の前進を伴う操作レバー１８の回動を規制している。
【0042】
押上部４２およびレバー部４３は、左右一対のレバー側板５１と、一対のレバー側板５１を連結する連結板５２と、により形成されている。一対のレバー側板５１は、押上部４２の前端からレバー部４３の後端にわたって連続して延びている。一対のレバー側板５１は、表裏面を左右方向に向けて配置されている。一対のレバー側板５１は、左右方向に間隔をあけて平行に配置されている。一対のレバー側板５１は、押上部４２においてピストン１５の下筒部３１を左右方向に挟むように位置している。各レバー側板５１には、回動軸４１が左右方向の外側に突設されている。
【0043】
連結板５２は、一対のレバー側板５１を左右方向に連結している。連結板５２は、回動軸４１の下方を前後方向に跨ぐように延びている。連結板５２は、押上部４２からレバー部４３の後端にわたって連続して延びている。ただし、連結板５２は、押上部４２に形成されていなくてもよい。連結板５２の前端は、レバー側板５１の前端よりも後方に位置する。連結板５２は、レバー部４３において一対のレバー側板５１の間の空間を前上方から画成するように、各レバー側板５１の上端縁に接続している。連結板５２は、後方に向かうに従い上方に延びている。連結板５２は、後方に向かうに従い前後方向に対する傾斜角度を大きくしながら上方に延びる軸側半部と、軸側半部の後端から後方に向かうに従い前後方向に対する傾斜角度を小さくしながら上方に延びる先端側半部と、を有する。連結板５２の軸側半部には、リブ４３ａが前方に突設されている。
【0044】
グリップ部４４は、シリンダ１１に相対変位不能に設けられている。グリップ部４４は、外嵌筒２４と一体に形成されている。グリップ部４４は、外嵌筒２４から後方に向かうに従い下方に向けて延びている。グリップ部４４は、上下方向に延びるととともに左右方向に間隔をあけて配置された一対の側板４４ａと、一対の側板４４ａ同士を連結するグリップ板４４ｂと、を備えている。
【0045】
一対の側板４４ａは、後方に向かうに従い左右方向の間隔が漸次狭まるように延びている（図２参照）。各側板４４ａは、外嵌筒２４に接続し、左右方向から見て前後方向に延びる上縁を有する前半部と、前半部に後方で接続し、左右方向から見て後方に向かうに従い下方に延びる上縁を有する後半部と、を備える。前半部の下縁は、左右方向から見て前後方向に沿って延びている。後半部の下縁は、後方に向かうに従い下方に延びている。一対の側板４４ａは、操作レバー１８を左右方向の両側から挟むように配置されている。側板４４ａは、操作レバー１８の回動角度によらず左右方向から見て操作レバー１８の全体に重なるように形成されている。グリップ板４４ｂは、一対の側板４４ａの間の空間を下方から画成するように、各側板４４ａの下縁の全体に接続している。グリップ板４４ｂは、レバー部４３の下方からレバー部４３に対向している。側板４４ａにおける径方向の内端部に、操作レバー１８の回動軸４１が回転可能に嵌合された軸受孔が形成されている。
【0046】
各側板４４ａには、上下方向に沿って延びるガイド溝４６が形成されている。ガイド溝４６は、直線状に延びている。ガイド溝４６は、各側板４４ａにおける左右方向の内側を向く面に開口している。図示の例では、ガイド溝４６は、側板４４ａを左右方向に貫通している。ガイド溝４６は、左右方向から見て操作レバー１８のレバー部４３に交差するように形成されている。ガイド溝４６の上端は、左右方向から見て操作レバー１８の連結板５２の先端側半部の上方に位置する。ガイド溝４６の下端は、左右方向から見て連結板５２の先端側半部の下方に位置する。ガイド溝４６は、上端および下端の前後方向の位置が互いに一致するように上下方向に延びている。ガイド溝４６は、上下方向を長手方向とする角丸長方形状に形成されている。
【0047】
図１および図２に示すように、押下部６０は、操作レバー１８のレバー部４３およびグリップ部４４のグリップ板４４ｂの上方に配置され、操作レバー１８に上方から対向している。押下部６０は、使用者の指を支持する支持面６１を有する補助板６２と、ガイド溝４６に挿入された左右一対の被ガイド部６３と、を備える。補助板６２は、上下方向に厚みを有する板状に形成されている。補助板６２の平面形状は、一対の辺が左右方向に延び、かつ残り一対の辺が前後方向に延びる矩形状である。補助板６２の上面は、支持面６１であり、左右方向および前後方向に延びる平坦面である。補助板６２の全体は、上方から見てグリップ部の一対の側板４４ａの間に位置する。補助板６２の少なくとも一部は、左右方向から見て側板４４ａに重なっている。補助板６２は、上方から見て操作レバー１８の後端に重なっている。補助板６２は、一対の側板４４ａの間をガイド溝４６の延在方向（本実施形態では上下方向）に沿って移動可能である。
【0048】
被ガイド部６３は、上方から見て補助板６２から左右方向の外側に突出している。被ガイド部６３は、ガイド溝４６に１対１で挿入されている。被ガイド部６３は、補助板６２の左右方向の端面に結合している。被ガイド部６３の上端は、補助板６２の支持面６１と面一である。被ガイド部６３の下端は、補助板６２よりも下方に突出している。被ガイド部６３は、左右方向から見て対角線長がガイド溝４６の幅よりも大きい角丸矩形状に形成されている。これにより、被ガイド部６３は、その角部がガイド溝４６の側壁面に係合することにより、ガイド溝４６内でグリップ部４４に対する回転を規制されている。被ガイド部６３の下面は、操作レバー１８の上方から連結板５２の先端側半部に当接している。
【0049】
次に、吐出器１の作用について説明する。
押下部６０の支持面６１に親指を置き、かつ他の指をグリップ部４４のグリップ板４４ｂの前方を向く内面に沿わせた状態で、親指により補助板６２を下方に向けて押し込むと、被ガイド部６３がガイド溝４６に案内されることで押下部６０がグリップ部４４に対して下方に変位する。この押下部６０の下降により、操作レバー１８の連結板５２に押下部６０が摺動し、押下部６０に押された操作レバー１８がレバー部４３の下降を伴って第１方向に回動する。このとき、レバー部４３の後端部は、レバー回動軸線Ｐよりも上方かつ後方の位置から下方かつ後方に変位して、グリップ板４４ｂに接近する。レバー部４３が下降すると、押上部４２がピストン１５の段壁１５ａの下面を上方に突上げて、貯留空間Ａを縮小する向きにピストン１５を押圧する。これにより、ピストン１５が、付勢部材１６を上下方向に圧縮させながら、シリンダ１１内を上方に向けて移動し、貯留空間Ａの内圧が上昇する。操作レバー１８は、レバー部４３がグリップ板４４ｂに当接するまで回動可能である。ただし、押下部６０の被ガイド部６３がガイド溝４６の下端に到達することで、操作レバー１８の回動が停止してもよい。
押下部６０の支持面６１に親指を置き、かつ他の指をグリップ部４４のグリップ板４４ｂの前方を向く内面に沿わせた状態で、親指により補助板６２を下方に向けて押し込むと、被ガイド部６３がガイド溝４６に案内されることで押下部６０がグリップ部４４に対して下方に変位する。この押下部６０の下降により、操作レバー１８の連結板５２に押下部６０が摺動し、押下部６０に押された操作レバー１８がレバー部４３の下降を伴って第１方向に回動する。このとき、レバー部４３の後端部は、レバー回動軸線Ｐよりも上方かつ後方の位置から下方かつ後方に変位して、グリップ板４４ｂに接近する。レバー部４３が下降すると、押上部４２がピストン１５の段壁１５ａの下面を上方に突上げて、貯留空間Ａを縮小する向きにピストン１５を押圧する。これにより、ピストン１５が、付勢部材１６を上下方向に圧縮させながら、シリンダ１１内を上方に向けて移動し、貯留空間Ａの内圧が上昇する。操作レバー１８は、レバー部４３がグリップ板４４ｂに当接するまで回動可能である。ただし、押下部６０の被ガイド部６３がガイド溝４６の下端に到達することで、操作レバー１８の回動が停止してもよい。
【0050】
以上の過程において、吐出弁１３が上方に向けて移動し、弁本体３８が閉塞壁１２の第１弁座面２３ａから上方に離反する。これにより、貯留空間Ａの内容物が、流出孔２３から流出し、吐出ヘッド１４の連結筒１４ａ内を通して吐出孔２５から吐出される。この際、外側シール筒３２および内側シール筒３３は、供給筒２２内に嵌合した状態に保たれ、シリンダ１１の本体筒２１内のうち、貯留空間Ａの外側に位置する部分は、供給筒２２における縦溝２２ｂおよび外気導入孔２２ａを通して、容器本体Ｗ内に連通する。
【0051】
そして、押下部６０を解放して操作レバー１８の復元移動（レバー部４３の上昇を伴う回動）を許容すると、付勢部材１６の復元力によりピストン１５が下方移動し、ピストン１５の段壁１５ａにより押上部４２が押下げられ、操作レバー１８がレバー回動軸線Ｐ回りに回動する。また、被ガイド部６３がガイド溝４６の上端に到達するまで押下部６０が上昇する。
【0052】
以上の過程において、貯留空間Ａが拡張して負圧になり、吐出弁１３が下方に移動して弁本体３８が第１弁座面２３ａに当接し、下部弁体１７が第２弁座面３１ａから上方に離反する。これにより、供給孔２６が開放され、容器本体Ｗ内の内容物が、シリンダ１１の供給筒２２内、および供給孔２６を通して貯留空間Ａに供給される。この際、外気が、シリンダ１１の本体筒２１内のうち、貯留空間Ａの外側に位置する部分と、供給筒２２における縦溝２２ｂおよび外気導入孔２２ａと、を通して、容器本体Ｗ内に供給される。
【0053】
本実施形態によれば、図１および図３に示すように、操作レバー１８を第１方向に回動させる際、押下部６０を操作レバー１８の姿勢変化に合わせて上下方向に沿って変位させることができる。すなわち、操作レバー１８を操作する際に押下部６０を平行移動、または平行移動に近い動きで移動させることができる。これにより、操作レバー１８を直接親指で押圧する構成とは異なり、操作レバー１８の回動角度によらず、押下部６０が親指を支持しやすい姿勢を保つことができる。したがって、内容物を吐出させる際の操作性を向上させることができる。
【0054】
また、被ガイド部６３は、グリップ部に対する回転を規制さている。この構成によれば、操作レバー１８の回動角度によらず、支持面６１の傾斜を一定にすることができる。したがって、操作レバー１８を回動させる際に、押下部６０が親指を支持しやすい状態（例えば支持面６１が上方を向く状態）を保つことができる。
【0055】
（第２実施形態）
図４および図５を参照して、第２実施形態について説明する。第２実施形態の吐出器１０１は、吐出ヘッド１２０を上下動させることで内容物を吐出する点で、第１実施形態の吐出器１とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第１実施形態と同様である。
図４および図５を参照して、第２実施形態について説明する。第２実施形態の吐出器１０１は、吐出ヘッド１２０を上下動させることで内容物を吐出する点で、第１実施形態の吐出器１とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第１実施形態と同様である。
【0056】
図４に示すように、第２実施形態の吐出器１０１は、容器本体Ｗの口部に装着される装着キャップＣと、装着キャップＣの内側に上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステム１１１を有するポンプ１１０と、ステム１１１の上端に固定され、内容物を吐出する吐出孔１２０ａが形成された吐出ヘッド１２０と、操作レバー１１８と、カバー１３０と、押下部１６０と、を備える。
【0057】
ポンプ１１０は、ステム１１１と、容器本体Ｗ内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延び、ステム１１１が上下動可能に挿入されたシリンダと、シリンダ内でステム１１１の上下動に連係するとともに、貯留空間を上下方向に拡縮するようにシリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、貯留空間を上下方向に拡張する向きにピストンを付勢する付勢部材と、容器本体Ｗ内と貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、を有する公知の構造を持つ。
【0058】
吐出ヘッド１２０は、頂壁部１２１および外筒部１２２を有する有頂筒状に形成されている。吐出ヘッド１２０は、頂壁部１２１から下方に突出し、ステム１１１の上端に装着される装着筒部１２３と、外筒部１２２から径方向外側に突出するとともに内部が装着筒部１２３内に連通し、先端に吐出孔１２０ａが形成されたノズル部１２４と、を有する。装着筒部１２３は、外筒部１２２によって径方向の外側から囲われている。装着筒部１２３の内側には、ステム１１１の上端部が装着されている。
【0059】
カバー１３０は、装着キャップＣに固定されている。カバー１３０は、装着キャップＣ、ステム１１１および吐出ヘッド１２０を覆っている。カバー１３０は、上下方向に延びるととともに左右方向に間隔をあけて配置された一対の側板１３１と、共通軸Ｏの前方で一対の側板１３１を左右方向に連結する前方連結板１３２と、共通軸Ｏの後方で一対の側板１３１を左右方向に連結する後方連結板１３３と、を備える。一対の側板１３１の間の空間は、前後方向の全体にわたって上方に開放されている。
【0060】
側板１３１は、ポンプカバー部１３５と、ノズルカバー部１３６と、グリップ部１３７と、を備える。ポンプカバー部１３５は、左右方向から見て装着キャップＣと重なる位置から上方に延びている。ポンプカバー部１３５は、装着キャップＣと、ステム１１１のうち装着キャップＣから上方に突出した部分と、吐出ヘッド１２０のうち主に頂壁部１２１および外筒部１２２と、を左右方向の外側から覆っている。
【0061】
ノズルカバー部１３６は、ポンプカバー部１３５の上部から前方に延びている。ノズルカバー部１３６は、吐出ヘッド１２０のノズル部１２４のうち外筒部１２２との接続部近傍を覆っている。ノズルカバー部１３６は、上下方向の幅を狭めながら後方に延びている。ノズルカバー部１３６は、左右方向から見てステム１１１ととともに上下動するノズル部１２４の先端に重ならないように形成されている。ノズルカバー部１３６には、操作レバー１１８を軸支する軸受孔が形成されている。グリップ部１３７は、ポンプカバー部１３５の上部から後方に延びている。グリップ部１３７は、グリップ部１３７の上縁および下縁は、左右方向から見て後方に向かうに従い下方に延びている。
【0062】
前方連結板１３２は、一対の側板１３１の間の空間を前方から画成するように、各側板１３１の前縁に接続している。前方連結板１３２は、ポンプカバー部１３５の下部の前方からノズルカバー部１３６の下部の前方にわたって連続して延びている。前方連結板１３２の上端縁には、上下動するノズル部１２４を通過させるスリット１３２ａが形成されている。
【0063】
後方連結板１３３は、一対の側板１３１の間の空間を後下方から画成するように、各側板１３１の端縁に接続している。後方連結板１３３は、ポンプカバー部１３５の下部の後方からグリップ部１３７の下方にわたって連続して延びている。後方連結板１３３は、グリップ部１３７の間の空間を下方から画成するように、グリップ部１３７の下縁の全体に接続するグリップ板１３３ａを有する。
【0064】
操作レバー１１８は、カバー１３０の一対の側板１３１の間に配置されている。操作レバー１１８は、吐出ヘッド１２０の上方から吐出ヘッド１２０に対向している。操作レバー１１８は、吐出ヘッド１２０の頂壁部１２１の上方を前後方向に跨ぐように配置されている。操作レバー１１８は、シリンダに対して左右方向に延びるレバー回動軸線Ｐを中心に回動可能に設けられている。
【0065】
操作レバー１１８は、一対の側板１３１に形成された軸受孔に回転可能に嵌合された左右一対の回動軸１４１と、一対の回動軸１４１に接続するレバー部１４３と、を備える。回動軸１４１は、レバー回動軸線Ｐを中心とする円柱状に形成されている。回動軸１４１は、吐出ヘッド１２０のノズル部１２４よりも下方に配置されている。一対の回動軸１４１は、上下方向から見てのノズル部１２４を避けるように左右方向に間隔をあけて配置されている。
【0066】
レバー部１４３は、左右方向に広がる板状に形成されている。レバー部１４３は、その前端付近に回動軸１４１との接続部を有する。レバー部１４３は、回動軸１４１との接続部からノズル部１２４の上方位置まで上方に延びる前部１４３ａと、前部１４３ａの上端から後方に延びて吐出ヘッド１２０の頂壁部１２１の上方を前後方向に跨ぐ後部１４３ｂと、を備える。レバー部１４３の前部１４３ａには、上下動するノズル部１２４を通過させるスリット１４３ｄが形成されている。レバー部１４３の後部１４３ｂは、左右方向から見て直線状に延びている。レバー部１４３の後部１４３ｂのうちレバー部１４３の後端から吐出ヘッド１２０の頂壁部１２１の上方にわたる部分は、一対の側板１３１の間に配置されている。レバー部１４３の後部１４３ｂには、下方に突出した凸部１４３ｃが形成されている。凸部１４３ｃは、吐出ヘッド１２０の頂壁部１２１に上方から当接する。レバー部１４３は、吐出ヘッド１２０に対して凸部１４３ｃのみを当接させるように形成されている。
【0067】
ここで、カバー１３０の一対の側板１３１には、上下方向に沿って延びるガイド溝１４６が形成されている。ガイド溝１４６の形状は、第１実施形態のガイド溝４６の形状と同様である。ガイド溝１４６は、左右方向から見て操作レバー１１８のレバー部１４３に交差するように形成されている。ガイド溝１４６の上端は、左右方向から見てレバー部１４３の後端部の上方に位置する。ガイド溝１４６の下端は、左右方向から見てレバー部１４３の後端部の下方に位置する。
【0068】
押下部１６０は、操作レバー１１８のレバー部１４３およびカバー１３０のグリップ板１３３ａの上方に配置されている。押下部１６０は、上方から見て吐出ヘッド１２０の後方に位置し、レバー部１４３の後部１４３ｂに上方から対向している。押下部１６０は、第１実施形態の押下部６０と同様に形成されている。補助板６２の全体は、上方から見てカバー１３０の一対の側板１３１の間に位置する。補助板６２の少なくとも一部は、左右方向から見て側板１３１に重なっている。補助板６２は、上方から見てレバー部１４３の後端に重なっている。補助板６２は、一対の側板１３１の間をガイド溝１４６の延在方向（本実施形態では上下方向）に沿って移動可能である。被ガイド部６３の下面は、レバー部１４３の後部１４３ｂの上方からレバー部１４３の後部１４３ｂに当接している。
【0069】
次に、吐出器１０１の作用について説明する。
押下部１６０の支持面６１に親指を置き、かつ他の指をカバー１３０のグリップ板１３３ａの前方を向く内面に沿わせた状態で、親指により補助板６２を下方に向けて押し込むと、被ガイド部６３がガイド溝１４６に案内されることで押下部１６０がカバー１３０に対して下方に変位する。この押下部１６０の下降により、操作レバー１１８のレバー部１４３に押下部６０が摺動し、押下部１６０に押された操作レバー１１８がレバー部１４３の下降を伴って第１方向に回動する。このとき、レバー部１４３の後端部は、レバー回動軸線Ｐよりも上方かつ後方の位置から下方かつ後方に変位して、グリップ板１３３ａに接近する。レバー部１４３が下降すると、凸部１４３ｃが吐出ヘッド１２０の頂壁部１２１の上面を押し下げて、シリンダの貯留空間が縮小する向きにピストンを押圧する。これにより、貯留空間の内容物が吐出ヘッド１２０の吐出孔１２０ａから吐出される。操作レバー１１８は、押下部１６０の被ガイド部６３がガイド溝１４６の下端に到達するまで回動可能である。
押下部１６０の支持面６１に親指を置き、かつ他の指をカバー１３０のグリップ板１３３ａの前方を向く内面に沿わせた状態で、親指により補助板６２を下方に向けて押し込むと、被ガイド部６３がガイド溝１４６に案内されることで押下部１６０がカバー１３０に対して下方に変位する。この押下部１６０の下降により、操作レバー１１８のレバー部１４３に押下部６０が摺動し、押下部１６０に押された操作レバー１１８がレバー部１４３の下降を伴って第１方向に回動する。このとき、レバー部１４３の後端部は、レバー回動軸線Ｐよりも上方かつ後方の位置から下方かつ後方に変位して、グリップ板１３３ａに接近する。レバー部１４３が下降すると、凸部１４３ｃが吐出ヘッド１２０の頂壁部１２１の上面を押し下げて、シリンダの貯留空間が縮小する向きにピストンを押圧する。これにより、貯留空間の内容物が吐出ヘッド１２０の吐出孔１２０ａから吐出される。操作レバー１１８は、押下部１６０の被ガイド部６３がガイド溝１４６の下端に到達するまで回動可能である。
【0070】
そして、押下部１６０を解放して操作レバー１１８の復元移動（レバー部１４３の上昇を伴う回動）を許容すると、レバー部１４３が吐出ヘッド１２０に押し上げられて操作レバー１１８がレバー回動軸線Ｐ回りに回動するとともに、被ガイド部６３がガイド溝１４６の上端に到達するまで押下部１６０が上昇する。以上の過程において、シリンダの貯留空間が拡張して負圧になり、容器本体Ｗ内の内容物が貯留空間に供給される。
【0071】
本実施形態によれば、図４および図５に示すように、操作レバー１１８を第１方向に回動させる際、押下部１６０を指の動きに合わせて上下方向に沿って変位させることができる。したがって、第１実施形態と同様の効果を奏する。
【0072】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、ガイド溝４６，１４６が上下方向に延びているが、この構成に限定されない。ガイド溝は、上下方向に沿って延びていればよく。上下方向に対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、上記実施形態では、ガイド溝４６，１４６が直線状に延びているが、例えばガイド溝は曲線状に延びていてもよい。また、ガイド溝は、各側板を左右方向に貫通した孔でなくてもよく、底面を有するように側板の内側面に溝状（レール状等）に形成されていてもよい。
例えば、上記実施形態では、ガイド溝４６，１４６が上下方向に延びているが、この構成に限定されない。ガイド溝は、上下方向に沿って延びていればよく。上下方向に対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、上記実施形態では、ガイド溝４６，１４６が直線状に延びているが、例えばガイド溝は曲線状に延びていてもよい。また、ガイド溝は、各側板を左右方向に貫通した孔でなくてもよく、底面を有するように側板の内側面に溝状（レール状等）に形成されていてもよい。
【0073】
上記実施形態では、押下部６０，１６０の被ガイド部６３が左右方向から見て矩形状に形成され、その対角線長がガイド溝４６，１４６の幅よりも大きいことで押下部６０，１６０の回転を規制している。しかし、被ガイド部の形状は上記形状に限定されず、例えば被ガイド部は、ガイド溝の延在方向の大きさがガイド溝の幅よりも大きい形状を有していればよい。また、被ガイド部は、ガイド溝の延在方向に離間して２つ以上配置されていてもよい。
【0074】
上記実施形態では、補助板６２の支持面６１が平坦面であるが、この構成に限定されない。例えば、支持面は、上方に膨出する凸曲面であってもよいし、下方に窪む凹曲面であってもよい。
【0075】
上記実施形態では、操作レバー１８を回動させる際に押下部６０，１６０に親指を置く場合を例示しているが、押下部に親指以外の手指や掌などを置くように構成されていてもよい。
【0076】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0077】
１，１０１…吐出器 １１…シリンダ １４，１２０…吐出ヘッド １５…ピストン １６…付勢部材 １７…下部弁体 １８，１１８…操作レバー ２５，１２０ａ…吐出孔 ２６…供給孔 ４４ａ，１３１…側板 ４６，１４６…ガイド溝 ６０，１６０…押下部 ６１…支持面 ６３…被ガイド部 Ａ…貯留空間 Ｐ…レバー回動軸線 Ｗ…容器本体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】