(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158459
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
A47L 11/164 20060101AFI20241031BHJP
A47L 13/07 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47L11/164
A47L13/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073678
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】523160601
【氏名又は名称】株式会社H.C.K.21
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】荒木 栄吉
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ポリッシャーをするにあたり床面のワックス除去が効率的に行える清掃具を提供する。
【解決手段】この清掃具は、複数の金属タワシ5がパッド台上に装着されて構成される。パッド台の表面には多数の微小なフックが設けられている。金属タワシ5をこのパッド台の表面に載せて少し動かすことで金属タワシ5がパッド台の微小なフックに係止して固定される。このようにしてパッド台の表面に金属タワシ5を隙間なく配置し全体としてディスク状に成形する。金属タワシ5を装着したらパッド台をポリッシャーの本体の回転部に装着する。この状態でポリッシャーにより床面を磨くと金属タワシ5により床面のワックスが綺麗に除去される。また、金属タワシ5が一定の弾力性を持って床面に接するので床面を摩耗しさせにくい。また、回転中に金属タワシ5が外れても金属タワシ5自体は柔らかく軽量であるため安全である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリッシャーの本体の先端に設けられる回転部に対して装着するパッド台と、
前記パッド台の表面に装着した複数の金属タワシと、
からなることを特徴とする掃除具。
【請求項2】
前記金属タワシは、パッド台の表面の小さい係止片の集合体に対して係止して保持されていることを特徴とする請求項1に記載の掃除具。
【請求項3】
前記金属タワシは、異なる素材からなる金属タワシを前記パッド台に対して保持したことを特徴とする請求項1に記載の掃除具。
【請求項4】
支持棒の先端に表面が起毛した一定の弾力性を有するボール体を設けたことを特徴とする掃除具。
【請求項5】
前記ボールは、硬式テニスボールであることを特徴とする請求項4に記載の掃除具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床の汚れを除去する清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から床面を掃除するものとしてポリッシャーが使用されている。このポリッシャーは本体の下部に回転部を備え、当該本体の上方に向かって延出するハンドルを持って操作するものであり、このハンドルにスイッチ類が装備されている。本体の内部にはモーターが内蔵されており本体の下部には回転部が設けられる。前記回転部には、円盤状のプレートが装着されこの円盤状のプレートにブラシやフロアパッドなどが装着される。
【0003】
ポリッシャーを使用する場合、スイッチを入れて本体のモーターを回し、前記プレートに装着したブラシやフロアパッドを回転させてこれを床面に押し当て、当該床面を磨いたり、ワックスがけをしたりする。このようなポリッシャーとして従来から特許文献1に記載されたような技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら 従来のポリッシャーでは 床面のワックスを除去するにあたり フロアパッドを用いるところ、このフロアパッドではワックスを効率的に除去することはできなかった。そこで、本発明の第1の目的は、ポリッシャーをするにあたり床面のワックス除去が効率的に行える清掃具を提供するものである。
【0006】
また、床面にはヒールマーク等の汚れが散点的に発生しこのような汚れを一つ一つスクレーパーなどで取るのは面倒であった。そこで、本発明の第2の目的は このような部分的に発生している汚れを簡単に取ることができる清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る掃除具は、ポリッシャーの本体の先端に設けられる回転部に対して装着するパッド台と、前記パッド台の表面に装着した複数の金属タワシとからなるものである。前記金属タワシは、パッド台の表面の小さい係止片の集合体に対して係止して保持されるようにしてもよい。また、前記金属タワシは、異なる素材からなる金属タワシを前記パッド台に対して保持するようにしてもよい。
【0008】
本発明に係る掃除具は、支持棒の先端に表面が起毛した一定の弾力性を有するボール体を設けたものである。前記ボールは、硬式テニスボールとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態1にかかる清掃具を適用したポリッシャーを示す斜視図である。
【
図2】ポリッシャー本体に装着するプレートを示す斜視図である。
【
図4】プレート、パット台および清掃具をセットした状態を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1の清掃具の変形例を示す説明図である。
【
図9】この発明の実施の形態2に係る清掃具を示す平面図である。
【
図10】先端をカップ状にしてテニスボールを保持しやすくした形状の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる清掃具を適用したポリッシャーを示す斜視図である。
図2は、ポリッシャー本体に装着するプレートを示す斜視図である。このポリッシャー50は、モーターおよび減速機などを内蔵した本体1と、この本体1から延出するハンドル2とからなる。当該ハンドル2の上端部にはT字状にグリップとなるバーが設けられている。前記本体1は、筐体内にモーターなどが収められており本体1の下部には前記モーターで駆動される回転部が設けられる。
【0011】
前記回転部にはドーナッツ形状のプレート3が取り付けられる。プレート3の内周縁には4つの爪が設けられる。この爪はポリッシャー50の回転部に係止して前記プレート3を固定するためのものである。前記プレート3には、
図3に示すパッド台4が装着される。パッド台4は樹脂製である。このパッド台4は中央に穴が設けられる。
【0012】
この清掃具100は、複数の金属タワシ5がパッド台4上に装着されて構成される。
図4は、清掃具をプレートに装着した例を示す斜視図である。また、清掃具100の具体的な構造を
図5及び
図6に示す。金属タワシ5はステンレス素材のものが好ましい。ステンレス製の金属タワシ5は、ステンレス線をローラーでつぶし、カールをかけることで線が丸まりこれをタワシ状に回転させて相互にからめ立体的な形状にしたものである。
【0013】
パッド台4の表面には面テープに採用されているような多数の微小なフック7が設けられている。
図7は、パッド台の表面の拡大模式図である。このように、表面には小さいフック状の係止片7の集合体が形成されている。金属タワシ5をこのパッド台4の表面に載せて少し動かすことで 金属タワシ5がパッド台4の微小なフック7に係止して固定される。このようにしてパッド台4の表面に金属タワシ5を隙間なく配置し全体としてディスク状に成形する(
図4参照)。
【0014】
このようにしてパッド台4に装着した金属タワシ5は、強く引っ張ることで取り外すことができる。また、金属タワシ5が摩耗してきたら簡単に取り外して交換できる。金属タワシ5をパッド台4の上に装着して隙間なく詰めた場合の例は、
図5および
図6に示す通りである。
【0015】
このようにして金属タワシ5を装着したらパッド台4を本体1の回転部に装着する。この状態でポリッシャー50により床面を磨くと金属タワシ5により床面のワックスが綺麗に除去される。また、金属タワシ5が一定の弾力性を持って床面に接するので床面を摩耗しさせにくい。 また、回転中に金属タワシ5が外れても金属タワシ5自体は柔らかく軽量であるため安全である。
【0016】
以上この発明の清掃具100によれば複数の金属タワシ5をパッド台4に装着して構成しているので、ポリッシャー50により床面を効率的に研磨することができ安全・安価で交換などのメンテナンスも簡単である。
【0017】
金属タワシ5の種類により清掃具100全体の特性を設定できる。また、異なる金属タワシ5の種類を組み合わせて使用できる。例えば、
図8に示すように、パッド台4の一部となる外周領域4aにステンレス製の金属タワシ5aを装着し、他部となる内周領域4bに銅製の金属タワシ5bを装着することができる。このように異なる素材の金属タワシ5を組み合わせることで、さまざまな特性の清掃具100を形成できる。
【0018】
(実施の形態2)
図9は、この発明の実施の形態2に係る清掃具を示す平面図である。この清掃具200は、支持棒201の先端にボール体である硬式のテニスボール202を装着した構成である。支持棒201は、伸縮性のものでも固定のものでもよい。先端のテニスボール202は、支持棒201の先端に対してねじで固定されるようにしてもよいし、カップに装着するようにしてもよい。テニスボール202を使用するのは、大量に流通しており且つ表面が起毛しており掃除に適しているからである。
【0019】
図10は、先端をカップ状にしてテニスボールを保持しやすくした形状の例である。カップ状のホルダ203の例では、カップの周囲にねじ204が均等に3つ配置され、カップ内にテニスボール202を入れて前記ねじ204で固定することでテニスボール202を保持する。ねじ204の先端は球状に加工されておりテニスボール202に穴があかないようになっている。これにより、テニスボール202内に充填されたガスが漏れることなくテニスボール202本来の弾力性を維持できる。
【0020】
図11は、この清掃具の使用方法の説明図である。床面のヒールマークの除去に好適である。床のヒールマークとは、主にハイヒールなどの靴のかかとが、床に強く接触することによってできる、円形または半円形の傷や凹みのことをいう。これらの傷や凹みは、床の表面材質によっては非常に目立ち、見た目を損なうことがあるため、除去するのが好ましい。
【0021】
同図に示すように、ユーザUは支持棒201をもって床のヒールマークMに対してテニスボール202を押し当て、擦る。これにより、ヒールマークMが効率的に除去できる。テニスボール202は全面に起毛がほどこされているので、使用により摩耗してきたら先端の保持位置を変更して再度使用する。これにより、テニスボール202の全面を使用して清掃が可能となる。
【0022】
以上、この発明の清掃具200によれば、ヒールマークMに代表される床のスポット的な汚れを簡単に落とすことができる。
【符号の説明】
【0023】
100
1 本体
2 ハンドル
3 プレート
4 パッド台
5 金属タワシ