(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158460
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】制御装置、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/34 20180101AFI20241031BHJP
H04W 84/20 20090101ALI20241031BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20241031BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
H04W76/34
H04W84/20
H04W48/16 132
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073679
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西保 和磨
(72)【発明者】
【氏名】冨尾 勇太
(72)【発明者】
【氏名】亀田 晃佑
【テーマコード(参考)】
3K273
5K067
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA29
3K273RA11
3K273RA16
3K273SA11
3K273SA36
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA05
3K273UA12
3K273UA13
3K273UA14
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
5K067AA01
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE25
5K067GG21
(57)【要約】
【課題】メッシュネットワークからの通信機器の離脱を容易にする制御装置などを提供する。
【解決手段】制御装置30は、複数の通信機器の通信状態に応じて、複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する制御部と、複数の通信機器と通信する通信部と、を備え、複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、制御部は、複数の通信機器のうち1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる場合に、複数の通信機器のうち通信部と通信中の1つの通信機器に対して決定された番号と、1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信機器の通信状態に応じて、前記複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する制御部と、
前記複数の通信機器と通信する通信部と、を備え、
前記複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、
前記制御部は、前記複数の通信機器のうち1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる場合に、前記複数の通信機器のうち前記通信部と通信中の1つの通信機器に対して決定された前記番号と、前記1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された前記番号との差の絶対値が大きい順に、前記1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う
制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の通信機器を前記メッシュネットワークに参入させるために、前記複数の通信機器のそれぞれから出力された当該通信機器を識別する識別信号を前記通信部に受信させる受信処理を行い、
前記通信状態は、前記通信部が受信した複数の前記識別信号のそれぞれの受信信号強度を示し、
前記制御部は、前記通信状態に示される前記受信信号強度が強い順に前記番号を決定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の通信機器を順次、前記メッシュネットワークに参入させるために、前記受信処理を複数回行い、
前記通信部が、n(nは2以上の整数)回目の前記受信処理において、n-1回目以前の前記受信処理で前記通信部によって前記識別信号が受信された前記通信機器から前記識別信号を受信していない場合に、前記通信部は、前記複数の通信機器を順次、前記メッシュネットワークに参入させるための処理を中止する
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
n回目の前記受信処理で前記識別信号を出力した1以上の前記通信機器のうち、
n回目の前記受信処理で前記通信部によって初めて前記識別信号が受信された通信機器を新規通信機器とし、
n-1回目以前の前記受信処理で前記通信部によって既に前記識別信号が受信されており、かつ、n回目の前記受信処理で前記受信信号強度が最も強い前記識別信号を出力した通信機器を受信済み通信機器とし、
前記制御部が前記離脱処理を行う場合に、
前記受信済み通信機器に対して決定された前記番号と前記新規通信機器に対して決定された前記番号との差分が所定の閾値より大きく、かつ、前記通信部と通信中の前記1つの通信機器が前記新規通信機器であるときに、
前記制御部は、前記1つの通信機器に対して決定された前記番号として、前記受信済み通信機器に対して決定された前記番号を用いる
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記通信状態は、前記複数の通信機器間の前記メッシュネットワークの通信経路を示す経路状態を示し、
前記制御部は、前記通信状態に示される前記通信経路に基づいて、前記通信部と通信中の前記1つの通信機器との通信距離が長い順に前記番号を決定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記離脱処理が行われた前記1以上の通信機器のうち前記メッシュネットワークに参入し続けている通信機器が有る場合には、前記制御部は、前記通信部と参入し続けている前記通信機器とを前記メッシュネットワークを介さずに通信させ、参入し続けている前記通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる
請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部が前記順に沿って前記1以上の通信機器への前記離脱処理を行う場合に、前記1以上の通信機器のうち前記離脱処理が行われている1つの通信機器である実行中通信機器から当該実行中通信機器が前記メッシュネットワークから離脱することを示す離脱応答情報を前記通信部が受信しなかったときに、前記制御部は、前記実行中通信機器への前記離脱処理以降の前記離脱処理を停止する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記番号は、第1番号であって、
前記制御部は、
前記複数の通信機器を順次、前記メッシュネットワークに参入させるために、前記複数の通信機器のそれぞれから出力された当該通信機器を識別する識別信号を前記通信部に受信させる受信処理を複数回行う場合に、
前記受信処理の回数に応じて、前記複数の通信機器のそれぞれに対して第2番号を決定し、
前記複数の通信機器のうち前記1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させるときに、前記複数の通信機器のうち前記通信部と通信中の前記1つの通信機器に対して決定された前記第2番号と、前記1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された前記第2番号との差の絶対値が大きい順であって、前記1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された前記第1番号が大きい順に、前記1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる
請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記複数の通信機器のそれぞれは、照明器具である
請求項1~8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
制御装置が実行する制御方法であって、
前記制御装置は、
制御部と、
複数の通信機器と通信する通信部と、を備え、
前記複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、
前記制御方法は、
前記制御部が、前記複数の通信機器の通信状態に応じて、前記複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する第1ステップと、
前記制御部が、前記複数の通信機器のうち1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる場合に、前記複数の通信機器のうち前記通信部と通信中の1つの通信機器に対して決定された前記番号と、前記1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された前記番号との差の絶対値が大きい順に、前記1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う第2ステップとを含む
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メッシュネットワークに参入済みのノード(通信機器)を当該メッシュネットワークから離脱させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メッシュネットワークから複数の通信機器が離脱する場合に、離脱する順によっては、離脱することが困難な通信機器が生じてしまう場合がある。
【0005】
本発明は、メッシュネットワークからの通信機器の離脱を容易にする制御装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御装置は、複数の通信機器の通信状態に応じて、前記複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する制御部と、前記複数の通信機器と通信する通信部と、を備え、前記複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、前記制御部は、前記複数の通信機器のうち1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる場合に、前記複数の通信機器のうち前記通信部と通信中の1つの通信機器に対して決定された前記番号と、前記1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された前記番号との差の絶対値が大きい順に、前記1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う。
【0007】
本発明の一態様に係る制御方法は、制御装置が実行する制御方法であって、前記制御装置は、制御部と、複数の通信機器と通信する通信部と、を備え、前記複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、前記制御方法は、前記制御部が、前記複数の通信機器の通信状態に応じて、前記複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する第1ステップと、前記制御部が、前記複数の通信機器のうち1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる場合に、前記複数の通信機器のうち前記通信部と通信中の1つの通信機器に対して決定された前記番号と、前記1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された前記番号との差の絶対値が大きい順に、前記1以上の通信機器を前記メッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う第2ステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の制御装置は、メッシュネットワークからの通信機器の離脱を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態の第1例に係る第1参入処理のシーケンス図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の第1例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の第1例に係る第2参入処理のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の第1例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の第1例に係る初期化処理のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実施の形態の第1例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、実施の形態の第1例の変形例1に係るフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、実施の形態の第1例の変形例2に係るフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態の第1例の変形例3に係るフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態の第2例に係る第1参入処理のシーケンス図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の第2例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の第2例に係る1回目のスキャン範囲を示すマップ画像である。
【
図13】
図13は、実施の形態の第2例に係る2回目のスキャン範囲を示すマップ画像である。
【
図14】
図14は、実施の形態の第2例に係る3回目のスキャン範囲を示すマップ画像である。
【
図15】
図15は、実施の形態の第2例に係る第1参入処理をより詳細に説明するフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施の形態の第2例に係る初期化処理のシーケンス図である。
【
図17】
図17は、実施の形態の第2例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態の第3例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施の形態の第3例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施の形態の第3例に係るステップS46をより詳細に説明するフローチャートである。
【
図21】
図21は、実施の形態の第4例に係る第1参入処理のシーケンス図である。
【
図22】
図22は、実施の形態の第4例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施の形態の第4例に係る初期化処理のシーケンス図である。
【
図24】
図24は、実施の形態の第4例に係るマップ画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る通信システム10の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る通信システム10の機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、通信システム10は、複数の通信機器(複数の照明器具20)と、制御装置30とを備える。
【0013】
通信システム10において、複数の照明器具20である複数の通信機器のそれぞれは無線通信機能を有し、複数の通信機器はメッシュネットワークを構成する。1つの通信機器つまりは1つの照明器具20が1つの通信ノードに相当する。メッシュネットワークにおいては、ある通信ノード(第1通信ノードとも記載される)からもう一つの通信ノード(第2通信ノードとも記載される)へ情報を伝送するときには、当該情報はバケツリレー方式で伝送される。
【0014】
具体的には、上記第1通信ノードが第2通信ノードのアドレス情報(宛先情報)を含む情報をブロードキャスト送信すると、これを受信した上記第1通信ノードと同一のメッシュネットワークに属する他の通信ノードのそれぞれは、受信した情報をさらにブロードキャスト送信する。つまり、他の通信ノードのそれぞれは、情報を中継する。このような情報の中継が同一のメッシュネットワーク内で繰り返されることにより、第1通信ノードが送信した上記の情報は、第1通信ノードと同一のメッシュネットワーク内に属する全ての通信ノードに行き渡る。したがって、第2通信ノードは、第1通信ノードが送信した情報を受信することができる。
【0015】
メッシュネットワークを通じて伝送される情報は、例えば、通信機器を当該メッシュネットワークから離脱させるための離脱情報である。また例えば通信機器が照明器具20である場合には、メッシュネットワークを通じて伝送される情報は、照明器具20を点灯制御、消灯制御、又は、調光制御するための制御情報である。また、後述のようにメッシュネットワークに環境センサが含まれるような場合には、環境センサの計測値(センシング情報)が伝送されるような場合もある。
【0016】
まず、通信機器について説明する。通信機器は、当該通信機器以外の機器と通信することができる機器であればよく、本実施の形態においては、照明器具20である。また例えば、通信機器は、環境センサ又はカメラなどであってもよい。
【0017】
さらに、通信機器の一例である照明器具20について説明する。照明器具20は、室内空間の天井に設置されて、当該室内空間を照らすベースライトなどである。上述のように複数の通信機器である複数の照明器具20のそれぞれは無線通信機能を有する。複数の照明器具20はメッシュネットワーク(より具体的には、無線メッシュネットワーク)に参入し、つまりは、メッシュネットワークを構成する。なお、照明器具20の態様は、特に限定されるものではなく、シーリングライト、ダウンライト、又は、スポットライト等であってもよい。照明器具20は、具体的には、無線通信部21と、光源22とを備える。
【0018】
無線通信部21は、通信機器(照明器具20)が他の通信機器(照明器具20)、及び、制御装置30と無線通信(より具体的には、電波通信)を行うための無線通信回路である。照明器具20がメッシュネットワークに参入した後には、無線通信部21は、上述のメッシュネットワークを通じた通信を行う。また、無線通信部21は、当該照明器具20を識別する識別信号を送信する。識別信号には、当該照明器具20(通信機器)を識別する識別情報が含まれている。例えば、識別信号はビーコン信号(アドバタイズ信号などと呼ばれることもある)であり、照明器具20は、ビーコン信号を定期的に送信し、ビーコン信号を受信した制御装置30と無線通信を行う。また、無線通信部21は、具体的には、BLE(Blutooth(登録商標) Low Energy)又はWi-Fi(登録商標)などの通信規格にしたがって無線通信を行う。
【0019】
光源22は、照明器具20が室内空間を照らすために室内空間へ白色光を照射する。光源22は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子によって実現されるが、半導体レーザ、有機EL(Electro Luminescence)、又は、無機EL等の他の発光素子によって実現されてもよい。
【0020】
次に、制御装置30の構成について説明する。制御装置30は、通信機器(照明器具20)をメッシュネットワークに参入させるための参入処理を行う情報端末である。また、制御装置30は、通信機器(照明器具20)がメッシュネットワークに参入していない状態にするための初期化処理も行う。
【0021】
制御装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末である。また、制御装置30は、通信システム10において用いられる専用のリモートコントローラであってもよい。制御装置30は、参入処理及び初期化処理が行われるときに、ユーザによって使用される。ここでのユーザは、例えば、複数の照明器具20の天井への設置作業を行った設置者であるが、設置者以外の他のユーザであってもよい。ユーザは、例えば、通信システム10の管理者などであってもよい。制御装置30は、具体的には、操作受付部31と、表示部32と、無線通信部33と、制御部34と、記憶部35とを備える。
【0022】
操作受付部31は、ユーザの操作を受け付ける。操作受付部31は、具体的には、タッチパネルなどによって実現される。
【0023】
表示部32は、上記参入処理及び初期化処理のために必要な画像を表示する。表示部32は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0024】
通信部の一例である無線通信部33は、制御装置30が複数の照明器具20のそれぞれと無線通信(より具体的には、電波通信)を行うための無線通信回路である。無線通信部33は、具体的には、BLE又はWi-Fi(登録商標)などの通信規格にしたがって無線通信を行う。
【0025】
制御部34は、操作受付部31によって受け付けられたユーザの操作に応じて参入処理及び初期化処理に関する情報処理を行う。また、制御部34は、複数の照明器具20のそれぞれから出力(つまりは送信)された当該照明器具20を識別する識別信号を無線通信部33に受信させる受信処理を行う。上記参入処理には、受信処理が含まれる。すなわち、制御部34は、複数の照明器具20をメッシュネットワークに参入させるために、受信処理を行う。また、制御部34は、照明器具20をメッシュネットワークから離脱させるための離脱処理も行う。ここで、離脱処理とは、一例として、照明器具20のメッシュネットワークの参入時に照明器具20が備える記憶部(図示せず)に記憶された設定情報を変更又は消去する処理である。また、この設定情報とは、メッシュネットワークでの通信に必要な情報である。上記初期化処理には、離脱処理が含まれる。制御部34は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。制御部34の機能は、制御部34を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどのハードウェアが記憶部35に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0026】
記憶部35は、制御部34が実行するコンピュータプログラム等の参入処理及び初期化処理に関する情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部35は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0027】
以下では、参入処理及び初期化処理について第1例~第4例を用いて説明する。
【0028】
<第1例>
第1例においては、通信システム10が複数の通信機器として5台の照明器具20を備える例について説明する。
【0029】
以下、参入処理、及び、初期化処理について説明する。
【0030】
なお、参入処理には、照明器具20の設置位置と照明器具20の識別情報とを対応付ける第1参入処理と、複数の照明器具20のそれぞれに当該照明器具20をメッシュネットワークに参入させるための情報を記憶する第2参入処理(プロビジョニングとも記載される)とが含まれる。
【0031】
[第1参入処理]
まず、第1参入処理について説明する。
図2は、本実施の形態の第1例に係る第1参入処理のシーケンス図である。
図2が示す第1参入処理は、例えば、設置者によって複数の照明器具20が天井に設置された後に行われる。
【0032】
まず、制御装置30の操作受付部31は、第1参入処理の開始を指示する開始操作をユーザから受け付ける(S11)。
【0033】
制御部34は、操作受付部31によって受け付けられた開始操作に基づき、マップ画像を含む参入設定画面を表示部32に表示する(S12)。
図3は、本実施の形態の第1例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などであり、
図3の例では複数の照明器具20の設置位置が丸印で示されている。つまり、マップ画像には、複数の照明器具20の設置位置が示されている。マップ画像は、あらかじめ記憶部35に記憶されている。なお、第1例では複数の照明器具20の識別のため、照明器具20a、20b、20c、20d及び20eと記載する場合がある。
【0034】
なお、ステップS12の時点では、複数の照明器具20がどのように配置されているかは既知であるが、どの場所にどの照明器具20が位置しているかは不明である。つまり、ステップS12の時点では、照明器具20の設置位置と照明器具20の識別情報とは対応付けられていない。
【0035】
ここで、複数の照明器具20のそれぞれは、メッシュネットワークに参入する前には、ビーコン信号(アドバタイズ信号などと呼ばれることもある)を定期的に送信している。複数の照明器具20のそれぞれが発するビーコン信号には、当該照明器具20の識別情報(MACアドレスなど)が含まれる。
【0036】
操作受付部31は、スキャン範囲の設定操作と、スキャン開始操作とをユーザから受け付ける(S13、S14)。スキャン範囲の設定操作は、後述の受信信号強度の閾値を変更するための操作である。
【0037】
スキャン開始操作が受け付けられたことを契機に、制御部34は、複数の通信機器(複数の照明器具20)のそれぞれから出力された当該通信機器(照明器具20)を識別する識別信号であるビーコン信号を無線通信部33に受信させる受信処理を行う。つまり、無線通信部33は、複数の照明器具20のそれぞれからビーコン信号を受信する(S15)。ここでは、説明の便宜上、複数の照明器具20の全ては、無線通信部33と通信可能な範囲に位置するものとする。
【0038】
制御部34は受信されたビーコン信号のうち、メッシュネットワーク未参入の照明器具20からのビーコン信号のそれぞれの受信信号強度を計測し、計測された複数のビーコン信号のそれぞれの受信信号強度は、記憶部35に記憶される(S16)。なお、制御部34は、受信されたビーコン信号のうち受信信号強度が閾値以上のビーコン信号を選択し、選択された複数のビーコン信号のそれぞれの受信信号強度のみが記憶部35に記憶される。第1例においては、5台の照明器具20a~20eの全てから送信されたビーコン信号の受信信号強度が記憶部35に記憶される。
【0039】
ここでの受信信号強度は、一定期間における受信信号強度の最大値であってもよいし、一定期間における受信信号強度の平均値であってもよいし、一定期間における受信信号強度の最小値であってもよい。閾値は、上記ステップS13で受け付けられたスキャン範囲の設定操作によって変更され、スキャン範囲が広く設定されるほど、閾値は低い(小さい)値となる。
【0040】
次に、制御部34は、記憶されたビーコン信号の発信元の照明器具20のアイコンを表示部32に表示する(S17)。当該アイコンは、ステップS16において記憶されたメッシュネットワーク未参入の照明器具20からのビーコン信号に含まれる識別情報に対応する(識別情報を示す)アイコンに相当する。
【0041】
次に、操作受付部31は、複数の当該アイコンの参入選択操作をユーザから受け付ける(S18)。参入選択操作は、例えば、複数のアイコンのいずれかへのタップ操作である。制御部34は、操作受付部31によって受け付けられた参入選択操作に基づき、無線通信部33に点滅指令を送信させる(S19)。
【0042】
点滅指令においては、選択されたアイコンに対応する照明器具20の識別情報が指定されている。点滅指令は、複数の照明器具20のうち当該識別情報を有する照明器具20である対象の照明器具20を選択的に点滅させるための信号である。複数の照明器具20のうち対象の照明器具20は、点滅指令を受信すると、点滅する(S20)。
【0043】
制御装置30を操作しているユーザは、点滅している対象の照明器具20の実際の設置位置を目視で確認し(S21)、点滅している対象の照明器具20のマップ画像上での設置位置(例えば、5つの設置位置のいずれか)を指定する。操作受付部31は、マップ画像内の照明器具20の設置位置の指定操作をユーザから受け付ける(S22)。そうすると、制御部34は、ステップS18で選択されたアイコンが示す識別情報と、ステップS22で指定された設置位置とを対応付けて記憶部35に記憶する(S23)。また、制御部34は、対応付けが完了したアイコンの表示を解除する(S24)。つまり、ステップS17で表示された複数のアイコンの数が1つ減少する。
【0044】
ステップS18~ステップS24の処理は、ステップS17において表示された全てのアイコン(識別情報)と、設置位置との対応付けが完了するまで繰り返される。
【0045】
[第2参入処理]
次に、第2参入処理(プロビジョニングとも記載される)について説明する。
図4は、本実施の形態の第1例に係る第2参入処理のシーケンス図である。
【0046】
まず、制御装置30の操作受付部31は、第2参入処理の開始を指示する開始操作をユーザから受け付ける(S31)。開始操作には、照明器具20の識別情報の指定操作などが含まれる。制御部34は、開始操作によって指定された識別情報を有する照明器具20とユニキャストで通信を行い、無線通信部33に当該照明器具20へ設定情報を送信させる(S32)。照明器具20は、設定情報を受信し、照明器具20が備える記憶部(図示せず)に記憶する(S33)。
【0047】
設定情報は、照明器具20がメッシュネットワークに参入するための情報である。設定情報には、照明器具20が所属するメッシュネットワークのネットワークID、及び、メッシュネットワーク内での通信に用いられる照明器具20のアドレス情報(ユニキャストアドレス)が含まれる。設定情報には、必要に応じて、メッシュネットワーク内での通信に用いられるセキュリティパスコード、周波数チャネル情報、及び、制御装置30に関する情報(メッシュネットワークを管理する装置に関する情報)などが含まれてもよい。照明器具20が他のメッシュワークに属する照明器具20と通信可能な上位ノードである場合には、設定情報には、照明器具20が上位ノードとして機能するために必要な情報が含まれる場合がある。
【0048】
設定情報が記憶部に記憶された照明器具20は、メッシュネットワークに参入することができる。ステップS31~ステップS33の処理は、全ての照明器具20がメッシュネットワークに参入するまで繰り返される。メッシュネットワークに参入した照明器具20は、参入前に行っていたビーコン信号の定期的な送信を停止する。
【0049】
なお、ステップS31~ステップS33の処理は、第1参入処理(
図2)に含まれてもよい。例えば、第1参入処理のステップS23よりも後に、対象の照明器具20に対してステップS31~ステップS33の処理が行われてもよい。
【0050】
また、ステップS22の処理が行われたことを、ステップS31の処理が行われたことと見做して、処理が行われてもよい。すなわち、ステップS22の処理が行われた後ステップS23及びS24の処理が行われることで、1つの照明器具20の設置位置と識別情報とが対応付けられ、続いてステップS32及びS33の処理が行われることで、当該1つの照明器具20についてプロビジョニングが実施されてもよい。
【0051】
図5は、本実施の形態の第1例に係るマップ画像の一例を示す図である。より具体的には、
図5は、複数の照明器具20がメッシュネットワークに参入した後のマップ画像である。
図5においては、複数の照明器具20の間のメッシュネットワークを介した通信経路が破線で示されている。
【0052】
第1参入処理及び第2参入処理の結果、
図5が示すように、照明器具20a及び20bは、メッシュネットワークを介して互いに通信可能であり、照明器具20a及び20cは、メッシュネットワークを介して互いに通信可能である。さらに、照明器具20c及び20dは、メッシュネットワークを介して互いに通信可能であり、照明器具20c及び20eは、メッシュネットワークを介して互いに通信可能である。
【0053】
例えば、照明器具20aから照明器具20dへ情報が伝送される場合には、当該情報は、照明器具20a、照明器具20c、照明器具20dの順にメッシュネットワークを介して伝送される。つまり、当該情報は、照明器具20cを介して、照明器具20aから照明器具20dへ伝送される。なお、仮に、照明器具20cがメッシュネットワークから離脱した場合には、当該情報が照明器具20aから照明器具20dへメッシュネットワークを介して伝送されることは、不可能となる。
【0054】
また、上記の通信経路は、記憶部35に記憶される。
【0055】
このように、第1参入処理及び第2参入処理により、複数の照明器具20がメッシュネットワークに参入する。ところで、上記室内空間に複数の通信機器(複数の照明器具20)が設置され、使用された後に、複数の照明器具20のうち一部又は全部の照明器具20を当該メッシュネットワークから離脱させる必要が生じる場合もある。この場合、通信機器(照明器具20)がメッシュネットワークに参入していない状態にするための初期化処理が行われる。
【0056】
[初期化処理]
図6は、本実施の形態の第1例に係る初期化処理のシーケンス図である。
【0057】
まず、制御装置30の操作受付部31は、初期化処理の開始を指示する開始操作をユーザから受け付ける(S41)。
【0058】
制御部34は、操作受付部31によって受け付けられた開始操作に基づき、マップ画像を含む離脱設定画面を表示部32に表示する(S42)。
図7は、本実施の形態の第1例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、参入設定画面が含むマップ画像と同じく、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
【0059】
次に、操作受付部31は、複数の照明器具20のうちどの照明器具20を離脱させるかを指示する離脱選択操作をユーザから受け付ける(S43)。離脱選択操作は、例えば、
図7が示す丸印(アイコン)のいずれかへのタップ操作である。ここでは、ユーザは、複数の照明器具20のうちメッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20(より具体的には、照明器具20c、20d及び20e)に相当する丸印(アイコン)をタップする操作を行う。これにより、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20(つまりは、照明器具20c、20d及び20e)が選択される。
図7が示すマップ画像においては、離脱選択操作でタップ操作された丸印(アイコン)にはドットが付されている。
【0060】
さらに、操作受付部31は、無線通信部33と通信する通信機器(照明器具20)を指示する通信選択操作をユーザから受け付ける(S44)。通信選択操作は、例えば、
図7が示す丸印(アイコン)のいずれかへのタップ操作である。ここでは、ユーザは、無線通信部33と通信する照明器具20として照明器具20aに相当する丸印(アイコン)をタップする操作を行う。これにより、無線通信部33と直接(つまりはメッシュネットワークを介さずに)通信する照明器具20(つまりは照明器具20a)が選択される。
【0061】
続いて、制御部34は、複数の通信機器の通信状態に応じて、複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する。より具体的には、制御部34は、複数の照明器具20の通信状態に示される受信信号強度が強い順に、当該番号を決定する(S45)。
【0062】
ここでは、複数の照明器具20の通信状態は、無線通信部33が受信した複数の識別信号(ビーコン信号)のそれぞれの受信信号強度を示す。上記の[第1参入処理]のステップS16において複数の識別信号(ビーコン信号)のそれぞれの受信信号強度は、記憶部35に記憶されている。制御部34は、記憶されている複数の識別信号のそれぞれの受信信号強度に基づいて、受信信号強度が強い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対する番号が小さい数値となるように決定する。例えば、受信信号強度の強い順が、照明器具20a、照明器具20b、照明器具20c、照明器具20d、照明器具20eの順である場合には、番号は、以下の通りとなる。つまり、決定された番号は、照明器具20aが「1」、照明器具20bが「2」、照明器具20cが「3」、照明器具20dが「4」、照明器具20eが「5」となる。制御装置30と1つの照明器具20との距離が近いほど、当該1つの照明器具20の受信信号強度は、強い。従って、受信信号強度の強い順とは、ステップS15の時点における制御装置30との距離が近い照明器具20の順である。また、ステップS45で決定された複数の番号は、記憶部35に記憶されるとよい。
図7が示すように、照明器具20に相当する丸印(アイコン)には、決定された番号が示されている。
【0063】
ステップS45で番号が決定されると、制御部34は、ステップS43で選択された1以上の照明器具20のそれぞれをメッシュネットワークから離脱させる順を決定する。ここでは、制御部34は、複数の照明器具20のうち無線通信部33と通信中の照明器具20に対して決定された番号と、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、メッシュネットワークから離脱させることを決定する(S46)。
【0064】
複数の通信機器のうち無線通信部33と通信中の照明器具20は、ステップS44の通信選択操作が示す照明器具20であり、具体的には、照明器具20aである。つまり無線通信部33と照明器具20aの無線通信部21とは、直接(つまりはメッシュネットワークを介さずに)通信する。この照明器具20aに対して決定された番号は、上記の通り「1」である。
【0065】
ステップS46では、制御部34は、ステップS43で選択された照明器具20c~20eがメッシュネットワークから離脱する順を決定する。制御部34は、無線通信部33と通信中の照明器具20aに対して決定された番号である「1」と、照明器具20c~20eのそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、メッシュネットワークから離脱させる。ここでは、照明器具20c~20eのそれぞれに対して決定された番号が「3」、「4」及び「5」であるため、制御部34は、照明器具20e、照明器具20d及び照明器具20cの順にメッシュネットワークから離脱させることを決定する。
【0066】
この結果が表1に示される。表1は、ステップS46で決定されたメッシュネットワークから離脱する照明器具20の順が示された表である。
【0067】
【0068】
制御部34は、ステップS46で決定された順に、照明器具20c~20eをメッシュネットワークから離脱させる。つまり、制御部34は、1以上の通信機器(1以上の照明器具20)をメッシュネットワークから離脱させる処理である離脱処理を行う。
【0069】
離脱処理は、
図6が示すステップS47及びS48を含む。
【0070】
制御部34は無線通信部33に離脱情報を送信させ(S47)、送信された離脱情報を受信した照明器具20はメッシュネットワークから離脱する(S48)。
【0071】
ここでは、制御部34は、以下のように無線通信部33を制御することで、ステップS46で決定された順に従って、照明器具20c~20eを順にメッシュネットワークから離脱させる。なお、離脱情報とは、対象となる1つの照明器具20をメッシュネットワークから離脱させるための情報である。離脱情報には、対象となる1つの照明器具20を識別する識別情報が含まれており、対象となる1つの照明器具20は、当該識別信号(つまりは自身の識別信号)を含む離脱情報を受信すると、メッシュネットワークから離脱する。
【0072】
ステップS46で決定された順に従って、まずステップS47では、制御部34は、無線通信部33に通信中の照明器具20aの無線通信部21へ、対象となる1つの照明器具20が照明器具20eである離脱情報を送信させる。照明器具20aの無線通信部21は、受信した当該離脱情報をメッシュネットワークを介して照明器具20eへ送信する。これにより、当該離脱情報は、メッシュネットワークを介して、照明器具20eの無線通信部21によって受信される。
【0073】
ステップS48では、当該離脱情報が照明器具20eの無線通信部21によって受信されると、照明器具20eは、メッシュネットワークから離脱する。
【0074】
そして、ステップS47及びステップS48の処理は、ステップS43で選択された照明器具20の全てがメッシュネットワークから離脱するまで繰り返される。
【0075】
つまりは、無線通信部33は、対象となる1つの照明器具20が照明器具20dである離脱情報を送信し、照明器具20dがメッシュネットワークから離脱する。さらに、無線通信部33は、対象となる1つの照明器具20が照明器具20cである離脱情報を送信すし、照明器具20cがメッシュネットワークから離脱する。これにより、照明器具20e、照明器具20d、及び、照明器具20cがこの順で、メッシュネットワークから離脱する。
【0076】
ここで、仮に、他の順で照明器具20c~20eを離脱させた場合について説明する。
【0077】
制御部34が、複数の通信機器の通信状態に応じた番号を用いずに、例えば、照明器具20c、照明器具20d、及び、照明器具20eの順で、照明器具20c~20eを離脱させた場合について説明する。
【0078】
この場合、はじめに照明器具20cがメッシュネットワークから離脱する。上記の通り、照明器具20cが離脱すると、照明器具20dをメッシュネットワークから離脱させるための離脱情報が照明器具20aから照明器具20dへメッシュネットワークを介して伝送されることは、不可能となる。同様に、上記の通り、照明器具20cが離脱すると、照明器具20eをメッシュネットワークから離脱させるための離脱情報が照明器具20aから照明器具20eへメッシュネットワークを介して伝送されることは、不可能となる。従って、照明器具20d及び20eを離脱させることが困難になってしまう。
【0079】
しかしながら、本実施の形態においては、制御部34は、ステップS46で決定された順に、照明器具20c~20eをメッシュネットワークから離脱させる。具体的には、制御部34は、メッシュネットワークから離脱する1以上の通信機器(照明器具20c~20e)のうち、通信中の通信機器(照明器具20a)との番号差の絶対値の大きい照明器具20の順に、メッシュネットワークから離脱させる。つまりは、制御部34は、当該1以上の通信機器(照明器具20c~20e)のうち、通信中の通信機器から遠い位置に配置された照明器具20の順に離脱させる。さらに言えば、制御部34は、メッシュネットワークの末端側のノードに相当する通信機器(照明器具20)から順に、メッシュネットワークから離脱させる。
【0080】
従って上記の他の順で照明器具20c~20eが離脱した場合とは異なり、照明器具20dをメッシュネットワークから離脱させるための離脱情報は、照明器具20cを介して、照明器具20aから照明器具20dへ容易に伝送される。同様に、照明器具20eをメッシュネットワークから離脱させるための離脱情報は、照明器具20cを介して、照明器具20aから照明器具20eへ容易に伝送される。このため、照明器具20d及び20eは、メッシュネットワークから容易に離脱させることが可能となる。つまりは、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を確実かつ容易にする制御装置30が実現される。
【0081】
また、上記の第1例においては、照明器具20c~20eの全てが離脱情報を受信して、メッシュネットワークから離脱する例が示されたが、これに限られない。例えば、離脱情報を受信した照明器具20(例えば照明器具20c)が、例えば何らかの異常などによりメッシュネットワークから離脱できない場合について説明する。つまりこの場合とは、離脱処理が行われた1以上の通信機器(ここでは照明器具20c~20e)のうち例えば通信不良により離脱情報を受信できないためメッシュネットワークに参入し続けている通信機器(照明器具20c)が有る場合である。
【0082】
この場合、制御部34は、無線通信部33と参入し続けている通信機器(照明器具20c)とを直接(つまりはメッシュネットワークを介さずに)通信させ、参入し続けている照明器具20cをメッシュネットワークから離脱させる。制御部34は、無線通信部33と通信中の1つの照明器具20aとの通信を中断し、無線通信部33とメッシュネットワークに参入し続けている通信機器(照明器具20c)とを、メッシュネットワークを介さずに通信させる。
【0083】
続いて、制御部34は、無線通信部33に通信中の照明器具20cの無線通信部21へ直接、離脱情報を送信させる。これにより、メッシュネットワークに参入し続けている通信機器(照明器具20c)をメッシュネットワークから離脱させることができる。
【0084】
このような処理について説明する。
【0085】
図8Aは、本実施の形態の第1例の変形例1に係るフローチャートである。
【0086】
図8Aが示すフローチャートは、
図6のステップS47の後に行われる処理を示す。
【0087】
ステップS47の処理が行われた後に、制御部34は、ステップS47で離脱情報を受信した照明器具20から、無線通信部33が離脱応答情報を受信したか否かを判断する(S49)。ステップS47で離脱情報を受信した照明器具20(つまりは対象となる1つの照明器具20)は、自身の識別信号を含む離脱情報を受信後かつメッシュネットワークから離脱する前に、離脱応答情報を無線通信部33に送信する。離脱応答情報は、対象となる1つの照明器具20がメッシュネットワークから離脱することを示す情報である。離脱応答情報は、対象となる1つの照明器具20がメッシュネットワークから離脱する準備が完了したことを示す情報でもある。
【0088】
無線通信部33が離脱応答情報を受信した場合(S49でYes)、
図6が示すステップS48が行われる。
【0089】
また、無線通信部33が離脱応答情報を受信しなかった場合(S49でNo)、制御部34は、メッシュネットワークに参入し続けている照明器具20(例えば照明器具20c)が有ると判断する。この場合、制御部34は、無線通信部33と照明器具20cとを直接通信させ、参入し続けている照明器具20cをメッシュネットワークから離脱させる(S50)。より具体的には、制御部34は、無線通信部33に通信中の照明器具20cの無線通信部21へ直接、離脱情報を送信させ、照明器具20cをメッシュネットワークから離脱させることができる。
【0090】
さらに、
図8Aが示す第1例の変形例1とは異なる処理を、第1例の変形例2として以下、説明する。
【0091】
図8Bは、本実施の形態の第1例の変形例2に係るフローチャートである。
【0092】
図8Bが示すフローチャートは、
図6のステップS47の後に行われる処理を示す。
【0093】
ステップS47の処理が行われた後に、無線通信部33が離脱応答情報を受信しなかった場合(S49でNo)、制御部34は処理を停止する。ここでは、ステップS49でNoの場合とは、無線通信部33が、離脱処理が行われている1つの通信機器である実行中通信機器(例えばいずれかの照明器具20)から離脱応答情報を受信しなかった場合である。この場合に、制御部34は、当該実行中通信機器への離脱処理以降の離脱処理を停止する。より具体的には、制御部34は、当該実行中通信機器へ実行中の離脱処理と、当該実行中通信機器へ実行中の離脱処理の後に実行されるはずの当該実行中通信機器以外の1以上の通信機器への離脱処理とを停止する。例えば、ステップS47で離脱情報を受信した照明器具20(実行中通信機器)の電源が偶然オフであった場合に、当該照明器具20は離脱応答情報を送信できず、無線通信部33が離脱応答情報を受信しない(つまり、ステップS49でNo)。この場合に、仮に
図8Aで示すステップS50の処理が行われると、当該照明器具20がメッシュネットワークから離脱することでメッシュネットワークの経路が断たれてしまう。この結果、当該照明器具20の離脱以降、他の照明器具20をメッシュネットワークから離脱させる場合に、制御部34がメッシュネットワークの末端側のノードに相当する照明器具20から順にメッシュネットワークから離脱させることが困難になってしまう。
【0094】
従って、無線通信部33が離脱応答情報を受信しなかった場合(S49でNo)、処理を停止し(より具体的には一旦停止し)、例えば1時間などの所定の時間の経過後又は照明器具20(実行中通信機器)の電源をオンとした後に、再度ステップS47の処理が行われるとよい。これにより、制御装置30は、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にすることができる。
【0095】
また、無線通信部33が離脱応答情報を受信した場合(S49でYes)、
図6が示すステップS48が行われる。
【0096】
ところで、第1例の変形例1及び変形例2で用いられた離脱応答情報は、第1例でも用いられてもよい。この場合の第1例においては、照明器具20d及び20eからの離脱応答情報は照明器具20cを介して制御装置30へ伝送されるため、制御装置30は照明器具20d及び20eがメッシュネットワークから正常に離脱したか否かを判断することができる。
【0097】
なお、第1例においては、ステップS45において通信状態に示される受信信号強度が強い順に番号が決定されたがこれに限られない。
【0098】
例えば、第1例においてステップS45のかわりに、以下の処理が行われてもよい。
【0099】
図9は、本実施の形態の第1例の変形例3に係るフローチャートである。
【0100】
図9が示すフローチャートは、
図6のステップS44の後に行われる処理を示す。
【0101】
制御部34は、通信状態に示される通信経路に基づいて、無線通信部33と通信中の1つの通信機器(照明器具20a)との通信距離が長い順に、メッシュネットワークから離脱する1以上の通信機器(1以上の照明器具20)のそれぞれに対して番号を決定する(S45a)。ここでは、通信状態は、メッシュネットワークに参入済みの複数の照明器具20の通信状態であり、複数の通信機器(複数の照明器具20)間のメッシュネットワークの通信経路を示す経路状態を示す。一例として、通信経路とは、
図5の破線で示されるように、どの照明器具20と他のどの照明器具とがメッシュネットワークを介して通信可能であるかを示す経路である。上記の通り、通信経路(つまりは経路状態)は記憶部35に記憶されており、制御部34は記憶されている経路状態に基づいて、ステップS45aの処理を行う。
【0102】
ステップS45aの処理の詳細を以下に示す。
【0103】
制御部34は、通信経路が長い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対して番号が大きい数値となるように決定する。つまりは、制御部34は、通信中の照明器具20aからのホップ数が多い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対して番号が大きい数値となるように決定する。ホップ数とは、メッシュネットワークの経路において、到達先も含めノードをいくつ経由するかを示す値であり、隣接しているノード間のホップ数は「1」である。例えば、照明器具20bの照明器具20aからのホップ数は、「1」である。また、照明器具20dの照明器具20aからのホップ数、及び、照明器具20eの照明器具20aからのホップ数は、「2」である。また、ホップ数が同じ値である場合には、第1ルールに沿って、複数の照明器具20のそれぞれに対して番号が決定されるとよい。一例として、第1ルールとは、ホップ数が同じ値である場合には通信中の照明器具20aからの設置位置の距離が遠い順に複数の照明器具20のそれぞれに対して番号が大きい数値となるように決定する、などのルールであるがこれに限られない。
【0104】
ステップS45aの処理が完了すると、ステップS46~S48の処理が行われる。
【0105】
この場合においても、上記の第1例が示すように、制御部34は、メッシュネットワークから離脱する1以上の通信機器(照明器具20c~20e)のうち、無線通信部33と通信中の通信機器(照明器具20a)から遠い位置に配置された照明器具20の順に離脱させる。換言すると、制御部34は、メッシュネットワークの末端側のノードに相当する通信機器(照明器具20)から順に、メッシュネットワークから離脱させる。つまりは、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0106】
<第2例>
さらに第2例について説明する。以下、主に第1例との相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
【0107】
第1例のステップS15では、無線通信部33は、複数の照明器具20の全て、つまりは5台の照明器具20a~20eの全てから、ビーコン信号を受信する。つまり、無線通信部33は、1度のスキャンで複数の照明器具20の全てからビーコン信号を受信するが、これに限られない。第2例においては、照明器具20の台数が多く、無線通信部33は、1度のスキャンで照明器具20の全てからビーコン信号を受信することが困難な場合について説明する。
【0108】
[第1参入処理]
図10は、本実施の形態の第2例に係る第1参入処理のシーケンス図である。
【0109】
第2例においても、第1例と同じく、まずステップS11及びS12の処理が行われる。
【0110】
また、ステップS12で表示部32に表示される参入設定画面が含むマップ画像は、
図11に示す通りである。
図11は、本実施の形態の第2例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
図11の例では複数の照明器具20の設置位置が丸印で示されている。
図11に示されるように、第2例においては、照明器具20の台数は48台である。
【0111】
続いて、ステップS13及びS14の処理が行われる。上記の通り照明器具20の台数が多いため、ステップS13では例えば十数台の照明器具20がスキャンされるように、操作受付部31はスキャン範囲の設定操作を受付ける。なお、1度にスキャンされる照明器具20の数は上記に限られず、1台以上100台以下などであってもよい。
【0112】
さらに、制御部34は、ステップS15の処理つまりは受信処理を行う。
図12は、本実施の形態の第2例に係る1回目のスキャン範囲を示すマップ画像である。
図12が示すように、無線通信部33は、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定されたスキャン範囲内に設置された複数の照明器具20(12台の照明器具20)から、ビーコン信号を受信する。つまり無線通信部33は、48台の照明器具20のうち少なくとも一部の照明器具20(12台の照明器具20)から、ビーコン信号を受信する。
【0113】
次にステップS16~S24の処理が行われる。これにより、例えば1台の照明器具20の設置位置と当該1台の照明器具20の識別情報とが対応付けられる。さらに、ステップS18~ステップS24の処理は、ステップS17において表示された全てのアイコン(識別情報)と、設置位置との対応付けが完了するまで繰り返される。これにより、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定されたスキャン範囲内に設置された複数の照明器具20(12台の照明器具20)の全てにおいて、設置位置と識別情報とが対応付けられる。
【0114】
さらに、第2例においては、ステップS45の処理が行われる。つまりは、制御部34は、複数の照明器具20の通信状態に示される受信信号強度が強い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対して番号を決定する。この結果、12台の照明器具20のそれぞれの番号として、
図12が示すように、「1」~「12」が決定される。また、決定された複数の番号は、記憶部35に記憶されるとよい。
【0115】
そして、ステップS15において全ての照明器具20のビーコン信号を受信できなかったため、制御装置30を保持したユーザが場所を移動した後、ステップS13~S24及びステップS45の処理が再度行われる。
【0116】
図13は本実施の形態の第2例に係る2回目のスキャン範囲を示すマップ画像であり、
図14は本実施の形態の第2例に係る3回目のスキャン範囲を示すマップ画像である。
【0117】
ステップS13~S24及びステップS45の処理が複数回行われることで、ユーザが所望する照明器具20(ここでは40台の照明器具20)のそれぞれにおいて、設置位置と識別情報とが対応付けられ、さらに、番号が決定される。
【0118】
簡単のため、以下、番号が「3」の照明器具20を照明器具20(「3」)、番号が「4」の照明器具20を照明器具20(「4」)と記載する場合がある。
図13が示すように、2回目のスキャン範囲には照明器具20(「3」)及び照明器具20(「4」)が含まれている。このため、2回目のステップS15では、照明器具20(「3」)及び照明器具20(「4」)から送信されたビーコン信号は、無線通信部33によって受信される。しかし、1回目のステップS45で照明器具20(「3」)及び照明器具20(「4」)については、番号が決定されているため、2回目のステップS45で再度番号が決定されることはない。
【0119】
なお、2回目のステップS45の処理においては、1回目のステップS45の処理で決定された番号の続きとなるように、番号が決定されるとよい。つまり、1回目のステップS45の処理では「12」までの番号が決定されたため、2回目のステップS45の処理では「13」以降の番号が決定されるとよい。3回目のステップS45においても同様である。
【0120】
図10~
図14が示すように、制御部34は、複数の通信機器(複数の照明器具20)を順次、メッシュネットワークに参入させるために、ステップS15つまりは受信処理を複数回行う。このような第2例においては、無線通信部33が、n(nは2以上の整数)回目の受信処理において、n-1回目以前の受信処理で無線通信部33によって識別信号が受信された通信機器(照明器具20)から、識別信号を受信していない場合に、以下の処理が行われるとよい。この場合、制御部34は、複数の通信機器(複数の照明器具20)を順次、メッシュネットワークに参入させるための処理を中止する。
【0121】
以下で、例えば、nが2である場合について説明する。
【0122】
図15は、本実施の形態の第2例に係る第1参入処理をより詳細に説明するフローチャートである。
【0123】
制御部34は、2回目の受信処理つまりは2回目のステップS15の処理において、1回目の受信処理で無線通信部33によって識別信号が受信された照明器具20から、無線通信部33が識別信号を受信しているか否かを判断する(S15a)。
【0124】
照明器具20(「3」)は、n-1回目以前(より具体的には、1回目)の受信処理で無線通信部33によって識別信号が受信された照明器具20に相当する。従って、制御部34は、2回目の受信処理で、無線通信部33が例えば照明器具20(「3」)から識別信号を受信している場合に、ステップS15aでYesと判断する。
【0125】
制御部34がステップS15aでYesと判断した場合に、制御部34は、ステップS16の処理を行う。
【0126】
また例えば、制御部34は、2回目の受信処理で、無線通信部33が1回目の受信処理で無線通信部33によって識別信号が受信された照明器具20(例えば照明器具20(「3」))から識別信号を受信していない場合に、ステップS15aでNoと判断する。制御部がステップS15aでNoと判断した場合、複数の照明器具20を順次メッシュネットワークに参入させるための処理を中止する。つまり、ステップS16以降の処理は行われない。
【0127】
複数の照明器具20を順次メッシュネットワークに参入させるための処理が中止された場合には、例えば、再度、制御装置30を保持したユーザが場所を移動した後、ステップS13~S24及びステップS45の処理が再度行われるとよい。
【0128】
このような処理が行われることで、n-1回目以前のスキャン範囲とn回目のスキャン範囲とが重複しない場合に、第1参入処理が中止される。つまりは、この処理により、第1参入処理が行われたもののメッシュネットワークでの通信ができない照明器具20が生じることが防がれる。仮に、第1参入処理が行われたもののメッシュネットワークでの通信ができない照明器具20がある場合、再度メッシュネットワーク参入処理を実施する必要がある。従って、当該処理により、複数の照明器具20(つまりは、複数の通信機器)を効率よくメッシュネットワークに参入させることができる。
【0129】
[第2参入処理]
さらに、第2参入処理が行われる。
図4を参照して説明する。
【0130】
第1例で示したように、ステップS31~S33の処理が行われる。ここでは、第1参入処理が行われた40台の照明器具20の全てにステップS31~S33の処理が行われることで、40台の照明器具20がメッシュネットワークに参入する。
【0131】
[初期化処理]
さらに、初期化処理が行われる。
【0132】
図16は、本実施の形態の第2例に係る初期化処理のシーケンス図である。
【0133】
第1例で示したように、ステップS41~S44の処理が行われる。ステップS42で表示部32に表示される離脱設定画面が含むマップ画像は、
図17に示す通りである。
図17は、本実施の形態の第2例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、第1例に係る
図7に示されるマップ画像と同じく、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
【0134】
例えば、ステップS43では、操作受付部31は、複数の照明器具20のうち、番号が「3」~「4」、「9」~「10」及び「13」~「40」である32台の照明器具20が離脱することを指示する離脱選択操作を受付ける。
図17が示すマップ画像においては、ステップS43の離脱選択操作でタップ操作された丸印(アイコン)にはドットが付されている。また、ステップS44では、操作受付部31は、無線通信部33と通信する照明器具20として番号が「6」である照明器具20を指示する通信選択操作を受け付ける。
【0135】
なお、ステップS45の処理は、第2例においては、第1参入処理の際に行われているので、ここでは行われない。
【0136】
さらに、ステップS46~S48の処理が行われる。制御部34は、無線通信部33と通信中の照明器具20に対して決定された番号である「6」と、離脱する32台の照明器具20のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、メッシュネットワークから離脱させる。例えば、番号が「40」である照明器具20が1番目に、番号が「39」である照明器具20が2番目にメッシュネットワークから離脱する。
【0137】
なお例えば、決定された番号が「3」である照明器具20と、決定された番号が「9」である照明器具20とは、いずれも、無線通信部33と通信中の照明器具に対して決定された番号との絶対値の差が「3」となり同じ値となる。このように2つの照明器具20において絶対値の差が同じ場合には、ステップS46では、制御部34は、第2ルールに沿って、ステップS43で選択された1以上の照明器具20のそれぞれをメッシュネットワークから離脱させる順を決定するとよい。第2ルールとは、2つの照明器具20において絶対値の差が同じ場合に無線通信部33と通信中の照明器具20からの設置位置の距離が遠い照明器具20の順にメッシュネットワークから離脱させる、などのルールであるがこれに限られない。
【0138】
以上より、第2例においても、第1例と同じく、制御部34は、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のうち、無線通信部33と通信中の照明器具20から遠い位置に配置された照明器具20の順に離脱させる。このため、第2例で示すように、照明器具20の台数が多い場合でも、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0139】
<第3例>
さらに第3例について説明する。以下、主に第2例との相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
【0140】
第3例においても、第2例と同じく照明器具20の台数が多く、無線通信部33は、1度のスキャンで照明器具20の全てからビーコン信号を受信することが困難な場合について説明する。
【0141】
【0142】
第3例においても、第2例と同じく、まずステップS11及びS12の処理が行われる。
【0143】
また、ステップS12で表示部32に表示される参入設定画面が含むマップ画像は、
図18に示す通りである。
図18は、本実施の形態の第3例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
図18の例では複数の照明器具20の設置位置が丸印で示されている。
図18に示されるように、第3例においては、照明器具20の台数は52台である。なお、
図18に示される52台の照明器具のうち7台の照明器具20を、識別のため照明器具20g、20h、20j、20k、20m、20n及び20pと記載する。
【0144】
続いて、ステップS13及びS14の処理が行われる。上記の通り照明器具20の台数が多いため、ステップS13では例えば十数台の照明器具20がスキャンされるように、操作受付部31はスキャン範囲の設定操作を受付ける。
【0145】
さらに、制御部34は、ステップS15の処理つまりは受信処理を行う。
図18が示すように、無線通信部33は、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定されたスキャン範囲(1回目のスキャン範囲)内に設置された複数の照明器具20(12台の照明器具20)から、ビーコン信号を受信する。
【0146】
次にステップS16~S24の処理が行われる。これにより、例えば1台の照明器具20の設置位置と当該1台の照明器具20の識別情報とが対応付けられる。さらに、ステップS18~ステップS24の処理は、ステップS17において表示された全てのアイコン(識別情報)と、設置位置との対応付けが完了するまで繰り返される。これにより、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定されたスキャン範囲内に設置された複数の照明器具20(12台の照明器具20)の全てにおいて、設置位置と識別情報とが対応付けられる。
【0147】
さらに、第3例においては、ステップS45の処理が行われる。つまりは、制御部34は、複数の照明器具20の通信状態に示される受信信号強度が強い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対して番号を決定する。この結果、12台の照明器具20のそれぞれに対する番号として、
図18が示すように、「1」~「12」が決定される。また、決定された複数の番号は、記憶部35に記憶されるとよい。
【0148】
そして、第2例と同じく、ステップS15において全ての照明器具20のビーコン信号を受信できなかったため、制御装置30を保持したユーザが場所を移動した後、ステップS13~S24及びステップS45の処理が再度行われる。
【0149】
図18には、2回目及び3回目のスキャン範囲が示されており、つまりは、2回目の受信処理及び3回目の受信処理が行われる。この結果、2回目及び3回目のスキャン範囲内に設置される28台の照明器具20のそれぞれに対する番号として「13」~「40」が決定される。
【0150】
さらに、第3例においては、4台の照明器具20g~20kのそれぞれの設置位置と識別情報とを対応付けるために、以下の処理が行われる。すなわち、まずは、ステップS13及びS14の処理が行われた後、4回目のステップS15の処理つまりは4回目の受信処理が行われる。
【0151】
この4回目の受信処理では、無線通信部33は、7台の照明器具20g~20pのそれぞれからビーコン信号(識別信号)を受信する。また、番号が「5」の照明器具20nは、番号が「5」「10」及び「11」である照明器具20n、20m及び20pのうち、受信信号強度が最も強い識別信号を出力した照明器具20であるとする。
【0152】
ここで、n回目(ここでは4回目)の受信処理で識別信号を出力した1以上の通信機器のうち、n回目の受信処理で無線通信部33によって初めて識別信号が受信された通信機器を新規通信機器とする。さらに、n回目(ここでは4回目)の受信処理で識別信号を出力した1以上の通信機器のうち、以下の第1条件かつ第2条件を満たす通信機器を受信済み通信機器とする。
【0153】
第1条件を満たす通信機器とは、n回目の受信処理で識別信号を出力した1以上の通信機器のうち、n-1回目(ここでは3回目)以前の受信処理で無線通信部33によって既に識別信号が受信された通信機器である。
【0154】
第2条件を満たす通信機器とは、n回目の受信処理で識別信号を出力した1以上の通信機器のうち、n回目の受信処理で受信信号強度が最も強い識別信号を出力した通信機器である。より具体的には、第2条件を満たす通信機器とは、上記の新規通信機器を除いてn回目の受信処理で受信信号強度が最も強い識別信号を出力した通信機器である。
【0155】
つまり、4台の照明器具20g~20kのそれぞれが新規通信機器に相当する。また、番号が「5」である照明器具20nが受信済み通信機器に相当する。
【0156】
さらに、第3例においては、ステップS45の処理が行われる。つまりは、制御部34は、複数の照明器具20の通信状態に示される受信信号強度が強い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対して番号を決定する。ここでは、4台の照明器具20g~20kのそれぞれに対する番号として、「41」、「42」、「43」及び「44」が決定される。決定された複数の番号は、記憶部35に記憶されるとよい。
【0157】
そして、第3例においては、制御部34は、新規通信機器(4台の照明器具20g~20k)と受信済み通信機器(照明器具20n)との番号の差分が所定の閾値より大きいか否かを判断する。所定の閾値は、一例として、無線通信部33が、一度のステップS15の処理(受信処理)で、ビーコン信号を受信することができる通信機器の数であるとよいがこれに限られない。例えば、所定の閾値は、操作受付部31がユーザから受付けた操作に示される数値(閾値)であってもよく、例えば、10、20、30などの数値であってもよい。
【0158】
ここでは、制御部34は、照明器具20gの番号「41」と照明器具20nの番号「5」との差分(つまりは36)が所定の値より大きいと判断する。この場合、照明器具20gの番号「41」は、照明器具20nの番号「5」と紐づけられるように、記憶部35に記憶される。つまり、新規通信機器(照明器具20g)と受信済み通信機器(照明器具20n)との番号の差分が所定の閾値より大きい場合に、新規通信機器の番号と受信済み通信機器の番号とが紐づけられて記憶部35に記憶される。また、第3例においては、3台の照明器具20h~20kのそれぞれの番号「41」~「43」と照明器具20nの番号「5」との差分が所定の値より大きいと判断され、同様の処理が行われる。
【0159】
第4例においては、4台の照明器具20g~20kにおいては、隣接する照明器具20(例えば、照明器具20m、20n及び20p)との間で、番号の「飛び」(番号が大きく離れていること)が発生している。このような番号の「飛び」が有る場合に、上記の処理が行われる。なお、新規通信機器(4台の照明器具20g~20k)と受信済み通信機器(照明器具20n)との番号の差分が所定の閾値以下の場合には、上記の処理は行われない。
【0160】
以上のように、ステップS13~S24及びステップS45の処理が複数回行われることで、ユーザが所望する照明器具20(ここでは44台の照明器具20)のそれぞれにおいて、設置位置と識別情報とが対応付けられ、さらに、番号が決定される。
【0161】
[第2参入処理]
さらに、第2参入処理が行われる。
図4を参照して説明する。
【0162】
第2例で示したように、ステップS31~S33の処理が行われる。ここでは、第1参入処理が行われた44台の照明器具20の全てにステップS31~S33の処理が行われることで、44台の照明器具20がメッシュネットワークに参入する。
【0163】
[初期化処理]
さらに、初期化処理が行われる。
図16を参照して説明する。
【0164】
第2例で示したように、ステップS41~S44の処理が行われる。ステップS42で表示部32に表示される離脱設定画面が含むマップ画像は、
図19に示す通りである。
図19は、本実施の形態の第3例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、第2例に係る
図17に示されるマップ画像と同じく、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
【0165】
ステップS43では、操作受付部31は、複数の照明器具20のうち、番号が「1」、「3」、「6」、「10」、「11」、「26」、「28」、「30」、「33」、「34」、「39」、「42」及び「44」である13台の照明器具20が離脱することを指示する離脱選択操作を受付ける。また、ステップS44では、操作受付部31は、無線通信部33と通信する照明器具20として番号が「43」である照明器具20jを指示する通信選択操作を受け付ける。
【0166】
さらに、ステップS46~S48の処理が行われる。制御部34は、無線通信部33と通信中の照明器具20jに対して決定された番号と、離脱する13台の照明器具20のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、メッシュネットワークから離脱させる。
【0167】
ここで、第3例においては、無線通信部33と通信中の照明器具20jに対して決定された番号として、制御部34が決定した番号「43」、又は、番号「43」に紐づけられて記憶されている番号「5」が用いられる。
【0168】
これについてより詳細に説明する。
図20は、本実施の形態の第3例に係るステップS46をより詳細に説明するフローチャートである。
【0169】
制御部34は、無線通信部33と通信中の照明器具20jの番号「43」に紐づけられた番号「5」と、離脱する照明器具20に対して決定された番号に紐づけられた番号とが同じであるか否かを判断する(S46a)。
【0170】
ステップS46aでYesの場合、制御部34は、無線通信部33と通信中の照明器具20jに対して決定された番号として、ステップS45で制御部34が決定した番号を用いることを決定する(S46b)。つまりは、離脱する通信機器が照明器具20h及び20kである場合に、照明器具20jに対して決定された番号として、番号「43」が用いられる。
【0171】
ステップS46aでNoの場合、制御部34は、無線通信部33と通信中の照明器具20jに対して決定された番号として、番号「43」に紐づけられて記憶されている番号「5」を用いることを決定する(S46c)。つまりは、離脱する通信機器が照明器具20h及び20kでない場合に、無線通信部33と通信中の照明器具20jに対して決定された番号として、番号「43」に紐づけられて記憶されている番号「5」が用いられる。換言すると、制御部34は、無線通信部33と通信中の1つの通信機器(照明器具20j)に対して決定された番号として、受信済み通信機器(照明器具20n)に対して決定された番号を用いる。
【0172】
そして、制御部34は、複数の照明器具20のうち無線通信部33と通信中の照明器具20jに対して決定された番号と、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、メッシュネットワークから離脱させることを決定する(S46d)。ステップS46bで示したように、離脱する通信機器が照明器具20h及び20kである場合に、照明器具20jに対して決定された番号として、番号「43」が用いられる。また、ステップS46cで示したように、離脱する通信機器が照明器具20h及び20kでない場合に、照明器具20jに対して決定された番号として、番号「43」に紐づけられて記憶されている番号「5」が用いられる。
【0173】
この結果が表2に示される。
【0174】
【0175】
表2は、ステップS46で決定されたメッシュネットワークから離脱する照明器具20の順が示された表である。
【0176】
表2が示すように、制御部34は、照明器具20jの番号と、照明器具20h及び20kの番号「42」及び「44」との差の絶対値が、「1」及び「1」であることを算出する。また、制御部34は、照明器具20jの番号と照明器具20mの番号「10」との差の絶対値が、「5」であることを算出する。制御部34は、番号が「1」、「3」、「6」、「11」、「26」、「28」、「30」、「33」、「34」及び「39」である13台の照明器具20についても同様に、当該差の絶対値について算出する。
【0177】
これにより、表2が示すように、制御部34は、最初に番号が「39」である照明器具20をメッシュネットワークから離脱させる。制御部34は、順次、照明器具20をメッシュネットワークから離脱させ、最後に番号が「44」である照明器具20kをメッシュネットワークから離脱させる。なおここでは、上記の第2ルールが用いられてもよい。
【0178】
このように、第3例では、番号の「飛び」が発生しても、制御部34は、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のうち、無線通信部33と通信中の照明器具20から遠い位置に配置された照明器具20の順に離脱させる。このため、第3例で示すように、番号の「飛び」が発生した場合でも、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0179】
<第4例>
さらに第4例について説明する。以下、主に第1例~第3例との相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
【0180】
第2例及び第3例においては、ステップS13~S24及びステップS45の処理が行われるごとに、照明器具20に対する番号が続きとなるように増加したがこれに限られない。
【0181】
なお、第4例では、第1~第3例で用いられた番号を第1番号として説明する。
【0182】
[第1参入処理]
図21は、本実施の形態の第4例に係る第1参入処理のシーケンス図である。
【0183】
第4例においても、第2例及び第3例と同じく、まずステップS11及びS12の処理が行われる。
【0184】
また、ステップS12で表示部32に表示される参入設定画面が含むマップ画像は、
図22に示す通りである。
図22は、本実施の形態の第4例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
図22の例では複数の照明器具20の設置位置が丸印で示されている。
図22に示されるように、第4例においては、照明器具20の台数は48台である。
【0185】
続いて、ステップS13及びS14の処理が行われる。上記の通り照明器具20の台数が多いため、ステップS13では例えば十数台の照明器具20がスキャンされるように、操作受付部31はスキャン範囲の設定操作を受付ける。
【0186】
そして、制御部34は、1回目のステップS15の処理、つまりは1回目の受信処理を行う。
図22が示すように、無線通信部33は、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定されたスキャン範囲(1回目のスキャン範囲)内に設置された複数の照明器具20(14台の照明器具20)から、ビーコン信号を受信する。
【0187】
次にステップS16~S24の処理が行われる。これにより、例えば1台の照明器具20の設置位置と当該1台の照明器具20の識別情報とが対応付けられる。さらに、ステップS18~ステップS24の処理は、ステップS17において表示された全てのアイコン(識別情報)と、設置位置との対応付けが完了するまで繰り返される。これにより、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定されたスキャン範囲内に設置された複数の照明器具20(14台の照明器具20)の全てにおいて、設置位置と識別情報とが対応付けられる。
【0188】
そして、第4例においては、制御部34は、受信処理の回数に応じて、複数の照明器具20のそれぞれに対して第2番号を決定し、複数の照明器具20の通信状態に示される受信信号強度が強い順に第1番号を決定する(S45b)。
【0189】
つまり、制御部34は、1つの照明器具20に対して、第2番号及び第1番号を決定する。
【0190】
制御部34は、受信処理の回数に応じて1つの照明器具20に対して第2番号を決定し、より具体的には、当該1つの照明器具20のビーコン信号を受信した受信処理の回数を、当該1つの照明器具20の第2番号として決定する。例えば、制御部34は、ステップS13のスキャン範囲の設定操作で設定された1回目のスキャン範囲内に設置された14台の照明器具20のそれぞれに対する第2番号が「1」であると決定する。
【0191】
また、制御部34は、第1例~第3例で示したように、複数の照明器具20の通信状態に示される受信信号強度が強い順に、複数の照明器具20のそれぞれに対して第1番号を決定する。
【0192】
図22には、照明器具20に相当する丸印(アイコン)には、決定された第2番号及び第1番号が「第2番号-第1番号」として示されている。すなわち、14台の照明器具20のそれぞれの第2番号及び第1番号として、
図22が示すように、「1-1」~「1-14」が決定される。また、決定された複数の番号は、記憶部35に記憶されるとよい。
【0193】
ステップS13~S24及びステップS45の処理が複数回行われることで、ユーザが所望する照明器具20(ここでは40台の照明器具20)のそれぞれにおいて、設置位置と識別情報とが対応付けられ、さらに、番号が決定される。
【0194】
そして、第3例と同じく、ステップS15において全ての照明器具20のビーコン信号を受信できなかったため、制御装置30を保持したユーザが場所を移動した後、ステップS13~S24及びステップS45の処理が再度行われる。
【0195】
図22には、2回目及び3回目のスキャン範囲が示されており、つまりは、2回目の受信処理及び3回目の受信処理が行われる。この結果、2回目のスキャン範囲内に設置される10台の照明器具20のそれぞれに対する第2番号及び第1番号として「2-1」~「2-10」が決定される。さらに、3回目のスキャン範囲内に設置される16台の照明器具20のそれぞれに対する第2番号及び第1番号として「3-1」~「3-16」が決定される。
【0196】
なお、2回目のステップS45の処理においては、1回目のステップS45の処理で決定された第1番号の続きとなるように、第1番号が決定されない。つまり、1回目のステップS45の処理では「1」~「14」までの第1番号が決定されたが、2回目のステップS45の処理では再度「1」以降の第1番号が決定されてもよい。3回目のステップS45においても同様である。
【0197】
[第2参入処理]
さらに、第2参入処理が行われる。
図4を参照して説明する。
【0198】
第3例で示したように、ステップS31~S33の処理が行われる。ここでは、第1参入処理が行われた40台の照明器具20の全てにステップS31~S33の処理が行われることで、40台の照明器具20がメッシュネットワークに参入する。
【0199】
[初期化処理]
さらに、初期化処理が行われる。
【0200】
図23は、本実施の形態の第4例に係る初期化処理のシーケンス図である。
【0201】
第3例で示したように、ステップS41~S44の処理が行われる。ステップS42で表示部32に表示される離脱設定画面が含むマップ画像は、
図24に示す通りである。
図24は、本実施の形態の第4例に係るマップ画像の一例を示す図である。当該マップ画像は、第3例に係る
図19に示されるマップ画像と同じく、例えば、複数の照明器具20が設置された室内空間の上面から見た図などである。
【0202】
例えば、ステップS43では、操作受付部31は、複数の照明器具20のうち、第2番号及び第1番号が「1-3」~「1-4」、「1-9」~「1-10」、「1-13」~「1-14」、「2-1」~「2-10」、及び「3-1」~「3-16」である32台の照明器具20が離脱することを指示する離脱選択操作を受付ける。
図24が示すマップ画像においては、ステップS43の離脱選択操作でタップ操作された丸印(アイコン)にはドットが付されている。また、ステップS44では、操作受付部31は、無線通信部33と通信する照明器具20として番号が「1-6」である照明器具20(以下照明器具20(「1-6」)と記載する場合がある)を指示する通信選択操作を受け付ける。
【0203】
制御部34は、ステップS43で選択された1以上の照明器具20のそれぞれをメッシュネットワークから離脱させる順を決定する。ここでは、制御部34は、第1条件及び第2条件を満たす順に、1以上の照明器具20をメッシュネットワークから離脱させることを決定する(S46f)。
【0204】
第1条件を満たす順とは、複数の照明器具20のうち無線通信部33と通信中の照明器具20に対して決定された第2番号と、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のそれぞれに対して決定された第2番号との差の絶対値が大きい順である。なお、複数の照明器具20のうち無線通信部33と通信中の照明器具20とは、照明器具20(「1-6」)である。つまり通信中の照明器具20に対して決定された第2番号とは、「1」である。
【0205】
メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20は、第2番号が「3」である16台の照明器具20と、第2番号が「2」である10台の照明器具20と、第2番号が「1」である4台の照明器具20とを含む。制御部34は、第1条件に従って、第2番号が「3」である16台の照明器具20、第2番号が「2」である10台の照明器具20、及び、第2番号が「1」である4台の照明器具20をこの順でメッシュネットワークから離脱させる。
【0206】
さらに、第2条件を満たす順とは、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のそれぞれに対して決定された第1番号が大きい順である。例えば、制御部34は、第2番号が「3」である16台の照明器具20をメッシュネットワークから離脱させる場合には、第2条件に従って、第2番号が「3」である16台の照明器具20のうち第1番号が大きい順に、メッシュネットワークから離脱させる。
【0207】
よって、ステップS46fでは、制御部34は、以下の順で複数の照明器具20をメッシュネットワークから離脱させることを決定する。つまり、決定された番号が「3-16」、「3-15」、「3-14」、「3-13」、「3-12」、「3-11」、「3-10」、「3-9」、「3-8」、「3-7、「3-6」、「3-5」、「3-4」、「3-3」、「3-2」及び「3-1」である照明器具20の順にメッシュネットワークから離脱させることが決定される。次に、決定された番号が「2-10」、「2-9」、「2-8」、「2-7」、「2-6」、「2-5」、「2-4」、「2-3」、「2-2」及び「2-1」である照明器具20の順にメッシュネットワークから離脱させることが決定される。さらに、決定された番号が「1-14」、「1-13」、「1-10」、「1-9」、「1-4」及び「1-3」である照明器具20の順にメッシュネットワークから離脱させることが決定される。
【0208】
そして、ステップS47及びS48の処理が行われる。これにより、ステップS46fで決定された順に、1以上の照明器具20がメッシュネットワークから離脱する。
【0209】
以上より、第4例においても、制御部34は、メッシュネットワークから離脱する1以上の照明器具20のうち、無線通信部33と通信中の照明器具20から遠い位置に配置された照明器具20の順に離脱させる。このため、第4例で示すように、照明器具20の台数が多い場合でも、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0210】
また、第4例においては、第2番号及び第1番号の両方が用いられるため、番号の数値が大きくなることが抑制される。すなわち、ユーザによって行われる第2番号及び第1番号の管理を容易にすることを支援することができる制御装置30が実現される。
【0211】
[効果等]
発明1は、複数の通信機器(照明器具20)の通信状態に応じて、複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する制御部34と、複数の通信機器と通信する通信部(無線通信部33)と、を備え、複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、制御部34は、複数の通信機器のうち1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる場合に、複数の通信機器のうち通信部(無線通信部33)と通信中の1つの通信機器(例えば照明器具20a)に対して決定された番号と、1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う、制御装置30である。
【0212】
なお、発明1においては、制御部34は、複数の通信機器(照明器具20)をメッシュネットワークに参入させるために、複数の通信機器のそれぞれから出力された当該通信機器を識別する識別信号を通信部(無線通信部33)に受信させる受信処理を行い、通信状態は、通信部(無線通信部33)が受信した複数の識別信号のそれぞれの受信信号強度を示し、制御部34は、通信状態に示される受信信号強度が強い順に番号を決定してもよい。
【0213】
また、発明1においては、通信状態は、複数の通信機器(照明器具20)間のメッシュネットワークの通信経路を示す経路状態を示し、制御部34は、通信状態に示される通信経路に基づいて、通信部(無線通信部33)と通信中の1つの通信機器との通信距離が長い順に番号を決定してもよい。
【0214】
これにより、第1例が示すように、制御部34は、メッシュネットワークから離脱する1以上の通信機器(照明器具20c~20e)のうち、無線通信部33と通信中の通信機器(照明器具20a)から遠い位置に配置された照明器具20の順に離脱させる。換言すると、制御部34は、メッシュネットワークの末端側のノードに相当する通信機器(照明器具20)から順に、メッシュネットワークから離脱させる。このため、例えば、照明器具20d及び20eは、メッシュネットワークから容易に離脱させることが可能となる。つまりは、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0215】
発明2は、制御部34は、複数の通信機器(照明器具20)をメッシュネットワークに参入させるために、複数の通信機器のそれぞれから出力された当該通信機器を識別する識別信号を通信部(無線通信部33)に受信させる受信処理を行い、通信状態は、通信部(無線通信部33)が受信した複数の識別信号のそれぞれの受信信号強度を示し、制御部34は、通信状態に示される受信信号強度が強い順に番号を決定する、発明1の制御装置30である。
【0216】
これにより、第1例が示すように、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0217】
発明3は、制御部34は、複数の通信機器(照明器具20)を順次、メッシュネットワークに参入させるために、受信処理を複数回行い、通信部(無線通信部33)が、n(nは2以上の整数)回目の受信処理において、n-1回目以前の受信処理で通信部(無線通信部33)によって識別信号が受信された通信機器から識別信号を受信していない場合に、通信部(無線通信部33)は、複数の通信機器を順次、メッシュネットワークに参入させるための処理を中止する、発明2の制御装置30である。
【0218】
これにより、第2例が示すように、複数の照明器具20を効率よくメッシュネットワークに参入させることができる。
【0219】
発明4は、n回目の受信処理で識別信号を出力した1以上の通信機器(照明器具20)のうち、n回目の受信処理で通信部(無線通信部33)によって初めて識別信号が受信された通信機器を新規通信機器(例えば、4台の照明器具20g~20k)とし、n-1回目以前の受信処理で通信部(無線通信部33)によって既に識別信号が受信されており、かつ、n回目の受信処理で受信信号強度が最も強い識別信号を出力した通信機器を受信済み通信機器(例えば、照明器具20n)とし、制御部34が離脱処理を行う場合に、受信済み通信機器に対して決定された番号と新規通信機器に対して決定された番号との差分が所定の閾値より大きく、かつ、通信部(無線通信部33)と通信中の1つの通信機器が新規通信機器であるときに、制御部34は、1つの通信機器に対して決定された番号として、受信済み通信機器に対して決定された番号を用いる、発明3の制御装置30である。
【0220】
これにより、第3例で示すように、番号の「飛び」が発生した場合でも、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0221】
発明5は、通信状態は、複数の通信機器(照明器具20)間のメッシュネットワークの通信経路を示す経路状態を示し、制御部34は、通信状態に示される通信経路に基づいて、通信部(無線通信部33)と通信中の1つの通信機器との通信距離が長い順に番号を決定する、発明1の制御装置30である。
【0222】
これにより、第1例の変形例3が示すように、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0223】
発明6は、離脱処理が行われた1以上の通信機器のうちメッシュネットワークに参入し続けている通信機器が有る場合には、制御部34は、通信部(無線通信部33)と参入し続けている通信機器とをメッシュネットワークを介さずに通信させ、参入し続けている通信機器をメッシュネットワークから離脱させる、発明1~5のいずれかの制御装置30である。
【0224】
これにより、第1例の変形例1が示すように、異常などによりメッシュネットワークから離脱できない照明器具20(例えば照明器具20c)がある場合においても、当該照明器具20をメッシュネットワークから離脱させることができる。つまりは、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0225】
発明7は、制御部34が上記の順に沿って1以上の通信機器(照明器具20)への離脱処理を行う場合に、1以上の通信機器のうち離脱処理が行われている1つの通信機器である実行中通信機器から当該実行中通信機器がメッシュネットワークから離脱することを示す離脱応答情報を通信部(無線通信部33)が受信しなかったときに、制御部34は、実行中通信機器への離脱処理以降の離脱処理を停止する、発明1~5のいずれかの制御装置30である。
【0226】
これにより、第1例の変形例2が示すように、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にすることができる制御装置30が実現される。
【0227】
発明8は、番号は、第1番号であって、制御部34は、複数の通信機器(照明器具20)を順次、メッシュネットワークに参入させるために、複数の通信機器のそれぞれから出力された当該通信機器を識別する識別信号を通信部(無線通信部33)に受信させる受信処理を複数回行う場合に、受信処理の回数に応じて、複数の通信機器のそれぞれに対して第2番号を決定し、複数の通信機器のうち1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させるときに、複数の通信機器のうち通信部(無線通信部33)と通信中の1つの通信機器に対して決定された第2番号と、1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された第2番号との差の絶対値が大きい順であって、1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された第1番号が大きい順に、1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる、発明1に記載の制御装置30である。
【0228】
これにより、第4例で示すように、照明器具20の台数が多い場合でも、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御装置30が実現される。
【0229】
発明9は、複数の通信機器のそれぞれは、照明器具20である、発明1~8のいずれかの制御装置30である。
【0230】
これにより、複数の通信機器のそれぞれが照明器具20である制御装置30が実現される。
【0231】
発明10は、制御装置30が実行する制御方法であって、制御装置30は、制御部34と、複数の通信機器(照明器具20)と通信する通信部(無線通信部33)と、を備え、複数の通信機器は、メッシュネットワークに参入し、制御方法は、制御部34が、複数の通信機器の通信状態に応じて、複数の通信機器のそれぞれに対して番号を決定する第1ステップと、制御部34が、複数の通信機器のうち1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる場合に、複数の通信機器のうち通信部(無線通信部33)と通信中の1つの通信機器に対して決定された番号と、1以上の通信機器のそれぞれに対して決定された番号との差の絶対値が大きい順に、1以上の通信機器をメッシュネットワークから離脱させる離脱処理を行う第2ステップとを含む制御方法である。
【0232】
これにより、第1例が示すように、メッシュネットワークからの通信機器(照明器具20)の離脱を容易にする制御方法が実現される。
【0233】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0234】
例えば、上記実施の形態では、識別情報としてMACアドレスが例示されたが、識別情報は、照明器具を一意に特定できるものであればよく、MACアドレスに限定されない。
【0235】
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法は、一例である。装置間の通信方法については特に限定されるものではない。
【0236】
第1例の初期化処理では、無線通信部33は順次、対象となる1つの照明器具20が照明器具20eである離脱情報、対象となる1つの照明器具20が照明器具20dである離脱情報、対象となる1つの照明器具20が照明器具20cである離脱情報、を送信する。例えば、離脱情報が送信されるタイミングは以下であるとよい。無線通信部33が、照明器具20eから送信された離脱応答情報を受信した場合に、制御部34は、対象となる1つの照明器具20が照明器具20dである離脱情報を、無線通信部33に送信させるとよい。同様に、無線通信部33が、照明器具20dから送信された離脱応答情報を受信した場合に、制御部34は、対象となる1つの照明器具20が照明器具20cである離脱情報を、無線通信部33に送信させるとよい。これにより、より確実に、照明器具20e、照明器具20d、及び、照明器具20cがこの順で、メッシュネットワークから離脱することができる。
【0237】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0238】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0239】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0240】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態の通信システム又は情報端末として実現されてもよいし、情報端末が実行する情報処理方法として実現されてもよい。本発明は、このような情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。このようなプログラムには、汎用の情報端末などのコンピュータを、上記実施の形態の情報端末として機能させるためのアプリケーションプログラムが含まれる。
【0241】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0242】
20、20a、20b、20c、20d、20e、20g、20h、20j、20k、20m、20n、20p 照明器具
30 制御装置
34 制御部